JP2008213024A - 加工対象物切断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1の方向に延在する第1の切断予定ライン、及び第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインの双方に沿って板状の加工対象物を精度良く切断することができる加工対象物切断方法を提供する。
【解決手段】 加工対象物1では、その内部に形成された溶融処理領域を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断するための第1の切断力が、その内部に形成された溶融処理領域を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断するための第2の切断力より大きくなっている。従って、まず、溶融処理領域を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を短冊状に切断し、その後に、溶融処理領域を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物をチップ状に切断することで、各切断予定ライン5,5に沿って加工対象物1を精度良く切断することができる。
【選択図】 図14

Description

本発明は、板状の加工対象物を切断予定ラインに沿って切断する加工対象物切断方法に関する。
従来の加工対象物切断方法として、次のようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。まず、板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、格子状に設定された切断予定ラインのそれぞれに沿って改質領域を加工対象物の内部に形成する。続いて、格子状に設定された切断予定ラインのうち所定の方向に延在する切断予定ラインに沿って改質領域を起点として加工対象物を切断し、その後に、格子状に設定された切断予定ラインのうち所定の方向と交差する方向に延在する切断予定ラインに沿って改質領域を起点として加工対象物を切断する。
特開2006−24676号公報
しかしながら、上述した従来の加工対象物切断方法にあっては、特に、所定の方向と交差する方向に延在する切断予定ライン(すなわち、短冊状に切断された加工対象物をチップ状に切断するための切断予定ライン)に沿って加工対象物を精度良く切断することができない場合がある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、加工対象物において第1の方向に延在する第1の切断予定ライン、及び加工対象物において第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインの双方に沿って加工対象物を精度良く切断することができる加工対象物切断方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、上述した従来の加工対象物切断方法において、所定の方向と交差する方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物を精度良く切断することができないのは、切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための切断力に起因していることを突き止めた。つまり、所定の方向と交差する方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための切断力が、所定の方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための切断力より大きい場合に、所定の方向と交差する方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物を精度良く切断することができない確率が高くなるのである。本発明者らは、この知見に基づいて更に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。なお、切断力とは、改質領域が形成された加工対象物を切断するために付加する力のことである。すなわち、切断力が大きいとは、加工対象物を切断するための負荷加重が或る力より大きいことであり、或る力より大きな力を加えることで改質領域を起点に加工対象物が切断されることを意味し、改質領域が比較的割れ難い状態に形成されていることになる。また、切断力が小さいとは、加工対象物を切断するための負荷加重が或る力より小さいことであり、或る力より小さな力を加えることで改質領域を起点に加工対象物が切断されることを意味し、改質領域が比較的割れ易い状態に形成されていることになる。
すなわち、本発明に係る加工対象物切断方法は、板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、加工対象物において第1の方向に延在する第1の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる第1の改質領域を加工対象物の内部に形成すると共に、加工対象物において第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる第2の改質領域を加工対象物の内部に形成する改質領域形成工程と、改質領域形成工程の後、第1の改質領域を起点として第1の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断する第1の切断工程と、第1の切断工程の後、第2の改質領域を起点として第2の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断する第2の切断工程と、を含み、第1の改質領域を起点として第1の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための第1の切断力は、第2の改質領域を起点として第2の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための第2の切断力より大きいことを特徴とする。
