JP2004274172A - バルン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不平衡側配線膜14と平衡側配線膜10を層間絶縁膜12を介して積層して、その両配線膜14・10間の電磁結合を積層方向(バランの厚み方向)に離間させて行うようにする。更に、駆動周波数を調整するキャパシタとして、外付けのコンデンサチップではなく、薄膜技術を駆使してバラン内部に形成したキャパシタ22aを用いると良い。また更に、不平衡側配線膜14と平衡側配線膜10との層間絶縁膜12を介して対向する電磁結合部分16をメアンダ状乃至渦巻き状にすると良い。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルン、特に、小型化されたバルンに関する。
【0002】
【従来の技術】
バランは不平衡伝送系と平衡伝送系との間に設けられて不平衡モードから平衡モードへモード変換をするもので、アンテナが平衡励振し、本来の動作を正常に行うことができるようにするものであり、更には、インピーダンス変換をも行い得る。
参照文献1:電子情報通信学会編「アンテナ工学ハンドブック」株式会社オーム社発行(平成13年1月25日第1版第11刷発行)第242頁
参照文献2:「新アンテナ工学」新井宏之著、総合電子出版社発行(2001月9月10日第3版)第136〜138頁
【0003】
そして、GHz(ギガヘルツ)対応のバランとして、多層配線形成技術を駆使して製造したものがあり、図6(A)〜(C)は配線基板等からなるバランの従来例の一つを示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図である。尚、同図において、Xは横方向、Yは縦方向、Zは垂直方向である。
aは第1の絶縁層、bは該第1の絶縁層b上に形成されたアース配線膜(マイクロストリップライン)で、アース(グランド)ラインを成す。cは該アース配線膜b上を含め上記第1の絶縁層b上を覆う第2の絶縁層、dは該第2の絶縁層c上を覆う第3の絶縁層、eは該第3の絶縁層d及び第2の絶縁層cにそれを貫通し上記アース配線膜b表面に接続されるように形成されたスルーホール(或いはビアホール)である。
【0004】
fは上記第3の絶縁層d上に形成された平衡側配線膜(マイクロストリップライン)で、不平衡線路を成す。該不平衡側配線膜fは一端が不平衡線路の端子Port1となり、他端乃至その近傍が上記スルーホールeを介して上記アースラインを成すアース配線膜bに電気的に接続されている。gは上記第3の絶縁層d上に形成された第3の配線膜(マイクロストリップライン)で、平衡線路を成し、上記不平衡側配線膜と近接して平行に対向する対向部分hと、その両端に一体に形成され、該対向部分hを第2の端子Port2、第3の端子Port3に導く導出部分i、jとにより略ループ状に形成されている。
【0005】
kは駆動周波数調整用のキャパシタで、外付けのコンデンサからなり、上記第3の配線膜gの上記導出部分i・j間に接続されており、該キャパシタkの静電容量を変えることによりバルンの動作周波数を変えることができる。
【0006】
このようなバルンによれば、不平衡線路の端子Port1から上記不平衡側配線膜fに入力された高周波信号は、該配線膜fと上記第3の配線膜gとの平行に対向する対向部分での電磁結合により、Port2から見たその第3の配線膜gにおける電流分布が山となり、Port3から見たその第3の配線膜gにおける電流分布が谷となり、位相がPort2とPort3とで180度異なる、即ち、反転する。それによって平衡モードを不平衡モードにモード変換する作用を、つまり、バランとしての作用をするのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示すようなバランには、第1に、平衡側配線膜fと第3の配線膜gとが同一平面上に形成された銅層の配線膜なので、その配線膜f・g間の間隔を狭くすることが制約され、充分に狭くすることが難しいという問題があった。
というのは、隣接配線膜の間隔を狭くすることは、配線を形成するリソグラフィ技術の精度により制約され、限界があり、そして、配線膜f・g間の間隔が広い程、平衡側配線膜fと第3の配線膜gとの平行に対向する対向部分での電磁結合の結合度が弱くなり、バランによる挿入損が大きくなるからである。
【0008】
第2に任意の周波数帯域の高周波信号を受信するようにすることが容易ではないという問題があった。
即ち、上記不平衡側配線膜fと、平衡側配線膜gとの対向する部分、即ち電磁結合部分が直線状であり、更に、受信周波数帯域を調整する外付けのコンデンサが必要なので、両配線膜fとgとに互いに平行になる部分を設けて更に配線膜gにはそこhから端子Port2、3に信号を導く部分を設けてループ状に形成し、その端子Port2、3に導く部分にそのキャパシタを成す外付けのコンデンサを接続する必要があった。
