図1は、本発明を適用したスケーラブルTV(Television)システム(システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない)の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
図1Aの実施の形態では、スケーラブルTVシステムは、9台のテレビジョン受像機1、並びに211,212,213,221,223,231,232,233で構成されている。また、図1Bの実施の形態では、スケーラブルTVシステムは、25台のテレビジョン受像機1、並びに211,212,213,214,215,221,222,223,224,225,231,232,234,235,241,242,243,244,245,251,252,253,254,255で構成されている。
ここで、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の数は、9台や25台に限定されるものではない。即ち、スケーラブルTVシステムは、任意の複数台のテレビジョン受像機によって構成することが可能である。また、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の配置は、図1に示したように、横×縦が、3×3や5×5に限定されるものではない。即ち、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の配置は、その他、例えば、横×縦が、1×2や、2×1、2×3などとすることも可能である。また、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の配置形状は、図1に示したように、格子状(マトリクス状)に限定されるものではなく、例えば、ピラミッド状であっても良い。
このようにスケーラブルTVシステムは、任意の複数台のテレビジョン受像機を、横と縦それぞれに、任意の台数だけ配置して構成することができることから、「スケーラブル」なシステムであるということができる。
スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機には、他のテレビジョン受像機を制御することができる親のテレビジョン受像機(以下、適宜、親機という)と、他のテレビジョン受像機から制御することができるが、他のテレビジョン受像機を制御することができない子のテレビジョン受像機(以下、適宜、子機という)の2種類が存在する。
また、スケーラブルTVシステムでは、後述するように、そのスケーラブルTVシステムを構成するすべてのテレビジョン受像機の全表示画面に亘って画像を表示する全画面表示を行うことができるようになっている。
但し、スケーラブルTVシステムが、全画面表示を行うには、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機が、スケーラブルTVシステムに対応したもの(以下、適宜、スケーラブル対応機という)であり、かつ、そのうちの少なくとも1つが親機であることが条件となっている。このため、図1Aおよび図1Bの実施の形態では、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機のうち、例えば、中心に配置されるテレビジョン受像機が親機1とされている。
以上から、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の中に、スケーラブル対応機でないテレビジョン受像機が存在する場合には、全画面表示を行うことができない。さらに、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機がスケーラブル対応機であっても、そのすべてが子機である場合には、やはり、全画面表示を行うことができない。
従って、ユーザは、スケーラブルTVシステムの全画面表示の機能を享受するためには、少なくとも、1台以上の親機、または1台の親機と1台以上の子機を購入する必要がある。
なお、親機は、子機の機能も有しており、従って、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の中に、複数台の親機が存在していてもかまわない。
図1Aの実施の形態では、3×3台のテレビジョン受像機のうち、中心(左から2番目で、上から2番目)に配置されているテレビジョン受像機1が親機となっており、他の8台のテレビジョン受像機211,212,213,221,223,231,232,233が子機になっている。また、図1Bの実施の形態では、5×5台のテレビジョン受像機のうち、中心(左から3番目で、上から3番目)に配置されているテレビジョン受像機1が親機となっており、他の24台の211,212,213,214,215,221,222,223,224,225,231,232,234,235,241,242,243,244,245,251,252,253,254,255が子機になっている。
従って、図1の実施の形態では、親機1は、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の中心に配置されているが、親機1の位置は、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の中心に限定されるものではなく、親機1は、左上や右下その他の任意の位置に配置することが可能である。
ここで、以下においては、説明を簡単にするため、スケーラブルTVシステムは、図1Aに示したように、3×3台のテレビジョン受像機で構成されるものとし、さらに、親機1は、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の中心に配置されるものとする。
なお、スケーラブルTVシステムを構成する子機2ijのサフィックスijは、その子機2ijが、スケーラブルTVシステムにおいて、第i列第j行(上からi行目の、左からj列目)に配置されているものであることを表す。
また、以下、適宜、子機2ijを特に区別する必要がない限り、子機2と記述する。
次に、図2は、親機1であるテレビジョン受像機の構成例を示す斜視図である。
親機1は、その表示画面のサイズが、例えば、14インチ(inch)または15インチなどのテレビジョン受像機であり、その正面中央部分に、画像を表示するCRT(Cathode Ray Tube)11が設けられており、また、その正面の左端と右端に、音声を出力するスピーカユニット12Lと12Rがそれぞれ設けられている。
そして、図示せぬアンテナで受信されたテレビジョン放送信号における画像が、CRT11で表示され、また、その画像に付随する音声のL(Left)チャンネルとR(Right)チャンネルが、スピーカユニット12Lと12Rから、それぞれ出力される。
親機1には、赤外線IR(Infrared Ray)を出射するリモートコマンダ(以下、適宜、リモコンという)15が付随しており、ユーザは、このリモコン15を操作することにより、受信チャンネルや音量の変更、その他各種のコマンドを、親機1に与えることができるようになっている。
なお、リモコン15は、赤外線通信を行うものに限定されるものではなく、例えば、BlueTooth(商標)その他の無線通信を行うものを採用することが可能である。
また、リモコン15は、親機1のみならず、子機2を制御することも可能である。
次に、図3は、図2の親機1の構成例を示す6面図である。
図3Aは親機1の正面を、図3Bは親機1の上面を、図3Cは親機1の底面を、図3Dは親機1の左側面を、図3Eは親機1の右側面を、図3Fは親機1の背面を、それぞれ示している。
親機1の上面(図3B)、底面(図3C)、左側面(図3D)、および右側面(図3E)には、固定機構が設けられている。後述するように、子機2であるテレビジョン受像機の上面、底面、左側面、および右側面にも、同様の固定機構が設けられており、親機1の上面側、底面側、左側面側、または右側面側に、子機2や他の親機が配置されると、親機1の上面、底面、左側面、または右側面に設けられた固定機構と、子機2や他の親機の対向する面に設けられた固定機構とが、例えば嵌合し、親機1と、子機2や他の親機とが、容易に離れないように固定される。これにより、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の位置ずれなどを防止するようになっている。
なお、固定機構は、機械的な機構で構成することもできるし、その他、例えば、磁石などによって構成することも可能である。
親機1の背面には、図3Fに示すように、端子パネル21、アンテナ端子22、入力端子23、および出力端子24が設けられている。
端子パネル21には、親機1と、図1AのスケーラブルTVシステムを構成する8台の子機211,212,213,221,223,231,232,233それぞれとを電気的に接続するための8つのIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394端子2111,2112,2113,2121,2123,2131,2132,2133が設けられている。
ここで、図3Fの実施の形態では、親機1が、図1AのスケーラブルTVシステムでの子機2ijの位置を把握するため、端子パネル21においては、ユーザが、スケーラブルTVシステムを、その背面側から見た場合に、図1AのスケーラブルTVシステムでの子機2ijの位置に対応する位置に、その子機2ijと接続されるIEEE1394端子21ijが設けられている。
従って、図1AのスケーラブルTVシステムにおいては、子機211はIEEE1394端子2111を、子機212はIEEE1394端子2112を、子機213はIEEE1394端子2113を、子機221はIEEE1394端子2121を、子機223はIEEE1394端子2123を、子機231はIEEE1394端子2131を、子機232はIEEE1394端子2132を,子機233はIEEE1394端子2133を、それぞれ経由して、親機1と接続するように、ユーザに接続を行ってもらう。
なお、図1AのスケーラブルTVシステムにおいて、子機ijを、端子パネル21のどのIEEE1394端子と接続するかは、特に限定されるものではない。但し、子機ijを、IEEE1394端子21ij以外のIEEE1394端子と接続する場合には、その子機ijが、図1AのスケーラブルTVシステムの第i列第j行に配置されているものであることを、親機1に設定する必要がある(ユーザに設定してもらう必要がある)。
また、図3Fの実施の形態では、端子パネル21に、8つのIEEE1394端子2111乃至2133を設け、親機1と、8台の子機211乃至233それぞれとを、パラレルに接続するようにしたが、親機1と、8台の子機211乃至233とは、シリアルに接続することも可能である。即ち、子機2ijは、他の子機2i'j'を経由して、親機1と接続することが可能である。但し、この場合も、子機ijが、図1AのスケーラブルTVシステムの第i列第j行に配置されているものであることを、親機1に設定する必要がある。従って、端子パネル21に設けるIEEE1394端子の数は、8つに限定されるものではない。
さらに、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機どうしの電気的な接続は、IEEE1394に限定されるものではなく、その他、例えば、LAN(IEEE802)などを採用することが可能である。また、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機どうしの電気的な接続は、有線ではなく、無線で行うことも可能である。
アンテナ端子22には、図示せぬアンテナに接続されているケーブルが接続され、これにより、アンテナで受信されたテレビジョン放送信号が、親機1に入力される。入力端子23には、例えば、VTR(Video Tape Recorder)等から出力される画像データおよび音声データが入力される。出力端子24からは、例えば、親機1で受信されているテレビジョン放送信号としての画像データおよび音声データが出力される。
次に、図4は、子機2であるテレビジョン受像機の構成例を示す斜視図である。
子機2は、図2の親機1と同一の表示画面サイズのテレビジョン受像機であり、その正面中央部分に、画像を表示するCRT(Cathode Ray Tube)31が設けられており、また、その正面の左端と右端に、音声を出力するスピーカユニット32Lと32Rがそれぞれ設けられている。なお、親機1と子機2とでは、異なる表示画面サイズを採用することも可能である。
そして、図示せぬアンテナで受信されたテレビジョン放送信号における画像が、CRT31で表示され、また、その画像に付随する音声のL(Left)チャンネルとR(Right)チャンネルが、スピーカユニット32Lと32Rから、それぞれ出力される。
子機2にも、親機1と同様に、赤外線IRを出射するリモコン35が付随しており、ユーザは、このリモコン35を操作することにより、受信チャンネルや音量の変更、その他各種のコマンドを、子機2に与えることができるようになっている。
なお、リモコン35は、子機2のみならず、親機1の制御も行うことができるようになっている。
また、図1AのスケーラブルTVシステムを構成するには、ユーザは、1台の親機1と、8台の子機211乃至233を購入する必要があるが、この場合に、親機1にリモコン15が付随し、8台の子機211乃至233それぞれにリモコン35が付随するのでは、ユーザは、9台のリモコンを所有することとなり、その管理が煩雑になる。
そこで、子機2のリモコン35は、子機2のオプションとして、別売りにすることが可能である。また、親機1のリモコン15も、親機1のオプションとして、別売りにすることが可能である。
ここで、上述したように、リモコン15と35は、親機1および子機2のいずれも制御することが可能であり、従って、リモコン15または35のうちのいずれか一方しか所有していなくても、親機1および子機2のすべてを制御することが可能である。
次に、図5は、図4の子機2の構成例を示す6面図である。
図5Aは子機2の正面を、図5Bは子機2の上面を、図5Cは子機2の底面を、図5Dは子機2の左側面を、図5Eは子機2の右側面を、図5Fは子機2の背面を、それぞれ示している。
子機2の上面(図5B)、底面(図5C)、左側面(図5D)、および右側面(図5E)には、固定機構が設けられており、子機2の上面側、底面側、左側面側、または右側面側に、親機1や他の子機が配置されると、子機2の上面、底面、左側面、または右側面に設けられた固定機構と、親機1や他の子機の対向する面に設けられた固定機構とが嵌合し、子機2と、他の子機や親機1とが、容易に離れないように固定される。
子機2の背面には、図5Fに示すように、端子パネル41、アンテナ端子42、入力端子43、および出力端子44が設けられている。
端子パネル41には、親機1と子機2とを電気的に接続するための1つのIEEE1394端子411が設けられている。子機2が、図1AのスケーラブルTVシステムにおける、例えば左上に配置される子機211である場合には、端子パネル41のIEEE1394端子411は、図示せぬIEEE1394ケーブルを介して、図3Fにおける端子パネル21のIEEE1394端子2111と接続される。
なお、端子パネル41に設けるIEEE1394端子の数は、1つに限定されるものではない。
アンテナ端子42には、図示せぬアンテナに接続されているケーブルが接続され、これにより、アンテナで受信されたテレビジョン放送信号が、子機2に入力される。入力端子43には、例えば、VTR等から出力される画像データおよび音声データが入力される。出力端子44からは、例えば、子機2で受信されているテレビジョン放送信号としての画像データおよび音声データが出力される。
以上のように構成される1台の親機1と8台の子機211乃至233の合計9台のテレビジョン受像機が、横方向と縦方向に、それぞれ3台ずつ配置されることにより、図1AのスケーラブルTVシステムが構成される。
なお、図1AのスケーラブルTVシステムは、親機または子機としてのテレビジョン受像機の上、下、左、または右に、他のテレビジョン受像機を直接配置して構成する他、例えば、図6に示すスケーラブルTVシステム専用のラックに、テレビジョン受像機を配置して構成することも可能である。このように専用のラックを使用する場合には、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の位置ずれなどを、より強固に防止することができる。
