JP2008220509A - X線装置用テレビカメラおよび医用x線テレビ装置に使用するテレビカメラのagc処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】X線の出力を制御してX線透視像を観察する場合にAGC機能を有効に作用させることができるとともに、X線の出力(I.I.出力面の明るさ)が連続若しくは不連続に変化する状態を画像観測上で認識することのできる、X線装置用テレビカメラおよび医用X線テレビ装置を提供する。
【解決手段】目標値可変型AGC回路10は、目標値可変回路を構成する映像入力反転回路12と信号合成回路13とにより、ゲインコントローラ11のゲイン制御信号(G−CNT)を生成するためのフィードバック信号のレベルを、入力された映像信号の明るさに応じた分だけ一定の割合で減衰する。
【選択図】図3
【解決手段】目標値可変型AGC回路10は、目標値可変回路を構成する映像入力反転回路12と信号合成回路13とにより、ゲインコントローラ11のゲイン制御信号(G−CNT)を生成するためのフィードバック信号のレベルを、入力された映像信号の明るさに応じた分だけ一定の割合で減衰する。
【選択図】図3
Description
本発明は、X線蛍光増倍管(X線用I.I.)の出力面に出力されたX線透視像を撮影し、モニタ表示する医用X線装置に適用される、X線装置用テレビカメラおよび医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC処理方法に関する。
医用X線装置に適用されるX線装置用テレビカメラにおいては、X線透視像という画像の特性上、ハイコントラスト像の中の低コントラスト部に着目するケースや、ハイコントラスト部そのものの階調の再現性を求められるケースがある。これらの各種ケースにおける多様な画像部分を単一のモニタ画面上で、より自然な画像として再現するために、X線装置用テレビカメラには、X線透視像を画像補正するための画像補正回路として、AGC回路や、過入力抑圧回路、ガンマ回路などが設けられている。
一般に、この種、テレビカメラにおいて、AGC回路は、AGCの利得可変制御範囲において、入力される画像の明るさの変化に対して出力を一定に保つように制御するもので、常時、適正なコントラストでモニタへの画像表示を可能にする制御機能として広く適用されている。
このように、AGC回路は、AGCの利得可変制御範囲において、入力の変化によらず、目標値とする出力レベルとなるように、回路利得を変化させる構成となっている。このため、AGC回路の動作特性としては、入力がゼロから出力目標値に達する期間は、そのAGC回路が持つ最大利得で出力制御し、入力が目標値以上となった以降は、出力を一定に保つように利得が減少してゆく。
このAGC回路のAGC特性を図2に示している。図2に示すグラフ(B)に示すように、傾きが1のリニア特性(入力変化=出力変化)上における[AGC出力(B)]の水平部分がAGCの利得可変範囲(ゲイン変化領域)であり、入力が[出力目標値(B)]に達したポイントから撮像素子(例えばCCD)が飽和するまで、もしくは映像処理回路に伝達可能な最大入力レベルまでの入力変化分が、AGCの制御範囲の仕様と定義される。
上記したX線装置用テレビカメラを構成要素に含む医用X線装置においては、被検査者を透視したX線の透視像をX線用I.I.(image intensifier)の受線面が受け、当該I.I.により電子増倍されたI.I.出力面の像をテレビカメラで撮影して、テレビ用モニタ画面に表示する装置構成であり、被検査者の体格、検査箇所等に応じてX線出力の強さがケースバイケースで変化する。例えばX線透視する人体に厚みがある場合、透視した画像全体が暗くなるケースがある。このような場合に、上記した一般的なAGC回路が有効な機能として作用する。
しかしながら、上記した従来の一般的なAGC回路においては、その特性上、入力の変化に対して出力を一定に保つように作用することから、例えば、X線出力の強さが変化した際の入力の変化(I.I.出力面の明るさの変動)に対しても出力を一定に保つように作用し、従って、この入力変化(X線出力の強さ)に対する出力変化をモニタ画面上の画像観察で容易に認識することができない。このため、例えばX線制御側若しくはX線発生側の何らかの故障やトラブルなどで、X線出力が想定以上に大きくなった場合、その異常を操作者が容易に認識できないことから、被検査者(人体)に対するX線量(被曝量)の影響が大きくなることが懸念されるという問題がある。さらに、入力が増減(変動)しているにも拘わらず、その出力が一定となることから、入力変動状態をモニタ画面上の画像観測で容易に認識することができず、操作上、違和感があるという問題がある。
