JP2008211352A - 圧電振動子、発振器、リアルタイムクロック、および、電波時計受信モジュール - Google Patents
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Landscapes
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Abstract
【課題】小型化して、所望の共振周波数を得る事ができ、かつ、高Q値の圧電振動子の提供。
【解決手段】本発明に係る圧電振動子は,基体1と固定端142及び自由端141を有する振動部10と振動部10上方に屈曲振動生成の駆動部とを含み、振動部10は第1支持部12と4本の片持梁状部14と第2支持部16とを有し、第1支持部12は直交する2本の中心線を有し、第1片持梁状部14aと第2片持梁状部14bは、第1支持部12の一方の中心線12aに関して対称で、第3片持梁状部14cと第4片持梁状部14dは第1支持部12の一方の中心線に関して対称で、第1片持梁状部14aと第4片持梁状部14dは第1支持部12の他方の中心線12bに関して対称で、第2片持梁状部14bと第3片持梁状部14cは第1支持部12の他方の中心線に関して対称を成し,駆動部は上部電極と圧電体層と下部電極とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る圧電振動子は,基体1と固定端142及び自由端141を有する振動部10と振動部10上方に屈曲振動生成の駆動部とを含み、振動部10は第1支持部12と4本の片持梁状部14と第2支持部16とを有し、第1支持部12は直交する2本の中心線を有し、第1片持梁状部14aと第2片持梁状部14bは、第1支持部12の一方の中心線12aに関して対称で、第3片持梁状部14cと第4片持梁状部14dは第1支持部12の一方の中心線に関して対称で、第1片持梁状部14aと第4片持梁状部14dは第1支持部12の他方の中心線12bに関して対称で、第2片持梁状部14bと第3片持梁状部14cは第1支持部12の他方の中心線に関して対称を成し,駆動部は上部電極と圧電体層と下部電極とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電振動子、発振器、リアルタイムクロック、および、電波時計受信モジュールに関する。
時計やマイコンなどの情報機器では、クロックモジュールの発振器部分に、従来の設計資産や省電力性を生かすために、音叉型の32kHz水晶振動子が用いられている。しかしながら、音叉型の32kHz水晶振動子の場合、音叉の腕長さが数mmになり、パッケージを含めた全体の長さは10mm近くになる場合がある。
最近では、水晶ではなく、シリコン基板上に、圧電体薄膜を上下の電極で挟んだ駆動部を設けた圧電振動子が開発されるようになってきた。このような圧電振動子としては、ビーム状構造のもの(特許文献1の図1参照)や、ビーム2本を備える音叉型のもの(特許文献2の図1参照)が知られている。このような圧電振動子においても、シリコン基板の厚さをせいぜい100μm程度にしかできないため、数十kHzの共振周波数を得る場合、ビームの腕長さが数mm以上になり、クロックモジュールの小型化が困難な場合がある。
特開2005−291858号公報
特開2005−249395号公報
本発明の目的は、小型化することができ、所望の共振周波数を得ることができ、かつ、高いQ値を得ることができる圧電振動子を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記圧電振動子を有する、発振器、リアルタイムクロック、および電波時計受信モジュールを提供することにある。
本発明に係る圧電振動子は、
基体と、
前記基体に固定された固定端、および、該基体に接しない自由端を有する振動部と、
前記振動部の上方に形成され、該振動部の屈曲振動を生成する駆動部と、を含み、
前記振動部は、
第1支持部と、
前記第1支持部に支持された4本の片持梁状部と、
前記第1支持部を支持し、前記固定端を備える第2支持部と、を有し、
前記第1支持部は、直交する2本の中心線を有し、
第1の前記片持梁状部および第2の前記片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の一方の前記中心線に関して対称を成しており、
第3の前記片持梁状部および第4の前記片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の前記一方の中心線に関して対称を成しており、
前記第1の片持梁状部および前記第4の片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の他方の前記中心線に関して対称を成しており、
前記第2の片持梁状部および前記第3の片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の前記他方の中心線に関して対称を成しており、
