JP2008223223A - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カバーに設けられる蛇腹部の軸方向の強度を高めて、先端部のカバー内への潜り込みを防止し、その作動信頼性を高めることである。
【解決手段】プーリを回転自在に収容するプーリケースを車体に固定し、スライドドアに接続されたケーブル22aをケーブル出入り孔からプーリケースの内部に導いてプーリに掛け渡す。プーリケースにケーブル出入り孔を覆うカバー51を装着し、このカバー51にケーブル22aが出入りする貫通孔53aが形成された先端部53を設け、この先端部53を蛇腹部61により本体部52に傾動自在に連結する。蛇腹部61の外形の範囲内の高さに形成されるリブ62を、当該蛇腹部61の軸心を中心とした対称な位置に一対設け、これらのリブ62により蛇腹部61の軸方向の弾性変形を規制して、先端部53が本体部52の内部に潜り込むことを防止する。
【選択図】図6

Description

本発明は、車体に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関し、特に、開閉体に接続されるケーブルを駆動源により駆動して開閉体を開閉させるケーブル式のものに関する。
自動車等の車両にはドアやサンルーフ等の開閉体が随所に設けられる。例えば、ワゴン車やワンボックス車等の車体の側部にはガイドレールに沿ってスライド式に開閉するスライドドアが設けられ、車両側部からの乗降や荷物の積み下ろし等が容易に行い得るようにされている。
通常、これらの開閉体は手動で開閉操作されるが、近年では、自動開閉装置により開閉体を自動的に開閉させるようにした車両が開発されている。例えば、スライドドアを備えた車両には、電動モータ等を駆動源とする駆動ユニットによりスライドドアに接続されたケーブルを駆動して当該スライドドアを自動的に開閉させるようにしたケーブル式の自動開閉装置が搭載される。
ケーブル式の自動開閉装置では、駆動ユニットから引き出されたケーブルを開閉方向からスライドドアに案内するとともに、車体外側で開閉動作するスライドドアと車体のアウターパネルの内側に配置される駆動ユニットとの間でケーブルを取り回す必要がある。そのため、車体のアウターパネルにはガイドレールの両端部に位置して開口部が形成され、これらの開口部にはプーリ装置が取り付けられる。プーリ装置は一対のケーブル出入り孔を備えたプーリケースの内部に支軸によりプーリを回転自在に収容した構造となっており、ケーブル出入り孔からプーリケース内に挿通されたケーブルはプーリに掛け渡され、プーリによりその移動方向が変換される。
また、プーリケースには、ケーブル出入り孔を介してアウターパネルの内側へ雨水等が侵入することを防止するために、カバーが装着される。このカバーはゴム等の可撓性を有する弾性材料により形成され、その本体部においてプーリケースに固定されて車体外側に向けて開口するケーブル出入り孔を覆うようになっている。また、カバーには本体部と一体に先端部が設けられ、ケーブルはこの先端部に形成された貫通孔からカバーの外側に引き出される。
スライドドアが開閉動作し、プーリ装置に対するスライドドアの位置が変化すると、これに伴ってプーリへのケーブルの巻き掛け量が変化し、これにより、プーリケースからのケーブルの引き出し角度が変化することになる。ケーブルの引き出し角度が変化すると、カバーの先端部にケーブルからの荷重が加わり、この荷重によりカバーがプーリケースから離脱したり、貫通孔とケーブルとの摩擦抵抗が増加したりするという問題点が生じることになる。
そのため、例えば特許文献1に記載されるプーリ装置では、カバーの先端部と本体部との間に蛇腹部を設け、この蛇腹部により先端部を柔軟に首振り動作させて、先端部のケーブルへの追従性を高めるようにしている。
特開2004−346622号公報
しかしながら、カバーの本体部と先端部との間に蛇腹部を設けるようにしても、スライドドアが手動により急に開閉操作される等してケーブルに大きな負荷が加えられると、貫通孔とケーブルとの間の摩擦抵抗の増加により、先端部がケーブルに引かれて本体部の内部に潜り込み、蛇腹部が機能しなくなるおそれがあった。
本発明の目的は、カバーに設けられる蛇腹部の軸方向の強度を高めて、先端部のカバー内への潜り込みを防止し、その作動信頼性を高めることにある。
