JP2008211956A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転制御部16は、温度センサ15にて検出された温度が所定値以下の場合、インバータ11から負荷に供給される出力電力が切断された状態の暖気運転モードにて3相インバータ11を動作させるとともに、温度センサ15にて検出された温度が所定値を超える場合、インバータ11から負荷に供給される出力電力が通電された状態の通常運転モードにて3相インバータ11を動作させる。
【選択図】 図1
Description
図14は、従来の電源装置の概略構成を示すブロック図である。
図14において、電源装置には、3相インバータ101、3相ACフィルタ102および出力トランス103が設けられ、3相インバータ101には、スイッチング素子M21〜M26が設けられるとともに、3相ACフィルタ102には、3相ACリアクトルおよび3相ACコンデンサが設けられている。そして、3相インバータ101の出力には3相ACフィルタ102が接続され、3相ACフィルタ102の出力には出力トランス103が接続されている。
ここで、3相インバータ101の運転時には、スイッチング素子M21〜M26の損失に起因して熱が発生するため、スイッチング素子M21〜M26を冷却体に取り付けることで、スイッチング素子M21〜M26の温度が許容値以上にならないようにされている。そして、車両用補助電源装置では、メンテナンスを簡単化するために、自然冷却方式が採用されるのが一般的である。
図15において、冷却体ベース201には、スイッチング素子202が取り付けられ、スイッチング素子202の搭載面と反対側には、ヒートパイプ204および冷却フィン205が設けられている。なお、ヒートパイプ204の冷媒としては、冷却性能や環境への影響を考慮して、純水が使用されることが多い。
また、例えば、特許文献1には、冷媒の凝固点以下の環境下で所定の冷却性能が得られるようにするために、発熱体が取付けられる受熱部材と複数のヒートパイプを備えたヒートパイプ式冷却装置及び電力変換装置において、長短のヒートパイプを有し、冷媒の凝固点以下の温度で短いヒートパイプに受熱部材からの熱を伝える熱伝導体を設ける方法が開示されている。
図16は、環境温度が正の場合における冷却体の温度上昇の様子を示す図、図17は、 環境温度が負の場合における冷却体の温度上昇の様子を示す図である。
図16において、冷却体として図14の構成を用いた場合、環境温度が正の場合では、図13の3相インバータ103の運転時には、冷却体の温度が徐々に上昇する。
そして、冷却体が既定の冷却特性を示さなくなると、冷却体に取り付けられたスイッチング素子202の温度が許容値以上となり、スイッチング素子202の破壊を引き起こすようになる。
そこで、本発明の目的は、ヒートパイプの冷媒として純水を用いた場合においても、環境温度が負の場合における冷却性能を維持することが可能な電源装置を提供することである。
また、請求項2記載の電源装置によれば、出力電圧を制御する半導体素子と、ヒートパイプにて熱伝導を行いながら前記半導体素子を冷却する冷却体と、前記冷却体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段にて検出された温度に基づいて、前記半導体素子にかかる負荷の大きさを制御する負荷制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項4記載の電源装置によれば、前記負荷制御手段は、前記冷却体の温度が第1の設定値以下の場合、前記半導体素子を無負荷状態または低出力状態として暖気運転モードにて動作させ、前記冷却体の温度が第2の設定値以上の場合、前記半導体素子を定格負荷状態として通常運転モードにて動作させることを特徴とする。
また、請求項6記載の電源装置によれば、前記温度検出手段は、前記冷却体のベースまたは冷却フィンの温度を検出することを特徴とする。
また、請求項7記載の電源装置によれば、前記暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を運転台に伝える伝送手段をさらに備えることを特徴とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電源装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、電源装置には、3相インバータ11、3相ACフィルタ12、出力トランス13および出力コンタクタ14が設けられ、3相インバータ11には、スイッチング素子M1〜M6が設けられるとともに、3相ACフィルタ12には、3相ACリアクトルおよび3相ACコンデンサが設けられている。そして、3相インバータ11の出力には3相ACフィルタ12が接続され、3相ACフィルタ12の出力には出力コンタクタ14を介して出力トランス13が接続されている。
