JP2008215402A - ラバーブッシュ及びその製造方法 - Google Patents

ラバーブッシュ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008215402A
JP2008215402A JP2007050105A JP2007050105A JP2008215402A JP 2008215402 A JP2008215402 A JP 2008215402A JP 2007050105 A JP2007050105 A JP 2007050105A JP 2007050105 A JP2007050105 A JP 2007050105A JP 2008215402 A JP2008215402 A JP 2008215402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
peripheral surface
elastic body
rubber elastic
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007050105A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ito
浩二 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurashiki Kako Co Ltd filed Critical Kurashiki Kako Co Ltd
Priority to JP2007050105A priority Critical patent/JP2008215402A/ja
Publication of JP2008215402A publication Critical patent/JP2008215402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)

Abstract

【課題】内筒体2と外筒体3とを筒状のゴム弾性体4で連結してなるラバーブッシュBにおいて、軸直交方向の特に抉り力に対する剛性を高めながら、筒軸X方向の剛性は従来よりも低下させて、シフトレバーブッシュ等に好適な特性を得る。
【解決手段】円筒状ゴム弾性体4の筒軸X方向両端側にそれぞれ大径部分40を形成し、その外周面40aのみを外筒体3の内周面3aに押圧させる。そのうちの一部領域(α)を接着し、残りの領域(β)は非接着とする。2つの大径部分40に挟まれた相対的に小径の部分において大径部分40との境界には全周に亘る環状の溝部41を設け、その中間に環状の畝部42を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のシフトレバー等に利用される筒型のラバーブッシュ、及びその製造方法に関するものである。
従来より、この種のラバーブッシュとしては、例えば特許文献1に開示されるようなシフトレバーブッシュが知られている。すなわち、一般にシフトレバーは、トランスミッション側からの振動の伝達を軽減するために、該トランスミッション側のシャフトと、シフトノブの設けられるレバー本体とに2分割され、それらの間にラバーブッシュが介在されている。
そのようなシフトレバーブッシュは、トランスミッション側からの振動が特にシャフトの軸方向に大きいことから、軸方向には十分に剛性を低くしたいという要求があり、一方でシフトレバーの操作感を高めるためには所要の横剛性(軸に直交する方向の剛性)も求められる。
そこで、前記従来例のシフトレバーでは、図7に概略的に示すように、シャフトsの軸方向に離れた上下2ヶ所に各々ラバーブッシュa,bを配設し、上部のブッシュaにおいてはインナスリーブa1をシャフトsの軸方向にスライド自在とする一方、下部のブッシュbにおいては、シャフトsに取り付けた内筒体b1とレバー本体L側の外筒体b2とを円板状のインサートゴムb3で連結して、軸に直交する方向の剛性を確保しつつ、軸方向には柔らかな特性となるようにしている。
特開平11−48811号公報
ところで、ドライバーがシフトレバーを操作するとき、ラバーブッシュにはそれを抉る(こじる)ような、即ちその軸方向に円弧を描くような傾動力が作用することになるが、前記従来例における下部のブッシュbのように内外筒b1,b2を円板状のゴムb3によって連結しただけでは、抉り力に対する高い剛性と軸方向の柔らかな特性とを十分に両立させることはできない。
