図1は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第一実施例を示すブロック図である。図1において、気象庁2は各地には位置された第一情報源4、第二情報源6、・・・・第n情報源8等からの災害情報を情報分析部10に集約し、分析する。なお、第一情報源4等は例えば地震計などからなる。気象庁2は情報分析部10からの分析結果に基づき、エリア別警報発令部12から警報を発令する。発令された警報はテレビやラジオ放送など通常メディアを通じて発表される。 エリア別警報発令部12は、さらに発令したエリア別警報に基づいて対応する警報アナウンスデータを作成する。作成される警報アナウンスデータは、例えば「津波警報が発令されました。北海道太平洋沿岸の津波の到達予想時刻は11時50分です。」、「津波警報が発令されました。青森県太平洋沿岸の津波の到達予想時刻は11時55分です。」、「津波警報が発令されました。岩手県沿岸の津波の到達予想時刻は12時30分です。」という警報アナウンスのデータで、上記のようにエリア毎にその内容が異なっている。なお、これらの警報アナウンスデータは、それぞれ、例えば「津波警報が発令されました。」、「北海道太平洋沿岸の」、「津波の到達予想時刻は」、「11時50分です。」というように複数の項目にユニット化されている。
このようにアナウンスを複数項目にユニット化する第一の理由は、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)によりエンコードしたデータの損傷対策である。つまり、ADPCMエンコードしたデータが通信途中やデコード時に損傷すると、損傷箇所以降のデコードができなくなる。これに対し、一連のアナウンスを複数項目にユニット化した場合、このような事態が起こっても、再生不能となるのはそのユニット内に留まり、次のユニットからはデコード可能となって、一部欠落があるものの全体としてアナウンスの意味を了解できることがあるからである。例えば、「北海道太平洋沿岸の」の一部が損傷により欠落しても「津波警報が発令されました。」、「津波の到達予想時刻は」、「11時50分です。」という一連のアナウンスが可能なので警報の意味は了解でき、緊急事態に対応することができる。
複数項目へのユニット化の第二の理由は、ユニット化された項目毎のアナウンスの取扱いが可能となることである。例えば、受信側で「津波警報が発令されました。」という部分を数回繰り返したあと、「北海道太平洋沿岸の」以降のアナウンスに移行することも可能となる。 また、本発明では後述のように、近距離内の複数位置で同一アナウンスを行う場合、到達距離の違いでアナウンスにずれが生じ、それが重なってアナウンス内容が聞き取れなくなることを避けるために、ある位置でのアナウンスが終了してから別の位置でのアナウンスを行うようにしている。ユニット化された項目毎のアナウンスの取扱いが可能であることは、この場合にも有用である。つまり、ユニット化されていない場合は、ある位置での全アナウンスが終わってから次の位置でのアナウンスを始めることになり、次の位置でのアナウンスが遅れるが、複数項目にユニット化されている場合、まず、ある位置での「津波警報が発令されました。」という部分のみのアナウンスが終わった時点で、次の位置で「津波警報が発令されました。」という部分のアナウンスを行い、次に元の位置で「北海道太平洋沿岸の」のという部分のアナウンスを行うというようなきめ細かいアナウンス順の設定が可能となる。これによって、音声の重なりを避けながら、複数の位置でほぼ同時的に緊急度の高い順にアナウンス情報を共有していくことができる。
なお、複数項目へのユニット化の第三の理由として、例えば「津波警報が発令されました。」のように各エリアに共通する項目のデータをサーバ側でのエンコードの際に共用し、エリア毎に同じデータを作らなくて済むようにすることも考慮している。
エリア別警報発令部12が作成した警報アナウンスデータはサーバ14に送信される。サーバ14は電話局またはインターネットプロバイダに属するもので、FTTH網(Fiber To The Home)などの光回線通信網または、ADSLなどのブロードバンド通信網によって情報通信を行うことができるものである。 サーバ14では、エリア別IPアドレス特定部16において、エリア別警報発令部12から受信した警報アナウンスデータに基づき、指定されているエリアのIPアドレスを特定する。一方、エリア別アナウンスADPCMエンコーダ18は、エリア別警報発令部12から受信した警報アナウンスデータに基づき、指定されているエリアのアナウンスをユニット別にADPCMに準拠してエンコードする。
以上のようにしてIPアドレスが特定されると共にADPCMエンコードされた警報アナウンスデータユニットは、警報アナウンスデータの光通信送信部となるOLT(Optical Line Terminal)20から光通信のFTTH網22に流される。なお、サーバ14からの警報アナウンスデータのエリア別配信は、上記のような情報配信OLT20およびFTTH網22によるものに代えて、ブロードバンドによるインターネット経由で行ってもよい。いずれにしても既存のシステムが利用できるので、システムの導入コストが低くなる。
なお、上記の警報アナウンスデータは、エリアに居住している住民が使用している可能性のある言語について同一内容のものが複数用意され、同一エリアについては同一IPアドレスを付与して配信される。これらの複数言語の警報アナウンスデータは受信側において適宜選択される。
FTTH網22に流された警報アナウンスデータ項目は、エリア別IPアドレスに従って、それぞれ第一エリア24、第二エリア26、および第nエリア28でそれぞれ取り込み可能である。当然ながら、第一エリア24、第二エリア26、および第nエリア28で取り込まれる情報は、上記の例で言えば、エリア名を示す「北海道太平洋沿岸の」および津波到達時間を示す「11時50分です。」が異なっており、その他は共通である。なお、共通部分のアナウンスデータ項目の配信は同一データをエリア数だけコピーして作成し、そのそれぞれにIPアドレスを付与する。または、これに代えて、共用のアナウンスデータ項目を一つ作成し、それに全エリアのIPアドレスを付与してもよい。