特許第2924152号公報
上述したように、従来の医用X線装置に適用されるテレビカメラ装置のAGC機能においては、X線透視する被検査者の体格、検査箇所等に応じてX線出力の強さがケースバイケースで変化するような場合は有効に作用する。しかしながら、特定部位の連続検査中において、X線出力の強さが変化した際の入力の変動に対しても出力を一定に保つように作用することから、その入力変化(X線出力の強さ)が画像観測上では分かり難く、例えばX線制御側若しくはX線発生側の何らかの故障やトラブルなどでX線出力が想定以上に大きくなった場合に、その異常を操作者が容易に認識できないことから、被検査者(人体)に対するX線量の影響が大きくなることが懸念されるという問題があった。さらに、入力が増減(変動)しているにも拘わらず出力が一定となることから、入力変動状態を画像観測上で容易に認識することができず、操作上、違和感があるという問題があった。
また、特許文献1の「従来の技術」の欄には、AGC回路あるいはホワイトクリップ回路でビデオ信号を圧縮してA/D変換器の入力ダイナミックレンジに納める技術が開示されている。しかしながら、これに採用されるAGC回路にあっても入力の増減(変動)に対して出力が一定となるものである。また、ホワイトクリップ回路では、低出力時に暗くなるという問題がある。
本発明は上記問題点を解決したもので、X線の出力を制御してX線透視像を観察する場合にAGC機能を有効に作用させることができるとともに、X線の出力(I.I.出力面の明るさ)が連続若しくは不連続に変化する状態を画像観測上で認識することのできる、X線装置用テレビカメラおよび医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラであって、前記医用X線テレビ装置に設けられたX線蛍光増倍管の出力面に出力されたX線透視像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像を入力し、テレビモニタ用の画像を生成してモニタ装置に出力する画像補正回路と、前記画像補正回路に設けられ、前記入力した画像の明るさの変化に応じて前記出力する画像の明るさを一定の割合で変化させる目標値可変回路を付加したAGC回路と、を具備したことを特徴とする。
また、本発明は、医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC回路におけるAGC処理方法であって、前記AGC回路におけるAGCの目標値を、入力された画像の明るさの変化に応じて一定の割合で変化させることを特徴とする。
医用X線テレビ装置において、X線の出力を制御してX線透視像を観察する場合に、AGC機能を有効に作用させることができるとともに、X線の出力(I.I.出力面の明るさ)が連続若しくは不連続に変化する状態をモニタ画面上の画像観測で容易に認識することができる。これによって、例えばX線制御側若しくはX線発生側の何らかの故障やトラブルなどでX線出力が想定以上に大きくなった場合に、その異常を操作者が容易に認識でき、被検査者に対するX線量(被曝量)の影響を抑制できる。
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係るX線装置用テレビカメラを用いた医用X線テレビ装置の構成を図1に示す。
本発明の実施形態に係るX線装置用テレビカメラを用いた医用X線テレビ装置の構成を図1に示す。
この図1に示す医用X線テレビ装置は、X線制御装置1と、X線発生器2と、X線用I.I.(image intensifier;X線蛍光増倍管)3と、X線装置用テレビカメラ4、テレビモニタ5と、画像記録装置6とを具備して構成されている。
X線制御装置1は、X線発生器2を制御する操作手段を具備し、この操作手段を操作してX線発生器2から発生するX線を制御する。
X線発生器2は、X線制御装置1の操作指示に従う微弱なX線量のX線を発生し、被検査体(人体)に照射する。
X線用I.I.3は、X線発生器2から照射されたX線の透視像を受線面で受け、明るい光学像として出力面(蛍光面)に出力する。
X線装置用テレビカメラ4は、X線用I.I.3の出力面に出力された透視像(光学像)を撮像部4aで撮影し、撮影した画像の映像信号を画像補正回路4bにより補正してテレビモニタ用の映像信号を出力する。このX線装置用テレビカメラ4の画像補正回路4bに、後述する目標値可変回路を付加した、フィードバック+入力監視型AGC回路(以下、目標値可変型AGC回路と称す)10が設けられている。
