JP2008211365A - 復調器およびフレーム同期方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きなクロック周波数偏差が存在する場合であっても、正確にフレーム同期を行うことのできる復調器を得ること。
【解決手段】高速フーリエ変換手段と復調手段を備え、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器であって、受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出部5と、FFT部6の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正部4と、前記同期信号に基づきフレームの先頭を示すフレームパルス位置を制御するTG7と、を備え、FFT部6は、クロック周波数補正部4によって補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、データ抽出部8は、高速フーリエ変換後の信号を復調する。
【選択図】 図1
【解決手段】高速フーリエ変換手段と復調手段を備え、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器であって、受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出部5と、FFT部6の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正部4と、前記同期信号に基づきフレームの先頭を示すフレームパルス位置を制御するTG7と、を備え、FFT部6は、クロック周波数補正部4によって補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、データ抽出部8は、高速フーリエ変換後の信号を復調する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で通信を行う通信システムにおける復調器に関するものであり、特に、TDMA(Time Division Multiple Access)を用いたOFDM方式で通信を行う通信システムにおける復調器およびフレーム同期方法に関するものである。
近年、無線通信システムにおいて、マルチパスに強く周波数利用効率が高いことからOFDM通信方式が注目されている。また、TDMA通信システムは、ユーザデータを衝突させることなくフレーム内に収容するため、従来無線LAN(Local Area Network)にて使用されてきたCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式よりも通信の効率が良い。このため、最近では、CSMAを用いたOFDM通信方式に代わり、TDMAを用いたOFDM通信方式がよく使用されるようになってきた。
TDMAを用いたOFDM通信システムでは、受信フレームの先頭位置を示すフレームパルスを受信機にて生成する必要がある。フレームパルスは、OFDM信号を正しく復調するために必要な同期信号であり、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を実行するためのタイミング信号(FFTタイミング信号)となる。したがって、復調を正しく行うためには、フレームパルスを正しいタイミング(正しいFFTタイミング)で生成する必要がある。正しいFFTタイミングの検出法は種々存在して、たとえば、下記特許文献1では、検出精度の向上を図った検出法が開示されている。
また、送信機のクロック発振器と受信機のクロック発振器では発振周波数に差があるため、TDMAを用いたOFDM通信システムにおいては、受信機がクロック周波数同期機能(クロック周波数偏差を補正する機能)を備える必要がある。したがって、受信機は、同期機能として、上述のフレームパルスを生成する機能(FFTタイミング同期機能)とクロック周波数同期機能の2つを備える必要がある。
一方、クロック周波数偏差が大きいとOFDMのサブキャリア間の直交が崩れて復調データの品質が劣化するため、従来は、規格により高精度なクロック発振器の使用が定められており、クロック周波数偏差の影響は少ないため考慮する必要がなかった。したがって、従来は、同期機能としてFFTタイミング同期機能を備えていればよく、クロック周波数偏差については特に考慮されていなかった(たとえば、下記特許文献1参照)。
クロック発振器に要求される精度は、FFTのデータサイズが大きくなるほど高くなる。近年の無線通信に対する高速化要求を背景に、FFTのデータサイズは従来の無線LANに比して増大する傾向にあり、より高精度なクロック発振器が必要になってきている。しかし、高精度な発振器は高価であり装置コストを上昇させる。コスト上昇を避けるには安価で精度の低いクロック発振器を使用する必要があり、その場合には、影響を無視できない(大きな)クロック周波数偏差が発生する可能性がある。
しかしながら、上記従来の受信機では、大きなクロック周波数偏差を考慮した同期機能を備えていない。このため、大きなクロック周波数偏差がある場合には、フレーム同期機能が正常に同期を確立できない、または、同期確立後の追従性能が劣化するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大きなクロック周波数偏差が存在する場合であっても、正確にフレーム同期を行うことのできる復調器およびフレーム同期方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、高速フーリエ変換手段と復調手段を備え、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器であって、受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出手段と、高速フーリエ変換手段の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正手段と、前記同期信号に基づきフレームの先頭を示すフレームパルス位置を制御するタイミング制御手段と、を備え、前記高速フーリエ変換手段は、前記クロック周波数補正手段によって補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、前記復調手段は、高速フーリエ変換後の信号を復調することを特徴とする。
