JP2008222647A - γ−ブチロラクトンの製造方法 - Google Patents

γ−ブチロラクトンの製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】本発明は、高圧水素を必要とせず、かつ副生成物の少ない、新規なγ−ブチロラクトンの製造方法を提供する。
【解決手段】フランおよび水を特定の化合物の存在下にγ−ブチロラクトンを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明はγ−ブチロラクトンを製造する方法に関するものである。詳しくはフランおよび水を特定の化合物の存在下に反応させる新規なγ−ブチロラクトンの製造方法に関する。
γ−ブチロラクトンは溶剤として、またN−メチルピロリドンやN−ビニルピロリドンなどの原料として有用な化合物である。
従来、γ−ブチロラクトンの製造方法としては、マレイン酸やコハク酸およびそれらの誘導体を水素化する方法(特許文献1)、1,4−ブタンジオールを脱水素する方法(特許文献2)、ジヒドロフランを水の存在下に水和・脱水素する方法(特許文献3)などが知られている。
一方、近年の化石燃料資源枯渇への危惧や大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境問題が注目されており、特にバイオマス資源から、従来化石燃料資源と同じ化合物を誘導する手法に注目が注がれている。これらの手法は、この資源が再生可能な資源である為、カーボンニュートラルの観点から今後特に重要なプロセスになると予想されている。近年、フルフラールもバイオマス資源から得られる技術も開示され、フルフラールから誘導されるフランの用途やその製造方法が開発されつつある。(特許文献4)
特表2002−500221号公報 特開平10−152485号公報 特表平9−505067号公報 米国特許第4,780,552号広報
本発明者らの検討によれば、特許文献1の製造法では、マレイン酸やコハク酸およびそれらの誘導体を水素化する方法では、高圧水素下での反応となるために高価な耐圧反応装置が必要となり製造上煩雑な工程が必要となる。
また、1,4−ブタンジオールを脱水素する方法およびジヒドロフランを水の存在下に水和・脱水素する方法においては、副生成物として可燃性の高い水素が発生するばかりでなく、原料である1,4−ブタンジオールやジヒドロフランが比較的高価なものであるために経済的な観点からみてもあまり好ましくない。
このような状況を鑑み、本発明者らは、フルフラールを有効活用する上で、フルフラールから誘導されるフランを原料とし、γ−ブチロラクトンを製造する方法を初めて開発した。本発明は、高圧水素を必要とせず、かつ副生成物の少ない、新規なγ−ブチロラクトンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、フランからγ−ブチロラクトンを製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、フランと水の共存下に特定の化合物を作用させることによって、新規なγ−ブチロラクトンの製造方法を開発した。
即ち本発明の要旨は、フランおよび水を金属酸化物、複合金属酸化物、粘土化合物、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種である化合物の存在下に反応させることを特徴とするγ−ブチロラクトンの製造方法に存する。(請求項1)
本発明の第二の要旨は、上記記載の化合物が、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種で以上含まれることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトンの製造方法に存する。(請求項2)
本発明によれば、フランと水を原料として用い、穏和な条件下で多量の副生成物(例えば副生水素)を生成すること無しにγ−ブチロラクトンを効率よく製造する方法が提供される。
以下、本発明につき詳細に説明する。
<フラン>
本発明でいうフランとは、下記構造式(1)のようなものをいう。
Figure 2008222647
(1)
フランの製造法は、公知の技術又は市販のものを使用すれば特に限定されない。下反応式(2)にフランの製造方法の一例を示す。
Figure 2008222647
(2)
フランは、水素気流中Pd/アルミナ等の担持金属触媒を用い300℃付近の気相においてフルフラールを一酸化炭素とフランに分解することによって製造することができる。<γ−ブチロラクトンの製造方法>
本発明におけるγ−ブチロラクトンの製造方法を下記反応式(3)に示す。
Figure 2008222647
(3)
フランからγ−ブチロラクトンを得る反応に対する化学的な反応機構は不明であるが、1分子のフランと1分子の水から1分子のγ−ブチロラクトンが生成するという反応であると考えられる。