テレビモニタ5は、X線装置用テレビカメラ4から出力された映像信号を入力し、当該映像信号に従い、I.I.出力面の透視像をモニタ画面上に表示出力する。
画像記録装置6は、付加装置として必要に応じて設けられるもので、X線装置用テレビカメラ4から出力された映像信号を画面単位の画像データとして記録し保存する。
上記した構成の医用X線テレビ装置において、X線制御装置1は、操作者のX線撮影に伴う操作指示に従い、X線発生器2を制御して、X線発生器2からX線を発生させる。X線発生器2から発生されたX線は被検査体(人体)に照射され、そのX線透視像がX線用I.I.3の受線面に入射される。X線用I.I.3は、受線面に入射されたX線の強弱を電子の量に置き換え、倍増、加速して、出力面の蛍光体に衝突させ、その電子数に見合った明るさで蛍光体を発光することにより、電子倍増された明るい光学像をI.I.出力面に出力する。
このI.I.出力面の透視像(光学像)をX線装置用テレビカメラ4が撮影する。X線装置用テレビカメラ4では、I.I.出力面の透視像(光学像)を撮像部4aの撮像素子(撮像管や例えばCCD、CMOSセンサー等)で撮影し、撮影した画像の映像信号を、画像補正回路4bにより画像補正(AGC補正や過入力抑制、ガンマ補正等)して、テレビモニタ5に送出する。テレビモニタ5は、X線装置用テレビカメラ4から出力された映像信号を入力し、当該映像信号に従い、I.I.出力面の透視像をモニタ画面上に表示出力する。これにより、テレビモニタ5には、画像補正回路4bで画像補正された、自然で鮮明なモニタ画像(X線透視画像)が表示される。
このモニタ画像の表示において、上記I.I.出力面の明るさ、すなわち撮像部4aで撮影した画像(入力画面)の明るさが変化すると、X線装置用テレビカメラ4の画像補正回路4bに設けられた目標値可変型AGC回路10のAGC機能(AGC特性)により、その明るさの変化に応じて、モニタ表示画面の画像の明るさが一定の割合で変化する。
上記したX線装置用テレビカメラ4の画像補正回路4bに設けられた目標値可変型AGC回路10のAGC特性を図2にグラフ(A)で示している。
図2に示すグラフには、上述した従来の一般的なAGC回路(グラフ(B))における[出力目標値(B)]および[AGC出力(B)]と、目標値可変型AGC回路10(グラフ(A))における[出力目標値(A)]および[AGC出力(A)]とを対比させて示している。
上述した従来の一般的なAGC回路は、[AGC出力(B)]が[出力目標値(B)]に達した以降、[AGC出力(B)]が[出力目標値(B)]となるようにAGCの利得可変制御により回路利得が制御される。これに対して目標値可変型AGC回路10は、上記した[AGC出力(B)]のAGC制御範囲となる水平部分(出力一定部分)に、一定の傾きをもたせ、入力した画像の明るさに応じて出力が一定の割合で変化するAGC特性としている。この目標値の傾きを、どの程度にするかは、ユーザの意向で決めることができる。この実施形態では、リニア特性に対して、10乃至20%の上昇率で目標値を任意に可変できる構成としている。
このようなAGC特性とすることによって、暗い画像にはゲインを高くし、また明るい画像にはゲインを低くすることは一般的なAGC機能と同様であるが、AGCの目標値が一定でなく、回路上、設定された傾きで、入力の大きさ(入力した画像の明るさ)に応じて出力も徐々に増減し、入力の増加に伴って目標値が増加してゆくことから、操作者がモニタ画面上で画像の明るくなる様子を認識できる。これにより、上述したように、例えばX線制御側若しくはX線発生側の何らかの故障やトラブルなどでX線出力が想定以上に大きくなった場合に、その異常状態を操作者がモニタ画面上で容易に認識できる。
上記した目標値可変型AGC回路10の基本的な回路構成を図3に示す。
この図3に示す目標値可変型AGC回路10の基本構成は、既存構成のゲインコントローラ11と、このゲインコントローラ11のゲイン制御信号(G−CNT)を生成するフィードバック回路14に、新たに目標値可変回路として、映像入力反転回路12と信号合成回路13を付加した構成としている。なお、フィードバック回路14には、既存構成の信号検波(抽出)回路、積分回路、レベル比較器等が含まれる。
この図3に示す目標値可変型AGC回路10の基本構成は、既存構成のゲインコントローラ11と、このゲインコントローラ11のゲイン制御信号(G−CNT)を生成するフィードバック回路14に、新たに目標値可変回路として、映像入力反転回路12と信号合成回路13を付加した構成としている。なお、フィードバック回路14には、既存構成の信号検波(抽出)回路、積分回路、レベル比較器等が含まれる。
