JP2007023002A - 肝再生促進剤 - Google Patents

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信弘 大河内
Soichiro Murata
聡一郎 村田
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Abstract

【課題】 肝細胞成長因子が有するような発癌性のリスクがなく安全で、血小板よりも医薬品化が容易な肝再生促進剤を提供を提供すること。
【解決手段】 本発明の肝再生促進剤は、トロンボポエチンに代表される血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とするものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、肝切除後の肝不全予防などに有効な肝再生促進剤に関する。
肝切除後の肝不全予防のため、肝再生を促進する因子の研究は、今後の肝臓外科の発展のために非常に重要であり、肝不全の治療にも新たな展開をもたらすものと期待されている。既存の肝再生促進物質としては、肝細胞成長因子(HGF:hepatocyte growth factor)がよく知られているが、HGFは、肝細胞の増殖促進作用とともに、癌細胞の増殖促進作用を有しているので、HGFの投与によって潜在的な癌が急速に増大する恐れがある。従って、HGFが有するような発癌性のリスクがない安全で強力な肝再生促進物質の探索は非常に意義深いものであると言える。
上記の点に関連し、本発明者らは、ラット由来の初代培養肝細胞に対し、血小板を培養液に添加することにより、肝細胞DNA合成の促進、増殖に関連した転写因子活性の増強、蛋白質発現の誘導などの現象が見られることから、血小板と肝細胞の直接的接触が肝細胞増殖を誘導することを報告している(非特許文献1)。また、マウスの肝切除モデルを用いたin vivo実験で、脾臓を摘出することで血液中の血小板数が増加した状態で肝切除を行った場合、肝切除のみを行った場合に比較して、肝再生が促進されることを報告している(非特許文献2〜非特許文献4)。これらの知見に基づけば、血小板は、HGFが有するような発癌性のリスクがなく、安全な肝再生促進剤になりうると考えられる。しかしながら、血小板という血液細胞の寿命は非常に短く、輸血製剤として血小板減少症などに使用される濃厚血小板液の有効期限は、日本では採血後3日以内と定められており、非常に限られた期間のうちに使用しなければならないことから、血小板の医薬品化はその保存性などの点において必ずしも容易なことではない。
榎本好恭、大河内信弘、土井秀之、里見進,肝再生早期における血小板の役割の検討−血小板と肝細胞の接触の意義について−,肝臓 44巻 8号 383-394 (2003) 村田聡一郎、大河内信弘,血小板は肝再生を促進する,肝臓 45巻 suppl. (1) (2004) A42 WS-14 村田聡一郎、大河内信弘,血小板は肝再生を促進する,医学のあゆみ Vol.211 No.8 826-827 (2004) Murata S, Ohkohchi N, Abe T, Enomoto Y, Doi H, Satomi S. Platelets promote G1-S progression of liver regeneration after hepatectomy. The 39th congress of the European Society for Surgical Research, Medimond S.R.L. Bologna, Italy, 2004: 107-112
そこで本発明は、HGFが有するような発癌性のリスクがなく安全で、血小板よりも医薬品化が容易な肝再生促進剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、血小板減少症への臨床応用が期待されている血小板産生促進物質であるトロンボポエチンが優れた肝再生促進作用を有することを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の肝再生促進剤は、請求項1記載の通り、血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とする。
また、請求項2記載の肝再生促進剤は、請求項1記載の肝再生促進剤において、血小板産生促進物質がトロンボポエチンであることを特徴とする。
また、請求項3記載の肝再生促進剤は、請求項1または2記載の肝再生促進剤において、抗血小板剤および/または抗凝固剤とともに投与されることを特徴とする。
また、本発明の肝再生促進組成物は、請求項4記載の通り、血小板産生促進物質を有効成分として含有してなることを特徴とする。
本発明によれば、HGFが有するような発癌性のリスクがなく安全で、血小板よりも医薬品化が容易な肝再生促進剤を提供することができる。
本発明における肝再生促進剤の有効成分とする血小板産生促進物質は、患者の年齢や体重や性別や症状などに応じて適宜決定される所定量を経口的投与や非経口的投与することで、血液中の血小板数を増加させる作用を有するものであればどのような物質であってもよく、例えば、トロンボポエチン(TPO:thrombopoietin)を具体的に例示することができる。本発明の肝再生促進剤の有効成分としてTPOを使用する場合、TPOは、血小板の前駆物質である巨核球がその親細胞である造血幹細胞から分化し、血小板へと分化成熟することを促進する作用を有するなど、当業者にTPOとして認識されうるものであれば、既知のアミノ酸配列を持つヒト由来の天然体に限らず、その遺伝子工学的手法による産生体であってもよい。また、天然体のアミノ酸配列に対して1以上のアミノ酸が置換・欠失・付加・挿入され、かつ、天然体が本来有する生物活性を保持乃至増強させた誘導体であってもよい。さらに、天然体が本来有する生物活性を増強させた化学修飾誘導体であってもよい。このような化学修飾誘導体の具体例としては、大腸菌で作製した組換えヒトTPOの活性領域(N末端側ドメイン)をポリエチレングリコールで化学修飾してin vivo活性を向上させたPEG-rHuMGDF(polyethylene glycol-recombinant human megakaryocyte growth and development factor)を例示することができる(必要であれば「宮崎洋,トロンボポエチンの将来展望,Japanese Journal of Transfusion Medicine, 46(3): 311-316, 2000」などを参照のこと)。本発明におけるTPOはこれらのすべてを含むものである。本発明の肝再生促進剤の有効成分としてTPOを使用する場合、例えば、肝切除を行う前にこれを静脈注射や皮下注射し、血液中の血小板数が増加した状態で肝切除を行えば、その優れた肝再生促進作用に基づいて、肝切除後の速やかな肝機能の回復を期待することができる。従って、旧来、残肝機能温存のために外科的治療を行わなかった場合や、肝機能低下により外科的治療の対象にならないような肝硬変症例に対しても、肝切除が可能となる。この場合、TPOの投与量は、通常、成人あたり0.01〜10μg/kg日程度である。
