JP5044457B2 - 放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法 - Google Patents

放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法に係り、特に、エネルギーサブトラクション用の放射線画像を撮影する装置とエネルギーサブトラクション用の2種類の画像の撮影条件を設定する方法に関する。
従来より、放射線画像のデジタルサブトラクションが知られている。この放射線画像のデジタルサブトラクションとは、異なった条件で撮影した2つの放射線画像を光電的に読み出してデジタル画像信号を得た後、これらのデジタル画像信号を両画像の各画素を対応させ重み付けして減算(サブトラクション)処理し、放射線画像中の特定の構造物の画像を形成するための差信号を得る方法であり、このようにして得た差信号を用いて特定構造物のみが抽出された放射線画像を再生することができる。
例えば図5に示すように、被検者の胸部を強度の異なるX線を用いて撮影して得られた低エネルギー画像E1及び高エネルギー画像E2に対して、その一方に重みαを乗じて、重み付き減算(E1−E2×α)をすることにより、軟部成分を消去した骨部画像及び骨成分を消去した軟部画像を得ることができる。
このように、エネルギーサブトラクション技術は、スペクトル分布が異なる放射線で撮影された複数の画像(E1、E2)を重み付き減算(E1−E2×α)することにより、特定の放射線吸収特性を持った物質を表す画像を得る技術である。
また一方、従来より、放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)の照射によりこの放射線エネルギーの一部を蓄積し、後に可視光等の励起光の照射によって、蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体をシート状に構成した蓄積性蛍光体シートが知られている。
この蓄積性蛍光体シートを用いてエネルギーサブトラクション処理を行う場合、サブトラクションに供する2つの画像を得る方法として、以下のような2つの方法が考えられる。その一つは、2枚の蓄積性蛍光体シートを撮影毎に交換し、それぞれをエネルギー分布の異なる2種類の放射線(例えば、高エネルギー、低エネルギーの放射線)を用いて撮影(結局2回撮影することとなる)を行う2ショット法であり、他の一つは、2枚の蓄積性蛍光体シートをその間に銅板等の放射線分離フィルタを介して積層させて、あるいは互いに放射線吸収特性の異なる蓄積性蛍光体シートを2枚積層させて、2枚を同時に曝射することによって、両シートがそれぞれエネルギー分布の異なる放射線が照射されたように1回のみ撮影する1ショット法である。
放射線の種類(線質)を変える方法としては、例えば、X線管の管電圧を切り替える方法がある。例えば図6に異なる管電圧(80kVと100kV)の入射X線のスペクトル分布を示したように、管電圧を変えた場合にも得られる信号値が変わる。他にアルミ、銅板などのフィルタを線源に付加し、線質を切り替える方法がある。
また、X線画像を形成するには、例えば図7に示すように、X線源80からX線82が照射され、被写体84を透過して減衰したX線が検出器86で検出される。この被写体を透過する際のX線の減衰量は被写体の組織によって異なる。例えば図8に骨部と軟部における減衰の割合を示す減弱係数を示すように、軟部よりも骨部の方が減弱係数が大きい(すなわち減衰量が大きい)。
また、検出器86で検出されるX線量Iは、入射X線スペクトルA(E)、被写体のX線減弱係数μ(E)、被写体(組織)の厚さt、検出器の吸収係数B(E)とするとき、次式(1)で表される。
I=∫A(E)×exp(−μ(E)×t)×B(E)dE ・・・(1)
なお、X線減弱係数μ(E)は、入射X線のスペクトル分布と被写体を構成する組織(を構成する原子の原子番号)に依存する。一般的に減弱係数μ(E)は、管電圧が高いほど小さく、原子番号が大きいほど大きくなる。
スペクトル分布に従って減弱係数を積分したものが、実効的な(平均の)減弱係数となる。その対数値Eは、簡単に次の式(2)で表されるような関係を持っている(なお、この式(2)は上記式(1)と等価ではない。)。
E=−μ×t + Const ・・・(2)
Constは、照射したX線の総量で、Const−Eを改めてE’とおけば、簡単に、E’=μ×tと表すことができる。
また、被写体がX線減弱係数μとμを持つ2つの組織t、tで構成されていれば、次の式(3)、(4)で表される関係となり、スペクトル分布が異なる放射線であれば減弱係数μが変化する。
=μ×t + μ×t ・・・(3)
=μ’×t + μ’×t ・・・(4)
