JP2008218059A - 燃料電池発電システムを用いた可搬型自立発電装置及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにより長期に亘って電力を供給可能な可搬型自立発電装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】水素と酸素を用いて発電する燃料電池1と、該燃料電池1に前記水素を供給する水素供給手段2と、前記燃料電池1で発電され出力された直流電力を調整する電力調整部3と、前記燃料電池1の出力が任意の値に達するまで外部電源22の電力を用いて駆動させる補機4と、前記燃料電池1の出力電力量が余剰になったときにその余剰電力を処理する余剰電力処置装置23とを有してなり、前記電力調整部3が、直列に接続されたコンバータ11、インバータ12、電路開閉器MC−1、MC−2と、前記補機4と前記外部電源22との接続ラインに介装されている電路開閉器MC−3とを有し、前記電路開閉器MC−3と前記補機4との間の接続ラインと、前記電路開閉器MC−1とMC−2との間の接続ラインとが接続されている構成の発電装置を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、災害地などの系統電源を確保できない場所に燃料電池システムを用いて長期に亘って電力を供給することのできる可搬型自立発電装置及びその運転方法に関するものである。
災害地などの送電線による電力(系統電源)の供給を受けられない場所で自立電源を確保するためには、従来、液体燃料を用いた小型発電装置を用いることが主体であった。しかしながら、これらの小型発電装置は、長期間に亘り十分な電力を供給するには適しておらす、災害の復旧に供するには、不十分であった。
一方、近年、長期間に亘って自立的に電力を供給することのできる発電装置として、燃料電池システムを用いた発電装置が開発され始めている(例えば、特許文献1)。
前記特許文献1を始めとして現在開発されている燃料電池システムを用いた発電装置の基本的構成は図4に示すようになっている。
すなわち、現在開発されている燃料電池システムを用いた発電装置は、基本構成として、水素と酸素を供給されることにより発電する燃料電池(FC)1と、該燃料電池1に燃料ガス(改質ガス:水素)を供給する改質器2と、前記燃料電池1で発電され出力された直流電力を調整する電力調整部3と、前記燃料電池1の発電出力が定格値に達するまで不図示の系統電源からの電力を用いて駆動させる補機4と、前記燃料電池1の出力電力量が余剰になったときにその余剰電力を蓄電する二次電池5とを有する。
前記改質器2には、原料ガス6と水7とが供給され、これらを原料として改質が行われて、水素ガス(H2)8が導出される。この水素ガス8が燃料ガスとして前記燃料電池1に供給されるとともに、酸素ガス源として空気(エアー)9が供給される。燃料電池1内で消費された後の排ガスは改質器2に循環して再利用され、エアーの残りは、外気に排出される。
燃料電池1で発電されて得られた直流電力10は、前記電力調整部3に送られる。電力調整部3は、直列に接続されたコンバータ11、インバータ12、電路開閉器MC−1、MC−2とを有している。前記コンバータ11とインバータ12との接続ラインには前記バッテリー5からの接続ラインが接続されている。また、前記電路開閉器MC−1とMC−2との接続ラインには前記補機4からの接続ラインが接続されている。前記電路開閉器MC−2の終端からは、調整後の交流電力が、電気配線を介して照明装置、暖房装置、冷房装置などの電力負荷13に供給される。
前記構成の燃料電池システムを用いた発電装置により給電を開始し、燃料電池1の出力が開始されるまでは、図5に示すようなステップにて制御が実行される。
まず、前記電路遮断器MC−1が閉じられる(ステップ1)。
燃料電池(PEFC)発電システムが起動され、この起動に要する補機4への電力は不図示の系統電源から供給される。
前記電力調整部21起動指令により燃料電池1の発電が開始される。この状態では、インバータ12、コンバータ11がともに作動されるとともに、電路遮断器MC−2が閉じられ、二次電池5の充放電が適宜に制御され、電力負荷13への電力供給が開始される(ステップ2)。
このように、現在開発されている燃料電池システムを用いた発電装置は、家屋等の固定施設に連系型の電源として設置することを念頭において設計されており、燃料電池1の出力が定格値に到るまでの立ち上がり期間に駆動される補機4は電力会社からの系統電源を使用している。すなわち、従来の燃料電池システムを用いた発電装置は、送電線により供給される電源を使用することを前提としての設計になっており、災害地などの固定的電源の確保が不可能な場所へ搬送して使用することは考慮されていない。
また、前記従来の燃料電池システムを用いた発電装置では、燃料電池1の出力が余剰になった場合、その余剰分を二次電池5によって蓄える構成となっている。二次電池は、その電気化学的システム上、充放電を繰り返すことにより、経時的にその蓄電容量が低下して行き、ある時点を過ぎると、蓄電容量が激減してしまう。そのため、発電装置の当初の設計では、余剰電力の蓄積を十分に確保できていたものが、経時的に余剰電力の蓄積が不十分になり、その時点で、二次電池の交換あるいは運転プログラムの変更が必要になり、運転コストの増加が余儀なくされるという問題点が発生する。この問題点は、発電装置が傾倒連系型である場合でも、完全自立型である場合でも、同様に解決が望まれる問題点である。
特開2005−203145号公報
