JP2008219081A - バラン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の配線パターン200は、端子A,Cと、それらを接続するC字型の第1の線路パターン2とから構成され、第二の配線パターン300は、端子D,Fと、それらを接続するC字型の第2の線路パターン3とから構成されている。第1および第2の線路パターン2,3は開口部が重ならないように互いに180°ずらして、板状の誘電体1を介在させて積層されている。端子A,Cは第一の伝送線路4に接続され、端子D,Fはそれぞれ第二および第三の伝送線路6,7に接続されている。また、第1の線路パターン2のほぼ中央部と第二及び第三の伝送線路6,7のグランド導体5とは、接続回路8にて電気的に接続されている。
【選択図】図1
Description
図1(a),(b)は、この発明の実施の形態1に係るバランの構造を示す平面図および側面図である。なお、図のわかりやすさのため、誘電体部分は透明に描き、また、一部の導体パターン部分を不透明に描いている。図1に示すように、本実施の形態1に係るバランは複数の配線パターンから構成される多層配線構造を有している。本実施の形態1における多層配線構造は、図1に示すように、略々矩形の板状の誘電体1を介在させて互いに対向して配置されて、かつ、電気的に結合する略々ループ状の第一の配線パターン200と第二の配線パターン300とから構成されている。第一の配線パターン200は、誘電体1の上面に設けられ、第二の配線パターン300は、誘電体1の下面に設けられている。また、第一の配線パターン200は、隣接して設けられた2つの端子(端子Aおよび端子C)を有するとともに、それらの端子AおよびCを接続するための第1の線路パターン2を有している。第1の線路パターン2は、図1に示すように、一箇所に開口(切れ目)を有したC字型の略々円形のループ状に形成されている(図7参照)。また、第二の配線パターン300は、隣接して設けられた2つの端子(端子Dおよび端子F)を有するとともに、それらの端子DおよびFを電気的に接続するための第2の線路パターン3を有している。第2の線路パターン3は、図1に示すように、一箇所に開口(切れ目)を有したC字型の略々円形のループ状に形成されている(図7参照)。
図3は、この発明の実施の形態2に係るバランの構造を示す平面図および側面図である。図3の構成においては、図1における端子A、C間に接続される第一の伝送線路4を不平衡モードで信号を伝播するマイクロストリップ線路11からなる不平衡線路とし、マイクロストリップ線路11の主線路12を端子Aに接続し、誘電体1の下面に設けられた不平衡線路のグランド導体であるグランド13を端子Cに接続する構成としている。なお、グランド13と端子Cとの接続は、誘電体1を貫通して設けられたビア14等を用いて行うことができる。他の構成については実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
図4は、実施の形態2の変形例のバランの構造を示す平面図および側面図である。図4の構成においては、図1における端子A、C間に接続される第一の伝送線路4部分を不平衡モードで信号を伝播するコプレナ線路15とし、コプレナ線路15の主線路16とグランド17とをそれぞれ端子Aおよび端子Cに接続する構成としている。主線路16およびグランド17とは共に誘電体1の上面に設けられ、互いに絶縁されている。また、図1においては、第2の伝送線路6及び第3の伝送線路7を誘電体1の下面に設ける例を示したが、その場合に限らず、図4に示すように、第2の伝送線路6及び第3の伝送線路7を誘電体1の上面に設けるようにしてもよい。なお、その場合には、第2の線路パターン3と第2の伝送線路6及び第3の伝送線路7との接続は、それぞれ、誘電体1を貫通して設けられたビア14等を用いて行うことができる。また、この場合には、小型化を図るため、グランド導体5を複数のブロックに分割して所定隙間を介して互いに離間させて配置させ、それらのブロック間の当該隙間に第2の伝送線路6及び第3の伝送線路7を配置させるようにする。また、グランド導体5の各ブロック間は配線パターンにより接続する。他の構成については、実施の形態1または2と同じであるため、ここでは説明を省略する。
図5は、この発明の実施の形態4に係るバランの構造を示す平面図および側面図である。図5の構成においては、図1における端子A、C間に接続される第一の伝送線路4部分を、平衡モードの信号を伝播する差動伝送線路18とし、差動伝送線路18を構成している互いに対向する2つの線路をそれぞれ端子Aおよび端子Cに接続する構成としている。このように、本実施の形態4に係るバランにおいて、入力端子A、Cを、上述したマイクロストリップ線路やコプレナ線路等の不平衡モードの信号を伝播する線路ではなく、平衡モードの信号を伝播する2つの差動伝送線路18にそれぞれ接続するようにすれば、端子D、端子Fにて逆相の信号に分配させるバランも実現可能である。なお、他の構成については、上記の実施の形態1〜3のいずれかと同じであればよいため、ここでは説明を省略する。