また、放射線撮像装置の代表的な装置のひとつである医用X線診断装置において、最近、X線管によるX線照射に伴って生じる被検体のX線透過像を検出するX線検出器として、半導体等を利用した極めて多数個のX線検出素子をX線検出面に縦横に配列したフラットパネル 型X線検出器(FPD、フラットパネルディテクタ)が用いられている。
FPDを用いたフラットパネルディテクタ−システムにおいてエネルギーサブトラクション処理を行う場合には、例えば管電圧が異なる2種類のX線を短い間隔(例えば、0.2〜0.5sec間隔)で連続的に照射して2回撮影を行い、2種類の異なるエネルギー画像を取得している。
FPDを用いたシステムでエネルギーサブトラクションを行うものとして、例えば2種類の画像を撮影するために、予め用意しておいた範囲内でユーザが2種類の撮影条件を、例えば低圧は60〜80kVp、高圧は110〜150kVpのように指定するものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、フラットパネル型X線検出器を備えたX線診断装置において、エネルギーサブトラクション処理を行うために、第1の管電圧と、それよりも低い第2の管電圧を印加して2つの画像を得るとき、異なる管電圧で得られるX線画像の解像度の差を抑制し、好適にサブトラクションを行い良好な画像データを得ようとしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
US6,792,072B2公報 特開2007−165081号公報
しかしながら、上記従来技術のように、FPDを用いてエネルギーサブトラクション処理を行う場合には、撮影が2回行われ、被検者には放射線が2度照射されることとなるので、2回の撮影のうち1回は通常の診断画像の撮影と同じ条件で撮影を行うようにし、撮影全体で被検者の被曝量がなるべく増加しないようにすることが望ましい。
また、部位ごとの通常診断の撮影条件は、図9に示すようになる。また、一般的なタングステンX線源の出力管電圧は40〜140kVpの範囲であり、診断画像が比較的低圧で撮影される部位は、第2の画像は高圧で撮影される。逆に、診断画像が比較的高圧の場合は、第2の画像は低圧で撮影される。
図9に示したように、診断画像の撮影条件は部位によって、さらに施設によっても異なる。また、これ以外にも撮影部位は多数あるため、撮影条件の組み合わせは無数にあり、全ての部位毎に撮影条件を用意することは煩雑であり、特に前記特許文献1に記載されたもののように予め用意された範囲内でユーザが2種類の撮影条件を指定するような方法では、常に最適な撮影条件を提供できるとは限らないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、エネルギーサブトラクションの撮影における煩雑な条件設定の手間を省くとともに被検者の被曝量の増大を抑制した簡易に撮影条件を設定することのできる放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検体に対して放射線を照射する放射線源と、前記放射線の線質を切り替える放射線切替手段と、前記被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器と、通常診断画像としての第1の画像の撮影条件を入力する第1画像撮影条件入力手段と、前記第1の画像との間でエネルギーサブトラクションを行う第2の画像の撮影条件を、前記第1の画像を撮影する際の管電圧と前記第2の画像を撮影する際の管電圧の差が所定値以上となるように、前記入力された第1の画像の撮影条件に基づいて自動的に設定する第2画像撮影条件設定手段と、前記放射線切替手段を制御すると共に、前記放射線検出器から受け取った検出信号に基づいてエネルギーサブトラクションを実行して所定の放射線画像を生成する制御部と、を備え、前記制御部に、前記第1の画像の撮影条件の初期値、あるいは前記第1の画像及び前記第2の画像両方の撮影条件の初期値がそれぞれ予め設定されており、前記第1画像撮影条件入力手段から前記第1の画像を撮影する管電圧の初期値に対し調整のための増減が加えられたとき、前記第2画像撮影条件設定手段は、前記第2の画像が前記第1の画像に比べて低い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも大きな値で補正すると共に、前記第2の画像が前記第1の画像に比べて高い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも小さい値で補正するようにしたことを特徴とする放射線画像撮影装置を提供する。