第一エリア24には、第一家庭30、第二家庭32、および第n家庭34が含まれており、これらのIPアドレスは第一エリア24に共通のものである。従って、第一家庭30、第二家庭32、および第n家庭34はすべて同じ警報アナウンスデータ項目を取り込み可能である。 第一家庭30は、FTTH網などの光回線通信網の終端装置となっているONU(Optical Network Unit)部36によって警報アナウンスデータ項目を取り込む。ONU部36は、FTTH網と接続されるONU38を有するとともに、これと接続されて近距離無線通信により家庭内通信を行うための専用ワイヤレスモジュール40を有している。近距離通信はWiFi(商標)やBluetooth(商標)などの無線LANによる。
第一家庭30の第一室42、第二室44、第三室46および第四室48は、それぞれ電灯線50に接続された通常のコンセント52、コンセント54、コンセント56およびコンセント58を有している。これらの各コンセントには、それぞれ警報ユニット60、警報ユニット62、警報ユニット64および警報ユニット66が差し込まれている。なお、第四室48には、さらに通常のコンセント68も設けられている。 警報ユニット60、警報ユニット62、警報ユニット64および警報ユニット66は、それぞれ プラグ脚を有しており、このプラグ脚をコンセントに差し込むことによって警報ユニットへの給電が行われると共に警報ユニット自体が機械的にコンセントに保持されるよう構成されている。 警報ユニット60、警報ユニット62、警報ユニット64および警報ユニット66は、それぞれ専用ワイヤレスモジュール40と無線LANによって交信するための送受信モジュールを備えており、これによってONU38が取り込んだ警報アナウンスデータ項目を専用ワイヤレスモジュール40から受信する。警報ユニット60、警報ユニット62、警報ユニット64および警報ユニット66さらに受信した警報アナウンスデータ項目をデコードして音声として出力することが可能となっており、これによって、気象庁2から発令されたエリア別警報が第一室42、第二室44、第三室46および第四室48のすべてにそれぞれアナウンスとして流れることになる。これらの警報ユニットの詳細な構成は後述する。
本発明の第一実施例は上記のように構成されるので、その導入は、既存のサーバ14側においてエリア別IPアドレス特定部16およびエリア別アナウンスADPCMエンコーダ18を設け、家庭側では、専用ワイヤレスモジュール40と各警報ユニット60、62、64、66を準備するだけでよい。このように本発明の第一実施例の構成は、導入コストの極めて低いシステムとなっており、警報システムの普及に貢献するものである。
なお、コンセント52、コンセント54、コンセント56、コンセント58およびコンセント68は通常のコンセントなので、各室において、テレビ70、パソコン72、オーディオ74、冷蔵庫76および電子レンジ78が通常のプラグを差し込むことによって接続されている。 なお、各警報ユニットはコンセントに差し込むことによってソケットの口を一つ塞ぐのを避けるため、プラグ脚から直結されたソケット口を持っている。第三室46の掃除機80はこのようなソケット口を利用して警報ユニット64を介してコンセント56に接続されている。 また、パソコン72はONU38に接続されたルータ82経由でFTTH網とインターネットが可能なようになっている。ルーター82はLANを形成するためのイーサネット(登録商標)のインターフェースを有する。
以上が第一家庭30の構成の概要であるが、第二家庭32および第n家庭34家庭も同様の構成なので、簡単のため、図1では内容の図示を省略している。また、第二エリア26および第nエリア28も第一エリア24と同様の構成なので、簡単のため、図1では内容の図示を省略している。
図2は、図1の専用ワイヤレスモジュール40の詳細を示すブロック図である。専用ワイヤレスモジュール40は、電源部84から給電されるCPU86によって制御されており、基本的にはONUが取り込んだ警報アナウンスデータ項目を送受信モジュール88から各警報ユニットに発信する。専用ワイヤレスモジュール40は、このような警報アナウンスデータ項目の伝達以外に、各警報ユニットと種々の交信を行っており、CPU86は送受信モジュール88を介したこのような各警報ユニットとの交信の制御を行っている。 音声メモリ90は、上記のような各警報ユニットとの交信によって警報ユニットに送信されるADPCMエンコードされた音源データを格納する。音声メモリ90に格納される音源データには、予め用意されたテスト用アナウンスデータや異常アナウンスデータが含まれる。さらに音声メモリ90は、後述するように各警報ユニットにてサンプリングされた音声データの格納も可能となっている。
言語設定部92は、各警報ユニットに送信すべき警報アナウンスデータ項目における言語を設定するためのものである。この設定は、専用ワイヤレスモジュール40単位で共通とすることもできるが、警報ユニット毎にきめ細かく設定することもできる。各警報ユニットには言語設定部92の設定に応じた言語の警報アナウンスデータ項目が送信される。 年齢設定部は、各警報ユニットが設置されている室内の居住者の年齢を警報ユニット毎に設定するためのものである。この年齢設定に応じ、高齢者の場合は音量と音質の設定データが自動的に作成される。なお、上記の言語設定に応じても言語の特性に合わせた音質の設定データが自動的作成される。これらの音量および音質データは警報アナウンスデータ項目に付加して各警報ユニットに送信される。
タイミング設定部96は、各警報ユニットへの警報アナウンスデータ項目の送信タイミングを設定するもので、各警報ユニットに対する同時送信または順次送信の選択、および順次送信の場合は送信すべき各警報ユニットの優先順が設定される。警報アナウンスデータ項目はタイミング設定部96の設定に従って各警報ユニットに送信される。
警報アナウンスデータ項目をデコードして音声として出力するのは主として各警報ユニットの役割であるが、専用ワイヤレスモジュール40自身もこの機能を備えている。つまり、CPU86が取り込んだ警報アナウンスデータ項目は、CPU86の制御により、必要に応じADPCMデコーダ98にも送られる。ADPCMデコーダ98でデコードされた警報アナウンスデータ項目はDAコンバータ100でアナログ音声信号に変換され、スピーカアンプ102による増幅を経てスピーカ104から音声として出力される。なお、ADPCMデコーダ98の出力は液晶表示パネルやLED等からなる警報表示部106にも送られ、警報内容を文字表示や表示ランプの点滅等でも表示する。 以上のような専用ワイヤレスモジュール40自身での警報出力は、例えば家庭がワンルームマンション等で別に警報ユニットを配置するまでもない場合、またはシステム設置の際に専用ワイヤレスモジュール40自体の受信テストを行う場合、または各警報ユニットに異常がある場合に音声を代替出力する場合、または個別の警報ユニットではなくシステム全体に係わるアナウンスを行う場合等に有用である。 メモリ108は、CPU86の動作のためのプログラムを格納しているとともに、CPU86の機能に必要な各種のデータを一時的に格納する。
