以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。本発明に係る車両システム100は、図1に示すように、車両Aに搭載される車載装置1およびユーザに携行される携帯機2を含んで構成されている。なお、図1は、車両システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
また、車載装置1および携帯機2は、携帯機2が車両A周囲の無線通信エリア内に入ったときに車両ドアのアンロック等の制御を実行するいわゆるスマートエントリー機能、および携帯機2が有するプッシュスイッチ26・27の操作に応じて車両ドアのロックやアンロック等の制御を実行するいわゆるリモートキーレスエントリー機能を有する。なお、本実施形態では、車載エンジンを走行駆動源とする内燃機関車両に車両システム100を適用した場合を例に挙げて以降の説明を行う。
まず、図2を用いて、車載装置1の概略的な構成について説明を行う。図2は、車載装置1の概略的な構成を示すブロック図である。図2に示すように車載装置1は、スマートECU11、LF送信部12、UHF受信部13、UHF送信部14、エンジンスイッチ15、ドアアンテナ16a、室内アンテナ16b、トランク内アンテナ16c、トランク外アンテナ16d、超音波センサ17、およびソナーECU18を備えている。なお、スマートECU11、LF送信部12、UHF受信部13、UHF送信部14、超音波センサ17、およびソナーECU18からなる構成が請求項の車載装置に相当する。
LF送信部12は、LFアンテナを有しており、このLFアンテナを介して携帯機2にLF帯(例えば30kHz〜300kHz)の電波にて信号(情報)を送信する。LF送信部12から送信される信号は、車両Aの4箇所に配置されるドアアンテナ16a、室内アンテナ16b、トランク内アンテナ16c、およびトランク外アンテナ16dを介して、それぞれ限られた通信エリア内に対してのみ到達する。
UHF受信部13は、UHFアンテナを有しており、UHF帯(例えば300MHz〜3GHz)の電波にて携帯機2から送信されてくる信号(情報)をUHFアンテナで受信する。また、UHF受信部13は、スマートECU11に接続されており、UHFアンテナで受信した信号をスマートECU11に出力する。
UHF送信部14は、UHFアンテナを有しており、このUHFアンテナを介して車載装置1にUHF帯の電波にて信号(情報)を送信する。また、UHF送信部14は、スマートECU11に接続されており、このスマートECU11から出力された情報をUHFアンテナから送信する。
なお、本実施形態では、UHF受信部13とUHF送信部14とがそれぞれUHFアンテナを有する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、UHF受信部13とUHF送信部14とが一体となっており、共通のUHFアンテナを利用する構成としてもよい。
エンジンスイッチ15は、図示しない車載エンジンを動作開始するべくユーザが操作するためのプッシュスイッチであり、スマートECU11に接続されている。エンジンスイッチ15は、所謂「オフ」、アクセサリ電装機器に通電させる「アクセサリ」、エンジンの点火系に通電を行う「IGオン」、エンジンを始動させるためにスタータに通電を行う「スタート」といった4つの電源ポジションの切り替えができる。また、エンジンスイッチ15は、ユーザによって上述の切り替え操作がされると、その旨を示す電気信号をスマートECU11に出力する。そして、スマートECU11は、この電気信号に基づいて、車両Aの状態を制御する。
なお、本実施形態では、エンジンスイッチ15としてプッシュスイッチを用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、エンジンスイッチ15として、メカニカルキーを差し込むためのキーシリンダと一体となったロータリスイッチを用いる構成としてもよい。
また、本実施形態では、車載エンジンを走行駆動源とする内燃機関車両に車両システム100を適用することを想定しているが、必ずしもこれに限らず、電動機(モータ)を走行駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両に車両システム100を適用する構成としてもよい。なお、この場合には、エンジンスイッチ15の代わりに、上記モータの始動準備を完了させるべくユーザが操作するためのスイッチを用いる構成とすればよい。
超音波センサ17は、超音波を送波し、その反射波を受信する。超音波センサ17は、例えば車両前部や車両のコーナー部付近や車両後部などに複数配置され、車両Aの周囲に向けて超音波を送波する。また、超音波センサ17は、送信した超音波のパルス信号の情報と受信した反射波のパルス信号の情報とをソナーECU18に出力する。
ソナーECU18は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行する。例えば、ソナーECU18は、車両Aに配置される複数の超音波センサ17から、例えば50msecなどの一定時間の間隔を空けて順番に超音波を送波させる。これにより、どの超音波センサ17から送波された超音波の反射波を受信したのかを区別することが可能になる。
ソナーECU18は、車両Aに配置される複数の超音波センサ17から送られてきたパルス信号の情報と受信した反射波のパルス信号の情報とをもとに、各々の超音波センサ17が超音波を送波した時間と、それらの反射波を受波した時間の時間差から、超音波センサ17の検知範囲内に存在する障害物の位置(例えば、車両Aに対する方向および車両Aまでの距離)を求める。以降では、超音波センサ17を制御して超音波を送波させてから、その送波で得られたパルス信号の情報と受信した反射波のパルス信号の情報とをもとに、障害物の位置を求めるまでの上記処理を障害物検出処理と呼ぶものとする。