したがって理論的には原料であるフランと水が反応してγ−ブチロラクトンのみを生成物として与えることになる。
本発明におけるフランと水の反応は、特定の化合物の存在下に行われる。
(i)触媒
特定の化合物(本明細書では、特定の化合物は本製造方法では触媒と機能するため、単に触媒と表記する場合もある)としては、金属酸化物、複合金属酸化物、粘土化合物、ゼオライトなどが触媒性能の点で好ましく、これらから選ばれる少なくとも1種以上含まれていればよい。これらのうちで、Al、Ti、Zrを1種以上含むものが触媒性能の点で効果的であり、特にAl、Ti、Zrを含む金属酸化物および複合金属酸化物が触媒性能の点で好ましい。
金属酸化物としてはアルミナ、チタニア、ジルコニアが挙げられる。
複合金属酸化物としては、Al、Ti、Zrから選ばれる一種の元素、およびAl、Ti、Zr、Si、P、Nbから選ばれる、前に選ばれた元素とは異なる二種以上の元素を含む複合金属酸化物、例えばAl−Ti−O、Al−Zr−O、Al−Si−O、Al−P−O、Al−Nb−O、Ti−Zr−O、Ti−Si−O、Ti−P−O、Ti−Nb−O、Zr−Si−O、Zr−P−O、Al−Ti−Zr−O、Al−Ti−P−Oなどの複合金属酸化物が例示される。これらの金属酸化物および複合金属酸化物の中でも、アルミナ、チタニア、Al−P−O、Al−Nb−O、Al−Si−O、Al−Ti−O、Ti−Si−O、Zr−Si−Oが触媒性能の点で好ましく、特に好ましいものは、アルミナ、チタニア、AlとPからなる複合金属酸化物、AlとTiからなる複合酸化物であり、最も好ましいものは、チタニア、AlとTiからなる複合酸化物、Alに対するPのモル比が1以下であるAlとPからなる複合金属酸化物である。
上記に示す触媒の製造方法は特に制限されず、従来公知の技術で製造することができる。金属酸化物または複合金属酸化物の調製方法には、主として原料水溶液もしくは有機溶媒の溶液又はスラリーより調製する方法と、原料を高温で反応させて調製する方法の2つの方法がある。より活性に優れた触媒を得るという点では前者の方法、特に各成分を含む溶液又はスラリー状の液を調製後、乾燥、成型、焼成する方法、各成分を含む溶液又はスラリー状の液から各成分を含む固体を析出せしめた後、固体を濾過や遠心分離等により回収し、乾燥、成型、焼成する方法、各成分を含む溶液又はスラリー状の液を成型担体と混合し、さらに各成分を含む固体を成型担体上に析出せしめた後、乾燥、焼成する方法が好ましい。
粘土化合物またはゼオライトは、水熱合成により調製したもの、天然に産出するもの、いずれも用いることができるが、酸処理やイオン交換処理などの各種薬剤処理、熱水処理、水蒸気処理等の前処理を実施したものが好ましい。粘土化合物としては、カオリン、雲母、モンモリロナイト、ゼオライトとしては、ZSM−5、モルデナイト、ベータ、Y型ゼオライトが挙げられる。これらの中でも、カオリン、モンモリロナイト、Y型ゼオライトが触媒性能の点で好ましく、特に好ましいものは、カオリン、モンモリロナイトを酸処理して得られる活性白土、Y型ゼオライトをイオン交換と焼成処理により脱アルミニウムして得られるH−USYゼオライトである。
これらの粘土化合物またはゼオライトは、必要に応じてシリカ等のバインダー成分を混合後、成型、焼成して用いることができる。
触媒の焼成温度は、触媒の種類や構成成分によって異なるが、通常、200〜900℃、好ましくは300〜700℃、時間は通常0.5〜100時間、好ましくは1〜30時間の範囲から選ばれる。また、焼成は、空気のような酸素含有ガス雰囲気中で行う方法が最も一般的であるが、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中または真空中で実施しても良い。
触媒の粒径は、反応方式によって異なる。固定床反応の場合、通常、0.01〜100mm、好ましくは、0.05〜80mm、より好ましくは、0.1〜60mm、更に好ましくは、0.2〜40mmであり、粒径が小さすぎると触媒層における圧力損失が大きくなる傾向があり、大きすぎると触媒と反応基質との接触効率が悪化する傾向がある。また、固定床反応の場合、ハニカム形状の触媒を使用することもできるが、この場合のハニカム形状の触媒は反応器のサイズに合わせた大きさとなる。けん濁床反応の場合、通常、0.0001〜5mm、好ましくは、0.0005〜2mm、より好ましくは、0.001〜1mm、更に好ましくは、0.005〜0.8mmであり、粒径が小さすぎると触媒の分離が困難となる傾向があり、大きすぎると良好なけん濁状態が得られなくなる傾向がある。流動床反応の場合、通常、0.001〜1mm、好ましくは、0.005〜0.6mm、より好ましくは、0.01〜0.4mm、更に好ましくは、0.02〜0.2mmであり、粒径が小さすぎると触媒の分離が困難となる傾向があり、大きすぎると良好な流動状態が得られなくなる傾向がある。
