JP2008224052A - ボイラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして(水位帯を広げて)、高品質の蒸気を供給可能なボイラを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、複数の水管を用いて構成された缶体20を備えたボイラ1であって、前記缶体20の上方位置に設けられる断熱材81の充填範囲が、前記水管の熱流束条件によって異なり、熱流束の低い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材81が充填されることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボイラに関するものである。
従来から、種々のボイラにおいては、熱負荷に応じてボイラ内の水位を適宜変化させる等の水位制御が行われている(特許文献1参照)。このような水位制御を行うのは、生成される蒸気の品質を適切に(高乾き度に)維持するためである。かかる水位制御は、例えば、ボイラ内に設けられた水位検出棒等を用いて行われる。より具体的には、水位制御棒等にて得られる水位情報に基づいて給水ポンプを制御することにより、水位制御を行っている。
従来技術にかかるボイラにおいて、熱負荷が大きい場合には、ボイラを構成する水管内の沸騰状態が激しくなり、水管群の上部に設けられている上部ヘッダに対して蒸気と共に多くの水滴が吐出され、蒸気の乾き度が低下する。したがって、高負荷燃焼が行われる場合には、ボイラの水位を下げなければ、高乾き度を維持することが困難となる。
一方、熱負荷が小さい場合には、ボイラを構成する水管内の沸騰状態が弱く、吐出される蒸気が水滴を伴うことが少ないため、水管の上部が水(水滴)で冷却されない。つまり、このような低負荷燃焼が行われる場合には、水管上部が冷却されず過熱状態となり、水管が損傷しやすくなるため、必要に応じて、ボイラの水位を上げなければならない。
上述したように、ボイラにて高乾き度の蒸気を得るためには、水位制御を行って水管内の水位を下げる必要があるが、水位を下げると、過熱による水管損傷のおそれがあるという問題が生ずる。また、この水管損傷を防止するためには、水位制御を行って水管内の水位を上げる必要があるが、水位を上げると、高乾き度の蒸気を得ることが困難となるという問題が生ずる。
従来技術にかかるボイラにおいては、これらの問題を解決するために、「過熱限界水位」と「乾き度限界水位」との間(水位帯)で水位を制御して、ボイラを駆動させるわけであるが、近年におけるボイラの小型化(同一缶体における燃焼量の増加等)の影響から、この水位帯は狭くなる傾向にある。つまり、このように、ボイラの小型化(同一缶体における燃焼量の増加等)が進むことによって水位帯が狭くなると、高品質の蒸気を連続的に供給可能なボイラを得ることが困難となる。
特開平8−247404号公報
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして(水位帯を広げて)、高品質の蒸気を供給可能なボイラを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の温度条件によって異なり、温度が高い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。より具体的には、本発明は、ボイラを構成する水管内の水位を所定水位以下に設定した際に、高温のガスが接触する水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。
このような構成によれば、温度が高くなる前記水管周辺に対してより多くの断熱材が充填されているため、所定水位以下に水位を下げたことによって水管内の沸騰不足が生じても(濡れ状態が不足しても)、高温となる前記水管周辺は前記断熱材にて保護され、水管損傷を防止することができる。つまり、このような構成であれば、水位を下げても水管損傷を防止することが可能となるため、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして、高品質の蒸気を供給可能なボイラを得ることができる。
また、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の熱流束条件によって異なり、熱流束の低い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。より具体的には、本発明は、ボイラを構成する水管内の水位を所定水位以下に設定した際に、熱流束が低下する水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。
