JP2008212853A - アルコール酸化触媒およびその合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、既存の高活性アルコール酸化触媒1-methyl-AZADOと同等の酸化触媒活性を有し、効率性、操作性、経済性に優れた方法で製造可能な有機酸化触媒を提案する。
【解決手段】安価なアセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド、アンモニア水を基礎原料として、3工程、総収率42%、1度の精製操作のみでN-オキシル基をビシクロ[3.3.1]
ノナン骨格上に組み込んだABNOの大量供給を可能とする方法の開発に成功した。そして、この化合物は1-methyl-AZADOと同様、TEMPOでは酸化が困難であった立体的に複雑な構造
を有する2級アルコールをも高効率に酸化できることに加え、1級アルコールに対してTEMPO以上の高い触媒回転率を示す有機酸化触媒となることを見出し本発明を完成するに至
った。
【選択図】図4

Description

本発明は、アルコール類を酸化する有機酸化触媒に係り、とくに環境調和性に優れた有機触媒およびその合成方法に関する。本発明は、特には、ニトロキシルラジカルに基づく、アルコール類をアルデヒド類、ケトン類、及び/又はカルボン酸類へ選択的に酸化する技術に関連する。
アルコール類のカルボニル化合物への酸化は、有機合成における最も基本的な反応の一つであり、従来から、多数の優れた酸化剤や酸化方法が開発されてきた。従来は、遷移金属等の重金属を用いた酸化剤によりアルコール類の酸化反応が行なわれてきた。しかし、遷移金属等の重金属は、環境への悪影響が懸念され、さらに、アルコール類の酸化反応の重要性ゆえに、アルコール類の酸化反応には更なる効率化と環境調和性の向上が望まれていた。
近年、非特許文献1に示された実験を契機として、従来の重金属を用いた酸化剤に代えて、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン N-オキシル (2,2,6,6-tetramethylpiperidine N-oxyl、以下「TEMPO」ともいう)を、アルコール類の酸化触媒として広く利用するようになっている。その反応機構を図1に示す。TEMPOは、重金属に比べて、低環境負荷型の有機
酸化触媒であるといわれており、低環境負荷型のNaOClやPhI(OAc)2など、非特許文献2、非特許文献3に示されるように、様々なバルク酸化剤とTEMPOの組合わせが試行されてい
る。
しかしながら、アルコール類の酸化触媒として広く利用されているTEMPOにも、いくつ
かの問題点が残されていた。TEMPOは、一級水酸基と二級水酸基とが共存する基質での優
れた一級選択的酸化触媒であるが、さらに立体的に混み入った構造の二級アルコールの酸化には有効でなく触媒性能に限界を有するという問題があった。また、TEMPOは、その化
学構造に由来して図2に示すような分解が起こり易いという化学構造上の安定性にも問題があった。ごく最近、上記の問題点に解決を与える環境調和型酸化触媒として、図3に示すようなアザアダマンタン型ニトロキシルラジカルである1-メチル-2-アザアダマンタン N-オキシル (1-methyl-2-azaadamantane N-oxyl、以下「1-methyl-AZADO」ともいう)が
本発明者らにより見出された。1-methyl-AZADOはTEMPOと同様に環境への負荷も少なく、
1級アルコールに対してTEMPOよりも高い触媒回転率を示すのみならず、TEMPOでは酸化が困難であった、立体的に複雑な構造を有する2級アルコールをも高効率に酸化できる有機酸化触媒である(非特許文献4)。
上述のように1-methyl-AZADOは1級アルコールのみならず、2級アルコールに対しても高い触媒活性を示す。しかしながら、その合成は市販化合物から6工程を要し、高価な試薬の使用が避けられない等の経済的側面で課題を有していた。
アダマンタン骨格を有する1-methyl-AZADOと構造的に相同性の高いビシクロ型ニトロキシルラジカルである9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル (9-azabicyclo[3.3.1]nonane N-oxyl、以下「ABNO」ともいう)はアザアダマンタン型ニトロキシルラジカル類の構造類縁体の一つとして位置づけられる化合物で、TEMPOと同様、安定なフリーラジカルと
して存在することが発見されて以来、その物理化学的性質に関する研究とともにその応用面(ラジカルトラップ剤、ラジカル発生剤、スピンラベル化剤など)に関する研究もなされてきた(非特許文献5、6)。しかし、そのアルコール酸化触媒としての活用については全く検討はなされていなかった。
ABNOは既知化合物であるが、既存の合成法(前駆体であるアミン体の合成法も含む)は
量的供給という観点で満足なものではなかった(非特許文献7、8)。
Golubev V.A. et al: Izv. Akad. Nauk SSSR, Ser. Khim. 1965, p.1927 Lidia D.L., et al: J. Org. Chem. 2003, vol.68, p.4999 Miller R.A., et al: Org. Lett. 2003, vol.53, p.285 Shibuya, M., et al: J. Am. Chem. Soc. 2006, vol.128, p.8412 Mendenhall G.D., et al: J. Am. Chem. Soc. 1973, vol.95, p.6395 Engel P.S., et al: J. Am. Chem. Soc. 2001, vol.123, p.3706 Nelsen S.F., et al: J. Am. Chem. Soc. 1978, vol.100, p.7876 Momose T., et al: J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1, 1997, p.1307
