JP2008221990A - 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法および製造装置 - Google Patents

空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法および製造装置 Download PDF

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聡 神澤
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Abstract

【課題】接合部を有するインナライナにより空気室が形成される空気入りタイヤの耐久性の向上を図る。
【解決手段】空気入りタイヤ1は、空気室9を形成するエラストマー製インナライナ10と、インナライナ10の外側に設けられるゴム層としてのカーカス5、ベルト6などを備える。インナライナ10は、周方向での1対の端部11,12を有する1つのシート20から構成されて、両端部11,12同士が互いに接合された接合部Sを有する。接合部Sは、接合部S以外のインナライナ10の部分である非接合部Nの外周面Noよりも外側に突出していない。接合部Sは、インナライナ10の内側に折り曲げられた各端部11,12により構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気室を形成するエラストマー製のインナライナを備える空気入りタイヤ、および該空気入りタイヤの製造方法および製造装置に関し、特に、接合部を有するインナライナに関する。
空気入りタイヤでは、空気室に充填された空気が透過して漏れるのを防止するために、空気室がエラストマー製のインナライナで形成される。特に、インナライナが、空気透過性が小さい樹脂エラストマーから形成されることにより、ゴム製のインナライナに比べてその厚みを大幅に薄くすることができるので、タイヤを軽量化しながら空気保持率を向上させることができる。そして、インナライナが周方向での1対の端部を有するシートにより構成される場合、該シートの端部同士が互いに接合された接合部が形成される。(例えば特許文献1参照)
特開2006−198848号公報
ところで、図11に示されるように、インナライナaの接合部a1が、該接合部a1以外のインナライナaの部分である非接合部a2の外周面bよりも外側に突出して、インナライナaの外周面に段差が形成されると、インナライナaの外側に形成されるゴム層cにおける接合部a1との接触部や該接合部a1に応力集中が生じて、ゴム層cに前記接触部を起点とするクラックが発生したり、接合部a1が剥離したりすることがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、接合部を有するインナライナにより空気室が形成される空気入りタイヤの耐久性の向上を図ることを目的とし、さらにそのような空気入りタイヤの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、空気室を形成するエラストマー製のインナライナと、前記インナライナの外側に設けられるゴム層とを備える空気入りタイヤにおいて、前記インナライナは、前記インナライナの周方向での1対の端部を有する1つのシートである単独シートまたは前記周方向に配列された複数の前記シートから構成され、前記インナライナは、前記単独シートの前記端部同士が互いに接合された接合部または前記周方向で隣接する前記シートの隣接する前記端部同士が互いに接合された接合部を有し、前記接合部は、前記接合部以外の前記インナライナの部分である非接合部の外周面よりも外側に突出していない空気入りタイヤである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の空気入りタイヤにおいて、前記接合部は、前記インナライナの内側に折り曲げられた前記各端部により構成されるものである。
請求項3記載の発明は、空気室を形成するエラストマー製のインナライナと、前記インナライナの外側に設けられるゴム層とを備える空気入りタイヤの製造方法において、前記インナライナは、前記インナライナの周方向での1対の端部を有する1つのシートである単独シートまたは前記周方向に配列された複数の前記シートから構成され、前記シートが、前記1対の端部の一方の端部である始端部から前記1対の端部の他方の端部である終端部に向けて成形ドラムに巻き付けられる巻付工程と、前記始端部および前記終端部が前記成形ドラムの内側に折り曲げられる折曲工程と、前記折曲工程で折り曲げられた前記始端部および前記終端部が互いに接合される接合工程とを含む製造方法である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の製造方法において、前記折曲工程は、前記巻付工程の開始前に前記始端部が折り曲げられる第1折曲工程と、前記巻付工程の終了時に前記終端部が折り曲げられる第2折曲工程とから構成され、前記巻付工程の開始前に前記第1折曲工程で折り曲げられた前記始端部が前記成形ドラムに保持される保持工程を含むものである。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の製造方法において、前記始端部および前記終端部は、前記成形ドラムに設けられた収容空間内に折り曲げられるものである。