この発明によれば、フーリエ変換の前段においてクロック周波数偏差の補正を行うようにしたので、大きなクロック周波数偏差が存在する場合であっても、正確にフレーム同期を行うことのできるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる復調器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる復調器の実施の形態1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の復調器1は、入力された受信信号S1をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換部2と、クロックを生成するクロック発振器3と、ディジタル信号に対してクロック周波数偏差を補正するクロック周波数偏差補正部4、通信相手とのクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出部5、クロック周波数偏差補正後のディジタル信号にFFT(Fast Fourier Transform)を行うFFT部6、タイミング誤差を補正したフレームパルスを生成するタイミングジェネレータ(TG)7と、同期検波や遅延検波などによりFFT後の信号を復調して受信データを抽出するデータ抽出部8と、で構成される。
図1は、本発明にかかる復調器の実施の形態1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の復調器1は、入力された受信信号S1をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換部2と、クロックを生成するクロック発振器3と、ディジタル信号に対してクロック周波数偏差を補正するクロック周波数偏差補正部4、通信相手とのクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出部5、クロック周波数偏差補正後のディジタル信号にFFT(Fast Fourier Transform)を行うFFT部6、タイミング誤差を補正したフレームパルスを生成するタイミングジェネレータ(TG)7と、同期検波や遅延検波などによりFFT後の信号を復調して受信データを抽出するデータ抽出部8と、で構成される。
TG7は、さらに、遅延プロファイルを検出する遅延プロファイル検出部71と、フレームパルス制御位置計算部72と、フレームパルス(FP)生成部73と、で構成される。受信信号S1は、本実施の形態の復調器に入力されるアナログ信号であり、たとえば、無線通信の場合には、アンテナで受信された信号にアナログ回路が増幅やフィルタリングなどの処理を施した信号である。また、PLC(Power Line Communication)と称される電力線通信の場合には、電力線によって送信された信号にアナログ回路が増幅やフィルタリングなどの処理を施した信号である。フレームパルスS2は、FFTのタイミングを制御するためのタイミング信号である。復調データS3は、本実施の形態の復調器による処理が行われた復調データであり、外部(データを使用するユーザ装置など)に出力される。
また、本実施の形態では、受信信号S1は、TDMA(Time Division Multiple Access)フレームフォーマットを用いたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号とする。図2は、本実施の形態のTDMAのフレームフォーマット例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態のフレームは、TDMAでは、フレーム先頭に配置され、送信局の局番号などを報知する報知情報チャネル(BCH)と、ユーザに割り当てたチャネル情報(使用するタイムスロットの番号など)を通知する制御チャネル(CCH)と、各ユーザが情報伝送を行うデータチャネル(DCH)と、で構成される。
ここで、本実施の形態のフレーム同期とは、図2に示すフォーマットの信号を受信して、そのフレームの先頭位置(BCHの位置)でフレームパルスを正確に出力する機能である。そして、本実施の形態の復調器は、生成されたフレームパルスのタイミングに基づきFFT処理を行い、データを抽出する。なお、BCHにはプリアンブル(図示せず)と呼ばれる同期をとるための既知系列のOFDM信号が付随している。CCHやDCHにもプリアンブルが付随している場合があるが、通常、BCHに付随するプリアンブルは、CCHやDCHの既知系列とは異なる既知系列から作られており識別可能である。したがって、本実施の形態では、このBCHに付随するプリアンブル信号を観測して、この信号の受信タイミングに追随することでフレーム同期を継続的に維持し、通信を行う。
