JP2008213575A - シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無駄にベルトの巻き取りを行う頻度を低下させるとともに、乗員の移動状態に応じて適切な乗員を行うことができるシートベルト装置を提供する。
【解決手段】ベルトを巻回したベルトリールと、ベルトリールに駆動力を伝達することによりベルトの巻取を行うモータと、モータへの通電量を制御することによりモータを駆動する制御部と、ベルトの巻取位置を検知する巻取位置検知手段と、を備えた車両のシートベルト装置において、制御部は、巻取位置検知手段の出力値の変動に基づき乗員の移動状態を検知する乗員移動判定手段を備えることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、シートベルト装置に関するものである。
従来から、モータの駆動によりベルトの巻き取りが可能なシートベルト装置が知られている。このシートベルト装置では、ベルトの引出検出手段が設けられており、この引き出し検出手段の検出結果に基づいてベルトリールの回転を制御するようになっている。そして、この種のシートベルト装置の中には、ベルトのたるみを検出したときにモータを駆動してベルトを巻き取り、常にベルトテンションが最適な状態になるように制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−253317号公報
しかしながら、上述のシートベルト装置は、走行状態の変化や、シートベルトの操作によってベルトテンションが低下した場合であっても、ベルトテンションが低下する度に、ベルトテンションが立ち上がるまでベルトの巻き取りを行うため、モータによる巻き取り頻度が高くなり煩わしいという課題がある。
また、上述のシートベルト装置においては、乗員の着座姿勢が適切であるときに最も効果が得られるように設定されているが、着座した状態で乗員が移動することも想定されるため、乗員の移動状態に応じてモータの駆動制御を行い最適な状態で乗員の拘束を行うシートベルト装置が要望されている。
そこで、この発明は、無駄なベルトの巻き取りを防止するとともに、乗員の移動状態に応じて最適な状態で乗員の拘束を行うことができるシートベルト装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ベルト(例えば、実施の形態におけるベルトB)を巻回したベルトリール(例えば、実施の形態におけるスピンドル5)と、前記ベルトリールに駆動力を伝達することにより前記ベルトの巻取を行うモータ(例えば、実施の形態におけるモータM)と、前記モータへの通電量を制御することにより前記モータを駆動する制御部(例えば、実施の形態における制御部25)と、前記ベルトの巻取位置を検知する巻取位置検知手段(例えば、実施の形態における回転角度センサ13)と、を備えた車両のシートベルト装置において、前記制御部は、前記巻取位置検知手段の出力値の変動に基づき乗員の移動状態を検知する乗員移動判定手段(例えば、実施の形態における乗員移動判定部27)を備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記乗員移動判定手段が、前記巻取位置検知手段で検知された巻取位置が所定の基準位置に対して所定値以上変位した状態が所定時間以上継続した場合に、座席あるいは乗員腰部が移動したと判定するオフセット判定手段(例えば、実施の形態におけるステップS09)を備えることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、前記乗員移動判定手段が、前記巻取位置検知手段で検知された巻取位置の変動量が所定値以下の時にのみ前記オフセット判定手段による判定を有効とすることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記座席が近接センサを備え、前記乗員移動判定手段は、前記近接センサにより前記座席と乗員との距離が所定値以上あることが検出され、かつ、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定された場合に、乗員の腰部が移動していると判定する腰部移動判定手段(例えば、実施の形態におけるステップS11)を備えることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記制御部が、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、かつ、腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定されていない場合、前記所定の基準値を再設定することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記制御部が、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