請求項6記載の発明は、空気室を形成するエラストマー製のインナライナと、インナライナの外側に設けられるゴム層とを備える空気入りタイヤの製造装置において、前記インナライナは、前記インナライナの周方向での1対の端部を有する1つのシートである単独シートまたは前記周方向に配列された複数の前記シートから構成され、前記シートが前記1対の端部の一方の端部である始端部から前記1対の端部の他方の端部である終端部に向けて巻き付けられる成形ドラムと、前記始端部および前記終端部を互いに接合する接合装置とを備え、前記成形ドラムには、前記成形ドラムの内側に折り曲げられた前記始端部および前記終端部が収容される収容空間が設けられ、前記接合装置は前記収容空間内に収容された前記始端部および前記終端部を接合する製造装置である。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の製造装置において、前記成形ドラムは前記収容空間内の前記始端部および前記終端部を互いに接触させた状態で挟持する挟持機構を備えるものである。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の製造装置において、前記接合装置は前記挟持機構を兼ねるものである。
請求項1記載の発明によれば、インナライナの接合部はインナライナの外側のゴム層に向かって突出していないことから、該ゴム層に向かって突出している接合部に起因するゴム層でのクラックの発生や接合部の剥離が防止されるので、タイヤの耐久性が向上する。そして、この効果は、インナライナが複数の接合部を有する場合に一層顕著となる。
請求項2記載の事項によれば、接合部を構成する1対の端部がいずれもインナライナの内側に折り曲げられるので、接合部の周方向での幅を大きくすることなく、所要の接合強度を確保することができる。
請求項3記載の発明によれば、成形ドラムに巻き付けられたシートの始端部と終端部とを成形ドラム上でその内側に折り曲げることができるので、互いに接合される始端部および終端部を効率よく折り曲げることができる。
請求項4記載の事項によれば、該始端部を成形ドラムに保持することにより、成形ドラムの内側に折り曲げられる始端部を利用して、巻付工程で巻き付けられるシートを成形ドラムに保持することができるので、シートを成形ドラムに対するシートの密着性を向上させることができる。
請求項5記載の事項によれば、成形ドラムに始端部および終端部が折り込まれる収容空間が設けられるので、始端部および終端部の折曲作業が容易になる。
請求項6記載の発明によれば、シートの始端部および終端部が折り込まれる収容空間が成形ドラムに設けられるので、シートが成形ドラムに巻き付けられた状態で、始端部および終端部の折曲作業が可能になり、そのうえ収容空間に配置され状態で始端部および終端部が接合されるため、折曲作業および接合作業の効率の向上に寄与する。
請求項7記載の事項によれば、シートが成形ドラムに巻き付けられた状態で始端部および終端部が挟持機構により挟持されるので、始端部および終端部の接合作業の効率が向上する。
請求項8記載の事項によれば、接合装置が挟持機構を兼ねるので、接合装置および挟持機構が成形ドラムに設けられる場合の成形ドラムの成形ドラムの構造が簡素化され、しかも始端部および終端部の接合作業の効率向上に寄与する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された空気入りタイヤ1は、ホイールのリムに嵌合する1対のビード部2と、路面に接触するトレッド部3と、各ビード部2からタイヤ1の径方向外方に延びてトレッド部3に連なる1対のサイドウォール部4と、トレッド部3およびサイドウォール部4の内側に配置されたカーカス5と、トレッド部3とカーカス5との間に配置されるベルト6と、カーカス5の内側に配置されるインナライナ10とを備える。タイヤ1の内周を形成するトロイド状のインナライナ10は、該内周の全周に渡って延びていて、タイヤ1において、高圧空気が充填される空気室9を形成する。また、各ビード部2はビードコア2aおよびスティフナ2bを有する。
