JP2008224167A - 空気調和機 - Google Patents

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Taro Kuroda
太郎 黒田
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誉士夫 岡本
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Abstract

【課題】加湿部材によって生じる通風路中の空気の圧損を低減することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機1aは、ケーシング2と、室内熱交換器4と、室内送風部3と、加湿部材29とを備える。ケーシング2は、吸込み口24と、吹出し口25と、吸込み口24と吹出し口25とを繋ぐ通風路とを有する。室内熱交換器4は、通風路を通る空気との間で熱交換を行う。室内送風部3は、吸込み口24から吸い込まれ通風路を通り吹出し口25から吹き出される空気の流れを生成する。加湿部材29は、通風路の壁面の少なくとも一部を構成し、通風路を通る空気に水蒸気を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機に関する。
空気調和機には、吸込し口と吹出し口とを繋ぐ通風路が内部に形成され、通風路を通る空気が熱交換器によって加熱又は冷却されて吹出し口から吹き出されることにより、室内の冷暖房が行われる。また、通風路を流れる空気に水蒸気を供給する加湿部材が備えられることにより、室内の加湿を行うことができる空気調和機器も利用されている。
特開2005−106422号公報
上記の空気調和機においては、加湿部材が通風路の空気の流れの障害となり、通風路を流れる空気の圧損が増大してしまう恐れがある。
本発明の課題は、加湿部材によって生じる通風路中の空気の圧損を低減することができる空気調和機を提供することにある。
第1発明に係る空気調和機は、ケーシングと、熱交換器と、送風部と、加湿部材とを備える。ケーシングは、吸込み口と、吹出し口と、吸込み口と吹出し口とを繋ぐ通風路とを有する。熱交換器は、通風路を通る空気との間で熱交換を行う。送風部は、吸込み口から吸い込まれ通風路を通り吹出し口から吹き出される空気の流れを生成する。加湿部材は、通風路の壁面の少なくとも一部を構成し、通風路を通る空気に水蒸気を供給する。
この空気調和機では、加湿部材が通風路を通る空気に水蒸気を供給することにより、室内を加湿することができる。また、この加湿部材は、通風路の壁面の少なくとも一部を構成するように設けられているため、通風路を通る空気の流れを妨げる恐れが少ない。このため、この空気調和機では、加湿部材によって生じる通風路中の空気の圧損を低減することができる。
第2発明に係る空気調和機は、第1発明の空気調和機であって、加湿部材は、熱交換器の空気の流れにおける下流側に設けられている。
この空気調和機では、加湿部材が熱交換器の空気の流れにおける下流側に設けられているため、暖房運転時には熱交換器によって暖められた空気が加湿部材の近傍を通過する。このため、加湿部材が暖められ、加湿部材から水分が蒸発しやすくなる。これにより、加湿部材から供給される水蒸気の量を増大させることができる。
第3発明に係る空気調和機は、第1発明または第2発明の空気調和機であって、加湿部材を加熱する加熱部をさらに備える。
この空気調和機では、加熱部によって加湿部材が加熱される。このため、加湿部材が暖められ、加湿部材から水分が蒸発しやすくなる。これにより、加湿部材から供給される水蒸気の量を増大させることができる。
第4発明に係る空気調和機は、第3発明の空気調和機であって、加熱部は、加湿部材に対して通風路とは反対側に配置されている。
この空気調和機では、加熱部が加湿部材に対して通風路とは反対側に配置されているため、加熱部が、加湿部から通風路に供給される水蒸気を阻害する恐れが少ない。このため、加湿能力の低下を抑えることができる。
第5発明に係る空気調和機は、第3発明の空気調和機であって、加熱部は、通風路に配置されている。
この空気調和機では、加熱部が通風路に配置されているため、加湿部材の通風路側の表面を加熱することができる。このため、加湿部材からの水蒸気の供給量を増大させることができ、加湿能力を増大させることができる。