ここで、親機または子機としてのテレビジョン受像機の上、下、左、または右に、他のテレビジョン受像機を直接配置することによりスケーラブルTVシステムを構成する場合には、例えば、親機1は、少なくとも、子機232が存在しないと、図1Aに示したように、第2行第2列に配置することができない。これに対して、図6のスケーラブルTVシステム専用のラックを用いる場合には、子機232が存在しなくても、親機1を、第2行第2列に配置することができる。
次に、図7は、リモコン15の構成例を示す平面図である。
セレクトボタンスイッチ51は、上下左右方向の4つの方向の他、その中間の4つの斜め方向の合計8個の方向に操作(方向操作)することができる。さらに、セレクトボタンスイッチ51は、リモコン15の上面に対して垂直方向にも押下操作(セレクト操作)することができる。メニューボタンスイッチ54は、親機1のCRT11(または子機2のCRT31)に、各種の設定(例えば、上述した、子機ijが、スケーラブルTVシステムの第i列第j行に配置されているものであることの設定)や、所定の処理を行うことを指令するコマンドの入力を行うためのメニュー画面を表示させるときに操作される。
ここで、メニュー画面が表示された場合には、そのメニュー画面における項目等を指示するカーソルが、CRT11に表示される。このカーソルは、セレクトボタンスイッチ51を方向操作することで、その操作に対応する方向に移動する。また、カーソルが、所定の項目上の位置にあるときに、セレクトボタンスイッチ51がセレクト操作されると、その項目の選択が確定される。なお、本実施の形態では、後述するように、メニューに表示される項目の中にアイコンがあり、セレクトボタンスイッチ51は、アイコンをクリックするときも、セレクト操作される。
イグジットボタンスイッチ55は、メニュー画面から元の通常の画面に戻る場合などに操作される。
ボリウムボタンスイッチ52は、ボリウムをアップまたはダウンさせるときに操作される。チャンネルアップダウンボタンスイッチ53は、受信する放送チャンネルの番号を、アップまたはダウンするときに操作される。
0乃至9の数字が表示されている数字ボタン(テンキー)スイッチ58は、表示されている数字を入力するときに操作される。エンタボタンスイッチ57は、数字ボタンスイッチ58の操作が完了したとき、数字入力終了の意味で、それに続いて操作される。なお、チャンネルを切り換えたときは、親機1のCRT11(もしくは子機2のCRT31)に、新たなチャンネルの番号などが、所定の時間、OSD(On Screen Display)表示される。ディスプレイボタン56は、現在選択しているチャンネルの番号や、現在の音量等のOSD表示のオン/オフを切り換えるときに操作される。
テレビ/ビデオ切換ボタンスイッチ59は、親機1(もしくは子機2)の入力を、後述する図10の内蔵するチューナ121(もしくは後述する図11のチューナ141)、または図3の入力端子23(もしくは図5の入力端子43)からの入力に切り換えるときに操作される。テレビ/DSS切換ボタンスイッチ60は、チューナ121において地上波による放送を受信するテレビモード、または衛星放送を受信するDSS(Digital Satellite System(Hughes Communications社の商標))モードを選択するときに操作される。数字ボタンスイッチ58を操作してチャンネルを切り換えると、切り換え前のチャンネルが記憶され、ジャンプボタンスイッチ61は、この切り換え前の元のチャンネルに戻るときに操作される。
ランゲージボタン62は、2カ国語以上の言語により放送が行われている場合において、所定の言語を選択するときに操作される。ガイドボタンスイッチ63は、EPG(Electronic Program Guide)データを送信しているチャンネルを選択し、CRT11に表示するときに操作される。フェイバリッドボタンスイッチ64は、あらかじめ設定されたユーザの好みのチャンネルを選択する場合に操作される。
ケーブルボタンスイッチ65、テレビスイッチ66、およびDSSボタンスイッチ67は、リモコン15から出射される赤外線に対応するコマンドコードの機器カテゴリを切り換えるためのボタンスイッチである。即ち、リモコン15は(リモコン35も同様)、親機1や子機2としてのテレビジョン受像機の他、図示せぬSTBやIRDを遠隔制御することができるようになっており、ケーブルボタンスイッチ65は、CATV網を介して伝送されてくる信号を受信するSTB(Set Top Box)を、リモコン15によって制御する場合に操作される。ケーブルボタンスイッチ65の操作後は、リモコン15からは、STBに割り当てられた機器カテゴリのコマンドコードに対応する赤外線が出射される。同様に、テレビボタンスイッチ66は、親機1(または子機1)を、リモコン15によって制御する場合に操作される。DSSボタンスイッチ67は、衛星を介して伝送されている信号を受信するIRD(Integrated Receiver and Decoder)を、リモコン15によって制御する場合に操作される。
LED(Light Emitting Diode)68,69,70は、それぞれケーブルボタンスイッチ65、テレビボタンスイッチ66、またはDSSボタンスイッチ67がオンにされたとき点灯し、これにより、リモコン15が、現在、どのカテゴリの装置の制御が可能になっているのかが、ユーザに示される。なお、LED68,69,70は、それぞれケーブルボタンスイッチ65、テレビボタンスイッチ66、またはDSSボタンスイッチ67がオフにされたときは消灯する。
ケーブル電源ボタンスイッチ71、テレビ電源ボタンスイッチ72、DSS電源ボタンスイッチ73は、STB、親機1(もしくは子機2)、またはIRDの電源をオン/オフするときに操作される。
ミューティングボタンスイッチ74は、親機1(または子機2)のミューティング状態を設定または解除するときに操作される。スリープボタンスイッチ75は、所定の時刻になった場合、または所定の時間が経過した場合に、自動的に電源をオフするスリープモードを設定もしくは解除するときに操作される。
発光部76は、リモコン15が操作された場合に、その操作に対応する赤外線を出射するようになっている。
次に、図8は、子機2のリモコン35の構成例を示す平面図である。
リモコン35は、図7のリモコン15におけるセレクトボタンスイッチ51乃至発光部76とそれぞれ同様に構成されるセレクトボタンスイッチ81乃至発光部106から構成されるため、その説明は省略する。
次に、図9は、親機1のリモコン15の他の構成例を示す平面図である。
図9の実施の形態では、図7における8方向に操作可能なセレクトボタンスイッチ51に代えて、上下左右の4方向の方向ボタンスイッチ111,112,113,114と、セレクト操作を行うためのボタンスイッチ110が設けられている。さらに、図9の実施の形態では、ケーブルボタンスイッチ65、テレビボタンスイッチ66、およびDSSボタンスイッチ67が内照式とされ、図7におけるLED68乃至70が省略されている。但し、ボタンスイッチ65乃至67の裏側には、図示せぬLEDが配置されており、ボタンスイッチ65乃至67が操作されると、その操作に対応して、その裏側に配置されているLEDがそれぞれ点灯または消灯するようになっている。
その他のボタンスイッチは、その配置位置は異なるものの、基本的には図7に示した場合と同様である。
なお、子機2のリモコン35も、図9における場合と同様に構成することが可能である。
また、リモコン15には、その移動を検出するジャイロを内蔵させるようにすることができる。この場合、リモコン15では、その内蔵するジャイロによって、リモコン15の移動方向と移動量を検出し、メニュー画面において表示されるカーソルを、その移動方向と移動量に対応して移動させるようにすることが可能である。このように、リモコン15にジャイロを内蔵させる場合には、図7の実施の形態では、セレクトボタンスイッチ51を8方向に移動することができるように構成する必要がなくなり、また、図9の実施の形態では、方向ボタンスイッチ111乃至114を設ける必要がなくなる。同様に、リモコン35にも、ジャイロを内蔵させるようにすることが可能である。
次に、図10は、親機1の電気的構成例を示している。
図示せぬアンテナで受信されたテレビジョン放送信号は、チューナ121に供給され、CPU129の制御の下、検波、復調される。チューナ121の出力は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)復調回路122に供給され、CPU129の制御の下、QPSK復調される。QPSK復調回路122の出力は、エラー訂正回路123に供給され、CPU129の制御の下、エラーが検出、訂正され、デマルチプレクサ124に供給される。
デマルチプレクサ124は、CPU129の制御の下、エラー訂正回路123の出力を、必要に応じてデスクランブルし、さらに、所定のチャンネルのTS(Transport Stream)パケットを抽出する。そして、デマルチプレクサ124は、画像データ(ビデオデータ)のTSパケットを、MPEG(Moving Picture Experts Group)ビデオデコーダ125に供給するととともに、音声データ(オーディオデータ)のTSパケットを、MPEGオーディオデコーダ126に供給する。また、デマルチプレクサ124は、エラー訂正回路123の出力に含まれるTSパケットを、必要に応じて、CPU129に供給する。さらに、デマルチプレクサ124は、CPU129から供給される画像データまたは音声データ(TSパケットの形にされているものを含む)を受信し、MPEGビデオデコーダ125またはMPEGオーディオデコーダ126に供給する。
MPEGビデオデコーダ125は、デマルチプレクサ124から供給される画像データのTSパケットを、MPEGデコードし、セレクタ127に供給する。MPEGオーディオデコーダ126は、デマルチプレクサ124から供給される音声データのTSパケットを、MPEGデコードする。MPEGオーディオデコーダ126でのデコードにより得られるLチャンネルとRチャンネルの音声データは、セレクタ127に供給される。
セレクタ127は、CPU129の制御の下、MPEGビデオデコーダ125が出力する画像データ、CPU129から供給される画像データ、またはセキュリティシステム部137から供給される画像データを選択し、NTSC(National Television System Committee)エンコーダ128に供給する。NTSCエンコーダ128は、セレクタ127から供給される画像データをNTSC方式の画像データに変換し、CRT11に供給して表示させる。また、セレクタ127は、CPU129の制御の下、MPEGオーディオデコーダ126からのLおよびRチャンネルの音声データ、CPU129から供給される音声データ、またはセキュリティシステム部137から供給される音声データを選択し、アンプ138に供給する。
CPU129は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)130や、ROM(Read Only Memory)131に記憶されているプログラムにしたがって各種の処理を実行し、これにより、例えば、チューナ121、QPSK復調回路122、エラー訂正回路123、デマルチプレクサ124、セレクタ127、IEEE1394インタフェース133、モデム136、およびセキュリティシステム部137を制御する。また、CPU129は、デマルチプレクサ124から供給されるデータを、IEEE1394インタフェース133に供給し、IEEE1394インタフェース133から供給されるデータを、デマルチプレクサ124やセレクタ127に供給する。さらに、CPU129は、フロントパネル134やIR受信部135から供給されるコマンドに対応した処理を実行する。また、CPU129は、モデム136を制御することにより、電話回線を通じて、図示せぬサーバにアクセスし、バージョンアップされたプログラムや必要なデータを取得する。
EEPROM130は、電源オフ後も保持しておきたいデータやプログラムを記憶する。ROM131は、例えば、IPL(Initial Program Loader)のプログラムを記憶している。なお、EEPROM130に記憶されたデータやプログラムは、そこに上書きすることで、バージョンアップすることができる。
RAM132は、CPU129の動作上必要なデータやプログラムを一時記憶する。
IEEE1394インタフェース133は、端子パネル21(のIEEE1394端子2111乃至2133(図3))に接続されており、IEEE1394の規格に準拠した通信を行うためのインタフェースとして機能する。これにより、IEEE1394インタフェース133は、CPU129から供給されるデータを、IEEE1394の規格に準拠して、外部に送信する一方、外部からIEEE1394の規格に準拠して送信されてくるデータを受信し、CPU129に供給する。
フロントパネル134は、図2および図3では図示していないが、親機1の正面の一部に設けられている。そして、フロントパネル134は、リモコン15(図7、図9)に設けられたボタンスイッチの一部を有しており、フロントパネル134のボタンスイッチが操作された場合には、その操作に対応する操作信号が、CPU129に供給される。この場合、CPU129は、フロントパネル134からの操作信号に対応した処理を行う。
IR受信部135は、リモコン15の操作に対応して、リモコン15から送信されてくる赤外線を受信(受光)する。さらに、IR受信部135は、その受信した赤外線を光電変換し、その結果得られる信号を、CPU129に供給する。この場合、CPU129は、IR受信部135からの信号に対応した処理、即ち、リモコン15の操作に対応した処理を行う。
モデム136は、電話回線を介しての通信制御を行い、これにより、CPU129から供給されるデータを、電話回線を介して送信するとともに、電話回線を介して送信されてくるデータを受信し、CPU129に供給する。
セキュリティシステム部137は、セキュリティコントローラ137A、無線インタフェース137B、データ処理部137C、警告処理部137Dで構成されており、CPU129の制御の下、ユーザに、緊急事態(異常)の発生を警告するための、後述する各処理を行う。
即ち、セキュリティコントローラ137Aは、CPU129の制御の下、無線インタフェース137B、データ処理部137C、および警告処理部137Dを制御する。
無線インタフェース137Bは、無線通信を行うためのインタフェースとして機能し、後述するカメラ162(図23)から送信されてくる画像(動画像)データおよび音声データを受信し、セレクタ127とデータ処理部137に供給する。ここで、無線インタフェース137Bとしては、例えば、IEEE802.11に規定されている、いわゆる無線LANによる通信を行うNIC(Network Interface Card)などを採用することができる。
なお、無線インタフェース137Bとしては、IEEE802.11以外の規格による無線通信を行うものを採用することが可能である。但し、無線インタフェース137Bとしては、動画のデータを送受信するのに十分な伝送帯域を有している規格に準拠しているものであることが望ましい。
データ処理部137Cは、無線インタフェース137Bから供給される画像データまたは音声データの特徴量を、所定時間ごとに検出し、警告処理部137Dに供給する。
警告処理部137Dは、データ処理部137Cから供給される画像データまたは音声データの特徴量の時間的変動を解析する。さらに、警告処理部137Dは、画像データまたは音声データの特徴量の時間的変動が所定の条件を満たすかどうかを判定し、その判定結果に基づき、ユーザに警告を行うべきことを、セキュリティコントローラ137Aに要求する。
アンプ138は、セレクタ127から供給される音声データを、必要に応じて増幅し、スピーカユニット12Lおよび12Rに供給する。なお、アンプ138は、D/A(Digital/Analog)変換器138を内蔵しており、そこに供給される音声データを、必要に応じてD/A変換して出力する。