カーカス5は、トレッド部3およびサイドウォール部4の内側を延びていると共に、ビード部2においてビードコア2aおよびスティフナ2bの内側から外側へと折り返されて、ビードコア2aおよびスティフナ2bを囲んでいる。また、トレッド部3、各サイドウォール部4、カーカス5、ベルト6およびビード部2は、いずれもゴムを主体に形成され、タイヤ1において、インナライナ10の外側に設けられるゴム層を構成する。そして、インナライナ10の内側には空気室9が形成される。
図2,図3を併せて参照すると、インナライナ10は、インナライナ10の周方向での1対の端部11,12を有する1つのシート20、すなわち単独シートから構成される。シート20は、エラストマーとしての樹脂エラストマー、好ましくは熱可塑性樹脂エラストマーから形成され、例えば30〜200μmの厚みtを有する。ここでは、シート20は、1層のシート層から構成されるが、複数のシート層がその厚み方向に積層された多数層のシート層から構成されてもよい。
インナライナ10は、シート20の両端部11,12が互いに接合されて一体に固着された接合部Sを有する。接合部Sは、この実施形態では接合手段としての熱溶着により形成される。
接合部Sを構成する両端部11,12は、接合部Sがインナライナ10において接合部S以外の部分である非接合部Nの外周面Noよりも外側に突出しないように、空気室9に向かって、インナライナ10の内側に折り曲げられている。そして、両端部11,12は、その外周面11o,12o同士が周方向で対向して接触した状態で接合されている。このため、空気室9内に突出している接合部Sの周方向での幅wはシート20の厚みtのほぼ2倍であり、接合部Sの全体が各端部11,12付近の非接合部Nの外周面Noよりも外側に突出することがなく、したがって外周面Noの外側に設けられるゴム層としてのカーカス5に向かって突出していない。
図4〜図8を参照して、空気入りタイヤ1を製造する製造装置について説明する。
図4,図5,図7を参照すると、該製造装置に備えられるインナライナ成形装置30は、シート20を後述する成形ドラム40に供給する供給装置としてのコンベア31と、コンベア31から供給されたシート20が巻き付けられる成形ドラム40と、成形ドラム40上でシート20の両端部11,12(図3も参照)を接合する接合装置60と、シート20の連続体である帯状シートAを裁断して所定長さのシート20を形成するカッター70とを備える。
コンベア31は、帯状シートAが巻き取られている供給ローラ32から繰り出された帯状シートAをベルト31a上に載せて搬送する。
成形ドラム40は、成形ドラム40を回転駆動するための駆動機構41と、シート20が巻き付けられる円筒状のドラム周壁42と、ドラム周壁42を成形ドラム40の径方向に移動させてその径を変更するためのドラム径変更機構44と、シート20をドラム周壁42上に固定して保持するための保持機構45とを備える。
巻付工程時、帯状シートAの形態でコンベア31から供給されているシート20が巻き付けられているとき、成形ドラム40は、駆動機構41により駆動されてコンベア31の搬送速度と等しい周速で回転する。ドラム周壁42は周方向に分割された複数の、ここでは8つの周壁片43から構成される。ドラム径変更機構44は、油圧シリンダやリンク機構などから構成されて各周壁片43に連結される周知の伸縮機構44aを備える。各周壁片43は、伸縮機構44aの径方向での伸縮動作に応じて径方向に移動可能であり、各周壁片43のこの径方向移動によりドラム径が変更される。
図6,図8を併せて参照すると、保持機構45は、シート20における1対の端部11,12の一方の端部である始端部21(帯状シートAの先端部でもある。)および該1対の端部11,12の他方の端部である終端部22をドラム周壁42に固定することにより、両端部21,22を成形ドラム40の内側に折り曲げられた状態で保持する端部保持機構としての挟持機構50と、シート20における両端部21,22以外の部分である中間部23をドラム周壁42に固定することにより、シート20をドラム周壁42の外周面に沿って巻き付けられた状態に維持する中間部保持機構(図示されず)とから構成される。なお、この実施形態では、便宜上、始端部21を端部11とし、終端部22を端部12とした。
前記中間部保持機構は、真空圧を利用した吸着機構や、クランプ機構などの周知の保持機構により構成される。