本発明の車両用自動開閉装置は、車体に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、前記開閉体に接続されるケーブルと、前記ケーブルを駆動して前記開閉体を開閉させる駆動源と、一対のケーブル出入り孔を備え、前記車体に固定されるプーリケースと、前記プーリケースに回転自在に収容され、前記開閉体と前記駆動源との間で前記ケーブルの移動方向を変換するプーリと、前記プーリケースに固定される本体部と前記ケーブルが通る貫通孔が形成された先端部とを備え、一方の前記ケーブル出入り孔を覆うカバーと、前記カバーの前記本体部と前記先端部との間に設けられ、前記先端部を前記本体部に傾動自在に連結する蛇腹部と、軸心を中心として互いに対称に前記蛇腹部に設けられ、それぞれ前記蛇腹部の軸方向に延びるとともに前記蛇腹部の外形の範囲内の高さに形成される一対のリブとを有することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、一対の前記リブをそれぞれ前記蛇腹部の前記プーリの軸方向に平行な方向に設けることを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記先端部を前記本体部の前記蛇腹部との連結部の内面における前記プーリの軸方向の幅よりも小さい外径の筒状に形成するとともに、一対の前記リブを前記連結部の内面における前記プーリの軸方向の幅より外径側に突出する高さに形成することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記連結部を筒状部として形成し、前記先端部を前記筒状部の内径よりも小さい外径の筒状に形成するとともに、一対の前記リブを前記筒状部の内面よりも外径側に突出する高さに形成することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記貫通孔の内周面に前記ケーブルに弾性的に接触する円環状のリップ部を形成することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記先端部の外側に装着され、前記ケーブルを摺動自在に支持するガイド部材を有することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、円筒状に形成される前記先端部の外周面に環状の溝部を設け、前記溝部に係合する環状の凸部を備え前記先端部の外周側に配置される円筒部と前記ケーブルが挿通される支持孔を備え前記先端部に軸方向に並べて配置される支持部とを前記ガイド部材に設けることを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記リップ部を前記溝部に対して軸方向にずらして設けることを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記本体部に一体に設けられ、前記車体に形成される開口部に前記プーリケースを装着したときに前記プーリケースと前記車体との間に挟み込まれるシール部を有することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記プーリケースの前記開口部から外部に露出する部分全体を前記カバーにより覆うことを特徴とする。
本発明によれば、プーリケースのケーブル出入り孔を覆うカバーに蛇腹部を設け、この蛇腹部によりケーブルが挿通される先端部をプーリケースに固定される本体部に対して傾動自在に連結するようにしたので、先端部を柔軟に首振り動作させて、当該先端部のケーブルへの追従性を高めることができ、これにより、ケーブルを滑らかに作動させることができる。また、先端部のケーブルへの追従性が高められることにより、ケーブルから加えられる荷重によりカバーがプーリケースから離脱することを防止することができる。さらに、蛇腹部に一対のリブを設け、このリブにより蛇腹部の軸方向の強度を高めるようにしたので、ケーブルにより先端部がカバーの内部に引き込まれることを防止して、この車両用自動開閉装置の作動信頼性を高めることができる。
また、本発明によれば、一対のリブを蛇腹部のプーリの軸方向に平行な方向に設けるようにしたので、ケーブルに対する先端部の追従性を低下させることなく、蛇腹部の軸方向の強度を高めることができる。
さらに、本発明によれば、一対のリブを本体部の蛇腹部との連結部の内面よりも外径側に突出する高さに形成するようにしたので、先端部を連結部に出入り可能な外径の筒状に形成しても、先端部のカバーの内部への潜り込みをリブにより確実に防止することができる。
さらに、本発明によれば、一対のリブを本体部の筒状部の内面よりも外径側に突出する高さに形成するようにしたので、先端部を筒状部により小径の筒状に形成しても、先端部のカバーの内部への潜り込みをリブにより確実に防止することができる。
さらに、本発明によれば、貫通孔の内周面にケーブルに弾性的に接触する円環状のリップ部を設けるようにしたので、貫通孔からプーリケース内へ雨水や埃等の異物が侵入することを防止することができる。
さらに、本発明によれば、ケーブルを摺動自在に支持するガイド部材をカバーの先端部の外側に装着するようにしたので、カバー先端部へのガイド部材の組み付け作業を容易にすることができる。
