JP2008214083A - リフティングマグネット制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】リフティングマグネットを装備した車両に搭載され、より小型化が可能なリフティングマグネット駆動システムを提供する。
【解決手段】マグネット制御システム2は、マグネット10を装備した車両に搭載される。マグネット制御システム2は、PM同期発電機4と、PM同期発電機4から供給された交流電力を直流電力へ変換する直流変換部、および直流電力の向きを制御してリフティングマグネット10へ該直流電力を供給するHブリッジ回路部を含むマグネット駆動回路31と、複数のトランジスタを駆動するブリッジドライバ32とを備えている。マグネット駆動回路31は、直流電力の向きが切り替わる際にマグネット10に蓄積されたエネルギを吸収する抵抗器を更に含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、リフティングマグネット制御システムに関するものである。
リフティングマグネットは、建設作業等において鉄片などの吊荷を持ち上げて運搬するために用いられ、油圧ショベルといった車両のアームの先端に装備されている。リフティングマグネットを使用する際には、或る向きに電流を流してリフティングマグネットを励磁し、吊荷を吸着させて持ち上げる。そして、吊荷を釈放する際には、逆向きに電流を流してリフティングマグネットを消磁する。
このような励磁電流および釈放電流をリフティングマグネットに供給するための従来のシステム構成を図7に示す。同図に示すリフティングマグネット制御システム100は、誘導交流発電機102と、誘導交流発電機102から出力される交流電力を直流電力に変換する直流変換部104と、直流変換部104から出力された直流電力の向きを制御しつつマグネット106へ供給するHブリッジ回路108と、マグネット106に蓄えられたエネルギを回生するための大容量コンデンサ116とを備えている。また、リフティングマグネット制御システム100は、誘導交流発電機102から出力される交流電圧を該発電機102の界磁電流を制御することにより調整する自動電圧調整器(AVR:Automatic Voltage Regulator)110と、Hブリッジ回路108を駆動するブリッジドライバ112へ供給される直流電源電圧を誘導発電機102からの交流電圧より生成する電源モジュール114とを更に備えている。この制御システム100が車両に搭載される場合、該車両はエンジンにより駆動される油圧ポンプ、及び該油圧ポンプにより駆動される油圧モータを備えており、誘導発電機102は、この油圧モータによって駆動される。
特許文献1には、リフティングマグネットを装備した自走式作業機械が開示されている。この自走式作業機械は、前述したリフティングマグネット制御システム100と同様のシステムを備えている。なお、この自走式作業機械においては、発電機から出力された交流電圧を、トランジスタおよび発電機のリーケージインダクタンスを利用したチョッパ制御方式により調整している。
特開2004−299818号公報
昨今、建設現場等においては油圧ショベルの後端旋回半径をより小さくすることが求められており、また、運転室からの視認性の向上も求められている。従って、油圧ショベルの運転室の後方に搭載されることが多いリフティングマグネット駆動システムには、更なる小型化が望まれている。本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、リフティングマグネットを装備した車両に搭載され、より小型化が可能なリフティングマグネット駆動システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明によるリフティングマグネット制御システムは、リフティングマグネットを装備した車両に搭載されるリフティングマグネット制御システムであって、永久磁石同期発電機と、永久磁石同期発電機から供給された交流電力を直流電力へ変換し、該直流電力を正側出力端と負側出力端との間に提供する直流変換部と、複数のトランジスタを含んで構成され、直流電力の向きを制御してリフティングマグネットへ該直流電力を供給するHブリッジ回路部と、正側出力端と負側出力端との間に電気的に接続され、直流電力の向きが切り替わる際にリフティングマグネットに蓄積されたエネルギを吸収する抵抗器とを備えることを特徴とする。
