JP2008212140A - 新規なラクトバチルス属微生物および乳酸菌製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】消化管において良好な付着性と定着性を有し、下痢や疝痛(せんつう)の予防・治療効果を有するとともに、ストレス軽減効果などプロバイオティクス効果を有する新規なラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物を含有する乳酸菌製剤を提供する。
【解決手段】ストレス低減効果を有するラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株またはST18株と同定されるラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物を含有する乳酸菌製剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ストレス軽減効果を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する新規微生物およびその微生物を含有する乳酸菌製剤に関する。
牛や豚、馬などの哺乳動物の飼育においては、消化器疾患がしばしば問題となり、例えば、馬の飼育における、疝痛(せんつう)や下痢症などの消化器疾患は、消化吸収に影響を及ぼし栄養障害につながるため、馬の発育を阻害する要因となる。特に仔馬はこのような消化器疾患を発症しやすく、生後6ヶ月までに約70〜80%の仔馬が何らかの下痢を発症することが報告されている。このような下痢や腸炎の原因となる病原微生物の報告はあるが、仔馬の場合は不顕性保菌馬も多いため、効果的な治療法がとれず下痢状態が長期間に及ぶ場合もある。したがって、腸内フローラの状態を改善し下痢症などの消化器疾患を予防・治療することが望まれていた。
一方、馬は家畜として人に飼育され、競走用、使役用、ホースセラピー用などの用途に使用されており、様々なストレスに曝される。例えば競走馬であれば、調教や輸送などにおいて多大なストレスを受け、輸送熱などの症状となって顕れることもある。したがって、日常飼育の中でのストレスを軽減することも望まれていた。
近年、馬に対して下痢の予防や治療、増体重の促進を目的として、乳酸菌を添加した飼料が使用されている。しかしながら、従来の乳酸菌では、馬の有用な腸内フローラの形成には有効に働かず下痢症などを十分に予防、治療することができないものであった。さらに、馬に対してストレス軽減効果を有する乳酸菌はこれまで知られていなかった。
従って、本発明は、哺乳動物の消化管中に良好な付着性と定着性を有し、下痢症や疝痛などの消化器疾患を予防・治療することができ、さらにはストレス軽減効果などプロバイオティクス効果のあるラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物およびその微生物を含有する乳酸菌製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、馬の腸内に常在するラクトバチルス(Lactobacillus)属の分布や構成を調べ、それらの馬の消化管由来株の分離同定を行う過程で、優勢菌種として広く分布する2種類のラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物の未同定菌株を分離した。そしてその菌株を馬に投与することにより、馬の下痢や疝痛の発生を予防・治療することができ、さらに馬およびラットに対してストレス軽減効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物を含有することを特徴とする乳酸菌製剤である。
また本発明は、
ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物が、配列表の配列番号1に示す16SrRNA遺伝子の塩基配列を相同性97%以上で含み、かつ以下の(イ)および(ロ)の化学分類学的性質を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物である乳酸菌製剤:
(イ)G+C含量が34.3±2.0mol%
(ロ)近縁菌種の基準株であるラクトバチルス・サリバリウス(L. salivarius
JCM1231T株およびラクトバチルス・アビアリウス・サブスピーシズ・アビアリ
ウス(L.aviarius subsp. aviarius)JCM 5666T株とのDNA−DNA相同
性が60%未満
である。
さらに本発明は、
ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物が、配列表の配列番号2に示す16SrRNA遺伝子の塩基配列を相同性97%以上で含み、かつ以下の(ハ)および(ニ)の化学分類学的性質を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物である乳酸菌製剤:
(ハ)G+C含量が37.5±2.0mol%
(ニ)近縁菌種の基準株であるカテニバクテリウム・ミツオカイ(Catenibacterium
mitsuokai)JCM 0609 T株、ラクトバチルス・ヴィトゥリニス(L. vitulinus
JCM 1121T株およびラクトバチルス・カテナフォルミス(L. catenaformis
JCM 1143T株とのDNA−DNA相同性が60%未満
である。
本発明の乳酸菌は、消化管内での定着能が高く、馬などの哺乳動物に投与することにより有効に下痢症や疝痛などの消化器疾患を予防・治療できるとともに、ストレスを低減できるものである。
本発明の2種の新規な微生物はいずれも、競走馬の糞便より分離されたものである。
健常なサラブレッドの排泄後すぐの新鮮な糞便を、嫌気パック(アネロガスパック:三菱ガス化学製)に入れ、これを糞便が凍結しない7℃以下の冷蔵で運搬した。運搬された糞便を嫌気的な段階希釈法(光岡知足、「腸内菌の世界」、第2版、53−65、叢文社、1984)で段階希釈し、これの一部をBL寒天培地またはLBS寒天培地(ともに栄研化学製)に塗抹し、スチール・ウール法で、37℃で48時間嫌気培養して形成されたコロニーから2種の新規なラクトバチルス属微生物を分離した。以下にこれら微生物の性質を示す。