ゲインコントローラ11は、入力された映像信号(映像入力信号)の利得をゲイン制御信号(G−CNT)に従い増減し、映像出力信号として出力する。映像入力反転回路12はゲインコントローラ11に入力された映像入力信号を反転し出力する。信号合成回路13は映像入力反転回路12で反転された信号をゲインコントローラ11から出力される映像出力信号に従うフィードバック信号に合成する(フィードバック信号から映像入力信号分を減じる)。
フィードバック回路14の信号検波(抽出)回路は、信号合成回路13から出力されたフィードバック信号を一定の画面領域単位(1画面単位若しくは一部画面領域単位)で信号抽出する。同じくフィードバック回路14の積分回路は、信号検波(抽出)回路から出力されたフィードバック信号を制御信号として扱い易いDC(直流)信号に変換する。同じくフィードバック回路14のレベル比較器は、積分回路の出力信号を設定された基準目標値と比較し、積分回路の出力信号レベルに応じた比較結果の信号をゲイン制御信号(G−CNT)としてゲインコントローラ11に送出する。
この図3に示す目標値可変型AGC回路10は、目標値可変回路を構成する映像入力反転回路12と信号合成回路13とにより、ゲインコントローラ11のゲイン制御信号(G−CNT)を生成するためのフィードバック信号のレベルを、入力された映像信号の明るさに応じた分だけ一定の割合で減衰する。この際、信号合成回路13で、映像入力反転回路12から入力された反転信号のレベルを可変制御することにより、上記減衰量を調整することができる。
図3に示す回路構成の動作は、ゲインコントローラ11の映像信号入力端に入力された映像信号(映像入力信号)を映像入力反転回路12で反転し、この反転信号と、ゲインコントローラ11の映像信号出力端からフィードバックされるフィードバック信号とを信号合成回路13で合成して、映像出力信号から映像入力信号分を差し引いたフィードバック信号をフィードバック回路14に設けられた信号検波(抽出)回路に入力する。信号検波(抽出)回路は、この入力されたフィードバック信号を一定の画面領域単位で信号抽出し、積分回路で積分(DC化)してレベル比較器に入力する。レベル比較器は積分回路から入力した信号を、基準信号と比較し、その差信号をもとにゲインコントローラ11のゲイン制御信号(G−CNT)を生成する。このとき、信号合成の比率としては「映像出力>映像入力」の関係が成り立っている必要がある。
このように、映像入力反転回路12と信号合成回路13とをフィードバック回路14の前段に設けて、映像出力信号から映像入力信号を差し引くことにより、映像入力信号のレベル変化に応じて信号合成回路13の出力が変化しようとするが、フィードバック回路14の信号検波・積分回路・レベル比較の部分で目標値設定用の電圧信号とのレベルエラーが生じ、ゲインを変化させるよう動作する。このとき、信号合成回路13の出力が、フィードバック回路14の信号検波・積分回路・レベル比較の回路部分で目標値設定用の電圧信号とバランスがとれるように上記各回路が動作する。その結果、映像入力信号のレベルが大きくなると、その分、映像出力信号のレベルを大きくしなければ、信号合成回路13の出力が一定とならず、また映像入力信号のレベルが小さくなれば映像出力信号のレベルも小さくなるという動作をする。このように、信号合成回路13で差し引かれた映像入力信号分を補う(補償する)ように、ゲイン制御信号(G−CNT)によってゲインコントローラ11の回路利得(ゲイン)が制御される。
この際の信号合成回路13の動作モデルを図5にグラフで示している。図5に示すように、信号合成回路13において、映像入力反転回路12から出力された入力反転信号と映像出力信号との和をとることで、信号合成回路13の出力を一定に保つために、映像出力信号を増加しなければならないことが分かる。
上記した目標値可変型AGC回路10の具体的な回路構成例を図4に示す。
図4に示す目標値可変型AGC回路10は、ゲインコントローラ11と、図3に示す映像入力反転回路12を実現する反転回路12aと、図3に示す信号合成回路13を実現する加算回路13aと、図3に示すフィードバック回路14の信号検波(抽出)回路を実現する抽出回路14aと、同じく積分回路を実現する積分回路14bと、同じくレベル比較器を実現する基準目標値設定部14c、および比較器14dとを具備して構成される。