以上のように構成される親機1では、次のようにして、テレビジョン放送番組としての画像と音声が出力される(画像が表示され、音声が出力される)。
即ち、アンテナで受信されたテレビジョン放送信号としてのトランスポートストリームが、チューナ121,QPSK復調回路122、およびエラー訂正回路123を介して、デマルチプレクサ124に供給される。デマルチプレクサ124は、トランスポートストリームから、所定の番組のTSパケットを抽出し、画像データのTSパケットを、MPEGビデオデコーダ125に供給するとともに、音声データのTSパケットを、MPEGオーディオデコーダ126に供給する。
MPEGビデオデータコーダ125では、デマルチプレクサ124からのTSパケットがMPEGデコードされる。そして、その結果得られる画像データが、MPEGビデオデコーダ125から、セレクタ127およびNTSCエンコーダ128を経由して、CRT11に供給されて表示される。
一方、MPEGオーディオデコーダ126では、デマルチプレクサ124からのTSパケットがMPEGデコードされる。そして、その結果得られる音声データが、MPEGオーディオデコーダ126から、セレクタ127およびアンプ138を介して、スピーカユニット12Lおよび12Rに供給されて出力される。
また、親機1では、IEEE1394インタフェース133において、そこに供給される他の機器からのTSパケットが受信される。そして、そのTSパケットのうちの画像データのTSパケットと、音声データのTSパケットは、CPU129およびデマルチプレクサ124を介して、MPEGビデオデコーダ125と、MPEGオーディオデコーダ126にそれぞれ供給され、以下、テレビジョン放送信号の画像データと音声データにおける場合と同様に出力(表示)される。
さらに、親機1では、セキュリティシステム部137の無線インタフェース137Bにおいて、そこに供給される画像データおよび音声データが受信される。無線インタフェース137Bで受信された画像データは、セレクタ127およびNTSCエンコーダ128を介して、CRT11に供給されて表示される。一方、無線インタフェース137Bで受信された音声データは、セレクタ127およびアンプ138を介して、スピーカユニット12Lおよび12Rに供給されて出力される。
従って、図10の形態では、親機1は、画像データおよび音声データを入力する入力系統として、チューナ121、IEEE1394インタフェース133、および無線インタフェース137Bの3つの入力系統を有する。但し、親機1は、図10には図示していないが、図3Fに図示したように、入力端子23を有しており、従って、親機1は、この入力端子23を含めると、4つの入力系統を有する。
なお、親機1に設ける入力系統の数は、特に限定されるものではない。
次に、図11は、子機2の電気的構成例を示している。
子機2は、図10のチューナ121乃至アンプ138とそれぞれ同様に構成されるチューナ141乃至アンプ158から構成されるため、その説明は省略する。
なお、親機1と子機2は、図3Fと図5Fに示したように、それぞれ独立して、アンテナ端子22と42を有するので、図1のスケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機としての親機1と子機2には、それぞれに、アンテナ(からのケーブル)を接続することが可能である。しかしながら、親機1と子機2それぞれに、アンテナを接続する場合には、配線が煩雑になるおそれがある。そこで、スケーラブルTVシステムにおいては、そのスケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機のうちのいずれか1つにアンテナを接続し、そのテレビジョン受像機で受信されたテレビジョン放送信号を、例えば、IEEE1394通信によって、他のテレビジョン受像機に分配するようにすることが可能である。
次に、本実施の形態では、親機1の端子パネル21のIEEE1394端子21ij(図3)と、子機2ijの端子パネル41のIEEE1394端子411(図5)とが、IEEE1394ケーブルによって接続されることにより、親機1と子機2とが、電気的に接続され、これにより、親機1と子機2との間で、IEEE1394通信(IEEE1394の規格に準拠した通信)が行われ、各種のデータ等がやりとりされる。
そこで、図12乃至図21を参照して、IEEE1394通信について、簡単に説明する。
IEEE1394は、シリアルバス規格の1つであり、IEEE1394通信は、データのアイソクロナス(isochronous) 転送を行うことができることから、画像や音声といったリアルタイムで再生する必要のあるデータの転送に適している。
即ち、IEEE1394インタフェースを有する機器(IEEE1394機器)どうしの間では、125μs(マイクロ秒)周期で、最大で、100μsの伝送帯域(時間ではあるが、帯域と呼ばれる)を使用して、データのアイソクロナス転送を行うことができる。また、上述の伝送帯域の範囲内であれば、複数チャンネルで、アイソクロナス転送を行うことができる。
図12は、IEEE1394通信プロトコルのレイヤ構造を示している。
IEEE1394プロトコルは、トランザクション層(Transaction Layer)、リンク層(Link Layer)、および物理層(Physical Layer)の3層の階層構造を有する。各階層は、相互に通信し、また、それぞれの階層は、シリアルバス管理(Serial Bus Management)と通信を行う。さらに、トランザクション層およびリンク層は、上位のアプリケーションとの通信も行う。この通信に用いられる送受信メッセージは、要求(Request)、指示(表示)(Indication)、応答(Response)、確認(Confirmation)の4種類があり、図12における矢印は、この通信を示している。
なお、矢印の名称の最後に".req"がついた通信は要求を表し、".ind"は指示を表す。また、".resp"は応答を、".conf"は確認をそれぞれ表す。例えば、TR_CONT.reqは、シリアルバス管理から、トランザクション層に送られる、要求の通信である。
トランザクション層は、アプリケーションからの要求により、他のIEEE1394機器(IEEE1394インタフェースを有する機器)とデータ通信を行う為のアシンクロナス(asynchronous)伝送サービスを提供し、ISO/IEC13213で必要とされるリクエストレスポンスプロトコル(Request Response Protocol)を実現する。即ち、IEEE1394規格によるデータ転送方式としては、上述したアイソクロナス伝送の他、アシンクロナス伝送があり、トランザクション層は、アシンクロナス伝送の処理を行う。アシンクロナス伝送で伝送されるデータは、トランザクション層のプロトコルに要求する処理の単位であるリードトランザクション(read Transaction)、ライトトランザクション(write Transaction)、ロックトランザクション(lock Transaction)の3種類のトランザクションによって、IEEE1394機器間で伝送される。
リンク層は、アクノリッジ(Acknowledge)を用いたデータ伝送サービス、アドレス処理、データエラー確認、データのフレーミング等の処理を行う。リンク層が行う1つのパケット伝送はサブアクションと呼ばれ、サブアクションには、アシンクロナスサブアクション(Asynchronous Subaction)およびアイソクロナスサブアクション(Isochronous Subaction)の2種類がある。
アシンクロナスサブアクションは、ノード(IEEE1394においてアクセスできる単位)を特定する物理ID(Physical Identification)、およびノード内のアドレスを指定して行われ、データを受信したノードは、アクノリッジを返送する。但し、IEEE1394シリアルバス内の全てのノードにデータを送るアシンクロナスブロードキャストサブアクションでは、データを受信したノードは、アクノリッジを返送しない。
一方、アイソクロナスサブアクションでは、データが、一定周期(前述したように、125μs)で、チャンネル番号を指定して伝送される。なお、アイソクロナスサブアクションでは、アクノリッジは返送されない。
物理層は、リンク層で用いる論理シンボルを電気信号に変換する。さらに、物理層は、リンク層からのアービトレーション(IEEE1394通信を行うノードが競合したときの調停)の要求に対する処理を行ったり、バスリセットに伴うIEEE1394シリアルバスの再コンフィグレーションを実行し、物理IDの自動割り当てを行ったりする。
シリアスバス管理では、基本的なバス制御機能の実現とISO/IEC13212のCSR(Control&Status Register Architecture)が提供される。シリアスバス管理は、ノードコントローラ(Node Controller)、アイソクロナスリソースマネージャ(Isochronous Resource Manager)、およびバスマネージャ(Bus Manager)の機能を有する。ノードコントローラは、ノードの状態、物理ID等を制御するとともに、トランザクション層、リンク層、および物理層を制御する。アイソクロナスリソースマネージャは、アイソクロナス通信に用いられるリソースの利用状況を提供するもので、アイソクロナス通信を行うためには、IEEE1394シリアルバスに接続された機器の中に少なくとも1つ、アイソクロナスリソースマネージャの機能を有するIEEE1394機器が必要である。バスマネージャは、各機能の中では、最も高機能であり、IEEE1394シリアルバスの最適利用を図ることを目的とする。なお、アイソクロナスリソースマネージャとバスマネージャの存在は、任意である。
IEEE1394機器どうしは、ノード分岐とノードディジーチェインのいずれの接続も可能であるが、IEEE1394機器が新たに接続されたりすると、バスリセットが行われ、ツリー識別や、ルートノード、物理ID、アイソクロナスリソースマネージャ、サイクルマスタ、バスマネージャの決定等が行われる。
ここで、ツリー識別においては、IEEE1394機器としてのノード間の親子関係が決定される。また、ルートノードは、アービトレーションによってIEEE1394シリアルバスを使用する権利を獲得したノードの指定等を行う。物理IDは、self-IDパケットと呼ばれるパケットが、各ノードに転送されることにより決定される。なお、self-IDパケットには、ノードのデータ転送レートや、ノードがアイソクロナスリソースマネージャになれるかどうかといった情報が含まれる。
アイソクロナスリソースマネージャは、上述したように、アイソクロナス通信に用いられるリソースの利用状況を提供するノードで、後述する帯域幅レジスタ(BANDWIDTH_AVAILABLEレジスタ)や、チャンネル番号レジスタ(CHANNELS_AVAILABLEレジスタ)を有する。さらに、アイソクロナスリソースマネージャは、バスマネージャとなるノードの物理IDを示すレジスタも有する。なお、IEEE1394シリアルバスで接続されたIEEE1394機器としてのノードの中に、バスマネージャが存在しない場合には、アイソクロナスリソースマネージャが、簡易的なバスマネージャとして機能する。
サイクルマスタは、アイソクロナス伝送の周期である125μsごとに、IEEE1394シリアルバス上に、サイクルスタートパケットを送信する。このため、サイクルマスタは、その周期(125μs)をカウントするためのサイクルタイムレジスタ(CYCLE_TIMEレジスタ)を有する。なお、ルートノードがサイクルマスタになるが、ルートノードがサイクルマスタとしての機能を有していない場合には、バスマネージャがルートノードを変更する。
バスマネージャは、IEEE1394シリアルバス上における電力の管理や、上述したルートノードの変更等を行う。
バスリセット後に、上述したようなアイソクロナスリソースマネージャの決定等が行われると、IEEE1394シリアルバスを介してのデータ伝送が可能な状態となる。
IEEE1394のデータ伝送方式の1つであるアイソクロナス伝送では、伝送帯域および伝送チャンネルが確保され、その後、データが配置されたパケット(アイソクロナスパケット)が伝送される。
即ち、アイソクロナス伝送では、サイクルマスタが125μs周期でサイクルスタートパケットを、IEEE1394シリアルバス上にブロードキャストする。サイクルスタートパケットがブロードキャストされると、アイソクロナスパケットの伝送を行うことが可能な状態となる。
アイソクロナス伝送を行うには、アイソクロナスリソースマネージャの提供する伝送帯域確保用の帯域幅レジスタと、チャンネル確保用のチャンネル番号レジスタを書き換えて、アイソクロナス伝送のための資源の確保を宣言する必要がある。
ここで、帯域幅レジスタおよびチャンネル番号レジスタは、ISO/IEC13213で規定されている64ビットのアドレス空間を有する、後述するCSR(Control&Status Register)の1つとして割り当てられる。
帯域幅レジスタは、32ビットのレジスタで、上位19ビットは予約領域とされており、下位13ビットが、現在使用することが可能な伝送帯域(bw_remaining)を表す。
即ち、帯域幅レジスタの初期値は、00000000000000000001001100110011B(Bは、その前の値が2進数であることを表す)(=4915)となっている。これは、次のような理由による。即ち、IEEE1394では、1572.864Mbps(bit per second)で、32ビットの伝送に要する時間が、1として定義されており、上述の125μsは、00000000000000000001100000000000B(=6144)に相当する。しかしながら、IEEE1394では、アイソクロナス伝送に使用することのできる伝送帯域は、1周期である125μsのうちの80%であることが定められている。従って、アイソクロナス伝送で使用可能な最大の伝送帯域は、100μsであり、100μsは、上述のように、00000000000000000001001100110011B(=4915)となる。
なお、125μsから、アイソクロナス伝送で使用される最大の伝送帯域である100μsを除いた残りの25μsの伝送帯域は、アシンクロナス伝送で使用される。アシンクロナス伝送は、帯域幅レジスタやチャンネル番号レジスタの記憶値を読み出すとき等に用いられる。
アイソクロナス伝送を開始するためには、そのための伝送帯域を確保する必要がある。即ち、例えば、1周期である125μsのうちの、10μsの伝送帯域を使用してアイソクロナス伝送を行う場合には、その10μsの伝送帯域を確保する必要がある。この伝送帯域の確保は、帯域幅レジスタの値を書き換えることで行われる。即ち、上述のように、10μsの伝送帯域を確保する場合には、その10μsに相当する値である492を、帯域幅レジスタの値から減算し、その減算値を、帯域幅レジスタにセットする。従って、例えば、いま、帯域幅レジスタの値が4915になっていた場合(アイソクロナス伝送が、まったく行われていない場合)に、10μsの伝送帯域を確保するときには、帯域幅レジスタの値が、上述の4915から、その4915から10μsに相当する492を減算した4423(=00000000000000000001000101000111B)に書き換えられる。
なお、帯域幅レジスタの値から、確保(使用)しようとする伝送帯域を減算した値が0よりも小さくなる場合は、伝送帯域を確保することができず、従って、帯域幅レジスタの値は書き換えられないし、さらに、アイソクロナス伝送を行うこともできない。
アイソクロナス伝送を行うには、上述したような伝送帯域の確保を行う他、伝送チャンネルも確保しなければならない。この伝送チャンネルの確保は、チャンネル番号レジスタを書き換えることで行われる。
チャンネル番号レジスタは、64ビットのレジスタで、各ビットが、各チャンネルに対応している。即ち、第nビット(最下位ビットからn番目のビット)は、その値が1であるときは、第n−1チャンネルが未使用状態であることを表し、0であるときは、第n−1チャンネルが使用状態であることを表す。従って、どのチャンネルも使用されていない場合には、チャンネル番号レジスタは、1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111Bとなっており、例えば、第1チャンネルが確保されると、チャンネル番号レジスタは、1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111101Bに書き換えられる。