図3は、図1の警報ユニットの詳細を示すブロック図である。代表として警報ユニット60について示すが、他の警報ユニットも同様の構成である。 警報ユニット60の外壁には、プラグ脚をもつプラグ112が固設されており、プラグ112のプラグ脚をコンセントに差し込むことによって警報ユニット60自体が機械的にコンセントに保持されるよう構成されるようになる。警報ユニット60の外壁には、さらにソケット口を持つソケット114が設けられており、プラグ112がこのようなソケット114に直接に電気接続されている。従って、警報ユニット60を差し込むことによってコンセント自体のソケット口を塞いだとしてもソケット114が警報ユニット60の外壁に露出しているので、他の電気機器のプラグを差し込んで給電を受けることが可能である。第三室46の掃除機80はこのような警報ユニット64外壁のソケット口を利用して接続されている。
プラグ112はさらに警報ユニット60の動作のため電源部116に給電している。電源部116はプラグ112からの電力を警報ユニット各部の動作に必要な電圧に変換して供給する。また、電源部116の外壁には電源表示部118が接続されており、電源部116への給電が行われているかどうかを表示する。電源部116にはさらに非常用蓄電池120が接続されており、電源部116によって充電されるとともに、プラグ112からの給電が途絶えたときには、例えば所定のアナウンスを数回行うのに必要な程度の短時間だけ、電源部116に電力を供給することができる。非常用蓄電池120から電源供給が行われているときは、電源表示部118は例えば点滅などによって、プラグ112からの通常給電とは異なる表示を行う。
CPU122は電源部116からの給電を受け、送受信モジュール124が受信した警報アナウンスデータ項目をADPCMデコーダ126に送る。ADPCMデコーダ126でデコードされた警報アナウンスデータ項目はDAコンバータ128でアナログ音声信号に変換され、スピーカアンプ130による増幅を経てスピーカ130から音声として出力される。なお、ADPCMデコーダ126の出力は液晶表示パネルやLED等からなる警報表示部134にも送られ、警報内容を文字表示や表示ランプの点滅等でも表示する。
メモリ136は、CPU122の動作のためのプログラムを格納しているとともに、CPU122の機能に必要な各種のデータを一時的に格納する。また、音声メモリ138は主に送受信モジュール124が受信した警報アナウンスデータ項目を一時的に格納するのに用いられる。これは同じ警報アナウンスを繰り返し音声出力するためである。 操作部140は、警報ユニット60側での手動操作を受付けるためのものであり、テストの要求や各警報ユニット特有の設定など警報ユニット60側で行う際に利用される。
挿入検出手段142は、プラグ112をコンセントに差し込んだことを電気的または機械的に検出するためのもので、検出結果をCPU122に通知し、CPU122はこれを送受信モジュール124から専用ワイヤレスモジュール40に送信する。 これに応答して専用ワイヤレスモジュール40は音声メモリ90から所定のテストアナウンスデータを警報ユニット60に返信する。このような機能により、警報ユニット60をプラグに抜き差しする毎に自動的にテストが行われる。従
って、他の家電製品に給電する必要が生じたとき等にコンセントから警報ユニット一時的に取り外すようなことしても、システムの信頼性が保たれる。
警報ユニット60は、さらにマイク144を備えていて、CPU122の指示により警報ユニット近辺の音をサンプリングする。サンプリングされた音はADPCMエンコーダ146によってエンコードされ、CPU122を経由して音声メモリ138に格納する。この機能は、例えば警報以外の任意のアナウンスや音源をサンプリングして音声メモリ138に格納しておき、CPU122の制御により、所定のタイミングでADPCMデコーダ126、DAコンバータ128、スピーカアンプ130およびスピーカ132経由で音声出力する場合に利用できる。具体的には自分の声による目覚まし音の出力等に利用できる。このような場合のサンプリング操作は警報ユニット特有の機能なので操作部140の操作によって行われる。 マイク144とADPCMエンコーダ146の機能は、さらに防犯用録音装置としても利用できる。例えば家を留守にする場合、専用ワイヤレスモジュール40からの制御で、マイク144による音声サンプリングが開始される。これによって警報ユニット60近辺の音が常にサンプリングしてADPCMエンコードされ、不審者の侵入の際の音などを記録することが可能となる。この場合の音声データは、音声メモリ138に一時格納されたあと、適宜送受信モジュール124を経由して専用ワイヤレスモジュール40の音声メモリ90に転送される。
マイク144はさらに、複数の警報ユニット間の音の重なりの整理にも利用される。近くに複数の警報ユニットがあった場合、同一のアナウンスの音が微妙にずれたり、場合によっては異なるアナウンスが同時に出力されたりするとアナウンスが聞き取れなくなる。これを防止するため、既に説明したように専用ワイヤレスモジュール40がタイミング設定部96での設定に基づいて、アナウンスデータ項目送信タイミングを調節し、複数の警報ユニットの音が重ならないようにしている。 マイク144は、上記に加え、個々の警報ユニットにおいて自立的に近辺同士での音の重なりを防止するために利用される。具体的には警報ユニット60がアナウンスデータ項目を受信するとCPU122がマイク144に指示し、近辺の警報ユニットから音声が出力中でないかチェックする。そして、近辺の警報ユニットからの音声が出力中でなければ、直ちに自身の音声出力を開始する。一方、近辺の警報ユニットから音声が出力中であれば、その音声出力が終了するまで自身の音声出力を保留し、近辺の警報ユニットからの音声出力が終了次第、自身の音声出力を開始する。このような機能を各警報ユニットが備えることにより、互いに自立的に近辺の警報ユニットの音声出力と重ならないよう互いに自立的に音声出力の整理ができる。 上記のような自立的音声出力整理機能、および専用ワイヤレスモジュールのような中央制御部からの統括タイミング制御による音声出力整理機能の利用は、警報装置に限るものではない。例えば、同様の機能を、同一室内に置かれた例えば冷蔵庫、ポット、炊飯器など複数の家電製品にそれぞれアナウンス機能を設ける場合に適用すれば、これら複数の家電製品から無関係に同時に異なるアナウンスが行われてアナウンスが聞き取れなくなるのを防止することができる。