このような構成によれば、熱流束が低下する前記水管周辺に対してより多くの断熱材が充填されているため、所定水位以下に水位を下げたことによって水管内の沸騰不足が生じても(濡れ状態が不足しても)、熱流束が低下する前記水管周辺は前記断熱材にて保護され、水管損傷を防止することができる。つまり、このような構成であれば、水位を下げても水管損傷を防止することが可能となるため、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして、高品質の蒸気を供給可能なボイラを得ることができる。
さらに、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の温度条件および熱流束条件の少なくとも一方の条件によって異なり、温度が高い水管周辺および熱流束の低い水管周辺の少なくとも一方の水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。より具体的には、本発明は、ボイラを構成する水管内の水位を所定水位以下に設定した際に、高温のガスが接触している水管周辺および熱流束の低い水管周辺の少なくとも一方に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。
このような構成によれば、例えば、温度が高く熱流束が低い前記水管周辺に対してより多くの断熱材が充填されているため、所定水位以下に水位を下げたことによって水管内の沸騰不足が生じても(濡れ状態が不足しても)、高温となって熱流束が低い前記水管周辺は前記断熱材にて保護され、水管損傷を防止することができる。つまり、このような構成であれば、水位を下げても水管損傷を防止することが可能となるため、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして、高品質の蒸気を供給可能なボイラを得ることができる。
また、本発明は、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の表面温度によって異なり、表面温度がボイラ水飽和温度よりも50℃以上高い水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。例えば、ボイラ圧力が0.5MPaの場合には、水管表面温度が209℃以上になる水管周辺に対して断熱材が施工されることが好ましく、ボイラ圧力が0.7MPaの場合には、水管表面温度が221℃以上になる水管周辺に対して断熱材が施工されることが好ましく、ボイラ圧力が1.0MPaの場合には、水管表面温度が235℃以上になる水管周辺に対して断熱材が施工されることが好ましい。
本発明によれば、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして(水位帯を広げて)、高品質の蒸気を供給可能なボイラを得ることができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本明細書において使用する用語について説明する。
本明細書において、単に「ガス」と称する場合、ガスとは、燃焼反応中のガスおよび燃焼反応が完了したガスの少なくとも一方を含む概念であり、燃焼ガスと称することもできる。つまり、ガスとは、燃焼反応中のガスおよび燃焼反応が完了したガスの両方を有する場合、燃焼反応中のガスのみを有する場合、あるいは燃焼反応が完了したガスのみを有する場合の、いずれをも含む概念である。以下、特に説明しない場合は同様の概念である。
また、排ガスとは、燃焼反応が完了または殆ど完了したガスを意味する。さらに、特に説明しない場合は、ボイラの缶体内を通過して煙突部に達したガスを排ガスという。
また、ガス温度は、特に説明しない限り、燃焼反応中のガスの温度を意味し、燃焼温度あるいは燃焼火炎温度と同義である。さらに、ガス温度の抑制とは、ガス(燃焼火炎)温度の最高値を低く抑えることを意味する。なお、通常、燃焼反応は、上述した「燃焼反応が完了したガス」中においても極微量であるが継続しているので、「燃焼反応の完了」とは、燃焼反応の100%完結を意味するものではない。
次に、本発明創出の過程について説明する。
先述したように、従来技術にかかるボイラは、高品質(高乾き度)の蒸気を得ることを目的として、所定の水位帯(「過熱限界水位」と「乾き度限界水位」との間)内にて水位制御を行っている。しかしながら、近年におけるボイラの小型化(同一缶体における燃焼量の増加等)の影響から、この水位帯は狭くなる傾向にある。また、単に高乾き度の蒸気を求めてボイラを運転すると、水管損傷という別の問題が生ずる。
つまり、ボイラにて高乾き度の蒸気を得るためには、水位制御を行って水管内の水位を下げる必要があるが、水位を下げると、過熱による水管損傷のおそれがある。また、この水管損傷を防止するためには、水位制御を行って水管内の水位を上げる必要があるが、水位を上げると、高乾き度の蒸気を得ることが困難となる。