これにより、第1の画像を通常診断画像として撮影したことにより、被検者の被曝量の増大を抑制するとともに、第2の画像の撮影条件を自動的に設定するようにしたため、エネルギーサブトラクションの撮影における煩雑な条件設定の手間を省き、簡単に撮影条件を設定することが可能となる。また、予め設定された初期値に対して調整が加えられた後でも減弱係数の差を充分にとることが可能となる。
また、請求項2に示すように、前記所定値は、40kVpであることを特徴とする。
これにより、エネルギーサブトラクションにおける2種類の画像間に充分な間電圧差を確保することができる。
また、請求項3に示すように、前記第2画像撮影条件設定手段は、前記第2の画像を撮影する際の管電圧を前記放射線源の最高管電圧に近い値に設定することを特徴とする。
普通、管電圧差は大きい程良いので、放射線源側の制約を考えなくてよい場合には、このように第2の画像を撮影する管電圧を、診断画像である第1の画像を撮影する際の管電圧に関わらず放射線源の最高出力値に近い値に設定することが望ましい。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、エネルギーサブトラクション用の2種類の画像をスペクトル分布が異なる放射線で撮影する際の撮影条件設定方法であって、通常診断画像としての第1の画像の撮影条件を入力する工程と、前記第1の画像との間でエネルギーサブトラクションを行う第2の画像の撮影条件を、前記第1の画像を撮影する際の管電圧と前記第2の画像を撮影する際の管電圧の差が所定値以上となるように、前記入力された第1の画像の撮影条件に基づいて自動的に設定する工程と、前記第1の画像の撮影条件により前記第1の画像を撮影する工程、および前記第2の画像の撮影条件により前記第2の画像を撮影する工程と、を含み、前記第1の画像の撮影条件の初期値、あるいは前記第1の画像及び前記第2の画像両方の撮影条件の初期値がそれぞれ予め設定されており、前記第1の画像の撮影条件を入力する工程において前記第1の画像を撮影する管電圧の初期値に対し調整のための増減が加えられたとき、前記第2の画像が前記第1の画像に比べて低い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも大きな値で補正すると共に、前記第2の画像が前記第1の画像に比べて高い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも小さい値で補正するようにしたことを特徴とする撮影条件設定方法を提供する。
これにより、第1の画像を通常診断画像として撮影したことにより、被検者の被曝量の増大を抑制するとともに、第2の画像の撮影条件を自動的に設定するようにしたため、エネルギーサブトラクションの撮影における煩雑な条件設定の手間を省き、簡単に撮影条件を設定することが可能となる。また、予め設定された初期値に対して調整が加えられた後でも減弱係数の差を充分にとることが可能となる。
また、請求項に示すように、前記所定値は、40kVpであることを特徴とする。
これにより、エネルギーサブトラクションにおける2種類の画像間に充分な間電圧差を確保することができる。
また、請求項に示すように、前記第2の画像を撮影する際の管電圧を前記放射線源の
最高管電圧に近い値に設定することを特徴とする。
これにより、さらに大きな管電圧差を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、第1の画像を通常診断画像として撮影したことにより、被検者の被曝量の増大を抑制するとともに、第2の画像の撮影条件を自動的に設定するようにしたため、エネルギーサブトラクションの撮影における煩雑な条件設定の手間を省き、簡単に撮影条件を設定することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る放射線画像撮影装置の一実施形態を示す概略構成図である。
本実施形態の放射線画像撮影装置は、フラットパネル型X線検出器(FPD、フラットパネルディテクタ)を用いたX線撮像システムを構成する。
図1に示すように、本実施形態の放射線画像撮影装置10は主に、被検体MにX線を照射するX線源12と、被検体Mを透過したX線を検出して検出信号を出力するフラットパネル型X線検出器(FPD)14と、X線コントローラ16及びコンソール18とからなる制御部20とを含んで構成される。また、コンソール18にはディスプレイ22が接続され、X線コントローラ16には曝射スイッチ24が接続されている。
X線源12は、細かい構成についての説明は省略するが被検体MにX線を照射するX線管を有し、所定の管電圧及び管電流によって出射されるX線のエネルギーが制御される。
FPD14は、その表面の受光面が平板状に形成され、受光面が水平または垂直となるように傾きが変更可能となっており、被検体Mを透過してきたX線を光電的に検出してアナログ電気信号を出力するものである。