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株の分類学的性質
ラクトバチルス・エスピーKBL13株の(a)形態的性質、(b)培養的性質、(c)生理学的性質および(d)化学分類学的性質について以下に示す。
(a)形態的性質
(1)細菌の形:桿菌
(2)細菌の大きさ: 1〜1.5×3〜5μm
(3)細菌の多形性:無
(4)運動性:無
(5)胞子:無
このラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株の顕微鏡写真を図1に示す。
(b)培養的性質(生育状態)
(1)MRS寒天培地での培養:
37℃、48時間培養により、直径0.5〜1.5mm程度の円形で扁平状に
隆起し、周縁および表面は円滑で、露滴状の構造であって、褐色で不透明、硬度
は脂状のコロニーを生じる。
(2)MRS液体培地での培養:37℃、15時間培養によって懸濁する。
(C)生理学的性質
(1)グラム染色性:陽性
(2)カタラーゼ反応:陰性
(3)酸素に対する態度:通性嫌気性
(4)乳酸発酵:ホモ型
(5)グルコースから産生される乳酸の旋光性:L型
(6)グルコースからのガス発生:なし
(7)生育の範囲
温度 15℃ なし
45℃ あり
(8)耐塩性 3%耐塩性
(9)糖類からの酸生成の有無
API 50 CH System (BioMereux社製)を用いた。
(+酸生成あり、+/−酸生成わずかにあり、−酸生成なし)
グリセロール −
エリスリトール −
D−アラビノース −
L−アラビノース −
リボース −
D−キシロース −
L−キシロース −
アドニトール −
メチル−β−D−キシロピラノシド −
ガラクトース −
グルコース +
フラクトース +
マンノース +
ソルボース −
ラムノース −
ダルシトール −
イノシトール −
マンニトール +
ソルビトール −
メチル−α−D−マンノピラノシド −
メチル−α−D−グルコピラノシド −
N−アセチルグルコサミン +
アミグダリン +/−
アルブチン +
サリシン +
セロビオース +
マルトース +
ラクトース −
メリビオース −
シュクロース +
トレハロース −
イヌリン −
メレジトース −
ラフィノース +/−
デンプン −
グリコーゲン −
キシリトール −
ゲンチオビオース +
ツラノース −
D−リキソース −
D−タガトース −
D−フコース −
L−フコース −
D−アラビトール −
L−アラビトール −
グルコン酸 −
2−ケトグルコン酸 −
5−ケトグルコン酸 −
(10)エスクリンの分解性:あり
(d)化学分類学的性質
(1)G+C含量
Mesbahらの方法(Mesbah, M., Premachandran, U.and Whitman, W. E. Precise measurement of the G+C content of deoxyribonucleic acid by high-performance liquid chromatography. Int. J. Syst. Bacteriol., 39: 159-167,1989)によって測定した。
G+C含量:34.3±2.0mol%
(2)細胞壁のアミノ酸組成
アミノ酸組成:リジン、グルタミン酸、アラニン、アスパラギン酸
ペプチドグリカンタイプ:L−Lys−D−Asp(A4α)
(3)16SrRNA遺伝子塩基配列の相同性
(16SrRNA遺伝子の塩基配列決定)
コロニーPCRにより、16SrRNA遺伝子領域を増幅し、ABI PRISM 3100DNA Sequencer(Applied Biosystem社製)により全16SrRNA遺伝子塩基配列を決定した。以下の27F、75R、520F、520R、930F、800R、1100F、1100Rのプライマーを用いた。
<16S rDNA遺伝子増幅用および塩基配列決定用PCRプライマー>
27F:5’−AGAGTTTGATCCTGGCTCAG−3’
75R:5’−CCCGGGATCCAAGCTTACGGTTACCTTGTTAC
GACTT−3’
520F:5’−CAGGAGTGCCAGCAGCCGCGG−3’
520R:5’−ACCGCGGCTGCTGGC−3’
930F:5’−GCACAAGCGGTGGAGCATGTGG−3’
800R:5’−CAGGACTACCAGGGTATCTAAT−3’
1100F:5’−CAGGAGCAACGAGCGCAACCC−3’
1100R:5’−AGGGTTGCGCTCGTTG−3’
決定したラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株の16SrRNA遺伝子の塩基配列を配列表の塩基配列1に示す。
(相同性検索)
このラクトバチルス・エスピーKBL13株の16SrRNA遺伝子の塩基配列について、BLASTサーチ(日本DNAデータバンク)により既知の菌種との相同性検索を行った。この結果、一般的に相同性が97%未満であれば別種であるとされるが、最も近縁のL. salivarius JCM 1231 Tとの相同性は96%であった。配列表の塩基配列1に対し相同性97%以上であれば、本発明の微生物に含まれる。
なお、既存の最も近縁な株はLactobacillus salivarius JCM 1150(アクセッションナンバー:M59054)であるが、L. salivariusには亜種の分類は不要とする説に基づき、ラクトバチルス・エスピーKBL13株の最も近縁な基準株はL. salivarius JCM1231(アクセッションナンバー:AF089108)とした(Li, Y.,Raftis, E., Canchaya, C., Fitzgerald, G. F., van Sinderen, D. & O’Toole, P.W. (2006). Polyphasic analysis indicates that L. salivarius subsp. salivariusand L. salivarius subsp. salicinicus do not merit separate subspecies status. Int. J. Evol. Microbiol., 56, 2397-2403.)