第6発明に係る空気調和機は、第1発明または第2発明の空気調和機であって、加湿部材に水を供給する給水部と、加湿部材に供給される水を加熱する加熱部とをさらに備える。
この空気調和機では、加湿部材に供給される水が加熱部によって加熱される。このため、加湿部材から水分が蒸発しやすくなる。これにより、加湿部材から供給される水蒸気の量を増大させることができる。
第7発明に係る空気調和機は、第3発明から第6発明の空気調和機であって、加熱部による加熱量を調整することによって加湿部材による加湿量を調整する制御部をさらに備える。
この空気調和機では、制御部によって、加熱部による加熱量が調整されることによって加湿部材による加湿量が調整される。これにより、簡易な構成で加湿量を調整することができる。
第1発明に係る空気調和機では、加湿部材が通風路を通る空気に水蒸気を供給することにより、室内を加湿することができる。また、この加湿部材は、通風路の壁面の少なくとも一部を構成するように設けられているため、通風路を通る空気の流れを妨げる恐れが少ない。このため、この空気調和機では、加湿部材によって生じる通風路中の空気の圧損を低減することができる。
第2発明に係る空気調和機では、加湿部材が熱交換器の下流側に設けられているため、暖房運転時には熱交換器によって暖められた空気が加湿部材の近傍を通過する。このため、加湿部材が暖められ、加湿部材から水分が蒸発しやすくなる。これにより、加湿部材から供給される水蒸気の量を増大させることができる。
第3発明に係る空気調和機では、加熱部によって加湿部材が加熱される。このため、加湿部材が暖められ、加湿部材から水分が蒸発しやすくなる。これにより、加湿部材から供給される水蒸気の量を増大させることができる。
第4発明に係る空気調和機では、加熱部が加湿部材に対して通風路とは反対側に配置されているため、加熱部が、加湿部から通風路に供給される水蒸気を阻害する恐れが少ない。このため、加湿能力の低下を抑えることができる。
第5発明に係る空気調和機では、加熱部が通風路に配置されているため、加湿部材の通風路側の表面を加熱することができる。このため、加湿部材からの水蒸気の供給量を増大させることができ、加湿能力を増大させることができる。
第6発明に係る空気調和機では、加湿部材に供給される水が加熱部によって加熱される。このため、加湿部材から水分が蒸発しやすくなる。これにより、加湿部材から供給される水蒸気の量を増大させることができる。
第7発明に係る空気調和機では、制御部によって、加熱部による加熱量が調整されることによって加湿部材による加湿量が調整される。これにより、簡易な構成で加湿量を調整することができる。
<第1実施形態>
〔構成〕
本発明の第1実施形態に係る空気調和機1aを図1に示す。この空気調和機1aは、天井面に取り付けられる天井埋込型の室内機であり、室外に設置される室外機(図示せず)と接続される。空気調和機1aは、ケーシング2と、室内送風部3と、室内熱交換器4と、加湿部5と、給排水部7aと、制御部10(図2参照)とを備えている。
ケーシング2は、室内送風部3、室内熱交換器4、加湿部5などの構成部品を内部に収納しており、ケーシング本体21、正面パネル22、熱交換器用ドレンパン23などを有する。ケーシング本体21は、下面が開口した箱状の部材であり、室内熱交換器4、室内送風部3、加湿部5を収納している。正面パネル22は、ケーシング本体21の開口を閉じるようにケーシング本体21に取り付けられ、室内に面して配置される。また、正面パネル22の中央部には吸込み口24が設けられ、その周囲には吹出し口25が設けられており、ケーシング2の内部には、吸込み口24と吹出し口25とを繋ぐ通風路が形成されている。熱交換器用ドレンパン23は、室内熱交換器4の下方に設けられており、室内熱交換器4から滴下するドレン水を受ける。
室内送風部3は、正面パネル22の上方に配置されており、吸込み口24から吸い込まれ通風路を通り吹出し口25から吹き出される空気の流れを生成する。室内送風部3は、送風ファン31と、ファンモータ32とを有する。送風ファン31は、ファンモータ32によって回転駆動され、軸方向から空気を吸い込み遠心方向に空気を吹き出す遠心ファンである。
室内熱交換器4は、フィンチューブ式の熱交換器であり、通風路中に設けられている。室内熱交換器4は、通風路を通り室内へ吹き出される空気と熱交換を行う。室内熱交換器4は、室内送風部3の側方を囲むように設けられており、垂直断面において鉛直方向に長い長方形の断面形状を有している。