TEMPOと同様に環境への負荷が少なく、TEMPOに比して、1級アルコールに対してより高い触媒回転率を示し、さらに、TEMPOでは酸化が困難であった、立体的に複雑な構造を有
する2級アルコールをも高効率に酸化できる有機酸化触媒であることが見出された1-methyl-AZADOと同様な優れた特性を有している、環境調和型の有機酸化触媒の開発が求められている。また、1-methyl-AZADOの合成は市販化合物から6工程を要し、高価な試薬の使用が避けられない等の経済的側面で課題を有しているので、そのような問題の少ない、且つ、簡単で安価に、そして満足しうる量的供給を図ることのできる環境調和型の有機酸化触媒を提供することは、依然として要望されている。
本発明者らは上記した課題を達成するために鋭意考究した結果、アダマンタン骨格を有する1-methyl-AZADOと構造的に相同性の高いビシクロ型ニトロキシルラジカルである9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル (9-azabicyclo[3.3.1]nonane N-oxyl、以下「ABNO」ともいう)に着目し、その酸化触媒としての活用性を見出すことに成功し、本発明を完成した。
1-methyl-AZADOの高度なアルコール酸化触媒活性は、そのオキソアンモニウム体が既存のTEMPO触媒に比べ広い反応場を獲得したことに起因すると考えられる。ABNOもBredt則によりα位水素原子の安定性が保障された化合物であることから、反応点周辺の嵩高さが軽減し、アルコール酸化触媒として1-methyl-AZADOと同等の機能を発揮することが期待される。さらに、本発明者らはABNOの量的供給を可能とする合成法の検討を行い、その結果、安価な原料から3工程で合成でき、且つ、操作性および効率性に優れたルートの開発にも成功した。
ABNOは、1-methyl-AZADOと同様、TEMPOでは酸化が困難であった立体的に複雑な構造を
有する2級アルコールをも高効率に酸化できることに加え、1級アルコールに対してTEMPOと同等以上の高い触媒回転率を示す有機酸化触媒となることを見出し、よって、本発明
を完成するに至った。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1) アルコール類を酸化せしめる有機酸化触媒であって、下記式(1):
Figure 2008212853
(上式中、Xは、H2、O、又はNOHを示す)
で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルを含有するものであることを特徴とするアルコール酸化触媒。
(2) アルコール類を酸化せしめる有機酸化触媒の合成方法であって、アセトンジカルボ
ン酸、グルタルアルデヒド、アンモニア水を基礎原料として縮合反応を行い、得られたビシクロ体のケトン部をWolff-Kishner条件下水素化した後、ビシクロ体のアミン部を酸化
することを特徴とするアルコール酸化触媒の合成方法。
(3) (a)アセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド及びアンモニア水を縮合反応せしめて9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン環形成を行い、
(b)得られたビシクロ体のケトン部をボルフキッシュナー(Wolff-Kishner)条件下水素化して9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンを形成し、
(c)得られた該アミン体のアミノ基を酸化する
ことを特徴とする9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルの合成法。
(4) (i) 9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オンをボルフキッシュナー(Wolff-Kishner)条件下水素化して9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンを製造し、
(ii) 得られた該アミン体のアミノ基を酸化する
ことを特徴とする9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルの合成法。
(5) 上記式(1)で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルを含有することを特徴とする有機化合物合成用触媒。
(6) 有機化合物の酸化触媒であることを特徴とする上記(5)に記載の触媒。
(7) 有機化合物が、アルコール類であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の触媒

(8) 上記式(1)で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルの存在下に、アルコール類を酸化せしめて、対応するオキソ体を合成することを特徴とするアルコール類の酸化方法。