つづいて、本実施の形態の動作について説明する。図1において、まず、復調器1に、受信信号S1が入力されると、A/D変換部2が、クロック発振器3で生成されるクロックに基づき受信信号S1をディジタル信号に変換し、クロック周波数偏差補正部4に出力する。つぎに、クロック周波数偏差補正部4は、このディジタル信号に対して、クロック周波数偏差を含む周波数偏差の補正を行う。周波数偏差としては、A/D変換の速度による周波数偏差(以下、サンプリング周波数偏差という)と通信相手とのクロック周波数偏差(以下、クロック周波数偏差という)の2種類がある。クロック周波数偏差補正部4の処理としては、具体的には、サンプリング周波数偏差およびクロック周波数偏差に基づき通信相手(送信側)のクロック周波数を推定し、A/D変換されたディジタル信号を、その推定した周波数に変換して出力する。したがって、クロック周波数偏差補正部4の回路はディジタル回路によるサンプル速度変換部であり、たとえば、FIR(Finite Impulse Response)フィルタのタップ係数を順次シフトすることで構成できる。
ここで、A/D変換の周波数は、クロック発振器3の周波数(固定周波数)と同一であり、この固定周波数は、サンプリング定理を満足する周波数以上とする必要があり、一般には、サンプリング定理を満足する周波数に対して一定の周波数だけ高くして余裕をもたせる。この一定の周波数が、サンプリング周波数偏差であり、既知であるため固定値としてあらかじめ設定しておくことができる。一方、送受クロック周波数偏差については、未知の数値であるため、あらかじめ決めておくことはできない。送受クロック周波数偏差については、後述のクロック周波数偏差検出部5のクロック周波数偏差検出処理により出力される数値を用いる。A/D変換されたディジタル信号の周波数に対して、これらの2つの周波数偏差の両方の補正を行うと、通信相手(送信側)のクロック周波数の推定値を求めることができる。
つぎに、FFT部6は、TG7から入力されるフレームパルスS2に基づきフレームの先頭を認識し、クロック周波数偏差補正部4によってクロック周波数偏差補正された信号に対してFFTを行い、データ抽出部8に出力する。そして、データ抽出部8は、FFT後の信号を復調し復調データS3を外部に出力する。データ復調の方法は、一般的なものでよく、同期検波や遅延検波などである。
つづいて、本実施の形態のクロック周波数偏差検出部5におけるクロック周波数偏差検出処理について説明する。本実施の形態では、FFT後の信号に基づき、クロック周波数偏差を検出する。クロック周波数偏差がある場合には、FFT部6の出力であるFFT後のサブキャリア毎に異なった位相偏移量として表れる。したがって、それらのサブキャリア毎の位相偏移量の違いからクロック周波数偏差を検出することができる。
なお、クロック周波数偏差の検出は、受信信号S1に、繰返しの時間波形(同一波形が規定時間毎に繰返す波形)、または、既知の時間波形が存在する場合には、その波形を用いてFFT処理前に行うこととしてのよい。その場合には、FFT前にクロック周波数偏差の検出を精度良く行う場合には、時間波形に対する相関器が必要となる。この相関器は、回路規模が大きく、特にFFTポイント数が大きい場合には、回路規模が極めて大きくなるため、復調器全体の装置規模も大きくなってしまう。そこで、本実施の形態では、FFT後の信号を使用して、回路規模の大きな相関器を不要としている。また、クロック周波数偏差はFFT処理前に補正するので、大きなクロック周波数偏差があったとしても、FFT処理において直交崩れを生じることはない。
また、クロック周波数偏差の補正を行うために使用する信号が、フレーム内の特定の位置に埋め込まれている場合は、FFT後の信号パターンを観測すれば、その信号が受信されるタイミングを検出できる。したがって、その検出タイミングの前後(検出タイミングに所定の時間を加えた時間帯)のみでクロック周波数偏差検出部5とクロック周波数偏差補正4を動作させるようにしてもよい。なお、閉ループでクロック周波数偏差を引込むため、閉ループゲイン(ループ帯域)を適切に設定すれば、このときの検出タイミングの精度は粗くても、その誤差の影響は小さく問題とならない。
つづいて、本実施の形態のフレーム同期処理(フレームパルスS2の生成方法)について説明する。上述のクロック周波数偏差の補正処理は、主として大きな周波数偏差を除去するためのもので、クロック周波数偏差の細かい調整であるフレーム同期処理を、フレームごとに行う必要がある。たとえば、フレーム同期処理はフレームごとに行っておき、クロック周波数偏差については、初期およびクロック周波数偏差が大きくなると想定されるときに実施するようにすればよい。なお、これにかぎらず、たとえば、クロック周波数偏差の補正処理とフレーム同期処理の両方をフレーム毎に行ってもよい。
まず、TG7の遅延プロファイル検出部71は、FFT部6から出力されるFFT後の信号を用いてタイミング誤差を表すタイミング誤差信号を生成する。図3は、遅延プロファイル検出部71の機能構成例を示す図である。図3に示すように、遅延プロファイル検出部71は、伝送路推定部711と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速フーリエ逆変換)部712と、タイミング誤差検出部713と、で構成される。
遅延プロファイル検出部71の誤差信号の生成動作を説明する。遅延プロファイル検出部71の伝送路推定器711は、受信信号に含まれるフレーム同期用の既知信号(プリアンブルなど)のFFT後の信号に基づき伝送路推定値を作成する。伝送路推定は、QPSKやQAMのように、位相を用いた変調方式では、復調において同期検波を行う際に必要な機能である。したがって、遅延プロファイル検出部71用に専用に用意する必要はなく、データ抽出部8の同期検波の回路を共用して使用することができるため、全体の回路規模を増加させることはない。
