JP2008221311A - 中空部材の製造方法 - Google Patents

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春喜 小玉
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【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金からなる中空部材を遠心鋳造によって設ける際、内部欠陥を内周壁側に偏在させる。
【解決手段】円筒状金型12の内部に塗布する塗型材の骨材として、熱伝導率が1.0W/mK以上、より好ましくは70W/mK以上、さらに好ましくは120W/mK以上であり、且つ水に添加して撹拌を行い、撹拌を停止した後に12時間を経過したときに沈殿が生じないもの、好適には炭素を採用する。前記塗型材には、このような骨材の他、粘結材、界面活性剤が溶媒である水に混濁されてなる。この塗型材を塗布した後、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を円筒状金型12の内部に導入する。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転する円筒状金型内でアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を冷却固化させて中空部材を形成する中空部材の製造方法に関する。
自動車を走行させる駆動源である内燃機関においては、シリンダボア内にシリンダスリーブが配設されることがある。この場合、シリンダボア内で往復動作するピストンの側周壁部は、このシリンダスリーブの内周壁に摺接する。近年、この種のシリンダスリーブの材質には、軽量でありながら耐摩耗性に優れ、高強度であるということから、アルミニウム合金、特に、Al−Si系合金が選定されつつある。
シリンダスリーブは、特許文献1に記載されているように、いわゆる遠心鋳造法によって作製される。すなわち、先ず、遠心鋳造装置を構成する円筒状金型の内周壁に塗型材が塗布される。ここで、塗型材としては、骨材としての珪藻土、粘結剤としてのベントナイトの他、離型材及び界面活性剤が混合されたものが一般的に用いられる(特許文献2参照)。
次に、回転動作する円筒状金型の内部に溶湯を導入すると、溶湯が遠心力によって円筒状金型の内周壁に偏在するようになり、円筒形状体(中空部材)が形成される。この状態で溶湯を冷却固化して得られた円筒形状の予備成形体に対して削り出し等の機械加工を行うことにより、シリンダスリーブが設けられる。なお、シリンダスリーブの外周壁には、塗型材の表面に形成された凹凸形状が転写されることによって、いわゆるスパイニーが形成される。
このシリンダスリーブを金型の所定の位置に配置した後、前記金型に溶湯を注湯して冷却固化すれば(すなわち、鋳造を行えば)、シリンダスリーブが鋳ぐるまれたシリンダブロックが設けられる。この際、前記スパイニーや、前記削り出し等の機械加工によってシリンダスリーブの外周壁に設けられた起伏(例えば、溝状の筋等)、ショットブラスト処理によってシリンダスリーブの外周壁に設けられた凹凸等がアンカーとして機能することにより、シリンダブロックとシリンダスリーブとの接合強度が確保される。
特開2002−273556号公報 特開2003−326346号公報
アルミニウム又はアルミニウム合金は放熱性が高く、このため、溶湯は、円筒状金型に接触する外周壁側と、大気に接触する内周壁側の双方から内方に向かって冷却固化する。この際、溶湯の冷却速度が過度に大きいと、図6に示すように、円筒形状体1に引け巣による内部欠陥2が生じることがある。
上記したように、シリンダスリーブを作製する際には、円筒形状体1の内周壁側から加工ラインSに到達するまで削り出しが行われる。内部欠陥2がこの加工ラインSよりも外周壁側に残留している場合、削り出しを行っても内部欠陥2を除去することができなくなる。一方、内部欠陥2が生じることを回避するべく溶湯の冷却速度を小さくしすぎると、初晶Siが大きく成長し、このためにシリンダスリーブの機械的特性が低下することがある。
