JP2008223740A - 内燃機関 - Google Patents

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博章 外山
Kenji Fujita
賢二 藤田
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Abstract

【課題】排気を利用したツインターボチャージャーを有する内燃機関において構成を容易にし、コストを削減することができる内燃機関を提供することである。
【解決手段】吸気経路に複数系統のターボチャージャー500a,500bを含み、ターボチャージャー500a,500bの下流に吸気経路により供給された吸気を冷却するインタークーラ700を有する。インタークーラ700は、インタークーラ右コア700a、インタークーラ左コア700bおよびインタークーラ下流コア700cとを含み、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bにより冷却された吸気の温度を検出することが可能な吸気温センサ720がインタークーラ下流コア700cに1個備えられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、排気を利用したツインターボチャージャーを有する内燃機関に関する。
従来、内燃機関においては、エンジンの回転数およびスロットル開度の値に基づいて、燃料噴射量を設定し、吸気通路に設けられた吸気温センサからの値に基づいて当該燃料噴射量の補正を行い、内燃機関を制御している。
また、近年、内燃機関においては、排気ガス中に含まれる窒素酸化物等の有害物質の排出に関する規制が厳しくなる傾向にある。この排気ガスに含有された窒素酸化物を低減する方法として、排気ガスを吸気通路に還流させ、燃焼温度の上昇を抑制することで窒素酸化物の生成量を抑制する排気ガス還流装置(EGR装置)が開発されている。
また、小型のターボチャージャーを複数個配置し、低回転から高回転まで必要な過給をかけるために2個のターボチャージャーを備えた構成が開発されている。一般には、ツインターボチャージャーと呼ばれる。このように、内燃機関については、種々の研究および開発が進められている。
例えば、特許文献1には、排気還流や過給手段や冷却手段の状態変化によって吸入空気の温度が急変しても燃焼室へ流入する空気温度を精度良く推定することができる内燃機関について開示されている。
当該特許文献1記載の内燃機関においては、吸気温センサをインタークーラと排気ガス還流管との接続部との間に配設し、この吸気温センサの応答遅れを加味して吸気温度を求め、続いてこの吸気温度と全吸気質量、排気還流質量、排気還流温度とに基づいて吸気管と排気ガス還流管との接続部より下流側、即ち、燃焼室へ流入する吸入空気の温度を推定し、推定された吸気温度に基づいて内燃機関の空燃比マップを補正するものである。
また、内燃機関の一部の装置である熱交換器についても、種々の研究および開発がなされている。特許文献2には、エンジンルーム内における収容スペースをとらず、製造コストが低減できるツインターボチャージャー用空冷式インタークーラ用の熱交換器について開示されている。
特許文献2記載の熱交換器においては、左右流体通路形成用凹部を有し、かつ各ヘッダ部形成用凹部の底壁に流体通過孔があけられている複数の水平中間プレートと、上下2つのサイドプレートとを、中間プレートの凹部が交互に上下逆向きとなるように層状に重ね合わせて接合することにより、左右および中央ヘッダ部と、内部が流体通路となされかつ左右各ヘッダ部と中央ヘッダ部に夫々通じている上下並列状の左右偏平管部とを形成する。下側サイドプレートに、左右両ヘッダ部に夫々通じるように流体導入用孔をあけ、これらの孔の周縁部に過給空気導入管接続部材を接合し、上側サイドプレートに、中央ヘッダ部に通じるように流体排出用孔をあけ、この孔の周縁部に過給空気排出管接続部材を接合するものである。
さらに、特許文献3には、大量EGR運転時に還元剤が添加されたとしても、還元剤が排気脈動により、EGR通路を通って吸気系へ回り込むことを極力抑えることのできる内燃機関の排気浄化装置について開示されている。
特許文献3記載の内燃機関の排気浄化装置においては、分割型排気マニホールドを備えた内燃機関において、インジェクターから燃料が添加され、EGRバルブが開いている場合であって、エアフローメータのそれぞれによって検出された空気量の差が、制御装置内に設定された規定値よりも大きいときには、制御装置が、EGRバルブを強制的に閉じるものである。
特開2000−303895号公報 特開平10−160380号公報 特開2006−57593号公報