加湿部5は、給排水部7aから供給される水を用いて、室内へ吹き出される空気を加湿する。加湿部5は、気化方式の加湿機能を有しており、通風路を通る空気に水蒸気を供給する。気化方式には、透湿膜式、滴下式、毛管式などの方式があるが、ここでは、透湿膜式の加湿部5が用いられている。透湿膜式とは、液体としての水は通さないが水蒸気を通す超撥水性多孔質膜すなわち透湿膜で水を覆い、その周囲に空気を流すことにより加湿を行う方式である。超撥水性多孔質膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素樹脂などの疎水性高分子材料からなる多孔質膜が挙げられる。この加湿部5は、透湿膜からなる加湿部材29を有している。加湿部5は、ケーシング本体21の内側面に設けられており、加湿部材29が室内熱交換器4より下流側の通風路の壁面を構成するように配置されている。また、加湿部5の下方には、加湿部用ドレンパン26が設けられており、万一、加湿部5において水漏れが生じた場合には、加湿部5から漏れた水滴を受ける。
なお、透湿膜方式ではなく他の加湿方式の加湿部が利用されてもよい。例えば、毛管式や滴下式の加湿部5が利用されてもよい。毛管式とは、加湿部給水路から供給される水を加湿部材29で吸い上げ、加湿部材29に風を当てることによって空気の加湿を行う方式である。滴下式とは、加湿部材29の上部に水を供給し、加湿部材29に風を当てることによって空気の加湿を行う方式である。毛管式、滴下式のいずれにおいても、加湿部材としては、水の拡散性および通風性が高く且つ表面積の大きな多孔性部材が用いられる。例えば、親水性材料から形成された不織布などの繊維系部材や、スポンジなどの発泡性部材が挙げられる。
給排水部7aは、水源から供給される水を加湿部5に供給すると共に、不要な水を外部に排出するための設備であり、加湿用給排水路71aと、貯水タンク81と、循環ポンプP1と、各種の水路開閉弁V1,V2とを有している。なお、水源としては、水道管が用いられる。
加湿用給排水路71aは、水源に接続される給水口83と、水を外部に排水するための排水口84とを有し、給水口83から加湿部5を通り排水口84まで水を送るための水路である。加湿用給排水路71aは、タンク給水路73aと、加湿部給水路74aと、循環水路75aと、排水路76aとを有する。タンク給水路73aは、給水口83から貯水タンク81へ水を送るための水路である。加湿部給水路74aは、貯水タンク81から加湿部5へ水を送るための水路であり、その一端は貯水タンク81に接続され、他端は加湿部5の上部に接続されている。循環水路75aは、加湿部5において加湿に用いられずに残った水を貯水タンク81に戻すための水路であり、その一端は加湿部5の下部に接続されており、他端は貯水タンク81に接続されている。排水路76aは、加湿部給水路74aに接続されており、加湿部給水路74aを流れる水を排水口84に送って外部に排出するための水路である。
貯水タンク81は、給水口83から供給される水を貯える。貯水タンク81の内部、例えば、貯水タンク81の内面の上下2個所には、フロートスイッチなどの水位検知センサ28(図2参照)が設けられており、貯水タンク81内の水位を検出して制御部10に水位情報を送る。
循環ポンプP1は、貯水タンク81から加湿部給水路74aを通って加湿部5へ向かう水の流れを生成する。循環ポンプP1は、加湿部給水路74aのうち、排水路76aと加湿部給水路74aとの接続部分よりも下流側に設けられている。
水路開閉弁V1,V2は、制御部10からの制御信号によって電気的に制御される電磁弁であり、水路を開閉することができる。水路開閉弁V1,V2には、タンク給水路開閉弁V1と、排水路開閉弁V2とがある。タンク給水路開閉弁V1は、タンク給水路73aに設けられており、貯水タンク81への水の供給を制御することができる。排水路開閉弁V2は、排水路76aに設けられており、排水口84からの水の排出を制御することができる。
図2に示すように、制御部10は、水路開閉弁V1,V2、循環ポンプP1、水位検知センサ28等と接続されており、空気調和機1aの各種運転を制御することができる。
〔給排水部7aによる加湿部5への給水〕
次に、加湿部5への給水時の制御について説明する。この場合、タンク給水路開閉弁V1は開状態とされ、排水路開閉弁V2は閉状態とされる。これにより、水道管からタンク給水路73aを通って貯水タンク81まで水が搬送され蓄えられる。また、循環ポンプP1が駆動されることにより、貯水タンク81から加湿部給水路74aを通って加湿部5に水が搬送される。そして、加湿部5において水が気化して水蒸気となり、透湿膜を通って通風路に供給される。これにより、通風路を通る空気が加湿される。加湿部5において気化せずに残った水は、循環水路75aを通って貯水タンク81に戻される。