つぎに、IFFT部712は、伝送路推定値にIFFTを行い遅延プロファイルを作成する。図4−1,4−2は、遅延プロファイルの例を示す図である。遅延プロファイルは、フレームパルスの生成タイミングと正しいFFTタイミング(本来FFTの開始点となるべきタイミング)が一致していると、時刻0に鋭いピークを有する信号となり、タイミングが一致していないと、その誤差分だけ時刻0から離れた位置にピークが発生する。すなわち、時刻0からピークの位置との差が、フレームパルスの生成タイミング誤差となる。ピークタイミング誤差検出部713は、時刻0からピーク位置までの差を検出して、フレームパルスの生成タイミング誤差を表すタイミング誤差信号として出力する。
たとえば、図4−1の例では、フレームパルス生成タイミングが正しいタイミングより早い場合であり、ピークが0より大きい側に発生している。このピーク位置と時刻0との距離は、フレームパルス生成タイミングがどれだけ早すぎたかを表している。図4−2の例では、図4−1の例とは逆に、フレームパルス生成タイミングが遅い場合で、ピークは0より小さい側に発生している。
なお、このように遅延プロファイルに基づいてタイミング誤差信号を生成する理由は、同期用の既知信号を用いてタイミング誤差信号を生成する方が、未知の情報を含む受信信号を用いてタイミング誤差信号を生成するより、高精度に生成できるためである。
つぎに、フレームパルス制御位置計算部72は、遅延プロファイル検出部71で生成されたタイミング誤差信号に基づき、次のフレームに対して出力すべきフレームパルスの出力タイミングを計算する。図5は、フレームパルス制御位置計算部72の機能構成例を示す図である。以下、フレームパルス制御位置計算部72の動作を説明する。
まず、加算器721は、入力されたタイミング誤差信号に、オフセット値を加算する。オフセット値を加算する効果は後述する。加算器721は、オフセットを加算した結果を乗算器722および乗算器723に出力する。乗算器722は、加算器721の出力に係数αを乗算して加算器726に出力し、乗算器723は加算器721の出力に係数βを乗算して加算器724に出力する。α、βの値は、0≦α≦1,0≦β≦1である。したがって、α、βを乗算した後の数値は、たとえば、0.1,1.23などの実数値となる。加算器724は、乗算器723から出力された乗算結果にメモリ725に格納されているデータ(1つ前のフレームの加算結果)を加算する。そして、加算器724は、その加算結果をメモリ725に格納するとともに、加算器726に出力する。格納された加算結果は、次フレームの処理まで保持され、次フレームの処理において、加算器724における加算に用いられることになる。
つぎに、加算器726は、乗算器722の出力に加算器724の出力を加算し、加算器727に出力する。係数α,βはそれぞれ1次,2次のフィードバック係数に相当し、このように構成されるループは、2次ループの制御系となる(β=0と設定した場合は1次ループとして動作する)。係数αは、主に雑音などによる入力のバラツキを抑えるために使用され、係数βは、主に入力信号の定常的なタイミング変化に追従するために使用される。
つぎに、加算器727は、加算器726の出力結果に、メモリ728に格納されているデータ(1フレーム前の値)を加算する。そして、その加算結果をメモリ728に格納するとともに、整数化部729に出力する。メモリ728に格納された加算結果は、次フレームの処理まで保持され、次フレームの処理において、加算器727における加算に用いられることになる。整数化器727は、加算器727の出力結果を整数値に変換し、フレームパルス生成部73に出力する。
以上のフレームパルス制御位置計算部72の処理によって、遅延プロファイル検出部71が生成したタイミング誤差信号に基づき、次フレームに対して出力すべきフレームパルスの位置を求めることができる。
図6は、フレームパルス制御位置計算部72によってフレームパルスがフレーム先頭位置(正しい位置)に制御される様子を簡単な例を用いて示した図である。また、図7は、フレームパルス生成部73の機能構成例を示す図である。図7に示すように、フレームパルス生成部73は、パルス発生部731とカウンタ部732で構成される。カウンタ部732は、フレーム周期で一定の時刻(クロック)ごとにカウントアップするカウンタで、たとえば、フレーム長が1000クロックであれば、0,1,…,999,0,1,…とカウントしている。フレームパルスの発生タイミングは、このカウンタ値により指定される。カウンタ値は1フレームを1周期とするため、フレームごとに0に戻ることになる。パルス発生部731は、フレームパルス制御位置計算部72の出力にカウンタ値が一致するタイミングでフレームパルスを生成し出力する。すなわち、フレームパルス制御位置計算部72は、パルス発生部731の生成するフレームパルスの位置をカウンタ値で指定することになる。このため、フレームパルス制御位置計算部72の整数化器727は、このカウンタ値を示す整数値となるように整数化を行っておく。
図6において、横軸は上述のカウンタ値を示している。ここでは、簡単のため、実際には時刻で計算されるタイミング誤差などの途中結果もカウンタ値に換算して示している。まず、この場合には、フレームパルス制御位置計算部72の計算を行う前の初期のカウンタ値を0とする。また、この例では、フレーム先頭位置(正しい位置)は、カウンタ値8の位置にあるものとする。また、簡単のため、ここでは、フレームパルス制御位置計算部72におけるオフセット値およびβは、ともに0とする。そして、α=0.5とする。また、メモリ725、728は0に初期化されているものとする。
