JP2008214291A - 肝炎治療剤 - Google Patents

肝炎治療剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2008214291A
JP2008214291A JP2007056087A JP2007056087A JP2008214291A JP 2008214291 A JP2008214291 A JP 2008214291A JP 2007056087 A JP2007056087 A JP 2007056087A JP 2007056087 A JP2007056087 A JP 2007056087A JP 2008214291 A JP2008214291 A JP 2008214291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hepatitis
therapeutic agent
tpo
substance
platelet production
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007056087A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5098018B2 (ja
Inventor
Nobuhiro Okochi
信弘 大河内
Soichiro Murata
聡一郎 村田
Katsuji Hisakura
勝治 久倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tsukuba NUC
Original Assignee
University of Tsukuba NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tsukuba NUC filed Critical University of Tsukuba NUC
Priority to JP2007056087A priority Critical patent/JP5098018B2/ja
Publication of JP2008214291A publication Critical patent/JP2008214291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5098018B2 publication Critical patent/JP5098018B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

【課題】作用機序が明確かつ効果的で、発癌性のリスクがない安全で強力な肝炎治療剤の提供。
【解決手段】血小板産生促進物質を有効成分とする肝炎治療剤。前記血小板産生促進物質としては、血液中の血小板数を増加させる作用を有するものであればどのような物質であってもよく、例えば、トロンボポエチン、その遺伝子工学的手法による産生体、あるいは天然体が本来有する生物活性を増強させた化学修飾誘導体(PEG−rHuMGDF)を例示することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、新規な肝炎治療剤に関する。
肝炎には劇症肝炎、急性肝炎、慢性肝炎などがあるが、わが国においてはそのほとんどが肝炎ウイルス感染に起因する。肝炎による肝細胞障害の機序は、デスドメインと呼ばれるFasとFas ligandの結合による肝細胞のアポトーシスが重要と考えられている。肝炎の中でも劇症肝炎は、急激に起こる肝の広範性壊死によって急性肝不全を引き起こし、予後の極めて不良な疾患である。急性型では60%が、亜急性型では90%以上が死亡し、根本的な治療法は肝移植しかない。しかしながら、脳死者からの臓器移植は、通算でわずかに50例を数えるに過ぎず、ドナーの絶対的な不足が問題になっている。既存の肝炎治療剤としては、肝庇護作用のあるグリチルリチン酸を有効成分とする薬剤(株式会社ミノファーゲン製薬の「強力ネオミノファーゲンC」)があるが、その作用機序はよく分かっていない。また、肝炎治療効果の可能性のある物質として肝細胞増殖因子(HGF:hepatocyte growth factor)が知られているが(例えば非特許文献1)、HGFは劇症肝炎の患者血清中に著明に上昇しており、体外からの投与による効果はきわめて低いと考えられる。加えて、HGFは癌細胞の増殖促進作用を有しているので、HGFの投与によって潜在的な癌が急速に増大する恐れがある。従って、作用機序が明確かつ効果的で、発癌性のリスクがない安全で強力な肝炎治療剤の探索は非常に意義深いものであると言える。
Li Z, Mizuno S, Nakamura T. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 292: G639-G646, 2007.
そこで本発明は、作用機序が明確かつ効果的で、発癌性のリスクがない安全で強力な肝炎治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、血小板減少症への臨床応用が期待されている血小板産生促進物質であるトロンボポエチンが、Fas ligandを用いて誘発させたマウス肝炎モデルに対し、血清中の肝逸脱酵素レベルの改善やアポトーシス肝細胞の減少といった肝炎治療効果を有することを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の肝炎治療剤は、請求項1記載の通り、血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とする。
また、請求項2記載の肝炎治療剤は、請求項1記載の肝炎治療剤において、血小板産生促進物質がトロンボポエチンであることを特徴とする。
また、請求項3記載の肝炎治療剤は、請求項1または2記載の肝炎治療剤において、肝炎が劇症肝炎または急性肝炎であることを特徴とする。
また、本発明の肝炎治療組成物は、請求項4記載の通り、血小板産生促進物質を有効成分として含有してなることを特徴とする。
本発明によれば、作用機序が明確かつ効果的で、発癌性のリスクがない安全で強力な肝炎治療剤を提供することができる。
