JP2008214854A - 鋼管打設装置および鋼管打設方法 - Google Patents

鋼管打設装置および鋼管打設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋼管を打設して十分な抵抗力を有する基礎等とすることができ、また、その打設作業が短時間にしかもコストを抑えて行える鋼管打設装置および鋼管打設方法の提供。
【解決手段】 複数の鋼管Bを同時に打設するとともに、各鋼管Bを鋼管連結具vにより連結固定して連結鋼管Cを地中に設置する鋼管打設方法。主体部aの側面に複数のガイドセルb1〜b3を傾動自在にして取り付けてなり、そのガイドセルb1〜b3によって複数の鋼管を同時に打設することができるようにしてなる鋼管打設装置A。
【選択図】 図8

Description

本発明は、各種構築物の基礎やトンネル補強部材等として複数の鋼管を打設する鋼管打設装置および鋼管打設方法に関する。
従来、交通標識などの看板、ビニールハウス、フェンス、一戸建て住宅、仮設ハウス、プレキャストの擁壁など各種構築物の基礎として、短尺基礎杭、フーチング基礎(特許文献1)等が採用されている。
また、トンネルの外周の地山の崩落等を防ぐため、地山に補強部材としての鋼管を打設して補強することが行われている(特許文献2)。
特開平7−119161 特開2005−344346
しかし、上記各種構築物の基礎のうち、たとえばフーチング基礎についてみると、これは鉛直荷重に対しては底面の地盤反力により、また、引抜き荷重に対しては自重と土のせん断抵抗により抵抗しているので、仮設構造物など自重の軽い構造物に於いては抵抗力が不十分で、風荷重による引抜き荷重や水平荷重が卓越するおそれがあり、そのような場合、フーチング基礎を大きくまた深く構築する必要があった。
また、上記トンネル外周の地山の補強部材として鋼管を打設する作業については、その作業時間の短縮、施工コストの低減が求められている。
そこで、本発明は、上記のような課題を解決し、鋼管を打設して十分な抵抗力を有する基礎等とすることができ、また、その打設作業が短時間にしかもコストを抑えて行える鋼管打設装置および鋼管打設方法の提供を課題とする。
請求項1記載の本発明は、複数の鋼管Bを同時に打設するとともに、各鋼管Bを鋼管連結具vにより連結固定して連結鋼管Cを地中に設置する鋼管打設方法である。
請求項2記載の本発明は、上記各鋼管Bを、仮想角錐体の各斜辺に位置する位置関係にして打設する請求項1記載の鋼管打設方法である。
請求項3記載の本発明は、上記各鋼管Bを、それらの下端をそれぞれ仮想正三角形u1の頂点に位置させ、また、上端を、上記仮想正三角形u1よりも小さくこれと同一の重心で、その仮想正三角形u1を反転させた仮想正三角形u2の頂点にそれぞれ位置させた位置関係にして打設する請求項2記載の鋼管打設方法である。
請求項4記載の本発明は、地中に設置した上記連結鋼管Cを構築物と連結することにより、これを上記構築物の基礎とする請求項1,2または3記載の鋼管打設方法である。
請求項5記載の本発明は、改良対象地盤23に設置した上記連結鋼管Cをそこに敷設したグリッドシート22等と連結することにより、地盤の改良を行う請求項1,2または3記載の鋼管打設方法である。
請求項6記載の本発明は、改良対象のり面に設置した上記連結鋼管Cをそこに敷設したシート33等と連結することにより、のり面の保護を行う請求項1,2または3記載の鋼管打設方法である。
請求項7記載の本発明は、トンネル下方の地盤41に設置した上記連結鋼管Cをそこに敷設したグリッドシート42等と連結することによりトンネルインバートの補強を行う請求項1,2または3記載の鋼管打設方法である。
請求項8記載の本発明は、主体部aの側面に複数のガイドセルb1〜b3を取り付けてなり、そのガイドセルb1〜b3によって複数の鋼管を同時に打設することができるようにしてなる鋼管打設装置である。
請求項9記載の本発明は、上記ガイドセルb1〜b3を、上記主体部aに対して傾動自在にして取り付けてなる請求項8記載の鋼管打設装置である。
請求項10記載の本発明は、上記ガイドセルb1〜b3による鋼管Bの打設角度を、全て同じ角度に設定することができるようにしてなる請求項9記載の鋼管打設装置である。