図6は、この発明の実施の形態5に係るバランの構造を示す平面図および側面図である。本実施の形態5においては、図6に示すように、第1の線路パターン2と第2の線路パターン3との間の対向する部分を、所定間隔で、容量性素子19で接続している。図6の例では、6個の容量性素子19が設けられている。各容量性素子19は、台形形状を有している。容量性素子19を付加することにより、遅延線路が形成され、実行的な波長が短くなり、回路を小型にできる。他の構成については、上記の実施の形態1〜4のいずれかと同じであればよいため、ここでは説明を省略する。
図7は、この発明の実施の形態6に係るバランの構造を示す概念図である。図7では、誘電体1(図示省略)を2枚積層して、多層誘電体基板を3層構造として、第1層と第3層に、実施の形態1等で説明した第1の線路パターン2を形成し、2枚の誘電体1で挟まれた第2層に、同じく実施の形態1等で説明した第2の線路パターン3を形成している。このように、本実施の形態6においては、第1の線路パターンと第2の線路パターンの少なくともいずれか一方を、他方を介在させて2層以上積層する構成としたので、これにより、第1の線路パターン2と第2の線路パターン3との間で構成されるサスペンデッド伝送線路の特性インピーダンスをより小さくすることが可能となる。なお、図6の例においては3層の場合について示したが、その場合に限らず、3層以上の場合にも適用することもできる。他の構成については、上記の実施の形態1〜5のいずれかと同じであればよいため、ここでは説明を省略する。
本実施の形態7のバランでは、例えば上記の図1の構成において、第1の線路パターン2と第2の線路パターン3で形成されるサスペンデッド伝送線路の長さ2Lを所望周波数においてほぼ1/2波長としている。特に、負荷ZS、ZLが抵抗負荷である場合、2Lを1/2波長としてインピーダンス整合が可能である。例えば、ZS=ZL=50ohmの場合を考えると、上記の式(8)、(9)から、L=λ/4とし、かつ、Zo=35.4ohmとすると、インピーダンス整合が可能なことがわかる。他の構成については、上記の実施の形態1〜6のいずれかと同じであればよいため、ここでは説明を省略する。
Claims (6)
- 略々板状の誘電体と、
上記誘電体を介在させて互いに対向して配置され、電気的に接続される第一の配線パターンと第二の配線パターンと、
第一、第二、第三の伝送線路として上記誘電体に設けられた3つの伝送線路と
を備え、
上記第一の配線パターンは、第1および第2の端子と、それらの端子間を接続するループ状の第1の線路パターンとから構成され、
上記第二の配線パターンは、第3および第4の端子と、それらの端子間を接続するループ状の第2の線路パターンとから構成され、
上記第一の配線パターンの第1および第2の端子は、上記第二の配線パターンの上記第2の線路パターンのほぼ中央部に相当する位置近傍に配置され、
上記第二の配線パターンの第3および第4の端子は、上記第一の配線パターンの上記第1の線路パターンのほぼ中央部に相当する位置近傍に配置され、
上記第1および第2の端子とで上記第一の伝送線路の入力端子を形成し、
上記第3の端子は、上記誘電体に設けられたグランド導体との間で上記第二の伝送線路の第一の出力端子を形成し、
上記第4の端子は、上記グランド導体との間で上記第三の伝送線路の第二の出力端子を形成し、
上記第1の線路パターンのほぼ中央部と上記第二および第三の伝送線路のグランド導体とを電気的に導通させたことを特徴とするバラン。 - 上記第一の伝送線路は、不平衡信号が伝播する不平衡線路から構成され、上記第1の端子は上記不平衡線路の主導体に接続し、上記第2の端子は上記不平衡線路のグランド導体に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のバラン。
- 上記第一の伝送線路は、平衡信号が伝播する平衡線路から構成され、上記第1および第2の端子は上記平衡線路を構成する2つの線路導体のそれぞれに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のバラン。
- 上記第1の線路パターンと上記第2の線路パターンとの間の対向する部分で、かつ、所定の箇所を、容量性素子で接続したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバラン。
- 上記第1の線路パターンと上記第2の線路パターンの少なくともいずれか一方を、他方および上記誘電体を介在させて、2層以上積層させた構成としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバラン。
- 上記第1の線路パターンと上記第2の線路パターンとで形成される伝送線路の長さを所望周波数においてほぼ1/2波長としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のバラン。
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