前記駆動部は、
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2電極と、を有する。
基体と、
前記基体に固定された固定端、および、該基体に接しない自由端を有する振動部と、
前記振動部の上方に形成され、該振動部の屈曲振動を生成する駆動部と、を含み、
前記振動部は、
第1支持部と、
前記第1支持部に支持された4本の片持梁状部と、
前記第1支持部を支持し、前記固定端を備える第2支持部と、を有し、
前記第1支持部は、直交する2本の中心線を有し、
第1の前記片持梁状部および第2の前記片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の一方の前記中心線に関して対称を成しており、
第3の前記片持梁状部および第4の前記片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の前記一方の中心線に関して対称を成しており、
前記第1の片持梁状部および前記第4の片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の他方の前記中心線に関して対称を成しており、
前記第2の片持梁状部および前記第3の片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の前記他方の中心線に関して対称を成しており、
前記駆動部は、
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2電極と、を有する。
本発明に係る圧電振動子では、共振周波数は、前記振動部の厚さに依存する。従って、この圧電振動子によれば、共振周波数を前記振動部の厚さによって調整することができる。例えば、振動部が音叉形状を有するような場合には、共振周波数は、振動部の幅に依存する。従って、音叉型の圧電振動子では、共振周波数を低くするためには、振動部の幅を小さくして対応することができるが、加工技術の限界がある場合がある。これに対し、本発明に係る圧電振動子では、共振周波数を低くするためには、前記振動部の厚さを薄くして対応することができる。従って、加工技術の限界によらずに、所望の共振周波数を得ることができる。即ち、本発明に係る圧電振動子によれば、例えば音叉型の圧電振動子などよりも小型化することができ、かつ、所望の共振周波数(例えば数十kHz)を得ることができる。また、本発明に係る圧電振動子によれば、前記振動部と前記基体との接続部分(即ち前記振動部の前記固定端)に応力が集中しないため、高いQ値を得ることができる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に形成された他の特定のもの(以下「B」という)」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bが形成されているような場合と、A上に他のものを介してBが形成されているような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る圧電振動子において、
前記第1支持部および前記4本の片持梁状部は、平面視において、ローマ字のH型を構成し、
前記第1支持部および前記第2支持部は、平面視において、ローマ字のT型を構成することができる。
前記第1支持部および前記4本の片持梁状部は、平面視において、ローマ字のH型を構成し、
前記第1支持部および前記第2支持部は、平面視において、ローマ字のT型を構成することができる。
本発明に係る圧電振動子において、
前記第1の片持梁状部および前記第2の片持梁状部は、前記第1支持部の一方の端部に接続されており、
前記第3の片持梁状部および前記第4の片持梁状部は、前記第1支持部の他方の端部に接続されていることができる。
前記第1の片持梁状部および前記第2の片持梁状部は、前記第1支持部の一方の端部に接続されており、
前記第3の片持梁状部および前記第4の片持梁状部は、前記第1支持部の他方の端部に接続されていることができる。
本発明に係る圧電振動子において、
前記第2支持部は、平面視において、前記第1支持部の中心点から最短距離の端点に接続されていることができる。
前記第2支持部は、平面視において、前記第1支持部の中心点から最短距離の端点に接続されていることができる。
本発明に係る圧電振動子において、
前記第1支持部、前記片持梁状部、および前記第2支持部は、直方体形状を有することができる。
前記第1支持部、前記片持梁状部、および前記第2支持部は、直方体形状を有することができる。
なお、本発明において、直方体には、立方体である場合が含まれる。
本発明に係る圧電振動子において、
前記基体は、
基板と、
前記基板の上方に形成された絶縁部と、
前記絶縁部の上方に形成された半導体部と、を有し、
前記振動部は、半導体からなることができる。
前記基体は、
基板と、