(系統解析)
さらに解析ソフトCLUSTAL Wにより系統樹を作成した。図2は、既知のラクトバチルス属微生物とラクトバチルス・エスピーKBL13株との関係を示した系統樹の図である。図中の分岐点に示された数値は、ブートストラップ信頼値であり、また括弧内の記号はアクセッションナンバーを表す。
(4)近縁種とのDNA−DNA相同性
DNA−DNAハイブリダイゼーションは、Ezakiらの蛍光検出によるマイクロプレート法(Int. J. Syst. Bacteriol., 39,224−229、1989)により行った。2株の近縁菌種の基準株(L. salivarius JCM 1231 TL. aviarius subsp. aviarius JCM 5666T)を、ラクトバチルス・エスピーKBL13株と比較するのに使用した。
(DNA−DNA相同性)
L. salivarius JCM 1231 T:14.2%
L. aviarius subsp. aviariusJCM 5666 T:7.9%
一般的に60%以上のDNA−DNA相同性を持つ菌群を同一菌種とされる。しかしながら、ラクトバチルス・エスピーKBL13株は、上記近縁菌種の基準株とのDNA−DNA相同性が20%未満の低い相同性しか示さなかった。本願発明の微生物には、上記近縁菌種の基準株(L. salivarius JCM 1231 TL. aviarius subsp. aviarius JCM 5666
T)とのDNA−DNA相同性が60%未満のものが含まれる。
以上の化学分類学的性質により、ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株は、いままでに報告されていない新規な乳酸桿菌であると判断された。このラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株を平成19年1月19日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、微生物寄託番号 NITE P−301として寄託した。
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株の分類学的性質:
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株の(a)形態的性質、(b)培養的性質、(c)生理学的性質および(d)化学分類学的性質について以下に示す。
(a)形態的性質
(1)細菌の形:桿菌
(2)細菌の大きさ: 0.7〜1×2〜10μm
(3)運動性:無
(4)胞子:無
このラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株の顕微鏡写真を図3に示す。
(b)培養的性質(生育状態)
(1)ABCMブイヨン寒天培地での培養:
37℃、24時間培養により、直径1〜2.5mm程度のやや不規則な円形状
で扁平状に隆起し、周縁は波状、表面は円滑で、露滴状の構造であって、褐色で
透明、硬度は脂状のコロニーを生じる。
(2)ABCMブイヨン液体培地での培養:
37℃、15〜24時間培養によって懸濁する。
(C)生理学的性質
(1)グラム染色性:陽性
(2)カタラーゼ反応:陰性
(3)酸素に対する態度:嫌気性
(4)乳酸発酵:ヘテロ型
(5)グルコースから産生される乳酸の旋光性:D型
(6)グルコースからのガス発生:あり
(7)生育の範囲
温度 15℃ なし
45℃ あり
(8)耐塩性 3%耐塩性
(9)糖類からの酸生成の有無
API 50 CH System (BioMereux社製)を用いた。
(+酸生成あり、+/−酸生成わずかにあり、−酸生成なし)
D−アラビノース −
リボース −
D−キシロース −
ガラクトース +
グルコース +
フラクトース +
マンノース +
ラムノース −
マンニトール −
ソルビトール −
サリシン −
セロビオース +
ラクトース +
メリビオース +
トレハロース −
メレジトース −
ラフィノース −
デンプン +
グルコン酸 −
(d)化学分類学的性質
(1)G+C含量
Mesbahらの方法(Mesbah, M., U. Premachandran,and W. E. Whitman. Precise measurement of the G+C content of deoxyribonucleic acid by high-performance liquid chromatography. Int. J. Syst. Bacteriol., 39: 159-167,1989)によって測定した。
G+C含量:34.3±2.0mol%
(2)細胞壁のアミノ酸組成
アミノ酸組成:アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、メソジ
アミノピメリン酸
ペプチドグリカンタイプ:meso−DAP direct(A1γ)
(3)16SrRNA遺伝子塩基配列相同性
(16SrRNA遺伝子の塩基配列決定)
コロニーPCRにより、16SrRNA遺伝子領域を増幅し、ABI PRISM 3100DNA Sequencer(Applied Biosystem社製)により全16SrRNA遺伝子塩基配列を決定した。以下の27F、75R、520F、520R、930F、800R、1100F、1100Rのプライマーを用いた。
<16S rDNA遺伝子増幅用および塩基配列決定用PCRプライマー>
27F:5’−AGAGTTTGATCCTGGCTCAG−3’
75R:5’−CCCGGGATCCAAGCTTACGGTTACCTTGTTAC
GACTT−3’
520F:5’−CAGGAGTGCCAGCAGCCGCGG−3’
520R:5’−ACCGCGGCTGCTGGC−3’
930F:5’−GCACAAGCGGTGGAGCATGTGG−3’
800R:5’−CAGGACTACCAGGGTATCTAAT−3’
1100F:5’−CAGGAGCAACGAGCGCAACCC−3’
1100R:5’−AGGGTTGCGCTCGTTG−3’
決定したラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株の16SrRNA遺伝子の塩基配列を配列表の塩基配列2に示す。
(相同性検索)