すなわち、抉り力に対する剛性を高めるために円板状ゴムb3の材質を硬くしたり、或いはその厚みを大きくしたりすれば、ブッシュbの剛性は軸方向にも高くなってしまい、振動吸収性能が低下する。反対に円板状ゴムb3をより柔らかな材質としたり、それを薄くしたりすれば、抉り力に対する剛性が不足し易く、シフトレバーを操作するときの手応えが悪くなる。
さらに、前記従来例のように上部のブッシュaをシャフトsに対しスライド自在とした場合、軸方向の力は全て下部のブッシュbが受け止めることになるから、例えばドライバーが誤ってシフトレバーに強い力を加えてしまうと、レバー本体Lがシャフトsから引き抜かれたり、反対に押し込まれて位置ずれを生じたりする虞れがある。
このことを防止するために従来例のシフトレバーでは、下部のブッシュbにストッパ部材b4を付加せざるを得ず、この分、部品点数が増えるとともに、組立工数も増えることになり、コストの削減には不利な構造であった。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的とするところは、内筒体及び外筒体を筒状のゴム弾性体により連結してなるラバーブッシュにおいて、特に抉り力に対する剛性を高めながら、筒軸の方向には従来よりも柔らかな特性とすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、内筒体及び外筒体を連結する筒状のゴム弾性体における筒軸方向の両端側にそれぞれ大径の部分を形成し、その外周面が外筒体の内周面に押圧されるようにした上で、そのうちの一部領域を接着し、残りの領域を非接着としたものである。
具体的に、請求項1の発明は、内筒体と、その外周を囲む外筒体と、それらを連結する筒状のゴム弾性体と、を備えたラバーブッシュを対象として、前記ゴム弾性体には、筒軸方向の両端側にそれぞれ相対的に大径の部分を形成し、その外周面を前記外筒体の内周面に押圧する一方、筒軸方向の中間部には相対的に小径の部分を形成して、その外周面は前記外筒体の内周面から離間させる。そうして外筒体の内周面に押圧されているゴム弾性体の大径部分の外周面において、一部の領域を前記外筒体の内周面に接着する一方、その他の領域は非接着とする。
前記構成のラバーブッシュは、まず、内筒体及び外筒体が、筒軸方向の両端側の2ヶ所においてそれぞれゴム弾性体の大径部分により連結されているので、従来例(特許文献1)のように円板状ゴムによって1ヶ所で連結したものに比べて、筒軸の方向には柔らかな特性(低剛性)としながら、筒軸に直交する方向(以下、軸直交方向ともいう)については、特に抉り力に対して高い剛性を確保し易い。
しかも、そうして内外筒体を連結するゴム弾性体の大径部分において、外筒体の内周面に押圧されている外周面のうち、一部の領域のみを接着し、残りは非接着としているので、外周面全体を接着するのに比べて、内外筒体の軸方向の相対変位に対する拘束力が弱くなり、ラバーブッシュの筒軸方向の剛性をさらに下げることができる。
一方で軸直交方向の外力が加わったときには、ゴム弾性体の大径部分において、前記のように外筒体の内周面に押圧されている外周面の全領域(非接着部を含む)が圧縮力を受け止めるようになるので、この軸直交方向の入力に対する剛性は低下しない。
つまり、ラバーブッシュを筒軸の方向については従来よりも柔らかな特性としながら、軸直交方向の特に抉り剛性は十分に高めることができる。よって、このラバーブッシュを例えば自動車のシフトレバーに適用し、それを構成するレバー本体とシャフトとの間に介設して、内筒体をシャフトに外嵌合させる一方、外筒体をレバー本体の筒状部に内嵌合させれば(請求項4)、このシフトレバーの振動吸収性能を十分に高めつつ、剛性の高い良好な操作感を得ることができる。
前記構成のラバーブッシュにおいて好ましいのは、ゴム弾性体の大径部分の外周面における筒軸方向の少なくとも略中央部を外筒体の内周面に接着する一方、この接着部を挟んで筒軸方向の両側に、非接着部を設けることである(請求項2)。こうすれば、内外筒体が筒軸方向に相対変位するときに、その向きに依らず同じように拘束力が弱められることになり、軸方向の振動を軽減する上で好ましい特性となる。