前記基板の上方に形成された絶縁部と、
前記絶縁部の上方に形成された半導体部と、を有し、
前記振動部は、半導体からなることができる。
本発明に係る圧電振動子において、
前記基体は、SOI(Silicon On Insulator)基板であることができる。
前記基体は、SOI(Silicon On Insulator)基板であることができる。
本発明に係る圧電振動子において、
前記基体は、半導体基板であり、
前記振動部は、半導体からなることができる。
前記基体は、半導体基板であり、
前記振動部は、半導体からなることができる。
本発明に係る発振器は、上述の圧電振動子を有する。
本発明に係る発振器は、
発振回路を含み、
前記発振回路は、
電気信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器の入出力間に接続された帰還回路と、を有し、
前記帰還回路は、上述した圧電振動子を備えることができる。
発振回路を含み、
前記発振回路は、
電気信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器の入出力間に接続された帰還回路と、を有し、
前記帰還回路は、上述した圧電振動子を備えることができる。
本発明に係るリアルタイムクロックは、上述の圧電振動子を有する。
本発明に係るリアルタイムクロックは、
上述した発振器と、
前記発振器から出力されるクロックパルスを分周する分周回路と、
前記分周回路から出力される計時パルスが入力される計時カウンタと、
前記計時カウンタの計時ビットの書き換えおよび読み出しを行う制御部と、を含むことができる。
上述した発振器と、
前記発振器から出力されるクロックパルスを分周する分周回路と、
前記分周回路から出力される計時パルスが入力される計時カウンタと、
前記計時カウンタの計時ビットの書き換えおよび読み出しを行う制御部と、を含むことができる。
本発明に係る電波時計受信モジュールは、上述の圧電振動子を有する。
本発明に係る電波時計受信モジュールは、
電波を受信する受信部と、
上述した圧電振動子を有し、受信された電気信号を濾波する周波数フィルタと、
濾波された前記電気信号からタイムコードを読み出す周辺回路と、
上述したリアルタイムクロックと、を含むことができる。
電波を受信する受信部と、
上述した圧電振動子を有し、受信された電気信号を濾波する周波数フィルタと、
濾波された前記電気信号からタイムコードを読み出す周辺回路と、
上述したリアルタイムクロックと、を含むことができる。
以下、本発明に好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. まず、本実施形態に係る圧電振動子100について説明する。図1は、本実施形態に係る圧電振動子100を概略的に示す平面図であり、図2は、圧電振動子100を概略的に示す断面図である。なお、図2は、図1のII−II線断面図である。
圧電振動子100は、図1および図2に示すように、基体1と、振動部10と、駆動部20と、を含む。
基体1は、図2に示すように、例えば、基板2と、基板2上に形成された絶縁部3と、絶縁部3上に形成された半導体部4と、を有する。基体1としては、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などを用いることができる。SOI基板としては、例えばSIMOX(silicon implanted oxide)基板や貼り合わせSOI基板などが挙げられる。例えば、基板2としてシリコン基板、絶縁部3として酸化シリコン層、半導体部4としてシリコン層を用いることができる。半導体部4内には各種の半導体回路を作り込むことができる。半導体部4としてシリコン層を用いることが、一般的な半導体製造技術を利用できる点で有利である。絶縁部3の厚さは、例えば0.1μm〜4μmであり、半導体部4の厚さは、例えば1μm〜4μmである。
半導体部4は、振動部10を支持することができる。半導体部4は、例えば図示のような矩形の枠状に形成される。
振動部10は、基体1(より具体的には半導体部4)に固定された固定端10a、および、基体1(より具体的には半導体部4)に接しない自由端141を有する。振動部10は、半導体からなることができる。振動部10を構成する半導体は、例えば、半導体部4を構成する半導体と同じものである。
振動部10は、第1支持部12と、第1支持部12に支持された4本の片持梁状部14(14a〜14d)と、第1支持部12を支持し、振動部10の固定端10aを備える第2支持部16と、を有する。
片持梁状部14は、第1支持部12に固定された固定端142、および、基体1(より具体的には半導体部4)に接しない自由端141を有する。なお、片持梁状部14の自由端141は、振動部10の自由端141でもある。
第1支持部12は、直交する2本の中心線12a,12bを有する。第1支持部12の一方の中心線12aは、第1支持部12の長さ方向(図1のY方向)に沿っている。第1支持部12の他方の中心線12bは、第1支持部12の幅方向(X方向)に沿っている。