なお、チャンネル番号レジスタは、上述のように64ビットであるから、アイソクロナス伝送では、最大で、第0乃至第63チャンネルの64チャンネルの確保が可能であるが、第63チャンネルは、アイソクロナスパケットをブロードキャストする場合に用いられる。
以上のように、アイソクロナス伝送は、伝送帯域および伝送チャンネルの確保を行った上で行われるから、伝送レートを保証したデータ伝送を行うことができ、上述したように、画像や音声といったリアルタイムで再生する必要のあるデータ伝送に特に適している。
次に、IEEE1394通信は、上述したように、ISO/IEC13213で規定された64ビットのアドレス空間を有するCSRアーキテクチャに準拠している。
図13は、CSRアーキテクチャのアドレス空間を示している。
CSRの上位16ビットは、各ノードを示すノードIDであり、残りの48ビットは、各ノードに与えられたアドレス空間の指定に使われる。この上位16ビットは、さらにバスIDの10ビットと物理ID(狭義のノードID)の6ビットに分かれる。すべてのビットが1となる値は、特別な目的で使用されるため、1023個のバスと63個のノードを指定することができる。
CSRの下位48ビットにて規定される256テラバイトのアドレス空間のうちの上位20ビットで規定される空間は、2048バイトのCSR特有のレジスタやIEEE1394特有のレジスタ等に使用されるイニシャルレジスタスペース(Initial Register Space)、プライベートスペース(Private Space)、およびイニシャルメモリスペース(Initial Memory Space)などに分割され、下位28ビットで規定される空間は、その上位20ビットで規定される空間が、イニシャルレジスタスペースである場合、コンフィギレーションROM(Configuration ROM)、ノード特有の用途に使用されるイニシャルユニットスペース(Initial Unit Space)、プラグコントロールレジスタ(Plug Control Register(PCRs))などとして用いられる。
ここで、図14は、主要なCSRのオフセットアドレス、名前、および働きを示している。
図14において、「オフセット」の欄は、イニシャルレジスタスペースが始まるFFFFF0000000h(hは、その前の値が16進数であることを表す)番地からのオフセットアドレスを示している。オフセット220hを有する帯域幅レジスタは、上述したように、アイソクロナス通信に割り当て可能な帯域を示しており、アイソクロナスリソースマネージャとして動作しているノードの値だけが有効とされる。即ち、図13のCSRは、各ノードが有しているが、帯域幅レジスタについては、アイソクロナスリソースマネージャのものだけが有効とされる。従って、帯域幅レジスタは、実質的に、アイソクロナスリソースマネージャだけが有する。
オフセット224h乃至228hのチャンネル番号レジスタは、上述したように、その各ビットが0乃至63番のチャンネル番号のそれぞれに対応し、ビットが0である場合には、そのチャンネルが既に割り当てられていることを示している。チャンネル番号レジスタも、アイソクロナスリソースマネージャとして動作しているノードのもののみが有効である。
図13に戻り、イニシャルレジスタスペース内のアドレス400h乃至800hに、ゼネラルROMフォーマットに基づいたコンフィギレーションROMが配置される。
ここで、図15は、ゼネラルROMフォーマットを示している。
IEEE1394上のアクセスの単位であるノードは、ノードの中にアドレス空間を共通に使用しつつ独立して動作をするユニットを複数個有することができる。ユニットディレクトリ(unit directories)は、このユニットに対するソフトウェアのバージョンや位置を示すことができる。バスインフォブロック(bus info block)とルートディレクトリ(root directory)の位置は固定されているが、その他のブロックの位置はオフセットアドレスによって指定される。
ここで、図16は、バスインフォブロック、ルートディレクトリ、およびユニットディレクトリの詳細を示している。
バスインフォブロック内のCompany IDには、機器の製造者を示すID番号が格納される。Chip IDには、その機器固有の、他の機器と重複のない世界で唯一のIDが記憶される。また、IEC1833の規格により、IEC1883を満たした機器のユニットディレクトリのユニットスペックID(unit spec id)の、ファーストオクテットには00hが、セカンドオクテットにはA0hが、サードオクテットには2Dhが、それぞれ書き込まれる。さらに、ユニットスイッチバージョン(unit sw version)のファーストオクテットには、01hが、サードオクテットのLSB(Least Significant Bit)には、1が書き込まれる。
ノードは、図13のイニシャルレジスタスペース内のアドレス900h乃至9FFhに、IEC1883に規定されるPCR(Plug Control Register)を有する。これは、アナログインタフェースに類似した信号経路を論理的に形成するために、プラグという概念を実体化したものである。
ここで、図17は、PCRの構成を示している。
PCRは、出力プラグを表すoPCR(output Plug Control Resister)と、入力プラグを表すiPCR(input Plug Control Register)を有する。また、PCRは、各機器固有の出力プラグまたは入力プラグの情報を示すレジスタoMPR(output Master Plug Register)とiMPR(input Master Plug Register)を有する。IEEE1394機器は、oMPRおよびiMPRをそれぞれ複数持つことはないが、個々のプラグに対応したoPCRおよびiPCRを、IEEE1394機器の能力によって複数持つことが可能である。図17に示したPCRは、それぞれ31個のoPCR#0乃至#30およびiPCR#0乃至#30を有する。アイソクロナスデータの流れは、これらのプラグに対応するレジスタを操作することによって制御される。
図18は、oMPR,oPCR,iMPR、およびiPCRの構成を示している。
図18AはoMPRの構成を、図18BはoPCRの構成を、図18CはiMPRの構成を、図18DはiPCRの構成を、それぞれ示している。
oMPRおよびiMPRのMSB側の2ビットのデータレートケイパビリティ(data rate capability)には、その機器が送信または受信可能なアイソクロナスデータの最大伝送速度を示すコードが格納される。oMPRのブロードキャストチャンネルベース(broadcast channel base)は、ブロードキャスト出力に使用されるチャンネルの番号を規定する。
oMPRのLSB側の5ビットのナンバーオブアウトプットプラグス(number of output plugs)には、その機器が有する出力プラグ数、即ち、oPCRの数を示す値が格納される。iMPRのLSB側の5ビットのナンバーオブインプットプラグス(number of input plugs)には、その機器が有する入力プラグ数、即ち、iPCRの数を示す値が格納される。non-persistent extension fieldおよびpersistent extension fieldは、将来の拡張の為に定義された領域である。
oPCRおよびiPCRのMSBのオンライン(on-line)は、プラグの使用状態を示す。即ち、その値が1であればそのプラグがON-LINEであり、0であればOFF-LINEであることを示す。oPCRおよびiPCRのブロードキャストコネクションカウンタ(broadcast connection counter)の値は、ブロードキャストコネクションの有り(1)または無し(0)を表す。oPCRおよびiPCRの6ビット幅を有するポイントトウポイントコネクションカウンタ(point-to-point connection counter)が有する値は、そのプラグが有するポイントトウポイントコネクション(point-to-point connection)の数を表す。
oPCRおよびiPCRの6ビット幅を有するチャンネルナンバ(channel number)が有する値は、そのプラグが接続されるアイソクロナスチャンネルの番号を示す。oPCRの2ビット幅を有するデータレート(data rate)の値は、そのプラグから出力されるアイソクロナスデータのパケットの現実の伝送速度を示す。oPCRの4ビット幅を有するオーバーヘッドID(overhead ID)に格納されるコードは、アイソクロナス通信のオーバーのバンド幅を示す。oPCRの10ビット幅を有するペイロード(payload)の値は、そのプラグが取り扱うことができるアイソクロナスパケットに含まれるデータの最大値を表す。
次に、以上のようなIEEE1394通信を行うIEEE1394機器については、その制御のためのコマンドとして、AV/Cコマンドセットが規定されている。そこで、本実施の形態でも、親機1と子機2は、このAV/Cコマンドセットを利用して、相互を制御することができるようになっている。但し、親機1または子機2を制御するにあたっては、AV/Cコマンドセット以外の独自のコマンド体系を用いることも可能である。
ここで、AV/Cコマンドセットについて、簡単に説明する。
図19は、アシンクロナス転送モードで伝送されるAV/Cコマンドセットのパケットのデータ構造を示している。
AV/Cコマンドセットは、AV(Audio Visual)機器を制御するためのコマンドセットで、AV/Cコマンドセットを用いた制御系では、ノード間において、AV/Cコマンドフレームおよびレスポンスフレームが、FCP(Function Control Protocol)を用いてやり取りされる。バスおよびAV機器に負担をかけないために、コマンドに対するレスポンスは、100ms以内に行うことになっている。
図19に示すように、アシンクロナスパケットのデータは、水平方向32ビット(=1 quadlet)で構成されている。図中上段はパケットのヘッダ部分(packet header)を示しており、図中下段はデータブロック(data block)を示している。destination_IDは、宛先を示している。
CTSはコマンドセットのIDを示しており、AV/CコマンドセットではCTS=“0000”である。ctype/responseは、パケットがコマンドの場合はコマンドの機能分類を示し、パケットがレスポンスの場合はコマンドの処理結果を示す。コマンドは大きく分けて、(1)機能を外部から制御するコマンド(CONTROL)、(2)外部から状態を問い合わせるコマンド(STATUS)、(3)制御コマンドのサポートの有無を外部から問い合わせるコマンド(GENERAL INQUIRY(opcodeのサポートの有無)およびSPECIFIC INQUIRY(opcodeおよびoperandsのサポートの有無))、(4)状態の変化を外部に知らせるよう要求するコマンド(NOTIFY)の4種類が定義されている。
レスポンスはコマンドの種類に応じて返される。CONTROLコマンドに対するレスポンスには、NOT INPLEMENTED(実装されていない)、ACCEPTED(受け入れる)、REJECTED(拒絶)、およびINTERIM(暫定)がある。STATUSコマンドに対するレスポンスには、NOT INPLEMENTED、REJECTED、IN TRANSITION(移行中)、およびSTABLE(安定)がある。GENERAL INQUIRYおよびSPECIFIC INQUIRYコマンドに対するレスポンスには、IMPLEMENTED(実装されている)、およびNOT IMPLEMENTEDがある。NOTIFYコマンドに対するレスポンスには、NOT IMPLEMENTED,REJECTED,INTERIM、およびCHANGED(変化した)がある。
subunit typeは、機器内の機能を特定するために設けられており、例えば、tape recorder/player,tuner等が割り当てられる。同じ種類のsubunitが複数存在する場合の判別を行うために、判別番号としてsubunit id(subunit typeの後に配置される)でアドレッシングを行う。opcodeはコマンドを表しており、operandはコマンドのパラメータを表している。Additional operandsは追加のoperandが配置されるフィールドである。paddingはパケット長を所定のビット数とするためにダミーのデータが配置されるフィールドである。data CRC(Cyclic Redundancy Check)はデータ伝送時のエラーチェックに使われるCRCが配置される。
次に、図20は、AV/Cコマンドの具体例を示している。
図20Aは、ctype/responseの具体例を示している。図中上段がコマンド(Command)を表しており、図中下段がレスポンス(Response)を表している。“0000”にはCONTROL、“0001”にはSTATUS、“0010”にはSPECIFIC INQUIRY、“0011”にはNOTIFY、“0100”にはGENERAL INQUIRYが割り当てられている。“0101乃至0111”は将来の仕様のために予約確保されている。また、“1000”にはNOT INPLEMENTED、“1001”にはACCEPTED、“1010”にはREJECTED、“1011”にはIN TRANSITION、“1100”にはIMPLEMENTED/STABLE、“1101”にはCHNGED、“1111”にはINTERIMが割り当てられている。“1110”は将来の仕様のために予約確保されている。
図20Bは、subunit typeの具体例を示している。“00000”にはVideo Monitor、“00011”にはDisk recorder/Player、“00100”にはTape recorder/Player、“00101”にはTuner、“00111”にはVideo Camera、“11100”にはVendor unique、“11110”にはSubunit type extended to next byteが割り当てられている。なお、“11111”にはunitが割り当てられているが、これは機器そのものに送られる場合に用いられ、例えば電源のオンオフなどが挙げられる。
図20Cは、opcodeの具体例を示している。各subunit type毎にopcodeのテーブルが存在し、ここでは、subunit typeがTape recorder/Playerの場合のopcodeを示している。また、opcode毎にoperandが定義されている。ここでは、“00h”にはVENDOR-DEPENDENT、“50h”にはSEACH MODE、“51h”にはTIMECODE、“52h”にはATN、“60h”にはOPEN MIC、“61h”にはREAD MIC、 “62h”にはWRITE MIC、“C1h”にはLOAD MEDIUM、“C2h”にはRECORD、“C3h”にはPLAY、“C4h”にはWINDが、それぞれ割り当てられている。
図21は、AV/Cコマンドとレスポンスの具体例を示している。
例えば、ターゲット(コンスーマ)(制御される側)としての再生機器に再生指示を行う場合、コントローラ(制御する側)は、図21Aのようなコマンドをターゲットに送る。このコマンドは、AV/Cコマンドセットを使用しているため、CTS=“0000”となっている。ctypeは、機器を外部から制御するコマンド(CONTROL)を用いるため、“0000”となっている(図20A)。subunit typeは、Tape recorder/Playerであることより、“00100”となっている(図20B)。idは、ID#0の場合を示しており、000となっている。opcodeは、再生を意味する“C3h”となっている(図20C)。operandは、FORWARDを意味する“75h”となっている。そして、再生されると、ターゲットは、図21Bのようなレスポンスをコントローラに返す。ここでは、受け入れを意味するacceptedがresponseに配置されており、responseは、“1001”となっている(図20A参照)。responseを除いて、他は図21Aと同じであるので説明は省略する。