この加工対象物切断方法では、第1の改質領域を起点として第1の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための第1の切断力が、第2の改質領域を起点として第2の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための第2の切断力より大きくなっている。従って、まず、第1の改質領域を起点として第1の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断し、その後に、第2の改質領域を起点として第2の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断することで、第1の切断予定ライン及び第2の切断予定ラインの双方に沿って加工対象物を精度良く切断することができる。
なお、切断の起点となる第1及び第2の改質領域は、加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、加工対象物の内部において多光子吸収やその他の光吸収を生じさせることで形成される。また、第2の改質領域を起点として第2の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するための第2の切断力は、加工対象物が第1の切断予定ラインに沿って切断されていない状態において要する切断力である。
本発明に係る加工対象物切断方法においては、改質領域形成工程では、第1の切断予定ラインに沿って第1の改質領域を加工対象物の内部に形成した後に、第2の切断予定ラインに沿って第2の改質領域を加工対象物の内部に形成することが好ましい。第1の切断力が第2の切断力より大きい場合には、一般的に、第2の改質領域を起点としてより、第1の改質領域を起点としての方が、加工対象物の厚さ方向への割れが生じ難い。これにより、第2の改質領域の形成前に、第1の切断予定ラインに沿って第1の改質領域を加工対象物の内部に形成することで、第1の改質領域の形成時点では、加工対象物の厚さ方向への割れの延びが抑制され、その割れによる加工対象物の反りの度合いが低減されることになる。従って、第1の改質領域の形成後に、第2の切断予定ラインに沿って第2の改質領域を加工対象物の内部に精度良く形成することができる。また、先に改質領域を形成した切断予定ラインに対して交差する方向の切断予定ラインに改質領域を形成する場合、切断予定ラインの交差部分では後の改質領域は先の改質領域の影響で不連続となる。そのため、第1の切断力が第2の切断力より大きい場合には、第1の切断予定ラインに沿って第1の改質領域を加工対象物の内部に形成した後に、第2の切断予定ラインに沿って第2の改質領域を加工対象物の内部に形成することにより、交差部分やその周辺等に切断面の蛇行やチッピング等の不具合を生じさせずに、精度良く切断することができる。これは、大きな切断力が必要な切断予定ラインに改質領域が不連続な箇所があると、切断するために必要な大きな力を加えたときに不連続部分とその周囲が無理に割れてしまい切断面の蛇行やチッピングが生じてしまうことに基づく。
本発明に係る加工対象物切断方法においては、改質領域形成工程では、1本の第1の切断予定ラインに対して形成される第1の改質領域の列数と、1本の第2の切断予定ラインに対して形成される第2の改質領域の列数とを異ならせることや、第1の改質領域を形成するためのレーザ光の照射条件と、第2の改質領域を形成するためのレーザ光の照射条件とを異ならせることが好ましい。これらにより、第1の切断力の大きさと、第2の切断力の大きさとの関係を適切なものにすることができる。なお、レーザ光の照射条件としては、例えば、パルスエネルギ、繰り返し周波数、パルス幅、改質領域の形成間隔(ピッチ)等がある。
本発明に係る加工対象物切断方法においては、加工対象物は、改質領域形成工程の前において、第2の切断予定ラインに沿ってより、第1の切断予定ラインに沿っての方が、加工対象物の厚さ方向への割れが生じ難いものであることが好ましい。このような加工対象物は、第1の切断力が第2の切断力より大きくなり易いため、本発明に係る加工対象物切断方法に好適である。
本発明に係る加工対象物切断方法においては、加工対象物は半導体基板を備え、第1及び第2の改質領域は溶融処理領域を含む場合がある。
本発明によれば、加工対象物において第1の方向に延在する第1の切断予定ライン、及び加工対象物において第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインの双方に沿って加工対象物を精度良く切断することができる。
以下、本発明に係る加工対象物切断方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、加工対象物の内部に改質領域を形成するために多光子吸収という現象を利用する。そこで、最初に、多光子吸収により改質領域を形成するためのレーザ加工方法について説明する。