図4は、図2の専用ワイヤレスモジュール40のCPU86の基本機能を示すフローチャートである。専用ワイヤレスモジュール40に電源が供給されてフローがスタートすると、まず、ステップS2においてコンセントへの警報ユニット60の装着があったかどうかをチェックする。そして警報ユニット60の装着があればステップS4に進み、登録/テスト処理を行ってステップS6に移行する。 ステップS4における登録/テスト処理では、新たに取り付けられた警報ユニット60であれば固有のアドレスを付与する等の登録処理と、警報ユニットが正常に動作するかどうかのテストを行う。また、既に固有アドレスを付与済みの警報ユニットをコンセントから一時的に取りはずして再装着しただけの場合は単にテストのみを行う。ステップS2で新たな警報ユニット60の取り付けがなければ直接ステップS6に進む。
ステップS6では専用ワイヤレスモジュール40において各警報ユニット60の設定変更があったか否かをチェックする。設定変更があった場合はステップS8で警報ユニット設定処理を行い、ステップS10に移行する。設定変更は図2の言語設定部92、年齢設定部94またはタイミング設定部96によるものである。警報ユニットの設定に変更がなければ直接ステップS10に進む。
専用ワイヤレスモジュール40は時計を有しており、ステップS10において所定時刻に達したかどうかをチェックする。所定時刻になった場合、ステップS12に進んで定時テスト処理を行い、ステップS14に移行する。ステップS12の定時テスト処理では、専用ワイヤレスモジュール40の動作の異常があるかないかのテストを行う。あわせて、複数の警報ユニット60に対しても異常がないかどうかを順にチェックする。所定時刻については、毎日ではなく、数日毎に一回の所定時刻を設定してもよい。所定時刻でなければ直接ステップS14に進む。
ステップS14では、専用ワイヤレスモジュール40の電源に障害がないかどうか確認する。通常の電源に障害があることを検出した場合は、ステップS16に進み、電源を非常用電源に切り替えるとともに、音声メモリ90にADPCMエンコードされて格納されている電源障害アナウンスデータを各警報ユニットに送信してステップS20に移行する。電源に障害がなければ直接ステップS20に進む。
ステップS20では、図1に示されたサーバ14にアクセスできないなどの通信障害があるかないかをチェックする、通信障害がある場合はステップS22に進み、電源を非常用電源に切り替えるとともに、音声メモリ90にADPCMエンコードされて格納されている通信障害アナウンスデータを各警報ユニットに送信してステップS24に移行する。電源に障害がなければ直接ステップS24に進む。通信に障害がなければ直接ステップS24に進む。
ステップS24では、図1に示されたサーバ14から自己のIPアドレスが指定されている警報が専用ワイヤレスモジュール40に着信しているかどうかをチェックする。着信している場合は、後述するステップS26の警報処理を行い、ステップS2に戻る。着信していない場合は直ちにステップS2に戻る。以下、CPU86はステップS2からステップS26のループを繰り返えすので、ステップS2、ステップS6、ステップS10、ステップS14、ステップS20およびステップS24におけるイエスの結果にいつでも対応できる。
図5は、図4のステップS26における警報処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS32で受信した警報が偽の情報か否のチェック処理を行う。このチェックは種々の方法で可能であるが、例えば図2においてONUから受信したデータを全てADPCMデコーダ98でデコードしてみて、デコードができない場合にその旨をCPU86で受取って偽情報と判断することができる。 次いでステップS34に進み、ステップS32における偽情報チェック処理の結果情報が真性情報であった場合のみステップS36に移行する。一方、偽情報チェック処理の結果情報が真性情報でなかったときは直ちに警報処理を終了し図3のステップS2に戻る。なおこのとき、偽の情報を受信した旨を記録すると共に何らかの手段で表示または報知するようにしてもよい。このようにステップS32およびステップS34を設けることにより、警報システムの信頼性を維持している。
ステップS36では、各警報ユニットに付与されている各アドレスを確認する。次にステップS38において警報ユニット毎に設定されている言語を確認する。さらに、ステップS40において警報ユニット毎に設定されている年齢を確認し、ステップS42に移行する。ステップS42では、上記ステップS38とステップS40で確認された言語と年齢に応じて各警報ユニット出力すべきアナウンスの言語と音質を決定する。さらにステップS44では各警報ユニットへの警報アナウンス項目の送信タイミング設定を確認し、ステップS46に移行する。
ステップS46では警報項目が例えば例えば「津波警報が発令されました。」、「北海道太平洋沿岸の」、「津波の到達予想時刻は」、「11時50分です。」というように複数の項目にユニット化されているか否かを確認する。複数項目にわたっている場合、ステップS48において警報アナウンスデータ項目を項目別に取扱う処理してステップS50に移行する。一方、警報アナウンスデータが複数項目にユニット化されていなければ直接ステップS50に移行する。 ステップ50では警報アナウンスの最小単位毎にアナウンスに要する時間を確認する。つまり警報アナウンスが複数項目にユニット化されていればその項目単位で、またユニット化されていなければアナウンス全体を最小単位としてアナウンスに要する時間を確認する。ステップS52ではステップS50で確認されたアナウンスに要する時間に基づき最小単位毎に警報アナウンスデータを送信するタイミングを決定する。例えば最小単位の「津波警報が発令されました。」を発声するのに5秒を要する場合、警報ユニットごとに発声するのが重ならないように5秒以上の間隔を開けて次の警報ユニットへの送信するようタイミングを決定する。なお、全警報ユニットに対して同時に警報アナウンスデータを送信するように送信タイミングが設定されている場合は、ステップS52で同時送信する旨タイミング決定する。