(9) アルコール類を酸化させる有機酸化触媒であって、ビシクロ[3.3.1]ノナン骨格上にN-オキシル基を組み込んだ、次式(2):
Figure 2008212853
で表わされる9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル (9-azabicyclo[3.3.1]nonane N-oxyl)であり1-methyl-AZADOとほぼ同等の酸化触媒能を有することを特徴とする環境調和
性に優れたアルコール酸化触媒。
(10) アルコール類を酸化させる有機酸化触媒の合成方法であって、比較的安価であるアセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド、アンモニア水を原料として縮合反応を行い、得られたビシクロ体のケトン部をWolff-Kishner条件下水素化した後、ビシクロ体のアミ
ン部を酸化するという3工程を1回の精製操作を必要とするのみで行うことを特徴とする操作性、効率性、経済性に優れた有機酸化触媒の合成方法。
(11) アセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド及びアンモニア水を縮合反応せしめて9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン環形成を行うことを特徴とする9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンの合成法。
本発明によれば、アルコール類を酸化させる有機酸化触媒であって、アザビシクロアルカン骨格上にニトロキシル基を組み込んだ、アザビシクロアルカン N-オキシルである化
合物を簡便かつ高収率で合成する技術も提供している。本発明では、マンニッヒ反応とそれに続く脱炭酸反応によりアザビシクロアルカン環を形成せしめる、例えば、アセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド及びアンモニア水を縮合反応せしめて、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンといったビシクロ体を得る。次に該ビシクロ体に存在するケトンを還元することにより、アミン体を得る。そして得られた該アミンを酸化することにより、N-オキシル体を得るというもので、三つの工程と一度の精製処理工程で、安価で容易に入手可能な原料から、満足できる収率、簡単な操作で、大量のアザビシクロアルカン N-オ
キシル、例えば、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルなどの、式(1)の化合物の合
成方法を提供する。本発明は、上記式(1)の有機化合物を有機酸化触媒として用いる、有
機化合物の酸化方法、および上記式(1)の化合物と塩素から調整される、オキソアンモニ
ウム塩を酸化剤として用いる有機化合物の酸化方法を提供する。
本発明は、安価な原料を使用して、簡単に且つ大量に入手できるABNOを酸化触媒として使用し、有機化合物の酸化を行う技術を提供している。本発明では、ABNOを安価な原料から三工程で合成できる製造方法が提供されている。ABNOは1-methyl-AZADOと同様、TEMPO
では酸化が困難であった立体的に複雑な構造を有する2級アルコールをも高効率に酸化できることに加え、1級アルコールに対してTEMPO以上の高い触媒回転率を示す有機酸化触
媒となる。加えて、その製造法は1-methyl-AZADOに比べ、簡便かつ低コストである。本発明により、医薬品や香料、液晶等の有機機能性物質の製造に必須となるアルコール酸化反応を高効率的かつ低環境負荷下に行なう触媒を大量かつ安価に供給することができ、産業上格段の効果を奏する。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
本発明では、有機化合物合成用触媒、特には有機触媒であって酸化触媒として有用な、上記式(1)で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル化合物(例えば、上記式(2)で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルなど)又はその誘導体の合成技術(その合成中間体の提供を含む)、利用技術を提供している。
上記式(1)で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル化合物又はその誘導体の
うち、代表例である9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル (9-azabicyclo[3.3.1]nonane N-oxyl; ABNO、図4参照)を例にして、具体的な説明をするが、他のものについても
同様に準じてそれを適用できることは当業者には明らかである。
本発明の有機酸化触媒であるABNOは、ビシクロ[3.3.1]ノナン骨格上に、N-オキシル基
を組み込んだアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル型化合物である。オキソアンモニウムイオンは、穏和な条件下でアルコール類を対応するアルデヒド、ケトンへと速やかに酸化する化学種である。本発明の有機酸化触媒であるABNOは、1-methyl-AZADOと同様にビシクロ[3.3.1]ノナン骨格上に、このオキソアンモニウムイオンを安定に生成する。
ABNOは、次式(2):
Figure 2008212853
で表される構造を有する。N-オキシル基をビシクロ[3.3.1]ノナン骨格上に組み込むこと