このリフティングマグネット制御システムは、発電機として、永久磁石(PM:Permanent Magnet)同期発電機を備えている。PM同期発電機は、界磁に永久磁石を用いるので発電効率が高く、同じ定格出力を有する誘導発電機と比較して小型に構成することができる。従って、リフティングマグネット制御システムの小型化に寄与できる。
ここで、例えば図7に示した従来のシステムにおいて単に誘導発電機をPM同期発電機に換装すると、次の問題点が生じる。すなわち、油圧ショベルなどの車両においては、エンジン回転数が増加すると油圧が上昇し、油圧モータによって駆動される発電機の回転数も増加する。誘導発電機では回転数の増加に対し界磁電流を減少させて出力電圧を抑えることができるが、PM同期発電機では界磁の大きさを調整できないので出力電圧が回転数に比例して上昇してしまう。しかし、図7に示したシステムでは、エネルギ回生用の大容量コンデンサ116がこの電圧に耐えられず、回転数が制限されてしまうので、実用に供することは難しい。
これに対し、上記したリフティングマグネット制御システムにおいては、直流電力の向きが切り替わる際にリフティングマグネットに蓄積されたエネルギを抵抗器によって吸収している。これにより、発電機の出力電圧の増加による影響を低減できるので、発電機としてPM同期発電機を用いることが可能となり、また、特許文献1記載のチョッパ制御回路といった電圧調整手段を削減でき、リフティングマグネット制御システムを好適に小型化できる。また、PM同期発電機を用いることによって、図7に示した自動電圧調整器を削減でき、システムを更に簡素化できる。
また、リフティングマグネット制御システムは、抵抗器と直列に接続されたスイッチ素子と、抵抗器及びスイッチ素子に対して並列に接続された容量素子と、スイッチ素子における導通状態を制御する制御部とを更に備えることを特徴としてもよい。このリフティングマグネット制御システムは、次のように動作できる。すなわち、励磁電流が停止されてリフティングマグネットに蓄積エネルギが生じると、スイッチ素子を制御部が導通させるまでの時間、蓄積エネルギによる電流が容量素子へ流れる。そして、制御部によってスイッチ素子が導通すると、蓄積エネルギによる電流の殆どが抵抗器によって消費される。このように、上記したリフティングマグネット制御システムによれば、直流電力の向きが切り替わる際にリフティングマグネットに蓄積されたエネルギを好適に吸収できる。
また、リフティングマグネット制御システムは、抵抗器、スイッチ素子、及び容量素子を含む回路部分とHブリッジ回路部との間に流れる電流の向き及び大きさを測定する電流測定部、並びに正側出力端と負側出力端との間の電位差を測定する電位差測定部のうち少なくとも一方の測定部を更に備え、制御部は、電流の向き及び大きさ、並びに電位差のうち少なくとも一方の測定結果に基づいて、スイッチ素子における導通状態を制御することを特徴としてもよい。これにより、蓄積エネルギによる電流の発生タイミングや解消タイミングを精度良く知ることができるので、容量素子の両端電圧が過大となる前に、制御部がスイッチ素子を導通させて蓄積エネルギによる電流を抵抗器へ流すことができる。
本発明によれば、リフティングマグネットを装備した車両に搭載され、より小型化が可能なリフティングマグネット駆動システムを提供できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるリフティングマグネット制御システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、トランジスタとはバイポーラ型トランジスタ及び電界効果トランジスタ(FET)の双方を含むものとする。トランジスタがFETである場合、ベースをゲート、コレクタをドレイン、エミッタをソースとそれぞれ読み替えるものとする。
図1は、本実施形態に係るリフティングマグネット制御システムが搭載される作業機械であるリフティングマグネット車両の構成を示す斜視図である。図1に示すように、リフティングマグネット車両(以下、マグネット車両)1は、油圧ショベル(ベースマシン)のアーム12の先端に、鋼材などの吊荷90を磁力により吸着して捕獲するリフティングマグネット(以下、マグネット)10を搭載して構成されている。また、マグネット車両1は、マグネット10の位置や励磁動作および釈放動作を操作する操作者を収容する運転室14を備えている。