まず、この例では、タイミング誤差が8カウンタ値分となるため、遅延プロファイル検出部71の処理により、8カウンタ値分に相当する時間が、フレームパルス制御位置計算部72に入力される。オフセット値は0であるため、乗算器722には、8カウンタ値分のタイミング誤差がそのまま入力され、α=0.5を乗算すると8×0.5=4カウンタ値分が乗算結果となる。β=0であり、かつ、メモリ725の初期値は0であるため、この例では乗算器723と加算器724の演算結果は、常に0となる。したがって、加算器726で加算されるのは、乗算器722の出力のみとなる。加算器727は、メモリ728に格納されている初期値は0であるから、演算結果として、乗算器722の乗算結果である4カウンタ値分を整数化器729に出力し、メモリ728に4カウンタ値分の値を格納する。そして、整数化器729は、カウンタ値4を出力する。したがって、フレームパルス生成部73は、図6の1回目の制御後として示したように、カウンタ値4の位置でフレームパルスを発生させる。
次のフレームの処理では、フレームパルスの位置とフレーム先頭位置(正しい位置)の差は、4カウンタ値分となるため、遅延プロファイル検出部71の処理により、4カウンタ値分に相当する時間が、フレームパルス制御位置計算部72に入力される。乗算器722には、4カウンタ値分のタイミング誤差がそのまま入力され、α=0.5を乗算すると4×0.5=2カウンタ値分が乗算結果となる。加算器727は、この2カウンタ値分にメモリ728に格納された4カウンタ値分を加算して、6カウンタ値分を加算結果として求め、整数化器729に出力するとともにメモリ728に格納する。整数化器729は、カウンタ値=6を出力する。したがって、フレームパルス生成部73は、図6の2回目の制御後として示したように、カウンタ値=6の位置でフレームパルスを発生させる。
さらに、次のフレームの処理では、フレームパルスの位置とフレーム先頭位置(正しい位置)の差は、2カウンタ値分となるため、遅延プロファイル検出部71の処理により、2カウンタ値分に相当する時間が、フレームパルス制御位置計算部72に入力される。乗算器722には、2カウンタ値分のタイミング誤差がそのまま入力され、α=0.5を乗算すると2×0.5=1カウンタ値分が乗算結果となる。加算器727は、この1カウンタ値分にメモリ728に格納された6カウンタ値分を加算して、7カウンタ値分を加算結果として求め、整数化器729に出力するとともにメモリ728に格納する。整数化器729は、カウンタ値7を出力する。したがって、フレームパルス生成部73は、図6の3回目の制御後として示したように、カウンタ値=7の位置でフレームパルスを発生させる。
さらに、次のフレームの処理では、フレームパルスの位置とフレーム先頭位置(正しい位置)の差は、1カウンタ値分となるため、遅延プロファイル検出部71の処理により、1カウンタ値分に相当する時間が、フレームパルス制御位置計算部72に入力される。乗算器722には、1カウンタ値分のタイミング誤差がそのまま入力され、α=0.5を乗算すると1×0.5=0.5カウンタ値分が乗算結果となる。加算器727は、この1カウンタ値分にメモリ728に格納された7カウンタ値分を加算して、7.5カウンタ値分を加算結果として求め、整数化器729に出力するとともにメモリ728に格納する。整数化器729は、整数化において四捨五入し、カウンタ値=8を出力する。したがって、フレームパルス生成部73は、図6の4回目の制御後として示したように、カウンタ値8の位置でフレームパルスを発生させる。以降は、タイミング誤差は0となるので、メモリ728の値は更新されずに、カウンタ値=8の正しい位置でフレームパルスを出力し続ける。
このように、毎フレーム、すなわち、BCHが受信されるたびにフレームパルス制御位置を計算してフレームパルスの発生タイミングを更新する動作を継続させれば、雑音や、温度変動などにより、フレームパルスの発生タイミングとフレームの先頭位置(正しいタイミング)の差が変動した場合であっても、フレーム同期を維持することができる。
つづいて図5に戻って、加算器721のオフセットについて説明する。加算器721でオフセットを加えるのは、遅延プロファイル検出部71の出力をオフセットさせることにより、フレームパルスの位置をオフセット分だけシフトさせるためである。これにより、フレームパルスの位置の調整が必要な場合に、フレームパルスを適切な位置に出力させることができる。
たとえば、この機能により、ガードインターバルの中央にフレームパルス位置を設定することができ、フレームパルスの生成タイミングにジッタがある場合や、受信信号の受信タイミング自体にジッタがあるような場合に、ジッタがガードインターバルに吸収されて、劣化のない復調データを得ることができる。図8は、ガードインターバルとフレームパルスのオフセットとの関係を示す図である。図8は、オフセットを−nカウンタ値分とすることによりフレームパルスの生成位置をガードインターバルの中央に設定した例を示している。なお、フレームパルスの位置はガードインターバルの中央にかぎらず、たとえば、ガードインターバルの開始位置から3/4の点など、ガードインターバル内の他の位置に設定してもよい。この場合、中央に設定した場合よりもジッタの吸収範囲が狭くなるため、ジッタはその吸収範囲内である必要があるが、より長い遅延波が存在するシステムにおいてはこのような設定の方が適している。このように、本発明を適用するシステムに応じて、オフセット値は適切な値に設定すればよい。
なお、カウンタ値0のタイミング(図6の最上段に示した初期タイミングに相当)を決定するためには、たとえば、一般に初期同期とよばれる処理を用いる。初期同期は、フレームの大まかなタイミングを検出する処理であり、一般的なものでよく、たとえば、BCHに含まれる既知のパターンに対する相関処理によって同期処理を行う。
以上のように、本実施の形態では、クロック周波数偏差検出部5とクロック周波数偏差補正部4によって、クロック周波数偏差の補正をフレーム同期処理と分離してFFTの前段に行い、TG7がフレーム同期処理を、クロック周波数偏差の補正された信号に対して行うようにした。このため、大きなクロック周波数偏差が存在する場合であっても、正確にフレーム同期処理を行うことができる。
実施の形態2.