しかしながら、特許文献1記載の内燃機関においては、吸気温センサをインタークーラとEGR装置(排気還流装置)との間に設けることが記載されており、当該特許文献1記載の構成を特許文献2記載の熱交換器に適用した場合、吸気温センサが複数必要となる。その結果、複数の吸気温センサにより制御を行う必要があるため、制御システムが複雑化するという問題があり、さらに吸気温センサを複数設けることになり、コストが高くなる。
また、同様に特許文献3に記載の内燃機関の排気浄化装置に吸気温センサをインタークーラとEGR装置(排気還流装置)との間に設けた場合であっても、吸気温センサを複数設ける必要があり、コストが高くなる。
本発明の目的は、排気を利用したツインターボチャージャーを有する内燃機関において制御システムの構成を容易にし、コストを削減することができる内燃機関を提供することである。
本発明の他の目的は、排気を利用したツインターボチャージャーを有する内燃機関において制御システムの構成を容易にし、コストを削減することができるとともに、ツインターボチャージャーの損傷を防止することができる内燃機関を提供することである。
(1)
本発明に係る内燃機関は、吸気経路に複数系統のターボチャージャーを含み、ターボチャージャーの下流に吸気経路により供給された吸気を冷却するインタークーラを有する内燃機関において、インタークーラは、複数系統のターボチャージャーから供給された吸気を個々に冷却する第1冷却コアおよび第2冷却コアと、第1冷却コアと第2冷却コアにより冷却された吸気を連通させる連通部とを含み、連通部には、第1冷却コアおよび第2冷却コアにより冷却された吸気の温度を検出することが可能な吸気温検出装置が1個備えられたものである。
本発明に係る内燃機関においては、吸気経路に複数系統のターボチャージャーを含み、ターボチャージャーの下流に吸気経路により供給された吸気を冷却するインタークーラを有する。インタークーラは、第1冷却コア、第2冷却コアおよび連通部とを含み、第1冷却コアおよび第2冷却コアにより冷却された吸気の温度を検出することが可能な吸気温検出装置が連通部内に1個備えられている。
この場合、複数系統のターボチャージャーを有した内燃機関において、インタークーラを第1冷却コア、第2冷却コアおよび連通部により構成し、かつ連通部内に1個の吸気温検出装置を設けることで、制御システムにおける処理を簡易化することができ、コスト低減を図ることができる。また、本来、複数系統に相当する数の吸気温検出装置が必要となるところ、1個の吸気温検出装置により制御することができるので、部品のコスト低減を図ることができる。
また、排気を利用したツインターボチャージャーを有する内燃機関においては、スロットルバルブが閉塞状態で固着するような状態でも、吸気脈動を連通部において緩和することができるので、ターボチャージャーの損傷を防止することができる。
(2)
吸気温検出装置は、連通部内において、第1冷却コアおよび第2冷却コアから供給される冷却された吸気のいずれもが圧力脈動により吹き付けられる位置に配設されることが好ましい。
この場合、吸気温検出装置は、第1冷却コアおよび第2冷却コアのいずれもから吹き付けられる位置に設けられることで、第1冷却コアおよび第2冷却コアにおいて生じる圧力変動により、容易に吸気の温度を測定することができる。その結果、吸気温検出装置を1個にすることができ、部品のコストを低減することができる。
(3)
吸気温検出装置は、連通部内において、第1冷却コアおよび第2冷却コアから等しい距離となる箇所に配設されることが好ましい。
この場合、吸気温検出装置は、第1冷却コアおよび第2冷却コアから等しい距離となる連通部内に設けられることで、第1冷却コアおよび第2冷却コアにおいて生じる圧力変動により、容易に吸気の温度を測定することができる。その結果、吸気温検出装置を1個にすることができ、部品のコストを低減することができる。
(4)
吸気経路は、EGR装置をさらに設けてもよい。
この場合、EGR装置から還流される排気によりスロットルバルブが固着する可能性が高くなる。しかし、スロットルバルブが閉塞状態で固着するような状態でも、排気脈動を連通部において緩和することができるので、ターボチャージャーの損傷を防止することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、本発明に係る内燃機関の一例として排気を利用したツインターボチャージャーを有する内燃機関について説明する。本実施の形態においては、V型6気筒ディーゼルエンジンを用いて説明する。
(一実施の形態)
図1は、本発明に係る一実施の形態に係る内燃機関の一例を示す模式的構造図である。