材料の吸収のバンドギャップEよりも光子のエネルギーhνが小さいと光学的に透明となる。よって、材料に吸収が生じる条件はhν>Eである。しかし、光学的に透明でも、レーザ光の強度を非常に大きくするとnhν>Eの条件(n=2,3,4,・・・)で材料に吸収が生じる。この現象を多光子吸収という。パルス波の場合、レーザ光の強度はレーザ光の集光点のピークパワー密度(W/cm)で決まり、例えばピークパワー密度が1×10(W/cm)以上の条件で多光子吸収が生じる。ピークパワー密度は、(集光点におけるレーザ光の1パルス当たりのエネルギー)÷(レーザ光のビームスポット断面積×パルス幅)により求められる。また、連続波の場合、レーザ光の強度はレーザ光の集光点の電界強度(W/cm)で決まる。
このような多光子吸収を利用する本実施形態に係るレーザ加工方法の原理について、図1〜図6を参照して説明する。図1に示すように、ウェハ状(板状)の加工対象物1の表面3には、加工対象物1を切断するための切断予定ライン5がある。切断予定ライン5は直線状に延びた仮想線である。本実施形態に係るレーザ加工方法では、図2に示すように、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して改質領域7を形成する。なお、集光点Pとは、レーザ光Lが集光する箇所のことである。また、切断予定ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、仮想線に限らず加工対象物1に実際に引かれた線であってもよい。
そして、レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち、図1の矢印A方向に)相対的に移動させることにより、集光点Pを切断予定ライン5に沿って移動させる。これにより、図3〜図5に示すように、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1の内部に形成され、この改質領域7が切断起点領域8となる。ここで、切断起点領域8とは、加工対象物1が切断される際に切断(割れ)の起点となる領域を意味する。この切断起点領域8は、改質領域7が連続的に形成されることで形成される場合もあるし、改質領域7が断続的に形成されることで形成される場合もある。
本実施形態に係るレーザ加工方法においては、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lがほとんど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。
加工対象物1の内部に切断起点領域8を形成すると、この切断起点領域8を起点として割れが発生し易くなるため、図6に示すように、比較的小さな力で加工対象物1を切断することができる。よって、加工対象物1の表面3に不必要な割れを発生させることなく、加工対象物1を高精度に切断することが可能になる。
この切断起点領域8を起点とした加工対象物1の切断には、次の2通りが考えられる。1つは、切断起点領域8形成後、加工対象物1に人為的な力が印加されることにより、切断起点領域8を起点として加工対象物1が割れ、加工対象物1が切断される場合である。これは、例えば加工対象物1の厚さが大きい場合の切断である。人為的な力が印加されるとは、例えば、加工対象物1の切断起点領域8に沿って加工対象物1に曲げ応力やせん断応力を加えたり、加工対象物1に温度差を与えることにより熱応力を発生させたりすることである。他の1つは、切断起点領域8を形成することにより、切断起点領域8を起点として加工対象物1の断面方向(厚さ方向)に向かって自然に割れ、結果的に加工対象物1が切断される場合である。これは、例えば加工対象物1の厚さが小さい場合には、1列の改質領域7により切断起点領域8が形成されることで可能となり、加工対象物1の厚さが大きい場合には、厚さ方向に複数列形成された改質領域7により切断起点領域8が形成されることで可能となる。なお、この自然に割れる場合も、切断する箇所において、切断起点領域8が形成されていない部位に対応する部分の表面3上にまで割れが先走ることがなく、切断起点領域8を形成した部位に対応する部分のみを割断することができるので、割断を制御よくすることができる。近年、シリコンウェハ等の加工対象物1の厚さは薄くなる傾向にあるので、このような制御性のよい割断方法は大変有効である。
さて、本実施形態に係るレーザ加工方法において、改質領域としては、次の(1)〜(3)の場合がある。
(1)改質領域が1つ又は複数のクラックを含むクラック領域の場合
加工対象物(例えばガラスやLiTaOからなる圧電材料)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×10(W/cm)以上で且つパルス幅が1μs以下の条件でレーザ光を照射する。このパルス幅の大きさは、多光子吸収を生じさせつつ加工対象物の表面に余計なダメージを与えずに、加工対象物の内部にのみクラック領域を形成できる条件である。これにより、加工対象物の内部には多光子吸収による光学的損傷という現象が発生する。この光学的損傷により加工対象物の内部に熱ひずみが誘起され、これにより加工対象物の内部にクラック領域が形成される。電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm)である。パルス幅は例えば1ns〜200nsが好ましい。なお、多光子吸収によるクラック領域の形成は、例えば、第45回レーザ熱加工研究会論文集(1998年.12月)の第23頁〜第28頁の「固体レーザー高調波によるガラス基板の内部マーキング」に記載されている。
本発明者は、電界強度とクラックの大きさとの関係を実験により求めた。実験条件は次ぎの通りである。
(A)加工対象物:パイレックス(登録商標)ガラス(厚さ700μm)
(B)レーザ