第1の片持梁状部14aおよび第2の片持梁状部14bは、平面視(図1)において、第1支持部12の一方の中心線12aに関して対称を成している。同様に、第3の片持梁状部14cおよび第4の片持梁状部14dは、平面視において、第1支持部12の一方の中心線12aに関して対称を成している。また、第1の片持梁状部14aおよび第4の片持梁状部14dは、平面視において、第1支持部12の他方の中心線12bに関して対称を成している。同様に、第2の片持梁状部14bおよび第3の片持梁状部14cは、平面視において、第1支持部12の他方の中心線12bに関して対称を成している。
第1支持部12および4本の片持梁状部14(14a〜14d)は、平面視(図1)において、例えば、ローマ字のH型を構成することができる。第1の片持梁状部14aおよび第2の片持梁状部14bは、例えば、第1支持部12の一方の端部12Aに接続されている。また、第3の片持梁状部14cおよび第4の片持梁状部14dは、例えば、第1支持部12の他方の端部12Bに接続されている。なお、片持梁状部14a〜14dは、第1支持部12の端部12A,12B以外の部分に接続されていても良い。
片持梁状部14の長さ方向(X方向)は、例えば、第1支持部12の長さ方向(Y方向)に直交する。第1支持部12および各片持梁状部14a〜14dのそれぞれは、例えば、直方体形状を有する。第1支持部12の平面形状は、例えば、矩形(長方形および正方形)であり、図示の例では長方形である。各片持梁状部14a〜14dの平面形状は、例えば、矩形、三角形、台形などであり、図示の例では長方形である。
第1の片持梁状部14aおよび第4の片持梁状部14dは、例えば、片持梁状部14の長さ方向(X方向)に平行に所定間隔をおいて配置されている。同様に、第2の片持梁状部14bおよび第3の片持梁状部14cは、例えば、片持梁状部14の長さ方向(X方向)に平行に所定間隔をおいて配置されている。第1の片持梁状部14aと第4の片持梁状部14dとの間隔は、第2の片持梁状部14bと第3の片持梁状部14cとの間隔に等しい。
片持梁状部14(14a〜14d)のそれぞれの長さは、例えば200μm〜400μmである。片持梁状部14(14a〜14d)のそれぞれの幅は、例えば50μmである。なお、片持梁状部14の長さとは、平面視における片持梁状部14の固定端142から自由端141までの距離をいう。また、本発明において、特定の部材(例えば片持梁状部14)の幅とは、該部材の長さ方向に直交する方向の該部材の両端の距離をいう。
第1支持部12の長さは、例えば250μmであり、第1支持部12の幅は、例えば50μmである。なお、第1支持部12の長さとは、片持梁状部14の長さ方向(X方向)に直交する方向(Y方向)の第1支持部12の両端の距離をいう。
第1支持部12および第2支持部16は、片持梁状部14a〜14dを支持する機能と、片持梁状部14a〜14dの振動を基体1に伝搬させない機能と、を有する。第1支持部12および第2支持部16は、平面視において、例えば、ローマ字のT型を構成することができる。第2支持部16は、平面視において、例えば、第1支持部12の中心点12cから最短距離の第1支持部12の端点12dに少なくとも接続されている。なお、第1支持部12の中心点12cは、例えば、第1支持部12の一方の中心線12aと他方の中心線12bとの交点である。第2支持部16は、例えば、第1支持部12の中央部12Cに接続されている。第2支持部16の長さ方向(X方向)は、例えば、第1支持部12の長さ方向(Y方向)に直交する。第2支持部16、第1の片持梁状部14a、および第4の片持梁状部14dは、例えば、それぞれの長さ方向(X方向)に平行に所定間隔をおいて配置されている。第2支持部16は、例えば、直方体形状を有する。第2支持部16の平面形状は、例えば、矩形であり、図示の例では長方形である。第2支持部16の平面形状は、例えば、第1支持部12の他方の中心線12bに関して対称を成している。
第2支持部16の長さは、例えば250μm〜450μmである。第2支持部16の幅は、例えば50μmである。なお、第2支持部16の長さとは、片持梁状部14の長さ方向(X方向)の第2支持部16の両端の距離をいう。
第2支持部16の長さは、例えば、片持梁状部14の長さよりも長い。また、第2支持部16の幅、第1の片持梁状部14aの幅、および第4の片持梁状部14dの幅の総和は、例えば、第1支持部12の長さよりも短い。また、第1支持部12の幅、片持梁状部14(14a〜14d)のそれぞれの幅、および第2支持部16の幅は、例えば、同じである。
振動部10は、図2に示すように、絶縁部3の一部を除去して形成された空隙部80上に形成されている。空隙部80の平面形状は、例えば矩形であり、図示の例では長方形である。空隙部80は、例えば、半導体部4の端部の下まで入り込んで設けられている。振動部10と半導体部4との間であって、振動部10と半導体部4との接続部分(即ち振動部10の固定端10a)以外の領域には、振動部10の振動を許容する開口部(第1開口部)42が形成されている。振動部10は、半導体部4により構成される矩形の枠の内側に収まっている。