図1に示すように、内燃機関100は、吸気マニホールド200a,200b、排気マニホールド220a,220b、気筒241a,242a,243a,244b,245b,246b、インジェクター(還元剤添加装置)260a,260b、EGR通路320a,320b,320c、EGRバルブ340a,340b、EGR装置300a,300b、EGRクーラ360、DPF装置400a,400b、ターボチャージャー500a,500b、吸気管520a,520b,520c、エアフローメータ600a,600b、エアクリーナ620、インタークーラ700a,700b、スロットルバルブ800a,800bおよび制御装置900を備える。
図1の内燃機関100は、片側に3個ずつ気筒が設けられているそれぞれのバンク(以下、左右バンクと呼ぶ)に、各々シリンダヘッドを備えている。各々のシリンダヘッドには、3気筒ずつを分担する吸気マニホールド200a,200bおよび排気マニホールド220a,220bが接続されている。また、排気マニホールド220aは、3本の支管と、これらが1つに集合する排気集合部とを備え、3本の支管はそれぞれ、3つの左側のバンクに設けられた3つの気筒241a,242a,243aに連なり、シリンダヘッドに形成された排気ポート(図示せず)に接続されている。
一方、排気マニホールド220bは、3本の支管と、これらが1つに集合する排気集合部とを備え、3本の支管はそれぞれ、3つの右側のバンクに設けられた3つの気筒244b,245b,246bに連なり、シリンダヘッドに形成された排気ポート(図示せず)に接続されている。
左右のバンクに設けられた3つずつの気筒241a,242a,243aと、気筒244b,245b,246bとには、各気筒の燃焼室内に燃料噴射が可能なように、インジェクターが設けられている(図示せず)。また、各々のシリンダヘッド内にて、気筒241a,244bの排気ポートに対応する位置には、還元剤添加装置であるインジェクター260a,260bが、排気ポート内に還元剤を噴射可能なように、それぞれ設けられている。ここで、還元剤には内燃機関100を稼動させるための燃料が用いられる。また、排気マニホールド220a,220bのそれぞれが備える排気集合部はそれぞれ、内燃機関100の吸気マニホールド200a,200bへ延在するように設けられたEGR通路320a,320b,320cが接続されている。
EGR通路320a,320bには、それぞれの通路の開通及び遮断を行うEGRバルブ340a,340bが設けられている。ここで、EGR通路320aおよびEGRバルブ340aがEGR装置300aを構成し、EGR通路320bおよびEGRバルブ340bが、EGR装置300bを構成する。EGRバルブ340a,340bの下流において、EGR通路320a,320bは、合流して一本のEGR通路320cとなり、2つの吸気マニホールド200a,200bに接続する吸気管520cに接続されている。
また、EGR通路320cには、EGR通路320cを流れるガスを冷却するためのEGRクーラ360が設けられている。さらに、排気マニホールド220a,220bのそれぞれが備える排気集合部にはターボチャージャー500a,500bが設けられる。また、ターボチャージャー500a,500bは、タービンを介して、DPF装置400a,400bと連通するように配設されている。
また、エアクリーナ620を通って2つに分岐された吸気管520a,520bが、コンプレッサーを介して、吸気マニホールド200a,200bへ延在するように形成されている。吸気管520a,520bに接続されたターボチャージャー500a,500bの上流側には、それぞれのコンプレッサーに流れ込む空気量を測定するためのエアフローメータ600a,600bが設けられている。ここで、ターボチャージャー500a,500bの稼動状態に応じてコンプレッサーに流れ込む空気量が変化するので、エアフローメータ600a,600bは、ターボチャージャー500a,500bの稼動状態検出の機能を有する。
また、吸気管520a,520bに接続されたターボチャージャー500a,500bの下流側には、インタークーラ700が設けられている。このインタークーラ700の詳細構造については、後述する。吸気管520a,520bは、インタークーラ700内の下流で合流して一本の吸気管となり、その後さらに2つに分かれて吸気マニホールド200a,200bに接続される。
吸気管520a,520bに接続されたインタークーラ700の下流側には、スロットルバルブ800a,800bが設けられている。さらに、エアフローメータ600a,600bおよびEGRバルブ340a,340bは、制御装置900と電気的に接続されている。
続いて、図1に示した内燃機関100の動作について説明する。