光源:半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ
波長:1064nm
レーザ光スポット断面積:3.14×10−8cm
発振形態:Qスイッチパルス
繰り返し周波数:100kHz
パルス幅:30ns
出力:出力<1mJ/パルス
レーザ光品質:TEM00
偏光特性:直線偏光
(C)集光用レンズ
レーザ光波長に対する透過率:60パーセント
(D)加工対象物が載置される載置台の移動速度:100mm/秒
なお、レーザ光品質がTEM00とは、集光性が高くレーザ光の波長程度まで集光可能を意味する。
図7は上記実験の結果を示すグラフである。横軸はピークパワー密度であり、レーザ光がパルスレーザ光なので電界強度はピークパワー密度で表される。縦軸は1パルスのレーザ光により加工対象物の内部に形成されたクラック部分(クラックスポット)の大きさを示している。クラックスポットが集まりクラック領域となる。クラックスポットの大きさは、クラックスポットの形状のうち最大の長さとなる部分の大きさである。グラフ中の黒丸で示すデータは集光用レンズ(C)の倍率が100倍、開口数(NA)が0.80の場合である。一方、グラフ中の白丸で示すデータは集光用レンズ(C)の倍率が50倍、開口数(NA)が0.55の場合である。ピークパワー密度が1011(W/cm)程度から加工対象物の内部にクラックスポットが発生し、ピークパワー密度が大きくなるに従いクラックスポットも大きくなることが分かる。
次に、クラック領域形成による加工対象物の切断のメカニズムについて、図8〜図11を参照して説明する。図8に示すように、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射して切断予定ラインに沿って内部にクラック領域9を形成する。クラック領域9は1つ又は複数のクラックを含む領域である。このように形成されたクラック領域9が切断起点領域となる。図9に示すように、クラック領域9を起点として(すなわち、切断起点領域を起点として)クラックがさらに成長し、図10に示すように、クラックが加工対象物1の表面3と裏面21とに到達し、図11に示すように、加工対象物1が割れることにより加工対象物1が切断される。加工対象物1の表面3と裏面21とに到達するクラックは自然に成長する場合もあるし、加工対象物1に力が印加されることにより成長する場合もある。
(2)改質領域が溶融処理領域の場合
加工対象物(例えばシリコンのような半導体材料)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×10(W/cm)以上で且つパルス幅が1μs以下の条件でレーザ光を照射する。これにより加工対象物の内部は多光子吸収によって局所的に加熱される。この加熱により加工対象物の内部に溶融処理領域が形成される。溶融処理領域とは一旦溶融後再固化した領域や、まさに溶融状態の領域や、溶融状態から再固化する状態の領域であり、相変化した領域や結晶構造が変化した領域ということもできる。また、溶融処理領域とは単結晶構造、非晶質構造、多結晶構造において、ある構造が別の構造に変化した領域ということもできる。つまり、例えば、単結晶構造から非晶質構造に変化した領域、単結晶構造から多結晶構造に変化した領域、単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した領域を意味する。加工対象物がシリコン単結晶構造の場合、溶融処理領域は例えば非晶質シリコン構造である。電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm)である。パルス幅は例えば1ns〜200nsが好ましい。
本発明者は、シリコンウェハの内部で溶融処理領域が形成されることを実験により確認した。実験条件は次の通りである。
(A)加工対象物:シリコンウェハ(厚さ350μm、外径4インチ)
(B)レーザ
光源:半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ
波長:1064nm
レーザ光スポット断面積:3.14×10−8cm
発振形態:Qスイッチパルス
繰り返し周波数:100kHz
パルス幅:30ns
出力:20μJ/パルス
レーザ光品質:TEM00
偏光特性:直線偏光
(C)集光用レンズ
倍率:50倍
N.A.:0.55
レーザ光波長に対する透過率:60パーセント
(D)加工対象物が載置される載置台の移動速度:100mm/秒
図12は、上記条件でのレーザ加工により切断されたシリコンウェハの一部における断面の写真を表した図である。シリコンウェハ11の内部に溶融処理領域13が形成されている。なお、上記条件により形成された溶融処理領域13の厚さ方向の大きさは100μm程度である。
溶融処理領域13が多光子吸収により形成されたことを説明する。図13は、レーザ光の波長とシリコン基板の内部の透過率との関係を示すグラフである。ただし、シリコン基板の表面側と裏面側それぞれの反射成分を除去し、内部のみの透過率を示している。シリコン基板の厚さtが50μm、100μm、200μm、500μm、1000μmの各々について上記関係を示した。
例えば、Nd:YAGレーザの波長である1064nmにおいて、シリコン基板の厚さが500μm以下の場合、シリコン基板の内部ではレーザ光が80%以上透過することが分かる。図12に示すシリコンウェハ11の厚さは350μmであるので、多光子吸収による溶融処理領域13はシリコンウェハ11の中心付近、つまり表面から175μmの部分に形成される。この場合の透過率は、厚さ200μmのシリコンウェハを参考にすると、90%以上なので、レーザ光がシリコンウェハ11の内部で吸収されるのは僅かであり、ほとんどが透過する。このことは、シリコンウェハ11の内部でレーザ光が吸収されて、溶融処理領域13がシリコンウェハ11の内部に形成(つまりレーザ光による通常の加熱で溶融処理領域が形成)されたものではなく、溶融処理領域13が多光子吸収により形成されたことを意味する。多光子吸収による溶融処理領域の形成は、例えば、溶接学会全国大会講演概要第66集(2000年4月)の第72頁〜第73頁の「ピコ秒パルスレーザによるシリコンの加工特性評価」に記載されている。