従って、バランの長さ、幅を小さくすることが難しく、その長さ、幅を小さくすることが制約されることによってバランを小さくすることが制約され、延いては受信周波数が制約されてしまうのである。
【0009】
第3に、バランには、一般に駆動周波数を調整するためにキャパシタが必要となるが、従来においてはそのキャパシタとして外付けのコンデンサを用いたことによる問題があった。
即ち、平衡側配線膜fと、第3の配線膜gの端子Port2、3に近傍にあたるところに接続して用いていたが、しかし、小型とは言え外付けのコンデンサは数GHz〜数十GHzの高周波信号を受信するバランに用いると、コンデンサ接続用配線膜等による寄生容量が増えて損失が大きくなり、位相特性が悪化する等の問題があったのである。
【0010】
本発明はこのような問題点を解決すべく為されたものであり、不平衡線路と平行線路との間隔を狭くしてその間の電磁結合度を高めることができ、延いては挿入損が小さく、また、小型化が容易で、キャパシタ接続による寄生容量の増加が少なく、位相特性の良好なバルンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1のバルンは、不平衡側配線膜と平衡側配線膜を層間絶縁膜を介して積層して、その両配線膜間の電磁結合を積層方向(バランの厚み方向)に離間させて行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
従って、請求項1のバルンによれば、層間絶縁膜の厚みを以て不平衡側配線膜と平衡側配線膜間の間隔とすることができ、その間隔を、一つの平面上に離間して両配線膜を形成した場合における配線膜間の間隔よりも狭くすることができる。
依って、電磁結合度をより強くすることができ、バランによる挿入損を小さくすることができる。
【0013】
また、不平衡側配線膜と平衡側配線膜を層間絶縁膜を介して重ねるので、その重ねた部分においてはその二つの配線膜が同じ面積を専有し、その分、従来よりもバランの面積を狭めることができる。
依って、バルンの小型化、軽量化を図ることができる。
そして、今後、IC(半導体集積回路)がSOC(System On Chip)化され、IC側では差動入出力が増える傾向にあるので、平衡モードと不平衡モードとの間のモード変換の必要性が増えることが予想され、バランの更なる需要が期待されるが、本発明バルンによれば、その需要に充分に応えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、基本的には、不平衡側配線膜と平衡側配線膜を層間絶縁膜を介して積層して、その両配線膜間の電磁結合を積層方向(バランの厚み方向)に離間させて行うようにしたものであるが、駆動周波数を調整するキャパシタとして、外付けのコンデンサチップを用いるようにしても良いが、薄膜技術を駆使してバラン内部に形成したキャパシタを用いるようにするとより良い。
【0015】
というのは、外付けのコンデンサは大きいので、その接続ができるように不平衡側配線膜と平衡側配線膜の形状を略ループ状に引き回した形状にし、更に、その配線膜間を大きくせざるを得なくなるのに対して、薄膜による内部キャパシタは、専有面積が狭くても誘電体となる膜を薄く形成することが薄膜技術によって容易に為し得るので、所要の静電容量を得ることが容易であるからである。
従って、その接続ができるように不平衡側配線膜と平衡側配線膜の形状、大きさについての制約が小さい。従って、キャパシタの配線膜への接続のために大きく配線を引き回す必要がなくなり、寄生容量も小さくすることができ、特性を良くすることができる。
【0016】
また、不平衡側配線膜と平衡側配線膜の層間絶縁膜の対向して電磁結合する部分はメアンダ状或いは渦巻き状にするようにしても良い。電磁結合する部分を所要の長さにするために必要な専有面積をより狭くすることができるからである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説明する。
(第1の実施例)
図1(A)〜(C)は本発明バルンの第1の実施例を示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図である。
【0018】
図面において、2はバルン、4は第1の絶縁層、6は該第1の絶縁層4の表面に選択的に形成されたアース配線膜、8は該アース配線膜4上を含め上記第1の絶縁層4上に形成された第2の絶縁層、10は該第2の絶縁層8の表面に選択的に形成された平衡側配線膜で、略ループ状を成している。即ち、図6に示した従来のバルンの配線膜gと略同じ形状を有している。10aは該平衡側配線膜10の端子Port2と接続された一端部、10bの端子Port3と接続された他端部である。
【0019】