また、ソナーECU18は、「IGオン」であってシフトポジションが走行位置「D」や後退位置「R」であり、且つ、車両Aの車速が所定の速度(例えば15km/h)以下である場合に、上記障害物検出処理を逐次行うものとする。なお、「IGオン」であることについては、「IGオン」への切り替え操作が行われたことを示す電気信号がスマートECU11に入力されたことをもとに判別する構成とすればよい。また、シフトポジションが走行位置「D」や後退位置「R」であることについては、図示しないシフトポジションセンサの信号をもとに判別する構成とすればよい。さらに、車両Aの車速が所定の速度以下であることについては、図示しない車速センサの信号をもとに判別する構成とすればよい。
他にも、ソナーECU18は、電源ポジションが「オフ」の場合であって、スリープ状態にある場合でも、スマートECU11から後述する起動要求が入力されてきた場合にはアクティブ状態に移行し、上記障害物検出処理を行う。なお、ソナーECU18は、例えばソナーECU18の電気的に書き換え可能なメモリ(以下では例えばRAMとする)に、障害物検出処理で得た障害物の位置の情報(以下、障害物情報)を格納しておき、新たな障害物情報が得られるたびに更新していく構成とすればよい。
スマートECU11は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、スマートECU11は、前述のスマートエントリー機能やリモートキーレスエントリー機能に関する処理を実行する。
また、スマートECU11は、車両Aの駐車を検知した場合に、ソナーECU18で検出していた障害物情報を記憶しておく駐車時障害物情報記憶処理を実行する。さらに、スマートECU11は、携帯機2から後述する車両情報要求を受けた場合に、その後にソナーECU18で検出した障害物情報を少なくとも含む車両情報を収集する収集処理を実行する。
また、スマートECU11は、収集処理で車両情報を収集したときに、駐車時障害物情報記憶処理で記憶した障害物情報が存在した場合には、収集処理で収集した障害物情報と駐車時障害物情報記憶処理で記憶した障害物情報とをもとに障害物の変化を判定する変化判定処理を実行する。さらに、スマートECU11は、収集処理で収集した車両情報や変化判定処理で判定した障害物の変化を示す情報をUHF送信部14から携帯機2に送信する転送処理を実行する。
ここで、スマートECU11での収集処理、駐車時障害物情報記憶処理、変化判定処理、および転送処理についての詳細な説明を行う。まず、図3を用いて、駐車時障害物情報記憶処理についての詳細な説明を行う。なお、図3は、駐車時障害物情報記憶処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図3のフローは、例えば車両Aが発進したときに開始される構成とすればよい。あるいは、エンジンスイッチ15が「IGオン」となったときに開始されても良い。なお、車両Aの発進は、例えば図示しない車速センサで例えば5km以上等の一定値以上の車速を検出したことをもって判別する構成とすればよい。
ステップS1では、車両Aの駐車を検知した場合(ステップS1でYES)には、ステップS2に移る。また、車両Aの駐車を検知しなかった場合(ステップS1でNO)には、ステップS1のフローを繰り返す。よって、スマートECU11が請求項の駐車検知手段に相当する。
なお、車両Aの駐車を検知する方法としては、例えば図示しないシフトポジションセンサの信号をもとにシフトポジションが駐車位置「P」に移行したと判別したときにスマートECU11で車両Aの駐車を検知する構成とすればよい。また、図示しないパーキングブレーキスイッチの信号をもとにパーキングブレーキがかけられたと判別したときにスマートECU11で車両Aの駐車を検知する構成としてもよい。さらに、電源ポジションを「オフ」に切り替える電気信号を検出したときにスマートECU11で車両Aの駐車を検知する構成としてもよい。
続いて、ステップS2では、ソナーECU18のRAMに格納されている駐車時の障害物情報を取得し、ステップS3に移る。ステップS3では、ステップS2で取得した障害物情報(つまり、車両Aの駐車時に検出していた障害物情報)を、スマートECU11の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(以下では例えばEEPROMとする)に記憶し、フローを終了する。以降では、この車両Aの駐車時に検出していた障害物情報を駐車時障害物情報と呼ぶものとする。なお、スマートECU11が請求項の車載側記憶手段に相当する。
また、電源ポジションを「オフ」に切り替える電気信号を検出したときにスマートECU11で車両Aの駐車を検知する構成とした場合には、ステップS3において、ステップS2で取得した障害物情報をスマートECU11の例えばEEPROMに記憶するまでは電源ポジションを実際に「オフ」に切り替えず、記憶が済んだ後に実際に「オフ」に切り替えさせるようにすればよい。
なお、駐車時障害物情報記憶処理では、車両Aの駐車を検知した場合に、スマートECU11から指示を送ってソナーECU18に障害物検出処理を行わせ、その障害物検出処理で得られた障害物情報を取得し、スマートECU11の例えばEEPROMに記憶する構成としてもよい。
次に、図4を用いて、収集処理、変化判定処理、および転送処理についての詳細な説明を行う。なお、図4は、収集処理、変化判定処理、および転送処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図4のフローは、例えば駐車時障害物情報記憶処理が行われ、且つ、電源ポジションが「オフ」に切り替わったときに開始される構成とすればよい。なお、電源ポジションが「オフ」に切り替わったときには、ソナーECU18はスリープ状態に移行するものとする。