さらに、本発明によれば、ガイド部材が先端部に装着されたときには、当該ガイド部材の円筒部はこれに設けられる環状の凸部が先端部の外周面に設けられる環状の溝部に係合するように先端部の外周側に配置され、ケーブルが挿通される支持孔を備えた支持部は先端部に軸方向に並べて配置されるので、先端部へのガイド部材の組み付け作業を容易にすることができる。また、先端部にガイド部材を装着した後にケーブルを貫通孔と支持孔とに挿通することにより、ガイド部材を組み付けた後の溝部の変形をケーブルにより抑制することができるので、ガイド部材を先端部に装着し易く且つ外れにくくすることができる。
さらに、本発明によれば、貫通孔の内周面に形成されるリップ部を先端部の外周面に形成される溝部に対して軸方向にずらして設けるようにしたので、溝部に係合する凸部によりリップ部の弾性変形が規制されることを抑制して、リップ部の払拭性を高めることができる。
さらに、本発明によれば、カバーの本体部に一体に設けられるシール部をプーリケースと車体との間に挟むようにしたので、プーリケースと開口部との隙間から車体内へ雨水や埃等の異物が侵入することを防止することができる。
さらに、本発明によれば、プーリケースの開口部から外部に露出する部分全体をカバーにより覆うようにしたので、プーリケースを組み立て式とした場合であっても、その組み合わせ部等からプーリケース内へ水や埃等の異物が侵入することを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置を備えた車両の概略を示す説明図であり、この車両11の車体12の側部には、乗員等の乗降や荷物の積み下ろし等を行うために、開閉体としてのスライドドア13が設けられている。
このスライドドア13はローラアッシー14を備え、一方、車体12のアウターパネル15には車両前後方向に延びるガイドレール16が固定され、ローラアッシー14がガイドレール16に案内されることにより、スライドドア13は図中一点鎖線で示す全閉位置と図中実線で示す全開位置との間で車両前後方向にスライド式に開閉するようになっている。ガイドレール16の車両前方側には車室内側に向けて曲がる曲部16aが設けられ、ローラアッシー14が曲部16aに案内されることにより、スライドドア13は車体12の側面と同一面に収まるように車体12の内側に引き込まれて閉じられる。
なお、図示はしないが、ローラアッシー14は図示する部位(スライドドア13の後端部における車両上下方向のセンター部位)以外に、スライドドア13の前端部における上下部位(アッパー部、ロアー部)にも設けられ、これらに対応して、車体12の上下部位にはそれぞれ図示しないガイドレールが設けられ、これら合計3カ所においてスライドドア13は車体12に支持されている。
スライドドア13を自動的に開閉するために、この車両11には車両用自動開閉装置21(以下、開閉装置21とする)が搭載されている。
図2は図1に示す開閉装置の詳細を示す斜視図であり、この開閉装置21は、スライドドア13(ローラアッシー14)に接続される一対のケーブル22a,22bと駆動ユニット23とを備えたケーブル式となっており、駆動ユニット23によりケーブル22a,22bを駆動してスライドドア13を開閉する構造となっている。
駆動ユニット23はガイドレール16の長手方向の略中間部に位置してアウターパネル15の内側において車体12に固定されている。車両後方側からスライドドア13に接続される開側のケーブル22aはガイドレール16の後端部に位置して車体12に固定されるリヤ側のプーリ装置24によりその移動方向が変換され、車両後方側から駆動ユニット23に導かれている。一方、車両前方側からスライドドア13に接続される閉側のケーブル22bはガイドレール16の前端部に位置して車体12(アウターパネル15)に固定されるフロント側のプーリ装置25によりその移動方向が変換され、車両前方側から駆動ユニット23に導かれている。なお、ケーブル22a,22bとしては錆等の防止のために外面が樹脂によりコーティングされたものが用いられる。
図3は図2に示す駆動ユニットの詳細を示す一部切り欠き断面図であり、この駆動ユニット23は駆動源としての電動モータ26を備え、この電動モータ26の出力は図示しない減速機構を介して出力軸27に伝達される。出力軸27には円筒形状に形成されたドラム28が固定され、駆動ユニット23に導かれた各ケーブル22a,22bはそれぞれドラム28の外周に互いに逆向きに複数回巻き付けられるとともに、その端部においてドラム28に固定されている。これにより、電動モータ26が作動すると、その動力が減速機構を介して出力軸27に伝達され、ドラム28が回転する。