ボイラにて、高乾き度の蒸気を得るために最も簡単な手段は、「水位を下げる」ことである。ただし、そうすると、上述したように「水管損傷」という問題が生ずる。そこで、本願発明者は、「水位を下げる」と共に、「水管損傷防止」を実現すべく、本願発明を創出するに至った。具体的には、本願発明者は、水位を下げた際に損傷の可能性のある「水管」を特定し、その水管に対して「損傷防止手段」を施すことに想到し、本願発明を創出した。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本実施形態の第一態様にかかるボイラは、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の温度条件によって異なり、温度が高い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。
また、本実施形態の第二態様にかかるボイラは、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の熱流束条件によって異なり、熱流束の低い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。
さらに、本実施形態の第三態様にかかるボイラは、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の温度条件および熱流束条件の少なくとも一方の条件によって異なり、温度が高い水管周辺および熱流束の低い水管周辺の少なくとも一方の水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填されることを特徴としている。
<第一実施例>
以下、図面に基づき、本発明の第一実施例にかかるボイラについて説明する。
図1は、本発明の第一実施例にかかるボイラの縦断面の説明図を示している。また、図2は、図1のII−II線に沿う横断面の説明図を示している。
これらの図1および図2に示すように、本実施例にかかるボイラ1は、平面状の予混合ガス噴出面(平板状で、予混合ガス噴出孔が略同一平面状に形成された燃焼面)を有する完全予混合式のバーナ10、多数の熱吸収用の水管(伝熱管)21,22,23を用いて構成された缶体20、バーナ10に対して燃焼用空気を送るために設けられた送風機30、および缶体20内の排ガスをボイラ1外部に排出するために設けられた煙突部40等を用いて構成されている。
本実施例にかかるボイラ1を構成するバーナ10は、予混合ガス噴出孔が略同一平面状に形成された予混合ガス噴出面を有する予混合ガスバーナであって、波板と平板とを交互に積層して構成されている。このような構成に基づき、バーナ10の予混合ガス噴出面(燃焼面)10aには、多数の予混合ガス噴出孔が形成されることとなる。そして、このバーナ10は、後述する缶体20を構成する水管(水管群)に近接して設けられている。なお、詳細な構造等はここでは省略するが、本実施例にかかるバーナ10は、例えば、特許第3221582号公報に記載された「燃焼バーナ」と同様な構成を有している。
また、本実施例にかかるボイラ1を構成する缶体20は、上部管寄せ24、下部管寄せ25、およびこれらの上下部管寄せ24,25間に立脚して配設された複数の水管(外側水管21,内側水管22,中央水管23)等を用いて構成されている。この缶体20内においては、外側水管21、内側水管22、および中央水管23が、ガス流動方向(缶体20の長手方向)に配置されており、中央水管群(中央水管23を用いて構成された水管群)を中心として、二列ずつの内側水管群(内側水管22を用いて構成された水管群)および外側水管群(外側水管群21を用いて構成された水管群)が構成されている。また、隣り合う水管同士は、千鳥状に配設されている。
さらに、図2に示すように、本実施例にかかる缶体20においては、長手方向の両側部に設けられた外側水管21と、各外側水管21間を連結した連結部26とを用いて、一対の水管壁27が構成されている。缶体20は、この一対の水管壁27と、上下部管寄せ24,25とを用いて、略矩形のガス流動空間29が形成されることとなり、このガス流動空間29内に、所定間隔を隔てて、内側水管22および中央水管23が配設されている。
本実施例にかかるボイラ1を構成する送風機30は、バーナ10に対して燃焼用空気を送るために設けられたものであって、この送風機30とバーナ10とは、空気供給経路部31を用いて接続されている。この空気供給経路部31中には、ガス燃料供給管32が設けられており、ガス燃料供給管32には、高燃焼時と低燃焼時とで燃料流量を調整する燃料調整弁33が設けられている。なお、この空気供給経路部31には、必要に応じて、燃料と空気との混合性を向上させるために絞り部を設けることも可能である。
本実施例にかかるボイラ1を構成する煙突部40は、その入口がバーナ10と対向すべく、缶体20の最下流側に設けられている。したがって、本実施例にかかるボイラ1においては、バーナ10にて生成されたガスは、缶体20を構成する水管21,22,23と直接的に接触した後(接触して熱交換を行った後)、排ガスとして煙突部40を介してボイラ1外部に排出される。