本発明における肝再生促進剤は、抗血小板剤(血小板の凝集を抑える薬剤)や抗凝固剤(フィブリンの生成を抑える薬剤)とともに投与されることが望ましい。有効成分である血小板産生促進物質の作用によって起こりうる血栓の発生、ひいては末梢循環障害などの発症を未然に防止するためである。抗血小板剤としては、例えば、アスピリンやチクロピジンやオザグレルなどを使用することができ、抗凝固剤としては、例えば、ワルファリンやヘパリンなどを使用することができる。抗血小板剤や抗凝固剤は、本発明の肝再生促進剤を投与する前、投与と同時、投与した後、いずれのタイミングで投与してもよいが、本発明の肝再生促進剤の投与と同時かそれ以降に投与することが望ましい。
以下、本発明をBALB/c雄性8週齢マウスを使用した実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって何ら限定して解釈されるものではない。
実施例1:
(1)TPOの血小板産生促進作用
マウスに対し、TPOとしてPEG-rHuMGDF(麒麟麦酒株式会社より供与)を0.5μg/bodyで生理食塩水0.5mlに溶解して腹腔内投与した5日後にHiggins & Anderson法による70%肝切除術(Higgins GM, Anderson RM. Restoration of the liver of the white rat following partial surgical removal. Arch Pathol 1931; 12: 188)を施行した(残存量約0.45g)。TPO投与時、肝切除時、その48時間後と96時間後の血液中の血小板数を図1に示す。なお、図1には、対照として生理食塩水のみを0.5ml腹腔内投与した場合の結果をあわせて示す。
図1から明らかなように、TPO投与群の血小板数は、肝切除時とその48時間後において、対照群と比較して有意に増加していた。
(2)TPOの肝重量増加作用
肝切除から48時間後のTPO投与群と対照群の肝重量を比較した結果を図2に示す。
図2から明らかなように、TPO投与群は、対照群と比較して肝重量が有意に増加しており、その優れた肝再生促進作用が確認できた。
(3)TPOの肝再生促進作用のMitotic indexによる評価
肝切除から48時間後のTPO投与群と対照群の肝組織をHE染色し、全肝細胞に対する有糸分裂している肝細胞の割合を200倍で4視野調べて算出した。結果を図3に示す。
図3から明らかなように、TPO投与群は、対照群と比較してMitotic indexが有意に高かった。
実施例2:
肝切除を行う5日前に、TPOとしてPEG-rHuMGDF(同上)を0.5μg/bodyで生理食塩水0.5mlに溶解して腹腔内投与し、さらに、肝切除を行う30分前に抗血小板剤としてオザグレルナトリウム(OKY-046)を50mg/kg(2.5mg/body)で生理食塩水0.5mlに溶解して腹腔内投与した。そしてHiggins & Anderson法による70%肝切除術(同上)を施行し、48時間後の肝重量を測定した。その結果を、オザグレルナトリウムを投与せずに肝切除を行った場合(実施例1の態様)の結果とともに図4に示す。
図4から明らかなように、オザグレルナトリウムの投与の有無で肝重量の増加の程度に有意な差はなく、オザグレルナトリウムの投与によるTPOの肝再生促進作用の減弱は認められなかった。
本発明は、HGFが有するような発癌性のリスクがなく安全で、血小板よりも医薬品化が容易な肝再生促進剤を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
実施例におけるTPOの血小板産生促進作用を示すグラフである。 同、TPOの肝重量増加作用を示すグラフである。 同、TPOの肝再生促進作用のMitotic indexによる評価を示すグラフである。 同、TPOの肝再生促進作用に対する抗血小板剤の影響を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 血小板産生促進物質を有効成分とすることを特徴とする肝再生促進剤。
  2. 血小板産生促進物質がトロンボポエチンであることを特徴とする請求項1記載の肝再生促進剤。
  3. 抗血小板剤および/または抗凝固剤とともに投与されることを特徴とする請求項1または2記載の肝再生促進剤。
  4. 血小板産生促進物質を有効成分として含有してなることを特徴とする肝再生促進組成物。
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WO2008155920A1 (ja) 2007-06-21 2008-12-24 Josai University Corporation 肝細胞増殖促進作用を有する医薬

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WO2004001023A2 (de) * 2002-06-20 2003-12-31 Bionethos Holding Gmbh Verfahren und vorrichtung zur vermehrung und differenzierung von zellen in anwesenheit von wachstumsfaktoren und einer biologischen matrix oder trägerstruktur

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