により、Bredt則によりα位の水素が安定化し、N-オキシル基の安定性が保証され、TEMPOにくらべて立体障害が減少し、広い反応場を確保できる。このため、1-methyl-AZADOと同様、TEMPOでは酸化が困難であった、立体的に複雑な構造を有する2級アルコールをも高
効率に酸化することができる。また、この化合物は、1-methyl-AZADOと同様、化学構造上の高い安定性があり、TEMPOにみられるような分解の可能性も大幅に低減させることがで
きる。
また、その製造法は1-methyl-AZADOに比べ、簡便かつ低コストである。
次に、ABNOの好ましい合成方法について説明する。
本発明の合成方法では、好ましくは、比較的安価な化合物、すなわち、アセトンジカルボン酸(3)(別名:β-ケトグルタル酸)、グルタルアルデヒド(4)、アンモニア水を基礎
原料として縮合反応を行い、アザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を形成せしめる第一の工程
と、得られたビシクロ体に存在するケトンを還元して、アザビシクロ[3.3.1]ノナンとす
る第二の工程と、当該アミン体のアミノ基を酸化する第三の工程という3工程を行うことにより、1回の精製操作を必要とするのみで目的とするアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル化合物を得ることができる。
本発明の実施態様による合成方法は、アセトンジカルボン酸(3)、グルタルアルデヒド(4)、アンモニア水を基礎原料として縮合反応を行い、得られたビシクロ体(5)のケトン部
をWolff-Kishner条件下水素化した後、アミン体(6)のアミノ基を酸化するという3工程と、1回の精製操作を必要とするのみで、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルを得ることができる。これらの工程を次の反応工程に示す。
Figure 2008212853
本発明の第一の工程では、基礎原料であるアセトンジカルボン酸(3)の水溶液に氷冷下
、アンモニア水、グルタルアルデヒド(4)の水溶液を順次ゆっくり加え、縮合反応により
ビシクロ体(5)とする。マンニッヒ(Mannich)反応による縮合、そしてそれに続く脱炭酸により、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン環形成が生起し、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-
オン(5)が生成される。このものは、反応終了後、凍結乾燥機にて過剰の水、アンモニア
を除去するのみで粉末として得ることができる。
本発明の第二の工程では、上記したビシクロ体(5)とヒドラジン〔例えば、ヒドラジン
水和物(H2NNH2・H2O)〕を反応させ、ケトン部をヒドラゾンとした後、トリエチレングリ
コール溶媒下、加熱条件とし(例えば、220℃で)KOHなどの塩基と反応させ水素化を行なう。ケトン部の水素化はボルフキッシュナー(Wolff-Kishner)反応により行われ、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基存在下にヒドラジンにより、カルボニル基をメチレン基に還元するものである。ボルフキッシュナー反応は、塩基性条件下で行われ、ヒドラジンの代わりに、セミカルバジド、アジドを使用することもできる。改良ボルフキッシュナー反応には、トシルヒドラジンと水素化シアノホウ素ナトリウムを使用する方法、ヒドラゾン形成にビスTBSヒドラジンを使用したり、ヒドラゾンをDMSO-tBuOH溶媒中tert-ブトキシカリウム(tBuOK)で室温で処理するなどの方法が挙げられる。ボルフキッシュナー
反応は、例えば、Todd, D., Org. React., 4: 378 (1948); Hutchins, R.O. & Hutchins,
M.K., Comprehensive Organic Synthesis, 8: 327 (1991)などの文献を参照できる。
本発明の第二の工程では、その反応生成溶液に水を添加した後、簡単な蒸留装置を使用して、溶液から水との共沸混合物としてアミン体の生成物を得ることができる。
本発明の第三の工程では、アミン体(6)の有機溶媒溶液(例えば、MeCN溶液)に、氷冷
下、Urea hydrogen peroxide、Na2WO4・2H2Oなどの酸化剤を加えてアミノ基の酸化を行なう。酸化は通常室温で反応終了まで所要時間(例えば、30分間〜24時間、好ましくは2〜8時間)攪拌するなどにより実行できる。
本発明の第三の工程では、その反応生成溶液に水を添加した後、クロロホルムなどの有機溶媒で抽出したり、カラムクロマトグラフィーなどにより精製単離して、目的物ABNOを得ることができる。
上記式(6)で表される9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン又はその誘導体を酸化して上記(1)
で表されるビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシル又はその誘導体を得る反応は、上記した手法、条件下、及び本明細書に開示の手法、条件下で行うことができ、例えば、無水又は含水のメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール溶媒、アセトニトリルなどの有機ニトリル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などのエ