(ii)水
本発明の製造方法では、水が必須である。仕込み時期としては、特に限定されないが、好ましくは、触媒に水を接触させた後にフランを接触させる方法、触媒に水とフランを同時に接触させる方法、触媒にフランを接触させた後に水を接触させる方法などの代表的には3つの場合が挙げられる。
これらの方法の中でも、フランが重合し易い事から、触媒に水を接触させた後にフランを接触させる方法、触媒に水とフランを同時に接触させる方法が好ましく、触媒に水を接触させた後にフランを接触させる方法が特に好ましい。
触媒に水を接触させた後にフランを接触させる方法における水の量は、反応時に必要な水の量である必要は無く、予め吸湿させた触媒に対して水とフランを同時に仕込んでも良い。
水の仕込み方法は、反応方式によって異なるが、液体あるいは予め気化させて水蒸気として仕込む方式が挙げられる。また、反応に悪影響を与えない物質と混合して仕込んでも良い。
水の仕込み量は、反応系におけるフランの量によって異なるが、反応系に存在するフラン1モルに対して0.1から100倍モル、好ましくは0.5から50倍モル、更に好ましくは1から30倍モルである。水の量が多すぎる場合、または少なすぎる場合、γ−ブチロラクトンの収率が減少する傾向がある。
(iii)反応条件
本発明方法におけるフランと水の反応は回分方式でも連続方式でも行うことができる。回分方式の場合には、反応器に触媒、水、フランを順次仕込み、攪拌下に反応させればよい。連続反応の場合には、例えば多数の攪拌槽を直列にした反応装置や流通式反応装置の一端から触媒と水およびフランを連続的に供給し、装置内をピストンフローないしはこれに近い態様で移動させて、他端から反応混合物を連続的に抜き出す方法を用いることができる。連続反応においては、触媒を反応混合物と一緒に抜き出さずに反応装置内に滞留させるか固定させるかしておき、これに水とフランを連続的に供給する方法を採用することもできる。連続反応でかつ反応装置内に触媒を滞留させるか固定させるかする場合には、水とフランを、液体または気体として供給することができる。経済性、生産性を考慮すると、固定床あるいは流動床の気相連続流通反応方式が好ましい。
反応時間は反応方式や触媒の使用量、反応温度および生成するγ―ブチロラクトンの所望の収率などにより異なるが、回分反応方式の場合、下限が、通常、0.5時間以上、好ましくは1時間以上であり、上限が通常50時間以下、好ましくは20時間以下である。連続流通反応方式の場合には、通常は1時間あたりに供給するフランの質量は、反応装置内の触媒の質量に対して、下限が0.01倍以上、好ましくは0.05倍以上であり、上限が通常10000倍以下、好ましくは1000倍以下である。
反応の温度は、下限が、通常120℃以上、好ましくは140℃以上、更に好ましくは200℃以上であり、上限が通常500℃、好ましくは400℃以下、更に好ましくは350℃以下で反応を行うのがよい。
フランと水の反応は、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の、反応に悪影響を与えない物質を共存させて実施することができる。
反応圧力は、液相反応であれば反応系が液相に保持される範囲であれば任意であり、気相反応であれば反応系が気相に保持される範囲であれば任意である。
生成したγ―ブチロラクトンの反応系からの分離・回収は常法により行うことができる。液相反応においては、反応液に触媒が存在する場合にはまず濾過や遠心分離により反応液から触媒を除去し、次いで蒸留により未反応のフランおよび水、γ―ブチロラクトンを分離・回収する。気相反応においては、反応器からの流出気体を冷却して高沸点成分から順次凝縮させることによりγ―ブチロラクトンを分離・回収するか、冷却して一旦すべての液体成分を凝縮させて回収し、次いで蒸留により未反応のフランおよび水、γ―ブチロラクトンを分離・回収する。回収された未反応フランおよび水は、反応系中にリサイクルすることができる。
製造されたγ―ブチロラクトンを精製する方法としては、精密蒸留法が挙げられる。
また、γ―ブチロラクトンの保存方法は、特に制限されないが、常温付近で密閉容器に保存する方法、不活性ガス雰囲気下に保存する方法等が挙げられる。
<γ−ブチロラクトン>
本発明で製造されたγ―ブチロラクトンは石化資源から製造されるγ―ブチロラクトンと同じである。バイオマス資源を原料とした場合に、バイオマス由来の不純物が混入することがあるが、本発明で製造されたγ―ブチロラクトンについては、直接の原料であるフランをフルフラールから製造する際にこれら不純物が除去されるため、石化資源から製造されるγ―ブチロラクトンと同等のものとなる。