ドラム28が図3中時計回りに回転すると、車両後方側のケーブル22aがドラム28に巻き取られるとともに車両前方側のケーブル22bがドラム28から巻き戻され、スライドドア13はケーブル22aに引かれて自動開動作する。反対に、ドラム28が図3中反時計回りに回転すると、車両前方側のケーブル22bがドラム28に巻き取られるとともに車両後方側のケーブル22aがドラム28から巻き戻され、スライドドア13はケーブル22bに引かれて自動閉動作する。このように、この開閉装置21は、電動モータ26の作動を制御することにより、当該電動モータ26によりケーブル22a,22bを駆動して、スライドドア13を自動的に開閉することができるようになっている。
なお、電動モータ26としては、例えばブラシ付きの直流モータなどの正逆回転可能なものが用いられ、また、電動モータ26の作動制御は、CPUやメモリ等を備えた制御ユニット29により行われる。
図2に示すように、駆動ユニット23と各プーリ装置24,25の間にはアウターチューブ31a,31bが設けられ、駆動ユニット23と各プーリ装置24,25の間においては各ケーブル22a,22bはそれぞれアウターチューブ31a,31bに軸方向に移動自在に収容されている。これらのアウターチューブ31a,31bは可撓性を有する樹脂材料により湾曲自在に形成され、その一端は対応するプーリ装置24,25に固定されている。また、図3に示すように、各アウターチューブ31a,31bの他端には金属製のスライドキャップ32a,32bが固定され、これらのスライドキャップ32a,32bは駆動ユニット23のユニットケース23aに進退移動自在に支持されるとともに、ユニットケース23aの内部に設けられたスプリング33によりユニットケース23aから押し出される方向に付勢されている。これにより、アウターチューブ31a,31bはユニットケース23aから押し出されて駆動ユニット23とプーリ装置24,25の間で湾曲し、駆動ユニット23とプーリ装置24,25の間におけるケーブル22a,22bの移動経路が伸ばされて、ケーブル22a,22bに所定の張力が付与される。なお、アウターチューブ31a,31bの内部にはグリースが充填され、ケーブル22a,22bの移動が円滑に行われるようにされる。
図4は図2に示すリヤ側のプーリ装置の詳細を示す平面図であり、図5は図4に示すプーリ装置の分解斜視図である。
ガイドレール16の後端部側に配置されるリヤ側のプーリ装置24は、プーリケース41の内部にプーリ42(図4中では破線で示す。)を収容した構造となっている。車体12のアウターパネル15には、スライドドア13と駆動ユニット23との間でケーブル22aを取り回すための開口部15aが形成され、プーリ装置24はこの開口部15aに該アウターパネル15を跨ぐように配置される。プーリケース41には3つの取付部41aが設けられ、プーリケース41つまりプーリ装置24はこれらの取付部41aおいてボルト43とナット44とによりアウターパネル15に固定される。
図5に示すように、プーリケース41にはそれぞれアウターパネル15の内側と外側とに開口する一対のケーブル出入り孔41b,41cが設けられ、ケーブル22aはこれらのケーブル出入り孔41b,41cを介してプーリケース41の内部に引き込まれ、プーリ装置24を介してアウターパネル15の内外に案内される。車体外側に開口するケーブル出入り孔41bはプーリ42の溝方向に沿って長い長方形状に形成されており、スライドドア13の位置に応じてプーリ42から引き出されるケーブル22aの角度が変化した場合であっても、ケーブル22aがケーブル出入り孔41bの外周部分つまりプーリケース41に接触しないようにされている。
一方、図5に示すように、プーリ42は樹脂材料により円板状に形成され、その外周部にはプーリ溝42aが設けられ、プーリケース41の内部に引き込まれたケーブル22aはこのプーリ溝42aにおいてプーリ42に掛け渡され、当該プーリ42によりその移動方向が変換される。プーリ42の軸心には軸孔42bが設けられ、この軸孔42bには金属製の支軸45が挿通され、プーリ42はこの支軸45に支持されてプーリケース41に回転自在に収容される。
プーリケース41はそれぞれ略半円形に形成される第1のケース半体46と第2のケース半体47とを有し、支軸45は第1のケース半体46に支持される。第2のケース半体47はプーリ42の径方向から第1のケース半体51に組み付けられ、これによりプーリケース41が構成される。
図4、図5に示すように、プーリケース41にはゴム等の可撓性を有する弾性材料により形成されるカバー51が装着される。カバー51は第2のケース半体47に対応した略半円形に形成される本体部52と本体部52から略接線方向に突出する先端部53とを備え、第1のケース半体46とは反対側からプーリ42の径方向に沿って第2のケース半体47の外側に装着される。カバー51は4つの爪部54が設けられ、これらの爪部54が第2のケース半体47に設けられる係止孔55に係合することにより、カバー51の本体部52は第2のケース半体47に仮固定される。