なお、貯水タンク81において、上限位置まで水位が上昇するとタンク給水路開閉弁V1が閉じられ、下限位置まで水位が下がるとタンク給水路開閉弁V1が開かれるように、タンク給水路開閉弁V1が制御されるとよい。これにより、加湿に必要な水量を確保することができる。
また、給排水部7aが長期間休止した後に使用が再開される場合には、循環ポンプP1が停止した状態で、タンク給水路開閉弁V1および排水路開閉弁V2が開状態とされるとよい。これにより、水路に溜まった水が加湿部5をバイパスして排水口84から外部に排水される。
〔特徴〕
この空気調和機1aでは、加湿部材29が通風路の壁面の一部を構成するように加湿部5が配置されているため、加湿部5が通風路を流れる空気の流れを妨げない。このため、通風路を流れる空気の圧損が低減している。
また、加湿部5の加湿部材29は、室内熱交換器4よりも下流側に位置しているため、暖房運転時には、室内熱交換器4によって暖められた空気が加湿部材29の近傍を流れる。このため、加湿部材29が暖められ、加湿部材29からの水分の蒸発が促進される。これにより、この空気調和機1aでは、加湿の必要性が高くなる暖房運転時において、加湿能力を向上させることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る空気調和機1bを図3に示す。この空気調和機1bでは、第1実施形態に係る空気調和機1aにおいて、加熱部27aがさらに設けられている。加熱部27aは、貯水タンク81に設けられており、貯水タンク81に貯えられている水を加熱する。
また、制御部10は、加湿部による加湿運転を行う場合において、加熱部27aによる加熱量を調整することにより、加湿部材29による加湿量を調整可能である。
他の構成については、第1実施形態に係る空気調和機1aと同様である。
この空気調和機1bでは、加熱部27aによって暖められた水が、加湿部5に送られ、加湿部材29が加熱される。これにより、加湿部5における水の気化が促進され、加湿部5での加湿能力が向上する。また、制御部10によって加湿部材29による加湿量の調整が可能となっている。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る空気調和機1cを図4に示す。この空気調和機1cでは、加熱部27bが、通風路において加湿部材29に対向して配置されている。加熱部27bは加湿部材29に対して熱線を照射することによって加湿部材29を加熱することができる。加熱部27bとしては、例えば、赤外線ランプが用いられる。なお、加熱部27bから照射された熱線を加湿部材29に向けて反射する反射板19が設けられてもよい。
この空気調和機1cでは、加熱部27bによって加湿部材29の表面が加熱される。これにより、この空気調和機1cでは、加湿部材29からの水蒸気の供給量が増大し、加湿能力が向上する。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る空気調和機1dを図5に示す。この空気調和機1dでは、加熱部27cが、加湿部材29に対して通風路とは反対側に配置されており、加湿部5とケーシング本体21の側面との間に設けられている。この加熱部27cは、図6に示すように、伝熱部材271と断熱材272と加熱源273とを有する。伝熱部材271は、板金などの伝熱性の高い材料で形成されており、加湿部5と接触している。断熱材272はケーシング本体21に面して設けられている。加熱源273は、伝熱部材271と断熱材272との間に設けられており、加湿部材29を加熱する熱源となる。なお、伝熱部材271と断熱材272との間に水などの流体が充填されてもよい。
この空気調和機1dでは、加熱部27cによって加湿部5が暖められ、加湿部材29からの水の蒸発量が増大する。これにより、この空気調和機1dでは、加湿能力が向上する。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る空気調和機1eを図7に示す。この空気調和機1eは、壁掛け型の空気調和機であり、室内熱交換器11と、室内送風部12と、ケーシング13と、加湿部材14と、給排水部7bとを備える。