より好ましいのは、筒軸方向の中間部に位置するゴム弾性体の小径部分において、両側の大径部分との境界付近にそれぞれ周方向に延びる環状の溝部を形成し、それらの中間に環状の畝部を残存させることである(請求項3)。こうしてゴム弾性体の大径部分の付け根に溝部を形成すれば、その大径部分が筒軸方向にさらに変形し易くなるので、ラバーブッシュの筒軸方向の剛性をさらに低下させ易くなる。
一方で、ラバーブッシュに強い軸力が作用して、内外筒体が大きく相対変位すると、大径部分の側面が畝部に当接して、それ以上の変形が阻止されるようになる。よって、シフトレバーブッシュとして利用した場合には、別にストッパ部材を付加しなくても、レバー本体が引き抜かれたり、押し込まれて位置がずれたりすることを防止することが可能であり、コスト削減に有利な構造である。
前記のようなラバーブッシュを製造する好ましい方法は、まず、内筒体にゴム弾性体を加硫一体化成形し、そのゴム弾性体の筒軸方向両端側にそれぞれ位置する大径部分の外周面において、少なくとも筒軸方向の略中央部に接着剤を塗布した後に、それら内筒体及びゴム弾性体を外筒体内に圧入して接着させ、その後、外筒体を周囲から押圧して縮径させることである(請求項5の発明)。
前記の製造方法により、内筒体及びゴム弾性体を外筒体内に圧入すると、ゴム弾性体の大径部分の外周面が外筒体の内周面に押圧されて、そこに塗布されている接着剤が広がり、これにより少なくとも一部の領域が(場合によっては殆ど全ての領域が)接着されることになるが、その後、外筒体を周囲から押圧して縮径させれば、大径部分は径方向に圧縮されて、主に外周側が筒軸方向に膨出するようになる。
そうして筒軸方向に膨出する大径部分の外周側は、前記のように外筒体の内周面に接着されている領域の外にはみ出して、新たにその内周面に押圧されることになるから、この内周面に押圧されている大径部分の外周面において非接着の領域を確実に設けることができる。尚、非接着部をより確実に設けるためには、外筒体を絞る工程を接着剤の硬化後に行うことが好ましい。
こうして、まず内筒体にゴム弾性体を加硫一体化成形し、これを外筒体内に圧入して接着した上で、さらに外筒体に絞り加工を施すことで、筒軸方向両端側の大径部分においてそれぞれ外周面に接着部と非接着部とを確実に設けることができ、本発明に係るラバーブッシュが得られるものである。
また、外筒体の絞りによってゴム弾性体の大径部分の予圧縮率を所要のものとすることができるので、圧入の際の圧縮率(圧入率)はあまり高くしなくてもよくなり、作業が容易化されるとともに、その際に生じる大径部分の変形量のばらつきが小さくなって、ラバーブッシュの特性が安定するというメリットもある。
より好ましいのは、ゴム弾性体の2つの大径部分のうち、筒軸方向の一側に位置するものには、その外周面から一側の端面にかけて接着剤を塗布し、その後、内筒体と共に前記筒軸方向の一側から外筒体内に圧入することである(請求項6)。
こうすると、内筒体及びゴム弾性体を外筒体内に圧入する際に、最初に外筒体の端縁部に接触する一側の大径部分には、その外周面のみならず一側の端面にも接着剤が塗布されていて、これが摺動部位を潤滑することになるので、圧入作業の容易化が図られる。また、このことによっても圧入に伴う大径部分の変形量のばらつきを小さくできる。
以上、説明したように、本発明に係るラバーブッシュは、まず、内筒体及び外筒体を連結する筒状ゴム弾性体において筒軸方向の両端側にそれぞれ大径部分を設け、これら大径部分にて内外筒体を連結するようにしたので、筒軸の方向には柔らかな特性としながら、軸直交方向について特に抉り力に対しては高い剛性を確保し易い。
しかも、外筒体の内周面に押圧される前記大径部分の外周面のうち、一部領域を接着する一方、残りの領域は非接着としたので、内外筒体の筒軸方向の相対変位に対する拘束力が弱くなり、この方向にはさらに柔らかな特性とすることができる。
こうしてラバーブッシュを筒軸の方向には非常に柔らかな特性としながら、抉り剛性は十分に高めることができるので、これを自動車のシフトレバーに適用すれば、その振動吸収性能を十分に高めつつ、剛性の高い良好な操作感を得ることができる。