請求項11記載の本発明は、上記ガイドセルb1〜b3の軸線が、上記主体部aの中心軸と交わらないように該主体部aに取り付けられ、これらによって打設される鋼管Bが主体部aの中心軸下方に於いて互いに干渉しないようにしてなる請求項8,9または10記載の鋼管打設装置である。
本発明によれば、鋼管を打設して十分な抵抗力を有する基礎等とすることができ、また、その打設作業が短時間にしかもコストを抑えて行える。
複数の鋼管Bを同時に打設するとともに、各鋼管Bを鋼管連結具vにより連結固定して連結鋼管Cを地中に設置する鋼管打設方法。
主体部aの側面に複数のガイドセルb1〜b3を傾動自在にして取り付けてなり、そのガイドセルb1〜b3によって複数の鋼管を同時に打設することができるようにしてなる鋼管打設装置A。
鋼管打設装置により地中に打設した3本の鋼管を互いに連結固定してなる連結鋼管(三脚鋼管(名称:Tripod))を地中に設置し、これを所要の構築物の基礎とする鋼管打設方法について詳しく説明する(図1〜8)。
Aは鋼管打設装置である。これは、三角柱状の主体部aの3側面に、3つのガイドセルb1〜b3を傾動自在にして取り付けてなり、そのガイドセルb1〜b3によって3本の鋼管Bを同時に打設することができるようにしたものである。
各ガイドセルb1〜b3は、トンネル工事用ドリルジャンボに搭載されている従来公知のガイドセルと同等のもので、ビットcにより削孔しながら、これにセットした鋼管Bをドリフタdで打撃押圧することによって、地中にその鋼管Bを打設する。
各ガイドセルb1〜b3は、そのレールdに固定したブラケットeと上記主体部aの各側面の下部に設けた支持ブラケットfとにピンgを挿通して、垂直に対して15°〜30°の角度の範囲で傾動自在に軸支されている。
hは、上記レールdに固定され、かつ、上記主体部aの筒体a1に先端を差し込んだ角度調整腕である。
上記ガイドセルb1〜b3は、上記筒体a1に差し込まれた角度調整腕hのボルト孔(図示しない)と上記筒体a1の側面の角度調整長孔a2とに挿通したボルトiをナット(図示しない)により緊締することによって、上記ガイドセルb1〜b3を所定の角度に設定した状態で固定される。
なお、各ガイドセルb1〜b3は、各々の軸線(鋼管Bの打設方向)が上記主体部aの中心軸と交わらないよう上記主体部aの各側面に対して水平方向に微小角度変位させて斜めに取り付けられており、このことによって、各ガイドセルb1〜b3のドリフタdによって下方に押し出され地中に打設される鋼管Bが、主体部aの中心軸下方において互いに干渉しないようになっている。
jは上記主体部a内の中心の位置に垂直に配設した回転軸、k1〜k3はその回転軸に固定した3つのピニオンギア、m1〜m3は、該主体部aを貫通させて配設され、かつ、上記ピニオンギアk1〜k3とそれぞれ噛合し上記上記回転軸jをハンドルnにより回転させることで上記各ガイドセルb1,b2,b3に近接または離隔する方向に摺動するようにしたガイドセルb1〜b3の角度を同一に設定するためのラックである。
これらのラックm1〜m3は、その先端を上記ガイドセルb1〜b3のレールdに対向させ、かつ、常に上記主体部aから同じ長さだけ先端を突出させた状態で、上記ハンドルnの操作により同量だけ摺動するようになっている。
したがって、ハンドルnによってラックm1〜m3の先端を所定の位置に位置決めし、この先端に上記ガイドセルb1〜b3のレールdが当接するところまで該ガイドセルb1〜b3を起立させ上記ボルトiおよびナットにより上記角度調整腕hを上記筒体a1に対して固定することで、各ガイドセルb1〜b3を全て同じ角度に設定することができるようになっている。
pは、上記主体部aの側部に固定された、この鋼管打設装置Aをバックホウq等の重機のアームに取り付けるためのバックホウ用ブラケットである。
上記鋼管Bは長さ1.5m直径50mmのものである。この鋼管Bの外周面には開口径20mmの多数の開孔B1を所定の間隔をあけて千鳥状に開設してある。また、その一端の外面にはネジB2を切ってある。
なお、鋼管の長さおよび直径、開孔B1の開口径、配置は適宜変更することができる。たとえば、鋼管は3m程度のものを用いることもできる。
上記鋼管打設装置Aにより上記鋼管Bを構築物基礎として打設する鋼管打設方法は、上記鋼管打設装置A、およびこれを駆動するのに用いるコンプレッサrと水槽sとを搭載したトラックtからなる鋼管打設システム(図5(a))により、以下のように実施される。