ここで言うところのスリープ状態とは、ソナーECU18に動作用のクロック信号が供給されておらず(つまり、クロック停止)、ソナーECU18の機能が停止している状態を意味している。動作用のクロック信号は所定の発振回路から供給されるものとし、この発振回路に動作用のクロック信号の供給の停止の指示を行うことによってスリープ状態への切り替えを実行するものとする。また、起動要求が入力されたときには、割り込み信号を上述の発振回路に送り、発振回路による動作用のクロック信号の出力を再開(つまり、クロックスタート)させることによって、ソナーECU18をスリープ状態からアクティブ状態へ強制的に移行させるものとする。
まず、ステップS11では、UHF受信確認を行ってステップS12に移る。UHF受信確認では、UHF受信部13を介して携帯機2から後述する車両情報要求を受けたか否かを判別する。
ステップS12では、スマートECU11がUHF受信部13を介して携帯機2から車両情報要求を受けた場合(ステップS12でYES)には、要求ありとしてステップS13に移る。また、スマートECU11がUHF受信部13を介して携帯機2から車両情報要求を受けていなかった場合(ステップS12でNO)には、要求なしとしてステップS11に戻ってフローを繰り返す。
ステップS13では、車両情報収集を行ってステップS14に移る。車両情報収集では、スマートECU11がスリープ状態のソナーECU18に起動要求を送り、ソナーECU18をアクティブ状態に移行させ、アクティブ状態に移行したソナーECU18での障害物検出処理で得られた障害物情報を取得する。なお、ステップS11〜ステップS13までの処理が収集処理に相当する。また、アクティブ状態に移行することが請求項における起動に相当する。
なお、車両情報収集では、障害物情報以外にも、車両Aのドアロックの状態の情報や燃料残量の情報やタイヤ空気圧の異常の有無の情報等の車両情報を、各車両情報を保持するECU等から取得する構成としてもよい。以降では、一例として、車両情報収集によって車両Aのドアロックの状態の情報、燃料残量の情報、タイヤ空気圧の異常の有無の情報、および障害物情報が収集されるものとして説明を続ける。
また、上記各車両情報を保持するECU等のうち、スリープ状態となっているものが存在する場合には、ソナーECU18の場合と同様に、起動要求を送ってアクティブ状態に移行させる構成とすればよい。
さらに、スマートECU11もスリープ状態となっており、UHF受信部13を介して携帯機2から車両情報要求を受けたときにスマートECU11がアクティブ状態に移行する構成としてもよい。この場合、車両情報要求に起動要求も含む構成とすればよい。
続いて、ステップS14では、駐車時障害物情報記憶処理で例えばEEPROMに記憶していた駐車時障害物情報を読み出し、ステップS15に移る。ステップS15では、ステップS13の車両情報収集で得た障害物情報(以下、要求時障害物情報)とステップS14で読み出した駐車時障害物情報とを比較し、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があるか否かを判定する。よって、スマートECU11が請求項の車載側判定手段に相当する。
要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があることは、例えば、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間での、障害物の車両Aまでの距離の規定値以上の接近、および障害物の数の増加のうちの少なくともいずれかの変化があることをもって判定する構成とすることが好ましい。ここで言うところの規定値とは、障害物検出処理での障害物の車両Aまでの距離の算出誤差を上回る程度の値であって、任意に設定可能な値である。
そして、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があると判定した場合(ステップS15でYES)には、障害物変化ありとしてステップS16に移る。また、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があると判定しなかった場合(ステップS15でNO)には、障害物変化なしとしてステップS17に移る。なお、ステップS14〜ステップS15の処理が変化判定処理に相当する。
ステップS16では、ステップS13の車両情報収集で得た要求時障害物情報等の車両情報(つまり、収集内容)および駐車時障害物情報から要求時障害物情報にかけての障害物の変化を示す情報(つまり、変化分)を含む、携帯機2への送信用のレスポンスデータを生成し、ステップS18に移る。
なお、駐車時障害物情報から要求時障害物情報にかけての障害物の変化を示す情報を以下では、変化分情報と呼ぶものとする。変化分情報の一例としては、駐車時からの障害物の変化の有無を示す情報、駐車時からの障害物の接近を示す情報、駐車時からの障害物の増加を示す情報などがあるが、ここでは、変化分情報は駐車時からの障害物の変化の有無を示す情報であるものとして以降の説明を続ける。
また、ステップS17では、ステップS13の車両情報収集で得た要求時障害物情報等の車両情報(つまり、収集内容)を含む、携帯機2への送信用のレスポンスデータを生成し、ステップS18に移る。ステップS18では、生成したレスポンスデータをUHF送信部14に送り、UHF送信部14から携帯機2に向けて送信(つまり、レスポンス送信)させ、フローを終了する。よって、UHF送信部14が請求項の車載側送信手段に相当する。
なお、本実施形態では、障害物の車両Aまでの距離の規定値以上の接近や障害物の数の増加といった変化があった場合に、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があると判定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、障害物の車両Aまでの距離の増加や障害物の数の減少といった変化があった場合にも、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があると判定する構成としてもよい。