また、本発明に係るラバーブッシュの製造方法によれば、内筒体及びゴム弾性体からなる成形品を外筒体内に圧入して接着した上で、さらに外筒体に絞り加工を施すことで、ゴム弾性体の大径部分の外周面に非接着部を確実に設けることができ、本発明に係るラバーブッシュが得られるものである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るラバーブッシュBをその筒軸Xに沿う縦断面で示す。このラバーブッシュBは、円筒状の金属製内筒体2と、この内筒体2の外周を囲むように内筒体2と略同軸に配置された円筒状の金属製外筒体3と、これら内筒体2及び外筒体3の間に配設されて該両筒体2,3を連結する円筒状のゴム弾性体4とを備えており、一例として自動車のシフトレバーに利用されるものである。
図示はしないが、前記シフトレバーは、従来例のもの(図7を参照)と同じく、シフトノブの設けられるレバー本体Lと、トランスミッション側のシャフトs(軸部)とに2分割されていて、そのレバー本体Lの基端側の円筒状部がシャフトsの上側部分を取り囲むように配置され、それらの間に上下2ヶ所に離れてインサートゴムが介設されてなる。上部インサートの構造については特に限定せず、従来例のものと同じでよい。
本発明に係るラバーブッシュBは、前記のようなシフトレバーにおいて下部インサートとして利用されるものであり、内筒体2がシャフトsに圧入、若しくは接着により外嵌合状態で固定される一方、外筒体3は、レバー本体Lの筒状部に圧入、若しくは接着により内嵌合状態で固定される。
ラバーブッシュBのゴム弾性体4には、図2の分解斜視図にも示すように、筒軸X方向の両端側にそれぞれ相対的に大径の部分40,40が形成され、それらに挟まれた筒軸X方向の中間部が相対的に小径とされている。この小径の部分において両側の大径部分40,40との境界にはそれぞれ全周に亘る環状の溝部41,41が形成されており、それら溝部41,41の中間に取り残されるようにして、環状の畝部41bが形成されている。尚、図の例では内筒体2が外筒体3から筒軸X方向の一側(図の左側)に突出していて、その外周面は、ゴム弾性体4に繋がるゴム層43によって被覆されている。
前記ゴム弾性体4の大径部分40,40は、それぞれの外周面40aが外筒体3の内周面3に押圧されているとともに、この各外周面40aにおいて筒軸X方向の略中央部を含む概略半分の領域(図1において符号αで示す)が接着剤により外筒体3の内周面3aに接着されている。この接着部を挟んで筒軸X方向の両側に位置するそれぞれ概略1/4の領域(同符号βで示す)では、大径部分40の外周面40aは外筒体3の内周面3に接着されておらず、両者間には滑りが生じ得るようになっている(非接着部)。
そうしてゴム弾性体4の大径部分40,40において外周面40aの一部領域(β)が非接着とされていることから、その分、内外筒体2,3の筒軸X方向の相対変位に対する拘束力が弱くなり、ラバーブッシュBの筒軸X方向の剛性が低く、即ち柔らかなものになっている。このことは、シフトレバーにおいてトランスミッション側から伝達する振動を軽減する上で好ましい特性である。
詳しくは、ラバーブッシュBの内筒体2及び外筒体3が筒軸Xの方向に相対変位するときには、誇張して模式的に図3に示すように、ゴム弾性体4の大径部分40,40が剪断変形することになるが、このときに内外筒体2,3の相対変位分だけ剪断変形するのは、両者間の接着領域(α)に対応する部分D(図に斜線を入れて示す)のみであって、非接着の領域(β)においては滑りが生じることから、ゴムの変形量が少なくなって、拘束力も弱くなるのである。
特にこの実施形態では、前記の如く、大径部分40の外周面40aにおいて筒軸X方向中央寄りの領域(α)を接着し、これを挟んで筒軸X方向の両側にそれぞれ非接着の領域(β)を設けているから、前記のように内筒体2及び外筒体3が筒軸X方向に相対変位するときには、その向きに依らず同じようにゴム弾性体4の拘束力が弱められることになり、これは振動を軽減する上で好ましい特性である。
さらに、この実施形態では、前記のように内外筒体2,3の相対変位によって剪断変形する大径部分40の付け根に、環状の溝部41,41が形成されて、その分、大径部分40,40が剪断変形し易くなっている。これは、環状溝部41の分、剪断変形における大径部分40の実効半径が大きくなり、同じ変形量であっても剪断歪みは小さくなるからである。
また、仮に筒軸X方向に強い力が作用して、内外筒体2,3が大きく相対変位しようとすれば、図4に示すように、大きく剪断変形した大径部分40の側面が畝部42に当接して、それ以上の変形が阻止されるようになる。つまり、大径部分40及び畝部42によって筒軸X方向の過大な変位を規制するストッパが構成されている。