なお、スイッチング素子M1〜M6としては、例えば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)の他、パワーMOSFETやバイポーラトランジスタなどを用いるようにしてもよい。
ここで、スイッチング素子M1〜M6は、ヒートパイプにて熱伝導を行いながらスイッチング素子M1〜M6を冷却する冷却体に搭載され、この冷却体には、冷却体の温度を検出する温度センサ15が設けられている。
そして、運転制御部16は、冷却体の温度が所定値を超えると、出力コンタクタ14を制御することにより、3相インバータ11から供給される出力電力を負荷に通電させながら、3相インバータ11を動作させる。そして、3相インバータ11に供給された直流電圧はスイッチング素子M1〜M6のスイッチング動作に基づいて交流電圧に変換されるとともに、スイッチング素子M1〜M6が冷却体にて冷却されながら、3相ACフィルタ12、出力トランス13および出力コンタクタ14を順次介して出力電圧Voutとして負荷に供給される。
あるいは、温度センサ15にて検出された温度が所定値以下の場合、暖気運転モードにて3相インバータ11を動作させるとともに、温度センサ15にて検出された温度が所定値を超える場合、その所定値を超えた時点から所定時間経過後に通常運転モードにて3相インバータ11を動作させるようにしてもよい。
図2において、冷却体ベース21には、スイッチング素子22が取り付けられ、スイッチング素子22の搭載面と反対側には、ヒートパイプ24および冷却フィン25が設けられている。なお、ヒートパイプ24の冷媒としては、例えば、冷却性能や環境への影響を考慮して、純水を使用することが好ましい。また、冷却体ベース21上には、冷却体ベース21の温度を検出する温度センサ23が設けられている。
ここで、スイッチング素子22を動作させる前には、冷却体ベース21の温度とヒートパイプ24の温度とは同じであるので、図1の運転制御部16は、暖気運転モードにて図1の電源装置を動作させるかどうかの温度検知レベルを正確に判定することができる。
一方、スイッチング素子22を動作させると、冷却体ベース21の温度とヒートパイプ24の温度とには差が発生するが、通常運転モードにて電源装置を動作させる温度については、低温での電源装置の動作の検証を予め実施し、通常運転モードにて電源装置を動作させる冷却体ベース21の温度を決めることができる。
図3において、冷却体ベース31には、スイッチング素子32が取り付けられ、スイッチング素子32の搭載面と反対側には、ヒートパイプ34および冷却フィン35が設けられている。また、冷却フィン35には、冷却フィン35の温度を検出する温度センサ33が設けられている。
ここで、温度センサ33を冷却フィン35に設けることにより、ヒートパイプ34の冷媒が凍結する温度になっているかどうかを正確に検出することができる。
図4において、図1の出力コンタクタ14をオフした場合、負荷電流Ioutは0Aとなるのに対して、3相ACフィルタ12にはフィルタ電流Ifが流れるため、スイッチング素子M1〜M6には素子電流Isが流れ、スイッチング素子M1〜M6に損失が発生する。このため、無負荷状態であっても、スイッチング素子M1〜M6を発熱させることができ、凍結したヒートパイプの冷媒を液化することができる。
図5において、図1のスイッチング素子M1〜M6では、負荷が大きくなるに従って損失が増大するが、無負荷状態であっても、スイッチング素子M1〜M6に損失が発生することから、スイッチング素子M1〜M6を発熱させることができる。
図6において、環境温度が負の場合では、図1の電源装置を定格負荷運転させると、スイッチング素子M1〜M6に損失が大きい上に、ヒートパイプによる熱伝導ができなくなるために、冷却体の温度が急速に上昇し、冷却体許容温度を超えることから、冷却体に取り付けられたスイッチング素子M1〜M6の温度が許容値以上となり、スイッチング素子M1〜M6の破壊を引き起こすようになる。
図7において、図1の温度センサ15にて冷却体の温度が計測されると(ステップS11)、運転制御部16は、温度センサ15にて検出された温度が所定値以下かどうかを判断する(ステップS12)。そして、温度センサ15にて検出された温度が所定値以下の場合、暖気運転モードにて3相インバータ11を動作させ(ステップS13)、通常運転モードにて電源装置を動作させることが可能になるまで、暖気運転モードにて3相インバータ11を動作させる(ステップS14)。一方、ステップS12において、運転制御部16は、温度センサ15にて検出された温度が所定値を超える場合、通常運転モードにて3相インバータ11を動作させる(ステップS15)。
図8において、図1の運転制御部16には、温度センサ15にて計測された冷却体の温度に基づいて暖気運転モードで電源装置を運転するか通常運転モードにて電源装置を運転するかを判定する暖気運転モード判定部42、インバータ運転モードを切り替えるインバータ運転モード切替部43および出力コンタクタ14のオン/オフ制御を行うシーケンス切替部44が設けられている。