ゲインコントローラ11は、上述したように、入力された映像信号(映像入力信号)の利得をゲイン制御信号(G−CNT)に従い増減し、映像出力信号として出力する。抽出回路14aは、加算回路13aから出力されたフィードバック信号を一定の画面領域単位(1画面単位若しくは一部画面領域単位)で信号抽出する。積分回路14bは、抽出回路14aから出力されたフィードバック信号を、制御信号として扱い易いDC(直流)信号に変換する。比較器14dは、積分回路14bの出力信号を設定された基準目標値14cと比較し、積分回路14bの出力信号レベルに応じた比較結果の信号をゲイン制御信号(G−CNT)としてゲインコントローラ11に送出する。
反転回路12aは、ゲインコントローラ11に入力された映像入力信号を反転し出力する。加算回路13aは、反転回路12aで反転された信号(映像入力反転信号)とゲインコントローラ11から出力される映像出力信号に従うフィードバック信号とを入力し、「映像出力信号>映像入力反転信号」の関係で上記信号を加算(=映像出力信号−映像入力信号)する。
このように、加算回路13aによって、映像出力信号に、映像入力反転信号を加算することによって、映像出力信号として、映像入力信号分を差し引いたレベルの映像出力信号(フィードバック信号)を出力しなければ、基準目標値14cに対して、出力レベルが小さくなり、AGCの回路動作がバランスしなくなる。そのため、差し引かれた映像信号分を補うようにゲインが制御され、バランスを保つ。映像入力信号のレベルが小さい場合には、補われる入力信号分による差分は小さく、逆に映像入力信号のレベルが大きい場合には、その差分が大きくなる。その結果、映像入力信号の増加に伴って映像出力信号も徐々に増加するというAGC回路が実現される。
また、上記加算回路13aにおいて、加算比の調整を行うことで、変化率を可変することができ、これにより、X線透視像を観察する場合に、AGC機能を有効に作用させるとともに、X線の出力(I.I.出力面の明るさ)が連続若しくは不連続に変化する状態をモニタ画面上の画像観測で容易に認識することのできる、X線透視像の撮影に好適な画像増加率を実現できる。
上述したように、ゲインコントローラ11の映像出力信号(フィードバック信号)と、映像入力信号を反転させた信号とを、ある比率で和をとることで、AGCの目標値が一定の割合で増減するAGC特性を実現することができる。このAGC特性を実現するアナログ回路の他の構成として、映像出力信号をフィードバックしない(フィードバックループを形成しない)構成も実現可能である。
ゲインの制御を上記したようなゲインコントローラの出力監視によらず、入力のみに依存させることで実現する目標値可変型AGC回路の他の構成例を図6に示す。この図6に示す目標値可変型AGC回路30は、ゲインコントローラ31と、暗信号クリップ回路32と、積分回路33と、ゲインコントロール電圧変換回路34とを具備して構成される。
ゲインコントローラ31はゲインコントロール電圧変換回路34から出力されたゲイン制御信号(G−CNT)の信号レベルに応じて、入力された映像信号(映像入力信号)の利得を制御し、映像出力信号として出力する。暗信号クリップ回路32は、映像入力信号の暗い部分をカットする。積分回路33は、暗信号クリップ回路32の出力信号をDC(直流)化する。ゲインコントロール電圧変換回路34は積分回路33の出力信号レベルに応じて、ゲインコントローラ31の利得制御特性に合わせた信号レベルのゲイン制御信号(G−CNT)をゲインコントローラ31に送出する。
この図6に示す目標値可変型AGC回路30の長所はフィードバックループを構築しないため、入力変動に対する追従性が非常によく、一般的なAGC回路で生じる入力急増時のハレーションが発生しない。ただし、このAGC回路を実現するためには、ゲインコントローラ31のゲイン制御電圧などコントロール信号に対する出力の変化率がリニアな場合に限る。そうでない場合、ゲインコントローラ31の特性に合わせたゲインコントロール電圧変換をする必要が生じ、回路や調整が煩雑になることが欠点である。
また、上記した目標値可変型AGC回路の機能をアナログ回路に代えて、デジタル回路で実現することも可能である。このデジタル信号処理による目標値可変型AGC回路は、利用者が機能を自由に際設定できる、ある程度の容量を持つFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いることにより、内部で演算回路を構築でき、かつ、ある程度のゲインの変化率を演算係数として外部より可変することを可能にすればAGC目標値の傾き調整も可能であり、また、入力依存で変化させたり、出力依存で変化させたりすることは、比較的容易に実現できる。当然、時間的な動作特性も、容易に設定が可能である。ただし、ゲインコントロールの演算回路をFPGAで構築するには、アナログで設計するよりも遙かに時間がかかるため、アナログで回路を構築する方が時間および価格的に有利な場合には有用な手段と言える。