マグネット車両1に搭載されたリフティングマグネット制御システム(以下、マグネット制御システム)2は、マグネット10に電力を供給するマグネット制御盤3と、マグネット制御盤3に三相交流電力を供給するPM同期発電機4と、マグネット制御盤3に直流電源電圧を供給するバッテリー(蓄電池)5とを備えている。マグネット車両1は、該車両1のエンジンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプからの油圧により駆動される油圧モータとを搭載しており、PM同期発電機4は、この油圧モータによって駆動される。
図2は、本実施形態によるマグネット制御システム2の構成を示すブロック図である。マグネット制御システム2は、上述したようにマグネット制御盤3、PM同期発電機4、及びバッテリー5を備えている。マグネット制御盤3は、マグネット駆動回路31およびブリッジドライバ32を有しており、マグネット駆動回路31はPM同期発電機4からの三相交流電源電圧VAC1〜VAC3を受け、ブリッジドライバ32はバッテリー5から直流電源電圧VBATを受ける。マグネット駆動回路31は、マグネット10に電力(励磁電流I、釈放電流I)を供給する回路であり、マグネット10を流れる電流の向きを制御するHブリッジ回路部を含む。ブリッジドライバ32はこのHブリッジ回路部を駆動する回路であり、直流電源電圧VBATは一定(例えばDC24V)である。
図3は、マグネット駆動回路31の構成を示す回路図である。同図を参照すると、マグネット駆動回路31は、直流変換部33、Hブリッジ回路部34、エネルギ吸収部35、制御部36、電流測定部37、及び電位差測定部38を備える。
直流変換部33は、PM同期発電機4から供給された交流電源電圧VAC1〜VAC3を直流電源電圧VDCへ変換するための回路部分である。直流変換部33は、正側出力端33i及び負側出力端33jを有しており、生成した直流電源電圧VDCを正側出力端33iと負側出力端33jとの間に提供する。なお、正側出力端33i及び負側出力端33jのそれぞれは、リフティングマグネット10へ電力を供給するための配線である正側電源ライン33g及び負側電源ライン33hのそれぞれと電気的に接続されている。
本実施形態の直流変換部33は、6個のダイオード33a〜33fを含むブリッジ回路によって構成されており、三相全波整流を行う。直流変換部は、これ以外にも例えばサイリスタを用いた純ブリッジ回路や、ダイオード及びサイリスタを用いた混合ブリッジ回路によって構成されてもよい。直流変換部が純ブリッジ回路や混合ブリッジ回路によって構成される場合、サイリスタは、図示しない位相制御回路によって所定の制御角で位相制御される。
Hブリッジ回路部34は、マグネット10へ供給される電流の向きを制御するための回路部分である。Hブリッジ回路部34は、4つのトランジスタ34a〜34dと、該4つのトランジスタ34a〜34dそれぞれの電流端子間(コレクタ−エミッタ間またはソース−ドレイン間)に電気的に接続された4つのダイオード(整流素子)34e〜34hと、マグネット10へ電流を供給するための配線18a及び18bが接続される端子34i及び34jとを含むHブリッジ回路によって構成されている。
具体的には、トランジスタ34aの一方の電流端子は正側電源ライン33gに電気的に接続されており、トランジスタ34aの他方の電流端子は端子34iに電気的に接続されている。トランジスタ34bの一方の電流端子は端子34iに電気的に接続されており、トランジスタ34bの他方の電流端子は負側電源ライン33hに電気的に接続されている。トランジスタ34cの一方の電流端子は正側電源ライン33gに電気的に接続されており、トランジスタ34cの他方の電流端子は端子34jに電気的に接続されている。トランジスタ34dの一方の電流端子は端子34jに電気的に接続されており、トランジスタ34dの他方の電流端子は負側電源ライン33hに電気的に接続されている。また、ダイオード34e〜34hのアノードは、それぞれトランジスタ34a〜34dの他方の電流端子に電気的に接続されており、ダイオード34e〜34hのカソードは、それぞれトランジスタ34a〜34dの一方の電流端子に電気的に接続されている。