また、本発明の製造方法で得られる原料フランに対するγ―ブチロラクトンの収率は、0.0001%〜100%であり、好ましくは、0.1%〜70%である。ただし、実施例で記載されている収率は低いが、未反応フランを回収リサイクルすることにより好ましい収率まで挙げることが可能である。
同様にγ―ブチロラクトンの純度も上記記載の精密蒸留法により、98〜100%まで挙げるこが可能である。
<γ−ブチロラクトンの用途>
本発明で得られたγ−ブチロラクトンは、溶剤として、またN−メチルピロリドンやN−ビニルピロリドンなどの原料としての用途に使用することが可能である。
以下に本発明の実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
<チタニア触媒を用いたフランの水和反応>
ノートン社製チタニア(サンプルNo.9925594)を250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分したもの 2.0gを内径19mmのガラス反応管に仕込み、窒素12Nml/min流通下に電気炉中にて230℃に昇温した。触媒層の温度が230℃で安定したところで気化器を通して気化した水を50.0mmol/hの流速でフィードし、次いで気化器を通して気化したフランを20.0mmol/hの流速でフィードさせて反応を行い、反応管出口からの流出物は氷冷トラップで回収した。フランのフィード開始から6時間後に水およびフランのフィードを停止し、そのまま窒素のみを流しつつ230℃にて1時間保持した後、加熱を停止して放冷した。反応管が室温まで冷却されたところで氷冷トラップをはずしてエタノールを用いてトラップ内の液を回収した。
回収液に内部標準物質を添加し島津ガスクロマトグラフGC14Aによりγ−ブチロラクトンを定量したところ、1.1mmol(6時間でフィードしたフランの総モル数に対して0.9%)のγ―ブチロラクトンが含まれていた。
実施例2
<Al−P複合酸化物触媒の調製>
52.6gの硝酸アルミニウム九水和物および8.0gの85%リン酸を300gの脱塩水に溶解した液に、38.0gの28%アンモニア水を室温にて攪拌しつつ約15分かけて添加して沈殿を生じさせ、更に室温にて1時間攪拌した後、約12時間静置して沈殿を熟成させた。この沈殿を濾過して分離し、分離した固体を300gの脱塩水にけん濁させて30分攪拌後、再度濾過して白色固体を得た。この固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成したものを、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、Al−P複合酸化物触媒を得た。
<Al−P複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したAl−P複合酸化物触媒 5.0gを内径19mmのガラス反応管に仕込み、窒素20Nml/min流通下に電気炉中にて270℃に昇温した。触媒層の温度が270℃で安定したところで気化器を通して気化した水を100mmol/hの流速でフィードし、次いで気化器を通して気化したフランを10.0mmol/hの流速でフィードさせて反応を行い、反応管出口からの流出物は氷冷トラップで回収した。フランのフィード開始から5時間後に水およびフランのフィードを停止し、そのまま窒素のみを流しつつ270℃にて1時間保持した後、加熱を停止して放冷した。反応管が室温まで冷却されたところで氷冷トラップをはずしてエタノールを用いてトラップ内の液を回収した。
回収液に内部標準物質を添加しガスクロマトグラフィーによりγ−ブチロラクトンを定量したところ、2.5mmol(5時間でフィードしたフランの総モル数に対して5.0%)のγ―ブチロラクトンが含まれていた(表1)。
実施例3
<アルミナ触媒を用いたフランの水和反応>
日揮化学社製アルミナ(N612N)を250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分したもの 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例4
<Al−Nb複合酸化物触媒の調製>
22.9gの蓚酸ニオブアンモニウム(H.C.スタルク社製 酸化ニオブとして29.6重量%含有)を106gの脱塩水に溶解した液に、20.9gのアルミニウムi−プロポキシドを室温にて添加して1時間攪拌した後、蒸発皿上にて蒸発乾固させた。この乾燥物を5%の酸素を含有した窒素気流下に550℃まで昇温し、550℃に達したら空気気流下に切り替えて4時間焼成した。この焼成物を、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、Al−Nb複合酸化物触媒を得た。
<Al−Nb複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したAl−Nb複合酸化物触媒 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例5
