JP2008214453A - ポリビニルエーテルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するポリビニルエーテルを効率よく製造する方法およびその方法に用いる触媒を提供する。
【解決手段】
分子内に(メタ)アクリロイル基を有するビニルエーテルを、ヘテロポリ酸を含有してなる触媒の存在下で重合することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するポリビニルエーテルを効率よく製造する方法およびその方法に用いる触媒を提供する。
一般的にポリビニルエーテルは、三弗化ホウ素等のルイス酸触媒を使用する均一系カチオン重合によって工業生産されている。しかし、高分子量体を得るためには工業的に不利な0℃以下の低温を必要とすることや、生成したポリビニルエーテルが着色するという問題がある。
一方、酸化クロム(III)やシリカアルミナ等の固体酸を用いる不均一系でのビニルエーテルの重合も知られているが、この場合は重合活性が低く、重合した場合でも生成したポリビニルエーテルが着色する場合や、分解する等の問題があった。
また、硫酸塩や酸性白土等を触媒に用いてビニルエーテル重合した場合、室温以上の高温で重合することが知られている。しかし、触媒の重合活性が低く、分子量、重合率共にあまり上がらないという問題があった。その重合活性の低さを補うため、固体酸触媒を多量に使用することも可能であるが、生成した高分子量体の溶液の粘度が高いことや、反応後の固体触媒除去が必要なことや、固体触媒の一部が混入し製品の品質を低下させる等の問題があった。
以上のような問題を解決し、室温以上の温度で高分子量体を得る方法としては、特許文献1には、二酸化ケイ素と酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄および酸化チタンから選ばれる1種以上の金属酸化物から成る触媒(シーサンドおよびカオリン等)の使用が開示されている。ただし、その触媒は活性を向上させる処理を何等施しておらず、天然鉱物をそのまま使用しており、重合触媒としての活性が低いために所望の重合体を得るまでに8時間〜1ヶ月の長時間を要している。
ラジカル重合性(アニオン重合性)の(メタ)アクリロイル基とカチオン重合性のビニルエーテル基とを分子内に併せ持つ単量体として、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)、メタクリル酸2−ビニロキシエチル(VEM)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEM)などの異種重合性単量体が知られている。
これらの異種重合性単量体は、それ自体を熱・紫外線・電子線硬化型の反応性希釈剤として使用したり、ビニルエーテル基への付加反応を利用して、種々のアセタール類を合成したりするのに有用である。また、これらの異種重合性単量体は、重合方法を選択することにより、(メタ)アクリロイル基またはビニルエーテル基をペンダントに持つユニークな重合体を与えることができる。例えば、ラジカル重合(アニオン重合)を行えば、(メタ)アクリロイル基が選択的に重合反応を行い、熱・紫外線・電子線硬化性重合体として、側鎖にカチオン重合可能な二重結合を有するビニルエーテル基ペンダント型重合体が得られる。他方、カチオン重合を行えば、ビニルエーテル基が選択的に重合反応を行い、熱・紫外線・電子線硬化性重合体として、側鎖にラジカル重合(アニオン重合)可能な二重結合を有する(メタ)アクリロイル基ペンダント型重合体が得られる。
例えば、特許文献2には、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)などの異種重合性単量体をカチオン重合させて得られた(メタ)アクリロイル基ペンダント型重合体および光重合開始剤からなる感光性組成物が開示されている。また、特許文献3には、(メタ)アクリロイル基ペンダント型重合体と、光反応性の不飽和カルボキシル基を有する化合物と、光重合開始剤とからなる感光性組成物が開示されている。さらに、特許文献4には、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)などの異種重合性単量体を、それ自体カチオン重合に不活性な光反応性の不飽和基を有するカルボン酸エステル溶媒化合物中で、カチオン重合触媒を使用して、単独重合または共重合させることにより、重合体溶液を得る製造法が開示されている。また、特許文献5には、メタクリル酸2−ビニロキシエチル(VEM)をリビングカチオン重合することで側鎖にラジカル重合可能な二重結合を有するポリマーを得る製造方法が開示されている。
これらの特許文献に開示された重合反応には、いずれも、カチオン重合触媒として、例えば、三フッ化ホウ素、塩化第二鉄、三塩化アルミニウム、有機アルミニウム化合物、四塩化スズなどのルイス酸、あるいは、これらのルイス酸と、水、エーテル、有機酸などのルイス塩基との錯体が用いられている。
ところが、上記のような異種重合性単量体を、このような重合触媒を用いて、カチオン重合すると、ビニルエーテル基以外に(メタ)アクリロイル基にも反応することで架橋反応が進行し系内で3次元架橋(ゲル化)が進行する問題点があった。
米国特許第5,691,430号公報 特公昭49−13212号公報 特公昭51−34433号公報 特公昭54−27394号公報 特開昭62−257911号公報
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するポリビニルエーテルの重合体を生産性よく製造する方法、およびその方法に用いる触媒を提供することにある。
本発明は、側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するビニルエーテルを触媒の存在下に重合して、反応性のポリビニルエーテルを製造するに際し、前記触媒として、ヘテロポリ酸を用いることを特徴とするポリビニルエーテルの製造方法に関する。
また、本発明は、ポリビニルエーテルの製造方法において、ヘテロポリ酸を反応器に連続滴下して重合するポリビニルエーテルの製造方法でもある。
本発明によれば、生産性良く安定して側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するポリビニルエーテルの重合体を製造できる。
本発明において原料モノマーとして用いられるビニルエーテルは、例えば下記一般式(1):
Figure 2008214453