各トランジスタ34a〜34dのベースはブリッジドライバ32(図2参照)と電気的に接続されており、各トランジスタ34a〜34dにおけるコレクタ−エミッタ間の導通状態は、ブリッジドライバ32から提供される制御電流Sa〜Sdによって制御される。例えば、トランジスタ34a及び34dのベース端子に制御電流Sa,Sdが提供されると、正方向の励磁電流Iが、トランジスタ34a、端子34i、マグネット10、端子34j、及びトランジスタ34dの順に流れる。また、トランジスタ34b及び34cのベース端子に制御電流Sb,Scが提供されると、逆方向の釈放電流(消磁電流)Iが、トランジスタ34c、端子34j、マグネット10、端子34i、及びトランジスタ34bの順に(すなわち、励磁電流Iとは逆向きに)流れる。
エネルギ吸収部35は、マグネット10への励磁電流Iが釈放電流Iへ切り替わる際にマグネット10に蓄積されたエネルギを吸収するための回路部分である。エネルギ吸収部35は、npn型のトランジスタ35a、ダイオード(整流素子)35b、抵抗器35c、及びコンデンサ(容量素子)35dを有する。なお、ダイオード35bは必要に応じて配置され、省略することも可能である。
トランジスタ35a及び抵抗器35cは、正側電源ライン33gと負側電源ライン33hとの間に電気的に接続されており、且つ互いに直列に接続されている。具体的には、トランジスタ35aのコレクタ端子が正側電源ライン33gに電気的に接続されており、トランジスタ35aのエミッタ端子が抵抗器35cの一端に電気的に接続されている。また、抵抗器35cの他端は、負側電源ライン33hに電気的に接続されている。トランジスタ35aのコレクタ端子及びエミッタ端子には、それぞれダイオード35bのカソード及びアノードが電気的に接続されている。トランジスタ35aのベース端子には、後述する制御部36から制御電流Seが提供され、この制御電流Seによってトランジスタ35aの導通状態が制御される。また、コンデンサ35dは、トランジスタ35a及び抵抗器35cに対して並列に接続されている。コンデンサ35dとしては、従来のエネルギ回生用の大容量コンデンサと比較して、その容量が格段に小さく、高耐圧のものが用いられる。
電流測定部37は、Hブリッジ回路部34とエネルギ吸収部35との間の正側電源ライン33gを通ってエネルギ吸収部35へ向かう電流の向き及び大きさを測定する。電流測定部37は、測定結果である電流の向き及び大きさを示す電流信号Siを制御部36へ提供する。電位差測定部38は、正側電源ライン33gと負側電源ライン33hとの間の電位差を測定するための回路部分である。電位差測定部38は、測定結果である電位差を示す電位差信号Svを制御部36へ提供する。なお、本実施形態のマグネット駆動回路31は電流測定部37及び電位差測定部38の双方を備えているが、マグネット駆動回路31は、電流測定部37及び電位差測定部38のうち一方のみを備えても良い。
制御部36は、電流信号Si及び電位差信号Svに基づいて、エネルギ吸収部35のトランジスタ35aにおける導通状態を制御する。制御部36は、Hブリッジ回路部34からエネルギ吸収部35へ向かう電流が生じたとき、或いは、電位差信号Svが所定値以上となったときに、制御電流Seを出力してトランジスタ35aのコレクタ−エミッタ間を導通させる。また、制御部36は、トランジスタ35aが導通している状況において、電流信号Siが所定値以下となったとき、或いは電位差信号Svが所定値以下となったときに、制御電流Seの出力を停止してトランジスタ35aのコレクタ−エミッタ間を不通にする。
ここで、マグネット制御盤3内部の部品配置について説明する。図4は、マグネット制御盤3の内部を示す側面図である。マグネット制御盤3は、金属製の筐体39を有しており、この筐体39の中に上述したマグネット駆動回路31及びブリッジドライバ32を内蔵している。同図において、Aは冷却ファン、Bはダイオードモジュール(この中に直流変換部33のダイオード33a〜33fが収められている)、Cはエネルギ吸収部35のトランジスタ35a、D,DはIGBTモジュール(この中にHブリッジ回路部34のトランジスタ34a〜34dが収められている)、Eはブリッジドライバ32を含むCPU基板、Fはエネルギ吸収部35の抵抗器35c、Gは制御部36を含む配線基板、H及びIはマグネット10への電流及び電圧を検出するための検出回路、Jは端子台である。そして、Kは自動電圧調整器を取り付けるためのスペースであり、本実施形態では何も設置されない。自動電圧調整器は、PM同期発電機4が誘導発電機に換装された際に、誘導発電機の出力電圧を調整するために設置される。