なお、シリコンウェハは、溶融処理領域によって形成される切断起点領域を起点として断面方向に向かって割れを発生させ、その割れがシリコンウェハの表面と裏面とに到達することにより、結果的に切断される。シリコンウェハの表面と裏面に到達するこの割れは自然に成長する場合もあるし、シリコンウェハに力が印加されることにより成長する場合もある。そして、切断起点領域からシリコンウェハの表面と裏面とに割れが自然に成長する場合には、切断起点領域を形成する溶融処理領域が溶融している状態から割れが成長する場合と、切断起点領域を形成する溶融処理領域が溶融している状態から再固化する際に割れが成長する場合とのいずれもある。ただし、どちらの場合も溶融処理領域はシリコンウェハの内部のみに形成され、切断後の切断面には、図12のように内部にのみ溶融処理領域が形成されている。このように、加工対象物の内部に溶融処理領域によって切断起点領域を形成すると、割断時、切断起点領域ラインから外れた不必要な割れが生じにくいので、割断制御が容易となる。ちなみに、溶融処理領域の形成は多光子吸収が原因の場合のみでなく、他の吸収作用が原因の場合もある。
(3)改質領域が屈折率変化領域の場合
加工対象物(例えばガラス)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×10(W/cm)以上で且つパルス幅が1ns以下の条件でレーザ光を照射する。パルス幅を極めて短くして、多光子吸収を加工対象物の内部に起こさせると、多光子吸収によるエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、加工対象物の内部にはイオン価数変化、結晶化又は分極配向等の永続的な構造変化が誘起されて屈折率変化領域が形成される。電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm)である。パルス幅は例えば1ns以下が好ましく、1ps以下がさらに好ましい。多光子吸収による屈折率変化領域の形成は、例えば、第42回レーザ熱加工研究会論文集(1997年.11月)の第105頁〜第111頁の「フェムト秒レーザー照射によるガラス内部への光誘起構造形成」に記載されている。
以上、改質領域として(1)〜(3)の場合を説明したが、ウェハ状の加工対象物の結晶構造やその劈開性などを考慮して切断起点領域を次のように形成すれば、その切断起点領域を起点として、より一層小さな力で、しかも精度良く加工対象物を切断することが可能になる。
すなわち、シリコンなどのダイヤモンド構造の単結晶半導体からなる基板の場合は、{111}面(第1劈開面)や{110}面(第2劈開面)に沿った方向に切断起点領域を形成するのが好ましい。また、GaAsなどの閃亜鉛鉱型構造のIII−V族化合物半導体からなる基板の場合は、(011)面又は(0−1−1)面に沿った方向に切断起点領域を形成するのが好ましい。さらに、サファイア(Al)などの六方晶系の結晶構造を有する基板の場合は、(0001)面(C面)を主面として(1−100)面又は(−1100)面に沿った方向に切断起点領域を形成するのが好ましい。
なお、上述した切断起点領域を形成すべき方向(例えば、単結晶シリコン基板における(111)面に沿った方向)、或いは切断起点領域を形成すべき方向に直交する方向に沿って基板にオリエンテーションフラットを形成すれば、そのオリエンテーションフラットを基準とすることで、切断起点領域を形成すべき方向に沿った切断起点領域を容易且つ正確に基板に形成することが可能になる。
次に、本発明に係る加工対象物切断方法の好適な実施形態について説明する。
図14及び図15に示すように、加工対象物1は、GaAsウェハ(半導体基板)12と、複数の機能素子15を含んでGaAsウェハ12の主面に形成された機能素子層16とを備えている。GaAsウェハ12は閃亜鉛型構造を採り、主面を(100)面として、オリエンテーションフラット6に平行な面が(011)面若しくは(0−1−1)面、オリエンテーションフラット6に垂直な面が(0−1 1)面若しくは(0 1−1)面となっている。機能素子15は、例えば、結晶成長により形成された半導体動作層、フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、或いは回路として形成された回路素子等であり、GaAsウェハ12のオリエンテーションフラット6に平行な方向及び垂直な方向にマトリックス状に多数形成されている。
以上のように構成された加工対象物1を以下のようにして機能素子15毎に切断する。まず、図16に示すように、加工対象物1の裏面21にエキスパンドテープ23を貼り付ける。続いて、機能素子層16を上側にして加工対象物1をレーザ加工装置の載置台(図示せず)上に固定する。そして、図14に示すように、隣り合う機能素子15,15間を通るように、オリエンテーションフラット6に垂直な方向(第1の方向)に延在する切断予定ライン(第1の切断予定ライン)5、及びオリエンテーションフラット6に平行な方向(第2の方向)に延在する切断予定ライン(第2の切断予定ライン)5を設定する。