カバー51の本体部52の開口部外周には環状のシール部56が一体に形成されている。このシール部56は、図4に示すように、プーリ装置24が開口部15aに装着されると、プーリケース41とアウターパネル15との間に挟み込まれ、開口部15aとプーリケース41との間を密閉する。これにより、開口部15aからアウターパネル15の内側への雨水等の侵入が防止される。また、シール部56がプーリケース41とアウターパネル15との間に挟み込まれることにより、カバー51の本体部52はプーリケース41に確実に固定されることになる。
カバー51が装着されると、第2のケース半体47の外周部つまりプーリケース41の開口部15aからアウターパネル15の外部に露出する部分全体が当該カバー51により覆われる。したがって、プーリケース41の車体外側に向くケーブル出入り孔41bもカバー51により覆われ、これにより、ケーブル出入り孔41bからの雨水等の侵入が防止される。また、カバー51の先端部53の軸心には貫通孔53aが設けられ、ケーブル出入り孔41bから出入りするケーブル22aはこの貫通孔53aに挿通されてプーリケース41つまりカバー51の内外に案内される。
なお、プーリケース41の開口部15aから外部に露出する部分全体をカバー51により覆うことにより、プーリケース41を組み立て式とした場合であっても、その組み合わせ部等からプーリケース41の内部に雨水や埃等の異物が侵入することを防止することができる。
図6はカバーに設けられる蛇腹部の詳細を示す斜視図であり、図7はケーブルが傾動したときの蛇腹部の状態を示す平面図であり、図8は図4におけるA−A線に沿う断面図である。
カバー51の本体部52と先端部53との間には蛇腹部61が設けられ、先端部53は蛇腹部61により本体部52に連結される。本体部52の蛇腹部61との連結部は筒状部52aとなっており、筒状部52aと蛇腹部61と先端部53は同軸に配置されている。
図6、図8から解るように、蛇腹部61は一対の山部61aの間に溝部61bを備えたひだ状に形成され、その軸方向に弾性変形自在であるとともに、その軸方向を屈曲させる方向に傾動自在となっている。これにより、図7に示すように、スライドドア13の開閉動作に伴いプーリ装置24に対してケーブル22aが図中矢印で示す方向に傾動したときには、蛇腹部61の弾性変形により先端部53を本体部52に対して柔軟に首振り動作つまり傾動させて、当該先端部53のケーブル22aへの追従性を高めることができる。このとき、先端部53の首振り方向つまり蛇腹部61が弾性変形する方向は、プーリ42の支軸45に直交する面に平行である。
このように、この開閉装置21では、プーリケース41のケーブル出入り孔41bを覆うカバー51に蛇腹部61を設け、この蛇腹部61によりカバー51の先端部53を本体部52に対して傾動自在に連結するようにしたので、先端部53を柔軟に首振り動作させて、当該先端部53のケーブル22aの傾動への追従性を高めることができる。また、先端部53のケーブル22aへの追従性が高められることにより、ケーブル22aから加えられる荷重によりカバーがプーリケースから離脱することを防止することができる。
図8に示すように、先端部53はその外径寸法D1が筒状部52aの内径寸法D2よりも小さい筒状に形成されている。つまり、先端部53は当該筒状部52aに出入り可能な外径の円筒状となっている。
ここで、先端部53の「出入り可能な外径」とは、本実施の形態に示すように本体部52と蛇腹部61との連結部が円筒状の筒状部52aである場合には先端部53が筒状部52aの内径よりも小さい外径を有することを示し、本体部52と蛇腹部61との連結部が例えば矩形の開口を有する場合等には、例えば当該連結部の内面におけるプーリ42の軸方向の幅よりも先端部53の外径が小さく、当該開口から先端部53が本体部52の内部に出入り可能であることを示し、実際に先端部53が本体部52の内部に入り込むわけではない。
先端部53の内周面には一対の円環状のリップ部53bが径方向内側に向けて突出して設けられる。これらのリップ部53bの内径はケーブル22aの外径よりも若干小さく設定され、先端部53の貫通孔53aに挿通されたケーブル22aの外周面に弾性変形した状態つまり弾性的に接触するようになっている。これにより、ケーブル22aに付着した雨水や埃等の異物をリップ部53bによりそぎ落として、当該異物がカバー51やプーリケース41の内部に侵入することを防止することができる。
図6、図8に示すように、蛇腹部61には、蛇腹部61の軸方向への過度の弾性変形を防止するために、一対のリブ62が設けられている。これらのリブ62はそれぞれ蛇腹部61の溝部61bの内部に当該蛇腹部61と一体に形成されており、当該蛇腹部61の軸方向に延びて一方の山部61aの側面から他方の山部61aの側面に達している。