そしてステップS54に進み、送信するタイミングが到来したアナウンスデータがあるかどうかを確認する。そして、タイミングが到来したアナウンスデータがなければステップS54を繰り返してタイミングの到来を待つ。一方、タイミング到来アナウンスデータがあればステップS56に進み、当該最小単位データをIPアドレスで指定される警報ユニットに送信してステップS58に移行する。 ステップS58では、未送信の最小単位データがあるかどうかチェックし、なければ警報処理を終了して図4のステップS2に戻る。一方、未送信の最小単位データがあればステップS54に戻り、以下、未送信の最小単位データがなくなるまでステップS54、ステップ56、ステップ58が繰り返される。
図6は、図3の警報ユニット60におけるCPU122の基本機能を示すフローチャートである。警報ユニット60がコンセントに差し込まれるとフローがスタートする。ステップS102では、電源供給立上が検出されたかどうかを確認する。警報ユニット60が差し込まれた段階では電源供給立上が検出されるのでステップS104に進み、コンセントに差し込まれた警報ユニットがIPアドレスを取得済のものか否かを確認する。IPアドレスを取得していない場合はステップS106ステップに進み、前述の電源供給立上信号にIPアドレスを要求する信号を付加してステップS108に移行する。すでに当該警報ユニットがIPアドレスを取得している場合は、直接ステップS108に進む。ステップS108では、警報ユニット60から専用ワイヤレスモジュール40へ電源供給立上信号を送信する。前述のように当該警報ユニットがIPアドレスを取得していない場合は電源供給立ち上げ信号とともにIPアドレス要求信号も送信する。なお、IPアドレスをすでに取得している場合は電源供給立上信号のみを送信する。
次いでステップS110では、ステップS108での電源供給立上信号送信に対する専用ワイヤレスモジュール40からの応答を所定時間内に受信できたかどうか確認する。所定時間内に応答を受信できた場合はステップS112に進み、専用ワイヤレスモジュール40からの応答の
中にIPアドレスを付与するデータが含まれているかどうかチェックする。ステップS106でIPアドレス要求信号を付加していた場合、専用ワイヤレスモジュール40からの応答の中にこのデータが含まれている。このデータが含まれていた場合、ステップS114に進み、当該警報ユニットにおいてIPアドレスを格納する。これにより新たな警報ユニットに対するIPアドレス付与が完了する。さらに、ステップS116にて専用ワイヤレスモジュール40に付与されたIPアドレスを明示してテスト送信を行う。次いでステップS118では、テスト送信に応答して「テストOK」データが所定時間内に受信できたかどうかチェックする。そして受信できればステップS120において受信したデータをエンコードし「テストOK」のアナウンスを行ってステップS122に移行する。この場合は、電源供給立上信号の送信およびIPアドレス付与に関するテストのすべてがOKであることを意味する。
一方、ステップS112においてIPアドレスを付与するデータが含まれていなかった場合は、ステップS106においてIPアドレスを要求しなかった場合に該当し、既にIPアドレスが付与されている警報ユニットが一時的にコンセントから抜かれた後再度差し込まれたことを意味するから直接ステップS120に移行し、「OK」アナウンスを行ってステップS122に移行する。この「OK」アナウンスのためのデータは、ステップS110で受信した応答の中に含まれている。
ステップS110で所定時間以内に電源供給立上信号への応答専用ワイヤレスモジュール40から受信できない場合、ステップS124に移行し、音声メモリ138のデータに基づいて「通信障害」のアナウンスを行ってステップS122に移行する。 また、ステップS118において「テストOK」の信号を専用ワイヤレスモジュール40から所定時間内に受け取れない場合も音声メモリ138のデータに基づいて「テスト失敗」のアナウンスを行ってステップS122に移行する。 なお、ステップS102で電源供給立上が検出されない場合は、警報ユニットが既にコンセントに挿入済みであり、ステップS102からステップS126までの処理も完了しているので直ちにステップS122に移行する。
ステップS122では専用ワイヤレスモジュール40から警報アナウンスデータを受けたか否かを確認する。警報アナウンスデータを受信した場合ステップS128の警報アナウンス実行処理へ進む。具体的には、送信された警報アナウンスデータをADPCMデコーダ126でデコードし、DAコンバータ128およびスピーカアンプ130を介してスピーカ132よりアナウンス音声を出力する。またADPCMデコーダ126の信号に応答して警報表示部134による表示を行う。 次いで、ステップS130で警報ユニットにおいて警報アナウンスを実行ことの報告を専用ワイヤレスモジュール40に送信してステップS102に戻る。以下、ステップS102からステップS130が繰り返され、警報ユニットのコンセントからの抜き差しや警報アナウンスデータの受信があればいつでもこれに対応する。
図7は、図6のステップS128における警報アナウンス実行処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS152で受信した警報アナウンスデータ項目をADPCMデコードし、ステップS154でこれをバッファメモリに保持する。 次いでステップS156で警報ユニット60自体がアナウンス中かどうかチェックする。そしてアナウンス中であればステップS156を繰返してアナウンス終了を待つ。このときアナウンスされているのはステップS154で新たにバッファメモリに保持したアナウンスデータではなく以前に保持されていたアナウンスデータである。 警報ユニット60自体のアナウンスが終了するとステップS158に進み、他の警報ユニットがアナウンス中かどうかをチェックする。このチェックは図3のマイク144により行われる。そしてアナウンス中であればステップS158を繰返してアナウンス終了を待ち、終了すればステップS160に進む。