続いて、図17(a)に示すように、加工対象物1の表面3をレーザ光入射面としてGaAsウェハ12の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射し、載置台の移動によって、オリエンテーションフラット6に垂直な方向に延在する各切断予定ライン5に沿って集光点Pを相対的に移動させる。この各切断予定ライン5に沿った集光点Pの相対的な移動を1本の切断予定ライン5に対して複数回(例えば、5回)行うが、集光点Pを合わせる位置の表面3からの距離を各回毎に変えることで、裏面21側から順に、1本の切断予定ライン5に対して複数列の溶融処理領域(第1の改質領域)13をGaAsウェハ12の内部に1列ずつ形成する。
溶融処理領域13を形成した後、図17(b)に示すように、加工対象物1の表面3をレーザ光入射面としてGaAsウェハ12の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射し、載置台の移動によって、オリエンテーションフラット6に平行な方向に延在する各切断予定ライン5に沿って集光点Pを相対的に移動させる。この各切断予定ライン5に沿った集光点Pの相対的な移動を、集光点Pを合わせる位置の表面3からの距離を各回毎に変えながら1本の切断予定ライン5に対して複数回(例えば、5回)行うことで、裏面21側から順に、1本の切断予定ライン5に対して複数列の溶融処理領域(第2の改質領域)13をGaAsウェハ12の内部に1列ずつ形成する。
なお、溶融処理領域13,13には、クラックが混在する場合がある。また、1本の切断予定ライン5,5に対してGaAsウェハ12の内部に形成される溶融処理領域13,13の列数は、GaAsウェハ12の厚さ等に応じて変化するものであり、複数列に限定されず、1列の場合もある。
続いて、図18(a)に示すように、エキスパンドテープ23を拡張させる。そして、その状態で、加工対象物1の裏面21に対し、エキスパンドテープ23を介してナイフエッジ41を押し当てて、オリエンテーションフラット6に平行な方向(すなわち、切断予定ライン5が延在する方向)に移動させる。これにより、加工対象物1に曲げ応力が作用し、溶融処理領域13を起点として、オリエンテーションフラット6に垂直な方向に延在する各切断予定ライン5に沿って加工対象物1が短冊状に切断される。このとき、エキスパンドテープ23が拡張させられた状態にあるため、図18(b)及び図21に示すように、短冊状に切断された各加工対象物1が互いに離間することになる。
加工対象物1を短冊状に切断した後、図19(a)に示すように、エキスパンドテープ23が拡張させられた状態で、加工対象物1の裏面21に対し、エキスパンドテープ23を介してナイフエッジ41を押し当てて、オリエンテーションフラット6に垂直な方向(すなわち、切断予定ライン5が延在する方向)に移動させる。これにより、加工対象物1に曲げ応力が作用し、溶融処理領域13を起点として、オリエンテーションフラット6に平行な方向に延在する各切断予定ライン5に沿って加工対象物1がチップ状に切断されて、1個の機能素子15を有する半導体チップ25が多数得られる。このとき、エキスパンドテープ23が拡張させられた状態にあるため、図19(b)及び図22に示すように、各半導体チップ25が互いに離間することになる。
上述した加工対象物切断方法では、加工対象物1は、溶融処理領域13,13を形成する前において、オリエンテーションフラット6に平行な方向に延在する切断予定ライン5に沿ってより、オリエンテーションフラット6に垂直な方向に延在する切断予定ライン5に沿っての方が、加工対象物1の厚さ方向への割れが生じ難いものとなっている。それは、結晶の性質に基づく影響のためである。
よって、上述した加工対象物切断方法では、溶融処理領域13を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断するための第1の切断力が、溶融処理領域13を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断するための第2の切断力(加工対象物1が切断予定ライン5に沿って切断されていない状態において要する切断力)より大きいことになる。従って、まず、溶融処理領域13を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断し、その後に、溶融処理領域13を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断することで、各切断予定ライン5,5に沿って加工対象物1を精度良く切断することができる。
また、上述した加工対象物切断方法においては、切断予定ライン5に沿って溶融処理領域13を加工対象物1の内部に形成した後に、切断予定ライン5に沿って溶融処理領域13を加工対象物1の内部に形成している。ここでは、溶融処理領域13を起点としてより、溶融処理領域13を起点としての方が、加工対象物1の厚さ方向への割れが生じ難い。これにより、溶融処理領域13を形成する前に、切断予定ライン5に沿って溶融処理領域13を加工対象物1の内部に形成することで、溶融処理領域13の形成時点では、加工対象物1の厚さ方向への割れの延びが抑制され、その割れによる加工対象物1の反りの度合いが低減されることになる。従って、溶融処理領域13を形成した後に、切断予定ライン5に沿って溶融処理領域13を加工対象物1の内部に精度良く形成することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、1本の切断予定ライン5に対して形成される溶融処理領域13の列数と、1本の切断予定ライン5に対して形成される溶融処理領域13の列数とが同じであったが、それらを異ならせてもよい。また、上記実施形態では、溶融処理領域13を形成するためのレーザ光の照射条件と、溶融処理領域13を形成するためのレーザ光の照射条件とが同じであったが、それらを異ならせてもよい。これらにより、溶融処理領域13を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断するための第1の切断力の大きさと、溶融処理領域13を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象物1を切断するための第2の切断力の大きさとの関係を適切なものにすることができる。