FPD14の出力信号(検出信号)は、X線コントローラ16を介してコンソール18に入力されるようになっている。
X線コントローラ16は、X線源12及びFPD14を制御してX線画像撮影を行うものである。すなわち、詳しくは後述するが、入力された撮影条件あるいは設定された撮影条件に基づいてX線源12の管電圧を所定の値に制御して、低圧でのX線撮影あるいは高圧でのX線撮影を行うように制御するものである。
コンソール18は、X線コントローラ16を介してFPD14の検出信号を受け取り、撮影対象の透視像を再構成して、エネルギーサブトラクション処理を行い、所定の画像を生成してディスプレイ22に表示するものである。
ディスプレイ22は、タッチパネル操作により撮影メニュー、撮影部位等のオーダーを入力したり、通常診断画像としての第1の画像の撮影条件を入力したり、予め撮影条件が初期値で設定されている場合にその調整値を入力したりするのにも用いられる。
曝射スイッチ24は、操作者(オペレータ)が、被検体Mに体勢(ポジション)の指示を出して、そのスイッチを押すとX線源12からX線が被検体Mに照射されるようになっている。
以下、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態は、エネルギーサブトラクション撮影の簡易な撮影条件設定方法を提供するものであり、操作者が、通常診断の撮影条件(第1の画像の撮影条件)を指定すると、第2の画像の撮影条件は以下のように自動的に設定されるようになっている。
まず、操作者は、通常の診断画像としての第1の画像の撮影条件をコンソール18に付属したディスプレイ22をタッチして入力する。このとき入力方法はこれに限定されるものではなく、キーボード等の他の入力手段から入力するようにしてもよいのはもちろんである。
このとき、例えば第1の画像の撮影条件として管電圧が50kVpと指定された場合には、コンソール18は、第1の画像に対する50kVpという値よりも50kVpだけ大きい値として100kVpを第2の画像の撮影条件として設定し、第2の画像の撮影時には、X線コントローラ16を介してX線源12に対してこの高い管電圧を付与するようにする。
また、逆に、第1の画像の撮影条件として最初に指定された管電圧がもともと高い値であった場合には、コンソール18は、第2の画像の撮影条件としてそれよりも50kVpだけ小さい値を設定するようにする。
このように、操作者によって最初に設定された第1の画像の撮影条件、及びこれに基づいて自動的に設定された第2の画像の撮影条件に従って、X線コントローラ16によりX線源12の撮影条件(管電圧)が制御され、第1の画像及び第2の画像の撮影が行われ、FPD14によって検出された検出信号がX線コントローラ16を介してコンソール18に入力される。
コンソール18では、これら第1の画像及び第2の画像に対してエネルギーサブトラクション処理が行われる。エネルギーサブトラクション処理には、2種類の画像間に充分な管電圧差が必要である。しかし、管電圧を急激に昇圧させることは難しいため、管電圧差が大きすぎると、2回の撮影の間隔が長くなってしまう。そして、撮影間隔が長いと、モーションアーチファクトが生じて画質が低下するという問題がある。
そこで、管電圧差は、実用上好ましい値に設定することが望ましい。実験的に、第2の画像を撮影するための管電圧差は最低でも40kVp以上とる必要があり、40kVpから60kVpの範囲に設定しておくことが望ましい。上に述べた例では、これらのことを考慮してこの管電圧差を50kVpに設定している。
また、第2の画像の撮影条件の設定方法の他の例として、X線源側の制約を考えなくてよい場合には、普通は、管電圧差は大きい程よいので、通常診断画像としての第1の画像を撮影する際の管電圧に関わらず、第2の画像の撮影条件としての管電圧は、X線源12の最高出力値に近い値に設定してもよい。この最高出力値としては、例えば140kVp、あるいは130kVpなどが例示される。
また、第2の画像の撮影条件の設定方法のさらに他の例として、予め撮影条件の初期値が設定されている場合の設定方法を説明する。
このとき、始めに撮影条件の初期値を設定する場合に、第1の画像の撮影条件の初期値のみを設定する場合と、第1の画像及び第2の画像の両方の撮影条件の初期値を設定する場合とが考えられる。第1の画像及び第2の画像の両方の撮影条件の初期値を設定する場合には、例えば、第1の画像を撮影する際の管電圧を60kVp、第2の画像を撮影する際の管電圧を120kVpのようにある程度の管電圧差を持って設定するようにする。この初期値は、胸部、腹部などの撮影部位に応じて決められたものでもよい。診断画像としての第1の画像の撮影条件として設定されている管電圧の初期値としては、(第2の画像に対して)高圧側の場合と低圧側の場合とが有り得る。