[式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、Rは水素原子またはメチル基、mは正の整数である]
で示される化合物である。
上記式(1)で示される異種重合性単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸、4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エチル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}エチル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}エチル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)イソプロポキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)イソプロポキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−[2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エチル、(メタ)アクリル酸2−[2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}エトキシ]エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−[2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エトキシ)エチル;などが挙げられる。これらの異種重合性単量体のうち、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エチルが好適である。
上記式(1)で示される異種重合性単量体と、カチオン重合可能な単量体とを、カチオン重合することにより、容易に共重合体を調製することができる。このとき、上記式(1)で示される異種重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。得られる共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体またはその組合せのいずれであってもよい。また、グラフト共重合体であってもよい。
カチオン重合可能な単量体としては、例えば、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;スチレン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−メトキシスチレン、4−クロロメチルスチレンなどのスチレン誘導体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;イソプロペニルスチレン、ケイ皮酸2−ビニロキシエチル、ソルビン酸2−ビニロキシエチルなどのジビニル化合物やトリビニル化合物;などが挙げられる。これらのカチオン重合可能な単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのカチオン重合可能な単量体のうち、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物が好適である。
上記式(1)で示される異種重合性単量体は、ラジカル重合性またはアニオン重合性の(メタ)アクリロイル基と、カチオン重合性のビニルエーテル基とを同時に有するので、重合方法を選択することにより、(メタ)アクリロイル基またはビニルエーテル基をペンダント基として有する重合体が得られる。本発明では、上記式(1)で示される異種重合性単量体のビニルエーテル基を、単独で、あるいは、カチオン重合可能な単量体と共に、カチオン重合あるいはリビングカチオン重合させることにより、(メタ)アクリルロイル基をペンダント基として有するビニル系重合体が得られる。
上記式(1)で示される異種重合性単量体と、カチオン重合可能な単量体とをカチオン重合あるいはリビングカチオン重合する場合、単量体のモル比(カチオン重合可能な単量体/上記式(2)で示される異種重合性単量体)は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは0.8〜2の範囲内である。
本発明において用いられる触媒としては、ヘテロポリ酸を含有してなる触媒であれば、特に限定されず、触媒性能を損なわない範囲で、他の物質を含有していてもよい。ヘテロポリ酸が、通常、30〜100重量%の範囲で含有されてなる触媒が性能上好ましい。
前記触媒に用いられるヘテロポリ酸は、骨格酸の中心原子がタングステン、モリブデン、バナジウム等が選ばれ、ヘテロ原子がリン、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、ヒ素、コバルト等から選ばれた原子からなるケギン構造を有するポリ酸であり、例えば、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸、コバルトモリブデン酸、コバルトタングステン酸、ヒ素タングステン酸、ゲルマニウムタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、ホウモリブドタングステン酸等が挙げられる。これらの中でも、リンタングステン酸が無着色、溶解性及び重合開始能力の点で特に好ましい。
本発明に用いられるヘテロポリ酸は部分的に中和された塩でも使用できる。これらの部分中和塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、有機アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。ヘテロポリ酸の部分中和塩は調製してから反応系中に添加してもよいが、ビニルエーテル中でヘテロポリ酸と塩基とを反応させることにより生成させてもよい。
本発明で用いられるヘテロポリ酸は、粉末状で用いてもよいし、有機溶媒に溶解希釈して用いてもよい。溶解希釈に使用する溶媒としては、特に制限は無いが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の含酸素有機溶媒が好ましい