一方、例えばドライバーの操作(シフト操作やセレクト操作)によってシフトレバーに軸直交方向の力が入力し、これによりラバーブッシュBにそれを抉る(こじる)ような力が作用すると、この抉り力はゴム弾性体4の大径部分40,40において主に圧縮荷重として受け止められるようになるが、この大径部分40,40が筒軸X方向の両端側にそれぞれ設けられていることから、抉り力に対しては高い剛性を確保し易い。
また、そうして抉り力が主に圧縮荷重として受け止められることから、前記したように大径部分40の外周面40aに非接着部があっても、抉り剛性はあまり低下しない。すなわち、抉り力によってゴム弾性体4の大径部分40に加わる圧縮荷重は、その外周面40aにおける接着部のみならず、非接着部も含めた全領域において受け止められるからである。
尚、前記2つの大径部分40,40に挟まれたゴム弾性体4の小径部分における畝部42の外周面は、外筒体3の内周面3aから離間しており、それらの間には概略2〜5mm程度の間隔が設けられている。そして、ラバーブッシュBに大きな軸直交方向の入力があれば、畝部42の外周面が外筒体3の内周面3aに当接し、ストッパとして機能するようになっている。
(製造方法)
次に、前記の如き構成のラバーブッシュBの製造方法について説明する。まず、従来周知のように、内筒体2を成形金型内にセットするとともに、ゴム弾性体4となる所定量の未加硫ゴム組成物も金型にセットし、それらを加熱及び加圧して加硫一体化成形することにより、内筒体2とゴム弾性体4とが一体になった一次成形品を得る。尚、加硫一体化成形の際には内筒体2の外周面に加硫接着剤を塗布しておけばよい。
そうして得られた一次成形品(内筒体2及びゴム弾性体4)は、前記図2の他、図5にも示すように、ゴム弾性体4の筒軸X方向両端側にそれぞれ大径部分40,40を有しており、外筒体3への圧入前は、各大径部分40の外周面40aにおいて筒軸X方向の略中央部を含む概略半分が概略筒軸Xに平行な円筒面とされる一方、これを挟んで筒軸X方向の両側にはそれぞれ先窄まりの曲面が形成されていて、テーパ状をなす大径部分40の端面になだらかに繋がっている。
そして、図5(a)のように、前記大径部分40の外周面40aの少なくとも一部に熱硬化性の接着剤(例えばウレタン系接着剤)を塗布する。詳しくは、2つの大径部分40,40のうち、筒軸X方向のいずれか一側(図3では下側)に位置するものにおいては、その外周面40aの円筒面部から一側(下側)に繋がる曲面部、さらには端面にかけて接着剤を塗布する。一方、筒軸X方向他側(上側)の大径部分40においては、その外周面40aの円筒面部にのみ、接着剤を塗布する。
そうして接着剤を塗布した一次成形品を、その筒軸X方向の一側(下側)から外筒体3内に圧入し、その後、加熱して接着剤を硬化させる(同図(b)の圧入接着)。この圧入の際には、最初に外筒体3の上端縁部に接触する下側の大径部分40において外周面40aのみならず、その端面にかけて接着剤が塗布されており、これが潤滑材として機能するようになる。よって圧入作業が容易化されるとともに、その際に生じる大径部分40の変形量のばらつきが小さくなる。
尚、前記のように一次成形品を外筒体3に圧入した後に加熱して、接着剤を硬化させるのではなく、外筒体3を予め接着剤が硬化可能な温度以上に加熱しておいて、圧入と略同時に接着剤を硬化させるようにしてもよい。
そうして一次成型品(内筒体2及びゴム弾性体4)を外筒体3内に圧入して接着した後に、今度は外筒体3を周囲から絞って縮径させる(同図(c)の外筒絞り)。この外筒絞り加工によってゴム弾性体4の大径部分40、40を径方向に圧縮し、全体に所要の予圧縮率を付与することができるとともに、それぞれの外周面40aにおいて外筒体3の内周面3aに押圧されていても、接着はされていない領域(非接着部)が設けられる。
すなわち、前記のように一次成型品である内筒体3及びゴム弾性体4を外筒体3内に圧入するときには、そのゴム弾性体4の大径部分40の外周面40aに塗布されている接着剤が流れることがあり、さらに外筒体3の内周面3aに押圧されることで接着剤の領域が広がることになるから、狙い通り非接着の領域を設けることは難しく、場合によっては、図6(a)に示すように全体が接着部(α)となることもあり得る。