このラクトバチルス・エスピーST18株の16SrRNA遺伝子の塩基配列について、BLASTサーチ(日本DNAデータバンク)により既知の菌種との相同性検索を行った。この結果、一般的に相同性が97%未満であれば別種であるとされるが、最も近縁のL. catenaformis JCM 1143T(アクセッションナンバー:M23729)との相同性は93%であった。配列表の塩基配列2に対し相同性97%以上であれば、本発明の微生物に含まれる。
(系統解析)
さらに解析ソフトCLUSTAL Wにより系統樹を作成した。図4は、既知のラクトバチルス属微生物とラクトバチルス・エスピーST18株との関係を示した系統樹の図である。図中の分岐点に示された数値は、ブートストラップ信頼値であり、括弧内の記号はアクセッションナンバーである。
(4)近縁種とのDNA−DNA相同性
DNA−DNAハイブリダイゼーションは、Ezakiらの蛍光検出によるマイクロプレート法(Int. J. Syst. Bacteriol., 39,224−229、1989)により行った。3株の近縁菌種の基準株(L. vitulinus JCM 1121TL. catenaformis JCM 1143TCatenibacterium mitsuokai JCM 0609T)を、ラクトバチルス・エスピーST18株と比較するのに使用した。
(DNA−DNA相同性)
Catenibacterium mitsuokai JCM 0609 T:15.6%
L.vitulinus JCM 1121T:14.3%
L. catenaformis JCM 1143T:0.7%
このように、ラクトバチルス・エスピーST18株は、上記近縁菌種の基準株とのDNA−DNA相同性が20%未満の低い相同性しか示さなかった。本発明の微生物には、上記近縁菌種の基準株(Catenibacterium mitsuokai JCM 0609TL. vitulinus JCM1121TL. catenaformis JCM1143T)とのDNA−DNA相同性が60%未満のものが含まれる。
以上の化学分類学的性質により、ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株は、いままでに報告されていない新規な乳酸桿菌であると判断された。このラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株を平成19年1月19日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、微生物寄託番号 NITE P−300として寄託した。
上記2種の本発明の微生物を得るには、通常の培養方法に準じて培養を行えばよい。例えばラクトバチルス・エスピーKBL13株はMRS液体培地に接種し、37℃で24時間培養して得られる。一方、ラクトバチルス・エスピーST18株は、ABCMブイヨン培地に接種し、37℃で24時間培養して得ることができる。
本発明の乳酸菌製剤は、上記のように培養した本発明の2種の新規乳酸菌の培養液をそのまま用いることもできるが、遠心分離等の手段を用いて集菌した菌体をスキムミルク等に分散して懸濁液として用いてもよい。さらに、培養液や懸濁液を凍結乾燥等により乾燥させた乾燥菌体として用いることもできる。
本発明の乳酸菌製剤の剤型としては特に限定はなく、錠剤、粉剤、粒剤、カプセル、ペレット、液剤等の任意の剤型とすることができ、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、シュクロース、スキムミルク等の賦形剤やその他フラクトオリゴ糖など各種のプレバイオティクス成分等の任意成分を配合することもできる。
かくして得られた本発明の新規乳酸菌を馬などの哺乳動物に投与することにより、乳酸菌が消化管に付着・定着し、下痢や疝痛等の消化器疾患を予防・治療することができ、さらにはストレスを軽減させることができる。新規乳酸菌の投与量は1頭当たり1日に1×10〜1×1011cfu(コロニー形成単位)程度、特に1×10〜1×1010cfu程度が好ましい。なお、本発明においてストレスの軽減とは、本発明製剤の投与前後で血清アルブミンのフリーのSH基保有率が例えば、対照群3頭の平均から、試験群の平均が1.5倍以上増加することをいう。
本発明の乳酸菌製剤は、馬などの哺乳動物に直接経口投与してもよく、飼料や餌等に混ぜて投与してもよい。なお、本発明の乳酸菌製剤の投与対象である哺乳動物としては、馬、牛、豚、ヒツジ、山羊等が例示できる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実 施 例 1
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株の培養:
MRS液体培地(Oxoid社製)5Lをフラスコに入れ、pHを6.8に調整しオートクレーブで、121℃、15分間の滅菌を行った。このMRS液体培地に、予め、BL寒天培地(栄研化学社製)で48時間培養したコロニーを釣菌し、MRS液体培地で24時間のプレ培養したラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株培養液を0.2容量%接種し、37℃、24時間静置培養した。この培養液を3000×gで遠心分離し集菌して湿重量約6g/5Lの菌体ペレットを得た。
実 施 例 2
ラクトバチルス・エスピーKBL13株含有乳酸菌製剤の調製:
実施例1により得られた菌体ペレットを生理食塩水で洗浄した。その菌体ペレット6g(湿重量)を滅菌10%スキムミルク54mlに懸濁し、この懸濁液を凍結乾燥処理して凍結乾燥粉末を得た。この凍結乾燥粉末に5質量倍のスキムミルク粉末を加えて均一に混合して本発明の乳酸菌製剤を得た。この乳酸菌製剤は、ラクトバチルス・エスピーKBL13株を7.0×1010cfu/g含有するものであった。
試 験 例 1
ラクトバチルス・エスピーKBL13株の消化管付着性試験1:
実施例1で得られた菌体ペレット6g(湿重量)を、あらかじめ滅菌しておいた10%スキムミルク溶液50mlに懸濁し−85℃で急冷した。融解試験を行ったところ、3×10cfu/mlの生菌数が認められた。この懸濁液1mlを10mlの滅菌10%スキムミルク溶液に再懸濁して試料とした。2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、この試料11mlを5日間連日、シリンジで経口投与した(試験区)。対照区には、2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、11mlの滅菌10%スキムミルクを5日間連続で経口投与した。投与前と最終投与日から10日後にそれぞれの馬の糞便中におけるラクトバチルス・エスピーKBL13株の菌数測定を行った。菌数は各試験区の平均値とした。その結果を表1に示す。
一般に定着性のない細菌の場合、投与した細菌は3日以内にすべてが排菌され、腸内フローラに影響を及ぼさないと考えられている。対照区では、ほとんど菌数の変化は見られなかったが、試験区では菌数が1オーダー増加していることから、ラクトバチルス・エスピーKBL13株が定着後に増殖しているものと考えられた。
試 験 例 2
ラクトバチルス・エスピーKBL13株の下痢症・疝痛予防効果:
試験例1において、それぞれの馬について試料投与開始から30日間糞便の状態を観察し、各試験区について軟便が確認された延べ日数の合計を調べた。対照区では、延べ8日間の軟便が確認されたのに対し、試験区では、軟便は認められなかった。また、対照区では、延べ5日間の疝痛の徴候が確認されたのに対し、試験区では疝痛の徴候のある馬はみられなかった。したがって、ラクトバチルス・エスピーKBL13株が有する馬への下痢症・疝痛予防効果が認められた。
試 験 例 3
ラクトバチルス・エスピーKBL13株の消化管付着性試験2:
実施例2により得られた乳酸菌製剤を試料として用いた。2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、この試料1.5gを飼葉0.5kgの上に置いて投与する方法により5日間連続投与した(試験区)。完食を確認後、飼葉を自由摂取させた。試験例1とは別の個体を用いた。対照区には、2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、5日間、飼葉を自由摂取させた。投与前と最終投与日から10日後にそれぞれの馬の糞便中におけるラクトバチルス・エスピーKBL13株の菌数測定を行った。菌数は各試験区の平均値とした。その結果を表2に示す。
この結果から、ラクトバチルス・エスピーKBL13株の乾燥粉末を投与してもラクトバチルス・エスピーKBL13株が定着後に増殖しているものと考えられた。
試 験 例 4
ラクトバチルス・エスピーKBL13株の馬のストレス軽減効果:
哺乳動物のストレス度合いは、血清中のアルブミンにおけるフリーSH基保有率を指標とした。馬のストレスが高くなるとアルブミン中のフリーSH基が酸化されこの割合が低下すると考えられる。測定方法は、J.P. Fabsiakらの方法に準じた(J.P. Fabsiak, A. Sedelov and V. E. Kagon Quantificaion of Oxidative/Nitrosative Modification of CYS34 in Human serumAlbumin Using a Fluorescence-based SDS-PAGE assay Antioxidants & Redox signaling vol.4 No.5 p855-865 (2002))。
すなわち、試験例1および3のラクトバチルス・エスピーKBL13株を含有する試料を投与したうちの3馬について、馬用乳酸菌製剤投与5日間の5日目、その5日間の投与終了の1日目、投与終了9日後、投与終了15日後、投与終了22日後及び投与終了30日後の血液を採取しその血清を得た(KBL13株投与群)。それから得られた馬血清を10mMのPBS(pH7.4)により100倍に希釈したものをサンプルとした。次に、このサンプルの250μlに240μMのThio−Glo1(Carbiochem製)を25μl(終濃度20μM)と、360mMのSDS(終濃度30mM)またはPBSの25μlを加え、分注器で混合した。これとは別にスタンダードとしてDTTで還元したBSAの500μg/ml、1000μg/ml、2000μg/mlを同様に用意した後、60℃で45分間反応させる。続いて室温にて15分間インキュベートし、これを355nmの励起波長および460nmの蛍光波長で蛍光強度を測定した。また、サンプルの60μlに(−)BPBの4×サンプルバッファー20μlを添加しSDS−PAGE用サンプルを調製した。
このサンプルについてSDS−PAGE電気泳動を行った。電気泳動後のゲルのバンドをトランスイルミネーター(フナコシ社製)で写真を撮り、強度を数値化した。続いてCBBRにて染色し写真撮影後、アルブミンとしてのタンパク量もNIH−Imageで求めた。この蛍光強度を、standard BSAの蛍光強度に換算した血清量/通常(Bradford)の蛋白定量から、血清アルブミン中のフリーSH基保有率を求めた。通常(Bradford)の蛋白量は、Protein Assay Kit(Bio−Rad製)で求めた。対照として、試験例1および3において、ラクトバチルス・エスピーKBL13株を投与しなかった馬のうち3頭について同様に試験した(KBL13株無投与群)。結果を図5に示す。
ラクトバチルス・エスピーKBL13株投与群は、無投与群に比べて血清アルブミン中のフリーSH基保有率が有意に高く、ストレスが軽減されている結果が得られた。1歳馬は、競走馬になるべくすでに調教が始まっており、実験に用いた馬はいずれもほぼ同じトレーニングを行っていたため、その調教がストレスになっているものと考えられる。また、そのストレス軽減効果は、ラクトバチルス・エスピーKBL13株投与を止めた4週間後でも持続していることが認められた。
実 施 例 3
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株の培養:
ABCMブイヨン培地(栄研化学社製)5Lをフラスコに入れ、pHを7.2 に調整しオートクレーブで、115℃、15分間の滅菌を行った。このABCMブイヨン培地に、予め、BL寒天培地(栄研化学社製)で48時間培養したコロニーを釣菌し、ABCMブイヨン培地で24時間のプレ培養したラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株培養液を0.2容量%接種し、37℃、24時間静置培養した。この培養液を3000×gで遠心分離し集菌して湿重量約4g/5Lの菌体ペレットを得た。