ポリビニルエーテルを得るためには、本発明で触媒に用いられるヘテロポリ酸は、使用前に高温及び/又は減圧で乾燥させてヘテロポリ酸の結晶水部分が、好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは3〜8重量%になるように調製して重合に使用することが好ましい。結晶水部分が1重量%未満の場合や15重量%を超える場合には得られるポリビニルエーテルの分子量が高くならない場合がある。
本発明で用いられるヘテロポリ酸は、高活性であるため、ビニルエーテルに対する使用量は100ppm以下であっても十分に重合反応が進行するが、必要に応じて触媒量を増やしてもよい。通常、触媒使用量は原料ビニルエーテルに対して、1ppm〜3重量%であり、好ましくは10ppm〜5000ppmである。また、高分子量ポリビニルエーテルを得るためには10ppm〜100ppmが好ましい。1ppm未満の使用量では重合が開始されない場合があり、3重量%を超える使用量では重合が激しくなりすぎて反応が制御できなくなったり、得られるポリビニルエーテルの分子量が低くなったり、生成物の着色が起ったりする場合がある。
前記ビニルエーテルを重合する際は、バルクで重合を行ってもよいが、反応温度や粘度をコントロールするため溶剤を使用してもよい。
使用する溶媒としては、特に制限はないが、トルエンやキシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和環状炭化水素、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等が使用できる。また、高分子量ポリビニルエーテルを得るためには、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、飽和環状炭化水素類、エステル類等の非極性溶媒を使用することが好ましい。
高分子量体のポリビニルエーテルを得るには反応系中の水分、アルコール等の不純物は少ないほうが好ましい。
本発明において、ビニルエーテルを重合する温度は特に制限はないが、−10〜100℃が好ましい。特に高分子量ポリビニルエーテルを得るためには、重合開始温度を10〜60℃、重合中の最高温度を30〜80℃に、加熱又は冷却により調整することが好ましい。重合中、反応容器内の重合液温度がほぼ一定になるように重合することで得られるポリマーの分子量分布が狭くなるので、できるだけ重合温度を調整することが好ましい。重合温度が−10℃未満では、重合速度が小さくなったり、得られるポリビニルエーテルの分子量が低くなったり、あるいは固化したり粘度が高くなったりして取扱いが困難になる場合がある。重合温度が100℃を超える場合には得られるポリジオキソランの分子量が低くなる場合がある。
反応圧力は、常圧または加圧の何れでも良いが、通常は常圧で実施する。
重合反応後は必要に応じ、アンモニアおよびアミン等の有機塩基あるいはNaOHおよびKOH等の無機塩基を加え反応を停止しても良いし、これらを加えずに製品としても良いが、製品の安定性のためには上記塩基を用いて反応を停止する方が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
まず、ポリビニルエーテルの数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)の測定について説明する。
<数平均分子量および分子量分布>
ポリビニルエーテルの数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求めた。測定条件は、以下の通りであった。
移動相:THF、温度:40℃、流速:0.3mL/min;
カラム:TSK−gel SuperHM−H 2本
TSK−gel SuperH2000 1本(いずれも東ソー株式会社製);計測機器:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)。
次に、ポリビニルエーテルの粘度の測定について説明する。
<粘度>
粘度は、RB80型粘度計(型式「RB80L」:東機産業(株)製)を用いて測定した。なお、測定温度は25℃である。
次に、ポリビニルエーテルを得る実施例1〜7について説明する。
≪実施例1≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに酢酸エチル80gを加え、50℃へ昇温した。昇温後、VEEA200gとメタノール3gの混合物、及び酢酸エチル24.5gとリンタングステン酸12.2mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下し重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(PVEEA−1)を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.7%であることが判明した。また、得られたポリビニルエーテルの数平均分子量(Mn)は1,480、分子量分布(Mw/Mn)は2.01で、粘度は1,050mPa・sであった。さらに、得られたポリビニルエーテル重合体のH−NMR測定(測定溶媒:重水素化クロロホルム、測定機器:Varian社製の400MHz H−NMR UNITYplus400)を行ったところ、アクリロイル基が残存し、選択的にビニルエーテル基が重合しており、側鎖にラジカル重合可能な二重結合を有するアクリロイル基ペンダント型重合体であることが確認された。
≪実施例2≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコにトルエン41gを加えた。VEEA50g、酢酸エチル10gとリンタングステン酸10mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下し室温にて重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(PVEEA−2)を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.5%であることが判明した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は2,520、分子量分布(Mw/Mn)は1.75で、粘度は2,540mPa・sであった。