以上の不具合を回避するには、溶湯の冷却速度が適切な範囲内となるように鋳造条件を設定すればよい。しかしながら、そのためには、鋳造条件を最適化するための実験を繰り返すという煩雑な作業が必要となる。その上、鋳造作業時にも鋳造条件を厳密に管理する必要がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、内部欠陥を内周壁側に偏在させることが可能であり、しかも、過共晶Al−Si系合金の溶湯を用いた場合には微細な初晶Siを晶出させることが可能な中空部材の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる溶湯を用い、遠心鋳造によって中空部材を設ける中空部材の製造方法であって、
遠心鋳造装置を構成する円筒状金型の内周壁に塗型材を塗布する工程と、
前記塗型材が塗布された前記円筒状金型の内部に前記溶湯を導入し、遠心鋳造によって中空部材を設ける工程と、
を有し、
前記塗型材として、水に添加して撹拌を行い、撹拌停止後に12時間を経過したときに沈殿が生じず、且つ熱伝導率が1.0W/mK以上である物質を骨材とするものを塗布することを特徴とする。
すなわち、本発明においては、溶媒である水に良好に分散するために円筒状金型の内周壁に塗布することが容易であり、且つ熱伝導率が比較的高い物質を骨材とする塗型材が用いられる。このような塗型材を塗布して遠心鋳造を行うと、中空部材を形成した溶湯が冷却固化する際、外周壁側から円筒状金型への熱伝達が著しく促進される。従って、内周壁側の大気への放熱速度、換言すれば、内周壁側の冷却速度を比較的小さくすることができ、これにより、内周壁側に欠陥を集中させることが可能となる。内周壁側では固加速度が遅く、このために溶湯に大気の噛み込みに起因して気泡が生じた場合、気泡が内周壁側に容易に移動するからである。また、このように熱勾配を生じさせると、引け巣も発生し難い。
最終的に、この内壁側から削り出しを行えば、欠陥が発生した部位を除去することもできる。すなわち、この場合、欠陥が極めて少ない中空部材を作製することができる。
以上から諒解されるように、本発明においては、鋳造条件を最適化するために実験を繰り返したり、鋳造条件を厳密に管理したりすることなく、欠陥の発生が抑制された中空部材を得ることができる。
しかも、過共晶Al−Si系合金の溶湯を用いて遠心鋳造を行う場合、外壁側では初晶Siが大きく成長する前に溶湯の冷却固化が進行する。従って、初晶Siが粗大化することを抑制することもできる。
なお、上記した条件を満足する骨材の好適な例としては、ジルコン又は炭素を挙げることができる。
本発明においては、熱伝導率が比較的大きな骨材を含む塗型材を塗布してアルミニウム又はアルミニウム合金の遠心鋳造を行うようにしているので、中空部材の外周壁側から円筒状金型への熱伝達が促進される。このため、内周壁側の冷却速度を比較的小さくすることが可能であり、これにより欠陥が発生し難く、たとえ発生したとしても該欠陥を内周壁側に集中させることができる。換言すれば、欠陥の発生部位を容易に制御することができ、例えば、後工程で除去される加工代に欠陥を発生させることも可能である。
すなわち、本発明によれば、内部欠陥が極めて少なく、このために高強度である中空部材を容易に得ることができる。
以下、本発明に係る中空部材の製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、シリンダブロックとともに内燃機関を構成するシリンダスリーブの予備成形体(円筒形状体)を中空部材として作製する場合を例示して説明する。
図1は、本実施の形態に係る製造方法を実施するための遠心鋳造装置10の要部概略構成図である。この遠心鋳造装置10は、略水平方向に沿って横臥した円筒状金型12を有し、該円筒状金型12の外周壁には、その周回方向に沿って切り欠くようにして2本の環状溝14、14が設けられている。
環状溝14、14の各々の底部には、ローラ対をなすローラ16、16の外周壁がそれぞれ摺接する。すなわち、円筒状金型12は2組のローラ対によって支持されている。
4個のローラ16は図示しない回転駆動源に連結されており、このため、円筒状金型12は、前記回転駆動源の作用下にローラ16の各々が回転動作することに伴って回転する。