本実施例にかかるボイラ1は、図1に示すように、缶体20の上方位置および下方位置に、それぞれ断熱材81,82が設けられている(充填されている)。この図1から明らかなように、缶体20の上方位置に設けられている上部断熱材81(本発明の「断熱材」に相当)は、バーナ10近接側から煙突部40側に向けて、下向きに傾斜するような状態で設けられている。また、缶体20の下方位置に設けられている下部断熱材82は、それぞれの水管21,22,23の下部に均一となるように設けられている。
本実施例にかかるボイラ1は、以上のように構成されており、この構成に基づき、そのボイラ1内部では、次のような燃焼状態が形成される。
まず、ガス燃料供給管32から供給されたガス燃料と、送風機30から供給された空気および排ガスとが、空気供給経路部31中で混合され、ここで混合された予混合ガス(以下、排ガスを含んだ予混合ガスも単に「予混合ガス」という。)がバーナ10に供給される。ここで、ガス燃料供給管32からは、ボイラ1にて必要とされる燃焼量のガス燃料が供給される。このガス燃料の供給量の調整は、燃料調整弁33によって行われる。送風機30からは、予混合ガスの空気比が1〜1.3程度となるように、空気が供給される。
バーナ10の予混合ガス噴出面10aから噴出された予混合ガス等は、着火手段(図示省略)により着火され、バーナ10にて火炎を伴う燃焼反応中のガスFが形成される。予混合ガス等は、バーナ10から、缶体20内の水管21,22,23に対して、略垂直となるように(直交するように)噴出されているため、燃焼反応中のガスFは、缶体20内の水管21,22,23と交差するように接触を繰り返して(水管と熱交換を行った後)、排ガスとなる。そして、この排ガスは、缶体20の最下流側に設けられた煙突部40を介してボイラ1外部に排出される。
なお、本実施例においては、中央水管群と外側水管群との間に設けられた第一領域61は、CO酸化手段(燃焼反応促進領域)としても機能する。つまり、第一領域61を設けることによって、ガス中のCOの酸化が促進される。さらに、缶体20の最下流側の第二領域71も、CO酸化手段(燃焼反応促進領域)として機能し得る。なお、ここでは、特に示していないが、この第一領域61および第二領域71の少なくとも一方には、より燃焼反応を促進するために、CO酸化触媒物質を設けてもよい。
各水管21,22,23中の水は、バーナ10から噴出のガスとの熱交換によって加熱されて蒸気化される。この蒸気は、上部管寄せ24に接続された蒸気取出手段(図示省略)を介して、蒸気使用設備(図示省略)に供給される。
本実施例にかかるボイラ1は、図1および図2に示すように構成され、その内部において上述したような燃焼状態が形成されているため、次のような効果を得ることができる。
本実施例にかかるボイラ1において、バーナ10からの燃焼ガス流は、水管との熱交換により下流側ほどその温度が低下し、これに伴って体積も減少する。したがって、ボイラ1の缶体20内においては、燃焼ガス(ガスF)の下流側にて熱流束が低下する(伝熱効率が低下する)。つまり、このようなボイラ1においては、水管21,22,23内の水位を所定水位以下に下げると、ガスFの下流側(煙突部40に近接する側)にて熱流束が低下し水管内が沸騰不足となって(水管上部の濡れが不足して)、水管の上部位置にて(濡れ不足が生じた位置にて)水管損傷が起こる可能性がある。
そこで、本実施例にかかるボイラ1においては、缶体20の上方位置に設けられた上部断熱材81(本発明の「断熱材」に相当)が、バーナ10近接側から煙突部40側に向けて、下向きに傾斜するような状態で設けられている。つまり、本実施例によれば、水管21,22,23内の水位を所定水位以下に下げた場合に熱流束が低下して水管損傷が起こる可能性がある水管に対して、より多くの断熱材が充填されている。すなわち、本実施例にかかるボイラ1は、複数の水管21,22,23を用いて構成された缶体20を備えたボイラ1であって、缶体20の上方位置に設けられる断熱材(上部断熱材81)の充填範囲が、水管21,22,23の熱流束条件によって異なり、熱流束の低い水管21,22,23周辺に対して、より多くの断熱材(上部断熱材81)が充填されるべく構成されている。
本実施例にかかるボイラ1によれば、上述したように、熱流束が低下する水管21,22,23周辺に対してより多くの上部断熱材81が充填されているため、所定水位以下に水位を下げたことによって水管21,22,23内の沸騰不足が生じても(濡れ状態が不足しても)、熱流束が低下する水管21,22,23周辺は上部断熱材81にて保護され、水管損傷を防止することができる。つまり、このような構成であれば、水位を下げても水管損傷を防止することが可能となるため、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして、高品質の蒸気を供給可能なボイラ1を得ることができる。
また、本実施例においては、バーナ10の近傍に水管21,22,23が設けられているため、バーナ10にて生成されたガスがこの水管21,22,23にて冷却されて、ガス温度がNOx発生限界以下に抑制される。つまり、ガス温度がNOx発生限界以下に抑制されるため、効果的にNOx値の低減を図ることができる。