続いて、図5を用いて、携帯機2の概略的な構成について説明を行う。図5は、携帯機2の概略的な構成を示すブロック図である。図5に示すように携帯機2は、制御IC21、LF受信部22、UHFアンテナ23、スイッチ23a、UHF送信部24、UHF受信部25、プッシュスイッチ26・27、操作入力部28、振動発生装置29、スピーカ30、および表示器31を備えている。
LF受信部22は、LFアンテナを有しており、車載装置1から送信されてくるLF帯の信号(情報)をこのLFアンテナを介して受信する。また、LF受信部22は、制御IC21に接続されており、LFアンテナにて受信した信号を制御IC21に出力する。
UHF送信部24は、UHFアンテナ23を介して車載装置1にUHF帯の電波にて信号(情報)を送信する。また、UHF送信部24は、制御IC21に接続されており、この制御IC21から出力された情報をUHFアンテナ23から送信する。
UHF受信部25は、UHF帯の電波にて車載装置1から送信されてくる信号(情報)を、UHFアンテナ23を介して受信する。また、UHF受信部25は、制御IC21に接続されており、UHFアンテナ23にて受信した情報を制御IC21に出力する。詳しくは、UHF受信部25では、車載装置1のUHF送信部14から送信される要求時障害物情報等の車両情報や変化分情報を受信する。よって、このUHF受信部25が請求項の携帯側受信手段として機能する。
プッシュスイッチ26・27は、主にリモートキーレスエントリー機能を利用するためのスイッチである。プッシュスイッチ26がワンプッシュ操作されると、車両ドアのロックが行なわれる一方、プッシュスイッチ27がワンプッシュ操作されると、車両ドアのアンロックが行なわれるようになっている。
操作入力部28は、障害物の情報を要求する旨のユーザからの操作を受け付けるためのスイッチであって、例えば表示器31と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。よって、操作入力部28が請求項の要求受け付け部に相当する。
振動発生装置29は、制御IC21の指示に従って、携帯機2の振動を発生させるものであって、周知の振動子を用いて構成することができる。スピーカ30は、制御IC21に接続されており、制御IC21の指示に従って、警告音や音声を出力する。表示器31は、制御IC21の指示に従って、テキストや画像を表示するものであって、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成することができる。
制御IC21は、CPU、ROM、RAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータであり、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行するものである。例えば、制御IC21は、前述のスマートエントリー機能やリモートキーレスエントリー機能に関する処理を実行する。
ここで、車載装置1と携帯機2との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、車両ドアのアンロックを行なうスマートエントリー機能の概要を説明する。なお、スマートエントリー機能における車載装置1および携帯機2での処理については、例えば特許文献2に開示の技術と同様にして行われるものとすればよい。
車載装置1の各部は、スマートECU11に制御されて作動し、その制御下で、LF送信部12は、携帯機2の起動を要求するWAKE要求を定期的に送信する。また、携帯機2の各部は、制御IC21に制御されて作動し、携帯機2がLF送信部12からの上記WAKE要求を受信可能な無線通信エリア内に入った場合、そのWAKE要求をLF受信部22が受信する。
なお、LF送信部12とLF受信部22との間では、LF帯の電波を利用した無線通信が行なわれる。車載装置1と携帯機2との通信エリアを車両Aの周辺に制限するべく、WAKE要求の送受信についてLF帯の電波を利用している。
携帯機2のLF受信部22が車載装置1からのWAKE要求を受信すると、スリープ状態であった携帯機2の各部がアクティブ状態となり、UHF送信部24は、WAKE要求に対するレスポンス信号としてのWAKE応答を送信する。なお、LF受信部22は常にアクティブ状態であるものとする。続いて、車載装置1では、携帯機2から送信されてくるWAKE応答をUHF受信部13で受信する。
なお、UHF受信部13およびUHF送信部24との間では、UHF帯の電波を利用した無線通信が行なわれる。上記応答信号の送受信についてUHF帯の電波を利用する理由は、携帯機2から送信される信号の出力レベルが微弱でも相応に通信距離が得られ、車載装置1側へより確実に応答信号を伝達することができるためである。
UHF受信部13が携帯機2から送信されてくるWAKE応答を受信すると、LF送信部12は、照合要求を送信する。これに対して、携帯機2のLF受信部22が車載装置1からの照合要求を受信すると、UHF送信部24は、携帯機2に対応する車両Aに固有のコードを含んだ照合データを送信する。すると、車載装置1では、携帯機2から送信されてくる照合データをUHF受信部13で受信する。
そして、UHF受信部13が携帯機2から送信されてくる照合データを受信すると、車載装置1のスマートECU11は、この照合データに含まれているコードがスマートECU11に記憶されているコードと一致しているか否かの照合を行ない、一致していれば、車両ドアのアンロックを許可する。