続いて、マグネット駆動回路31の動作について説明する。図5は、(a)マグネット10の両端に印加される電圧、(b)Hブリッジ回路部34とエネルギ吸収部35との間の正側電源ライン33gにおける電流量、及び(c)正側電源ライン33gと負側電源ライン33hとの間の電位差の、それぞれ時間波形を示すグラフである。なお、図5(b)における電流量については、Hブリッジ回路部34からエネルギ吸収部35への電流の向きを正としている。
まず、或る時刻tにおいて、PM同期発電機4が駆動されることにより、三相の交流電源電圧VAC1〜VAC3が発生する。これらの交流電源電圧VAC1〜VAC3は、直流変換部33によって直流電源電圧VDCに変換され、Hブリッジ回路部34に提供される(図5(c)参照)。続いて、時刻tにおいて、マグネット10を励磁する。すなわち、ブリッジドライバ32がHブリッジ回路部34のトランジスタ34a及び34dを導通させる。これにより、トランジスタ34a、マグネット10、トランジスタ34dの順に励磁電流Iが流れる(図5(b)参照)。つまり、Hブリッジ回路部34の端子34iと端子34jとの間に励磁電圧Vが出力される(図5(a)参照)。これにより、マグネット10が励磁され、鉄片等を吸着して持ち上げることができる。
続いて、マグネット10から鉄片等を解放するための動作に移る。まず、時刻tにおいて、マグネット10の励磁を解除する。すなわち、ブリッジドライバ32がHブリッジ回路部34のトランジスタ34a及び34dを不通とする。このとき、マグネット10に蓄積されたエネルギにより、マグネット10の両端(すなわち端子34iと端子34jとの間)に逆起電力による電圧が生じる(図5(a)のQ部分)。同時に、この逆起電力に起因する電流(図5(b)のR部分)が、ダイオード34f、マグネット10、及びダイオード34gを流れる。
このとき、エネルギ吸収部35のトランジスタ35aを制御部36が導通させるまでの微小な時間、蓄積エネルギによる電流はエネルギ吸収部35のコンデンサ35dへ流れる。そして、コンデンサ35dの両端電圧が上昇することにより、正側電源ライン33gと負側電源ライン33hとの間の電位差が上昇する(図5(c)のS部分)。
蓄積エネルギによる電流が正側電源ライン33gを流れると、この電流はHブリッジ回路部34からエネルギ吸収部35へ向かうので、正側電源ライン33gにおける電流の向きが逆転する。制御部36は、Hブリッジ回路部34からエネルギ吸収部35へ向かう電流が生じたことを電流信号Siによって認識することにより、蓄積エネルギによる電流が正側電源ライン33gを流れていることを認識する(図5(b)の点P)。そして、制御部36は、制御電流Seを出力してトランジスタ35aのコレクタ−エミッタ間を導通させる。これにより、蓄積エネルギによる電流は、トランジスタ35aを介して抵抗器35cへ流れ、抵抗器35cにおいて消費されつつ、次第に減衰する。
或いは、蓄積エネルギによる電流がコンデンサ35dへ流れることによりコンデンサ35dの両端電圧が上昇することから、制御部36は、正側電源ライン33gと負側電源ライン33hとの間の電位差が所定値Vth1以上となることによっても、(すなわち電位差測定部38からの電位差信号Svが所定値以上となることによっても、)蓄積エネルギによる電流が正側電源ライン33gを流れていることを認識できる(図5(c)の点P)。制御部36は、このような場合に、制御電流Seを出力してトランジスタ35aのコレクタ−エミッタ間を導通させてもよい。
続いて、Hブリッジ回路部34からエネルギ吸収部35へ向かう電流の大きさ(電流信号Si)が所定値Ith2以下になると(図5(b)の点P)、制御部36は、蓄積エネルギによる電流が十分に減衰したことを認識する。そして、制御部36は、制御電流Seの出力を停止してトランジスタ35aのコレクタ−エミッタ間を不通にする。なお、所定値Ith2は、0[A]にできるだけ近い値であることが好ましい。
或いは、正側電源ライン33gと負側電源ライン33hとの間の電位差が所定値Vth3以下となることによっても、(すなわち電位差測定部38からの電位差信号Svが所定値以下となることによっても、)蓄積エネルギによる電流が十分に減衰したことを認識できる(図5(c)の点P)。制御部36は、このような場合に、制御電流Seの出力を停止してトランジスタ35aのコレクタ−エミッタ間を不通にしてもよい。