、かつ、前記腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定された場合には、前記巻取位置が前記所定の基準値となるよう前記モータへの通電を行うことを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記制御部が、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、かつ、腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定された場合には、乗員保護装置の作動条件を変更することを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、巻取位置検知手段によりベルトリールに巻回されたベルトの巻取位置を検知するとともに、この巻取位置検知手段の出力値の変動に基づいて、モータを駆動する制御部の乗員移動判定手段により乗員の移動状態を検知することができるため、乗員の移動状態に応じてベルトの巻き取りを行い、最適な状態で乗員を拘束することができる効果がある。
また、例えば乗員の移動状態に応じてベルトのゆるみが発生した場合にベルトの巻き取りを実施することができるため、無駄なベルトの巻き取りを防止することができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、巻取位置検知手段によって検知された巻取位置が巻取位置の所定の基準位置に対して所定値以上オフセットした状態が所定時間以上継続した場合に、乗員移動判定手段のオフセット判定手段によって座席あるいは乗員の腰部が移動したことを判定することができるため、座席あるいは乗員の腰部が移動した場合に、より適切なベルトの巻き取り制御を行うことができる効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、例えば、悪路を走行している場合、車両の振動の影響で巻取位置の変動量が増加するが、オフセット判定手段による判定を、巻取位置検知手段で検知された巻取位置の変動量が所定の変動量以下の場合にのみ有効とすることで、車両の振動の影響などを排除して、オフセット手段による判定結果の信頼性を向上させることができる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、乗員移動判定手段の腰部移動判定手段が、オフセット判定手段の判定結果と近接センサの検出結果とに基づいて、座席と乗員との距離が所定値以上あり、且つ、オフセットしている場合に、例えば乗員の腰部が正しい着座位置から変位していることを判定することができるため、制御部で乗員の腰部の位置に対応した適切なベルトの巻取制御を行うことができる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、オフセット判定手段によりオフセットしていると判定されているにもかかわらず腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定されていない場合、乗員の腰部が座席から離間していない、例えば、座席の位置をスライドさせたり、乗員が上着を着た場合などが想定されるので、乗員移動判定手段の所定の基準位置を再設定して、オフセットしていると判定される前と同様の最適なベルトの巻取制御を行うことができる効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定された場合には乗員の着座姿勢が適正ではないため、モータへ通電してベルトが基準位置となるまで巻き取りを行うことで、乗員の腰部を適正な着座位置まで移動させることができ、したがって、乗員の拘束を最適な状態で行うことができる効果がある。
請求項7に記載した発明によれば、オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定された場合には乗員の着座姿勢が適正ではないため、例えば、エアバッグの作動閾値や緊急時のベルトの巻き取り量など、乗員保護装置の作動条件を、乗員の着座姿勢に応じて変更することができ、したがって、乗員保護装置を最適な状態で作動させることができる効果がある。
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、符号1はシートベルトユニットを示している。このシートベルトユニット1はいわゆる3点式のシートベルト装置にて用いられるものであり、車両の運転席、助手席および後部座席などの座席の側方に配置される例えばピラーなどに設けられている。さらに、座席を挟んでシートベルトユニット1の反対側には、シートベルトバックル(図示せず)が設けられており、このシートベルトバックルにベルトBに設けられたスリップガイドのタングプレートを挿入することでシートベルトバックルとタングプレートが結合されて乗員がベルトBによって拘束されるようになっている。なお、この実施の形態ではシートベルトユニット1が座席位置をスライド移動可能な運転席と助手席とに設けられている場合について説明する。