スケーラブルTVシステムにおいて、親機1と子機2との間では、上述のようなAV/Cコマンドセットを用いて、各種の制御が行われる。但し、本実施の形態では、親機1と子機2との間で行われる制御のうち、既定のコマンドとレスポンスで対処できないものについては、新たなコマンドとレスポンスが定義されており、その新たなコマンドとレスポンスを用いて、各種の制御が行われる。
なお、以上のIEEE1394通信およびAV/Cコマンドセットについては、「WHITE SERISE No.181 IEEE1394マルチメディアインタフェース」株式会社トリケップス発行、にその詳細が説明されている。
次に、図22は、図1のスケーラブルTVシステムを利用したセキュリティシステムの構成例を示している。
図22の実施の形態では、セキュリティシステムは、複数のテレビジョン受像機でなるスケーラブルTVシステム161と、3台のカメラ(ビデオカメラ)1621,1622、および1623で構成されている。
スケーラブルTVシステム161は、例えば、図1AのスケーラブルTVシステムと同様に構成されている。
カメラ1621乃至1623それぞれは、例えば、ディジタルビデオカメラであり、画像を撮像するとともに、音声を収集し、その結果得られる画像データおよび音声データを、無線によって、スケーラブルTVシステム161を構成する所定のテレビジョン受像機に送信する。
なお、図22の実施の形態におけるセキュリティシステムは、3台のカメラ1621乃至1623を設けて構成されているが、セキュリティシステムを構成するカメラの数は、3台に限定されるものではなく、セキュリティシステムには、1台以上の任意の台数のカメラを設けることが可能である。
また、セキュリティシステムにおいて、カメラ162からの画像データおよび音声データを受信することのできるテレビジョン受像機の数は、最大で、スケーラブルTVシステムを161構成するテレビジョン受像機の数に等しい。このため、セキュリティシステムにおいて、スケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機の数を越える数のカメラ162を設置する場合には、そのテレビジョン受像機の数を越える数のカメラ162からの画像データおよび音声データは、スケーラブルTVシステム161において受信することはできない。但し、スケーラブルTVシステム161の各テレビジョン受像機において、画像データおよび音声データを受信するカメラを切り換えることは可能である。
ここで、以下、適宜、カメラ1621乃至1623を、特に区別する必要がない限り、カメラ162と記述する。
次に、図23は、図22のカメラ162の構成例を示している。
被写体からの光は、レンズ、フォーカスを調整する機構、および絞りを調整する機構等などで構成される光学系171に入射し、CCD(Charge Coupled Device)172の受光面上に集光される。CCD172は、光学系171からの光を光電変換することにより、電気信号としての画像データとして、アンプ173に供給する。アンプ173は、CCD172からの画像データを増幅し、A/D(Analog/Digital)変換部174に供給する。A/D変換部174は、アンプ173から供給されるアナログ信号としての画像データを、サンプリングして量子化する(A/D変換する)ことにより、ディジタル信号としての画像データに変換し、メモリ175に供給するメモリ175は、A/D変換部174からの画像データを一時記憶する。
一方、マイク176では、周辺の空気振動としての音声が、電気信号としての音声データに変換され、アンプ177に供給される。アンプ177は、マイク176からの音声データを増幅し、A/D変換部178に供給する。A/D変換部178は、アンプ177からのアナログ信号としての音声データをA/D変換することにより、ディジタルの音声データとし、メモリ179に供給する。メモリ179は、A/D変換部178からの音声データを一時記憶する。
無線インタフェース180は、図10で説明した無線インタフェース137Bと同一のインタフェースで、メモリ175と179それぞれに記憶された画像データおよび音声データを、無線により、スケーラブルTVシステム161を構成する所定のテレビジョン受像機に送信する。
なお、無線インタフェース137Bと180との間の無線通信には、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を採用することが可能である。この場合、カメラ1621乃至1623それぞれが、スケーラブルTVシステム161を構成するいずれのテレビジョン受像機に対して、画像データおよび音声データを送信するかは、IPアドレスによって指定することができる。
また、カメラ162は、可搬型のカメラとすることができる。この場合、ユーザは、カメラ162を、所望の場所を撮影することができるように、容易に設置することができる。
さらに、カメラ162では、MPEGその他の方式によって、画像データおよび音声データを符号化して送信するようにすることが可能である。
次に、図24のフローチャートを参照して、図22のスケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機としての親機1(図10)の処理について説明する。
まず最初に、ステップS41において、CPU129は、端子パネル21に、何らかの機器が接続されるか、または、IEEE1394インタフェース133もしくはIR受信部135から、何らかのコマンドが供給されるというイベントが生じたかどうかを判定し、何らのイベントも生じていないと判定した場合、ステップS41に戻る。
また、ステップS41において、端子パネル21に機器が接続されるイベントが生じたと判定された場合、ステップS42に進み、CPU129は、後述する図25の認証処理を行い、ステップS41に戻る。
ここで、端子パネル21に機器が接続されたかどうかを判定するには、端子パネル21に機器が接続されたことを検出する必要があるが、この検出は、例えば、次のようにして行われる。
即ち、端子パネル21(図3)に設けられたIEEE1394端子21ijに、(IEEE1394ケーブルを介して)機器が接続されると、そのIEEE1394端子21ijの端子電圧が変化する。IEEE1394インタフェース133は、この端子電圧の変化を、CPU129に報告するようになっており、CPU129は、IEEE1394インタフェース133から、端子電圧の変化の報告を受けることによって、端子パネル21に機器が新たに接続されたことを検出する。なお、CPU129は、例えば、同様の手法で、端子パネル21から機器が切り離されたことを認識する。
一方、ステップS41において、IEEE1394インタフェース133もしくはIR受信部135から、何らかのコマンドが供給されるイベントが生じたと判定された場合、ステップS43に進み、親機1では、そのコマンドに対応した処理が行われ、ステップS41に戻る。
次に、図25のフローチャートを参照して、親機1が図24のステップS42で行う認証処理について説明する。
親機1の認証処理では、端子パネル21に新たに接続された機器(以下、適宜、接続機器という)が、正当なIEEE1394機器であるかどうかについての認証と、そのIEEE1394機器が、親機または子機となるテレビジョン受像機(スケーラブル対応機)であるかどうかについての認証の2つの認証が行われる。
即ち、親機1の認証処理では、まず最初に、ステップS51において、CPU129は、IEEE1394インタフェース133を制御することにより、接続機器に対して、相互認証を行うことを要求する認証要求コマンドを送信させ、ステップS52に進む。
ステップS52では、CPU129は、認証要求コマンドに対応するレスポンスが、接続機器から返ってきたかどうかを判定する。ステップS52において、認証要求コマンドに対応するレスポンスが、接続機器から返ってきていないと判定された場合、ステップS53に進み、CPU129は、タイムオーバとなったかどうか、即ち、認証要求コマンドを送信してから所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS53において、タイムオーバであると判定された場合、即ち、認証要求コマンドを、接続機器に送信してから、所定の時間が経過しても、その接続機器から、認証要求コマンドに対応するレスポンスが返ってこない場合、ステップS54に進み、CPU129は、接続機器が正当なIEEE1394機器でなく、認証に失敗したとして、動作モードを、その接続機器との間では、何らのデータのやりとりも行わないモードである単体モードに設定して、リターンする。
従って、親機1は、その後、正当なIEEE1394機器でない接続機器との間では、IEEE1394通信は勿論、何らのデータのやりとりも行わない。
一方、ステップS53において、タイムオーバでないと判定された場合、ステップS52に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
そして、ステップS52において、認証要求コマンドに対応するレスポンスが、接続機器から返ってきたと判定された場合、即ち、接続機器からのレスポンスが、IEEE1394インタフェース133で受信され、CPU129に供給された場合、ステップS55に進み、CPU129は、所定のアルゴリズムにしたがって、乱数(疑似乱数)R1を生成し、IEEE1394インタフェース133を介して、接続機器に送信する。
その後、ステップS56に進み、CPU129は、ステップS55で送信した乱数R1に対して、その乱数R1を、所定の暗号化アルゴリズム(例えば、DES(Data Encryption Standard)や、FEAL(Fast data Encipherment Algorithm)、RC5などの秘密鍵暗号化方式)で暗号化した暗号化乱数E'(R1)が、接続機器から送信されてきたかどうかを判定する。
ステップS56において、接続機器から暗号化乱数E'(R1)が送信されてきていないと判定された場合、ステップS57に進み、CPU129は、タイムオーバとなったかどうか、即ち、乱数R1を送信してから所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS57において、タイムオーバであると判定された場合、即ち、乱数R1を、接続機器に送信してから、所定の時間が経過しても、その接続機器から、暗号化乱数E'(R1)が送信されてこない場合、ステップS54に進み、CPU129は、上述したように、接続機器が正当なIEEE1394機器でないとして、動作モードを単体モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS57において、タイムオーバでないと判定された場合、ステップS56に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
そして、ステップS56において、接続機器から暗号化乱数E'(R1)が送信されてきたと判定された場合、即ち、接続機器からの暗号化乱数E'(R1)が、IEEE1394インタフェース133で受信され、CPU129に供給された場合、ステップS58に進み、CPU129は、ステップS55で生成した乱数R1を、所定の暗号化アルゴリズムで暗号化し、暗号化乱数E(R1)を生成して、ステップS59に進む。
ステップS59では、CPU129は、接続機器から送信されてきた暗号化乱数E'(R1)と、自身がステップS58で生成した暗号化乱数E(R1)とが等しいかどうかを判定する。
ステップS59において、暗号化乱数E'(R1)とE(R1)とが等しくないと判定された場合、即ち、接続機器で採用されている暗号化アルゴリズム(必要に応じて、暗号化に用いられる秘密鍵も含む)が、CPU129で採用されている暗号化アルゴリズムと異なるものである場合、ステップS54に進み、CPU129は、上述したように、接続機器が正当なIEEE1394機器でないとして、動作モードを単体モードに設定して、リターンする。
また、ステップS59において、暗号化乱数E'(R1)とE(R1)とが等しいと判定された場合、即ち、接続機器で採用されている暗号化アルゴリズムが、CPU129で採用されている暗号化アルゴリズムと等しいものである場合、ステップS60に進み、CPU129は、接続機器が親機1の認証を行うための乱数R2が、接続機器から送信されてきたかどうかを判定する。
ステップS60において、乱数R2が送信されてきていないと判定された場合、ステップS61に進み、CPU129は、タイムオーバとなったかどうか、即ち、例えば、ステップS59で暗号化乱数E'(R1)とE(R1)とが等しいと判定されてから、所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS61において、タイムオーバであると判定された場合、即ち、相当の時間が経過しても、接続機器から、乱数R2が送信されてこない場合、ステップS54に進み、CPU129は、上述したように、接続機器が正当なIEEE1394機器でないとして、動作モードを単体モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS61において、タイムオーバでないと判定された場合、ステップS60に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
そして、ステップS60において、接続機器から、乱数R2が送信されてきたと判定された場合、即ち、接続機器からの乱数R2が、IEEE1394インタフェース133で受信され、CPU129に供給された場合、ステップS62に進み、CPU129は、乱数R2を所定の暗号化アルゴリズムで暗号化し、暗号化乱数E(R1)を生成して、IEEE1394インタフェース133を介して、接続機器に送信する。
ここで、ステップS60において、接続機器から乱数R2が送信されてきた時点で、接続機器が正当なIEEE1394機器であることの認証が成功する。
その後、ステップS63に進み、CPU129は、IEEE1394インタフェース133を制御することにより、接続機器の機器IDと機能情報を要求する機能情報要求コマンドとともに、自身の機器IDと機能情報を、接続機器に送信する。
ここで、機器IDは、親機1や子機2となるテレビジョン受像機を特定するユニークなIDである。
また、機能情報は、自身の機能に関する情報で、例えば、外部から受け付けるコマンドの種類(例えば、電源のオン/オフ、音量調整、チャンネル、輝度、シャープネスなどを制御するコマンドのうちのいずれを外部から受け付けるか)、管面表示(OSD表示)が可能かどうか、ミュート状態になり得るかどうか、スリープ状態となり得るかどうかなどといった情報が含まれる。さらに、機能情報には、自身が親機としての機能を有するのか、または子機としての機能を有するのかといった情報も含まれる。
なお、親機1では、機器IDおよび機能情報は、例えば、EEPROM130や、図15に示したコンフィギレーションROMのvendor_dependent_informationなどに記憶させておくことができる。
その後、ステップS64に進み、CPU129は、ステップS63で接続機器に送信した機能情報要求コマンドに対応して、その接続機器が、機器IDと機能情報を送信してくるのを待って、その機器IDと機能情報を、IEEE1394インタフェース133を介して受信し、EEPROM130に記憶させて、ステップS65に進む。
ステップS65では、CPU129は、EEPROM130に記憶された機能情報を参照することにより、接続機器が子機であるかどうかを判定する。ステップS65において、接続機器が子機であると判定された場合、即ち、接続機器が子機であることの認証に成功した場合、ステップS66およびS67をスキップして、ステップS68に進み、CPU129は、動作モードを、全画面表示を可能とする全画面表示可能モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS65において、接続機器が子機でないと判定された場合、ステップS66に進み、CPU129は、EEPROM130に記憶された機能情報を参照することにより、接続機器が親機であるかどうかを判定する。ステップS66において、接続機器が親機であると判定された場合、即ち、接続機器が親機であることの認証に成功した場合、ステップS67に進み、CPU129は、親機である接続機器との間で親子調整処理を行う。