本発明における肝炎治療剤の有効成分とする血小板産生促進物質は、患者の年齢や体重や性別や症状などに応じて適宜決定される所定量を経口的投与や非経口的投与することで、血液中の血小板数を増加させる作用を有するものであればどのような物質であってもよく、例えば、トロンボポエチン(TPO:thrombopoietin)を具体的に例示することができる。本発明の肝炎治療剤の有効成分としてTPOを使用する場合、TPOは、血小板の前駆物質である巨核球がその親細胞である造血幹細胞から分化し、血小板へと分化成熟することを促進する作用を有するなど、当業者にTPOとして認識されうるものであれば、既知のアミノ酸配列を持つヒト由来の天然体に限らず、その遺伝子工学的手法による産生体であってもよい。また、天然体のアミノ酸配列に対して1以上のアミノ酸が置換・欠失・付加・挿入され、かつ、天然体が本来有する生物活性を保持乃至増強させた誘導体であってもよい。さらに、天然体が本来有する生物活性を増強させた化学修飾誘導体であってもよい。このような化学修飾誘導体の具体例としては、大腸菌で作製した組換えヒトTPOの活性領域(N末端側ドメイン)をポリエチレングリコールで化学修飾してin vivo活性を向上させたPEG-rHuMGDF(polyethylene glycol-recombinant human megakaryocyte growth and development factor)を例示することができる(必要であれば「宮崎洋,トロンボポエチンの将来展望,Japanese Journal of Transfusion Medicine, 46(3): 311-316, 2000」などを参照のこと)。本発明におけるTPOはこれらのすべてを含むものである。本発明の肝炎治療剤は、劇症肝炎、急性肝炎、慢性肝炎などに効果的であるが、中でも、劇症肝炎や急性肝炎といった肝細胞の急激なアポトーシスに起因する症状に対して有効に機能する。本発明の肝炎治療剤の有効成分としてTPOを使用する場合、例えば、急性肝炎の患者に毎週1回、静脈注射や皮下注射し、血中の血小板数が持続的に増加した状態を維持することで、その優れた肝炎抑制作用が発揮され、当該作用に基づく肝細胞壊死の改善や肝再生などによって、肝機能の改善効果が得られる。この場合、TPOの投与量は、通常、成人あたり0.01〜10μg/kg日程度である。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって何ら限定して解釈されるものではない。
実施例1:TPOの肝炎治療効果
(1)TPOのマウス肝炎モデルにおける血小板産生促進作用
c57BL6雌性8週齢マウスに、肝炎を誘発するFas ligand(Jo2抗体)0.2mg/kgを1回、腹腔内投与し、肝炎モデルを作製した。このモデルに対し、TPOとしてPEG-rHuMGDF(麒麟麦酒株式会社より供与)を60mg/kgで生理食塩水0.5mlに溶解してFas ligand投与の5日前と30分前の合計2回、腹腔内投与した。Fas ligand投与から2時間後の血小板数を図1に示す(TPO群、n=8)。なお、図1には、TPOを投与しなかったモデルのFas ligand投与から2時間後の血小板数をあわせて示す(対照群、n=8)。図1から明らかなように、TPO群の血小板数は、対照群の血小板数に比較して有意に増加した。
(2)TPOの肝炎治療効果の肝逸脱酵素(ALT)レベルによる評価
Fas ligand投与による肝炎誘発から6時間後、24時間後、72時間後のTPO群と対照群の血清中の肝逸脱酵素レベルを比較した結果を図2に示す(TPO群、対照群ともにn=8)。図2から明らかなように、TPO群は対照群と比較して肝逸脱酵素レベルが有意に改善しており、TPOの優れた肝炎治療効果を確認することができた。
(3)TPOの肝炎治療効果の肝細胞のアポトーシス率による評価
Fas ligand投与による肝炎誘発から6時間後のTPO群と対照群の肝組織中における肝細胞のアポトーシスをTUNEL法により染色し、アポトーシス率を定量した。結果を図3に示す(TPO群、対照群ともにn=8)。図3から明らかなように、TPO群は対照群と比較して肝細胞のアポトーシス率が有意に減少しており、TPOの優れた肝炎治療効果を確認することができた。
(4)TPOの肝炎治療効果のアポトーシス関連蛋白質の増減による評価
Fas ligand投与による肝炎誘発から6時間後のTPO群と対照群の肝組織中のアポトーシス関連蛋白質をWestern Blot法により評価した。結果を図4に示す(TPO群、対照群ともにn=3)。図4から明らかなように、TPO群ではすべてのマウスにおいてアポトーシスを抑制するBcl-xl蛋白質が有意に増加しているとともに、アポトーシスを引き起こす活性型caspase 3が見られないのに対し、対照群では一部のマウスにおいてBcl-xl蛋白質が増加しているものの、すべてのマウスにおいてcaspase 3が増加しており、TPOの優れた肝炎治療効果を確認することができた。
本発明は、作用機序が明確かつ効果的で、発癌性のリスクがない安全で強力な肝炎治療剤を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
実施例におけるTPOの血小板産生促進作用を示すグラフである。 同、TPOの肝炎治療効果の肝逸脱酵素レベルによる評価を示すグラフである。 同、TPOの肝炎治療効果の肝細胞のアポトーシス率による評価を示すグラフである。 同、TPOの肝炎治療効果のアポトーシス関連蛋白質の増減による評価を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とする肝炎治療剤。
  2. 血小板産生促進物質がトロンボポエチンであることを特徴とする請求項1記載の肝炎治療剤。
  3. 肝炎が劇症肝炎または急性肝炎であることを特徴とする請求項1または2記載の肝炎治療剤。
  4. 血小板産生促進物質を有効成分として含有してなることを特徴とする肝炎治療組成物。
JP2007056087A 2007-03-06 2007-03-06 肝炎治療剤 Active JP5098018B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007056087A JP5098018B2 (ja) 2007-03-06 2007-03-06 肝炎治療剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007056087A JP5098018B2 (ja) 2007-03-06 2007-03-06 肝炎治療剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008214291A true JP2008214291A (ja) 2008-09-18
JP5098018B2 JP5098018B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=39834766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007056087A Active JP5098018B2 (ja) 2007-03-06 2007-03-06 肝炎治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5098018B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005063965A1 (de) * 2003-12-30 2005-07-14 Bionethos Holding Gmbh Verfahren zur regeneration von gewebe
JP2005533800A (ja) * 2002-06-20 2005-11-10 バイオメトス ホールディング ゲーエムベーハー 増殖因子を用いて、および生物学的マトリクスあるいは支持構造を用いて細胞を増殖および分化する方法およびデバイス