ステップS160では、バッファメモリに保持されているデコード済のアナウンスデータのうち最も古いアナウンス項目を選びアナウンスを開始する。そしてステップS162でその項目のアナウンスが終了したかどうかをチェックし、終了していなければステップS162を繰り返して終了を待つ。 ステップS162でアナウンスが終了するとステップS164に進み、アナウンスを終了したアナウンス項目について繰返しアナウンスの指示が専用ワイヤレスモジュール40から併せて受信されていないかどうかチェックする。そして、指示があればステップS166に進み、ステップS162でアナウンスを終了したデータの繰返しアナウンスを開始するとともに、指示された回数のアナウンス繰返しが完了したかどうかチェックする。そしてそれらのアナウンスが完了するまでステップS166を繰り返す。
ステップS166において指示回数繰返しが完了したことが確認されるとステップS168に進む。なお、ステップS164で繰返し指示を受信していなければ直接ステップS168に進む。ステップS168では、ステップS166でアナウンスを終了した項目を繰返しアナウンスすることについて警報ユニット60自体で設定していないかどうかチェックする。そして、設定があればステップS170に進む。 ステップS170では、設定された繰返し回数から既にステップS166で実行した繰返し回数を減算してその差分だけさらにアナウンスを繰り返すとととともに、差分回数のアナウンス繰返しが完了したかどうかチェックする。そしてそれらのアナウンスが完了するまでステップS170を繰り返すとともに完了すればステップS172に進む。なお、ステップS170において差分がゼロまたは負である場合は直ちにステップS172に進む。また、ステップS168において繰返しを自己設定していなかった場合も直接ステップS172に進む。 ステップS172では、未だアナウンスを行っていないデコード済データがバッファメモリにあるかどうかチェックし、なければ警報アナウンス処理を終了する。また、未アナウンスデコード済データがバッファメモリにあればステップS150に戻る。そして、必要に応じ他ユニットのアナウンス終了を待った後ステップS160に至り、バッファメモリ中の最も古いデータのアナウンスを開始する。そして、ステップS172で未アナウンスデコード済データがなくなるまでステップS158からステップS172のループを繰り返す。
図8は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第二実施例を示す要部ブロック図である。図8の第二実施例は全体システムとしては図1の第一実施例と共通の構成を持っており、家庭内の構成のみが異なる。従って第一家庭230のみを図示し、他の構成は省略する。さらに、第一家庭230についても図1の第一家庭30と大部分の構成が共通であり、それらについては同一の番号を付して説明を省略する。 図8の第二実施例で異なっているのは、第一家庭230のFTTH網22から専用ワイヤレスモジュール240に至る部分である。図1の第一実施例では専用ワイヤレスモジュール40がONU部36の一部として構成されていたが、図8の第二実施例では、専用ワイヤレスモジュール240がルーター部202の一部として構成される。これに対し、ONU238は従来どおりの構成となっている。 図1の第一実施例の構成はONUを新設する場合に適しており、通常のルーター82と組み合わせでシステムが構築できる。これに対し、図2の第二実施例は既にONUが設置済みの家庭においてシステムを構築する場合に適しており、専用ワイヤレスモジュール240内蔵のルーター部202を提供することによりシステムを構築する。 なお、第一実施例および第二実施例において、ワイヤレスモジュールを警報システム専用のものとして説明してきたが、これを家庭内無線LANのための汎用ワイヤレスモジュールで構成してもよい。
図9は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第三実施例を示すブロック図である。図9の第三実施例は全体システムとしては図1の第一実施例と共通の構成を持っており、家庭内の構成のみが異なる。さらに、第一家庭330についても図1の第一家庭30と大部分の構成が共通であり、それらについては同一の番号を付して説明を省略する。 第一家庭330では、FTTH網などの光回線通信網の終端装置となっているPLC(Power Line Communication)部336によって警報アナウンスデータ項目を取り込む。PLC部336は、FTTH網22と接続されるONU330を有するとともに、LANを形成するためのイーサネット(登録商標)のインターフェースを有するルーター382と、イーサネット(登録商標)のインターフェースを持つ家庭内の諸機器と電灯線50の間でイーサネット(登録商標)信号とPLC信号を変換するためPLCマスターアダプター302を有している。分電盤304ではPLCマスターアダプター302で高周波に変換された警報アナウンスデータ(2M〜30MHz)が、数十Hzの電力に重畳して出力されている。
警報ユニット360、警報ユニット362、警報ユニット364および警報ユニット366は、それぞれコンセント52、54、56、および58から電力の供給を受けるとともに、電灯線50を介してPLCマスターアダプター302と交信する。このような交信のために各警報ユニットはそれぞれ電灯線50から警報アナウンスデータ項目を取り出すための分波/合成モジュールを備えている。 警報ユニット360、警報ユニット362、警報ユニット364および警報ユニット366は、さらに分波して取り出した警報アナウンスデータをデコードして音声として出力することが可能となっており、これによって、気象庁2から発令されたエリア別警報が第一室42、第二室44、第三室46および第四室48のすべてにそれぞれアナウンスとして流れることになる。これらの警報ユニットの詳細な構成は後述する。
本発明の第三実施例は上記のように構成されるので、PLCが導入されている家庭への導入に適している。なお、第三実施例のコンセント306は、それ自身で警報ユニットの機能を備えているものであり、詳細は後述する。このような警報ユニットつきコンセントはワンルームマンションの居室等の設備として導入するのに適している。 また、パソコン372は、分波/合成モジュールを備えたものでありコンセント54から電灯線50経由でルーター382と交信している。なお、パソコン372は通常通り専用ケーブルでルーター382と接続してもよい。