実 施 例 4
ラクトバチルス・エスピーST18株含有乳酸菌製剤の調製:
実施例3により得られた菌体ペレットを生理食塩水で洗浄した。その菌体ペレット
4g(湿重量)を滅菌10%スキムミルク46mlに懸濁し、凍結乾燥処理をして凍結乾燥粉末を得た。この凍結乾燥粉末に5質量倍のスキムミルク粉末を加えて均一に混合して本発明の乳酸菌製剤を得た。この乳酸菌製剤は、ラクトバチルス・エスピーST18株を4.5×1010cfu/g含有するものであった。
試 験 例 5
ラクトバチルス・エスピーST18株の消化管付着性試験1:
実施例3で得られた菌体ペレット4g(湿重量)を、あらかじめ滅菌しておいた10%スキムミルク溶液46mlに懸濁し−85℃で急冷した。融解試験を行ったところ、1×1010cfu/mlの生菌数が認められた。この懸濁液1mlを10mlの滅菌10%スキムミルク溶液に再懸濁して試料とした。2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、この試料11mlを5日間連日、シリンジで経口投与した(試験区)。対照区には、2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、11mlの滅菌10%スキムミルクを5日間連続で経口投与した。投与前と最終投与日から10日後にそれぞれの馬の糞便中におけるラクトバチルス・エスピーST18株の菌数測定を行った。菌数は各試験区の平均値とした。その結果を表3に示す。
対照区では、ほとんど菌数の変化は見られなかったが、試験区では菌数が1オーダー増加していることから、ラクトバチルス・エスピーST18株が定着後に増殖しているものと考えられた。
試 験 例 6
ラクトバチルス・エスピーST18株の下痢症・疝痛予防効果:
試験例5において、それぞれの馬について試料投与開始から30日間糞便の状態を観察し、各試験区について軟便が確認された延べ日数を調べた。対照区では、延べ8日間の軟便が確認されたのに対し、試験区では、軟便は認められなかった。また、対照区では、延5日間の疝痛の徴候が確認されたのに対し、試験区では疝痛の徴候はみられなかった。したがって、ラクトバチルス・エスピーST18株が有する馬への下痢症・疝痛予防効果が認められた。
試 験 例 7
ラクトバチルス・エスピーST18株の消化管付着性試験2:
実施例4により得られた乳酸菌製剤を試料として用いた。2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、この試料1.5gを飼葉0.5kgの上に置いて投与する方法により5日間連続投与した(試験区)。完食を確認後、飼葉を自由摂取させた。試験例6とは別の個体を用いた。対照区には、2頭の1歳牝馬および1頭の1歳牡馬に対し、5日間、飼葉を自由摂取させた。投与前と最終投与日から10日後にそれぞれの馬の糞便中におけるラクトバチルス・エスピーST18株の菌数測定を行った。菌数は各試験区の平均値とした。その結果を表4に示す。
この結果から、ラクトバチルス・エスピーST18株の乾燥粉末を投与してもラクトバチルス・エスピーST18株が定着後に増殖しているものと考えられた。
試 験 例 8
ラクトバチルス・エスピーST18株の馬のストレス軽減効果:
試験例5および7のラクトバチルス・エスピーST18株を含有する試料を投与したうちの3馬について、試験例4と同様にしてストレス軽減効果確認試験を行った。結果を図6に示す。
ラクトバチルス・エスピーST18株投与群は、無投与群に比べて血清アルブミン中のフリーSH基保有率が有意に高く、ストレスが軽減されている結果が得られた。また、そのストレス軽減効果は、ラクトバチルス・エスピーST18株投与を止めた4週間後でも持続していることが認められた。
試 験 例 9
ラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株のラットに対する拘束ス トレス軽減効果:
ラットに拘束ストレスを負荷し、血中コルチコステロンの濃度を測定することによりストレス軽減効果を評価した。金属製の拘束装置を用い、ラットを8時間(午前0時〜午前8時)拘束した。拘束の前後で尾静脈からの採血を行いコルチコステロンの血中濃度を測定した。コルチコステロン量の測定は、ACTIVE Rat Corticosterone EIA kit(DSL社、10−81100)を用いてイムノアッセイ法で測定した。試験群には、10の8乗レベルとなる量の実施例1および3で得られたラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株をそれぞれ5日間連続で経口投与した(n=6)。乳酸菌を与えない群をコントロールとした。5日目に拘束ストレスをかけ、前日の血中コルチコステロン濃度と拘束ストレス負荷後の血中コルチコステロン濃度を求めた。結果を図7に示す。
コントロール群および各乳酸菌投与群ともにストレス負荷をかける前は、100ng/ml未満の範囲であった。コントロール群は、血中コルチコステロン量がストレス負荷後に有意に上昇しており、有効なストレス刺激が負荷されたことが確認された。ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株およびST18株投与群はいずれもコントロール群に比べて、ストレス付加後の血中コルチコステロン濃度は低くなり、ストレス軽減効果が認められた。
試 験 例 10
ラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株のラットに対する強
制水泳ストレス軽減効果:
直径20cm、高さ50cmのプラスチック製の円筒に27℃の水を40cmまで入れ、ラットを15分間の強制水泳させ、強制水泳前後で尾静脈から採血し血中コルチコステロン量を測定した。試験群には、10の8乗レベルとなる量の実施例1および3で得られたラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株をそれぞれ5日間連続で経口投与した(n=6)。乳酸菌を与えない群をコントロールとした。5日目に強制水泳させ、前日の血中コルチコステロン濃度と強制水泳ストレス負荷後の血中コルチコステロン濃度を求めた。結果を図8に示す。