挟持機構50は、この実施形態では、ドラム周壁42を構成するすべての周壁片43のうちで、インナライナ10が有する接合部S(図3参照)の数である所定数(この実施形態では1である。)に等しい数の周壁片43である特定周壁片43aに設けられる。挟持機構50は、周方向に相対的に接近および離隔可能に設けられる1対の保持部51,52と、特定周壁片43aに取り付けられて両保持部51,52を相対的に接近および離隔させるアクチュエータ53とを備える。1対の保持部51,52は、ドラム周壁42の外周面よりも成形ドラム40の径方向内方に形成されて始端部21および終端部22を収容する収容空間としてのスリット54を形成する。このように、成形ドラム40の周壁片43に設けられたスリット54は、成形ドラム40の回転軸線方向(図5参照)に平行に延びている。
この実施形態では、1対の保持部51,52のうち、一方の保持部51は、特定周壁片43aに対して不動に設けられる固定保持部であり、他方の保持部52は、特定周壁片43aに対して周方向に移動可能に設けられる可動保持部である。保持部52は、例えばソレノイドから構成されるアクチュエータ53により駆動されて周方向でのスリット54の間隔dを変更することにより、各端部21,22の挟持および解放を可能とする。なお、両保持部51,52が可動保持部であってもよい。
図6を参照すると、保持部52は、巻付工程の開始前に、ドラム周壁42の内側(成形ドラム40の径方向内方)に折り曲げられた始端部21がスリット54に挿入可能となる位置まで後退する後退位置を占めて、1対の保持部51,52が解放位置を占め(図6(a)参照)、最大の間隔dを有するスリット54に始端端部21が挿入される(図6(b)参照)。始端部21がスリット54内に配置された状態で、アクチュエータ53により駆動された保持部52は、前記後退位置から保持部51に向かって進出した進出位置を占めて、間隔dが狭くなり、一対の保持部51,52が始端部21を保持する保持位置を占める(図6(c)参照)。
図8を参照すると、巻付工程の終了時に、保持部52は前記進出位置から前記後退位置に向かって移動して、1対の保持部51,52は、ドラム周壁42の内側に折り曲げられた終端部22が最大の間隔dを有するスリット54に挿入可能となる前記解放位置を占める(図8(a)参照)。そして、終端部22がスリット54内に配置された状態で(図8(b)参照)、保持部52は終端部22が始端部21と共にスリット54に収容された状態で保持部51に向かって進出して、間隔dが狭くなり、一対の保持部51,52が両端部21,22を互いに接触させた状態で挟持して保持する保持位置を占める(図8(c)参照)。
接合装置60は、この実施形態では挟持機構50により構成されて、該挟持機構50を兼ねており、ヒータなどの発熱部材61を内蔵した押圧部材としての1対の保持部51,52と、両端部21,22を押圧する押圧力を発生するアクチュエータとしてのアクチュエータ53とにより構成される。接合装置60は、1対の保持部51,52により始端部21および終端部22が挟持された状態で両端部21,22を加熱すると同時に押圧して、両端部21,22を溶着する。
カッター70(図7参照)は、インナライナ10の所要の周長である設定長さよりも接合部Sが形成される分だけ長い前記所定長さのシート20が得られる位置で帯状シートAを切断する。
図4,図6〜図8を参照して、前記成形装置30を使用した空気タイヤ1の製造方法について説明する。
該製造方法には、以下の前工程、第1折曲工程、第1保持工程、巻付工程、第2折曲工程、第2保持工程、接合工程および後工程が含まれ、各工程はこの順で行われる。なお、この製造方法において、第1折曲工程および第2折曲工程は折曲工程を構成し、第1保持工程および第2保持工程は保持工程を構成する。
前工程
図4,図6(a)を参照すると、コンベア31は、巻付開始位置に位置決めされて停止している成形ドラム40に対して供給ローラ32から繰り出された帯状シートAを供給し、図示されているように、帯状シートAが初期位置を占めた状態で停止する。帯状シートAの前記初期位置で、始端部21は、前記解放位置にある1対の保持部51,52より形成される最大の間隔dを有するスリット54に臨む位置にある。
第1折曲工程
図6(b)を参照すると、帯状シートAの形態でシート20が前記初期位置にあるとき、その始端部21は、成形ドラム40の内側に、すなわちスリット54内に、作業員により折り曲げられて、スリット54に挿入される。なお、スリット54への始端部21の折曲・挿入作業および終端部22の折曲・挿入作業(後述する。)は、作業員により行われる以外に、ロボットまたは成形ドラム40に備えられる折曲機構により自動的に行われてもよい。
第1保持工程
図6(c)を参照すると、始端部21がスリット54内に折り込まれた後に、保持部52がアクチュエータ53により駆動されることにより、始端部21が保持位置を占める1対の保持部51,52により挟持されて保持される。
巻付工程