なお、車両ドアのアンロック以降は、この種の車両システムにおける周知の制御が実行される。例えば、上記アンロック許可状態で、運転席ドアの外側のドアノブに設けられている図示しないタッチセンサからの信号により人がそのドアノブを触ったことを検知すると、スマートECU11は、ドア制御系へアンロック信号を出力し、その結果、図示しないドアロックモータが駆動され車両ドア全てがアンロック状態になる。また、この他にも、エンジン始動が許可される状態になるなど、様々な制御が行なわれるが、これらの制御そのものは本発明の要部とは直接関連しない事項となるため、これ以上の説明は省略する。
また、制御IC21は、UHF送信部24から信号を送信させる場合には、スイッチ23aを切り替えてUHFアンテナ23とUHF送信部24とを接続させる一方、UHFアンテナ23で信号を受信する場合には、スイッチ23aを切り替えてUHFアンテナ23とUHF受信部25とを接続させる。
さらに、制御IC21は、操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けたことをトリガとして、車両情報要求をUHF送信部24から送信させる。なお、車両情報要求が請求項の要求信号に相当し、UHF送信部24が請求項の携帯側送信手段に相当する。
また、本実施形態では、操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けたことをトリガとして、車両情報要求をUHF送信部24から送信させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、ユーザがプッシュスイッチ26およびプッシュスイッチ27を同時に2秒以上押し続ける等の操作入力を受け付けたことをトリガとして、車両情報要求をUHF送信部24から送信させる構成としてもよい。また、プッシュスイッチ26およびプッシュスイッチ27のいずれか一方のみを利用した操作入力を受け付けたことをトリガとして、車両情報要求をUHF送信部24から送信させる構成としてもよい。
さらに、制御IC21は、UHF受信部25で車載装置1から送信された要求時障害物情報等の車両情報や変化分情報を受信した場合に、要求時障害物情報等の車両情報や変化分情報をもとに、障害物の位置を示す情報、車両Aのドアロックの状態を示す情報、燃料残量を示す情報、タイヤ空気圧の異常の有無を示す情報、駐車時からの障害物の変化の有無を示す情報を表示器31に表示させる車両情報提示処理を実行する。
ここで、これらの情報の表示器31での表示例について図6を用いて説明を行う。図6は、表示器31での表示例を示す図である。なお、図中のBの破線枠で囲った表示が障害物の位置を示す表示であり、Cの破線枠で囲った表示が車両Aのドアロックの状態を示す表示であり、Dの破線枠で囲った表示がタイヤ空気圧の異常の有無を示す表示である。また、Eの破線枠で囲った表示が燃料残量を示す表示であり、Fの破線枠で囲った表示が駐車時からの障害物の変化の有無を示す表示である。
障害物の位置については、注意を促すマークとともに、車両のマークの周辺の6箇所(前方、右前方、左前方、後方、右後方、左後方)のどの位置にバーを表示させるかによって車両Aに対する障害物の方向を表し、バーの本数によって車両Aに対する障害物の距離を表すものとする。
例えば、バーの本数が1本のときに近距離(例えば25±5cm以下)、2本のときに中距離(例えば37.5±5〜25±5cm)、3本のときに遠距離(例えば50±5〜37.5±5cm)などとすればよい。図6に示す例では、車両のマークの周辺の右前方と後方との2箇所にそれぞれ3本のバーが表示されているので、ここでは、車両Aの右前方の遠距離と後方の遠距離とに障害物が存在することが表されている。
なお、ここではバーの本数を最大3本として説明したが、必ずしもこれに限らず、バーの本数を3本よりも少なくする構成としてもよいし、3本よりも多くする構成としてもよい。また、障害物の方向を最大6方向として説明したが、必ずしもこれに限らず、6方向よりも少なくしてもよいし、6方向よりも多くしてもよい。
図6に示す例では、車両のマークの周辺の右前方と後方との2箇所にそれぞれ3本のバーが表示されているので、ここでは、車両Aの右前方の遠距離と後方の遠距離とに障害物が存在することが表されている。
また、車両Aのドアロックの状態については、Cの破線枠で囲った表示が行われている場合にドアロックされていることを示し、表示が行われていない場合にアンロックされていることを示すものとする。さらに、タイヤ空気圧の異常の有無については、Dの破線枠で囲った表示が行われている場合に異常があることを示し、表示が行われていない場合に異常がないことを示すものとする。続いて、燃料残量については、Eの破線枠で囲った表示のように、燃料残量のレベルを示すメータの目盛りによって表すものとする。
さらに、駐車時からの障害物の変化の有無を示す表示については、Fの破線枠で囲った表示が行われている場合に変化があったことを示し、表示が行われていない場合に変化がなかったことを示すものとする。表示の例としては、Fの破線枠で囲った表示のように、注意を促すマークとともに、「障害物情報 降車時から変化があります」等の駐車時からの障害物の変化があったことを示すテキスト表示を行う構成とすればよい。
なお、ここでは、車両情報提示処理において、障害物の位置を示す情報、車両Aのドアロックの状態を示す情報、燃料残量を示す情報、タイヤ空気圧の異常の有無を示す情報、駐車時からの障害物の変化の有無を示す情報を表示器31に表示する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両情報提示処理において、これらの情報をスピーカ30からの音声出力によって提示する構成としてもよいし、駐車時からの障害物の変化があることを、スピーカ30から警告音を出力したり、振動発生装置29によって携帯機2を振動させたりすることによって提示する構成としてもよい。よって、振動発生装置29、スピーカ30、および表示器31が請求項の携帯側提示手段に相当する。