円筒状金型12の一端部には円盤状閉塞部材18が嵌着されており、一方、他端部には円環状枠体20が取着されている。円環状枠体20は貫通孔22が設けられることで開口しており、この貫通孔22を介して注湯管24が円筒状金型12の内部に挿入される。
ここで、注湯管24は、4本の棒状ヒータ26で囲繞されている。すなわち、各々の中央貫通孔に注湯管24が通された第1挟持板28、第1貫挿支持板30、第2貫挿支持板32、第2挟持板34の各々は、該注湯管24の先端側からこの順序で位置決め固定されており、各棒状ヒータ26の両端部は、この中の第1挟持板28及び第2挟持板34で挟持されている。また、第1貫挿支持板30及び第2貫挿支持板32は、前記中央貫通孔の周囲に形成された小貫通孔に各棒状ヒータ26を通すことで、その中腹部を支持している。
図2に示すように、注湯管24は、供給管36を介して溶湯保持炉38に連結されている。すなわち、供給管36は、注湯管24に連結されたフレキシブルチューブ40と、溶湯保持炉38から延在して略逆L字型をなす逆L字管42とが互いに連結されることで、注湯管24から溶湯保持炉38にわたって橋架されている。
一方、溶湯保持炉38の底面には車輪44が設けられており、各車輪44は、作業ステーションの床に敷設された案内レール46に摺動自在に係合している。すなわち、溶湯保持炉38は、車輪44が回転した際に案内レール46に沿って変位する。
溶湯保持炉38の内部には断熱材48が収容されており、この断熱材48に囲繞されるようにして溶湯収容容器50が挿入されている。この溶湯収容容器50の内部には図示しない浸漬ヒータが挿入されており、該溶湯収容容器50に貯留されたAl−23%Si系合金の溶湯Lは、前記浸漬ヒータによって加温されるとともに前記断熱材48によって保温される。
また、溶湯収容容器50の上端部の一部には溶湯を導入するための開口が設けられ、該開口は、蓋部材52で封止されている。
蓋部材52には2本の貫通孔が設けられており、この中の1本には、上記したように、前記供給管36を構成する逆L字管42が通されている。逆L字管42の先端部は、溶湯Lに浸漬されている。また、残余の1本には、図示しないアルゴンガス供給源に連結されたガス導入管54が通されており、該ガス導入管54は、溶湯Lの液面から若干離間している。
本実施の形態に係る製造方法は、上記した構成の遠心鋳造装置10を用い、以下のようにして実施される。
先ず、円筒状金型12の内周壁に塗型材が塗布される。ここで、本実施の形態においては、塗型材として、骨材、粘結材、界面活性剤が溶媒である水に混濁されたものを使用する。
鋳鉄溶湯を用いる一般的な鋳造では、鋳造品と金型との断熱を図るべく骨材として珪藻土等の熱伝導率が小さい物質を選定するのが通例であるが、本実施の形態においては、熱伝導率が1.0W/mK以上、より好ましくは70W/mK以上、さらに好ましくは120W/mK以上であるものを採用する。このように熱伝導率が高い物質を骨材とすることにより、鋳造品(中空部材)の外周壁側から円筒状金型12への熱伝達が促進される。
また、骨材は、水に添加して撹拌を行い、撹拌を停止した後に12時間を経過したときに沈殿が生じないものである必要がある。沈殿を生じるものであると、塗型材としたときに溶媒である水と分離し、円筒状金型12の内周壁に塗布することが困難となるからである。
以上の要件を満たす物質の好適な例としては、熱伝導率が74W/mであるジルコンや、129W/mKである炭素を挙げることができる。いずれの場合においても、骨材は、塗型材中の20質量%〜35質量%であることが好ましい。20質量%未満では断熱材としての効果が乏しく、一方、35質量%を超えると塗型材の粘度が上昇して流動性が低下するからである。
粘結剤としては、一般的に採用されているベントナイト等を用いればよい。塗型材中の粘結材の割合は、1質量%〜7質量%であることが好ましい。1質量%未満では十分な粘結性が得られずに他の物質が分離する傾向があり、一方、7質量%を超えると、塗型材の粘度が高くなって崩壊性が低下する。
界面活性剤も塗型材に通常含まれる成分であり、その割合は、5ppm〜50ppmであることが好ましい。5ppm未満では形状維持効果を得ることが容易ではなく、50ppm超では発泡が生じる。