シートベルトユニット1は、主に車両の衝突やブレーキなどで急激な力が加わるとベルトBをロックするELR(Emergency Locking Retractor)部2と、衝突などで前方からの強い衝撃を感知した場合にベルトBを瞬時に巻き取ることで初期拘束を行うプリテンショナー部3と、ベルトBを巻き取る駆動力を発生するリトラクタ4とで構成されている。ELR部2とプリテンショナー部3とは、フレームfによって一体的に組み付けられている。
ELR部2は、ベルトBが巻回されたスピンドル5を備えている。このスピンドル5はフレームfに回動自在に支持され、その回転軸6の端部は、フレームfの側壁7から側方に向けて突出して設けられている。
プリテンショナー部3は、前方からの強い衝撃を感知すると、火薬を爆発させるなどしてELR部2のスピンドル5を巻き取り方向に回動させた後に固定するものである。
リトラクタ4は、ベルトBを巻き戻す駆動力を付与するモータMと、このモータMの駆動力をスピンドル5の回転軸6に伝達するギヤ部8とを備えた駆動部9を備えており、この駆動部9がフレームfの側壁7に対して複数のビス10で固定されている。ギヤ部8は、モータMの駆動力をスピンドル5の回転軸6に伝達するとともに、ラッチ機構(図示せず)によってモータMとスピンドル5との連係を解除することが可能になっている。
さらに、駆動部9にはリトラクタ本体11が接続されている。このリトラクタ本体11は、いわゆるねじりバネであるスプリング12と回転角度センサ13とをアッパーケース14とロアケース15とからなるケーシング内に収容したものである。
回転角度センサ13は、スピンドル5の回転位置すなわち、ベルトBの巻取位置を検出するためのものであり、スピンドル5の回転軸6と連係するギヤ部8の回転軸16の端部に接続される略円盤状のリテーナ17と、このリテーナ17の周縁に嵌着される円環状の磁極リング18と、この磁極リング18の磁極を検出するセンサ部19とで構成されている。磁極リング18には、円周方向に沿って交互(例えば、回転角度で4度毎)にN極とS極とが配置されている。
一方、センサ部19には、所定の回転角度で2つの第1ホール素子20、第2ホール素子21が設けられ、これら第1ホール素子20、第2ホール素子21が磁極リング18と対向している。これら第1ホール素子20、第2ホール素子21は、対向する磁極リング18の極性がN極のときとS極のときとで異なった信号を出力するように構成されている。つまり、第1ホール素子20、第2ホール素子21のそれぞれの出力信号を監視することでリテーナ17の回転角度、すなわちリテーナ17と連係するスピンドル5によるベルトBの巻取位置と回転方向が把握できるようになっている。
スプリング12は、その中央部分の基端部がリテーナ17の軸部17aに接続されており、ベルトBが引き出されてスピンドル5が回転するとリテーナ17が回動してスプリング12が巻き込まれるようになっている。このようにスプリング12が巻き込まれることで、スピンドル5に対して常にベルトBの巻き取り方向に付勢するようになっている。
図2に示すように、シートベルトユニット1は制御部25を備えている。この制御部25はリトラクタ4に設けられたモータMの通電量を制御する駆動制御部26と、上述した回転角度センサ13の出力の変動すなわちベルトBの巻取位置の変動に基づいて乗員の移動を検知する乗員移動判定部27と、乗員移動判定部27との間で双方向にデータ通信を行いベルトの巻取位置など種々のデータを記憶する記憶部28とを備えている。
乗員移動判定部27には、座席のシートバック40(図4参照)に内蔵され、乗員とシートバック40との距離を非接触で検出するシートセンサ30の信号と、バックルにタングプレートが挿入されたことを検知するバックルスイッチ(バックルSW)33からの信号とがそれぞれ入力されるようになっている。ここで、上述したシートセンサ30は、乗員との間の静電容量の変化を検出するセンサや、シート背面に作用する荷重あるいは圧力を検出するセンサを用いることができる。
駆動制御部26には、駆動制御部26の制御指令に基づいてモータMへの通電量を調整する電流調整部31が接続されている。この電流調整部31は、スイッチング素子などで構成されており、この電流調整部31によってバッテリ32から供給される電流が調整された後、リトラクタ4のモータMに供給されることとなる。
乗員移動判定部27は、乗員が座席に着座した際に、乗員の移動状態を判定するものであり、回転角度センサ13の出力に基づいて座席あるいは乗員の腰部が移動したか否かを判定するオフセット判定手段(後述する)を備えている。さらに、乗員移動判定部27は、シートセンサ30の出力に基づいて乗員とシートバック29との距離が、着座姿勢として異常な所定の距離以上となり、かつ、上述したオフセット判定手段により乗員の腰部あるいは座席が移動したと判定された場合に、乗員の腰部が移動したと判定する腰部移動判定手段(後述する)を備えている。