図8に示すように、これらのリブ62は蛇腹部61の外形の範囲内の高さに形成されている。つまり、リブ62はその高さ寸法H1が各山部61aの頂部を結ぶ蛇腹部61の円錐面状の外形面Sの高さ寸法H2よりも低くなるように形成されている。ここで、リブ62の高さ寸法H1とは蛇腹部61の軸心を通る軸線L1からリブ62の径方向最外側部分までの径方向の距離のことであり、外形面Sの高さ寸法H2とは蛇腹部61の軸線L1から当該外形面Sまでの距離のことである。
なお、各山部61aが互いに同一の高さ寸法に形成されて蛇腹部61の外形面Sが円筒状となる場合には、リブ62は当該山部61aよりも低い高さに形成される。
また、蛇腹部61は、蛇腹部61の外形の範囲内の高さであることに加えて、図8に示すように、筒状部52aの内面よりも外側に突出する高さに形成されている。つまり、リブ62の高さ寸法H1は筒状部52aの内面の半径(軸線L1から当該内面までの径方向寸法D2の2分の1の寸法)よりも大きく設定され、これにより、リブ62の一部が筒状部52aの軸方向端部に対向するようになっている。
このように、蛇腹部61にはリブ62が設けられるので、当該蛇腹部61のリブ62が設けられる部位の軸方向の弾性率が高められる。したがって、ケーブル22aから先端部53に筒状部52aの側に向く荷重が加えられても、蛇腹部61の軸方向への弾性変形がリブ62により規制されて先端部53が筒状部の52aの内側に潜り込むことが防止される。
また、蛇腹部61は筒状部52aの内面よりも外側に突出する高さに形成されるので、先端部53を筒状部52aの内径より小径の外形を有する筒状に形成しても、リブ62が筒状部52aの軸方向端部に当接することにより、蛇腹部61の弾性変形を強固に規制することができる。
さらに、リブ62は蛇腹部61の外形から径方向外側に突出しない程度の高さ寸法H1に形成されているので、ケーブル22aから先端部53に加えられる荷重が当該リブ62を介して直接的に本体部52に伝達され、当該カバー51がプーリケース41から外れ易くなることを防止することができる。
図9は図8に示すリブの配置を示す断面図である。
一方、これらのリブ62は、図9に示すように、プーリ42つまり支軸45の軸方向に平行な方向であって、貫通孔53aや蛇腹部61の軸心を中心として互いに対称(点対称)な位置に設けられている。つまり、一方のリブ62は蛇腹部61の軸心を通る支軸45の軸方向L2に平行な軸線L3に沿って当該蛇腹部61の車両上方側の表面に設けられ、他方のリブ62は当該軸線L3に沿って蛇腹部61の車両下方側の表面に設けられている。これにより、各リブ62の周方向中心部を結ぶ軸線L3は支軸45と平行となり、ケーブル22aの傾動方向に平行な面に直交することになる。
図7〜9に示すように、ケーブル22aが図中矢印Aで示す方向(プーリ42の支軸45周り)に傾動し、これに伴って蛇腹部61が屈曲方向に弾性変形する際には、蛇腹部61の軸心に対してケーブル22aの傾動方向の両側の部分が大きく弾性変形するが、蛇腹部61の軸心に対してケーブル22aの傾動方向に直交する方向の両側の部分つまりリブ62が設けられる部分はあまり弾性変形しないので、蛇腹部61にその軸方向の強度を高めるためのリブ62を設けるようにしても、当該蛇腹部61のケーブル22aに追従する方向への柔軟性への影響を最小限に抑えることができる。
このように、この開閉装置21では、一対のリブ62を蛇腹部61のプーリ42の軸方向に平行な方向に設けるようにしたので、ケーブル22aに対する先端部53の追従性を低下させることなく、蛇腹部61の軸方向の強度を高めることができる。
図10はフロント側のプーリ装置の詳細を示す断面図であり、図11はフロント側のプーリ装置に装着されるカバーの詳細を示す斜視図である。なお、図10、図11においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
リヤ側のプーリ装置24と同様に、フロント側のプーリ装置25はプーリケース41を備え、このプーリケース41にはプーリ42が回転自在に収容され、閉側のケーブル22bがこのプーリ42に掛け渡される。プーリケース41には当該プーリケース41の車体外側に開口するケーブル出入り孔41bを覆うカバー51が装着される。この場合、カバー51の本体部52と一体に形成されるシール部56はスカート状に形成され、このシール部をアウターパネル15の開口部外周に押し付けるように、当該プーリ装置25はアウターパネル15に固定される。そして、このカバー51の先端部53と本体部52との間にも蛇腹部61が設けられ、また、蛇腹部61のプーリ42の軸方向に平行な方向には一対のリブ62が設けられる。
図12〜図13はカバー51の先端部53の変形例を示し、図12はカバーの先端部に装着されるガイド部材の詳細を示す斜視図であり、図13はガイド部材がカバーに装着されたときのカバーの先端部の断面図である。
本実施の形態においては、カバー51の先端部53の外側にはスリーブとも呼ばれるガイド部材71が装着され、先端部53からスライドドア13の側に引き出されたケーブル22aは、このガイド部材71により摺動自在に支持されるようになっている。