予め、バックホウqのアームに取り付けた上記鋼管打設装置Aの3つのガイドセルb1〜b3の角度を所定の角度に設定しておく。
そして、各ガイドセルb1〜b3にそれぞれ鋼管Bをセットし、上記バックホウqにより上記鋼管打設装置Aを、地盤11上の鋼管Bを打設しようとする所定の位置に位置させるとともに、上記ガイドセルb1〜b3を同時に駆動し、上記3本の鋼管Bを、鋼管B内を削孔しながら所定の角度で地中に打設する(図5(b))。
これにより打設された3本の鋼管Bは、それらの下端をそれぞれ仮想正三角形u1の頂点に位置させ、また、上端を、上記仮想正三角形u1よりも小さくこれと同一の重心で、その仮想正三角形u1を反転させた仮想正三角形u2の頂点にそれぞれ位置させた位置関係、換言すれば、重心が同じで向きを反転させた上下2つの正三角形u1,u2の各頂点を結ぶ位置に各鋼管Bを位置させた、いわば仮想略三角錐体の斜辺に位置する関係となる(図7)。
上記鋼管打設装置Aにより行う3本の鋼管Bの打設は、位置決めを正確にしてかつ短時間で行えるものである。
続いて、それらの鋼管Bの上端に、鋼管連結具vの基板(300×300mmの方形)v1に開設した開孔v2を嵌合させ、その基板v1の上面に突出させた鋼管Bの上端のネジB2にナットv3を螺合し、各鋼管Bを連結固定することで連結鋼管Cが地中に構築設置される。
最後に、その連結鋼管C上にフーチングwを構築してこれと連結することで、該フーチングwの基礎として機能するようにする。
その連結は、たとえば、鋼管連結具vの支柱v4に対してナットv5で固定板v6を固定するとともにその周囲に組んだ型枠にコンクリートを流し込むことによってフーチングwを構築する(図8)。
各鋼管Bは、上記の通りその周面に多数の開孔B1を開設してあるので、土との摩擦力が高いものである。したがって、打設時の貫入抵抗とその多数の開孔B1により大きな引抜き抵抗が得られる。
また、斜めに打設するので、引抜き荷重だけでなく鉛直荷重、水平荷重にも抵抗することができ、しかも、構築物荷重の載荷により鋼管周辺からの受動反力も期待でき、3本の鋼管Bとこれに囲まれる略三角錘状の土塊が疑似フーチングとして機能し、変位の抑制効果をも発揮する。
さらに、現場の状況に応じて、鋼管Bを長いものとしたり太いものとすることにより簡単かつ経済的に、より大きな抵抗を得ることもできる。
この方法により設置される連結鋼管Cは従来の基礎と比べ多くの利点がある。
すなわち、従来工法の欠点としては、第1に、従来の基礎杭で多用されているセメント系充填材の場合、湧水料や湧水圧により的確な効果が期待できない場合がある。第2に、基礎杭では、充填材の養生後でなければ、また、フーチングではコンクリート養生後でなければその効果が期待できず、施工直後の効果が期待できない。第3に、フーチング基礎や小口径鋼管基礎等は比較的高コストである。第4に、フーチングでは地盤の掘削および埋め戻しの作業に多大な時間を要する。
これに対し、上記連結鋼管Cによれば、地山の強度、節理および湧水の有無にかかわらず効果が期待でき、また、効果が足りないと想定される場合には鋼管長を長くするとか鋼管径を大きくすることで対応することができる。
また、コンクリートの養生等が不要なので、設置直後から効果が期待できるとともに、コストも安く、作業が簡単で作業時間が短いものである。
なお、連結鋼管としては、4本以上の鋼管を仮想角錐体の各斜辺の位置に位置させて配置したものとしてもよい。
また、現場の状況によっては各鋼管Bを同時でなく別々に打設してもよい。
さらに、鋼管に代え適宜の長さおよび太さの鋼棒を用いることも可能である。
また、上記連結鋼管は、例示した上記フーチングw以外の各種の構築物と連結して、その基礎とすることができる。
次に、上記鋼管打設装置Aを用いた鋼管打設方法により、表層地盤改良を行う例について説明する(図9,10)。
従来の浅層混合工法やBH工法等の表層地盤改良工法は、地盤の表層をセメント21や改良材で改良していたものである(図9(a))が、本実施例は、これに代え、グリッドシート(金網)22を敷設し、これを上記連結鋼管Cにより固定することで表層地盤の改良を行うものである(図9(b))。なお、上記グリッドシート22に代え、鉄筋棒、鉄板等をしようしてもよい(以下これらを「グリッドシート等」という。)。