次に、図3に基づいて制御部25の乗員移動判定部27における腰部移動検出処理を説明する。ここで、腰部移動検出処理とは、例えば、運転席に着座している乗員が助手席側に置いてある物を取ったり、交差点の左右確認を行ったりする場合に上体を大きく前方側に移動させた場合などに乗員の腰部が元の位置からずれることがあるため、この腰部の位置ずれを検出してシートベルトユニット1の最適制御を行うための処理である。
まず、ステップS01では、シートベルトバックルのバックルスイッチ(バックルSW)がON、すなわち、乗員が着座してバックルとタングプレートとが結合されたか否かを判定する。ステップS01における判定結果が「YES」(バックルスイッチON)である場合はステップS02に進み、判定結果が「NO」(バックルスイッチONではない)である場合は乗員が着座していないのでこの処理を終了する。
ステップS02では、現在のベルト巻取位置の基準位置を設定してステップS03に進む。
ステップS03では、上記基準位置に対してベルト巻取位置に変位があるか否かを判定する。ステップS03における判定結果が「YES」(変位あり)である場合はステップS04に進み、判定結果が「NO」(変位なし)である場合はステップS03の処理を繰り返す。
ステップS04では、ベルトBの巻取位置の変位量が所定の変位量以上か否かを判定する。ステップS04における判定結果が「YES」(所定の変位量以上)である場合はステップS05に進み、判定結果が「NO」(所定の変位量未満)である場合はステップS03に戻り上述した処理を繰り返す。ここで、所定の変位量とは、乗員の位置が十分に変位したと判定できるベルトBの巻取位置の変位量である
ステップS05では、加算タイマのタイマ値tをリセット(t=t0)した後、ステップS06に進む。
ステップS06では、タイマ値tが所定値t1より大きいか否かを判定する。ステップS06における判定結果が「YES」(t>t1)である場合はステップS07に進み、判定結果が「NO」(t≦t1)である場合はステップS06の処理を繰り返す。ここで、所定値t1とは、ベルトBの巻取り位置の変位量が安定するまでの待機時間を設定するためのものである。
ステップS07では、再度、ベルトBの巻取位置の変位量が所定の変位量以上か否かを判定する。すなわち、ベルトBの巻取位置の変位量が所定の変位量以上となっている状態が加算タイマのタイマ値tがt1となるまで持続しているか否かを判定する。ステップS07における判定結果が「YES」(所定以上)である場合はステップS08に進み、判定結果が「NO」(所定未満)である場合はステップS03に戻り上述した処理を繰り返す。なお、所定の変位量は、上述したステップS04と同様の値である。
ステップS08では、基準位置に対するベルトBの巻取位置の偏差が所定の偏差以下か否か判定する。ステップS08の判定結果が「YES」(偏差が所定の偏差以下)である場合はステップS09に進み、判定結果が「NO」(偏差が所定の偏差より大きい)である場合はこの処理を終了する。ここで、所定の偏差とは、ベルトBの巻取位置の変動量が相対的に大きいか否かを判定できる程度の偏差である。
ここで、図4(b)は、横軸を時間、縦軸をベルトBの巻取位置とした場合の、車両の振動等による外乱が大きく、ベルトBの巻取位置の偏差が所定の偏差以上となる場合の一例を示したものである。また、図4(a)は、図4(b)のようにベルトBの巻取位置が基準位置から位置aまで変動する場合の乗員の状態を示しており、乗員は、基準位置から位置aに対応する位置まで揺動(図中矢印で示す)している。図4(b)に示すように、車両の振動等により外乱が大きくベルトBの巻取位置の偏差が所定の偏差以上の場合には、巻取位置が変動(上下動)する頻度が高く、且つ一回の変動による変位のピーク値が相対的に大きくなっている。このような場合、乗員の変位が頻繁に検出されて乗員の着座姿勢が把握できないため、上述したステップS08では、ベルトBの巻取位置に基づくステップS09のオフセット判定を行わずにこの処理を終了するようにしている。
次に、ステップS09(オフセット判定手段)では、ベルトBの巻取位置と基準位置との差分であるオフセット量が所定のオフセット量以上か否かを判定する。ステップS09における判定結果が「YES」(所定のオフセット量以上)である場合はステップS10に進み、判定結果が「NO」(所定のオフセット量未満)である場合はステップS02に戻り上述した処理を繰り返す。ここで、所定のオフセット量とは、通常の拘束制御を行った場合に乗員が違和感を覚える程度のオフセット量である。
ここで、図5(b)は、乗員の腰部が変位する場合の時間(横軸)に対するベルトBの巻取位置(縦軸)を示したものであり、図5(a)はこの図5(b)における乗員の動きを示したものである。つまりステップS08では、乗員の上体が基準位置から前方に向かって揺動して位置cとなった後に位置bまでしか戻らない場合、ベルトBの巻取位置と基準位置との差分を検出してこの差分をオフセット量としている。