即ち、この場合、親機1に、他の親機が接続されていることから、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機の中に、親機として機能するものが、2台存在することになる。本実施の形態では、スケーラブルTVシステムにおける親機は1台である必要があり、このため、ステップS67では、親機1と、接続機器としての親機との間で、いずれが親機としてのテレビジョン受像機として機能するかを決定する親子調整処理が行われる。
具体的には、例えば、より早く、スケーラブルTVシステムを構成することとなった親機、つまり、本実施の形態では、親機1が、親機としてのテレビジョン受像機として機能するように決定される。なお、親機として機能するように決定されなかった他の親機は、子機として機能することとなる。
ステップS67で親子調整処理が行われた後は、ステップS68に進み、CPU129は、上述したように、動作モードを、全画面表示可能モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS66において、接続機器が親機でないと判定された場合、即ち、接続機器が親機および子機のいずれでもなく、従って、接続機器が親機または子機であることの認証に失敗した場合、ステップS69に進み、CPU129は、動作モードを、接続機器との間で、既定のAV/Cコマンドセットのやりとりは可能であるが、全画面表示を行うための制御コマンドのやりとりはできない通常機能コマンド受付/提供モードに設定して、リターンする。
即ち、この場合、接続機器は、親機および子機のいずれでもないため、そのような接続機器が、親機1に接続されても、全画面表示の機能は提供されない。但し、この場合、接続機器は、正当なIEEE1394機器ではあることから、親機1と接続機器との間における既定のAV/Cコマンドセットのやりとりは許可される。従って、この場合、親機1と接続機器については、他方(あるいは、親機1に接続されている他のIEEE1394機器)から、既定のAV/Cコマンドセットによって制御することは可能である。
次に、図26のフローチャートを参照して、図22のスケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機としての子機2(図11)の処理について説明する。
まず最初に、ステップS71において、CPU149は、端子パネル41に、何らかの機器が接続されるか、または、IEEE1394インタフェース153もしくはIR受信部155から、何らかのコマンドが供給されるというイベントが生じたかどうかを判定し、何らのイベントも生じていないと判定した場合、ステップS71に戻る。
また、ステップS71において、端子パネル41に機器が接続されるイベントが生じたと判定された場合、ステップS72に進み、CPU149は、後述する図27の認証処理を行い、ステップS71に戻る。
ここで、端子パネル41に機器が接続されたかどうかを判定するには、端子パネル41に機器が接続されたことを検出する必要があるが、この検出は、例えば、図24のステップS41で説明した場合と同様に行われる。
一方、ステップS71において、IEEE1394インタフェース153もしくはIR受信部155から、何らかのコマンドが供給されるイベントが生じたと判定された場合、ステップS73に進み、子機2では、そのコマンドに対応した処理が行われ、ステップS71に戻る。
次に、図27のフローチャートを参照して、子機2が図26のステップS72で行う認証処理について説明する。
子機2の認証処理では、端子パネル41に新たに接続された機器(接続機器)が、正当なIEEE1394機器であるかどうかについての認証と、そのIEEE1394機器が、親機であるかどうかについての認証の2つの認証が行われる。
即ち、子機2の認証処理では、まず最初に、ステップS81において、CPU149は、接続機器から、相互認証を行うことを要求する認証要求コマンドが送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS82に進む。
ステップS82では、CPU149は、タイムオーバとなったかどうか、即ち、認証処理を開始してから所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS82において、タイムオーバであると判定された場合、即ち、認証処理を開始してから、所定の時間が経過しても、接続機器から、認証要求コマンドが送信されてこない場合、ステップS83に進み、CPU149は、接続機器が正当なIEEE1394機器でなく、認証に失敗したとして、動作モードを、その接続機器との間では、何らのデータのやりとりも行わないモードである単体モードに設定して、リターンする。
従って、子機2は、親機1と同様に、正当なIEEE1394機器でない接続機器との間では、IEEE1394通信は勿論、何らのデータのやりとりも行わない。
一方、ステップS82において、タイムオーバでないと判定された場合、ステップS81に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
そして、ステップS81において、認証要求コマンドが、接続機器から送信されてきたと判定された場合、即ち、図25のステップS51で接続機器としての親機1から送信されてくる認証要求コマンドが、IEEE1394インタフェース153で受信され、CPU149に供給された場合、ステップS84に進み、CPU149は、IEEE1394インタフェース153を制御することにより、認証要求コマンドに対するレスポンスを、接続機器に送信させる。
ここで、本実施の形態では、図25におけるステップS51乃至S53の処理を親機1に、図27のステップS81,S82、およびS84の処理を子機2に、それぞれ行わせるようにしたが、図25におけるステップS51乃至S53の処理は子機2に、図27のステップS81,S82、およびS84の処理は親機1に、それぞれ行わせるようにすることも可能である。
その後、ステップS85に進み、CPU149は、接続機器から、乱数R1が送信されてきたかどうかを判定し、送信されてきていないと判定した場合、ステップS86に進む。
ステップS86では、CPU149は、タイムオーバとなったかどうか、即ち、ステップS84で認証要求コマンドに対するレスポンスを送信してから所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS86において、タイムオーバであると判定された場合、即ち、認証コマンドに対するレスポンスを送信してから、所定の時間が経過しても、接続機器から、乱数R1が送信されてこない場合、ステップS83に進み、CPU149は、上述したように、接続機器が正当なIEEE1394機器でないとして、動作モードを、その接続機器との間では、何らのデータのやりとりも行わないモードである単体モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS86において、タイムオーバでないと判定された場合、ステップS85に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
そして、ステップS85において、接続機器から乱数R1が送信されてきたと判定された場合、即ち、図25のステップS55で接続機器としての親機1から送信されてくる乱数R1が、IEEE1394インタフェース153で受信され、CPU149に供給された場合、ステップS87に進み、CPU149は、その乱数R1を、所定の暗号化アルゴリズムで暗号化し、暗号化乱数E'(R1)を生成する。さらに、ステップS87では、CPU149は、IEEE1394インタフェース153を制御することにより、暗号化乱数E'(R1)を、接続機器に送信し、ステップS89に進む。
ステップS89では、CPU149は、乱数(疑似乱数)R2を生成し、IEEE1394インタフェース153を制御することにより、乱数R2を接続機器に送信させ、ステップS90に進む。
ステップS90では、CPU149は、接続機器としての親機1が図25のステップS62で生成する、乱数R2を暗号化した暗号化乱数E(R2)が、接続機器から送信されてきたかどうかを判定する。
ステップS90において、接続機器から暗号化乱数E(R2)が送信されてきていないと判定された場合、ステップS91に進み、CPU149は、タイムオーバとなったかどうか、即ち、乱数R2を送信してから所定の時間が経過したかどうかを判定する。
ステップS91において、タイムオーバであると判定された場合、即ち、乱数R2を、接続機器に送信してから、所定の時間が経過しても、その接続機器から、暗号化乱数E(R2)が送信されてこない場合、ステップS83に進み、CPU149は、上述したように、接続機器が正当なIEEE1394機器でないとして、動作モードを単体モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS91において、タイムオーバでないと判定された場合、ステップS90に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
そして、ステップS90において、接続機器から暗号化乱数E(R2)が送信されてきたと判定された場合、即ち、接続機器からの暗号化乱数E(R2)が、IEEE1394インタフェース153で受信され、CPU149に供給された場合、ステップS92に進み、CPU149は、ステップS89で生成した乱数R2を、所定の暗号化アルゴリズムで暗号化し、暗号化乱数E'(R2)を生成して、ステップS93に進む。
ステップS93では、CPU149は、接続機器から送信されてきた暗号化乱数E(R2)と、自身がステップS92生成した暗号化乱数E'(R2)とが等しいかどうかを判定する。
ステップS93において、暗号化乱数E(R2)とE'(R2)とが等しくないと判定された場合、即ち、接続機器で採用されている暗号化アルゴリズム(必要に応じて、暗号化に用いられる秘密鍵も含む)が、CPU149で採用されている暗号化アルゴリズムと異なるものである場合、ステップS83に進み、CPU149は、上述したように、接続機器が正当なIEEE1394機器でないとして、動作モードを単体モードに設定して、リターンする。
また、ステップS93において、暗号化乱数E(R2)とE'(R2)とが等しいと判定された場合、即ち、接続機器で採用されている暗号化アルゴリズムが、CPU149で採用されている暗号化アルゴリズムと等しいものであり、これにより、接続機器が正当なIEEE1394機器であることの認証が成功した場合、ステップS94に進み、CPU149は、接続機器としての親機1が、図25のステップS63で機能情報要求コマンドとともに送信してくる機器IDおよび機能情報を、IEEE1394インタフェース153を介して受信し、EEPROM150に記憶させる。
そして、ステップS95に進み、CPU149は、IEEE1394インタフェース153を制御することにより、ステップS94で受信した接続機器からの機能情報要求コマンドに対応して、自身の機器IDと機能情報を、接続機器に送信させ、ステップS96に進む。
ここで、子機2では、機能IDと機能情報は、図25で説明した親機1における場合と同様に、EEPROM150や、図15に示したコンフィギレーションROMのvendor_dependent_informationなどに記憶させておくことができる。
ステップS96では、CPU149は、EEPROM150に記憶された機能情報を参照することにより、接続機器が親機であるかどうかを判定する。ステップS96において、接続機器が親機であると判定された場合、即ち、接続機器が親機であることの認証に成功した場合、ステップS97に進み、CPU149は、動作モードを、図25のステップS68で説明した全画面表示可能モードに設定して、リターンする。
一方、ステップS96において、接続機器が親機でないと判定された場合、即ち、接続機器が親機であることの認証に失敗した場合、ステップS98に進み、CPU149は、動作モードを、接続機器との間で、既定のAV/Cコマンドセットのやりとりは可能であるが、全画面表示を行うための制御コマンドのやりとりはできない通常機能コマンド受付/提供モードに設定して、リターンする。
即ち、この場合、接続機器は、親機でないため、そのような接続機器が、子機2に接続されても、全画面表示の機能は提供されない。従って、子機2に、他の子機が接続されただけでは、全画面表示の機能は提供されない。但し、この場合、接続機器は、正当なIEEE1394機器ではあることから、子機2と接続機器との間における既定のAV/Cコマンドセットのやりとりは許可される。従って、この場合、子機2と接続機器(他の子機を含む)については、他方から、既定のAV/Cコマンドセットによって制御することは可能である。
次に、図22のスケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機としての親機1と子機2で、図25と図27で説明した認証処理がそれぞれ成功し、親機1および子機2が、その動作モードを、全画面表示可能モードとした場合、スケーラブルTVシステム161では、図28に示すような全画面表示が可能となる。
即ち、例えば、いま、図28Aに示すように、親機1に画像データが表示されている場合において、リモコン15(または35)が操作されることにより、全画面表示が指令されると、スケーラブルTVシステム161では、図28Bに示すように、そのスケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機の全表示画面に亘って、親機1に表示されていた画像データが表示される。
具体的には、親機1において、例えば、ある番組の画像と音声が出力される(画像が表示され、音声が出力される)が出力されている場合に、ユーザが、リモコン15(図7)のメニューボタンスイッチ54をオンとするように操作すると、リモコン15において、ユーザの操作に対応する赤外線が出射される。この赤外線は、親機1(図10)のIR受信部135で受信され、親機1のCRT11には、メニュー画面が表示される。このメニュー画面には、例えば、全画面表示を表すアイコン(以下、適宜、全画面表示アイコンという)が表示されるようになっており、ユーザが、この全画面表示アイコンを、リモコン15を操作してクリックすることにより、親機1と子機2それぞれにおいて、全画面表示が行われる。
即ち、この場合、親機1(図10)のCPU129は、CRT11に表示される画像データの領域のうち、自身が表示すべき画像データの領域と、各子機2ijが表示すべき画像データの領域を求める。さらに、親機1のCPU129は、IEEE1394インタフェース133を制御することにより、各子機2ijに対して、その子機2ijで表示すべき画像データを、全画面表示を指令する全画面表示コマンドとともに送信する。そして、親機1のCPU129は、自身が表示すべき領域の画像データを、例えば補間等することによって、CRT11の全体に表示される大きさの画像データに変換し、セレクタ128およびNTSCエンコーダ128を介して、CRT11に供給して表示させる。各子機2ijでも、親機1からの全画面表示コマンドにしたがい、親機1における場合と同様の処理が行われ、これにより、CRT31の全体に、親機1からの画像データを表示する。
以上により、スケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機では、図28Bに示したように、その表示画面の全体に亘って、画像データが表示される。