図20は、厚さ300μmのGaAsウェハの切断力を示すグラフである。具体的には、切断予定ラインに沿って各種の条件で溶融処理領域を形成し、3点曲げ試験により破断時の負荷荷重を測定した。その結果、パルスエネルギ10μJで溶融処理領域を3列形成した場合、パルスエネルギ13μJで溶融処理領域を3列形成した場合、パルスエネルギ10μJで溶融処理領域を5列形成した場合、パルスエネルギ13μJで溶融処理領域を5列形成した場合の順に負荷荷重(すなわち、切断力)が大きくなった。
従って、加工対象物において第1の方向に延在する第1の切断予定ラインに沿って、パルスエネルギ13μJで溶融処理領域を5列形成し、加工対象物において第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインに沿って、パルスエネルギ10μJで溶融処理領域を3列形成した場合や、加工対象物において第1の方向に延在する第1の切断予定ラインに沿って、パルスエネルギ10μJで溶融処理領域を5列形成し、加工対象物において第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインに沿って、パルスエネルギ10μJで溶融処理領域を3列形成した場合には、まず、第1の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断し、その後に、第2の切断予定ラインに沿って加工対象物を切断することが好ましい。
また、改質領域を形成する前において、第1の方向に延在する第1の切断予定ラインに沿っての方が、第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインに沿ってより、厚さ方向への割れが生じ難い板状の加工対象物の具体例としては、次のようなものがある。GaAsの場合、主面を(100)面としたときに、第1の改質領域を(01−1)面(若しくは(0−11)面)に形成し、第2の改質領域を(0−1−1)面(若しくは(011)面)に形成する。また、サファイアの場合、主面(表面方位)を(0001)面としたときに、第1の改質領域を(11−20)面に形成し、第2の改質領域を(1−100)面に形成する。
また、上記実施形態では、加工対象物1の裏面21に対し、エキスパンドテープ23を介してナイフエッジ41を押し当てて、オリエンテーションフラット6に平行な方向及び垂直な方向に移動させることで、加工対象物1に曲げ応力を作用させて、加工対象物1を切断予定ライン5,5に沿って切断したが、加工対象物1の裏面21に対し、エキスパンドテープ23を介して、各切断予定ライン5,5に沿ってブレーカを当てることで、加工対象物1を切断予定ライン5,5に沿って切断してもよい。
また、上記実施形態では、加工対象物1の表面3をレーザ光入射面としたが、加工対象物1の裏面21をレーザ光入射面としてもよい。加工対象物1の裏面21をレーザ光入射面とする場合には、一例として、次のように加工対象物1を複数の半導体チップ25に切断する。すなわち、機能素子層16の表面に保護テープを貼り付け、保護テープにより機能素子層16を保護した状態で、レーザ加工装置の載置台に、加工対象物1を保持した保護テープを固定する。そして、加工対象物1の裏面21をレーザ光入射面として加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射することにより、各切断予定ライン5,5に沿って溶融処理領域13,13を加工対象物1の内部に形成する。続いて、載置台に固定された保護テープを加工対象物1と共に離隔させる。そして、加工対象物1の裏面21にエキスパンドテープ23を貼り付けて、機能素子層16の表面から保護テープを剥がした後、エキスパンドテープ23を拡張させた状態で、溶融処理領域13,13を切断の起点として加工対象物1を切断予定ライン5,5に沿って切断する。
また、上記実施形態では、加工対象物の半導体材料の内部に溶融処理領域を形成したが、ガラスや圧電材料等、他の材料からなる加工対象物の内部に、クラック領域や屈折率変化領域等、他の改質領域を形成してもよい。
本実施形態に係るレーザ加工方法によるレーザ加工中の加工対象物の平面図である。 図1に示す加工対象物のII−II線に沿っての断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法によるレーザ加工後の加工対象物の平面図である。 図3に示す加工対象物のIV−IV線に沿っての断面図である。 図3に示す加工対象物のV−V線に沿っての断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法により切断された加工対象物の平面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法におけるピークパワー密度とクラックスポットの大きさとの関係を示すグラフである。 