次に、操作者によって、この初期値として予め設定された診断画像としての第1の画像の撮影条件の管電圧を増減する調整が加えられた場合、コンソール18はそれに対応して、自動的に非診断画像である第2の画像の撮影条件の管電圧に対して以下のように補正を加える。
被写体が厚いほどその被写体を透過する際に放射線はより大きく減衰する。一方、放射線は管電圧が高いほど物体の透過力が高くなる。そこで被写体の体厚が厚い場合、放射線撮影を行う放射線技師は標準的な線質よりも透過力の高い放射線にて撮影を行うように調整することがある。
まず、診断画像である第1の画像が低圧側(管電圧が低い場合)のときは、非診断画像である第2の画像の撮影条件の管電圧にも、第1の画像の撮影管電圧に対する増減量より大きな値で補正を加える。
次に、診断画像である第1の画像が高圧側(管電圧が高い場合)のときは、非診断画像である第2の画像の撮影条件の管電圧にも、第1の画像の撮影管電圧に対する増減量より小さな値で補正を加える。
なお、第1の画像に対する撮影管電圧の初期値のみが設定されている場合に、これに対して増減する調整が行われた場合には、もともとの第1の画像に対する管電圧の初期値に対して自動的に設定される第2の画像に対する撮影管電圧の値に対して上記のような補正が行われる。
また、第1の画像及び第2の画像の両方に対して撮影管電圧の初期値が設定されている場合に、第1の画像に対する撮影管電圧の初期値に対して増減する調整が行われた場合は、第2の画像に対する撮影管電圧の初期値に対して上記補正が行われる。
上記のように補正をする理由は、物質の減弱特性は、図2に示すように、低kVp(例えば60kVp付近)ではエネルギーの増加に伴って減弱係数は急激に小さくなるが、高kVp(例えば120kVp付近)ではエネルギーの増加に対する減弱係数の変化が小さくなっていることから、上記のような補正を加えることで、調整が加えられた後でも減弱係数の差を充分にとることができるからである。
また、図3に示すように、診断画像である第1の画像の管電圧と、非診断画像である第2の画像の管電圧の関係を適当なテーブル(グラフ)で表し、そのテーブルを参照して第1の画像に対する第2の画像の管電圧を設定するようにしてもよい。
図3に示すテーブル(グラフ)においては、診断画像(第1の画像)の管電圧が低い場合(60kVp付近)と高い場合(120kVp付近)とで、診断画像(第1の画像)と非診断画像(第2の画像)の管電圧の対応を、すぐ上で述べた補正の例と同様に切り換えるようにしている。
また、X線画像の撮影においては、被検体の被曝量を考慮すると、上述した管電圧のみでなく電流量と曝射時間の積であるmAs値の設定が重要である。
ここで、被曝量は、管電圧(kVp)の二乗とmAs値との積に比例する。
診断画像(第1の画像)について設定された管電圧とmAs値、及び非診断画像(第2の画像)を撮影するための管電圧が決まっているとき、診断画像と等しい被曝量で第2の(非診断)画像を撮影するとき、この第2の画像のmAs値は次の式(5)によって求められる。
{診断画像の管電圧(kVp)}× mAs値
= {非診断画像の管電圧(kVp)}× mAs値 ・・・(5)
第2の画像は非診断画像であり、診断に用いられるものではない。そこで、被曝量が増加しすぎることを防ぐために、図4に示すように、この第2の画像を撮影するときのmAs値に所定の閾値を設けても良い。
この閾値としては、例えば胸部撮影において次の値とすることができる。胸部の標準的な撮影条件は120kVp、2mAs程度であり、これと同程度の被曝量で非診断画像を撮影するならば60kVp、8mAsとなる。被写体の体厚が厚い場合は診断画像が相対的に大きなmAs値、例えば3mAsで撮影する。このとき非診断画像は12mAsとはせず、10mAsを閾値としてこれを超えないようにする。
また、この閾値は非診断画像の被曝量のみを制限するのではなく、診断画像と非診断画像の被曝量の総和が一定の閾値を超えないようにしても良い。
このように、本実施形態においては、被検体の撮影部位毎の通常診断画像を基準として、エネルギーサブトラクションに用いる非診断画像である第2の画像の撮影条件を自動的に設定するようにしたため、多様な撮影部位、あるいは多様な施設に対応して、従来煩雑であった第2の画像の撮影条件を設定する手間を省き、簡単に第2の画像の撮影条件を設定することが可能となった。
以上、本発明の放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る放射線画像撮影装置の一実施形態を示す概略構成図である。 放射線エネルギーと減弱係数の関係を示すグラフである。 診断画像と非診断画像の撮影管電圧の対応を示すグラフである。 診断画像と非診断画像のmAs値の対応を示すグラフである。 エネルギーサブトラクションによって生成される画像の例を示す説明図である。 異なる管電圧の入射X線のスペクトル分布を示す線図である。 X線画像の撮影の様子を示す説明図である。 骨部と軟部における減衰の割合を示す減弱係数を表す線図である。 部位ごとの通常診断の撮影条件を示す説明図である。