そして、図1の温度センサ15にて冷却体の温度が計測されると、暖気運転モード判定部42は、温度センサ15にて計測された冷却体の温度に基づいて暖気運転モードで電源装置を運転するか通常運転モードにて電源装置を運転するかを判定する。
一方、暖気運転モード判定部42にて通常運転モードであると判定されると、シーケンス切替部44は出力コンタクタ14をオンするとともに、インバータ運転モード切替部43は、IGBT制御信号を3相インバータ11に出力し、3相インバータ11を通常運転モードにて動作させる。
図9において、暖気運転モード判定部42には、図1の温度センサ15による計測値TKを暖気運転開始温度設定値51と比較する温度比較部52、温度センサ15による計測値TKを通常運転開始温度設定値54と比較する温度比較部53および温度比較部52、53による比較結果に基づいて電源装置の運転モードを判定する運転モード判定部55を設けることができる。
なお、図9の説明では、温度センサ15の温度出力のレベルを検出して判定する方法について説明したが、例えば、温度リレーのように、個別に設定された温度で出力するようなセンサを用いるようにしてもよい。
図10において、暖気運転モード判定部42には、図1の温度センサ15による計測値TKを暖気運転開始温度設定値61と比較する温度比較部62、温度センサ15による計測値TKに基づいて暖気運転時間を算出する暖気運転時間演算部63、暖気運転モード信号MS1を受け取ってから所定時間経過後に通常運転モード信号MS2を出力するタイマ64、温度比較部62、63による比較結果に基づいて電源装置の運転モードを判定する運転モード判定部65を設けることができる。
そして、タイマ64は、暖気運転モード信号MS1を温度比較部62から受け取ると、タイマ64を起動し、暖気運転時間演算部63から受け取った暖気運転時間だけ経過すると、通常運転モード信号MS2を運転モード判定部65に出力する。
図11において、図1の運転制御部16には、図8の構成に加え、暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を上位システムに伝送する伝送部46が設けられている。そして、暖気運転モード判定部42にて暖気運転モードであると判定されると、伝送部46は、暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を運転台ディスプレイ47に伝えることができる。そして、運転台ディスプレイ47は、暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を伝送部46から受け取ると、暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を表示することができる。
なお、上述した実施形態では、電源装置が暖気運転モードにて運転中の場合、暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を運転台ディスプレイ47に表示する方法について説明したが、運転台にランプを設け、電源装置が暖気運転モードにて運転中の場合、このランプを点灯させるようにしてもよい。
図12において、電源装置には、3相インバータ71、3相ACフィルタ72および出力トランス73が設けられ、3相インバータ71には、スイッチング素子M11〜M16が設けられるとともに、3相ACフィルタ72には、3相ACリアクトルおよび3相ACコンデンサが設けられている。そして、3相インバータ71の出力には3相ACフィルタ72が接続され、3相ACフィルタ72の出力には出力トランス73が接続されている。
また、電源装置には、温度センサ15にて検出された温度に基づいて3相インバータ71の出力電圧を制御しながら、3相インバータ71を動作させる駆動制御部76が設けられている。ここで、駆動制御部76は、温度センサ15にて検出された温度が所定値以下の場合、低出力電圧状態の暖気運転モードにて3相インバータ71を駆動するとともに、温度センサ15にて検出された温度が所定値を超える場合、定格出力電圧状態の通常運転モードにて3相インバータ71を駆動することができる。
そして、駆動制御部76は、冷却体の温度が所定値を超えると、スイッチング素子M11〜M16に供給されるゲートパルスのデューティ比を大きくすることにより、定格出力電圧状態の通常運転モードにて3相インバータ71を駆動する。そして、3相インバータ71に供給された直流電圧はスイッチング素子M11〜M16のスイッチング動作に基づいて交流電圧に変換されるとともに、スイッチング素子M11〜M16が冷却体にて冷却されながら、3相ACフィルタ72および出力トランス73を順次介して出力電圧Voutとして負荷に供給される。