振動部10の厚さは、半導体部4の厚さと同じであり、例えば1μm〜4μmである。振動部10の厚さは、圧電振動子100の小型化のためには、4μm以下であることが望ましい。
振動部10と駆動部20との間(より具体的には片持梁状部14と下部電極22との間)には、例えば、下地層5が形成されている。下地層5は、酸化シリコン(SiO2)層、窒化シリコン(Si3N4)層等の絶縁層である。下地層5は、例えば2層以上の複合層で構成されていても良い。下地層5の厚さは、例えば1μmである。
駆動部20(20a〜20d)は、振動部10の上方に形成されている。駆動部20は、例えば、下地層5上に形成されている。駆動部20は、振動部10の屈曲振動を生成する。駆動部20は、図1に示すように、例えば、各片持梁状部(ビーム)14a〜14dに対して1つずつ設けられている。駆動部20の平面形状は、例えば矩形であり、図示の例では長方形であり、その長手方向は、振動部10の長さ方向と同じ方向(X方向)である。駆動部20は、図2に示すように、振動部10(より具体的には片持梁状部14)の上方に形成された下部電極22と、下部電極22上に形成された圧電体層24と、圧電体層24上に形成された上部電極26と、を有する。駆動部20は、例えば、図1および図2に示すように、片持梁状部14の根元側(固定端側)の上に形成されている。駆動部20は、平面視において、例えば、該駆動部20の長さ方向(X方向)の一端が片持梁状部14の固定端142の位置に揃うように設けられている。なお、図示しないが、駆動部20の一部が、例えば第1支持部12の上に形成されていても良い。
駆動部20(20a〜20d)のそれぞれの長さは、例えば200μmであり、駆動部20のそれぞれの幅は、例えば50μmである。なお、駆動部20の長さとは、片持梁状部14の長さ方向(X方向)の駆動部20の両端の距離をいう。
下部電極22としては、例えば白金(Pt)層などを用いることができる。下部電極22の厚さは、十分に低い電気抵抗値が得られる厚さであれば良く、例えば10nm以上5μm以下とすることができる。
圧電体層24は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3:PZT)、チタン酸ジルコン酸鉛固溶体などの圧電材料からなることができる。チタン酸ジルコン酸鉛固溶体としては、例えばニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3:PZTN)などが挙げられる。圧電体層24の厚さは、振動部10の厚さの1/10倍以上、等倍以下程度であることが望ましい。この範囲の厚さであることにより、ビームを十分に振動させる駆動力が確保されることができる。例えば、振動部10の厚さを1μm〜4μmとした場合、圧電体層24の厚さは0.1μm〜4μmとすることができる。圧電体層24の膜厚は、共振条件に応じて適宜変更されることができる。
上部電極26としては、例えば白金(Pt)層などを用いることができる。上部電極26の厚さは、十分に低い電気抵抗値が得られる厚さであれば良く、例えば10nm以上5μm以下とすることができる。
なお、図示の例では、駆動部20において、下部電極22と上部電極26の間には圧電体層24のみが存在するが、両電極22,26間に圧電体層24以外の層を有していても良い。
第1駆動部20aの上部電極26と駆動電源(図示せず)の一方の端子とは、配線(図示せず)により電気的に接続されている。第1駆動部20aの下部電極22と第2駆動部20bの下部電極22とは、配線(図示せず)により電気的に接続されている。第2駆動部20bの上部電極26と第3駆動部20cの上部電極26とは、配線(図示せず)により電気的に接続されている。第3駆動部20cの下部電極22と第4駆動部20dの下部電極22とは、配線(図示せず)により電気的に接続されている。第4駆動部20dの上部電極26と前記駆動電源の他方の端子とは、配線(図示せず)により電気的に接続されている。第1駆動部20a、第2駆動部20b、第3駆動部20c、および第4駆動部20dは、この順番で直列に接続されている。また、第1〜第4駆動部20a,20b,20c,20dの圧電体層24に対して、例えば配線形成工程前の上部電極26が独立した状態において分極処理を行うことにより、全ての圧電体層24において上下方向の分極方向を揃えることが容易に可能である。従って、この接続状態で駆動部20(20a〜20d)に直流電界を印加した場合、第1駆動部20aの圧電体層24と第2駆動部20bの圧電体層24の片持梁状部14の長さ方向(X方向)の伸縮の極性は、逆向きになる。また、第2駆動部20bの圧電体層24と第3駆動部20cの圧電体層24の片持梁状部14の長さ方向(X方向)の伸縮の極性は、逆向きになる。また、第3駆動部20cの圧電体層24と第4駆動部20dの圧電体層24の片持梁状部14の長さ方向(X方向)の伸縮の極性は、逆向きになる。