始端部21が1対の保持部51,52により保持された状態で、駆動機構41により駆動される成形ドラム40が、運転を再開したコンベア31の搬送速度と等しい周速で、図4に示される回転方向に回転を開始して、帯状シートAがドラム周壁42に巻き付けられる。このとき、前記中間部保持機構が作動して、中間部23がドラム周壁42に固定されることで、帯状シートAが成形ドラム40に一層確実に保持される。
図7を参照すると、成形ドラム40がほぼ1回転した巻付終了位置において、コンベア31および成形ドラム40が停止し、カッター70により帯状シートAが切断される。これにより、前記所定長さを有する1つのシート20が、成形ドラム40に巻き付けられた状態で形成される。シート20の終端部22は、前記巻付終了位置にある成形ドラム40上でスリット54に臨む位置にある(図8(a)参照)。
それゆえ、巻付工程においては、シート20が、端部21,22(図3参照)の一方の端部である始端部21から端部21,22の他方の端部である終端部22に向けて成形ドラム40に巻き付けられる。
第2折曲工程
図8(a)に示されるように、巻付工程が終了すると、アクチュエータ53により駆動された保持部52が前記進出位置から前記後退位置に移動することにより、スリット54の間隔dが、前記保持位置にある間隔dから解放位置にある1対の保持部51,52より形成される最大の間隔dまで拡大される。そして、シート20が前記巻付終了位置にある成形ドラム40に対して終了位置にあるとき、シート20の終端部22はスリット54に臨む位置にある。
次いで、図8(b)に示されるように、終端部22は、成形ドラム40の内側に、すなわち最大の間隔dを有するスリット54内に折り曲げられて、スリット54に挿入される。
第2保持工程
図8(c)を参照すると、終端部22がスリット54内に折り込まれた後に、保持部52がアクチュエータ53により駆動されることにより、両端部21,22が、保持位置を占める1対の保持部51,52により挟持されて保持される。
接合工程
図8(c)に示されるように、1対の保持部51,52により押圧された状態でスリット54内に位置する両端部21,22が、互いに各保持部51,52の発熱部材61により加熱されて熱溶着されて、接合される。これにより、1つの接合部S(図3参照)を有する円筒状のインナライナ10が製造される。
後工程
図9に示されるように、ドラム径変更機構44により成形ドラム40が拡径されることにより、シート20のたるみが除去される。次いで、拡径状態の成形ドラム40上で、未加硫のカーカスが貼り付けられ、該カーカスが、その外周面に配置された1対のビードコアおよびスティフナを囲むようにして折り返され、未加硫のサイドウォール部が貼り付けられてグリーンケースが形成される。次いで、成形ドラム40が縮径されて成形ドラム40から該グリーンケースが外される。
その後、高圧空気により円筒状からトロイド状に膨張させた前記グリーンケースに、未加硫のベルトおよびトレッド部が貼り付けられて、これらが一体化されてグリーンタイヤが成形される。次いで、該グリーンタイヤが加硫される工程を経てタイヤ1が製造される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
空気入りタイヤ1において、周方向での1対の端部11,12を有する1つのシート20から構成されるインナライナ10は、両端部11,12が互いに接合された接合部Sを有し、接合部Sは、接合部S以外のインナライナ10の部分である非接合部Nの外周面Noよりも外側に突出していないことにより、接合部Sはインナライナ10の外側のゴム層であるカーカス5などに向かって突出していないことから、該ゴム層に向かって突出している接合部Sに起因するゴム層でのクラックの発生や接合部Sの剥離が防止されるので、タイヤ1の耐久性が向上する。
接合部Sはインナライナ10の内側に折り曲げられた各端部11,12により構成されることにより、接合部Sを構成する1対の端部11,12がいずれもインナライナ10の内側に折り曲げられるので、接合部Sの周方向での幅wを大きくすることなく、所要の接合強度を確保することができる。
インナライナ10と該インナライナ10の外側に設けられるカーカス5などのゴム層とを備える空気入りタイヤ1の製造方法において、シート20が始端部21から終端部22に向けて成形ドラム40に巻き付けられる巻付工程と、始端部21および終端部22が成形ドラム40の内側に折り曲げられる折曲工程と、折曲工程で折り曲げられた始端部21および終端部22が互いに接合される接合工程とを含むことにより、成形ドラム40に巻き付けられたシート20の始端部21と終端部22とを成形ドラム40上でその内側に折り曲げることができるので、互いに接合される始端部21および終端部22を効率よく折り曲げることができる。