塗型材には、さらに、タルク等の離型材を5質量%程度含めるようにしてもよい。
このような成分を含む塗型材を塗布した後、ローラ16の回転を開始することで円筒状金型12を回転動作させる。その一方で、前記アルゴンガス供給源からアルゴンガスを供給する。アルゴンガスは、ガス導入管54を経由した後、溶湯保持炉38を構成する溶湯収容容器50の内部に放出される。
溶湯収容容器50内では、溶湯Lがアルゴンガスによって押圧される。アルゴンガスの圧力がさらに上昇すると、溶湯Lは、逆L字管42を上昇してフレキシブルチューブ40を経由した後、注湯管24に到達する。このように、本実施の形態においては、不活性ガスで溶湯Lを押圧することで溶湯保持炉38から円筒状金型12へ移液するようにしているので、不活性ガスを噛み込み難い。
図3に示すように、注湯管24は、その先端が円盤状閉塞部材18の近傍に位置するまで円筒状金型12の内部に挿入されている。このため、溶湯Lは円盤状閉塞部材18の近傍に導出され、その後、円環状枠体20側に向かって流動する。なお、棒状ヒータ26は予め通電し、発熱させておく。棒状ヒータ26の総発熱量は、例えば、約30kWに設定すればよい。
溶湯Lが導出される間、円筒状金型12の回転動作が続行される。このため、溶湯Lは、図4に示すように、遠心力の作用によって円筒状金型12の内周壁に偏在して円筒形状体60を形成する。ここで、本実施の形態では、溶湯Lは、円筒形状体60の厚みが5〜6mmの範囲内となる量で供給され、棒状ヒータ26と円筒形状体60の内周壁とのクリアランスは約5mmとなる。上記したように、溶湯Lがガスを噛み込んだとしてもその量は極めて僅かであるので、円筒形状体60には気泡(内部欠陥)が生じ難い。
次に、注湯管24が円筒状金型12の内部に滞在した状態で溶湯Lの冷却固化が行われる。上記したように棒状ヒータ26が予め発熱されているため、冷却固化の最中、円筒形状体60の内周壁は棒状ヒータ26によって加温されることになる。その一方で、円筒形状体60の外周壁は、塗型材を介して円筒状金型12に接触している。この塗型材には、上記したように炭素等の熱伝導率が極めて高い物質が骨材として含まれているので、円筒形状体60から円筒状金型12への熱伝達が著しく促進される。
以上のような理由から、円筒形状体60における冷却速度は、外周壁側で大きく且つ内周壁側で小さくなる。
円筒形状体60にこのような熱勾配が生じることにより、仮に溶湯Lにアルゴンガスが噛み込まれて気泡が生じたとしても、この気泡は、外周壁側に比して冷却速度が小さく固化に時間を要する内周壁側に移動することができる。結局、図5に示すように、欠陥62が生じたとしても、その欠陥62は、内周壁面で開口するものであることが大多数である。また、上記した熱勾配が存在する条件下では、引け巣が発生し難い。仮に発生したとしても、内周壁側に偏在する。
一方、外周壁側では冷却速度が大きいので、初晶Siが大きく成長して粗大化することが抑制される。具体的には、珪藻土を含む塗型材を使用して円筒形状体を設けた場合における初晶Siの平均粒径が約60μmであるのに対し、炭素を含む塗型材を使用して設けられた円筒形状体60においては、初晶Siの平均粒径は約30μmであり、およそ1/2に微細化する。このように、本実施の形態によれば、外周壁側に微細な初晶Siが分散し、且つ内周壁側に欠陥62が集中した円筒形状体60が得られる。
次に、溶湯保持炉38に力を付与し、これにより該溶湯保持炉38を案内レール46に沿って円筒状金型12から離間する方向に変位させる。勿論、この際には、溶湯保持炉38の底面に設けられた車輪44が回転する。
上記した溶湯保持炉38の変位に追従して、注湯管24及び棒状ヒータ26が円筒状金型12の外部に導出される。また、溶湯保持炉38は、最終的に溶湯補給ステーションまで変位され、変位停止後に溶湯収容容器50に溶湯Lが補給される。