エアクリーナ620により異物が除去されたエアが、左右に分岐して配設された吸気管520a,520bを通して、ターボチャージャー500a,500bにそれぞれ供給される。なお、吸気管520a,520bに介挿されているエアフローメータ600a,600bにより、コンプレッサーに流れ込む空気量が測定される。コンプレッサーにより圧縮されたエアが吸気管520a,520bを介してインタークーラ700に供給され、冷却される。
インタークーラ700を透過したエアは、スロットバルブ800a,800bにより流量調整が行なわれ、吸気管520cに供給される。吸気管520を透過したエアは、吸気マニホールド200a,200bに供給される。吸気マニホールド200a,200bに供給されたエアが気筒241a,242a,243a,244b,245b,246bに与えられる。気筒241a,242a,243a,244b,245b,246bに与えられたエアは、燃料とともに爆発および/または燃焼されて排気ガスとなる。
気筒241a,242a,243a,244b,245b,246bから排出された排気が、排気マニホールド220a,220bにより集められ、ターボチャージャー500a,500bに与えられる。ターボチャージャー500a,500bに送られた排気ガスは、タービンを回転させる。タービンとコンプレッサーとは、連動するようになっており、排気ガスによるタービンの回転によって、コンプレッサーが回転され、これによって、エアフローメータ600a,600bを透過して吸気された空気が圧縮されてインタークーラ700に送られる。
また、ターボチャージャー500a,500bを通過した排気ガスは、DPF装置400a,400bにおいて、カーボンを主成分とするパティキュレートが除去された後、触媒装置および消音器等(図示せず)を通過して大気中に排出される。
このように、全ての排気ガスが経路を通って大気中に排出されるのではなく、燃焼室での爆発または/および燃焼による有害な窒素酸化物の生成を低減する目的で、EGR装置300a,300bによって、排気ガスの一部が吸気マニホールド200a,200bに循環される。循環される排気ガス(EGRガス)の量は、EGRバルブ340a,340bの開度によって調節される。
また、排気ガス中のパティキュレートがDPF装置400a,400bに捕捉された場合、DPF装置400a,400bの差圧が上昇する。この差圧を検知した場合、インジェクター(還元剤添加装置)260a,260bから還元剤である燃料が添加され、DPF装置400a,400bに熱を与えることで捕捉されたパティキュレートが燃焼される。
続いて、図2は、図1のインタークーラ700の外観の一例を示す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態におけるインタークーラ700の上部は、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bの2つのコアから構成される。また、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bの下方には、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bを一体に連通させるインタークーラ下流コア700cが配設される。インタークーラ下流コア700cには、吸気温センサ720が1個設けられる。この吸気温センサ720は、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左700bの中間の下方に位置するように配設されている。この吸気温センサ720の詳細の動作については後述する。
インタークーラ右コア700aには、吸気管520aからコンプレッサーにより圧縮されたエアが供給され、インタークーラ左コア700bには、吸気管520bからコンプレッサーにより圧縮されたエアが供給される。インタークーラ右コア700aにおいて圧縮されたエアが冷却され、インタークーラ左コア700bにおいて圧縮されたエアが冷却される。個々のインタークーラ700a,700bにおいて冷却されたエアは、インタークーラ下流コア700cにおいて一体にされ、配管760aおよび配管760bからスロットルバルブ800a,800bに向けて排出される。
次に、図3は、インタークーラ700の吸気温センサ720における効果を説明するための模式図であり、図4および図5は、図3のインタークーラ700におけるエアの流れを説明するための模式的説明図である。
図3に示すインタークーラ700は、図2のインタークーラ700の天地を逆にして裏面から視認したものである。したがって、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bが逆となり、図2と比較して上下が逆の配置となっている。