その実施手順は以下の通りである。
改良対象地盤23の領域内の所定位置に、上記鋼管打設装置Aにより3本の鋼管Bを打設するとともに、打設された3本の鋼管Bの上端を鋼管連結具vにより連結し、地盤補強部材として機能させる連結鋼管Cを構築設置する。その具体的方法は上記実施例1の場合と同様である。
上記作業を繰り返し、たとえば設置間隔を縦横2mとして、連結鋼管Cを複数設置する。
なお、連結鋼管Cの打設間隔、各鋼管Bの太さ、長さ等は現場の状況に応じ適宜設定することができる。
続いて、複数の連結鋼管Cを設置した上記改良対象地盤23に、グリッドシート22等を敷設し、そのグリッドシート22等の上面側に突出させた上記鋼管連結具vの支柱v4に固定板v6を挿通し、これをナットv5で緊締し、各連結鋼管Cとグリッドシート22等とを連結固定する(図10(a))。
最後に覆土24により上記グリッドシート22等を埋設して仕上げを行う(図10(b))。
上記の方法による表層地盤改良は、以下の利点がある。
すなわち、従来の表層地盤改良工事の欠点としては、第1に、改良材の飛散などによる周辺環境への影響が懸念されること、第2に、養生期間が必要とされること、第3に、コストが高いこと、第4に、天候、湧水状況等の諸条件に左右され、そのための追加対策が必要になること、第5に、設備設置から整地までの作業時間が比較的長いこと等があった。
これに対し、本方法による表層改良は、第1に、改良材を使用しないため、周辺環境への影響が小さいこと、第2に、養生期間を必要としないこと、第3にコストが低いこと、第4に、天候などの自然条件に影響を受けないこと、第5に、作業工種が少なく、それぞれが短時間で完了できるので、全体的な施工時間が短いこと、第6に汎用のバックホウ等を用いるだけで特殊な機器を必要としないこと等の利点がある。
続いて、上記鋼管打設装置Aを用いた鋼管打設方法により、のり面保護を行う例について説明する(図11,12)。
従来の、のり面の表面保護や表層崩壊対策を目的とした吹付けコンクリート工法は、のり面にロックボルト31を打設するとともに吹付けコンクリート32によりその表面を仕上げたものであるが(図11(a))、本鋼管打設方法を適用したのり面保護方法は、上記連結鋼管Cによって、のり面を保護するもので、従来の工法に比べ施工時の環境、美観、コスト、施工時間等の面で優れている。この工法は以下の手順で行われる。
保護対象となるのり面を整形した後に、緑化種子を含みかつ湧水処理機能を有するシート33を敷設する(図12(a))。
なお、上記シート33に代え、セメントで固めた土、プラスチック板、鉄板、発泡スチロール板等(以下これらを「シート」等という。)を敷設することとしてもよい。
続いて、バックホウ34に取り付けた鋼管打設装置Aをのり面の所定位置に位置決めし、3本の鋼管Bを同時に打設する。
上記3本ずつの鋼管の打設Bは所定間隔をおいて必要回数行う(図12(b))。
そして、打設された3本の鋼管Bの上端を鋼管連結具vにより連結して、地盤補強部材として機能する連結鋼管Cを築造設置する。
続いて、その連結鋼管Cとシート33等とを、鋼管連結具vの支柱v4に固定板v6をナット緊締するなどの適宜の方法により連結固定する(図12(c))。
なお、上記鋼管Bの打設は上記シート33等の敷設前に行ってもよい。
打設された上記鋼管Bの開孔B1は、水抜き孔としても機能することとなるので、のり面の表層崩壊を抑制するとともに排水を促進する。
この方法による法面保護工事には、以下の利点がある。
すなわち、従来工法では、第1に、施工時の粉塵により近隣環境を悪化すること、第2に、天候に左右され湧水がある場合には追加処理が必要となること、第3に、美観を損なう仕上げとなること、第4に、仮設とする場合、撤去に際し産廃処理を必要とすること、第5に、湧水処理、ラス張り、アンカー設置、吹付けコンクリート等の作業が多いため、作業に時間がかかること、第6に、ほとんどが人力による高所作業であるため危険な作業となる等の問題がある。
これに対し、本方法によるのり面保護工事は、施工時に粉塵が発生しないこと、天候に左右されないこと、緑化施工であるため美観を損なわないこと、シート等の設置と鋼管打設の作業のみであるので作業時間が短いこと、シート等の敷設の作業のみを人力で行えばよいので安全性が向上すること、などのメリットがある。