その後、時刻tにおいて、マグネット10を消磁する。すなわち、ブリッジドライバ32がHブリッジ回路部34のトランジスタ34b及び34cを導通させる。これにより、トランジスタ34c、マグネット10、及びトランジスタ34bの順に釈放電流Iが流れる(図5(b)参照)。つまり、Hブリッジ回路部34の端子34iと端子34jとの間に釈放(消磁)電圧−Vが出力される(図5(a)参照)。これにより、マグネット10が消磁され、吸着していた鉄片等を解放することができる。
消磁が終了したのち、時刻tにおいてHブリッジ回路部34のトランジスタ34b及び34cを不通とする。このとき、マグネット10に蓄積されたエネルギにより、マグネット10の両端(すなわち端子34iと端子34jとの間)に逆起電力による電圧が生じる(図5(a)のT部分)。同時に、この逆起電力に起因する電流(図5(b)のU部分)が、ダイオード34h、マグネット10、及びダイオード34eを流れる。この蓄積エネルギによる電流は、上述した動作と同様にして、エネルギ吸収部35によって吸収される。
本実施形態に係るマグネット制御システム2が奏する効果について説明する。このマグネット制御システム2は、発電機として、PM同期発電機4を備えている。PM同期発電機4は、界磁に永久磁石を用いるので発電効率が高く、同じ定格出力を有する誘導発電機と比較して小型に構成することができる。例えば、定格回転数1800rpmで定格出力20kVAを発生する或る誘導発電機(精工社製YD−18502)の外形寸法は、本体部分の長さが567mm、直径が380mmといった大きさであるのに対し、定格回転数2000rpmで定格出力20kVAを発生する或るPM同期発電機(富士電機モータ製YH553725a)の外形寸法は、本体部分の長さが461mm、直径が272mmと格段に小さい。従って、発電機としてPM同期発電機4を用いることにより、マグネット制御システム2の小型化に寄与できる。
また、従来のシステムにおいて誘導発電機をPM同期発電機に換装するだけだと、次の問題が生じる。すなわち、油圧ショベルなどの車両においては、エンジン回転数が増加すると油圧が上昇し、油圧モータによって駆動される発電機の回転数も増加する。誘導発電機では回転数の増加に対し界磁電流を減少させて出力電圧を抑えることができるが、PM同期発電機では界磁の大きさを調整できないので出力電圧が回転数に比例して上昇してしまう。
ここで、図6(a)及び(b)は、それぞれPM同期発電機及び誘導発電機の一般的な出力電圧特性の一例を示すグラフである。なお、図6(a),(b)において、横軸は発電機の回転数[rpm]を表している。図6(b)に示すように、誘導発電機の出力電圧は自動電圧調整器等によって所定値(図では約220V)に制限できる。これに対し、図6(a)に示すように、PM同期発電機の出力電圧は回転数の増加に比例して上昇する。
従来、マグネットに蓄えられたエネルギは図7に示したコンデンサ116を用いて回生することが一般的であった。このようなコンデンサ116としては比較的大容量のコンデンサが用いられるが、大容量のコンデンサの耐圧性を高めると、高コストとなり且つ大型化してしまう。また、この大容量コンデンサが発電機の出力電圧に耐えられない場合、発電機の回転数が制限されてしまい、その結果、車両のエンジン回転数が制限されてしまうので、実用に供することは難しい。
これに対し、本実施形態のマグネット制御システム2においては、蓄積エネルギを抵抗器35cによって吸収している。これにより、PM同期発電機4の出力電圧の増加による影響を低減できるので、発電機としてPM同期発電機を採用することが可能となり、マグネット制御システム2を好適に小型化できる。また、発電機としてPM同期発電機4を用いることによって自動電圧調整器を削減できるので、システムを更に簡素化できる。
また、PM同期発電機は界磁に永久磁石を用いているため、界磁電流を必要とする誘導発電機よりも発電効率が高い。従って、マグネット車両1の燃費が向上する。また、より大きな油圧をアーム12の動作に割り振れるので、アーム12の動作を早くできる。これにより、リフティングマグネット10の操作者がより効率よく作業を行うことができる。