本実施形態に係るレーザ加工方法の第1工程における加工対象物の断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法の第2工程における加工対象物の断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法の第3工程における加工対象物の断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法の第4工程における加工対象物の断面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法により切断されたシリコンウェハの一部における断面の写真を表した図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法におけるレーザ光の波長とシリコン基板の内部透過率との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る加工対象物切断方法の対象となる加工対象物の平面図である。 図14に示す加工対象物の部分縦断面図である。 本実施形態に係る加工対象物切断方法を説明するための加工対象物の部分縦断面図であり、加工対象物にエキスパンドテープを貼り付けた状態である。 本実施形態に係る加工対象物切断方法を説明するための加工対象物の部分縦断面図であり、(a)はオリエンテーションフラットに垂直な方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物にレーザ光を照射している状態、(b)はオリエンテーションフラットに平行な方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物にレーザ光を照射している状である。 本実施形態に係る加工対象物切断方法を説明するための加工対象物の部分縦断面図であり、(a)はオリエンテーションフラットに垂直な方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物にエキスパンドテープを介してナイフエッジを押し当てている状態、(b)は加工対象物が短冊状に切断された状態である。 本実施形態に係る加工対象物切断方法を説明するための加工対象物の部分縦断面図であり、(a)はオリエンテーションフラットに並行な方向に延在する切断予定ラインに沿って加工対象物にエキスパンドテープを介してナイフエッジを押し当てている状態、(b)は加工対象物がチップ状に切断された状態である。 厚さ300μmのGaAsウェハの切断力を示すグラフである。 図14に示す加工対象物が短冊状に切断された状態の平面図である。 図14に示す加工対象物がチップ状に切断された状態の平面図である。
符号の説明
1…加工対象物、5…切断予定ライン(第1の切断予定ライン)、5…切断予定ライン(第2の切断予定ライン)、12…GaAsウェハ(半導体基板)、13…溶融処理領域(第1の改質領域)、13…溶融処理領域(第2の改質領域)、L…レーザ光、P…集光点。

Claims (6)

  1. 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物において第1の方向に延在する第1の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる第1の改質領域を前記加工対象物の内部に形成すると共に、前記加工対象物において前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる第2の改質領域を前記加工対象物の内部に形成する改質領域形成工程と、
    前記改質領域形成工程の後、前記第1の改質領域を起点として前記第1の切断予定ラインに沿って前記加工対象物を切断する第1の切断工程と、
    前記第1の切断工程の後、前記第2の改質領域を起点として前記第2の切断予定ラインに沿って前記加工対象物を切断する第2の切断工程と、を含み、
    前記第1の改質領域を起点として前記第1の切断予定ラインに沿って前記加工対象物を切断するための第1の切断力は、前記第2の改質領域を起点として前記第2の切断予定ラインに沿って前記加工対象物を切断するための第2の切断力より大きいことを特徴とする加工対象物切断方法。
  2. 前記改質領域形成工程では、前記第1の切断予定ラインに沿って前記第1の改質領域を前記加工対象物の内部に形成した後に、前記第2の切断予定ラインに沿って前記第2の改質領域を前記加工対象物の内部に形成することを特徴とする請求項1記載の加工対象物切断方法。
  3. 前記改質領域形成工程では、1本の前記第1の切断予定ラインに対して形成される前記第1の改質領域の列数と、1本の前記第2の切断予定ラインに対して形成される前記第2の改質領域の列数とを異ならせることを特徴とする請求項1又は2記載の加工対象物切断方法。
  4. 前記改質領域形成工程では、前記第1の改質領域を形成するためのレーザ光の照射条件と、前記第2の改質領域を形成するためのレーザ光の照射条件とを異ならせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の加工対象物切断方法。
  5. 前記加工対象物は、前記改質領域形成工程の前において、前記第2の切断予定ラインに沿ってより、前記第1の切断予定ラインに沿っての方が、前記加工対象物の厚さ方向への割れが生じ難いものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の加工対象物切断方法。
  6. 前記加工対象物は半導体基板を備え、前記第1及び前記第2の改質領域は溶融処理領域を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の加工対象物切断方法。
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