ガイド部材71は円筒状に形成された円筒部72と、軸方向に垂直な板状に形成され当該円筒部72に対して軸方向にずれて配置される支持部73と、支持部73の両端を円筒部72の外周に連結する一対の脚部74とを備え、これらが樹脂材料により一体に形成された構造となっている。円筒部72の内径は先端部53の外径よりも僅かに大きく形成されており、ガイド部材71が先端部53の外側に装着されると、円筒部72は先端部53の外周側に当該先端部53と同軸状に配置され、つまり先端部53の径方向外側に被せられるようになっている。また、円筒部72の内周面にはその軸心に向けて突出する環状の凸部72aが一体に設けられ、一方、先端部53の外周面にはその軸方向の略中間部に位置して装着部としての環状の溝部53cが径方向に凹んで形成されており、円筒部72が先端部53の外周側に配置されると円筒部72の凸部72aが先端部53の溝部53cに係合するようになっている。このように、ガイド部材71の円筒部72を溝部53bに装着することにより、円筒部72つまりガイド部材71は先端部53に保持され、先端部53からの離脱が防止される。
円筒部72が先端部53の外周側に配置されると、支持部73は先端部53に軸方向に並べて配置され、当該先端部53に対して軸方向に対向する。支持部73の軸心にはケーブル22aの外径とほぼ同一の内径を有する支持孔73aが設けられ、この支持孔73aは先端部53の貫通孔53aと同軸となっており、先端部53の貫通孔53aからカバー51の外側に引き出されたケーブル22aがこの支持孔73aに挿通される。つまり、支持部73は支持孔73aに挿通されるケーブル22aを摺動自在に支持するようになっている。これにより、ケーブル22aがスライドドア13の開閉動作に伴ってプーリケース41に対して傾動すると、ケーブル22aの傾動方向の荷重は先端部53に装着される支持部73つまりガイド部材71により支持され、また、この傾動方向の荷重が当該ガイド部材71を介して先端部53に伝達されて先端部53が首振り動作することになる。
また、リップ部53bは溝部53cに対して軸方向にずれて配置されている。つまり、先端部53の外周面に形成される溝部53cは先端部53の内周面に形成される一対のリップ部53bの中間部分に配置されている。これにより、溝部53cに係合するガイド部材71の凸部72aにより先端部53つまりこれに設けられるリップ部53bの径方向への弾性変形が規制されることを抑制して、リップ部53bの払拭性を高めることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、カバー51は4つの爪部54を係止孔55に係合させることにより第2のケース半体47に仮固定されるようになっているが、これに限らず、カバー51をエラストマ材により形成し、これを2色成形等により樹脂製の第2のケース半体47と一体成形することにより当該第2のケース半体47に固定するようにしてもよい。これにより、カバー51を第2のケース半体47に固定するための接着材や爪部54、係止孔55を不要として、このプーリ装置24のコストを低減することができる。また、第2のケース半体47とカバー51が一体に形成されるので、部品点数を減らして、このプーリ装置24の部品管理コストを低減することができる。
また、前記実施の形態においては、蛇腹部61は一対の山部61aと1つの溝部61bとを備えたひだ状に形成されているが、これに限らず、2以上の山部61aを備えたひだ状に蛇腹部61を形成するようにしてもよい。この場合、リブ62はこれらの山部61aの一部または全部を連ねるように軸方向に延びて形成される。
さらに、前記実施の形態においては、リブ62は蛇腹部61の外周側に開口する溝部61bの内部に設けられているが、これに限らず、蛇腹部61の内周側つまりカバー51の内側に開口する溝部にリブ62を形成するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置を備えた車両の概略を示す説明図である。 図1に示す開閉装置の詳細を示す斜視図である。 図2に示す駆動ユニットの詳細を示す一部切り欠き断面図である。 図2に示すリヤ側のプーリ装置の詳細を示す平面図である。 図4に示すプーリ装置の分解斜視図である。 カバーに設けられる蛇腹部の詳細を示す斜視図である。 ケーブルが傾動したときの蛇腹部の状態を示す平面図である。 図4におけるA−A線に沿う断面図である。 図8に示すリブの配置を示す断面図である。 フロント側のプーリ装置の詳細を示す断面図である。 フロント側のプーリ装置に装着されるカバーの詳細を示す斜視図である。 カバーの先端部に装着されるガイド部材の詳細を示す斜視図である。 ガイド部材がカバーに装着されたときのカバーの先端部の断面図である。
符号の説明
11 車両
12 車体