次に、図7を用いて、携帯機2での情報の提示に関連する処理についての詳細な説明を行う。なお、図7は、携帯機2での情報の提示に関連する処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図7のフローは、例えば操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けたときに開始される構成とすればよい。なお、携帯機2は、操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けるまではスリープ状態であったものとする。
まず、ステップS21では、操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けたことをトリガとしてクロックスタートして、携帯機2がアクティブ状態に移行(つまり、スリープ解除)し、ステップS22に移る。ステップS22では、制御IC21がUHF送信部24から車両情報要求を送信させ、ステップS23に移る。
ステップS23では、車載装置1から送信されてくる要求時障害物情報等の車両情報や変化分情報を所定時間内にUHF受信部25で受信したか否かを制御IC21が判定する。そして、所定時間内に受信したと判定した場合(ステップS23でYES)には、レスポンスありとして、ステップS24に移る。また、所定時間内に受信したと判定しなかった場合(ステップS23でNO)には、レスポンスなしとして、ステップS25に移る。なお、ここで言うところの所定時間とは任意に設定可能な時間である。
ステップS24では、前述した車両情報提示処理を行って、ステップS26に移る。また、ステップS25では、通信エラーであることを示す表示を表示器31に行ったり、通信エラーであることを示す音声出力をスピーカ30から行ったりなどする通知をして、ステップS26に移る。そして、ステップS26では、クロック停止して、携帯機2がスリープ状態に移行(つまり、スリープ移行)し、フローを終了する。
以上の構成によれば、車両Aに搭載された車載装置1のソナーECU18で検出した障害物情報を、UHF帯を利用した無線通信によって携帯機2で受信し、携帯機2で提示するので、車両Aの車外のユーザが乗車前に車両A周辺の障害物の存在の有無を確認することができる。
また、ユーザは、携帯機2から障害物情報の提示を受けるので、車両A周辺の障害物の存在の有無をその場で容易に確認することができ、障害物の存在の有無を確認するために実際に車両Aの周囲を回る必要がない。よって、車両A周辺の障害物の存在の有無を確認する手間を軽減することが可能になる。また、携帯機2から提示される障害物情報を確認しさえすれば、車両A周辺の障害物の存在の有無を確認することができるので、障害物の見落としが生じにくい。
さらに、以上の構成では、障害物の情報を要求する旨のユーザからの操作を携帯機2の操作入力部28で受け付けた場合に送信される車両情報要求をもとにソナーECU18を強制的にアクティブ状態に移行(つまり、起動)させ、起動したソナーECU18で検出した障害物情報を携帯機2で取得し、ユーザに提示することになる。よって、障害物の情報を要求する旨のユーザからの操作を受け付けた直後にソナーECU18で検出された障害物情報の提示を、ユーザが受けることが可能になる。従って、車両A周辺の障害物の存在の有無について、直近の状態をユーザが確認することが可能となり、障害物の存在の有無を正確に確認することが可能になる。
また、以上の構成によれば、障害物の位置の規定値以上の接近、および障害物の数の増加のうちの少なくともいずれかの変化があった場合に、障害物の変化を示す情報を携帯機2で提示することになるので、駐車後に障害物が現れたり接近してきたりした場合のように、ユーザがその障害物に注意を払う必要がある変化の場合に、その変化を示す情報の提示を行うことが可能になる。よって、ユーザが特に注意すべき障害物を明確にすることができる。一方、駐車後に障害物が無くなったり離れていったりした場合のように、ユーザがその障害物に注意を払う必要がない変化の場合にはその変化を示す情報の提示を行わず、その分の処理コストを抑えることができる。
さらに、以上の構成によれば、駐車時障害物情報の記憶や変化判定処理(要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があるか否かの判定の処理)が車載装置1側で行われるので、携帯機2の記憶容量を節約したり、処理負荷を低減したりすることが可能になる。
なお、本実施形態では、駐車時障害物情報の記憶や変化判定処理が車載装置1側で行われる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、駐車時障害物情報の記憶や要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があるか否かの判定の処理が携帯機2側で行われる構成としてもよい。以下では、この次の実施形態について図面を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前記の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
この次の実施形態は、駐車時障害物情報を携帯機2に送信して携帯機2側で記憶しておく点、および要求時障害物情報と駐車時障害物情報とを比較して要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があるか否かを判定する処理が前述の実施形態と異なっている点を除けば、前記の実施形態と同様の構成である。
ここで、図8および図9を用いて、駐車時障害物情報の記憶に関連する車載装置1側の処理と携帯機2側の処理とについての説明を行う。まず、図8を用いて、駐車時障害物情報の記憶に関連する車載装置1側の処理についての説明を行う。なお、図8は、スマートECU11での駐車時障害物情報の送信に関連する処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図8のフローは、例えば車両Aが発進したときに開始される構成とすればよい。