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005533800A (ja) * 2002-06-20 2005-11-10 バイオメトス ホールディング ゲーエムベーハー 増殖因子を用いて、および生物学的マトリクスあるいは支持構造を用いて細胞を増殖および分化する方法およびデバイス
WO2005063965A1 (de) * 2003-12-30 2005-07-14 Bionethos Holding Gmbh Verfahren zur regeneration von gewebe

Also Published As

Publication number Publication date
JP5098018B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11298403B2 (en) Therapeutic agent for inflammatory bowel disease
Singh et al. Medical leech therapy in Ayurveda and biomedicine–A review
US9814726B2 (en) Composition for preventing or treating fatty liver diseases
JP2021046440A (ja) 急性呼吸促迫症候群治療剤
KR20090095668A (ko) 포르시토사이드 주사제와 그 제조 방법
JP2000515111A (ja) サイトカインおよび造血因子の内因性産生増強因子とその利用方法
JP2019501925A5 (ja)
WO2007129879A1 (es) EL USO DE LA NICOTINA, SUS ANÁLOGOS, SUS PRECURSORES O SUS DERIVADOS EN EL TRATAMIENTO DE DIVERSOS PROCESOS PATOLÓGICOS SUSCEPTIBLES DE MEJORAR CON α-MSH ADMINISTRADA EN FORMA PROFILÁCTICA O TERAPÉUTICA.
Rowe et al. Preclinical studies of a kidney safe iodinated contrast agent
JP2007119472A (ja) 人類のHIF−1α遺伝子と調節ネットの下流の関連遺伝子を封鎖する一類のクロマチン・ペプチド(Chromatinpeptides)
KR20190072011A (ko) 나토키나제와 항염증제를 유효성분으로 포함하는 혈소판 응집 억제용 또는 혈전용해용 의약 조성물
JP5098018B2 (ja) 肝炎治療剤
ES2948284T3 (es) Acido 1-piperidinopropiónico para el tratamiento de una enfermedad fibrosante
US20150038674A1 (en) Use of glp-2 analogues in pulmonary diseases for therapeutic purpose
Karalliedde et al. Respiratory failure following envenomation
CA2253629A1 (en) Agent for preventing and/or treating cachexia
JP2007023002A (ja) 肝再生促進剤
JP4696247B2 (ja) 肝線維化抑制剤
KR20210076863A (ko) 니클로사마이드를 포함하는 섬유증의 예방 및 치료용 조성물
ES2289795T3 (es) Preparacion para administracion intravenosa continua.
Goodman Survival of a dog with accidental colchicine overdose
JP2004026768A (ja) 肝疾患治療又は予防薬
JP2021513548A (ja) アセトアミノフェン(apap)によって引き起こされる毒性を予防、低減または根絶するための方法および組成物
JP7228895B2 (ja) 敗血症の予防又は治療用組成物
CN108853483B (zh) 经修饰的胸腺素β4在治疗脑缺血再灌注损伤方面的用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100305

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150