<Al−Si複合酸化物触媒の調製>
18.9gの炭酸水素アンモニウム(アンモニアとして20重量%含有)を脱塩水300gに溶解し、この液に、36.5gのアルミニウムsec−ブトキシドと15.4gのテトラエトキシシランの混合物を、攪拌しつつ室温にて約30分かけて添加し、更にそのまま4時間攪拌を続けた後、約12時間静置して沈殿を熟成させた。こうして得られた沈殿を濾過して分離し、分離した固体を300gの脱塩水にけん濁させて30分攪拌後、濾過して白色固体を得た。この300gの脱塩水を用いたけん濁洗浄操作を2回繰り返し、得られた固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成したものを、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、Ai−Si複合酸化物触媒を得た。
<Al−Si複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したAl−Si複合酸化物触媒 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例6
<Al−Ti複合酸化物触媒の調製>
16.9gの炭酸水素アンモニウム(アンモニアとして20重量%含有)を脱塩水300gに溶解し、この液に、32.5gのアルミニウムsec−ブトキシドと18.8gのチタニウムi−プロポキシドの混合物を、攪拌しつつ室温にて約30分かけて添加し、更にそのまま4時間攪拌を続けた後、約12時間静置して沈殿を熟成させた。こうして得られた沈殿を濾過して分離し、分離した固体を300gの脱塩水にけん濁させて30分攪拌後、濾過して白色固体を得た。この300gの脱塩水を用いたけん濁洗浄操作を2回繰り返し、得られた固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成したものを、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、Al−Ti複合酸化物触媒を得た。
<Al−Ti複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したAl−Ti複合酸化物触媒 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例7
<H−USYゼオライト触媒の調製>
9.0gのH−USYゼオライト(ゼオリスト社製 CBV760、シリカ/アルミナ比 55)に、バインダー成分として1.0gのアエロジルシリカ(日本アエロジル AEROSIL−200)を加え、脱塩水18g中にて混合し、この混合スラリーを80℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成し、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、H−USYゼオライト触媒を得た。
<H−USYゼオライト触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したH−USYゼオライト触媒 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例8
<カオリン触媒の調製>
20.0gのカオリン(キシダ化学 化学用試薬)、40.0gの尿素および40gの脱塩水を混合して攪拌しつつ110℃のオイルバス中にて6時間処理した。室温まで冷却した後、濾過・水洗し、得られた固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて6時間焼成し、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、カオリン触媒を得た。 <カオリン触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したカオリン触媒 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例9
<活性白土触媒の調製>
15.0gの活性白土(水澤化学 ガレオンアースNS)および15gの脱塩水を混合し、この混合スラリーを80℃にて乾燥後、空気流通下に160℃にて12時間焼成し、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、活性白土触媒を得た。
<活性白土触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製した活性白土触媒 5.0gを用いた以外は、実施例2と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表1に示す。