ステップS31〜ステップS32は、前述のステップS1〜ステップS2と同様の処理であるので、説明を省略する。ステップS33では、LF送信部12からWAKE要求を送信させ、ステップS34に移る。ステップS34では、UHF受信確認を行ってステップS35に移る。このUHF受信確認では、UHF受信部13を介して携帯機2から所定時間内にWAKE応答を受けたか否かを判別する。なお、ここで言うところの所定時間とは任意に設定可能な時間とする。
ステップS35では、スマートECU11がUHF受信部13を介して携帯機2から所定時間内にWAKE応答を受けた場合(ステップS35でYES)には、応答ありとしてステップS36に移る。また、スマートECU11がUHF受信部13を介して携帯機2から所定時間内にWAKE応答を受けなかった場合(ステップS35でNO)には、応答なしとしてフローを終了する。
ステップS36では、携帯機2との通信を要求する通信要求をLF送信部12から送信させ、ステップS37に移る。ステップS37では、UHF受信確認を行ってステップS38に移る。このUHF受信確認では、UHF受信部13を介して携帯機2から所定時間内に、後述する駐車時障害物情報要求を受けたか否かを判別する。なお、ここで言うところの所定時間とは任意に設定可能な時間とする。
ステップS38では、スマートECU11がUHF受信部13を介して携帯機2から所定時間内に駐車時障害物情報要求を受けた場合(ステップS38でYES)には、駐車時障害物情報要求ありとしてステップS39に移る。また、スマートECU11がUHF受信部13を介して携帯機2から所定時間内に駐車時障害物情報要求を受けなかった場合(ステップS38でNO)には、駐車時障害物情報要求なしとしてフローを終了する。
ステップS39では、ステップS32で取得した駐車時障害物情報を含む、携帯機2への送信用のレスポンスデータを生成し、ステップS40に移る。ステップS40では、生成したレスポンスデータをUHF送信部14に送り、UHF送信部14から携帯機2に向けて送信(つまり、レスポンス送信)させ、フローを終了する。
次に、図9を用いて、駐車時障害物情報の記憶に関連する携帯機2側の処理についての説明を行う。なお、図9は、携帯機2での駐車時障害物情報の記憶に関連する処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図9のフローは、例えば携帯機2がスリープ状態に移行したときに開始される構成とすればよい。
ステップS51では、LF受信部22が車載装置1からのWAKE要求を受信した場合(ステップS51でYES)には、ステップS52に移る。また、LF受信部22が車載装置1からのWAKE要求を受信していない場合(ステップS51でNO)には、ステップS51のフローを繰り返す。
ステップS52では、クロックスタートして、携帯機2がアクティブ状態に移行(つまり、スリープ解除)し、ステップS53に移る。ステップS53では、制御IC21がUHF送信部24からWAKE応答を送信させ、ステップS54に移る。ステップS54では、図示しないタイマー回路でのカウントを開始(つまり、タイマースタート)し、ステップS55に移る。
ステップS55では、LF受信部22が車載装置1からのデータを受信した場合(ステップS55でYES)には、ステップS57に移る。また、LF受信部22が車載装置1からのデータを受信していない場合(ステップS55でNO)には、ステップS56に移る。
ステップS56では、タイマー回路でのカウントが所定数に達していた場合(ステップS56でYES)には、タイムアップであるものとしてステップS64に移る。また、タイマー回路でのカウントが所定数に達していなかった場合(ステップS56でNO)には、タイムアップでないものとして、ステップS55に戻ってフローを繰り返す。なお、ここで言うところの所定数とは任意に設定可能な値とする。
また、ステップS57では、LF受信部22が車載装置1から受信したデータが照合要求であった場合(ステップS57でYES)には、ステップS58に移る。また、照合要求でなかった場合(ステップS57でNO)には、ステップS60に移る。
ステップS58では、制御IC21がUHF送信部24から照合データを送信させ、ステップS59に移る。そして、ステップS59では、タイマー回路でのカウントをリセット(つまり、タイマーリセット)し、ステップS54に戻ってフローを繰り返す。
ステップS60では、LF受信部22が車載装置1から受信したデータが前述の通信要求であった場合(ステップS60でYES)には、ステップS61に移る。また、通信要求でなかった場合(ステップS60でNO)には、ステップS56に移る。ステップS61では、制御IC21がUHF送信部24から、駐車時障害物情報の送信を要求する駐車時障害物情報要求を送信させ、ステップS62に移る。
ステップS62では、車載装置1から送信されてくる駐車時障害物情報をUHF受信部25で受信したか否かを制御IC21が判定する。そして、受信したと判定した場合(ステップS62でYES)には、レスポンスありとして、ステップS63に移る。また、受信したと判定しなかった場合(ステップS62でNO)には、レスポンスなしとして、ステップS56に移る。
ステップS63では、受信した駐車時障害物情報を、制御IC21の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(以下では例えばEEPROMとする)に記憶し、ステップS59に移る。よって、制御IC21が請求項の携帯側記憶手段に相当する。そして、ステップS64では、クロック停止して、携帯機2がスリープ状態に移行(つまり、スリープ移行)し、フローを終了する。