そして、ステップS10では、シートセンサ30の検出結果に基づいて乗員がシートバック40(図4、図5参照)から離間しているか否かを判定する。ステップS09における判定結果が「YES」(シートバック40から離間している)である場合はステップS11に進み、判定結果が「NO」(シートバック40から離間していない)である場合はステップS02に戻り上述した処理を繰り返す。ここで、例えば、乗員が座席をスライドさせたりすると、乗員の腰部が移動しているにもかかわらずシートバック40から乗員が離間しない場合がある。そして、このような場合、乗員の着座姿勢は適正な状態である。そのため、上述したステップS10では、シートセンサ30によりシートバック40と乗員との距離を検出して座席のスライドなどによる着座姿勢が適正な状態での移動を腰部の移動を判定する対象から除外するようにしている。すなわち、シートセンサ30により検出されたシートバック下部と乗員との間の距離が所定値未満であれば離間していないと判定し、所定値以上であれば離間していると判定する。あるいは、荷重センサ等を用いる場合には、シートバック下部に作用する荷重または圧力が所定値より大きいときには離間していないと判定し、所定値以下であるときに離間していると判定する。
ステップS11(腰部移動判定手段)では、乗員の腰部が移動していると判定してステップS12に進む。
ステップS12では、モータMを駆動してベルトBを巻き取り、乗員をシートバック40側に引き寄せて乗員の腰部をシートバック40側に移動させるか、または乗員保護装置の作動条件などを変更してこの処理を終了する。
ここで、上記乗員保護装置の作動条件の変更とは、乗員の腰部が基準位置からずれている状態で適切な拘束を行うことができるようにするための様々な設定変更であり、例えば、緊急時におけるベルトBの巻取量を正しい着座姿勢の場合よりも増加させたり、ベルトBの張力を正しい着座姿勢の場合よりも高めたりする設定変更を含んでいる。また、腰部の移動が判定されるということは乗員が前方にずれているということであるので、乗員とエアバッグとの距離が短くなることが想定される。そのため、例えばエアバッグの作動閾値を低下させるなどエアバッグの作動タイミングを早めたり、エアバッグの展開圧を低下させる設定変更なども行っている。
したがって、上述の実施の形態によれば、回転角度センサ13によりスピンドル5に巻回されたベルトBの巻取位置を検知するとともに、この回転角度センサ13の出力値の変動に基づいて、モータMを駆動する制御部25の乗員移動判定部29により乗員の移動状態を検知することができるため、乗員の移動状態に応じて適切なベルトテンションで乗員を拘束することができ、また、例えば乗員の移動状態に応じてベルトBのゆるみが発生した場合にベルトBの巻き取りを実施することができるため、無駄なベルトBの巻き取りが発生する頻度を低下させることができる。
また、回転角度センサ13によって検知された巻取位置が基準位置に対して所定量以上オフセットした状態が所定時間以上継続した場合に、乗員移動判定部29のオフセット判定手段(ステップS09)によって座席あるいは乗員の腰部が移動したことを判定することができるため、座席あるいは乗員の腰部が移動した場合に、より適切なベルトBの巻き取り制御を行うことができる。
さらに、例えば、悪路を走行している場合、車両の振動の影響で巻取位置の変動量が増加するが、オフセット判定手段(ステップS09)による判定を、回転角度センサ13で検知された巻取位置の変動量の偏差が所定の偏差以下の場合にのみ有効とすることで、車両の振動の影響などを排除して、オフセット判定手段(ステップS09)による判定結果の信頼性を向上させることができる。
そして、乗員移動判定部29の腰部移動判定手段(ステップS11)が、オフセット判定手段(ステップS09)の判定結果とシートセンサ30の検出結果とに基づいて、座席と乗員との距離が所定の距離以上あり、且つ、オフセットしている場合に、乗員の腰部が正しい着座位置から変位していることを判定することができるため、制御部25で乗員の腰部の位置に対応した適切なベルトBの巻取制御を行うことができる。
さらに、オフセット判定手段(ステップS09)によりオフセットしていると判定されているにもかかわらず腰部移動判定手段(ステップS11)で腰部が移動していると判定されていない場合、乗員の腰部が座席から離間していない、例えば、座席の位置をスライドさせたり、乗員が上着を着た場合が想定されるので、乗員移動判定手部29の所定の基準位置を再設定して、オフセットする前と同様の最適なベルトBの巻取制御を行うことができる。
そして、オフセット判定手段(ステップS09)でオフセットしていると判定され、腰部移動判定手段(ステップS11)で腰部が移動していると判定された場合には、乗員の着座姿勢が適正ではないため、モータMへ通電してベルトBが基準位置となるまで巻き取りを行うことで、乗員の腰部を適正な着座位置まで移動させることができ、この結果、乗員の拘束を効率よく行うことができる。