≪実施例3≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコにトルエン80gを加え、15℃へ冷却した。冷却後、VEEA200g、及び酢酸エチル27gとリンタングステン酸13.5mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下した。滴下終了後、続けて15℃にて重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(PVEEA−3)を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.6%であることが判明した。また、得られたポリビニルエーテルの数平均分子量(Mn)は10,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.27であった。
≪実施例4≫
攪拌棒、温度計、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコにトルエン(脱水トルエン、和光純薬製)60g、VEEA50gを加えた。酢酸エチル2gとリンタングステン酸10mgの混合溶解物をフラスコに投入し室温にて重合を開始した。しばらくすると激しい発熱が見られた。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(PVEEA−4)を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、96.7%であることが判明した。また、得られたポリビニルエーテルの数平均分子量(Mn)は6,900、分子量分布(Mw/Mn)は3.39であった。
≪実施例5≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに酢酸エチル80gを加え、50℃へ昇温した。昇温後、VEEA171gとシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)29gの混合物、酢酸エチル26gとリンタングステン酸13mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下し重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(P(VEEA/CHVE))を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.5%であることが判明した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は1,280、分子量分布(Mw/Mn)は1.79であった。
≪実施例6≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに酢酸エチル80gを加え、50℃へ昇温した。昇温後、VEEA158gとメタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEM)42gの混合物、酢酸エチル52gとリンタングステン酸26mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下し重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(P(VEEA/VEEM))を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、98.5%であることが判明した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は1,920、分子量分布(Mw/Mn)は2.74であった。
≪実施例7≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコにトルエン60g、VEEA34.3g、N−ビニルカルバゾール(NVCz)15.7gを加えた。酢酸エチル6gとリンタングステン酸6mgの混合溶解物を6分割し、30分毎に加えて重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(P(VEEA/NVCz))を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.0%であることが判明した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は3,270、分子量分布(Mw/Mn)は2.46であった。
≪比較例1≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコにトルエン500g、VEEA50gを加え、0℃へ冷却した。冷却後、1.0Mのエチルアルミニウムジクロライドのヘキサン溶液(アルドリッチ製)0.5mlを加えて重合を行った。0℃、4時間攪拌を行った後、トリエチルアミンを加えて反応を終了した。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、96.5%であることが判明したが、フラスコ底部にゲル物が見られた。
≪比較例2≫
攪拌棒、温度計、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに酢酸エチル5g、VEEA50gを加えた。次に活性白土100mg(商品名「ガレオンアースV2」、水澤化学工業(株)製)を加えて室温にて反応を開始した。9時間攪拌を行った後、サンプリングを行い単量体の反応率を測定したところ、20.5%で反応が非常に遅いことが判明した。
かくして、上記式(1)で示される側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するビニルエーテルを触媒の存在下に重合して、反応性のポリビニルエーテルを製造するに際し、前記触媒として、ヘテロポリ酸を用いることで、効率よく側鎖に側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するポリビニルエーテルを得られることがわかる。
本発明の製造方法により、側鎖にラジカル重合性の二重結合を有するポリビニルエーテルを効率よく製造できる。

Claims (2)

  1. 下記式(1):
    Figure 2008214453
    [式中、Rは炭素数2〜8のアルキレン基、Rは水素原子またはメチル基、mは正の整数である]
    で示されるビニルエーテルをヘテロポリ酸の存在下で重合することを特徴とするポリビニルエーテルの製造方法。
  2. ポリビニルエーテルの製造方法において、ヘテロポリ酸を反応器に連続滴下して重合することを特徴とする請求項1記載のポリビニルエーテルの製造方法。
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