12は上記平衡側配線膜10上を含め上記第2の絶縁層8上に形成された第3の絶縁膜で、10〜30μmの厚さを有している。14は該第3の絶縁膜12上に選択的に形成された不平衡側配線膜で、本実施例では直線状に形成されている。16は電磁結合部分で、該不平衡側配線膜14と上記平衡側配線膜10とが上記第3の絶縁膜12を介して対向せしめられている。
不平衡側配線膜14の一端が不平衡配線路の端子Port1を成し、該不平衡側配線膜14の他端部近傍が、第3、第2の絶縁膜12、8を貫通するスルーホール(或いはビアホール)18を介して上記アース配線膜6に接続されている。
【0020】
20,20は第3の絶縁膜12を貫通するように形成されたスルーホール(或いはビアホール)で、上記平衡側配線膜10の端部10a、10bと、外付けのコンデンサ22の電極とを接続する。
【0021】
このようなバルン2によれば、第3の絶縁膜12の厚みを以て不平衡側配線膜14と平衡側配線膜間10との間隔とすることができ、その間隔を、一つの平面上に離間して両配線膜を形成した場合における配線膜間の間隔よりも狭くすることができる。
依って、電磁結合度をより強くすることができ、バランによる挿入損を小さくすることができる。
また、不平衡側配線膜14と平衡側配線膜10を第3の絶縁膜12を介して重ねるので、その重ねた部分16においてはその二つの配線膜14・10が同じ面積を専有し、その分、従来よりもバランの面積を狭めることができる。
依って、バルンの小型化、軽量化を図ることができる。
【0022】
(第2の実施例)
図2(A)〜(D)は本発明バルンの第2の実施例2aを示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図、(D)は薄膜からなるキャパシタ、具体的にはTaOキャパシタを示す縦断面図である。
本実施例2aは、第1の実施例2とは、第1に、駆動周波数調整用のキャパシタとしてバルン内部に形成した薄膜からなるキャパシタ、具体的にはTaOキャパシタ22aを用いている点で異なる。
【0023】
第2に、不平衡側配線膜14と平衡側配線膜10との絶縁層12を介して対向する電磁結合部分16aがメアンダ状に形成されているという点でも異なる。
また、第2の絶縁層8として異なる三層の絶縁膜8a、8b、8cを積層したものを用いるという点でも相違しているが、充分な厚さを確保するためであり、本質的ではない。尚、これら以外の点では本実施例2aは第1の実施例2とは本質的に異なるところはない。
【0024】
先ず、第1の相違点である、駆動周波数調整用キャパシタとしてバルン内の薄膜によるキャパシタ22aを用いるという点について説明する。
該キャパシタ22aは、例えば一方の電極となる銅からなる配線膜24a上に、窒化タンタル(TaN)膜24bを形成し、該窒化タンタル膜24bの表層部を陽極酸化して誘電体を成す酸化タンタル(TaO)膜24cを形成し、該酸化タンタル膜24c上に該キャパシタ22aの他方の電極を成す銅からなる配線膜24dを形成したものである。
【0025】
キャパシタ22aの一方の電極を成す配線膜24aは平衡側配線膜10の一端部10aと接続され、他方の電極を成す銅配線膜24dはスルーホール(或いはビアホール)26を介して中継配線膜14aに接続されている。そして、該中継配線膜14aはスルーホール(或いはビアホール)28を介して平衡側配線膜10の他端部10bに接続されている。従って、キャパシタ22aは平衡側配線膜10の両端部10a・10b間に接続されているのである。尚、中継配線膜14aは不平衡側配線膜14と同時に形成され同じ層を成す配線膜である。
【0026】
このようなバルン2aによれば、図1に示したバルン2の持つ上記利点を有するのみならず、次の利点をも有する。
即ち、第1に、駆動周波数調整用の付けのコンデンサチップではなく、薄膜技術を駆使してバラン内部に形成したキャパシタを用いるようにしたので、誘電体となる膜を薄く形成することが薄膜技術によって容易に為し得る。従って、専有面積が狭くても所要の静電容量を得ることが容易になるのである。
【0027】
依って、平衡側配線膜の形状、大きさについてのキャパシタ22aを接続するために必要となる制約が小さく、小型化、軽量化が容易である。更に、キャパシタ22aの接続のための配線膜による寄生容量を小さくすることができるので、位相特性を改良することができるのである。
【0028】
第2に、不平衡側配線膜14と平衡側配線膜10の絶縁膜を介して対向して電磁結合する部分16aはメアンダ状にしたので、電磁結合する部分を所要の長さにするために必要な長さをより短く、専有面積をより狭くすることができる。
【0029】
(変形例)
図3(A)、(B)は電磁結合部分の平面形状の各別の変形例16b、16cを示す平面図である。図3(A)に示す電磁結合部分16bはメアンダ状で、曲折を図2に示すバルンの電磁結合部分16aよりも多くした例を示し、図3(B)に示す電磁結合部分16bは渦巻き状にした例を示す。このようにメアンダ状或いは渦巻き状にすることにより長さ、幅、面積が限られたバルン内において電磁結合部分の実効長を必要な長さにすることが容易に為し得る。具体的には、小さいバルンで低い周波数を受信できるようにすることが容易に為し得る。