図3の配管760aの下流には、スロットルバルブ800aが配設されており、配管760bの下流にはスロットルバルブ800bが配設されている。
本実施の形態においては、排気を利用したターボチャージャーを有するV型6気筒エンジンであるため、インタークーラ700において圧力の高い吸気脈動が作用する。例えば、V型6気筒エンジンにおいて、片側バンクに注目すると、必ずしも等間隔にて爆発が生じるわけではない。このため、爆発間隔が短い時には排気ガスの量及びターボチャージャーの回転数が増加し、爆発間隔が長い時にはターボチャージャーの回転数が落ち込む。このようなことが交互に生じ、各々バンクにて吸気脈動が生じる。また、EGRガスが大量に吸気マニホールド200a,200bに循環されている場合、各々の排気マニホールド220a,220bより還流されるEGRガスの量は必ずしも同量とはならない。この場合、排気マニホールド220a,220bより下流側の2つのターボチャージャー500a,500bに流れる排気ガス量にばらつきが生じるため、やはり、ターボチャージャーを介して吸気脈動の原因となる。
図3に示すように矢印αの方向にエアが流れる。この場合、図4に示すように、インタークーラ右コア700aにおいて冷却されたエアが矢印Faの方向に流れる。その結果、インタークーラ右コア700aにより冷却されたエアが、吸気温センサ720に接触し、エアの温度を正確に計測することができる。
また、所定の時間後、周期的に図5に示すように、インタークーラ左コア700bにおいて冷却されたエアが矢印Fbの方向に流れる。その結果、インタークーラ左コア700bにより冷却されたエアが、吸気温センサ720に接触し、エアの温度を正確に計測することができる。
このように、吸気温センサ720は、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bからのエアの圧力脈動により直接的に流れが接触する範囲に設けられる。それにより、吸気温センサ720を複数配設した場合と比較して制御システムを簡易化することができるとともに、吸気温センサ720を1個にすることができるので、コスト低減を図ることができる。
次に、図6および図7は、図1から図5における本発明に係る構成において得られる効果を説明するための模式的説明図である。図6および図7の縦軸は圧力比を示し、横軸は空気量を示す。
V型エンジンでは、ターボチャージャーレスポンス向上等のために、小型のターボチャージャーを左右バンクにそれぞれ1個づつ合計2個取り付ける要求がある。その場合には、各々のターボチャージャーの干渉を抑制するためインタークーラも複数設け、さらに吸気温センサを複数設ける場合がある。この複数のインタークーラおよび複数の吸気温センサを設けたエンジンにおいて、スロットルバルブが閉塞状態で固着した場合、個別のインタークーラから構成されるため、圧力均一化を図ることができず、図7に示すように、空気量および圧力比が等圧効率線に存在する点AからサージラインSLを超えて点Cの位置に移動する。この場合、ターボチャージャー500a,500bが故障する可能性が高くなる。
一方、図6に示すように、本実施の形態におけるインタークーラ700を用いた場合、スロットルバルブ800a,800bのいずれか一方が閉塞状態で固着した場合でも、インタークーラ下流コア700cにおいて圧力均一化を図ることができ、空気量および圧力比が等圧効率線に存在する点AからサージラインSLを超えず、点Bの位置に移動する。この場合、ターボチャージャー500a,500bの故障を防止することができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関100においては、インタークーラ700の下部のインタークーラ下流コア700cを設け、さらに当該インタークーラ下流コア700cに1個の吸気温センサ720を所定の位置に配設することにより、構造を容易化することができ、コスト低減を図ることができる。また、スロットルバルブ800a,800bのいずれか一方が故障により閉塞状態の状態で固着した場合であってもターボチャージャー500a,500bの故障を防止することができる。すなわち、ターボチャージャー500a,500bの回転数は同じであり、インタークーラ右コア700aおよびインタークーラ左コア700bにおけるエアの圧力がインタークーラ下流700cにおいて均等化させることができる。その結果、全閉塞状態で固着したスロットルバルブ800a,800b側の過給圧の圧力比を低下させることができ、サージラインSLを超えない状態にし、ターボチャージャー500a,500bの故障を防止することができる。