ーテル類など適当な溶媒中で、Na2WO4-2H2O、H2O2、NaOCl、有機系共酸化剤などの酸化剤、Lidia D.L., et al: J. Org. Chem., vol.68, p.4999 (2003); Miller R.A., et al: Org. Lett., vol.53, p.285 (2003)などに開示の様々な共酸化剤などを接触することで行
うことができる。本酸化は、酸素あるいはオゾンなどの活性酸素を含有する気体を反応混合物中に吹き込むことでも行うことでそれを行うこともできる。
これらの工程を順次施すことにより、環境調和性に優れた有機酸化触媒となるABNOを低コストかつ簡便な操作で合成できる。
本発明で開示の化合物は、遊離の状態のもの、さらにはその塩(酸付加塩を含む)のほか、その水和物およびその溶媒和物、そして、化合物分子中に存在する官能基から誘導されたもののいかなる誘導体であってもよい。該酸付加塩としては、ハロゲン含有の無機のプロトン酸、リン含有の無機酸、硫黄含有の無機酸、C1-4アルキルカルボン酸、パーフルオロC1-4アルキルカルボン酸及び芳香族カルボン酸から選択された酸との塩が挙げられる。当該酸としては、例えば、HCl、HClO4、HBr、HPF6、H3PO4、H2SO4、CF3COOH、CH3COOH
、HCOOH、安息香酸などが挙げられる。本発明で開示の化合物は、適宜、公知の分離精製
手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより、必要に応じて、単離精製することができる。
本発明の有機ニトロキシルラジカルであるABNOなどの上記式(1)のアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルは、その触媒量の使用によって、第1級および第2級アルコール類を
、水性ナトリウムハイポクロライト溶液を用いて、相当するカルボニル化合物、例えば、アルデヒド、ケトン、カルボン酸などへ変換することができる。
本発明の有機化合物合成用触媒は、上記式(1)で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルを含有することを特徴とし、式(1)の化合物の触媒としての有効量を含有しているものであればよい。触媒としての使用に当っては、反応原料を含有する混合物中に式(1)の化合物を添加するものであっても、あるいは式(1)の化合物を含有している溶媒中に反応原料を添加するものであってもよい。反応は二相系を使用するものであってもよい。式(1)の化合物は、その原料有機化合物に対する使用割合は、所定の触媒活性が得られる限
り、特に制限されないが、例えば、モル比で1/100,000〜1/1、好ましくは1/10,000〜2/3
、より好ましくは1/1,000〜1/10で使用できる。本触媒は、式(1)の化合物と、水性ナトリウムハイポクロライト溶液などの酸化剤との混合物の状態で、反応混合物中に添加されるものであってもよい。該触媒は、典型的には有機化合物の酸化反応に有用であり、例えば、酸化反応に感受性の基を含有する有機化合物を酸化するのに使用できる。該酸化反応に感受性の基としては、-OH基、=O基などが挙げられる。有機化合物としては、水酸基、カ
ルボニル基などを有するものが挙げられ、例えば、Chemical Abstractsのデータベースを使用して検索して見出すことができ、それらを適宜選択使用できる。代表的な有機化合物としては、例えば、アルコール類、チオール類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類及びその誘導体(酸ハライド、エステルなどを包含する)、抗生物質、炭水化物、セルローズ類などの多糖類などが含められる。
アルコールとしては、例えば、式A-CH2-OH、あるいはA-CH(OH)-Bを有する第1級および第2級アルコール類が挙げられ、それらは当該触媒存在下、例えば、水性ナトリウムハイポクロライト溶液などの酸化剤を用いて、相当するカルボニル化合物へ変換することができる。酸化剤としては、上記式(6)の化合物又はその誘導体の酸化で利用できるものを、
ここでも使用できる。酸化剤は、酸化対象により適宜適切なものを選択できるし、TEMPO
を使用しての酸化反応で利用できることが知られているものから選択して使用することができる。当該酸化剤としては、例えば、酸素含有の有機又は無機の化合物が挙げられる。典型的には、過酢酸などの過酸素酸、過酸化水素(H2O2)、次亜ハロゲン酸塩(hypohalites)、ハロゲン塩(halites)、ハロゲン化物(halides)、ジアセトキシヨードアレン類、酸素
自体、あるいはそれらの組み合わせたものが挙げられる。次亜ハロゲン酸塩としては、次
亜ハロゲン酸アルカリ金属塩、次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩などが好ましく、例えば、LiOCl、NaOCl、KOCl、LiOBr、NaOBr、KOBrなどが挙げられる。具体的には、酸化剤としては、NaOCl、PhI(OAc)2、NaOCl及びNaBr、CaOCl、空気、酸素、オゾン、次亜塩素酸又はその塩とH2O2、NaCl及びNaOCl、二酸化塩素(chlorine dioxide; ClO2)、ClO2とH2O2
どが包含される。