【0030】
(第3の実施例)
図4(A)〜(D)は本発明バルンの第3の実施例2bを示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図、(D)は抵抗、キャパシタの平衡−不平衡終端変換図であり、本実施例2bの意義を説明するためのものである。
本実施例2bは、第2の実施例2aとは、駆動周波数調整用のキャパシタとして薄膜からなるキャパシタ、具体的にはTaOキャパシタを2個22a、22b用いるようにした点で異なるが、それ以外の点では共通する。そこで、相違する点についてのみ説明する。
【0031】
本実施例2bにおいては、平衡側配線膜10の一端部10aとアース配線膜6との間にキャパシタ22aが、他端部10bと該アース配線膜6との間に該キャパシタ22aと同じ静電容量のキャパシタ22bが接続されている。
26a、26bはキャパシタ22a、22bの上側電極を上に引き出すスルーホール(或いはビアホール)、14a、14bはそのスルーホール(或いはビアホール)26a、26bと接続された中継配線膜で、平衡側配線膜10と同時に形成された同層の配線膜である。30a、30bは該配線膜14a、14bとアース配線膜6との間を接続するスルーホール(或いはビアホール)である。
【0032】
従って、キャパシタ22a、22bの上側電極は、その配線膜14a、14b及びスルーホール(或いはビアホール)30a、30bを介してアース配線膜6に電気的に接続される。尚、キャパシタ22a、22bの下側電極は平衡側配線膜10の端部10a、10bに接続されている。
依って、平衡側配線膜10の一端部10aとアース配線膜6との間にキャパシタ22aが、他端部10bと該アース配線膜6との間に同じ容量のキャパシタ22bが接続されるのである。
【0033】
このように、キャパシタ22a、22bを設けるのは、位相特性が悪くなるおそれをなくすためである。
即ち、図1、図2に示すような実施例2、2aによれば、平衡側配線膜10の両端部Port2・3間にキャパシタ22或いは22aを接続したので、周波数によっては充分に位相差を取れないような位相特性になる可能性がある。
そこで、図4(D)に示すように、平衡線路を終端した場合、不平衡線路で終端したと等価とみなすことができ、平衡線路を個々の線路としてみた場合、平衡側の抵抗Rは不平衡線路では2分の1の抵抗(R/2)に、平衡側のキャパシタの静電容量Cは不平衡側では2倍の静電容量(2C)になる。
【0034】
従って、本実施例2bにおけるように、平衡側配線膜10の両端部Port2・3各々と、アース配線膜6との間に独立してキャパシタ22a、22bを接続すると、位相特性の相互影響が少なくなる。
依って、位相特性が悪くなるおそれをなくすことができるのである。
【0035】
図5(A)、(B)は図6に示した従来例と、本発明バランの第3の実施例とについて特性を比較するもので、(A)は反射特性及び透過特性を示し、(B)は位相特性を示す。
尚、図5において従来例としたところのバルンは、図6に示したものであるが、D(:不平衡側配線膜fと平衡側配線膜hとの間隔)が100μm、W(:不平衡側配線膜f及び平衡側配線膜hの線幅)が100μm、Waが1075μm、Wbが300μm、Wc(:平衡側配線膜両端部i・j間の間隔)が650μm、L(:不平衡側配線膜と平衡側配線膜との対向する部分の長さ)が2800μmである。
【0036】
また、図5において本発明とは、基本的に図4に示したもの(第3の実施例)であり、W(:線幅)が100μm、WL(:メアンダ状の隣接配線間の間隔)が150μm、Lが460μmである。
そして、駆動周波数調整用のキャパシタk、22a、22bは中心周波数が2.45GHzとなるように静電容量が調整されている。
【0037】
この図5から明らかなように、従来例によれば、2.4Ghz付近では反射が約−1.0dB、透過が約−7.4dBと非常に悪く、整合回路が必要となるが、本発明の第3の実施例によれば、2.4Ghz付近では反射が約−23.3dB、透過が約−1.3dBと非常に良く、整合回路を必要としない。
また、位相特性について述べると、低い周波数では位相差が178.3°であるのに対して本発明の場合、位相差が178.7°となり、本発明による方が位相差が小さい。
【0038】
しかし、3.5GHz以上の周波数に対しては10°以上になり、周波数の違いによる位相差の変化が激しくなる。
それに対して、本発明によれば、6GHz迄極めてフラットな位相差特性になり、バランとして好ましく、サイズも小型化が容易である。
【0039】
【発明の効果】
請求項1のバルンによれば、層間絶縁膜の厚みを以て不平衡側配線膜と平衡側配線膜間の間隔とすることができ、その間隔を、一つの平面上に離間して両配線膜を形成した場合における配線膜間の間隔よりも狭くすることができる。