図9は、本発明にかかる復調器の実施の形態2の機能構成例を示す図である。本実施の形態では、実施の形態1の復調器1aのTG7をTG7aに替えているが、それ以外は実施の形態1の復調器1と同様である。また、本実施の形態のTG7aは、実施の形態1のTG7に、外部からのON/OFF信号S4に基づきフレームパルス制御位置計算部72のON/OFFを制御するON/OFF制御部74を追加しているが、それ以外は実施の形態1のTG7と同様である。実施の形態1と同様の機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本発明にかかる復調器の実施の形態2の機能構成例を示す図である。本実施の形態では、実施の形態1の復調器1aのTG7をTG7aに替えているが、それ以外は実施の形態1の復調器1と同様である。また、本実施の形態のTG7aは、実施の形態1のTG7に、外部からのON/OFF信号S4に基づきフレームパルス制御位置計算部72のON/OFFを制御するON/OFF制御部74を追加しているが、それ以外は実施の形態1のTG7と同様である。実施の形態1と同様の機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
つづいて、本実施の形態の動作について説明する。図10−1,10−2は、ON/OFF信号S4を説明するための図である。図10−1,10−2においては、BCHをB,CCHをC、DCHをDと表している。ON/OFF信号S4は、図10−1,10−2に示すように、BCHが受信できるか否かを示す信号である。図10−1は、BCHを含まないフレームが送信されるケースである。BCHはユーザデータを伝送しないチャネルであるため、多くのユーザデータを伝送したい場合には、BCHを全フレームで送信せず、間欠的に送信することがある。図10−1に示すように、BCHを含むフレームを受信している間は、ON/OFF信号S4はONとするが、BCHを含まないフレームを受信している間は、BCHが受信できないため、ON/OFF信号S4はOFFとする。
図10−2は、フレームが抜けるケースである。他のシステムと周波数を共用する場合には、他のシステム用に空き時間を作る場合があり、図10−2のようにフレームが抜けることがある。この場合には、フレームが抜けている場合には、ON/OFF信号S4はOFFとする。フレーム同期に使用するBCHが受信されないときにフレーム同期処理を行うと、正しい制御ができずフレーム同期精度が劣化してしまう。したがって、図10−1,10−2に示したように、BCHが受信できない場合には、本実施の形態ではON/OFF信号S4をOFFとする。
BCHが受信されないタイミングは、通常、既知であるため、その情報をON/OFFS4として入力すればよい。ON/OFF制御部74は、ON/OFFS4がOFFの時には、フレームパルス制御位置計算部72の動作を停止させる。また、ON/OFFS4がONの時には、フレームパルス制御位置計算部72を動作させる。本実施の形態のこれ以外の動作は実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態では、ON/OFF制御部74がBCHが受信されるか否かを示すON/OFF信号S4に基づき、BCHが受信されない場合には、フレームパルス制御位置計算部72の動作を停止させるようにした。このため、BCHが受信されない場合にも、精度のよくフレーム同期を行うことができる。
実施の形態3.
図11は、本発明にかかる復調器の実施の形態3の機能構成例を示す図である。本実施の形態の復調器1bは、実施の形態1のクロック周波数偏差検出部5を削除し、実施の形態1の復調器1のTG7をTG7bに替えているが、それ以外は実施の形態1の復調器1と同様である。また、本実施の形態のTG7bは、実施の形態1のTG7のFP生成部73,フレームパルス制御位置計算部72に替えて、FP生成部73a,Δf制御量算出部75を備えるが、それ以外は実施の形態1のTG7と同様である。実施の形態1と同様の機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、本発明にかかる復調器の実施の形態3の機能構成例を示す図である。本実施の形態の復調器1bは、実施の形態1のクロック周波数偏差検出部5を削除し、実施の形態1の復調器1のTG7をTG7bに替えているが、それ以外は実施の形態1の復調器1と同様である。また、本実施の形態のTG7bは、実施の形態1のTG7のFP生成部73,フレームパルス制御位置計算部72に替えて、FP生成部73a,Δf制御量算出部75を備えるが、それ以外は実施の形態1のTG7と同様である。実施の形態1と同様の機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、本実施の形態のFP生成部73aの機能構成例を示す図である。本実施の形態のFP生成部73aのパルス発生部731aは、実施の形態1と異なり、フレームパルス制御位置計算部72からの入力は無く、カウンタ部732からの出力に基づき、常に同じカウンタ値でフレームパルスを発生させる。それ以外は、実施の形態1のFP生成部73と同様である。カウンタ部732は、実施の形態1と同様である。
図13は、本実施の形態のΔf制御量算出部75の機能構成例を示す図である。実施の形態1では、フレームパルスを生成するカウンタ値を変えることでフレーム同期を行っていたが、本実施の形態では、カウンタ値は固定とし、Δf制御量算出部75が遅延プロファイル検出部71から出力されるタイミング誤差信号に基づき、クロック周波数の制御量を求め、求めた制御量に基づいてクロック周波数を制御することによりフレーム同期を行う。図13に示すように、Δf制御量算出部75は、加算器751と,乗算器752,乗算器753,加算器754,メモリ755,加算器756で構成される。
つづいて、本実施の形態のクロック周波数制量算出部75の動作について説明する。まず、加算器751は、遅延プロファイル検出部71から入力されたタイミング誤差信号に、オフセット値を加算する。加算器751は、オフセットを加算した結果を乗算器752および乗算器753に出力する。乗算器752は、加算器751の出力に係数αを乗算して加算器756に出力し、乗算器753は加算器751の出力に係数βを乗算して加算器754に出力する。オフセット値,α,βについては、実施の形態1と同様である。加算器754は、乗算器753から出力された乗算結果にメモリ755に格納されているデータ(1つ前のフレームの加算結果)を加算する。そして、加算器754は、その加算結果をメモリ755に格納するとともに、加算器756に出力する。格納された加算結果は、次フレームの処理まで保持され、次フレームの処理において、加算器754における加算に用いられることになる。加算器756は、乗算器752の乗算結果に加算器754の加算結果を加算してクロック周波数偏差補正部4に出力する。