また、オフセット判定手段(ステップS09)でオフセットしていると判定され、乗員の着座姿勢が適正でない場合に、例えば、エアバッグの作動閾値や緊急時のベルトの巻取量など、乗員保護装置の作動条件を、乗員の着座姿勢に応じて変更することができるため、乗員保護装置を最適な状態で作動させて乗員を保護することができる。
なお、上記実施の形態では運転席と助手席とにシートベルトユニット1を設けた場合について説明したが、後席に設けるようにしてもよい。
また、シートバック40に非接触型のセンサを設けた場合について説明したが、乗員とシートバック40との距離が検出できるものであればよく、例えば、感圧式の接触型のセンサをシートクッションの前後方向に沿って複数箇所に設けて、これら接触型センサの検出結果に基づいてステップS10の判定を行うようにしてもよい。
本発明の実施の形態におけるシートベルトユニットの分解斜視図である。 本発明の実施の形態における制御部のブロック図である。 本発明の実施の形態における腰部移動判定処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるベルトの巻取位置の偏差の説明図であり、(a)は乗員の移動を示す概略図であり、(b)はベルトの巻取位置が所定の偏差以上の場合のグラフである。 本発明の実施の形態におけるベルトのオフセットの説明図であり、(a)は乗員の移動を示す概略図であり、(b)はベルトのオフセットが所定のオフセット量以上の場合のグラフである。
符号の説明
B ベルト
5 スピンドル(ベルトリール)
M モータ
25 制御部
13 回転角度センサ(巻取位置検知手段)
27 乗員移動判定部(乗員移動判定手段)
ステップS09 オフセット判定手段
ステップS11 腰部移動判定手段

Claims (7)

  1. ベルトを巻回したベルトリールと、
    前記ベルトリールに駆動力を伝達することにより前記ベルトの巻取を行うモータと、
    前記モータへの通電量を制御することにより前記モータを駆動する制御部と、
    前記ベルトの巻取位置を検知する巻取位置検知手段と、
    を備えた車両のシートベルト装置において、
    前記制御部は、前記巻取位置検知手段の出力値の変動に基づき乗員の移動状態を検知する乗員移動判定手段を備えることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記乗員移動判定手段は、前記巻取位置検知手段で検知された巻取位置が所定の基準位置に対して所定値以上オフセットした状態が所定時間以上継続した場合に、座席あるいは乗員腰部が移動したと判定するオフセット判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記乗員移動判定手段は、前記巻取位置検知手段で検知された巻取位置の変動量が所定値以下のときにのみ前記オフセット判定手段による判定を有効とすることを特徴とする請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記座席は近接センサを備え、
    前記乗員移動判定手段は、前記近接センサにより前記座席と乗員との距離が所定値以上あることが検出され、かつ、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定された場合に、乗員の腰部が移動していると判定する腰部移動判定手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のシートベルト装置。
  5. 前記制御部は、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、かつ、腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定されていない場合、前記所定の基準値を再設定することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト装置。
  6. 前記制御部は、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、かつ、前記腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定された場合には、前記巻取位置が前記所定の基準値となるよう前記モータへの通電を行うことを特徴とする請求項4または5に記載のシートベルト装置。
  7. 前記制御部は、前記オフセット判定手段でオフセットしていると判定され、かつ、腰部移動判定手段で腰部が移動していると判定された場合には、乗員保護装置の作動条件を変更することを特徴とする請求項4または5に記載のシートベルト装置。
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