1…X線制御装置、2…X線発生器、3…X線用I.I.(image intensifier;X線蛍光増倍管)、4…X線装置用テレビカメラ、4a…撮像部、4b…画像補正回路、5…テレビモニタ、6…画像記録装置、10…目標値可変型AGC回路(フィードバック+入力監視型AGC回路)、11…ゲインコントローラ、12…映像入力反転回路、13…信号合成回路、14…フィードバック回路、12a…反転回路、13a…加算回路、14a…抽出回路、14b…積分回路、14c…基準目標値設定部、14d…比較器、30…目標値可変型AGC回路、31…ゲインコントローラ、32…暗信号クリップ回路、33…積分回路、34…ゲインコントロール電圧変換回路。
Claims (6)
- 医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラであって、
前記医用X線テレビ装置に設けられたX線蛍光増倍管の出力面に出力されたX線透視像を撮影する撮像部と、
前記撮像部が撮影した画像を入力し、テレビモニタ用の画像を生成してモニタ装置に出力する画像補正回路と、
前記画像補正回路に設けられ、前記入力した画像の明るさの変化に応じて前記出力する画像の明るさを一定の割合で変化させる目標値可変回路を付加したAGC回路と、
を具備したことを特徴とするX線装置用テレビカメラ。 - 前記目標値可変回路は、前記AGC回路におけるAGCの目標値を当該AGCのリニア特性に対し10%乃至20%の割合で変化させることを特徴とする請求項1または2に記載のX線装置用テレビカメラ。
- 前記AGC回路は、
前記入力した画像の映像信号を反転する回路と、
前記出力する画像の映像信号に前記反転信号を加算する回路と、
前記加算された信号をもとに前記出力する画像の信号利得を制御する回路と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載のX線装置用テレビカメラ。 - 前記AGC回路は、
前記入力した映像信号の暗い部分をカットする暗信号クリップ回路と、
前記暗信号クリップ回路からの出力信号を直流化する積分回路と、
前記積分回路からの出力信号からゲイン制御信号を出力するゲイン制御信号生成回路と、
前記ゲインコントロール回路からの前記ゲイン制御信号に応じた前記映像信号の利得を制御して映像信号を出力するゲインコントローラと、を有し、
前記ゲイン制御信号生成回路から出力される前記ゲイン制御信号は、前記ゲインコントローラの利得制御特性に合わせた信号レベルであることを特徴とする請求項1に記載のX線装置用テレビカメラ。 - 医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC回路におけるAGC処理方法であって、前記AGC回路におけるAGCの目標値を、入力された画像の明るさの変化に応じて一定の割合で変化させることを特徴とする医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC処理方法。
- 医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC回路におけるAGC処理方法であって、前記AGC回路の出力値をX線発生器から照射されるX線の強度に応じて一定の割合で変化させることを特徴とする医用X線テレビ装置に使用するテレビカメラのAGC処理方法。
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JP2007060580A JP2008220509A (ja) | 2007-03-09 | 2007-03-09 | X線装置用テレビカメラおよび医用x線テレビ装置に使用するテレビカメラのagc処理方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104287750A (zh) * | 2013-07-16 | 2015-01-21 | 南京普爱射线影像设备有限公司 | 一种基于嵌入式软件的x射线机自动透视方法和装置 |
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2007
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