ここで、いま、スケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機の表示画面の全体に亘って表示される画像データを、全画面画像データというものとすると、スケーラブルTVシステム161では、全画面画像データの一部が表示されない。即ち、スケーラブルTVシステム161においては、実際には、そのスケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機の筐体が存在するから、隣接するテレビジョン受像機どうしの、その隣接部分は筐体であり、その部分には、画像は表示されない。つまり、図28では、図を簡略化するため、隣接するテレビジョン受像機どうしの間に存在する筐体部分を省略しているが、実際には、隣接するテレビジョン受像機どうしの間には、筐体が存在し、従って、全画面画像データは、僅かではあるが、テレビジョン受像機の筐体部分で表示されず、いわば区切られたものとなるという問題点がある。
しかしながら、人間の視覚には、画像の一部に、その視聴を妨げる微小幅のラインがあっても、そのラインで隠されている部分の画像を、その周辺の画像から補間する補間作用があるため、上述した問題点は、全画面画像データを視聴する上で、それほど大きな問題とはならない。
なお、以上のようにして、全画面画像データが表示された後、例えば、ユーザが、リモコン15(図7)を操作することにより、CRT11にメニュー画面を表示させ、さらに、そのメニュー画面における全画面表示アイコンを再クリックし、これにより、そのリモコン15の操作に対応するコマンドとしての全画面表示の終了を指令する全画面表示終了コマンドの赤外線が、リモコン15から出射され、IR受信部135で受信されてCPU129に供給された場合、親機1の表示は、図28Aに示したように、通常サイズの表示に戻る。また、この場合、親機1から各子機2ijに対しては、IEEE1394インタフェース133を介して、全画面表示終了コマンドが送信され、これにより、各子機2ijの表示も元に戻る。
ここで、本実施の形態では、図25および図27で説明した認証が成功した場合にのみ、全画面表示の機能を提供するようにしたが、認証が失敗した場合であっても、全画面表示の機能を提供するようにすることが可能である。
次に、親機1のセキュリティシステム部137(図10)が、ユーザに、緊急事態の発生を警告するために行う処理について説明する。
なお、子機2のセキュリティシステム部157(図11)でも、ユーザに、緊急事態の発生を警告させるための処理が行われるが、その処理は、親機1のセキュリティシステム部137における場合と同様であるため、その説明は省略する。
また、ユーザに、緊急事態の発生を警告するために行う処理は、親機1または子機2としてのテレビジョン受像機単独で行うことが可能であるが、全画面表示の機能を提供する場合と同様に、図25および図27で説明した認証が成功した場合にのみ行うようにすることも可能である。
まず、図29は、図10におけるセキュリティシステム部137のデータ処理部137Cの構成例を示している。
セキュリティシステム部137において、無線インタフェース137Bで受信されたカメラ162からの画像データと音声データは、それぞれ、画像処理部191と音声処理部192に供給される。
画像処理部191は、無線インタフェース137Bから供給される画像データの特徴量を、例えば、フレームまたはフィールドごとに検出し、変動算出部194に供給する。
即ち、画像処理部191は、フレームメモリ201、差分演算部202、および差分メモリ203で構成されている。フレームメモリ201は、メモリコントローラ193の制御にしたがい、無線インタフェース137Bから供給される画像データを一時記憶する。差分演算部202は、フレームメモリ201に記憶された画像データの時系列のフレームを、順次、注目フレームとして、その注目フレームと、その注目フレームの1フレーム前のフレーム(以下、適宜、前フレームという)の画像データどうしの差分を演算し、その差分値でなる差分画像データを、差分メモリ203に供給する。差分メモリ203は、差分演算部202から供給される、フレーム単位の差分画像データを一時記憶する。
音声処理部192は、無線インタフェース137Bから供給される音声データの特徴量を、所定のフレームごとに検出し、変動算出部194に供給する。
即ち、音声処理部192は、リングバッファ206、積分演算部207、および積分メモリ208で構成されている。リングバッファ206は、メモリコントローラ193の制御にしたがい、無線インタフェース137Bから供給される音声データを一時記憶する。積分演算部207は、リングバッファ206に記憶された時系列の音声データの所定数のサンプルでなるフレームを、順次、注目フレームとして、その注目フレームを構成する音声データのサンプルを積分し(加算し)、その積分値を、積分メモリ208に供給する。積分メモリ208は、積分演算部207から供給される、フレーム単位の音声データの積分値を一時記憶する。
なお、積分演算部207には、フレームごとの音声データの積分値を演算させる他、例えば、フレームを構成する音声データの所定の1サンプルを抽出させるようにすることも可能である。
メモリコントローラ193は、画像処理部191のフレームメモリ201と、音声処理部192のリングバッファ206における書き込みアドレスおよび読み出しアドレスを制御する。
変動算出部194は、画像処理部191の差分メモリ203から、フレームごとの差分画像データを、そのフレームの画像データの特徴量として読み出すとともに、音声処理部192の積分メモリ208から、フレームごとの積分値を、そのフレームの音声データの特徴量として読み出す。さらに、変動算出部194は、画像データの特徴量の変動成分と、音声データの特徴量の変動成分とを求め、これらを、変動情報として、後段の警告処理部137D(図10)に供給する。
以上のように構成されるデータ処理部137Cでは、無線インターフェース137Bから供給される画像データと音声データを処理する画像データ処理と音声データ処理が行われる。
そこで、図30のフローチャートを参照して、データ処理部137Cが行う画像データ処理および音声データ処理について説明する。
まず、図30Aのフローチャートを参照して、画像データ処理について説明する。
画像データ処理では、まず最初に、ステップS101において、フレームメモリ201が、無線インタフェース137Bから供給される1フレームの画像データを記憶し、ステップS102に進む。ステップS102では、差分演算部202が、直前のステップS101の処理でフレームメモリ201に記憶された画像データのフレームを注目フレームとして、その注目フレームの画像データを読み出すとともに、前回のステップS101の処理でフレームメモリ201に記憶された前フレームの画像データを読み出す。さらに、ステップS102では、差分演算部202は、注目フレームの画像データを構成する各画素の画素値から、前フレームの画像データを構成する対応する画素の画素値を減算し、さらに、その減算値の絶対値をとることで、その絶対値を画素値とする差分画像データを生成する。この注目フレームの差分画像データは、差分メモリ203に供給されて記憶される。
その後、ステップS103に進み、変動算出部194は、差分メモリ203から、注目フレームの差分画像データを読み出し、2値化する。即ち、変動算出部194は、差分画像データを構成する各画素の画素値を所定の閾値と比較する。さらに、変動算出部194は、画素値が、所定の閾値よりも大(または以上)である場合、その画素値を、例えば1とし、画素値が、所定の閾値以下(または未満)である場合、その画素値を、例えば0として、ステップS104に進む。
ステップS104では、変動算出部194は、注目フレームについての、上述のような0と1の画素値でなる画像データ(以下、適宜、2値化画像データという)における所定の画素数をカウントする。即ち、変動算出部194は、2値化画像データにおける、0と1のうちの、例えば1の画素値の画素の数をカウントし、これを、注目フレームの画像データの変動情報として、警告処理部237Dに出力する。
その後、無線インタフェース137Bから、次のフレームの画像データが供給されるのを待って、ステップS101に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
次に、図30Bのフローチャートを参照して、音声データ処理について説明する。
音声データ処理では、まず最初に、ステップS111において、リングバッファ206が、無線インタフェース137Bから供給される1フレーム分の音声データを記憶し、ステップS112に進む。ステップS112では、積分演算部207が、直前のステップS111の処理でリングバッファ206に記憶された音声データのフレームを注目フレームとして、その注目フレームの音声データを読み出し、その注目フレームの音声データのサンプルの総和、即ち、積分値を演算する。この音声データの積分値は、積分メモリ208に供給されて記憶される。
その後、ステップS113に進み、変動算出部194は、積分メモリ208から、注目フレームとその1フレーム前のフレーム(前フレーム)の音声データの積分値を読み出し、それらの差分を求める。そして、変動算出部194は、その差分値を、注目フレームの音声データの変動情報として、警告処理部237Dに出力する。
その後、無線インタフェース137Bから、次のフレームの音声データが供給されるのを待って、ステップS111に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
次に、図31は、図10の警告処理部137Dの構成例を示している。
変動情報記憶部211は、図29および図30で説明したようにして、データ処理部137Cから供給される画像データと音声データの変動情報を、一時記憶する。
変動情報解析部212は、変動情報記憶部211に記憶された画像データと音声データの変動情報を解析し、これにより、画像データと音声データの特徴量の時間的変動成分を求め、異常判定部213に供給する。
異常判定部213は、変動情報解析部212から供給される画像データや音声データの特徴量の時間的変動成分が、異常条件記憶部214に記憶された異常条件を満たすかどうかを判定し、その判定結果を、警告処理要求部215に供給する。
警告処理要求部215は、異常判定部213からの判定結果に基づき、ユーザに、緊急事態(異常)の発生を警告する警告処理を行うことを、セキュリティコントローラ137(図10)に要求する。
異常条件記憶部214は、異常判定部213が、異常が発生したと判定するために、画像データや音声データの特徴量の時間的変動成分が満たすべき異常条件を記憶する。
なお、異常条件記憶部214には、異常条件を、あらかじめ設定しておくようにすることもできる他、ユーザが設定した異常条件を記憶させるようにすることも可能である。即ち、ユーザは、例えば、リモコン15を操作することにより、異常条件を入力することが可能であり、リモコン15を操作することにより入力された異常条件は、IR受信部135、CPU129、およびセキュリティコントローラ137Aを介して、警告処理部137Dの異常条件記憶部214に供給されて記憶される。
以上のように構成される警告処理部137Dでは、画像データまたは音声データの変動情報に基づいて、異常が発生したかどうかを判定し、異常が発生した場合には、ユーザに、その警告を行う異常判定/警告処理が行われる。
そこで、図32のフローチャートを参照して、警告処理部137Dが行う異常判定/警告処理について説明する。
変動情報記憶部211には、その前段のデータ処理部137Cが出力する画像データと音声データの変動情報が順次供給され、変動情報記憶部211では、その変動情報が一時記憶される。
そして、変動情報解析部212は、ステップS121において、変動情報記憶部212に記憶された画像データと音声データの変動情報を解析し、これにより、画像データと音声データの特徴量の時間的変動成分を求め、異常判定部213に供給して、ステップS122に進む。
ステップS122では、異常判定部213は、変動情報解析部212から供給される画像データまたは音声データの特徴量の時間的変動成分が、異常条件記憶部214に記憶された異常条件を満たすかどうかを判定する。
ステップS122において、変動情報解析部212から供給される画像データまたは音声データの特徴量の時間的変動成分が異常条件を満たさないと判定された場合、次の画像データと音声データの変動情報が、変動情報記憶部211に記憶されるのを待って、ステップS121に戻る。
また、ステップS122において、変動情報解析部212から供給される画像データまたは音声データの特徴量の時間的変動成分が異常条件を満たすと判定された場合、異常判定部213は、異常条件が満たされる旨の判定結果を、警告処理要求部215に供給して、ステップS123に進む。
ステップS123では、警告処理要求部215は、異常判定部213からの、異常条件が満たされる旨の判定結果に対応して、ユーザに、緊急事態の発生を警告する警告処理を行うことを、セキュリティコントローラ137(図10)に要求する。そして、次の画像データと音声データの変動情報が、変動情報記憶部211に記憶されるのを待って、ステップS121に戻る。
次に、図33および図34を参照して、異常判定部213の処理について、さらに説明する。
異常判定部213では、画像データや音声データの変動情報が、例えば、いままでと異なる傾向で変化した場合に、異常条件が満たされる旨の判定が行われるようになっている。
即ち、変動情報解析部212は、例えば、それほど大きく変動していなかった変動情報が、突然大きな変動を生じた場合や、ある程度の変動していた変動情報が、突然変動しなくなった場合に、異常条件が満たされる旨の判定を行う。
ここで、それほど大きく変動していなかった変動情報が、突然大きな変動を生じたかどうかの判定は、例えば、変動情報解析部212において、変動情報を微分し(時系列に連続する変動情報の隣接するものどうしの差分を演算し)、異常判定部213において、その微分値の絶対値が、所定の閾値以上であるかどうかを判定することによって行うことが可能である。なお、この場合、所定の閾値が、異常条件として、異常条件記憶部214に記憶される。
また、ある程度の変動していた変動情報が、突然変動しなくなったかどうかの判定は、例えば、異常判定部213において、変動情報が0に近い値である時間が、所定の時間以上継続したかどうかを判定することによって行うことができる。なお、この場合、所定の時間が、異常条件として、異常条件記憶部214に記憶される。
図33は、カメラ162で撮影される画像データと、その画像データの変動情報の例を示している。
例えば、図33Aに示すように、高齢者が部屋を歩いている様子が、カメラ162で撮影されている場合、画像データの変動情報は、図33Bに示すように、緩やかに変動するものとなる。そして、例えば、図33Cに示すように、部屋の中を歩いていた高齢者が突然倒れた様子が、カメラ162で撮影された場合、画像データの変動情報は、図33Dに示すように、大きく変化し、その後、ほとんど0になる。
従って、画像データの変動情報が、突然、所定の閾値を越えたこと、即ち、画像データの変動情報の微分値が、所定の閾値以上となったことを、異常条件とすることにより、高齢者が倒れたという異常状態を検知することができる。このような異常状態を、ユーザに警告することにより、倒れた高齢者の介護(救助)を迅速に行うことが可能となる。
なお、図33Cに示したように、人が突然倒れた場合には、画像データの変動情報が、突然、所定の閾値を越え、その直後、0に近い値となる。従って、画像データの変動情報の微分値が、所定の閾値以上となり、かつ、その後、画像データの変動情報が0に近い値となり、その0に近い値が所定の時間以上継続したことを、異常条件とすることによっても、人が倒れたという異常状態を検知することができる。
次に、図34は、カメラ162で撮影される画像データおよび音声データと、その画像データおよび音声データの変動情報の例を示している。
例えば、図34Aに示すように、乳児が部屋の中を這い這いしている様子が、カメラ162で撮影されている場合、画像データと音声データの変動情報は、図34Bと図34Cにそれぞれ示すように、緩やかに変動するものとなる。そして、例えば、図33Dに示すように、部屋の中を這い這いしていた乳児が寝てしまった様子が、カメラ162で撮影された場合、画像データおよび音声データの変動情報は、図34Eと図34Fにそれぞれ示すように、ほとんど0に近い値となって、あまり変化しなくなる。
従って、この場合、画像データおよび音声データの変動情報が、0に近い値となり、その0に近い値が所定時間以上継続したことを、異常条件とすることにより、乳児が寝てしまったという異常状態を検知することができる。このような異常状態を、ユーザに警告することにより、乳児に毛布をかける等の処置を、迅速にとることができる。