しかしながら、そうして広がった接着剤が硬化した後に外筒体3を絞り加工すれば、これにより大径部分40が径方向に圧縮されて、同図(b)に模式的に示すように主に筒軸X方向に膨出するようになり、外筒体3の内周面3aに接着されている領域の外にはみ出して、新たにその内周面3aに押圧されるようになる。よって、外筒体3の内周面3aに押圧される大径部分40の外周面40aにおいて筒軸X方向中央寄りの接着部(α)と非接着部(β)とを狙い通り確実に設けることができる。
また、前記した製造方法によれば、外筒体3の絞りによってゴム弾性体4の大径部分40の予圧縮率を高めることができるので、圧入の際の圧縮率(圧入率)はあまり高くしなくてもよく、このことによっても作業の容易化が図られるとともに、その際に生じる大径部分40の変形量のばらつきが小さくなる。このことはラバーブッシュBの特性を安定させる上で好ましい。
したがって、前記のようにして製造された本発明のラバーブッシュBは、上述したように、まず、内筒体2及び外筒体3を連結するゴム弾性体4の筒軸X方向両端側にそれぞれ大径部分40,40を設けて、ここだけで内外筒体2,3を連結するようにしたから、筒軸X方向には柔らかな特性としながら、軸直交方向について特に抉り力に対しては高い剛性を確保し易いものとなる。
しかも、前記各大径部分40の外周面40aにおいて一部の領域(α)を外筒体3の内周面3aに接着する一方、残りの領域(β)は非接着としたので、内外筒体2,3の筒軸X方向の相対変位に対する拘束力が弱くなり、この方向にはさらに柔らかな特性とすることができる。
よって、前記のラバーブッシュBを利用したシフトレバーは、その軸方向の剛性が低くなってトランスミッション側からの振動を十分に軽減できるようになるとともに、軸に直交する方向の剛性は高くなって、良好な操作感が得られるものとなる。
さらに、誤ってシフトレバーに強い力が加わったとしても、ラバーブッシュBにおいてゴム弾性体4の大径部分40の側面が畝部42に当接することで、ストッパ機能が得られるから、別途ストッパ部材を付加しなくても、レバー本体Lが引き抜かれたり、押し込まれたりすることを防止可能であり、コスト削減にも有利になる。
尚、前記した実施形態においては、内外筒体2,3を連結するゴム弾性体4の筒軸X方向の中間部に環状の溝部41及び畝部42を設けているが、これには限定されない。また、ゴム弾性体4は円筒状に限らず、横断面が多角形のものとしてもよい。
また、前記実施形態のゴムブッシュBでは、外筒体3に圧入する前のゴム弾性体4において筒軸X方向一側の大径部分40には、その外周面40aのみならず一側の端面にかけて接着剤を塗布するようにしているが、これは必ずしも必要ではない。
さらに、本発明のラバーブッシュBは、前記の実施形態のように自動車のシフトレバーに利用するのみならず、それ以外に例えばラジエターマウントやサスペンションブッシュにおいて、軸方向に柔らかく且つ抉り剛性を高めたいという要求があるものに適用可能である。
以上説明したように、本発明に係るラバーブッシュは、軸直交方向、特に抉り力に対する剛性を高めながら、軸方向には非常に柔らかな特性とすることができ、しかも簡単な構造で低コスト化も可能なので、自動車のシフトレバーに利用して好適である。
本発明に係るラバーブッシュの構造を示す縦断面図である。 同ラバーブッシュの分解斜視図である。 内外筒体が筒軸方向に相対変位するときのゴム弾性体の大径部分の変形状態を誇張して示す説明図である。 筒軸方向に大きな力がかかったときの図3相当図である。 同ラバーブッシュの製造方法を示す説明図である。 外筒絞り加工に伴い、その内周面とゴム弾性体の大径部分外周面との間に非接着部が形成される説明図である。 従来例のラバーブッシュを用いたシフトレバーの概略構成図である。
符号の説明
B ラバーブッシュ
L シフトレバーのレバー本体(他方の部材)
s シフトレバーのシャフト(一方の部材の軸部)
X 筒軸
2 内筒体
3 外筒体
4 ゴム弾性体
40 大径部分
40a 外周面
(α) 接着部
(β) 非接着部
41 環状溝部(小径部分)
42 環状畝部(小径部分)

Claims (6)

  1. 内筒体と、その外周を囲む外筒体と、それらを連結する筒状のゴム弾性体と、を備えたラバーブッシュであって、