上記鋼管打設装置Aによる鋼管打設方法により、トンネル補強工事におけるインバート補強を行う例について説明する(図13,14)。
トンネル補強工法として従来、トンネル外周に鋼管40を打設する工法があるが、これは、鋼管を1本ずつ放射状に打設していたものである(図13(a))。
本実施例の鋼管打設方法はトンネルインバート部に上記鋼管打設装置Aを用いて鋼管Bの打設を行うもので(図13(b))、従来工法にくらべコスト低減および作業時間の短縮が可能である。その実施手順は以下の通りである。
トンネル下方の地盤41の所定位置に、上記鋼管打設装置Aにより3本の鋼管Bを打設するとともに、打設された3本の鋼管Bの上端を鋼管連結具vにより連結し、トンネル補強部材として機能する連結鋼管Cを構築設置する。その具体的方法は上記実施例1の場合と同様である。
連結鋼管Cの設置は、たとえば縦横2m程度の所定の設置間隔をおいて必要回数行い、その後、グリッドシート42等を敷設するとともに、各連結鋼管Cの鋼管連結具vの支柱v4に挿通した固定板v6をナットv5で緊締し、各連結鋼管Cとグリッドシート42等とを連結固定する(図14(a))。
最後に、インバートコンクリート43を打設する(図14(b))。
これにより、インバート部の地盤を改良し、トンネルの沈下や変形を抑制することができる。
なお上記鋼管打設方法は、トンネル地表部の地山改良(浅層改良)工法に適用することも可能である。
上記鋼管打設装置Aによる鋼管打設方法により、トンネルの脚部補強を行う例について説明する(図15〜17)。
トンネル脚部についても、従来鋼管50を1本ずつ放射状に打設することが行われていたが(図15の(a))、その鋼管設置は切羽通過後ある程度の時間をおいてから行われていたので、掘削直後の段階での対策が不可能であるとか、比較的コスト高であるなどの問題があった。
本実施例の鋼管打設方法は、掘削直後に支保設置前の段階で行われるトンネル脚部を補強するので、初期の段階から効果が期待できるものである。その実施手順は以下の通りである。
支保設置前の床均しを完了した後、トンネル側方の地山51に、上記鋼管打設装置Aにより3本の鋼管Bを打設する(図17(a))とともに、打設された3本の鋼管Bの上端を上記鋼管連結具vにより連結し、トンネル補強部材として機能する連結鋼管Cを構築する。その具体的方法は上記実施例1の場合と同様である。
続いて横架杆52をトンネル内壁面に沿わせて設置するとともに、その横架杆52と鋼管連結具vとに、70cm×20cmの長方形で長孔53aを開設した皿板プレート53を、その長孔53aを上記鋼管連結具vの支柱v4に挿通しナットで緊締し固定する(図17(b))。
そして、その皿板プレート53の内面に構成支保工54を建て込む(図17(c),図15(b))。
この方法による脚部補強は、地山強度、節理、および湧水の有無等にかかわらず、補強効果が期待でき、特に、切羽掘削直後、支保設置前の段階で施工できるため、初期の段階から補強効果が期待でき、また定着材の養生等が不要であるから設置直後から効果が期待できる。さらに、作業が簡単で短時間に施工できるとともに、従来工法よりもコストを低減できるものである。
本発明の一実施例に係る鋼管打設装置の平面図である。 上記鋼管打設装置の主体部の一部を切欠き、かつ、3つのガイドセルのうち1つのみを示し他2つを省略して示した側面図である。 上記鋼管打設装置により打設する鋼管の斜視図である。 3本の上記鋼管を連結固定するための鋼管連結具の斜視図である。 (a)は上記鋼管打設装置を含む鋼管打設システムの全体図、(b)は本発明鋼管打設方法の第1の実施例において上記鋼管打設装置により鋼管を打設している状況を示す側面図である。 打設された3本の上記鋼管の上端を上記鋼管連結具で連結固定した状態の斜視図である。 打設された上記3本の鋼管の位置関係を示す平面図である。 上記3本の鋼管からなる連結鋼管に対してフーチングを固定した状態を示す縦断面図である。 (a)は従来の表層地盤改良工事の施工後の状態を示す縦断面図、(b)は、本発明鋼管打設方法の第2の実施例による表層地盤改良工事の施工後の状態を示す縦断面図である。 (a)は上記鋼管打設方法において連結鋼管を設置しグリッドシートを敷設固定した状態を示す縦断面図、(b)は覆土後の状態を示す縦断面図である。 (a)は従来の、のり面保護工事の施工後の状態を示す縦断面図、(b)は、本発明鋼管打設方法の第3の実施例による、のり面保護工事の施工後の状態を示す縦断面図である。 (a)は上記鋼管打設方法においてシートを敷設した状態の縦断面図、(b)は連結鋼管を設置する作業の状況を示す縦断面図、(c)は上記シートと上記連結鋼管とを連結した状態を示す縦断面図である。 (a)は、従来のトンネル補強工事の施工後の状態を示す縦断面図、(b)は、本発明鋼管打設方法の第4の実施例によるインバート補強工事の施工後の状態を示す縦断面図である。 (a)は連結鋼管を設置しグリッドシートを敷設して互いを連結固定した状態の縦断面図、(b)はインバートコンクリート打設後の状態の縦断面図である。 (a)は従来のトンネル補強工事の施工後の状態を示す縦断面図、(b)は、本発明鋼管打設方法の第5の実施例によるトンネル脚部補強工事の施工後の状態を示す縦断面図である。 上記鋼管打設方法で使用する皿板プレートの平面図である。 (a)は鋼管を打設する状況を示す横断面図、(b)は打設された鋼管により連結鋼管を構築設置し、これに上記皿板プレートを固定した状態の横断面図、(c)は、支保工を立て込んだ状態の横断面図である。
符号の説明
A 鋼管打設装置
B 鋼管
C 連結鋼管
a 主体部
b1〜b3 ガイドセル
c ビット
d レール
e,f ブラケット
g ピン
h 角度調整腕
i ボルト
j 回転軸
k1〜k3 ピニオンギア
m1〜m3 ラック
n ハンドル
p バックホウ用ブラケット
q バックホウ
r コンプレッサ
s 水槽
t トラック
u1,u2 仮想正三角形
v 鋼管連結具
w フーチング
22,42 グリッドシート
23 改良対象地盤
33 シート
41 地盤

Claims (11)

  1. 複数の鋼管を同時に打設するとともに各鋼管を鋼管連結具により連結固定することにより連結鋼管を地中に設置することを特徴とする鋼管打設方法。
  2. 上記各鋼管を、仮想角錐体の各斜辺に位置する位置関係にして打設する請求項1記載の鋼管打設方法。
  3. 上記各鋼管を、それらの下端をそれぞれ仮想正三角形の頂点に位置させ、また、上端を、上記仮想正三角形よりも小さくこれと同一の重心で、その仮想正三角形を反転させた仮想正三角形の頂点にそれぞれ位置させた位置関係にして打設することを特徴とする請求項2記載の鋼管打設方法。
  4. 地中に設置した上記連結鋼管を構築物と連結することにより、これを上記構築物の基礎とすることを特徴とする請求項1,2または3記載の鋼管打設方法。
  5. 改良対象地盤に設置した上記連結鋼管をそこに敷設したグリッドシート等と連結することにより、地盤の改良を行うことを特徴とする請求項1,2または3記載の鋼管打設方法。
  6. 改良対象のり面に設置した上記連結鋼管をそこに敷設したシート等と連結することにより、のり面の保護を行うことを特徴とする請求項1,2または3記載の鋼管打設方法。
  7. トンネル下方の地盤に設置した上記連結鋼管をそこに敷設したグリッドシート等と連結することにより、トンネルインバートの補強を行うことを特徴とする請求項1,2または3記載の鋼管打設方法。
  8. 主体部の側面に複数のガイドセルを取り付けてなり、そのガイドセルによって複数の鋼管を同時に打設することができるようにしてなることを特徴とする鋼管打設装置。
  9. 上記ガイドセルを、上記主体部に対して傾動自在にして取り付けてなることを特徴とする請求項8記載の鋼管打設装置。
  10. 上記ガイドセルによる鋼管の打設角度を、全て同じ角度に設定することができるようにしてなることを特徴とする請求項9記載の鋼管打設装置。
  11. 上記ガイドセルが、その軸線が上記主体部の中心軸と交わらないようにして該主体部に取り付けられ、これらによって打設される上記鋼管が上記主体部の中心軸下方に於いて互いに干渉しないようにしてなることを特徴とする請求項8,9または10記載の鋼管打設装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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