また、図34Gに示すように、寝ている幼児が、突然起きて泣き出してしまった場合、カメラ162で撮影された画像データと音声データの変動情報は、図34Hと図34Iにそれぞれ示すようなものとなる。
即ち、この場合、泣き出した幼児は、寝ている場合よりは動くものの、這い這いしている場合よりは動かないため、画像データの変動情報は、図34Hに示したように、それほど大きく変化しない。
しかしながら、寝ている幼児が泣き出した場合には、間欠的に泣き声をだすため、音声データの変動情報は、図34Iに示したように、突然大きな値となり、その大きな値となっている状態が所定の時間継続する。
従って、この場合、音声データの変動情報が、急激に、大きな値に変化し、その大きな値となっている状態が所定の時間継続したことを、異常条件とすることにより、幼児が起きて泣き出したという異常状態を検知することができる。このような異常状態を、ユーザに警告することにより、幼児が起きたことを、迅速に知らせることができる。
次に、図31および図32で説明したように、警告処理部137Dでは、異常条件が満たされる異常状態が発生した場合には、ユーザに、緊急事態の発生を警告する警告処理を行うことを、セキュリティコントローラ137A(図10)に要求するが、この警告処理の要求(警告処理要求)を受けた場合に、セキュリティコントローラ137Aが行う警告処理について、図35および図36を参照して説明する。
セキュリティコントローラ137Aは、警告処理要求を受信すると、例えば、セレクタ127に、無線インタフェース137Aが出力する画像データと音声データを選択させるように、CPU129に要求する。
これにより、セレクタ127は、無線インタフェース137Aが出力する画像データと音声データを選択し、NTSCエンコーダ128とアンプ138にそれぞれ供給する。NTSCエンコーダ128に供給された画像データは、CRT11に供給されて表示され、アンプ138に供給された音声データは、スピーカユニット12Lおよび12Rに供給されて出力される。
その結果、CRT11では、無線インタフェース137Bで受信されたカメラ162からの画像データが表示され、スピーカ12Lおよび12Rからは、無線インタフェース137Bで受信されたカメラ162からの音声データが出力される。
即ち、例えば、いま、図35Aに示すように、スケーラブルTVシステム161を構成する親機1と各子機2ijにおいて、所定のチャンネルのテレビジョン放送番組としての画像データと音声データが出力されている場合において、子機213の警告処理157Dからセキュリティコントローラ157Aに対して、警告処理要求が出力されたとすると、子機213のCRT31の表示が、図35Bに示すように、そこで受信されていたテレビジョン放送番組としての画像データから、その子機213に画像データおよび音声データを送信しているカメラ162からの画像データに切り換えられる。ここで、図35の実施の形態では、子機213のCRT31の表示が、テレビジョン放送番組としての画像データから、カメラ162からの、人が倒れている状態を表示している画像データに切り換えられている。
さらに、この場合、子機213では、カメラ162からの音声データが、スピーカユニット32Lおよび32R(図11)から出力される。
この場合、ユーザは、テレビジョン放送番組を視聴していても、子機213に、画像データおよび音声データを送信しているカメラ162で撮像されている環境において、何らかの異常が発生したことを即座に認識することができる。
なお、スピーカユニット32Lおよび32Rからは、カメラ162からの音声データに代えて、図35Bに示すように、所定の警告音(ピピピピピ・・・)を出力させるようにすることが可能である。
また、上述の場合には、子機213のCRT31の表示を、図35Bに示したように、そこで受信されていたテレビジョン放送番組としての画像データから、カメラ162からの画像データに切り換えるようにしたが、その他、例えば、子機213の電源がオフになっている場合には、子機213の電源をオンにし、さらに、カメラ162からの画像データを、そのCRT31に表示するようにすることが可能である。
さらに、スケーラブルTVシステム161では、異常があった環境で撮影を行っているカメラ162からの画像データおよび音声データを受信しているテレビジョン受像機に、そのカメラ162からの画像データを表示させる他、図36に示すように、そのカメラ162からの画像データを全画面表示するようにすることが可能である。
即ち、例えば、いま、図36Aに示すように、スケーラブルTVシステム161を構成する親機1と各子機2ijにおいて、所定のチャンネルのテレビジョン放送番組としての画像データと音声データが出力されている場合において、スケーラブルTVシステム161を構成する任意のテレビジョン受像機で、警告処理要求が出力されたときには、スケーラブルTVシステム161を構成するすべてのテレビジョン受像機の表示を切り替え、これにより、図36Bに示すように、警告処理要求が出力されたテレビジョン受像機が受信しているカメラ162からの画像データを、全画面表示させることができる。
この場合も、ユーザは、何らかの異常が発生したことを即座に認識することができる。
なお、全画面表示が行われる場合、いずれのカメラ162で撮像が行われている環境で、異常が発生しているのかが分からないため、異常が発生している環境を撮像しているカメラ162からの画像データと音声データを受信している、スケーラブルTVシステム161のテレビジョン受像機では、その表示画面の一部または全部に、異常が発生している旨のメッセージ等を表示するようにするのが望ましい。
また、全画面表示は、例えば、緊急度の高い異常が発生した場合に行うようにすることが可能である。即ち、緊急度が高くない異常が発生した場合には、図35で説明したように、その異常が発生した環境の撮影を行っているカメラ162からの画像データおよび音声データを受信しているテレビジョン受像機の表示のみを切り替え、緊急度が高い異常が発生した場合には、スケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機すべての表示を切り替え、図36に示したように全画面表示を行うようにすることが可能である。全画面表示では、画像が大きく表示されるため、ユーザに緊急度の高い異常が発生したことを認識させることができる。
また、異常の緊急度によって、スケーラブルTVシステム161で表示する、その異常が発生した環境の撮影を行っているカメラ162からの画像データ(以下、適宜、緊急画像データという)の大きさを変えることが可能である。即ち、緊急度が低の場合には、スケーラブルTVシステム161を構成する1のテレビジョン受像機の表示画面の大きさで、緊急度が中の場合には、隣接する2×2のテレビジョン受像機の表示画面の大きさで、緊急度が高の場合には、隣接する3×3のテレビジョン受像機の表示画面の大きさで、緊急画像データを表示することが可能である。
ここで、緊急度の高低は、異常条件とともに、異常条件記憶部214(図31)に記憶させておくことができ、この場合、満たされた異常条件によって、緊急度の高低を認識することが可能となる。
次に、図37は、スケーラブルTVシステム161を構成する親機1としてのテレビジョン受像機の他の構成例を示している。なお、図中、図10における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図37の親機1は、警告表示部139が新たに設けられている他は、図10における場合と同様に構成されている。
警告表示部139は、CPU129の制御にしたがい、点灯または点滅するようになっている。
なお、図11に示した子機2としてのテレビジョン受像機も、図37に示した親機1における場合と同様に、警告表示部を設けて構成することができる。
親機1に警告表示部139を設けるとともに、子機2にも警告表示部を設けて、スケーラブルTVシステム161を構成する場合には、図38に示すように、異常が発生した場合に、警告表示部139を点灯または点滅させることができる。
即ち、例えば、いま、図38Aに示すように、スケーラブルTVシステム161を構成する親機1と各子機2ijにおいて、所定のチャンネルのテレビジョン放送番組としての画像データと音声データが出力されている場合において、親機1の警告処理137Dからセキュリティコントローラ137Aに対して、警告処理要求が出力されたとすると、親機1のCRT11の表示が、図38Bに示すように、そこで受信されていたテレビジョン放送番組としての画像データから、親機1に画像データおよび音声データを送信しているカメラ162からの画像データ(緊急画像データ)に切り換えられる。
さらに、セキュリティコントローラ137Aは、警告表示部139の点灯または点滅を、CPU129に要求し、これにより、通常は消灯している警告表示部139が、図38Bに示すように点灯または点滅する。
この場合も、ユーザは、テレビジョン放送番組を視聴していても、親機1に、画像データおよび音声データを送信しているカメラ162で撮像されている環境において、何らかの異常が発生したことを即座に認識することができる。
なお、緊急度が低い場合には、緊急画像データへの表示の切り換えを行わずに、警告表示部139のみを点灯または点滅させたり、あるいは、アラーム音の出力のみを行うようにすることが可能である。
次に、図39は、スケーラブルTVシステム161を構成する親機1としてのテレビジョン受像機の他の構成例を示している。なお、図中、図10における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
即ち、図10の親機1は、ディジタル放送を受信するテレビジョン受像機であるのに対して、図39の親機1は、アナログ放送を受信するテレビジョン受像機となっている。
チューナ221は、アナログのテレビジョン放送信号の所定のチャンネルを検波、復調する。そして、チューナ221は、復調によって得られる画像データを、Y/C分離部222に供給し、音声データを、セレクタ127に供給する。
Y/C分離部222は、チューナ221の出力から、輝度信号Yと色差信号Cとを分離し、セレクタ127に供給する。
マトリクス回路223は、セレクタ127から供給される画像データの色空間を必要に応じて変換し、CRT11に供給する。
以上のように構成される、アナログ放送を受信するテレビジョン受像機であっても、スケーラブルTVシステム161を構成することが可能である。
なお、子機2としてのテレビジョン受像機も、図39に示した親機1としてのテレビジョン受像機における場合と同様に、アナログ放送を受信するテレビジョン受像機として構成することが可能である。
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
そこで、図40は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク305やROM303に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体311に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体311は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体311からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部308で受信し、内蔵するハードディスク305にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)302を内蔵している。CPU302には、バス301を介して、入出力インタフェース310が接続されており、CPU302は、入出力インタフェース310を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部307が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)303に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU302は、ハードディスク305に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部308で受信されてハードディスク305にインストールされたプログラム、またはドライブ309に装着されたリムーバブル記録媒体311から読み出されてハードディスク305にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)304にロードして実行する。これにより、CPU302は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU302は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース310を介して、LCD(Liquid CryStal Display)やスピーカ等で構成される出力部306から出力、あるいは、通信部308から送信、さらには、ハードディスク305に記録等させる。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
なお、スケーラブルTVシステムを構成するテレビジョン受像機は、例えば、そのテレビジョン受像機が親機または子機であるのか、さらには、子機である場合には、何台目の子機であるのかによって、販売価格に差を設けるようにすることができる。
即ち、スケーラブルTVシステムでは、上述したように、親機が存在しなければ、全画面表示の機能が提供されないため、親機の価値は高く、従って、販売価格を高く設定するようにすることができる。
また、ユーザは、親機の購入後は、子機を随時追加購入していくこととなると予想されるが、最初の数台の子機については、例えば、親機よりも低価格ではなるが、一般のテレビジョン受像機よりは高価格の販売価格を設定するようにすることができる。そして、その後に購入される子機については、さらに低価格の販売価格を設定するようにすることができる。
なお、スケーラブルTVシステムを構成する親機となるテレビジョン受像機は、例えば、一般的なディジタルのテレビジョン受像機に、セキュリティシステム部137を追加するとともに、CPU129に実行させるプログラムを変更することで構成することが可能である。従って、スケーラブルTVシステムを構成する親機となるテレビジョン受像機は、一般的なディジタルのテレビジョン受像機を利用して、比較的容易に製造することができるので、スケーラブルTVシステムが提供する、上述したような全画面表示の機能および警告を行う機能を考慮すれば、そのコストメリット(コストパフォーマンス)は高いと言うことができる。この点については、子機としてのテレビジョン受像機についても同様である。
また、本発明は、チューナを内蔵する表示装置であるテレビジョン受像機の他、チューナを内蔵せずに、外部からの画像および音声を出力する表示装置にも適用可能である。
さらに、図22におけるセキュリティシステムにおいて、カメラ162から、スケーラブルTVシステム161を構成するテレビジョン受像機への画像データおよび音声データの送信は、無線ではなく、有線(例えば、IEEE1394やUSB(Universal Serial Bus)による通信など)によって行うことも可能である。
また、カメラ162としては、セキュリティシステム用に用意されたものの他、例えば、既に設定されている、いわゆるドアホンのカメラや監視カメラなどを採用することが可能である。
さらに、セキュリティシステムは、乳幼児や高齢者の監視の他、お風呂のお湯はりや、沸騰すると警笛の鳴るやかんでの湯沸かしの監視などに用いることが可能である。
また、本実施の形態では、一般的なカメラ162が撮影する画像データを対象に処理を行うようにしたが、その他、例えば、カメラ162として、熱を感知するカメラを採用し、そのカメラから得られる温度分布を表した画像データを対象に処理を行うようにすることも可能である。
さらに、赤外線を感知して、温度変化を監視し、警告を行うようにすることも可能である。