従って、本発明の課題は、災害地などの固定的補助電源を確保することのできない場所(現地)へトラックやヘリコプターなどの移動体に載置し、現地にて長期に亘って自立的に電力を供給することのできる可搬型の長期自立発電装置及びその運転方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置は、水素と酸素を供給されることにより発電する燃料電池と、該燃料電池に前記水素を供給する水素供給手段と、前記燃料電池で発電された直流電力を調整する電力調整部と、前記燃料電池の発電出力が定格値に達するまで外部電源の電力を用いて駆動させる補機4と、前記燃料電池1の出力電力量が余剰になったときにその余剰電力を処理する余剰電力処理装置とを有してなり、前記電力調整部は、直列に接続されたコンバータ、インバータ、電路開閉器MC−1、MC−2と、前記補機4と前記外部電源21との接続ラインに介装されている電路開閉器MC−3とを有し、前記電路開閉器MC−3と前記補機4との間の接続ラインと、前記電路開閉器MC−1とMC−2との間の接続ラインとが接続されていることを特徴とする。
なお、前記水素供給手段としては、従来の燃料電池システムでのように改質器が望ましくは使用されるが、水素ボンベのように水素を供給可能であるものであれば、特に限定されない。
本発明の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置は、トラック、ヘリコプターなどの移動手段に載置されて使用されることが好ましい。その場合、前記外部電源として移動手段の二次電池を用いてもよい。
本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の運転方法は、前記請求項1又は2に記載の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の運転方法であって、前記補機に外部電源を接続し、前記電路遮断器MC−3を閉じるステップ1と、前記コンバータを作動させ、燃料電池の発電を開始し、余剰電力処理装置への出力を制御するステップ2と、前記燃料電池の出力が前記補機の動力を上回っているか否かを判定するステップ3と、前記燃料電池の出力が補機の動力を上回っていることが判定された後、インバータを作動させ、電路開閉器MC−1を閉じ、電路開閉器MC−3を開くステップ4と、前記燃料電池1の出力が任意の出力に達したら、電路遮断器MC−2を閉じて前記電力負荷への電力供給を開始するステップ5とを有することを特徴とする。
コンバータとインバータ間の電圧が目標電圧となるように余剰電力装置への出力を制御する。
本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置及びその運転方法は、災害地などの固定的補助電源を確保することのできない場所(現地)へトラックやヘリコプターなどの移動体に載置し、現地にて長期に亘って自立的に電力を供給することができる。
以下に、本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置及びその運転方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明を説明するための好適な例示であって、なんら本発明を限定するものではない。
図1に本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の一実施例の概略構成を示す。図1において、図4と同一構成要素には同一符号を付して説明を簡略化する。
本実施例の可搬型自立発電装置20は、水素8と酸素(エアー)9が供給されることにより発電する燃料電池1と、該燃料電池1に前記水素8を供給する改質器(水素供給手段)2と、前記燃料電池1で発電され出力された直流電力を調整する電力調整部21と、前記燃料電池1の発電出力が定格値に達するまで可搬型外部電源22の電力を用いて駆動させる補機4と、前記燃料電池1の出力電力量が余剰になったときの余剰電力処理装置としてその余剰電力を湯として蓄積する貯湯槽23とを有してなる。
なお、この余剰電力処理装置としては、本実施例でのように貯湯という形態で余剰エネルギーを有効利用しても良いし、簡易型の照明装置に用いても良いし、電気ヒータ、フライホイル等により外部に放出するようにしても良い。
前記電力調整部21は、直列に接続されたコンバータ11、インバータ12、電路開閉器MC−1、MC−2と、前記補機4と前記外部電源22との接続ラインL1に介装されている電路開閉器MC−3とを有する。そして、前記電路開閉器MC−3と前記補機4との間の接続ラインL1aと、前記電路開閉器MC−1とMC−2との間の接続ラインL2とが接続ラインL3により接続されている。
前記電路開閉器MC−2の終端からは、調整後の交流電力が、電気配線を介して、災害地などの現地の照明装置、暖房装置、冷房装置などの電力負荷24に供給される。また、燃料電池1の出力に余剰がでた場合には、その余剰分は、貯湯タンク23に湯として蓄えられる。貯湯タンク23は電力を熱エネルギー(湯)に変換して蓄える機構であり、蓄えた湯を消費すれば、常にエネルギー蓄積可能量が当初の100%に復帰される。従って、二次電池のように経時的にエネルギー蓄積可能量が劣下することが無く、経済的である。しかも、発電装置20は可搬型であり、系統連系電源が確保できない災害地などの地域で使用されるため、常に貯湯タンク23内の湯の需要があるので、貯湯タンク23のエネルギー蓄積可能量の低下を心配する必要はない。
前記本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置は、災害地などの系統連系電源の確保が不可能な地域に用いることができるものであるが、そのためには、トラックやヘリコプターなどの移動体に載置される。例えば、移動体としてトラックに載置する場合は、図2に示すように、トラック25の荷台に本発明の可搬型自立発電装置20を載置し、その補機4を駆動するための外部電源22としてトラック25に内蔵の二次電池25aを用いることができる。
前記移動体により災害地などの現地に到着した後、本発明の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置により給電を開始し、燃料電池1の出力が開始されるまでは、図3に示すようなステップにて制御が実行される。