折曲工程は、巻付工程の開始前に始端部21が折り曲げられる第1折曲工程と、巻付工程の終了時に終端部22が折り曲げられる第2折曲工程とから構成され、巻付工程の開始前に第1折曲工程で折り曲げられた始端部21が成形ドラム40に保持される第1保持工程を含むことにより、始端部21を成形ドラム40に保持することで、成形ドラム40の内側に折り曲げられる始端部21を利用して、巻付工程で巻き付けられるシート20を成形ドラム40に保持することができるので、シート20を成形ドラム40に対するシート20の密着性を向上させることができる。
始端部21および終端部22は、成形ドラム40に設けられたスリット54内に折り曲げられることにより、成形ドラム40に始端部21および終端部22が折り込まれるスリット54が設けられるので、始端部21および終端部22の折曲作業が容易になる。
タイヤ1の前記製造装置を構成するインナライナ成形装置30が、シート20が始端部21から終端部22に向けて巻き付けられる成形ドラム40と、始端部21および終端部22を互いに接合する接合装置60とを備え、成形ドラム40には、成形ドラム40の内側に折り曲げられた始端部21および終端部22が収容されるスリット54が設けられ、接合装置60はスリット54内に収容された始端部21および終端部22を接合することにより、始端部21および終端部22が折り込まれるスリット54が成形ドラム40に設けられるので、シート20が成形ドラム40に巻き付けられた状態で、始端部21および終端部22の折曲作業が可能になり、そのうえスリット54に配置され状態で始端部21および終端部21が接合されるため、折曲作業および接合作業の効率の向上に寄与する。
成形ドラム40はスリット54内の始端部21および終端部22を互いに接触させた状態で挟持する挟持機構50を備えることにより、シート20が成形ドラム40に巻き付けられた状態で始端部21および終端部22が挟持機構50により挟持されるので、両端部21,22の接合作業の効率が向上する。
接合装置60は挟持機構50を兼ねることにより、接合装置60および挟持機構50が成形ドラム40に設けられる場合の成形ドラム40の構造が簡素化され、しかも両端部21,22の接合作業の効率向上に寄与する。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
インナライナ10は、図10に示されるように、周方向に配列された複数の、ここでは4つのシート20から構成されて、周方向で隣接するシート20の隣接する端部11,12同士が互いに接合された接合部S(図3の接合部Sと同様である。)を有するものであってもよい。その場合、接合装置60(図4参照)は、接合部Sが形成される位置に対応する特定周壁片に設けられ、インナライナ10の周方向で隣接するシート20の、該周方向で隣接する端部11,12同士を接合する。
このように、複数の接合部Sを有するインナライナ10を備えるタイヤ1において、各接合部Sが、非接合部Nの外周面Noよりも外側に突出していないことにより、各接合部Sに起因するゴム層でのクラックの発生や各接合部Sの剥離が防止されるので、タイヤ1の耐久性向上の効果が一層顕著となる。
シート20は、帯状シートAが成形ドラム40に巻き付けられた後に、カッター70により切断されて形成されたが、巻付工程の前に、所定長さに形成されていて、該シート20が成形ドラム40に巻き付けられてもよい。
シート20は、タイヤ1の回転軸線方向に配列された複数のシート片が接合されて一体化されて構成されてもよい。
前記端部保持機構は、真空圧を利用した吸着機構により構成されてもよく、またドラム周壁42に移動不能に設けられて始端部21,22が挟み込まれる間隔dのスリット54を形成する1対の保持部51,52により構成されてもよい。
シート20に凹凸が設けられたものでは、該凹凸に嵌る形状の凹凸がドラム周壁42の外周面に設けられてもよい。
成形ドラム40は、折曲工程において各端部21,22を折り曲げるための折曲機構を備えていてもよい。
前記接合手段は、接着剤など熱溶着以外の手段であってもよい。例えば、シート20の外周面には、ゴム層との接着を良くするために接着剤が塗布されている。この接着剤は、ドライタイプであり、ゴムとの接着性に比べてシート20との接着性が低いものの、該接着剤により端部11,12同士が接着されるときには、熱溶着を不要とすることが可能になる。
前記保持機構は、前記端部保持機構のみにより構成されてもよい。
シート20は、エラストマー樹脂製以外に、ゴム製であってもよい。