また、本実施形態のように、マグネット制御システム2は、抵抗器35cと直列に接続されたスイッチ素子(トランジスタ35a)と、抵抗器35c及びトランジスタ35aに対して並列に接続されたコンデンサ35dと、トランジスタ35aにおける導通状態を制御する制御部36とを更に備えることが好ましい。これにより、直流電力の向きが切り替わる際にリフティングマグネット10に蓄積されたエネルギを好適に吸収できる。
また、本実施形態のように、マグネット制御システム2は、電流測定部37及び電位差測定部38のうち少なくとも一方の測定部を備え、制御部36は、電流測定部37によって測定される電流の向き及び大きさ、並びに電位差測定部38によって検出される電位差のうち少なくとも一方の測定結果に基づいて、トランジスタ35aにおける導通状態を制御することが好ましい。これにより、蓄積エネルギによる電流の発生タイミングや解消タイミングを精度良く知ることができるので、コンデンサ35dの両端電圧が過大となる前に、制御部36がトランジスタ35aを導通させて蓄積エネルギによる電流を抵抗器35cへ流すことができる。
本発明によるリフティングマグネット制御システムは、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では発電機として三相交流発電機を例示しているが、本発明の発電機としては、PM同期発電機であれば相数に関係なく様々な発電機を適用可能である。
マグネット車両の構成を示す斜視図である。 マグネット制御システムの構成を示すブロック図である。 マグネット駆動回路の構成を示す回路図である。 マグネット制御盤の内部を示す側面図である。 (a)マグネットの両端に印加される電圧、(b)Hブリッジ回路部とエネルギ吸収部との間の正側電源ラインにおける電流量、及び(c)正側電源ラインと負側電源ラインとの間の電位差の、それぞれ時間波形を示すグラフである。 (a)PM同期発電機の一般的な出力電圧特性の一例を示すグラフである。(b)誘導発電機の一般的な出力電圧特性の一例を示すグラフである。 励磁電流および釈放電流をマグネットに供給するための従来のシステム構成を示す図である。
符号の説明
1…リフティングマグネット車両、2…リフティングマグネット制御システム、3…マグネット制御盤、4…PM同期発電機、5…バッテリー、10…リフティングマグネット、12…アーム、14…運転室、31…マグネット駆動回路、32…ブリッジドライバ、33…直流変換部、34…ブリッジ回路部、35…エネルギ吸収部、36…制御部、37…電流測定部、38…電位差測定部、39…筐体、90…吊荷、I…励磁電流、I…釈放電流、VAC1〜VAC3…三相交流電源電圧、VBAT…直流電源電圧。

Claims (3)

  1. リフティングマグネットを装備した車両に搭載されるリフティングマグネット制御システムであって、
    永久磁石同期発電機と、
    前記永久磁石同期発電機から供給された交流電力を直流電力へ変換し、該直流電力を正側出力端と負側出力端との間に提供する直流変換部と、
    複数のトランジスタを含んで構成され、前記直流電力の向きを制御して前記リフティングマグネットへ該直流電力を供給するHブリッジ回路部と、
    前記正側出力端と前記負側出力端との間に電気的に接続され、前記直流電力の向きが切り替わる際に前記リフティングマグネットに蓄積されたエネルギを吸収する抵抗器と
    を備えることを特徴とする、リフティングマグネット制御システム。
  2. 前記抵抗器と直列に接続されたスイッチ素子と、
    前記抵抗器及び前記スイッチ素子に対して並列に接続された容量素子と、
    前記スイッチ素子における導通状態を制御する制御部と
    を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のリフティングマグネット制御システム。
  3. 前記抵抗器、前記スイッチ素子、及び前記容量素子を含む回路部分と前記Hブリッジ回路部との間に流れる電流の向き及び大きさを測定する電流測定部、並びに前記正側出力端と前記負側出力端との間の電位差を測定する電位差測定部のうち少なくとも一方の測定部を更に備え、
    前記制御部は、前記電流の向き及び大きさ、並びに前記電位差のうち少なくとも一方の測定結果に基づいて、前記スイッチ素子における導通状態を制御することを特徴とする、請求項2に記載のリフティングマグネット制御システム。
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