Δf制御量算出部75の動作は、実施の形態1のフレームパルス制御位置計算部72の動作から、加算器727,メモリ728,整数化部729の動作を除いた動作と同様である。Δf制御量算出部75では、実施の形態1と異なり、1つ前のフレームにおける処理結果を加算せず、整数化も行わないため、タイミング誤差信号が2次ループの制御系を通して出力されることになる。
たとえば、フレームパルスの生成位置がフレーム先頭位置(正しい位置)より早いときには、図4−1のように遅延プロファイル検出部71に出力されるタイミング誤差信号が正の値となり、フレームパルス位置が遅いときには、図4−2のようにタイミング誤差信号が負の値となる。Δf制御量算出部75は、このタイミング誤差信号を2次ループの制御系を通した値(タイミング補正量)として出力する。このタイミング補正量が、正の値の場合には、クロック周波数偏差補正部4は、この正の値に基づいてクロック周波数を低くするように補正する。クロック周波数を低くすると、フレームパルスの位置は、時間的には遅れて(時間的に後方に移動して)出力されることになり、タイミング誤差は減少し、この補正を繰り返すことによりタイミング誤差は0に収束する。逆に、タイミング補正量が、負の値の場合には、クロック周波数偏差補正部4は、クロック周波数を高くするように補正する。クロック周波数が高くなると、結果、フレームパルス位置は、時間的に早まって(時間的に前方に移動して)出力され、この補正を繰り返すことによりタイミング誤差は0に収束する。
このように、本実施の形態では、フレームパルス生成部73aは常に同じカウンタ値を出力するが、クロック周波数を制御することで、等価的にフレームパルス位置を制御することができる。その結果、フレーム同期がとれることになる。これは、クロック周波数を制御することによりタイミング(すなわち位相)を合わせる動作であり、原理的には、PLL(Phase Locked Loop)と等価な動作となる。
このため、本実施の形態の動作はPLLと同様の動作をするので、PLLのキャプチャレンジの制約がある。すなわち、本実施の形態では、上述のとおり、位相(タイミング)と周波数を同時に同期させることができるが、周波数の引込み範囲には制限がある。したがって、フレーム長が長い場合にはこの制約によりフレーム同期がとれないことがあるが、フレーム長は既知であり、クロック周波数偏差の最大値はおおよそ予想ができるため、クロック周波数偏差が制約の範囲内となるシステムであれば、問題なく適用することができる。
以上のように、本実施の形態では、クロック周波数偏差の補正をフレーム同期処理と一体化し、クロック周波数偏差をFFTの前段で補正して、フレーム同期処理をクロック周波数偏差の補正された信号に対して行うようにした。このため、クロック周波数偏差検出部5が不要であり、実施の形態1の構成より小さい回路規模で、大きなクロック周波数偏差の補正を行うことができる。
実施の形態4.
図14は、本発明にかかる復調器の実施の形態4の機能構成例を示す図である。本実施の形態の復調器1cでは、実施の形態3の復調器1bのTG7bをTG7cに替えているが、それ以外は実施の形態3の復調器1bと同様である。また、本実施の形態のTG7cは、実施の形態3のTG7bに、外部からのON/OFF信号S4に基づきΔf制御量算出部75のON/OFFを制御する実施の形態2と同様のON/OFF制御部74を追加しているが、それ以外は実施の形態3のTG7bと同様である。ON/OFF制御部74は、ON/OFF信号の送出先がフレームパルス制御位置計算部72の替わりにΔf制御量算出部75となる以外は、実施の形態2のON/OFF制御部74と同様である。実施の形態2または3と同様の機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、本発明にかかる復調器の実施の形態4の機能構成例を示す図である。本実施の形態の復調器1cでは、実施の形態3の復調器1bのTG7bをTG7cに替えているが、それ以外は実施の形態3の復調器1bと同様である。また、本実施の形態のTG7cは、実施の形態3のTG7bに、外部からのON/OFF信号S4に基づきΔf制御量算出部75のON/OFFを制御する実施の形態2と同様のON/OFF制御部74を追加しているが、それ以外は実施の形態3のTG7bと同様である。ON/OFF制御部74は、ON/OFF信号の送出先がフレームパルス制御位置計算部72の替わりにΔf制御量算出部75となる以外は、実施の形態2のON/OFF制御部74と同様である。実施の形態2または3と同様の機能のものは、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態2と同様に、外部から入力されるBCHが受信できるか否かを示す信号(ON/OFF信号S4)にしたがって、フレーム同期の動作のON/OFFを行う。ON/OFF信号S4の定義については、実施の形態2と同様である。本実施の形態では、ON/OFF信号S4がONの場合に、Δf制御量算出部75が動作し、ON/OFF信号S4がOFFの場合には、Δf制御量算出部75が動作を停止する。それ以外の動作は、実施の形態3と同様である。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態3の構成に、ON/OFF制御部74がBCHが受信されるか否かを示すON/OFF信号S4に基づき、BCHが受信されない場合には、Δf制御量算出部75の動作を停止させるようにした。このため、BCHが受信されない場合にも、精度よくフレーム同期を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる復調器およびフレーム同期方法は、OFDM方式で通信を行う通信システムに有用であり、特に、TDMA方式で通信を行う通信システムに適している。
1,1b,1c 復調器
2 A/D変換部
3 クロック発振器
4 クロック周波数偏差補正部
5 クロック周波数偏差検出部
6 FFT部
7,7a,7b,7c TG
8 データ抽出部
71 遅延プロファイル検出部
72 FP制御位置計算部
73,73a FP生成部
74 ON/OFF制御部
75 Δf制御量算出部
2 A/D変換部
3 クロック発振器
4 クロック周波数偏差補正部
5 クロック周波数偏差検出部
6 FFT部
7,7a,7b,7c TG
8 データ抽出部
71 遅延プロファイル検出部