次に、図10および図11を用いて、車両Aの周辺の障害物や駐車時からの障害物の変化の情報の提示に関連する車載装置1側の処理と携帯機2側の処理とについての説明を行う。まず、図10を用いて、車両Aの周辺の障害物や駐車時からの障害物の変化の提示に関連する車載装置1側の処理についての説明を行う。なお、図10は、スマートECU11での車両情報の送信に関連する処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図10のフローは、例えば電源ポジションが「オフ」に切り替わったときに開始される構成とすればよい。
ステップS71〜ステップS73は、前述のステップS11〜ステップS13と同様の処理であるので、説明を省略する。ステップS74では、ステップS73の車両情報収集で得た障害物情報(つまり、収集内容)を含む、携帯機2への送信用のレスポンスデータを生成し、ステップS75に移る。ステップS75では、生成したレスポンスデータをUHF送信部14に送り、UHF送信部14から携帯機2に向けて送信(つまり、レスポンス送信)させ、フローを終了する。
続いて、図11を用いて、車両Aの周辺の障害物や駐車時からの障害物の変化の提示に関連する携帯機2側の処理についての説明を行う。なお、図11は、携帯機2での情報の提示に関連する処理のフローの一例を示すフローチャートである。また、図11のフローは、例えば操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けたときに開始される構成とすればよい。なお、携帯機2は、操作入力部28でユーザからの操作入力を受け付けるまではスリープ状態であったものとする。
ステップS81〜ステップS82は、前述のステップS21〜ステップS22と同様の処理であるので、説明を省略する。ステップS83では、車載装置1から送信されてくる要求時障害物情報等の車両情報を所定時間内にUHF受信部25で受信したか否かを制御IC21が判定する。そして、所定時間内に受信したと判定した場合(ステップS83でYES)には、レスポンスありとして、ステップS84に移る。また、所定時間内に受信したと判定しなかった場合(ステップS83でNO)には、レスポンスなしとして、ステップS88に移る。なお、ここで言うところの所定時間とは任意に設定可能な時間である。
ステップS84では、例えばEEPROMに記憶してある駐車時障害物情報を読み出し、ステップS85に移る。ステップS85では、受信した要求時障害物情報とステップS84で読み出した駐車時障害物情報とを比較し、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があるか否かを判定する。よって、制御IC21が請求項の携帯側判定手段に相当する。なお、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があるか否かについては、前述の変化判定処理で述べたのと同様にして判定するものとすればよい。
そして、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があると判定した場合(ステップS85でYES)には、障害物変化ありとしてステップS86に移る。また、要求時障害物情報と駐車時障害物情報との間で障害物に変化があると判定しなかった場合(ステップS85でNO)には、障害物変化なしとしてステップS87に移る。
ステップS86では、要求時障害物情報等の車両情報(つまり、受信内容)および駐車時障害物情報から前記要求時障害物情報にかけての障害物の変化を示す情報(つまり、変化分)を表示器31に表示させたりする車両情報提示処理を行って、ステップS89に移る。ステップS87では、要求時障害物情報等の車両情報(つまり、受信内容)を表示器31に表示させたりする車両情報提示処理を行って、ステップS89に移る。
また、ステップS88では、ステップS25と同様の処理を行い、ステップS89に移る。そして、ステップS89では、クロック停止して、携帯機2がスリープ状態に移行(つまり、スリープ移行)し、フローを終了する。
以上の構成によっても、前述の実施形態と同様に、車両A周辺の障害物の存在の有無を、車外の乗員が容易かつ正確に確認することができるようになる。
なお、前述の実施形態では、超音波センサ17が、車両前部や車両のコーナー部付近や車両後部などに複数備えられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、超音波センサ17が、車両の側部にも備えられ、車両Aの側方の障害物を検知可能となっている構成としてもよい。
また、前述の実施形態では、ソナーECU18で障害物の位置の情報として、障害物の車両Aに対する方向および車両Aまでの距離を求める構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、障害物の車両Aに対する方向および車両Aまでの距離のうち、障害物の車両Aに対する方向のみを求める構成としてもよい。この場合には、携帯機2の車両情報提示処理において、障害物の車両Aまでの距離を示す提示や駐車時からの障害物の変化を示す情報の提示を行わない構成とすればよい。
なお、前述の実施形態では、障害物を検知する手段として超音波センサ17を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、障害物を検知する手段としては、ミリ波レーダや赤外線レーダを用いる構成としてもよいし、CCDカメラ等の撮像装置を用いる構成としてもよいし、これらを組み合わせて用いる構成としてもよい。
また、前述の実施形態では、本発明を電子キーに適用する構成、つまり、携帯機2に電子キーとしての機能も備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、携帯機2に電子キーとしての機能を備えない構成とすることも可能である。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。