符号の説明
10…放射線画像撮影装置、12…X線源、14…フラットパネル型X線検出器(FPD)、16…X線コントローラ、18…コンソール、20…制御部、22…ディスプレイ、24…曝射スイッチ

Claims (6)

  1. 被検体に対して放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線の線質を切り替える放射線切替手段と、
    前記被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器と、
    通常診断画像としての第1の画像の撮影条件を入力する第1画像撮影条件入力手段と、
    前記第1の画像との間でエネルギーサブトラクションを行う第2の画像の撮影条件を、前記第1の画像を撮影する際の管電圧と前記第2の画像を撮影する際の管電圧の差が所定値以上となるように、前記入力された第1の画像の撮影条件に基づいて自動的に設定する第2画像撮影条件設定手段と、
    前記放射線切替手段を制御すると共に、前記放射線検出器から受け取った検出信号に基づいてエネルギーサブトラクションを実行して所定の放射線画像を生成する制御部と、
    を備え、
    前記制御部に、前記第1の画像の撮影条件の初期値、あるいは前記第1の画像及び前記第2の画像両方の撮影条件の初期値がそれぞれ予め設定されており、前記第1画像撮影条件入力手段から前記第1の画像を撮影する管電圧の初期値に対し調整のための増減が加えられたとき、
    前記第2画像撮影条件設定手段は、
    前記第2の画像が前記第1の画像に比べて低い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも大きな値で補正すると共に、
    前記第2の画像が前記第1の画像に比べて高い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも小さい値で補正するようにしたことを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記所定値は、40kVpであることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記第2画像撮影条件設定手段は、前記第2の画像を撮影する際の管電圧を前記放射線源の最高管電圧に近い値に設定することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  4. エネルギーサブトラクション用の2種類の画像をスペクトル分布が異なる放射線で撮影する際の撮影条件設定方法であって、
    通常診断画像としての第1の画像の撮影条件を入力する工程と、
    前記第1の画像との間でエネルギーサブトラクションを行う第2の画像の撮影条件を、前記第1の画像を撮影する際の管電圧と前記第2の画像を撮影する際の管電圧の差が所定値以上となるように、前記入力された第1の画像の撮影条件に基づいて自動的に設定する工程と、
    前記第1の画像の撮影条件により前記第1の画像を撮影する工程、および前記第2の画像の撮影条件により前記第2の画像を撮影する工程と、
    を含み、
    前記第1の画像の撮影条件の初期値、あるいは前記第1の画像及び前記第2の画像両方の撮影条件の初期値がそれぞれ予め設定されており、前記第1の画像の撮影条件を入力する工程において前記第1の画像を撮影する管電圧の初期値に対し調整のための増減が加えられたとき、
    前記第2の画像が前記第1の画像に比べて低い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも大きな値で補正すると共に、
    前記第2の画像が前記第1の画像に比べて高い管電圧で撮影される場合には、前記第2の画像を撮影する管電圧を前記増減量よりも小さい値で補正するようにしたことを特徴とする撮影条件設定方法。
  5. 前記所定値は、40kVpであることを特徴とする請求項に記載の撮影条件設定方法。
  6. 前記第2の画像を撮影する際の管電圧を前記放射線源の最高管電圧に近い値に設定することを特徴とする請求項に記載の撮影条件設定方法。
JP2008068211A 2008-03-17 2008-03-17 放射線画像撮影装置及び撮影条件設定方法 Active JP5044457B2 (ja)

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