あるいは、温度センサ75にて検出された温度が所定値以下の場合、暖気運転モードにて3相インバータ71を駆動するとともに、温度センサ75にて検出された温度が所定値を超える場合、その所定値を超えた時点から所定時間経過後に通常運転モードにて3相インバータ71を駆動するようにしてもよい。
図13において、図12のインバータ71では、低出力電圧時には、定格出力電圧時に比べてスイッチング素子M11〜M16による損失を小さくすることができる。このため、冷却体に取り付けられたスイッチング素子M11〜M16の温度を許容値以下に保ちながら、ヒートパイプ内の冷媒を徐々に液化することができ、スイッチング素子M11〜M16の破壊を引き起こすことなく、本来の冷却性能に戻すことができる。
12、72 3相ACフィルタ
13、73 出力トランス
14 出力コンタクタ
15、23、33、75 温度センサ
16 運転制御部
M1〜M6、22、32 スイッチング素子
21、31 冷却体ベース
24、34 ヒートパイプ
25、35 冷却フィン
42 暖気運転モード判定部
43 インバータ運転モード切替部
44 シーケンス切替部
46 伝送部
47 運転台ディスプレイ
52、53、62 温度比較部
55、65 運転モード判定部
63 暖気運転時間演算部
64 タイマ
76 駆動制御部
Claims (9)
- 出力電圧を制御する半導体素子と、
ヒートパイプにて熱伝導を行いながら前記半導体素子を冷却する冷却体と、
前記ヒートパイプの冷媒の凍結状態に基づいて、前記半導体素子にかかる負荷の大きさを制御する負荷制御手段とを備えることを特徴とする電源装置。 - 出力電圧を制御する半導体素子と、
ヒートパイプにて熱伝導を行いながら前記半導体素子を冷却する冷却体と、
前記冷却体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段にて検出された温度に基づいて、前記半導体素子にかかる負荷の大きさを制御する負荷制御手段とを備えることを特徴とする電源装置。 - 前記負荷制御手段は、前記冷却体の温度が所定値以下の場合、前記半導体素子を無負荷状態または低出力状態として暖気運転モードにて動作させ、前記冷却体の温度が所定値を超える場合、前記半導体素子を定格負荷状態として通常運転モードにて動作させることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
- 前記負荷制御手段は、前記冷却体の温度が第1の設定値以下の場合、前記半導体素子を無負荷状態または低出力状態として暖気運転モードにて動作させ、前記冷却体の温度が第2の設定値以上の場合、前記半導体素子を定格負荷状態として通常運転モードにて動作させることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
- 前記負荷制御手段は、前記冷却体の温度が所定値以下の場合、前記半導体素子を無負荷状態または低出力状態として暖気運転モードにて動作させ、前記冷却体の温度が前記所定値を超える場合、前記所定値を超えた時点から所定時間経過後に前記半導体素子を定格負荷状態として通常運転モードにて動作させることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
- 前記温度検出手段は、前記冷却体のベースまたは冷却フィンの温度を検出することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の電源装置。
- 前記暖気運転モードにて運転中であることを示す情報を運転台に伝える伝送手段をさらに備えることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載の電源装置。
- 半導体素子のスイッチング制御に基づいて出力電圧を制御するインバータと、
前記インバータから負荷に供給される出力電力の通電または切断を行う出力コンタクタと、
ヒートパイプにて熱伝導を行いながら前記半導体素子を冷却する冷却体と、
前記冷却体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段にて検出された温度が所定値以下の場合、前記インバータから負荷に供給される出力電力が切断された状態で前記インバータを動作させる運転制御部とを備えることを特徴とする電源装置。 - 半導体素子のスイッチング制御に基づいて出力電圧を制御するインバータと、
ヒートパイプにて熱伝導を行いながら前記半導体素子を冷却する冷却体と、
前記冷却体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段にて検出された温度が所定値以下の場合、前記インバータを低出力状態で駆動する駆動制御部とを備えることを特徴とする電源装置。
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