次に、円筒状金型12の一端部から円環状枠体20を取り外した後、この端部側から円筒形状体60を引き抜いて塗型材とともに取り出す。その後、該円筒形状体60の外周壁に対してショットブラスト処理等を施して塗型材を除去し、さらに、図5に示す加工ラインSまでの削り出しを内周壁側から行えば、欠陥62が集中した内周壁側が除去され、且つ微細な初晶Siが略均等に分散した外周壁側が残留する。すなわち、内部欠陥が極めて少なく、且つ微細な初晶Siに富むために高強度で且つ耐摩耗性に優れたシリンダスリーブが得られる。このシリンダスリーブの外周壁には、塗型材の表面の凹凸が転写されることでスパイニーが形成されている。
このようにして得られたシリンダスリーブは、自動車用の内燃機関を構成するシリンダブロックを鋳造成形するための鋳造金型のキャビティに配置される。そして、このキャビティに対し、シリンダブロックとなる金属、例えば、ADC12等の溶湯が導入される。最終的に、シリンダブロックにシリンダスリーブが鋳ぐるまれ、これにより内燃機関が構成される。この鋳ぐるみの際、シリンダスリーブの外周壁のスパイニーがアンカーとして機能し、これにより、該シリンダスリーブとシリンダブロックとの接合強度が確保される。
内燃機関においては、シリンダスリーブの内周壁にピストンが摺接する。上記したように、このシリンダスリーブには内部欠陥がほとんど存在せず、しかも、その内周壁には初晶Siが多数存在する。従って、耐摩耗性が極めて大きく、耐久性に優れる。
以上のように、本実施の形態によれば、シリンダブロックとの接合強度が大きく、且つピストンが摺接する内周壁の耐摩耗性が良好なシリンダスリーブを構成することができる。
なお、上記した実施の形態では、円筒形状体60の内周壁側を棒状ヒータ26で加温するようにしているが、加温する必要は特にない。すなわち、円筒状金型12の内部にトラフを介して溶湯Lを導入するようにしてもよい。
また、この実施の形態においては、Al−23%Si系合金の溶湯Lを用いてシリンダスリーブを作製する場合を例示したが、シリンダスリーブの材質は特にこれに限定されるものではなく、ADC10やADC12等、その他のAl−Si系合金であってもよい。なお、本発明は、初晶Siを晶出させる必要のない亜共晶Al−Si系合金の溶湯を用いた場合であっても適用可能である。
さらに、円筒形状体(中空部材)としてシリンダスリーブの予備成形体を例示して説明したが、特にこれに限定されるものではなく、如何なる部材であってもよい。
本実施の形態に係る遠心鋳造装置の要部概略構成図である。 図1の遠心鋳造装置を構成する注湯管及び溶湯保持炉の概略構成を示す一部縦断面要部構成説明図である。 図1の遠心鋳造装置を構成する円筒状金型に溶湯の導入を開始した状態を示す円筒状金型の長手方向に沿う断面説明図である。 円筒形状体を内周壁側から棒状ヒータで加温している状態を説明する円筒状金型の長手方向に沿う断面説明図である。 図1の遠心鋳造装置で設けられた円筒形状体の直径方向断面を拡大して示す要部拡大断面説明図である。 従来技術に係る遠心鋳造装置で設けられた円筒形状体の直径方向断面を拡大して示す要部拡大断面説明図である。
符号の説明
10…遠心鋳造装置 12…円筒状金型
16…ローラ 24…注湯管
26…棒状ヒータ 36…供給管
38…溶湯保持炉 44…車輪
46…案内レール 48…断熱材
50…溶湯収容容器 54…ガス導入管
60…円筒形状体 L…溶湯

Claims (2)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる溶湯を用い、遠心鋳造によって中空部材を設ける中空部材の製造方法であって、
    遠心鋳造装置を構成する円筒状金型の内周壁に塗型材を塗布する工程と、
    前記塗型材が塗布された前記円筒状金型の内部に前記溶湯を導入し、遠心鋳造によって中空部材を設ける工程と、
    を有し、
    前記塗型材として、水に添加して撹拌を行い、撹拌停止後に12時間を経過したときに沈殿が生じず、且つ熱伝導率が1.0W/mK以上である物質を骨材とするものを塗布することを特徴とする中空部材の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記骨材としてジルコン又は炭素を選定することを特徴とする中空部材の製造方法。
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