コントロール群は、血中コルチコステロン量がストレス負荷後に有意に上昇しており、有効なストレス刺激が負荷されたことが確認された。KBL13株およびST18株投与群は、いずれもコントロール群に比べ、ストレス負荷後の血中コルチコステロン量が抑制され、ラットに対するストレス軽減効果があることがわかった。
試 験 例 11
馬腸内フローラにおけるラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST1
8株の分布(1)
国内各地の生産牧場および厩舎における0(当歳)〜33歳までの様々な年齢の牡7頭、牝9頭の糞便を採取し、PCR−DGGE法によりラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株を保有しているか調べた。その結果、KBL13株は16頭中16頭、ST18株は16頭中14頭から検出されたことから、本発明の2種のラクトバチルス属微生物はいずれも、生産牧場や厩舎には関係なく、健常な馬の腸内フローラに普遍的に存在している微生物であると考えられる。したがって、本発明のラクトバチルス属微生物は馬に投与しても安全性の高いものである。
試 験 例 12
馬腸内フローラにおけるラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST1
8株の分布(2)
下記表5に示した健常なサラブレッド12頭(A〜L)の新鮮な糞便について、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(PCR−DGGE)法により、ラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株の分布を調べた。これらのサラブレッドは、糞便の採取1ヶ月以内に、生菌剤は使用していない。Walterら(Walter, J., Hertel, C., Tannock, G.W., Lis, C. M., Munro, K. & Hammes, W. P. (2001). Detection of Lactobacillus, Pediococcus, Leuconostoc, and Weissella species in human feces by using group-specific PCR primers and denaturing gradient gel electrophoresis. Appl Environ Microbiol 67, 2578-2585)の文献に基づくPCR条件と、大腸菌の16SrRNA配列のNo.341−534領域で340bpを増幅させる下記のプライマーLac1とLac2GCを用いた。
<forward primer Lac1>
5′−AGCAGTAGGGAATCTTCCA−3′
<reverse primer Lac2GC>
5′−CGCCCGGGGCGCGCCCCGGGCGGCCCGGGGGCAC
CGGGGGATTYCACCGCTACACATG−3′
DGGE泳動には、DCodeシステム装置(Bio−Rad Laboratories)を用いて、各種糞便からラクトバチルス・エスピーKBL13株およびST18株の検出を試みた。KBL13株の検出は次のようにして行った。変性剤(尿素とホルムアミド)で35%から50%の濃度勾配をつけた8%(wt/vol)のポリアクリルアミドゲルを用いた。Tris−acetate−EDTA(TAE)緩衝液に浸して、60Vで14時間、泳動した。泳動後のゲルは、10mg/ml臭化エチジウム溶液25μlを添加した250mlTAE緩衝液で染色した。ラクトバチルス・エスピーKBL13株のバンドの特定は、純粋培養したラクトバチルス・エスピーKBL13株の移動度、およびそのバンドを切り出しての16SrDNA遺伝子配列決定によって、98%以上の相同性のあるものをラクトバチルス・エスピーKBL13株とした。16SrDNA遺伝子配列決定は上記と同様の方法により行った。結果を図9に示す。
一方、ラクトバチルス・エスピーST18株の検出は次のようにして行った。変性剤(尿素とホルムアミド)で37.5%から52.5%の濃度勾配をつけた8%(wt/vol)のポリアクリルアミドゲルを用いた。Tris−acetate−EDTA(TAE)緩衝液に浸して、60Vで14時間、泳動した。泳動後のゲルは、10 mg/ml 臭化エチジウム溶液25μlを添加した250mlTAE緩衝液で染色した。ラクトバチルス・エスピーST18株のバンドの特定は、純粋培養したラクトバチルス・エスピーST18株の移動度、およびそのバンドを切り出しての16SrDNA遺伝子配列決定によって、98%以上の相同性のあるものをラクトバチルス・エスピーST18株とした。16SrDNA遺伝子配列決定も上記と同様の方法により行った。結果を図10に示す。
図9に示すとおり、12頭のすべてのサラブレッドからラクトバチルス・エスピーKBL13株が検出された。また図10に示すとおり、12頭中9頭のサラブレットからラクトバチルス・エスピーST18株が検出された。この結果から、これらの菌種は、健常なサラブレッドの消化管内に広く分布し、またバンドの濃さの強弱は菌数を反映していることから、ラクトバチルス属の中で優勢に生育していることが認められた。
本発明のラクトバチルス属微生物は、消化管に対して良好な付着性および定着性を示し、下痢や疝痛など消化器疾患の予防・治療効果を有し、さらにストレス軽減効果などプロバイオティクス効果をも有するものである。
したがって、本発明のラクトバチルス属微生物は、馬などの哺乳動物に投与する乳酸菌製剤として有利に利用できるものである。
ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株の光学顕微鏡写真である。 既知のラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物とラクトバチルスKLB13株との関係を示した系統樹である。 ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株の光学顕微鏡写真である。 既知のラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物とラクトバチルスST18株との関係を示した系統樹である。 試験例4において、ラクトバチルスKBL13株投与群と無投与群との血清アルブミン中のフリーSH基保有率を示す図である。 試験例8において、ラクトバチルスST18株投与群と無投与群との血清アルブミン中のフリーSH基保有率を示す図である。 試験例9における、拘束ストレス負荷前後の血中コルチコステロン濃度を示す図である。 試験例10における、強制水泳ストレス負荷前後の血中コルチコステロン濃度を示す図である。 試験例12における、ラクトバチルスKBL13株のPCR−DGGE電気泳動図である。 試験例12における、ラクトバチルスST18株のPCR−DGGE電気泳動図である。

Claims (17)

  1. ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物を含有することを特徴とする乳酸菌製剤。
  2. ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物が、配列表の配列番号1に示す16SrRNA遺伝子の塩基配列を相同性97%以上で含み、かつ以下の(イ)および(ロ)の化学分類学的性質を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物である請求項1記載の乳酸菌製剤:
    (イ)G+C含量が34.3±2.0mol%
    (ロ)近縁菌種の基準株であるラクトバチルス・サリバリウス(L. salivarius
    JCM 1231T株およびラクトバチルス・アビアリウス・サブスピーシズ・アビア
    リウス(L.aviarius subsp. aviarius)JCM 5666T株とのDNA−DNA相同
    性が60%未満
  3. ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物が、ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株(寄託番号 NITE P−301)である請求項第1項または第2項記載の乳酸菌製剤。
  4. ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物が、配列表の配列番号2に示す16SrRNA遺伝子の塩基配列を相同性97%以上で含み、かつ以下の(ハ)および(ニ)の化学分類学的性質を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物である請求項第1項記載の乳酸菌製剤:
    (ハ)G+C含量が37.5±2.0mol%
    (ニ)近縁菌種の基準株であるカテニバクテリウム・ミツオカイ(Catenibacterium
    mitsuokai)JCM 0609 T株、ラクトバチルス・ヴィトゥリニス(L. vitulinus
    JCM 1121T株およびラクトバチルス・カテナフォルミス(L. catenaformis
    JCM 1143T株とのDNA−DNA相同性が60%未満
  5. ストレス軽減作用を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物が、ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株(寄託番号 NITE P−300)である請求項第1項または第4項記載の乳酸菌製剤。
  6. 哺乳動物用である請求項1ないし5の何れかの項に記載の乳酸菌製剤。
  7. 哺乳動物が馬である請求項6記載の乳酸菌製剤。
  8. 配列表の配列番号1に示す16SrRNA遺伝子の塩基配列を相同性97%以上で含み、かつ以下の(ホ)および(ヘ)の化学分類学的性質を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物:
    (ホ)G+C含量が34.3±2.0mol%
    (ヘ)近縁菌種の基準株であるラクトバチルス・サリバリウス(L. salivarius
    JCM1231T株およびラクトバチルス・アビアリウス・サブスピーシズ・アビアリ
    ウス(L.aviarius subsp. aviarius)JCM 5666T株とのDNA−DNA相同
    性が60%未満
  9. ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)KBL13株(寄託番号 NITE P−301)である請求項第8項記載の微生物。
  10. 配列表の配列番号2に示す16SrRNA遺伝子の塩基配列を相同性97%以上で含み、かつ以下の(ト)および(チ)の化学分類学的性質を有するラクトバチルス(Lactobacillus)属微生物:
    (ト)G+C含量が37.5±2.0mol%
    (チ)近縁菌種の基準株であるカテニバクテリウム・ミツオカイ(Catenibacterium
    mitsuokai)JCM 0609 T株、ラクトバチルス・ヴィトゥリニス(L. vitulinus
    JCM 1121T株およびラクトバチルス・カテナフォルミス(L. catenaformis
    JCM 1143T株とのDNA−DNA相同性が60%未満
  11. ラクトバチルス・エスピー(Lactobacillus sp.)ST18株(寄託番号 NITE P−300)である請求項第10項記載の微生物。
  12. 請求項8ないし11の何れかの項記載の微生物を有効成分として含有することを特徴とする哺乳動物の下痢および/または疝痛の予防・治療用乳酸菌製剤。
  13. 哺乳動物が馬である請求項11記載の下痢および/または疝痛の予防・治療用乳酸菌製剤。
  14. 請求項8ないし11のいずれかの項記載の微生物を有効成分として含有することを特徴とする哺乳動物の抗ストレス用乳酸菌製剤。
  15. 哺乳動物が馬である請求項13記載の抗ストレス用乳酸菌製剤。
  16. 非ヒト哺乳動物に請求項6ないし9の何れかの項記載の微生物を含有する乳酸菌製剤を投与することを特徴とする非ヒト哺乳動物のストレス低減方法。
  17. 非ヒト哺乳動物が馬である請求項16記載のストレス低減方法。
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