上記一実施の形態においては、吸気管520a,520b,520cが吸気経路に相当し、ターボチャージャー500a,500bが複数系統のターボチャージャーに相当し、インタークーラ700がインタークーラに相当し、内燃機関100が内燃機関に相当し、インタークーラ右コア700aが第1冷却コアに相当し、インタークーラ左コア700bが第2冷却コアに相当し、インタークーラ下流コア700cが連通部に相当し、吸気温センサ720が吸気温検出装置に相当し、EGR装置300a,300bがEGR装置に相当する。
本発明は、上記の好ましい一実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
例えば、上記実施形態においては、インタークーラ700より下流の吸気経路について、スロットルバルブ800a,800b及びサージタンクを備えた吸気マニホールド200a,200bを2系統設けているが、これらが1系統のエンジンにも、本発明を適用することは可能である。具体例をあげると、インタークーラ700より下流の吸気経路にて、吸気経路の合流部より下流に1個のスロットルバルブが配置された吸気経路である。このような吸気経路を有するエンジンに本発明を適用した場合でも、吸気温センサ720を1個にできる点は同等である。また、上記の実施形態では、V型6気筒のエンジンを例示したが、例えばV型8気筒のエンジンに本発明を適用することもできる。V型8気筒のエンジンにおいても、一般には、片側バンクの爆発が等間隔に生じない設定となっており、V型6気筒と同様、吸気脈動が生じるためである。
本発明に係る一実施の形態に係る内燃機関の一例を示す模式的構造図 図1のインタークーラの外観の一例を示す模式図 インタークーラの吸気温センサにおける効果を説明するための模式図 図3のインタークーラにおけるエアの流れを説明するための模式的説明図 図3のインタークーラにおけるエアの流れを説明するための模式的説明図 図1から図5における本発明に係る構成において得られる予備的な効果を説明するための模式的説明図 図1から図5における本発明に係る構成において得られる予備的な効果を説明するための模式的説明図
符号の説明
100 内燃機関
200a,200b 吸気マニホールド
220a,220b 排気マニホールド
241a,242a,243a,244b,245b,246b 気筒
260a,260b インジェクター(還元剤添加装置)
300a,300b EGR装置
320a,320b,320c EGR通路
340a,340b EGRバルブ
360 EGRクーラ
400a,400b DPF装置
500a,500b ターボチャージャー
520,520a,520b,520c 吸気管
600a,600b エアフローメータ
620 エアクリーナ
700 インタークーラ
700a インタークーラ右コア
700b インタークーラ左コア
700c インタークーラ下流コア
720 吸気温センサ
760a,760b 配管
800a,800b スロットルバルブ
900 制御装置

Claims (4)

  1. 吸気経路に複数系統のターボチャージャーを含み、前記ターボチャージャーの下流に前記吸気経路により供給された吸気を冷却するインタークーラを有する内燃機関において、
    前記インタークーラは、
    前記複数系統のターボチャージャーから供給された吸気を個々に冷却する第1冷却コアおよび第2冷却コアと、
    前記第1冷却コアと第2冷却コアにより冷却された吸気を連通させる連通部とを含み、
    前記連通部には、前記第1冷却コアおよび前記第2冷却コアにより冷却された吸気の温度を検出することが可能な吸気温検出装置が1個備えられたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記吸気温検出装置は、
    前記連通部内において、前記第1冷却コアおよび前記第2冷却コアから供給される冷却された吸気のいずれもが圧力脈動により吹き付けられる位置に配設されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記吸気温検出装置は、
    前記連通部内において、前記第1冷却コアおよび前記第2冷却コアから等しい距離となる箇所に配設されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関。
  4. 前記吸気経路は、
    EGR装置をさらに設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関。
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