さらに、本実施例においては、上述したように燃焼反応後あるいは途中に水管を設けて冷却することに加え、ガス通過速度を速くすることで(例えば、10m/s以上に設定することで)、ガスが高温度になることを抑えてNOx生成を抑制している。また、本実施例にかかるボイラを構成する水管の配置、ガスと水管群との接触状態、ガスの通過速度は、燃料種類による燃焼反応にも影響される。本実施例は、プロパン・ブタンを主成分とするLPGとメタンを主成分とする都市ガス(13Aなど)に合わせて設計されている。具体的には、これらの燃料を燃焼させた際に、ガス通過速度が10m/s以上となるような水管配列構成が採用されており、この構成に基づき低NOx化を図っている。
<第二実施例>
次に、図面に基づき、本発明の第二実施例にかかるボイラについて説明する。
本発明の第二実施例にかかるボイラ2は、基本構成は第一実施例にかかるボイラ1と略同様であり、その缶体20の上方に設けられる上部断熱材の充填範囲のみが第一実施例と異なる。したがって、以下においては、第一実施例と異なる部分である、上部断熱材周辺の構造について主に説明する。なお、特に説明を行わない部分は、第一実施例と同様であり、第一実施例と同様の構成要素については、同様の符号を付して説明を行う。
図3は、本発明の第二実施例にかかるボイラの縦断面の説明図を示している。なお、図3のII−II線に沿う横断面の説明図は、図2と同様であるため、ここではその説明は省略する。
本実施例にかかるボイラ2は、図3に示すように、缶体20の上方位置および下方位置に、それぞれ断熱材91(第一上部断熱材91A,第二上部断熱材91B,第三上部断熱材91C),82が設けられている(充填されている)。この図3から明らかなように、缶体20の上方位置に設けられている上部断熱材91(本発明の「断熱材」に相当)は、水管が受ける熱的影響の違いに応じて、その充填範囲が異なるべく構成されている。また、缶体20の下方位置に設けられている下部断熱材82は、それぞれの水管21,22,23の下部に均一となるように設けられている。
第一実施例にて説明したように、本実施例にかかるボイラ2においても、バーナ10からの燃焼ガス流は、水管との熱交換により下流側ほどその温度が低下し、これに伴って体積も減少する。したがって、ボイラ2の缶体20内においては、燃焼ガス(ガスF)の下流側にて熱流束が低下する(伝熱効率が低下する)。また、ボイラ2の燃焼量によっては、バーナ10近傍に位置する水管の上部位置が過熱状態となる場合がある。
つまり、このようなボイラ2においては、水管21,22,23内の水位を所定水位以下に下げると、ガスFの下流側(煙突部40に近接する側)にて熱流束が低下し水管内が沸騰不足となって(水管上部の濡れが不足して)、水管の上部位置にて(濡れ不足が生じた位置にて)水管損傷が起こる可能性がある。また、ボイラ2の燃焼量によっては、水管21,22,23内の水位を所定水位以下に下げることによって、バーナ10近傍に位置する水管の上部位置が過熱状態となって、水管損傷が起こる可能性がある。
そこで、本実施例にかかるボイラ2においては、缶体20の上方位置に設けられた上部断熱材91(本発明の「断熱材」に相当)が、水管21,22,23の温度条件および熱流束条件に応じて、異なる領域に充填されている。より具体的には、本実施例においては、過熱状態となりやすいバーナ10近傍の水管上部に第一上部断熱材91Aが設けられ、熱流束が低下しやすい煙突部40近傍の水管上部に第三上部断熱材91Cが設けられている。本実施例においては、熱的状態および水管内の沸騰状態(濡れ状態)が比較的安定している中央部近傍の水管上部には第二上部断熱材91Bが設けられている。つまり、本実施例によれば、水管21,22,23内の水位を所定水位以下に下げた場合に高温となったり熱流束が低下したりして水管損傷が起こる可能性がある水管に対して、より多くの断熱材が充填されている。
すなわち、本実施例にかかるボイラ2は、複数の水管21,22,23を用いて構成された缶体20を備えたボイラ2であって、缶体20の上方位置に設けられる断熱材(上部断熱材91)の充填範囲が、水管21,22,23の温度条件および熱流束条件の少なくとも一方の条件によって異なり、温度が高い水管21,22,23周辺および熱流束の低い水管21,22,23周辺の少なくとも一方の水管21,22,23周辺に対して、より多くの断熱材(上部断熱材91)が充填されるべく構成されている。
本実施例にかかるボイラ2によれば、上述したように、高温となる(過熱状態となる)水管21,22,23周辺、および熱流束が低下する水管21,22,23周辺に対してより多くの上部断熱材91(具体的には、第一上部断熱材91Aおよび第三上部断熱材91C)が充填されているため、所定水位以下に水位を下げたことによって水管21,22,23内の沸騰不足が生じても(濡れ状態が不足しても)、水管21,22,23周辺は上部断熱材91にて保護され、水管損傷を防止することができる。つまり、このような構成であれば、水位を下げても水管損傷を防止することが可能となるため、過熱による水管損傷を防止すると共に水位制御を容易にして、高品質の蒸気を供給可能なボイラ2を得ることができる。