13 スライドドア(開閉体)
14 ローラアッシー
15 アウターパネル
15a 開口部
16 ガイドレール
16a 曲部
21 車両用自動開閉装置
22a,22b ケーブル
23 駆動ユニット
23a ユニットケース
24,25 プーリ装置
26 電動モータ
27 出力軸
28 ドラム
29 制御ユニット
31a,31b アウターチューブ
32a,32b スライドキャップ
33 スプリング
41 プーリケース
41a 取付部
41b,41c ケーブル出入り孔
42 プーリ
42a プーリ溝
42b 軸孔
43 ボルト
44 ナット
45 支軸
46 第1のケース半体
47 第2のケース半体
51 カバー
52 本体部
52a 筒状部
53 先端部
53a 貫通孔
53b リップ部
53c 溝部
54 爪部
55 係止孔
56 シール部
61 蛇腹部
61a 山部
61b 溝部
62 リブ
71 ガイド部材
72 円筒部
72a 凸部
73 支持部
73a 支持孔
74 脚部
D1 外径寸法
D2 内径寸法
H1,H2 高さ寸法
S 外形面
L1 軸線
L2 軸方向
L3 軸線

Claims (10)

  1. 車体に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    前記開閉体に接続されるケーブルと、
    前記ケーブルを駆動して前記開閉体を開閉させる駆動源と、
    一対のケーブル出入り孔を備え、前記車体に固定されるプーリケースと、
    前記プーリケースに回転自在に収容され、前記開閉体と前記駆動源との間で前記ケーブルの移動方向を変換するプーリと、
    前記プーリケースに固定される本体部と前記ケーブルが通る貫通孔が形成された先端部とを備え、一方の前記ケーブル出入り孔を覆うカバーと、
    前記カバーの前記本体部と前記先端部との間に設けられ、前記先端部を前記本体部に傾動自在に連結する蛇腹部と、
    軸心を中心として互いに対称に前記蛇腹部に設けられ、それぞれ前記蛇腹部の軸方向に延びるとともに前記蛇腹部の外形の範囲内の高さに形成される一対のリブとを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置において、一対の前記リブをそれぞれ前記蛇腹部の前記プーリの軸方向に平行な方向に設けることを特徴とする車両用自動開閉装置。
  3. 請求項1または2記載の車両用自動開閉装置において、前記先端部を前記本体部の前記蛇腹部との連結部の内面における前記プーリの軸方向の幅よりも小さい外径の筒状に形成するとともに、一対の前記リブを前記連結部の内面における前記プーリの軸方向の幅よりも外径側に突出する高さに形成することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  4. 請求項3記載の車両用自動開閉装置において、前記連結部を筒状部として形成し、前記先端部を前記筒状部の内径よりも小さい外径の筒状に形成するとともに、一対の前記リブを前記筒状部の内面よりも外径側に突出する高さに形成することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記貫通孔の内周面に前記ケーブルに弾性的に接触する円環状のリップ部を形成することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記先端部の外側に装着され、前記ケーブルを摺動自在に支持するガイド部材を有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  7. 請求項6記載の車両用自動開閉装置において、円筒状に形成される前記先端部の外周面に環状の溝部を設け、前記溝部に係合する環状の凸部を備え前記先端部の外周側に配置される円筒部と前記ケーブルが挿通される支持孔を備え前記先端部に軸方向に並べて配置される支持部とを前記ガイド部材に設けることを特徴とする車両用自動開閉装置。
  8. 請求項7記載の車両用自動開閉装置において、前記リップ部を前記溝部に対して軸方向にずらして設けることを特徴とする車両用自動開閉装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記本体部に一体に設けられ、前記車体に形成される開口部に前記プーリケースを装着したときに前記プーリケースと前記車体との間に挟み込まれるシール部を有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  10. 請求項9記載の車両用自動開閉装置において、前記プーリケースの前記開口部から外部に露出する部分全体を前記カバーにより覆うことを特徴とする車両用自動開閉装置。
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