本発明が適用された空気入りタイヤの要部断面図である。 図1のII−II線でのタイヤ全体の断面図であり、インナライナは誇張して描かれている。 図2のIII部分の拡大図である。 図1のタイヤのインナライナを成形する成形装置がシートの巻付開始位置にあるときの要部の図であり、成形装置の成形ドラムが断面で示されている。 図4の成形ドラムの要部斜視図である。 (a)は、図5の要部拡大図であり、(b)は、インナライナを構成するシートの始端部が折り曲げられた状態を示す図であり、(c)は、始端部が挟持機構により保持された状態を示す図である。 図1のタイヤのインナライナを成形する成形装置がシートの巻付終了位置にあるときの図4と同様の図である。 (a)は、図7の要部拡大図であって、帯状シートがカッターで切断された後の状態を示し、(b)は、インナライナを構成するシートの終端部が折り曲げられた状態を示す図であり、(c)は、終端部が挟持機構により保持された状態を示す図である。 インナライナの接合部が形成された後に、成形ドラムが拡径されたときの図である。 本発明の別の実施形態を示し、インナライナが複数のシートから構成されときの、図2に対応する図である。 従来技術の空気入りタイヤの要部断面図である。
符号の説明
1…空気入りタイヤ、10…インナライナ、11,12…端部、20…シート、30…インナライナ成形装置、40…成形ドラム、50…挟持機構、54…スリット、60…接合装置、
S…接合部。

Claims (8)

  1. 空気室を形成するエラストマー製のインナライナと、前記インナライナの外側に設けられるゴム層とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記インナライナは、前記インナライナの周方向での1対の端部を有する1つのシートである単独シートまたは前記周方向に配列された複数の前記シートから構成され、前記インナライナは、前記単独シートの前記端部同士が互いに接合された接合部または前記周方向で隣接する前記シートの隣接する前記端部同士が互いに接合された接合部を有し、前記接合部は、前記接合部以外の前記インナライナの部分である非接合部の外周面よりも外側に突出していないことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記接合部は、前記インナライナの内側に折り曲げられた前記各端部により構成されることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 空気室を形成するエラストマー製のインナライナと、前記インナライナの外側に設けられるゴム層とを備える空気入りタイヤの製造方法において、
    前記インナライナは、前記インナライナの周方向での1対の端部を有する1つのシートである単独シートまたは前記周方向に配列された複数の前記シートから構成され、
    前記シートが、前記1対の端部の一方の端部である始端部から前記1対の端部の他方の端部である終端部に向けて成形ドラムに巻き付けられる巻付工程と、
    前記始端部および前記終端部が前記成形ドラムの内側に折り曲げられる折曲工程と、
    前記折曲工程で折り曲げられた前記始端部および前記終端部が互いに接合される接合工程とを含むことを特徴とする製造方法。
  4. 前記折曲工程は、前記巻付工程の開始前に前記始端部が折り曲げられる第1折曲工程と、前記巻付工程の終了時に前記終端部が折り曲げられる第2折曲工程とから構成され、
    前記巻付工程の開始前に前記第1折曲工程で折り曲げられた前記始端部が前記成形ドラムに保持される保持工程を含むことを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 前記始端部および前記終端部は、前記成形ドラムに設けられた収容空間内に折り曲げられることを特徴とする請求項3または4記載の製造方法。
  6. 空気室を形成するエラストマー製のインナライナと、インナライナの外側に設けられるゴム層とを備える空気入りタイヤの製造装置において、
    前記インナライナは、前記インナライナの周方向での1対の端部を有する1つのシートである単独シートまたは前記周方向に配列された複数の前記シートから構成され、
    前記シートが前記1対の端部の一方の端部である始端部から前記1対の端部の他方の端部である終端部に向けて巻き付けられる成形ドラムと、
    前記始端部および前記終端部を互いに接合する接合装置と
    を備え、
    前記成形ドラムには、前記成形ドラムの内側に折り曲げられた前記始端部および前記終端部が収容される収容空間が設けられ、前記接合装置は前記収容空間内に収容された前記始端部および前記終端部を接合することを特徴とする製造装置。
  7. 前記成形ドラムは前記収容空間内の前記始端部および前記終端部を互いに接触させた状態で挟持する挟持機構を備えることを特徴とする請求項6記載の製造装置。
  8. 前記接合装置は前記挟持機構を兼ねることを特徴とする請求項7記載の製造装置。
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