また、本実施例においては、第一実施例にて説明した他の効果も、第一実施例と同様に得ることができる。
<その他の実施例>
なお、本発明は、上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施例等においては、熱流束が低下する水管に対して断熱材を多く充填する場合(第一実施例)、過熱状態となる水管と熱流束が低下する水管に対して断熱材を多く充填する場合(第二実施例)について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、その缶体中の過熱状態となる水管のみに対して断熱材を多く充填したり、過熱状態となって熱流束が低下する水管に対して断熱材を多く充填したりした構成であっても、本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施例等においては、ボイラを構成する缶体が角型である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、缶体構成は特に限定されない。したがって、例えば、缶体構造が丸型であるボイラ(同心円状に配置された複数の水管群にて構成されたボイラ)であっても、本発明を適用することが可能である。つまり、どのような缶体構造を有するボイラであっても、複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、水管の温度条件および熱流束条件の少なくとも一方の条件によって異なり、温度が高い水管周辺および熱流束の低い水管周辺の少なくとも一方の水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填される構成であれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
さらに、上述した実施例等においては、缶体20を構成する水管21,22,23には、特にフィン等は設けていないが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、フィン等を設けたり、水管自身に何等かの加工を施したりしてもよい。したがって、例えば、本発明にかかる缶体を構成する場合には、スタッドピン、エロフィン、セレートフィン、台形ネジ付管(比較的ピッチが長いもの)、コルゲート管等を用いてもよい。
本発明の第一実施例にかかるボイラの縦断面の説明図である。 図1のII−II線に沿う横断面の説明図である。 本発明の第二実施例にかかるボイラの縦断面の説明図である。
符号の説明
1…ボイラ
2…ボイラ
10…バーナ
10a…予混合ガス噴出面
20…缶体
21…外側水管(水管)
22…内側水管(水管)
23…中央水管(水管)
24…上部管寄せ
25…下部管寄せ
26…連結部
27…水管壁
29…ガス流動空間
30…送風機
31…空気供給経路部
32…ガス燃料供給管
33…燃料調整弁
40…煙突部
61…第一領域
71…第二領域
81…上部断熱材
82…下部断熱材
91…上部断熱材
91A…第一上部断熱材
92B…第二上部断熱材
92C…第三上部断熱材

Claims (3)

  1. 複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、
    前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の温度条件によって異なり、温度が高い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填される
    ことを特徴とするボイラ。
  2. 複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、
    前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の熱流束条件によって異なり、熱流束の低い前記水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填される
    ことを特徴とするボイラ。
  3. 複数の水管を用いて構成された缶体を備えたボイラであって、
    前記缶体の上方位置に設けられる断熱材の充填範囲が、前記水管の温度条件および熱流束条件の少なくとも一方の条件によって異なり、
    温度が高い水管周辺および熱流束の低い水管周辺の少なくとも一方の水管周辺に対して、より多くの断熱材が充填される
    ことを特徴とするボイラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102166304B1 (ko) * 2020-06-23 2020-10-16 (주)조일비엔피 횡형 열매체 보일러용 파울링 제거장치

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