まず、前記電路遮断器MC−3が閉じられる(ステップ1)。
燃料電池(PEFC)発電システムが起動され、この起動における補機4への電力は前述のようにトラック(移動体)25の内蔵二次電池などの外部電源22から供給される。
前記電力調整部21起動指令により燃料電池1の発電が開始される。この状態では、コンバータ11が作動され、貯湯タンク23内の発熱体への出力が適宜に制御される(ステップ2)。
続いて、燃料電池1の出力が補機4の動力を上回っているか否かが検出される(ステップ3)。
燃料電池1の出力が補機4の動力を上回っていることが検出されると、インバータ12が作動され、電路開閉器MC−1が閉じられ、電路開閉器MC−3が開かれる(発電開始指令がON:ステップ4)。
次に、前記燃料電池1の発電出力が所定の定格出力となるまでの時間がタイマー設定される(ステップ5)。
燃料電池1の出力が定格出力に達したら、前記タイマー設定により電路遮断器MC−2が閉じられ、現地の電力負荷24への電力供給が開始される(ステップ6)。
運転を継続している過程で、コンバータとインバータ間の電圧が目標電圧となるように余剰電力装置への出力を制御する。
以上説明したように、本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置及びその運転方法の特徴は、第1に、燃料電池の発電出力が定格値に達するまで駆動させる補機を、移動体(救助用の自動車やヘリコプター等)のバッテリーなどの可搬型外部電源にて駆動する構成を有しているため、災害地などの系統連系電源の確保が不可能な地域にいち早く搬送し、長期に安定した電力を供給することができる点にある。また、第2に、燃料電池で発電した電力の余剰分を蓄えるために使用していたバッテリーを貯湯タンクに代替してバッテリーが持つ欠点(エネルギー蓄積量の経時劣化が早く、交換が頻繁に必要になる。バッテリーの単価は比較的高い)を解消でき、しかも、災害地などにて需要の高い湯を別設備を必要とせずに供給することができる。
以上のように、本発明によれば、災害地などの固定的補助電源を確保することのできない場所(現地)へトラックやヘリコプターなどの移動体に載置し、現地にて長期に亘って自立的に電力を供給することのできる可搬型の長期自立発電装置及びその運転方法を提供することができる。
本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の概略構成を示す図である。 本発明の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置をトラック(移動体)に載置して使用可能とした状態を示す図である。 本発明にかかる燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の運転方法の流れ図である。 従来の系統連系型の燃料電池システムを用いた発電装置の概略構成を示す図である。 従来の系統連系型の燃料電池システムを用いた発電装置の運転方法の流れ図である。
符号の説明
1 燃料電池
2 改質器(水素供給手段)
4 補機
6 原料ガス
7 エアー
8 水素
9 エアー
10 出力電流(発電直流)
11 コンバータ
12 インバータ
20 可搬型自立発電装置
21 電力調整部
22 外部電源
23 貯湯槽(余剰電力処理装置)
24 電力負荷
25 トラック(移動体)
25a 内蔵バッテリー(外部電源)

Claims (4)

  1. 水素と酸素を供給されることにより発電する燃料電池と、該燃料電池に前記水素を供給する水素供給手段と、前記燃料電池で発電され出力された直流電力を調整する電力調整部と、前記燃料電池の発電出力が定格値に達するまで外部電源の電力を用いて駆動させる補機と、前記燃料電池1の出力電力量が余剰になったときにその余剰電力を処理する余剰電力処理装置とを有してなり、
    前記電力調整部が、直列に接続されたコンバータ、インバータ、電路開閉器MC−1、MC−2と、前記補機と前記外部電源との接続ラインに介装されている電路開閉器MC−3とを有し、前記電路開閉器MC−3と前記補機との間の接続ラインと、前記電路開閉器MC−1とMC−2との間の接続ラインとが接続されていることを特徴とする燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置。
  2. 前記外部電源が移動体の内蔵二次電池であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の運転方法であって、
    前記補機に外部電源を接続し、前記電路遮断器MC−3を閉じるステップ1と、
    前記コンバータを作動させ、燃料電池の発電を開始し、余剰電力処理装置への出力を制御するステップ2と、
    前記燃料電池の出力が前記補機の動力を上回っているか否かを判定するステップ3と、
    前記燃料電池の出力が補機の動力を上回っていることが判定された後、インバータを作動させ、電路開閉器MC−1を閉じ、電路開閉器MC−3を開くステップ4と、
    前記燃料電池1の出力が任意の出力に達したら、電路遮断器MC−2を閉じ、前記電力負荷への電力供給を開始するステップ5と、
    を有することを特徴とする燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の運転方法。
  4. コンバータとインバータ間の電圧が目標電圧となるように余剰電力装置への出力を制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムを用いた可搬型自立発電装置の運転方法。
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