室内熱交換器11は、両端が下方へ向けて屈曲した形状を有しており、通過する空気との間で熱交換を行う。
室内送風部12は、室内熱交換器11の下方に配置されたクロスフローファンであり、図示しないファンモータによって回転駆動される。
ケーシング13は、室内熱交換器11および室内送風部12を内部に収納している。ケーシング13の前面および上面には吸込み口15,16が設けられ、ケーシング13の下部には吹出し口17が設けられている。また、ケーシング13の内部には、スクロール部18が形成されている。スクロール部18は、室内送風部12が設置されている空間と吹出し口17とを繋ぎ、滑らかに湾曲した形状を有する。スクロール部18は、ケーシング13の内部に設けられ吸込み口15と吹出し口17とを繋ぐ通風路のうち、室内送風部12より下流側の部分を構成している。上述した室内送風部12は、吸込み口15からケーシング13の内部に吸い込まれ、室内熱交換器11およびスクロール部18を通り、吹出し口17から室内に吹き出される空気の流れを生成する。また、ケーシング13の内部には、第1ドレンパンD1と第2ドレンパンD2とが設けられている。第1ドレンパンD1は、室内熱交換器11の前端部の下方に設けられており、室内熱交換器11の前端部から滴下するドレン水を受ける。第2ドレンパンD2は、室内熱交換器11の後端部の下方に設けられており、室内熱交換器11の後端部から滴下するドレン水を受ける。第1ドレンパンD1および第2ドレンパンD2に滴下した水は、空気調和機1eに接続された排水ホース(図示せず)を通って外部に排出される。
加湿部材14は、毛管式の加湿能力を有しており、スクロール部18の内側面に沿って設けられている。加湿部材14は、薄いシート状の形状を有しており、通風路の壁面の一部を構成している。
給排水部7bは、加湿用給排水路71bと、第1貯水タンクT1と、第2貯水タンクT2と、循環ポンプP1と、水路切替弁V3とを有している。なお、水源としては、水道管が用いられる。
加湿用給排水路71bは、水源に接続される給水口83と、水を外部に排水するための排水口84とを有し、給水口83から加湿部5を通り排水口84まで水を送るための水路である。加湿用給排水路71bは、タンク給水路73bと、加湿部給水路74bと、排水路76bとを有する。タンク給水路73bは、給水口83から第1貯水タンクT1へ水を送るための水路である。加湿部給水路74bは、第1貯水タンクT1から加湿部5へ水を送るための水路であり、その一端は第1貯水タンクT1に接続され、他端は第2貯水タンクT2に接続されている。排水路76bの一端は、水路切換弁V3に接続されており、他端は、第2ドレンパンD2の内部に挿入されている。排水路76bは、加湿部給水路74bを流れる水を第2ドレンパンD2に送ることにより外部に排出する。
第1貯水タンクT1は、ケーシング13の下部に設けられている。第1貯水タンクT181は、タンク給水路73bに接続されており、給水口83から供給される水を貯留する。また、第1貯水タンクT1には、加湿部給水路74bが接続されている。
第2貯水タンクT2は、第1貯水タンクT1よりも上方に配置されており、第1貯水タンクT1から加湿部給水路74bを通って送られる水を貯留する。第2貯水タンクT2に貯留された水は、加湿部材14に供給される。
循環ポンプP1は、加湿部給水路74bに設けられており、第1貯水タンクT1から加湿部給水路74bを通って第2貯水タンクT2または排水路76bへ向かう水の流れを生成する。
水路切替弁V3は、制御部10からの制御信号によって電気的に制御される電磁弁である。水路切替弁V3は、第2貯水タンクT2と排水路76bとに送られる水の流れを切り替えることができ、これにより、第2貯水タンクT2への水の供給と、排水口84からの水の排出とを切り替えることができる。
この空気調和機1eにおいても、第1実施形態に係る空気調和機1aと同様に、通風路を流れる空気の圧損を低減させることができる。なお、この空気調和機1eにおいて、上記の実施形態の加熱部27a−27cが設けられてもよい。
<他の実施形態>
(a)
上記の実施形態に係る空気調和機において、給排水部7aに代えて、図8に示す給排水部7cが備えられてもよい。この給排水部7cでは、加湿用給排水路71cにおいて、加湿部給水路74cの一端が貯水タンク81に接続され、他端が加湿部5の下部に接続されている。循環水路75cの一端は加湿部5の上部に接続され、他端は貯水タンク81に接続されている。また、排水路76cは、貯水タンク81の下部に接続されている。ポンプ給水路73c、水路開閉弁V1,V2、循環ポンプP1等、他の構成については、給排水部7aと同様である。