依って、電磁結合度をより強くすることができ、バランによる挿入損を小さくすることができる。
また、不平衡側配線膜と平衡側配線膜を層間絶縁膜を介して重ねるので、その重ねた部分においてはその二つの配線膜が同じ面積を専有し、その分、従来よりもバランの面積を狭めることができる。
依って、バルンの小型化、軽量化を図ることができる。
【0040】
請求項2のバルンによれば、不平衡側配線膜と平衡側配線膜の層間絶縁膜を介して対向する対向部分(電磁結合部分)の平面形状がメアンダ或いは渦巻き状に曲折された形状なので、電磁結合する部分を所要の長さにするために必要な専有面積をより狭くすることができ、受信周波数帯域を低い側に拡げることがバルンサイズを大きくすることなく為し得る。
【0041】
請求項3のバルンによれば、平衡側配線膜の不平衡側配線膜との対向部分の両端からの食み出し部分間にキャパシタが接続されてなるので、該キャパシタによりバルンの駆動周波数を調整することができる。
請求項4のバルンによれば、平衡側配線膜の両端部各々と、アース配線膜6との間に独立してキャパシタを接続したので、位相特性の相互影響が少なくなる。
従って、位相特性が悪くなるおそれをなくすことができる
【0042】
請求項5のバルンによれば、キャパシタとして上記層間絶縁膜内にて複数層の薄膜を積層してなるものを用いたので、キャパシタの専有面積を広くすることなく誘電体となる膜を薄く形成することによって所要の静電容量を得ることが容易となる。
また、キャパシタと平衡側配線膜とを電気的に接続するための該配線膜の形状、大きさについての制約が小さい。従って、キャパシタの配線膜への接続のために大きく配線を引き回す必要がなくなり、寄生容量も小さくすることができ、特性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は本発明バルンの第1の実施例を示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図である。
【図2】(A)〜(D)は本発明バルンの第2の実施例を示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図、(D)は薄膜からなるキャパシタ、具体的にはTaOキャパシタを示す縦断面図である。
【図3】(A)、(B)は電磁結合部分の平面形状の各別の変形例を示す平面図である。
【図4】(A)〜(D)は本発明バルンの第3の実施例を示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図、(D)は抵抗、キャパシタの平衡−不平衡終端変換図であり、本実施例の意義を説明するためのものである。
【図5】(A)、(B)は図6に示した従来例と、本発明バランの第3の実施例とについて特性を比較するもので、(A)は反射特性及び透過特性を示し、(B)は位相特性を示す。
【図6】(A)〜(C)は配線基板等の従来例の一つを示すものであり、(A)は平面図、(B)、(C)は各別の角度で切断した縦断面図である。
【符号の説明】
2、2a、2b・・・、6・・・アース配線膜、10・・・平衡側配線膜、10a、10b・・・平衡側配線膜の端部、12・・・層間絶縁膜、14・・・不平衡側配線膜、16・・・不平衡側配線膜と平衡側配線膜とが対向する部分(電磁結合部分)、22・・・外付けコンデンサ、22a、22b・・・薄膜からなるキャパシタ(TaOキャパシタ)。
Claims (5)
- 層間絶縁膜を介して積層された不平衡側配線膜と平衡側配線膜を少なくとも有し、
上記不平衡側配線膜は、一端が一方の不平衡入力端とされ、他端が接地されて他方の不平衡入力端とされ、
上記平衡側配線膜は、上記不平衡側配線膜と上記層間絶縁膜を介して対向する対向部分と、該対向部分の両側にそこから一体に食み出すように形成され平衡出力端に接続された食み出し部分からなる
ことを特徴とするバルン。 - 前記不平衡側配線膜と前記平衡側配線膜の前記層間絶縁膜を介して対向する前記対向部分の平面形状がメアンダ或いは渦巻き状に曲折された形状である
ことを特徴とする請求項1記載のバルン。 - 前記食み出し部分間にキャパシタが接続されてなる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバルン。 - 前記平衡側配線膜の一端部と前記接地との間、及び、該平衡側配線膜の他端部と前記接地との間それぞれにキャパシタが接続されてなる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のバルン。 - 前記キャパシタが上記層間絶縁膜内にて複数層の薄膜を積層してなるものである
ことを特徴とする請求項3又は4記載のバルン。
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