    前記ゴム弾性体には、筒軸方向の両端側にそれぞれ相対的に大径の部分が形成されて、その外周面が前記外筒体の内周面に押圧されている一方、筒軸方向の中間部には相対的に小径の部分が形成されて、その外周面が前記外筒体の内周面から離間しており、
    そうして外筒体の内周面に押圧されているゴム弾性体の大径部分の外周面において、一部の領域が前記外筒体の内周面に接着されている一方、その他の領域は非接着とされている
    ことを特徴とするラバーブッシュ。
  2. ゴム弾性体の大径部分の外周面における筒軸方向の少なくとも略中央部が外筒体の内周面に接着され、この接着部を挟んで筒軸方向の両側に非接着部が設けられている、請求項1に記載のラバーブッシュ。
  3. 筒軸方向の中間部に位置するゴム弾性体の小径部分において、筒軸方向両側の大径部分との境界付近にはそれぞれ周方向に延びる環状の溝部が形成され、これらの溝部の中間に環状の畝部が形成されている、請求項1又は2のいずれかに記載のラバーブッシュ。
  4. 軸方向に分割されたシフトレバーのいずれか一方の部材に形成された軸部と、他方に形成された筒状部との間に介設され、
    内筒体が前記軸部に外嵌合される一方、外筒体が前記筒状部に内嵌合される、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載のラバーブッシュ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のラバーブッシュを製造する方法であって、
    内筒体にゴム弾性体を加硫一体化成形し、
    前記ゴム弾性体の筒軸方向両端側にそれぞれ位置する大径部分の外周面において、少なくとも筒軸方向の略中央部に接着剤を塗布した後に、
    前記内筒体及びゴム弾性体を外筒体内に圧入して接着させ、
    その後、外筒体を周囲から押圧して縮径させる、
    ことを特徴とするラバーブッシュの製造方法。
  6. ゴム弾性体の2つの大径部分のうち、筒軸方向の一側に位置するものには、その外周面から前記一側の端面にかけて接着剤を塗布し、
    その後、内筒体及び前記ゴム弾性体を、前記筒軸方向の一側から外筒体内に圧入する、請求項5に記載のラバーブッシュの製造方法。
JP2007050105A 2007-02-28 2007-02-28 ラバーブッシュ及びその製造方法 Pending JP2008215402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007050105A JP2008215402A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 ラバーブッシュ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007050105A JP2008215402A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 ラバーブッシュ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008215402A true JP2008215402A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39835689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007050105A Pending JP2008215402A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 ラバーブッシュ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008215402A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7085667B1 (ja) 2021-03-31 2022-06-16 住友理工株式会社 摺動ブッシュ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4415446Y1 (ja) * 1965-04-15 1969-07-04
JPS5297389U (ja) * 1976-01-20 1977-07-21