上記A-CH2-OH、あるいはA-CH(OH)-Bである第1級および第2級アルコール類における基A及びBとしては、反応に悪影響を及ぼさない有機基であれば特に制限はなく、例えば、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよい芳香族同素または複素環を示す。上記基A及びBで表される「置換されていてもよいアルキル基」におけるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、1-メチルプロピル、n-ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルプロピル等のC1-6アルキル等を用いることができる。ここで、アルキル基の置換基としては、低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のC1-6アルコキシ等)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等のC1-6アルキル等)、低級アルケニル基(例、ビニル、アリル等のC2-6アルケニル等)、低級アルキニル基(例、エチニル、プロパルギル等のC2-6アルキニル等)、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいスルホニル基、置換されていてもよいスルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、置換されていてもよいアミジノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1-6アルコキシカルボニル等)、置換されていてもよいカルバモイル基(例、5ないし6員の単環式芳香族複素環(例、ピリジニル等)で置換されていてもよいC1-6アルキル基またはアシル基(例、ホルミル、C2-6アルカノイル、ベンゾイル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)で置換されていてもよいカルバモイル基、1-アゼチジニルカルボニル、1-ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、1-ピペラジニルカルボニル等)、下記置換されていてもよいシクロアルキル基」あるいは「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」で置換されているアルキル基、下記置換されていてもよいシクロアルキル基」あるいは「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」で置換されているアルケニル基、下記置換されていてもよいシクロアルキル基」あるいは「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」で置換されているアルコキシ基、下記置換されていてもよいシクロアルキル基」あるいは「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」で置換されている水酸基、下記置換されていてもよいシクロアルキル基」あるいは「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」で置換されているアミノ基、下記置換されていてもよいシクロアルキル基」あるいは「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」で置換されているアシル基等を用いることができ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし3個置換していてもよい。
上記基A及びBで表される「置換されていてもよいシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7シクロアルキル等を用いることができる。ここで、シクロアルキル基の置換基としては、上記した置換基としての「置換されていてもよいアルキル基」における置換基と同様な数の同様なものを用いることができる。
上記基A及びBで表される「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」の芳香族同素または複素環としては、例えば単環式もしくは縮合多環式芳香族炭素環、または単環式もしくは縮合多環式芳香族複素環を用いることができる。好ましくはC6-14芳香族炭素
環(アリール基)または5ないし14員芳香族複素環(ヘテロアリール基)を用いることができ、より好ましくはC6-10芳香族炭素環(アリール基)または5ないし10員芳香族複素
環(ヘテロアリール基)であり、さらに好ましくはC6芳香族炭素環(アリール基)または5ないし6員芳香族複素環(ヘテロアリール基)である。「芳香族同素環」として具体的に例示すると、例えばペンタゾール;フェニル、ナフチル、アントリル、アズレニル、フェナントリル、アセナフチレニル等のC6-14アリール基等が好ましく、中でもフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等が特に好ましい。「芳香族複素環」としては、例えば環系を構
成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む芳香族複素環等を用いることができる。
「芳香族複素環」として具体的に例示すると、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の5ないし6員の単環式芳香族複素環、および例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインド
リル、1H-インダゾリル、ベンズインダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2-ベンゾイソオ
キサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2-ベンゾイソチアゾリル、1H-ベン
ゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α-カル
ボリニル、β-カルボリニル、γ-カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2-b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリミジニル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-a〕ピリジ
ル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-b〕ピリダジニル等の8〜12員の縮合多環式芳香族複素環等
を用いることができる。好ましくは5ないし6員の単環式芳香族複素環を用いることができる。ここで、「置換されていてもよい芳香族同素または複素環」の置換基としては、必要により有機化学合成の常法により保護されていてもよく、反応に影響をおよぼさない限り特に制限はなく、さらに当該分野で公知のものであってよい。
該第1級および第2級アルコール類には、炭水化物、糖類が含まれてよく、それらはセルロースであってもよい。糖類は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖などであってよく、抗生物質やペプチド、タンパク質に含まれるものであってもよい。該第1級および第2級アルコール類には、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、アミノグルコシド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、キノロン系合成抗菌薬、抗腫瘍剤などの医薬、農薬、染料、高分子合成用モノマー、オリゴマー、そしてポリマーであってもよい。
本酸化反応は、当該分野において知られている条件を採用することができ、例えば、該触媒の有効量の存在下に反応原料を含有する溶液中へ、酸化剤を添加するとか、反応原料を含有する溶液中へ該触媒の有効量を添加した後、酸化剤を添加するなどにより実施できる。酸化反応は、通常、溶媒中で行われ、溶媒としては、上記したものの中から適宜選択して使用できる。反応原料の種類及び量、触媒の量、酸化剤の種類及び量、溶媒の種類及び量、反応時間、反応温度、攪拌などの酸化反応の条件などについては、特定の対象に応じて、適宜選択でき、必要に応じては、実験を行って最適な条件あるいはより好ましい条件を選択してよい。
上記記載の反応は、溶媒の存在下もしくは非存在下に行うことができ、溶媒の存在下に反応を行う場合は、反応に悪影響を及ぼさない常用の溶媒が使用可能であり、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、エステル類、エーテル類、脂肪族ハロゲン炭化水素類、アル
コール類、アミド類、有機酸類、水等が挙げられ、好適なものとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸、酢酸、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルイミダゾリジノン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピペリドン、
ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、へキサン、ペンタン、ヘプタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、塩化メチレン等が使用される。溶媒は、これらの一種又は二種以上の適宜の混合物であってもよいし、無水又は含水のものであってもよく、適宜選択して利用される。反応系には、適宜、緩衝剤を添加することもできる。該緩衝剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩などが挙げられ、例えば、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸塩などが使用される。
反応温度は、−80〜200℃程度であり、好ましくは室温〜150℃程度である。反応時間は、所定の反応が完結するように選択できるが、一般的には約1時間ないし約40時間行われる。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
アセトンジカルボン酸(2.1g, 14.4mmol)の水溶液(50ml)に28%アンモニア水(4.5ml)を
0℃にてゆっくりと加えた。同温下、グルタルアルデヒド(1.44g, 14.4mmol)の水溶液(52.5ml)を約1時間かけて加え、室温にて35時間撹拌した。反応の終了を確認した後、反応
溶媒を除去し、粗ビシクロ体を得た。
ついで、この粗ビシクロ体を原料とし、粗ビシクロ体(14.4mmol)とH2NNH2・H2O (2.2ml, 43.1mmol)を80℃にて、2時間反応させた。一方、蒸留装置を備えた2頚ナスフラスコ
にKOH (8g, 144mmol)、トリエチレングリコール溶液(21ml)を加え、220℃に加熱した。ビシクロ体を含む反応溶液を滴下漏斗にてゆっくりと加え220℃にて30分間撹拌した。同温
下、H2O (50ml)を2時間かけて滴下し、共沸操作により生成物を反応溶液から分別した。得られた蒸留成分をクロロホルムで抽出し、有機層をK2CO3で乾燥した後、溶媒を除去す
ることで粗アミン体を得た。