図10は、図9の第三実施例における警報ユニットの詳細を示したブロック図である。その構成の大部分は図3の第一実施例における警報ユニットと共通なので、同一の箇所については同一の番号を付し、その説明を省略する。代表として警報ユニット360について示すが、他の警報ユニットも同様の構成である。 分波/合成モジュール324は、電灯線を通じて供給される電力に重畳された警報アナウンスデータを分離する。分離された警報アナウンスデータは、CPU122に送られる。また、分波/合成モジュール324は、CPU122から送られたデータを電力に合成し、プラグ112から電灯線50を通じてPLCマスターアダプター302に送信する。
図11は、図9の第三実施例におけるコンセント306の詳細を示したブロック図である。コンセント306は通常のコンセントに警報ユニットの構成を付加したものであり、大部分は図10の警報ユニットと共通である。従って、同一の箇所については同一の番号を付すとともに、図10と異なる部分についてのみ説明する。 まず、図11はコンセント自体なので、図10のようなプラグ112がない。さらに当然ながら、らが、プラグの挿入検出手段142もない。
なお、分波/合成モジュール324により電灯線50を通じてPLCマスターアダプター302と交信する点については警報ユニット360と同様である。
図12は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第四実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図11の第三実施例においてコンセントとして構成された警報ユニットと共通なので、同一の箇所については同一の番号を付し、その説明を省略する。 図12の第四実施例は、警報ユニットを火災報知器に組み込んだものである。火災報知機400は、異常検知部402を有し、煙もしくは炎を検知し、その程度に応じてスプリンクラー404を機能させる。その一方で異常検知部402はCPU122に煙もしくは炎を検知した旨を出力する。CPU122はそれに応じて音声メモリ438よりADPCM方式でエンコードされた火災を報知する旨の音声データを選択する。選択されたデータは、ADPCMデコーダ126に出力されDAC128、スピーカーアンプ130を介してスピーカー132より音声として火災が報知される。 一方、PLCマスターアダプターより送信された警報アナウンスデータは電灯線50を通じ、電力とともに分波/合成モジュール122を通じて取り込まれ、図11と同様に分波/合成モジュール122から分離された警報アナウンスデータがCPU122に出力され、さらにADPCMデコーダに出力される。以降のアナウンスまで機能は上記の火災報知の経路と報知手段を兼用する。
図13は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第五実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図3の第一実施例の警報ユニットと共通なので、同一の箇所については同一の番号を付し、その説明を省略する。 図13の第五実施例は、警報ユニットを音声案内つき炊飯器に組み込んだものである。炊飯器500は、通常の炊飯器機能部502を有するとともに、ご飯の炊き上がり状態などを検出する状態検出部504を有する。状態検出部が、ご飯の炊き上がり状態などを検出すると、これがCPU122に通知され、CPU122はそれに応じて音声メモリ538よりADPCM方式でエンコードされたご飯の炊き上がり報知する旨の音声データを選択する。選択されたデータは、ADPCMデコーダ126に出力されDAC128、スピーカーアンプ130を介してスピーカー132より音声としてご飯の炊き上がりが報知される。 一方、専用ワイヤレスモジュールより送信された警報アナウンスデータは送受信モジュール124で受信され、図3と同様にCPU122に出力される。ADPCMデコーダ以降のアナウンスまで機能は上記の炊飯器機能の報知の経路と報知手段を兼用する。
図14は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第六実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図3の第一実施例の警報ユニットと共通なので、同一の箇所については同一の番号を付し、その説明を省略する。 図14の第六実施例は、警報ユニットをファックス電話機に組み込んだものである。ファックス電話機600は、通常の電話/ファックス機能部602を有し、電話回線がモデム604で分岐されて接続されている。また、電話/ファックス機能部602には通常の送受話器606が接続されている。 ファックス電話機600は、送受話器606を置いたままで離れて会話ができるよう、マイク608およびスピーカ610を有している。 一方、第六実施例では、警報アナウンスデータは電話回線を通じてサーバ14から送信され、これがモデム604を通じてCPU122に取り込まれる。取り込まれた警報アナウンスデータはADPCMデコーダ126でデコードされ、以後、既に説明した実施例と同様にしてスピーカ610からアナウンスされる。 上記のように、第六実施例では、電話機のマイクがADPCMエンコーダへの音データサンプリングに兼用されているとともに、電話機のスピーカ610が警報アナウンス用スピーカに兼用されている。