実施例10
<Zr−P複合酸化物触媒の調製>
20.2gのオキシ硝酸ジルコニウム二水和物および13.6gの尿素を300gの脱塩水に溶解し、これに4.4gの85%リン酸を攪拌しながら添加した。こうして得られた混合液を110℃のオイルバス中にて7時間加熱攪拌して沈殿を生じさせた後、室温にて約12時間静置して沈殿を熟成させた。この沈殿を濾過して分離し、分離した固体を300gの脱塩水にけん濁させて30分攪拌後、再度濾過して白色固体を得た。この固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成したものを、250〜1000μmの粒子径に破砕・篩分し、Zr−P複合酸化物触媒を得た。
<Zr−P複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したZr−P複合酸化物触媒 5.0gを内径19mmのガラス反応管に仕込み、窒素20Nml/min流通下に電気炉中にて300℃に昇温した。触媒層の温度が300℃で安定したところで気化器を通して気化した水を161mmol/hの流速でフィードし、次いで気化器を通して気化したフランを6.9mmol/hの流速でフィードさせて反応を行い、反応管出口からの流出物は氷冷トラップで回収した。フランのフィード開始から5時間後に水およびフランのフィードを停止し、そのまま窒素のみを流しつつ300℃にて1時間保持した後、加熱を停止して放冷した。反応管が室温まで冷却されたところで氷冷トラップをはずしてエタノールを用いてトラップ内の液を回収した。
回収液に内部標準物質を添加しガスクロマトグラフィーによりγ−ブチロラクトンを定量したところ、0.13mmol(5時間でフィードしたフランの総モル数に対して0.4%)のγ―ブチロラクトンが含まれていた(表2)。
実施例11
<Zr−Si複合酸化物触媒の調製>
2.97gのオキシ硝酸ジルコニウム二水和物を脱塩水に溶解して7.26mlの溶液とした。この液を6.0gのシリカ担体(富士シリシア キャリアクトQ30 細孔容積1.21ml/g 粒子径75〜500μm)に混合・攪拌して含浸させた。この含浸担体を乾燥窒素流通下に室温にて乾燥させた後、7.5gの炭酸水素アンモニウム炭酸水素アンモニウム(アンモニアとして20重量%含有)を75gの脱塩水に溶解した液に攪拌しながら投入して室温にて2時間攪拌した。こうして得られたジルコニウムが担持された固体を濾別し、分離した固体を75gの脱塩水にけん濁させて30分攪拌後、濾過して固体を得た。得られた固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成し、Zr−Si複合酸化物触媒を得た。
<Zr−Si複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したZr−Si複合酸化物触媒 5.0gを用いた以外は、実施例10と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表2に示す。
実施例12
<Ti−Si複合酸化物触媒の調製>
2.53gのチタニウムエトキシドを、エタノールを用いて7.26mlとなるよう希釈した。この液を6.0gのシリカ担体(富士シリシア キャリアクトQ30 細孔容積1.21ml/g 粒子径75〜500μm)に混合・攪拌して含浸させた。この含浸担体を室温飽和蒸気圧下にある容器中に約18時間放置した後、3.5gの炭酸水素アンモニウム(アンモニアとして20重量%含有)を35gの脱塩水に溶解した液に攪拌しながら投入して室温にて2時間攪拌した。こうして得られたチタンが担持された固体を濾別し、分離した固体を35gの脱塩水にけん濁させて30分攪拌後、濾過して固体を得た。得られた固体を120℃にて乾燥後、空気流通下に550℃にて12時間焼成し、Ti−Si複合酸化物触媒を得た。
<Ti−Si複合酸化物触媒を用いたフランの水和反応>
上記の方法により調製したTi−Si複合酸化物触媒 5.0gを用いた以外は、実施例10と同様にフランの水和反応を実施した。結果を表2に示す。
Figure 2008222647
Figure 2008222647

Claims (2)

  1. フランおよび水を、金属酸化物、複合金属酸化物、粘土化合物、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種である化合物の存在下に反応させることを特徴とするγ−ブチロラクトンの製造方法。
  2. 請求項2に記載の化合物が、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種で以上含まれることを特徴とする、請求項1に記載のγ−ブチロラクトンの製造方法。
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