ついで、粗アミン体のMeCN溶液(14.4ml)に、室温下Na2WO4・H2O (0.95g, 2.88mmol)を
加え30分間撹拌した。0℃に冷却後、Urea hydrogen peroxide (2.7g, 28.8mmol)を加え
て1時間攪拌した後、室温にて4時間撹拌した。反応の終了を確認した後、H2O (50ml)を加え、クロロホルムで抽出し、有機層をK2CO3で乾燥した。溶媒を除去し残渣をカラムク
ロマトグラフィーに付すことでABNO (0.84g, 6mmol)を得た。本化合物は、加速電圧3kV、イオン化電圧70eV、イオン化電流300μAの条件で電子イオン化して質量分析を行うと、m/z140に分子イオンピークを、m/z81に基準ピーク(100%)を与える。他に、m/z67、96、107、122に特徴的なフラグメントイオンピークを与える。
このようにして、合成されたABNOを用いて、まず、表1に示す1級アルコールについて、酸化触媒としての作用を調査した。反応条件は、触媒を表1に示す量とし、CH2Cl2中、さらにKBr:0.1等量、n-Bu4NBr:0.05等量、NaCl:1.4等量を添加し、氷冷下、反応時間:20
分とした。反応終了後、生成物の収率を求めた。収率は、(生成物の物質量)/(原料の物質量)×100(%)で算出した。なお、比較例としてTEMPO、1-methyl-AZADOを用いて同様な反応条件で行なった場合の収率を示す。得られた結果を表1に示す。
Figure 2008212853
本発明のABNOは、触媒量が0.01等量の場合には、1級アルコールの酸化触媒として従来のTEMPO、1-methyl-AZADOと同等の機能を有するうえ、触媒使用量を少なくしても(0.0001等量)、従来の1-methyl-AZADOを用いた場合と同様、高い収率生成物を得ることができ
た (entries 1-3)。
ついで、合成されたABNOを用いて、表2に示す種々の2級アルコールについて、同様に酸化触媒としての作用を調査した。反応条件は、触媒量を0.01等量とし、CH2Cl2中、さらにKBr:0.1等量、n-Bu4NBr:0.05等量、NaOCl:1.5等量を添加し、氷冷下、反応時間:20分とした。反応終了後、生成物の収率を求めた。収率は、(生成物の物質量)/(原料の物質量)×100(%)で算出した。なお、比較例としてTEMPO、1-methyl-AZADOを用いて同様な反応条件で行なった場合の収率を示す。得られた結果を表2に示す。
Figure 2008212853
立体的に嵩高い複雑な構造の2級アルコールについては、比較例のTEMPOを用いた場合
には、目的とする生成物の収率が低いが、本発明のABNOは、1-methyl-AZADOを用いた場合と同様、速やかに酸化し目的とする生成物を高収率で得ることができることがわかる。
このようなことから、ABNOは1-methyl-AZADOとほぼ同等の機能を果たし、1級アルコールはもちろん2級アルコールの酸化触媒として有用な触媒であることが明らかである。
本発明は、既存の高活性アルコール酸化触媒1-methyl-AZADOと同等の酸化触媒活性を有し、効率性、操作性、経済性に優れた方法で製造可能な有機酸化触媒である。
当該有機酸化触媒は、安価なアセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド、アンモニア水を基礎原料として、3工程で、総収率42%で得られ、当該方法では、1度の精製操作のみでN-オキシル基をビシクロ[3.3.1]ノナン骨格上に組み込んだABNOの大量供給を可能と
している方法である。そして、このABNOは1-methyl-AZADOと同様、TEMPOでは酸化が困難
であった立体的に複雑な構造を有する2級アルコールをも高効率に酸化できることに加え、1級アルコールに対してTEMPO以上の高い触媒回転率を示す有機酸化触媒となる。
本発明で、既存の高活性アルコール酸化触媒1-methyl-AZADOと同等の酸化触媒活性を有し、効率性、操作性、経済性に優れた方法で製造可能な有機酸化触媒が提供され、当該触媒は、環境調和性に優れ、さらに効率的な酸化が可能なアルコール類の有機酸化触媒であって、本発明により、その有用な合成方法も利用可能となった。
本発明に係るABNOは、医薬品、農薬、香粧品、染料、液晶をはじめとする機能性有機化
合物、機能性高分子材料、有機合成原料の合成に適用できる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
従来のアルコール酸化触媒であるTEMPOの反応機構を示す説明図である。 TEMPOの分解を説明する説明図である。 1-methyl-AZADOの構造式を示す説明図である。 ABNOの構造式を示す説明図である。

Claims (2)

  1. アルコール類を酸化せしめる有機酸化触媒であって、ビシクロ[3.3.1]ノナン骨格上に、N-オキシル基を組み込んだ、下記式(1):
    Figure 2008212853
    (上式中、Xは、H2、O、又はNOHを示す)
    で表されるアザビシクロ[3.3.1]ノナン N-オキシルを含有するものであることを特徴とするアルコール酸化触媒。
  2. アルコール類を酸化せしめる有機酸化触媒の合成方法であって、アセトンジカルボン酸、グルタルアルデヒド、アンモニア水を基礎原料として縮合反応を行い、得られたビシクロ体のケトン部をWolff-Kishner条件下水素化した後、ビシクロ体のアミン部を酸化するこ
    とを特徴とするアルコール酸化触媒の合成方法。
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