図15は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第七実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図3の第一実施例の警報ユニットと共通なので、同一の箇所については同一の番号を付し、その説明を省略する。 図15の第七実施例は、警報ユニットを電池駆動式の時計に組み込んだものである。時計700は、通常の時計機能部702を有しており、時計機能部702では通常の計時および時間表示が行われる。なお、時計部702には乾電池などの電池704に接続された電源部706から給電されている。電話/ファックス機能部602を有し、電話回線がモデム604で分岐されて接続されている。電源部706は警報機能部分にも給電している。 さらに、時計機能部702からの時報または目覚まし音はスピーカアンプ130に入力され、スピーカ732から音として出力される。なお、時報または目覚まし音をCPU122に入力するようにすれば、音声メモリ138から対応する音声データを取り出してADPCMデコーダ126から警報と同様のルートでスピーカ732に出力することもできる。 第七実施例は、このように警報機能部分と時計部に電源が共用されているので、時計が止まっていないことを確認することで、警報機能部分にも正常に電源が供給されていることを知ることができる。また、スピーカを時報や目覚まし音に共用しているので、時計機能が正常であることでCPUからスピーカに至る警報機能部分が正常に機能していることを知ることができる。
図16は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第八実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図13の第五実施例の警報ユニットと共通なので、同一の箇所については同一の番号を付し、その説明を省略する。 図16の第七実施例は、警報ユニットを音声案内つき冷蔵庫に組み込んだものである。冷蔵庫800は、通常の冷蔵庫機能部802を有するとともに、ドアが長時間開放されている等の状態を検出する状態検出部804を有する。状態検出部が、ドアの長時間開放を検出すると、これがCPU122に通知され、CPU122はそれに応じて音声メモリ838よりADPCM方式でエンコードされたドアの長時間開放を警告する旨の音声データを選択する。選択されたデータは、ADPCMデコーダ126に出力されDAC128、スピーカーアンプ130を介してスピーカー132より音声としてドアの長時間開放が報知される。 一方、専用ワイヤレスモジュールより送信された警報アナウンスデータは送受信モジュール124で受信され、図3と同様にCPU122に出力される。ADPCMデコーダ以降のアナウンスまで機能は上記の冷蔵庫の状態報知の経路と報知手段を兼用する。
図16の第八実施例の特徴は、状態検知部804の検出に基づくアナウンスが音声メモリ838に予め用意されているものだけでなく種々追加できることである。つまり状態検出部804が冷蔵庫の特定の状態を検出すると、これがCPU122から送受信モジュール124を介してパソコン806の送受信部808に送信され、これに応じてCPU810がADPCMエンコードされた音声データ812を選択して送受信モジュール124に返送する。 音声データ812は、パソコン806のマイク814により任意にサンプリングすることが可能であり、ADPCMエンコーダ816によりエンコードされて音声データ812として格納される。 このように、パソコン806から音声データを引き出す機能は、パソコン806の電源部818が電源操作部820によってオフされていたり、パソコン806がスリープモードになっていても可能である。
図17は、本発明の実施の形態に係る警報システムの第九実施例を示すブロック図である。第九実施例も、図16と同様のパソコン806から音声データを取り出すことができるものである。しかしながら図17の冷蔵庫902は警報に関する機能を一切持っていない。 コンセント904は、図13のコンセント306と同様の構成である。冷蔵庫902は、分波/合成モジュール906より状態検出部の検出結果をソケット114を介して電灯線50に流すことができる。この状態検出結果は、分波/合成モジュール166で抽出されCPU122に送られる。これによりCPU122は状態検出部が検出結果に対応するアナウンスを要求していることを判断し、音声データ要求信号を分波/合成モジュール166から電灯線50に流す。 この要求信号は、無線ルータ908よりパソコン806に送られ、パソコン806はこれに応答して要求された音声データを無線ルータ908から電灯線50を介してCPU122に送る。CPU122に受信した音声データをADPCMデコーダでデコードし、以下、既に説明したルートでスピーカ132より出力する。 このように、第9実施利では、冷蔵庫902に分波/合成モジュール906を設けるだけで、状態検出部の検出に応じた任意のアナウンスをパソコン806で用意し、コンセント904からアナウンスすることができる。
ここで、上記各実施例におけるマイク144またはマイク608からの音のサンプリングによる防犯用録音機能について補足説明する。 既に説明したように、サンプリングした音声データは、音声メモリ138に一時格納されたあと、適宜送受信モジュール124を経由して専用ワイヤレスモジュール40の音声メモリ90に転送されるので、音声メモリ138自体の容量が少なくてもこのその記憶容量を超える量のエンコードデータが取得されるだけの時間、マイク144またはマイク608からの音のサンプリングによる音のサンプリングを継続することができる。このような音声メモリ138から音声メモリ90への転送は、リアルタイムで行ってよく、また音声メモリ138の容量限界を予め見込んだ所定時間毎に行ってもよい。さらに音声メモリ138の残容量をモニタして、残容量が所定以下となったときCPU122の制御で転送を行うようにしてもよい。 また、音声メモリ138の記憶容量を超える量のエンコードデータが取得されたとき、音声メモリ138に記憶済みのエンコードデータを古いものから順に削除するように構成することもできる。
さらに、音声メモリ138の容量の確保および防犯用録音をより効率的に行うため、音声のサンプリングまたは音声メモリ138の録音データ削除について次のような制御を行ってもよい。 まず、音声のサンプリングについては、特に警戒したい時間帯についてサンプリング開始時間および終了時間を予め設定しておくことが可能である。さらに、ドアのロック解除や窓の異常振動を検出する防犯センサまたは不審者の存在や移動を検出する赤外線センサなどの検知信号に基づいてサンプリングを開始するように構成する。 一方、音声メモリ138の録音データの削除については、継続して記録された防犯録音のうち、上記の防犯センサまたは赤外線センサから検知信号が発生した時刻の前後所定時間のみを残し、これに該当しない部分は削除するよう構成する。これによれば、防犯センサまたは赤外線センサからの検知信号が発生する前の状況についても録音データを残すことができるとともに、無用のデータを整理することができる。