(b)
上記の実施形態に係る空気調和機において、給排水部7aに代えて図9に示す給排水部7dが設けられてもよい。給排水部7dは、加湿用給排水路71dと、貯水タンク81と、水路開閉弁V1,V2とを有している。
加湿用給排水路71dは、水源に接続される給水口83と、水を外部に排水するための排水口84とを有し、給水口83から加湿部5を通り排水口84まで水を送るための水路である。加湿用給排水路71dは、タンク給水路73dと、加湿部給水路74dと、排水路76dとを有する。タンク給水路73dは、給水口83から貯水タンク81へ水を送るための水路である。加湿部給水路74dは、貯水タンク81から加湿部5へ水を送るための水路であり、その一端は貯水タンク81の下部に接続され、他端が加湿部5の下部に接続されている。排水路76dは、加湿部給水路74dの中間部分に接続されており、貯水タンク81に貯えられた水を排水口84に送って外部に排出するための水路である。この給排水部7dでは、循環ポンプP1は設けられておらず、貯水タンク81に貯えられた水の水圧により加湿部5に水が供給される。
(c)
上記の第1実施形態に係る空気調和機において、給排水部7aに代えて図10に示す給排水部7eが設けられてもよい。給排水部7eでは、上部貯水タンク811と下部貯水タンク812とが設けられている。加湿用給排水路71eでは、加湿部給水路74eの一端が上部貯水タンク811の底部に接続されており、他端は加湿部5の上部に接続されている。下部貯水タンク812は、加湿部5の下部から流れてくる水を受けるように配置されており、ドレンパンの機能を兼ねている。なお、この加湿部5は滴下式の加湿機能を有するものである。また、下部貯水タンク812の上部にはタンク給水路73eが接続されており、下部貯水タンク812の底部には排水路76eが接続されている。さらに、上部貯水タンク811と下部貯水タンク812とを繋ぐ循環水路75eが設けられており、循環水路75eには、下部貯水タンク812から上部貯水タンク811へと水を送る循環ポンプP1が設けられている。また、タンク給水路73eは、下部貯水タンク812に接続されている。
(d)
上記の第1実施形態に係る空気調和機において、給排水部7aに代えて図11に示す給排水部7fが設けられてもよい。給排水部7fでは、貯水タンク81の上部にタンク給水路73fが接続されており、タンク給水路73fには、タンク給水路開閉弁V1が設けられている。また、貯水タンク81の下部には排水路76fが接続されており、排水路76fには排水路開閉弁V2が設けられている。なお、この空気調和機では、加湿部5は、毛管式の加湿機能を有しており、加湿部5の下部が貯水タンク81の内部に挿入されている。加湿部5は貯水タンク81内の水を吸い上げ、加湿部5に含まれた水が加湿部5の表面から蒸発することにより、通風路中の空気に水蒸気が供給される。
(e)
上記の実施形態では、天井埋込型および壁掛け型の空気調和機1a−1eに対して本発明が適用されているが、床置き型などの他の形態の空気調和機に対しても本発明が適用可能である。
(f)
上記の実施形態では、水源として水道が用いられているが、給湯器など加湿に適した水質を確保できるものであれば他のものも利用可能である。
(g)
上記の第3実施形態では、加湿部材14に対向して加熱部27bが設けられているが、通過する空気を加熱する加熱部が加湿部材14の上流側に設けられてもよい。この場合、加熱部によって暖められた空気が加湿部材29の近傍を通過することによって、加湿部材29が暖められ、加湿能力が増大する。
(h)
上記の実施形態では、制御部10が加熱部27a−27cによる加熱量を制御することによって加湿部材14からの加湿量を制御可能となっているが、室内熱交換器11による加熱量が制御されることによって加湿量が制御されてもよい。ただし、暖房運転への影響を低減する観点からは、室内熱交換器11ではなく加熱部27a−27cによる加熱量が制御されることが望ましい。
(i)
上記の実施形態に係る空気調和機1b−1eにおいて、加湿部材14,29の温度を検知する温度検出部が設けられ、温度検出部が検出した温度情報に基づいて加湿部材14,29の熱劣化を抑えるように加熱部27a−27cが制御されてもよい。
(j)