72 FP制御位置計算部
73,73a FP生成部
74 ON/OFF制御部
75 Δf制御量算出部
Claims (15)
- 高速フーリエ変換手段と復調手段を備え、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器であって、
受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出手段と、
高速フーリエ変換手段の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正手段と、
前記同期信号に基づきフレームの先頭を示すフレームパルス位置を制御するタイミング制御手段と、
を備え、
前記高速フーリエ変換手段は、前記クロック周波数補正手段によって補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、前記復調手段は、高速フーリエ変換後の信号を復調することを特徴とする復調器。 - 前記クロック周波数偏差検出手段は、前記同期信号の高速フーリエ変換後の信号に基づき、クロック周波数偏差を検出することを特徴とする請求項1に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、高速フーリエ変換後の同期信号を用いて推定した伝送路推定値に基づき、フレームパルス位置の誤差を検出し、前記誤差に基づき前記制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、前記伝送路推定値に対して高速フーリエ逆変換を行った結果に基づき遅延プロファイルを生成し、前記遅延プロファイルに基づき、前記誤差を検出することを特徴とする請求項3に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、前記誤差に基づく1次ループおよび2次ループのフィードバックループ制御を用いて前記フレームパルス位置の制御を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、前記誤差に所定のオフセット値を加え、前記オフセット値を加えた後の誤差に基づき前記制御を行うことを特徴とする請求項3、4または5に記載の復調器。
- 高速フーリエ変換手段と復調手段を備え、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器であって、
受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を求め、フレームの先頭を示すフレームパルスを固定位置に生成するタイミング制御手段と、
高速フーリエ変換手段の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正手段と、
を備え、
前記高速フーリエ変換手段は、前記クロック周波数補正手段によって補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、前記復調手段は、高速フーリエ変換後の信号を復調することを特徴とする復調器。 - 前記タイミング制御手段は、高速フーリエ変換後の同期信号を用いて推定した伝送路推定値に基づき、クロック周波数の誤差を検出し、前記誤差に基づき前記クロック周波数偏差を求めることを特徴とする請求項7に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、前記伝送路推定値に対して高速フーリエ逆変換を行った結果に基づき遅延プロファイルを生成し、前記遅延プロファイルに基づき前記誤差を検出することを特徴とする請求項8に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、前記誤差に基づき1次ループおよび2次ループのフィードバックループ制御を用いて前記クロック周波数偏差を求めることを特徴とする請求項8または9に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、前記誤差に所定のオフセット値を加え、前記オフセット値を加えた後の誤差に基づき前記クロック周波数偏差を求めることを特徴とする請求項8、9または10に記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、フレームごとに前記制御を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の復調器。
- 前記タイミング制御手段は、同期信号が受信されるか否かを示す制御信号に基づき、前記制御信号の値が、同期信号が受信されないことを示す値である場合は、前記制御を停止することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の復調器。
- OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器におけるフレーム同期方法であって、
受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を検出するクロック周波数偏差検出ステップと、
高速フーリエ変換の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正ステップと、
前記同期信号に基づきフレームの先頭を示すフレームパルス位置を制御するタイミング制御ステップと、
前記クロック周波数補正ステップにおいて補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、高速フーリエ変換後の信号を復調するOFDM復調ステップと、
を含むことを特徴とするフレーム同期方法。 - OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行う復調器におけるフレーム同期方法であって、
受信信号に含まれるフレーム同期のための同期信号に基づきクロック周波数偏差を求め、フレームの先頭を示すフレームパルスを固定位置に生成するタイミング制御ステップと、
高速フーリエ変換の前段において受信信号のクロック周波数偏差を補正するクロック周波数補正ステップと、
前記クロック周波数補正ステップにおいて補正された受信信号に対して前記フレームパルスの位置をフレーム先頭位置として高速フーリエ変換を行い、高速フーリエ変換後の信号を復調するOFDM復調ステップと、
を含むことを特徴とするフレーム同期方法。
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