JPH11108095A (ja) * 1997-10-09 1999-04-20 Bridgestone Corp 防振装置の製造方法
JPH11108094A (ja) * 1997-10-09 1999-04-20 Bridgestone Corp 防振装置の製造方法
JP2003097630A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振ブッシュ
JP2004353798A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Kurashiki Kako Co Ltd 防振装置及びその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4415446Y1 (ja) * 1965-04-15 1969-07-04
JPS5297389U (ja) * 1976-01-20 1977-07-21
JPH11108095A (ja) * 1997-10-09 1999-04-20 Bridgestone Corp 防振装置の製造方法
JPH11108094A (ja) * 1997-10-09 1999-04-20 Bridgestone Corp 防振装置の製造方法
JP2003097630A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 防振ブッシュ
JP2004353798A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Kurashiki Kako Co Ltd 防振装置及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7085667B1 (ja) 2021-03-31 2022-06-16 住友理工株式会社 摺動ブッシュ
WO2022209237A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 住友理工株式会社 摺動ブッシュ
JP2022156064A (ja) * 2021-03-31 2022-10-14 住友理工株式会社 摺動ブッシュ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6867138B2 (ja) 防振ブッシュ
WO2005090838A1 (ja) 往復動軸用密封装置
JP3951274B1 (ja) 防振ブッシュの製造方法
JP2006242289A (ja) 防振ブッシュ
JP2001280400A (ja) サスペンション用アッパサポート
JP2003035320A (ja) 弾性軸継手および弾性ブッシュの製造方法
JP5137751B2 (ja) 防振装置
JP2008215402A (ja) ラバーブッシュ及びその製造方法
JP2003247595A (ja) ダイナミックダンパ及びプロペラシャフト
JP4171095B2 (ja) ゴムブッシュの外筒の絞り方法
WO2022209237A1 (ja) 摺動ブッシュ
JP4372086B2 (ja) ベアリングブッシュ
JP3897610B2 (ja) ダイナミックダンパの製法
JP2010159860A (ja) 防振ブッシュ
JP2009008118A (ja) ラバーブッシュ
JP2007314081A (ja) シフトレバーブッシュ
JP4371708B2 (ja) 防振装置及びその製造方法
JP3724221B2 (ja) 防振ブッシュの製造方法
JP2007315531A (ja) シフトレバーブッシュ
JPH08200418A (ja) 防振支持装置
JP5045905B2 (ja) シフトレバーダンパ
JP4413028B2 (ja) 防振装置及びその製造方法
JP2010060023A (ja) 防振ブッシュ
JP2009002394A (ja) ラバーブッシュ
JP2003227546A (ja) 防振装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20091214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120327