上記の実施形態に係る空気調和機1a−1eにおいて、加湿部材14,29の変形を抑えるリブなどの補強部材が設けられてもよい。これにより、水圧によって加湿部材14,29が変形することが抑えられる。なお、補強部材としてリブが設けられる場合、通風路を通る空気の流れに沿った形状のリブが用いられることが望ましい。この場合、通風路を通る空気においてリブによる圧損が生じることを抑えることができる。
(k)
上記の実施形態に係る空気調和機1a−1eにおいて、制御部10において水位検出センサ28からの水位情報や、水路開閉弁V1,V2、循環ポンプP1からの情報に基づく給水回数情報に基づき、加湿部5でのスケール析出状況が推定されてもよい。そして。推定されたスケール析出状況に基づいて、給排水部7a−7fによる給排水が制御されることにより、加湿部5におけるスケールの発生を抑えることができる。
また、加湿部5に送られる水からスケールを除去するスケール除去部材が設けられてもよい。スケール除去部材としては、イオン交換樹脂などの軟水フィルタが利用可能である。
(l)
上記の実施形態では、加湿部材14,29は室内熱交換器4,11よりも下流側に設けられているが、室内熱交換器4,11よりも上流側に設けられてもよい。ただし、室内熱交換器4,11によって暖められた空気を加湿量の増大のために用いるためには、上記のように、加湿部材14,29が室内熱交換器4,11よりも下流側に設けられることが望ましい。
本発明は、加湿部材によって生じる通風路中の空気の圧損を低減することができる効果を有し、空気調和機として有用である。
第1実施形態に係る空気調和機の構成図。 第1実施形態に係る空気調和機の制御ブロック図。 第2実施形態に係る空気調和機の構成図。 第3実施形態に係る空気調和機の構成図。 第4実施形態に係る空気調和機の構成図。 第4実施形態に係る空気調和機の加熱部の構成図。 第5実施形態に係る空気調和機の構成図。 他の実施形態に係る空気調和機の構成図。 他の実施形態に係る空気調和機の構成図。 他の実施形態に係る空気調和機の構成図。 他の実施形態に係る空気調和機の構成図。
符号の説明
1a−1e 空気調和機
2,13 ケーシング
3,12 室内送風部(送風部)
4,11 室内熱交換器(熱交換器)
7a−7f 給排水部(給水部)
10 制御部
14,29 加湿部材
27a−27c 加熱部

Claims (7)

  1. 吸込み口と、吹出し口と、前記吸込み口と前記吹出し口とを繋ぐ通風路とを有するケーシング(2,13)と、
    前記通風路を通る空気との間で熱交換を行う熱交換器(4,11)と、
    前記吸込み口から吸い込まれ前記通風路を通り前記吹出し口から吹き出される空気の流れを生成する送風部(3,12)と、
    前記通風路の壁面の少なくとも一部を構成し、前記通風路を通る空気に水蒸気を供給する加湿部材(14,29)と、
    を備える空気調和機(1a−1e)。
  2. 前記加湿部材(14,29)は、前記熱交換器(4,11)の前記空気の流れにおける下流側に設けられている、
    請求項1に記載の空気調和機(1a−1e)。
  3. 前記加湿部材(14,29)を加熱する加熱部(27a−27c)をさらに備える、
    請求項1または2に記載の空気調和機(1a−1e)。
  4. 前記加熱部(27c)は、前記加湿部材(14,29)に対して前記通風路とは反対側に配置されている、
    請求項3に記載の空気調和機(1a−1e)。
  5. 前記加熱部(27b)は、前記通風路に配置されている、
    請求項3に記載の空気調和機(1a−1e)。
  6. 前記加湿部材(14,29)に水を供給する給水部(7a−7f)と、
    前記加湿部材(14,29)に供給される水を加熱する加熱部(27a)と、
    をさらに備える請求項1または2に記載の空気調和機(1a−1e)。
  7. 前記加熱部(27a−27c)による加熱量を調整することによって前記加湿部材(14,29)による加湿量を調整する制御部(10)をさらに備える、
    請求項3から6のいずれかに記載の空気調和機(1a−1e)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012057890A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Ucan Co Ltd 天井埋込型気化式加湿装置

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