本実施形態に係る圧電振動子100では、第1駆動部20aの上部電極26と第4駆動部20dの上部電極26との間に、交番電界を印加することにより、第1の片持梁状部14aと第2の片持梁状部14bとをそれぞれ逆位相で上下方向(Z方向)に屈曲振動させることができる。また、第2の片持梁状部14bと第3の片持梁状部14cとをそれぞれ逆位相で上下方向に屈曲振動させることができる。また、第3の片持梁状部14cと第4の片持梁状部14dとをそれぞれ逆位相で上下方向に屈曲振動させることができる。なお、この場合には、第1の片持梁状部14aと第3の片持梁状部14cの屈曲振動は同位相であり、第2の片持梁状部14bと第4の片持梁状部14dの屈曲振動は同位相である。
本実施形態に係る圧電振動子100の共振周波数は、2の13乗Hz(8.192kHz)以上、2の15乗Hz(32.768kHz)以下であることができる。例えば32.768kHz(単に「32kHz」ともいう)の共振周波数は、クロックモジュールに適している。共振周波数を215=32.768kHzとすることにより、15段のフリップフロップ回路で分周して1Hzの信号を発生させることができる。また、共振周波数を213=8.192kHzから215=32.768kHzまでの範囲で設定することにより、フリップフロップ回路を15段だけではなく、14段、さらには13段とすることができ、消費電力の低減を図ることができる。また、消費電力の観点から、フリップフロップ回路を16段とすることも可能であるため、本実施形態に係る圧電振動子100の共振周波数は、2の16乗Hz(65.536kHz)以下であることもできる。
2. 次に、本実施形態に係る圧電振動子100の製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。図3および図4は、本実施形態の圧電振動子100の一製造工程を概略的に示す断面図であり、それぞれ図2に示す断面図に対応している。
(1)まず、図3に示すように、基板2上に絶縁層6および半導体層8がこの順に配置された基体9を用意する。基体9としては、例えばSOI基板などを用いることができる。
次に、基体9上の全面に下地層5を形成する。下地層5は、熱酸化法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法などにより成膜される。
(2)次に、図3に示すように、下地層5上に駆動部20を形成する。具体的には、例えば、まず、下地層5上の全面に、下部電極22、圧電体層24、および上部電極26をこの順に成膜する。下部電極22は、蒸着法、スパッタ法などにより成膜される。圧電体層24は、溶液法(ゾルゲル法)、レーザアブレーション法、蒸着法、スパッタ法、CVD法などにより成膜される。上部電極26は、蒸着法、スパッタ法、CVD法などにより成膜される。
次に、上部電極26、圧電体層24、および下部電極22をパターニングして、所望の形状にすることができる。パターニングには、例えばリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることができる。
以上の工程により、下部電極22、圧電体層24、および上部電極26を有する駆動部20が形成される。
次に、下地層5をパターニングして、所望の形状にすることができる。パターニングには、例えばリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることができる。
なお、下地層5、下部電極22、圧電体層24、および上部電極26は、各層の成膜ごとにパターニングされることもできるし、複数層の形成ごとに一括してパターニングされることもできる。
(3)次に、基体9の半導体層8を所望の形状にパターニングして、図4に示すように、半導体部4、振動部10、および開口部42を形成する。半導体部4および振動部10は、半導体層8を刳り貫いて絶縁層6を露出させる開口部42を形成することにより得られる。半導体層8は、例えば、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングされる。エッチング技術としては、例えば、ドライエッチング法やウェットエッチング法を用いることができる。このエッチング工程においては、絶縁層6をエッチングストッパ層として用いることができる。即ち、半導体層8をエッチングする際には、絶縁層6のエッチング速度は、半導体層8のエッチング速度よりも遅い。
(4)次に、開口部42により露出した部分から絶縁層6の一部を除去して、図1および図2に示すように、少なくとも振動部10の下に空隙部80を形成する。空隙部80は、振動部10の自由端141に対する機械的拘束力が無くなった状態(後述する)で振動部10が屈曲振動できるような位置に形成される。空隙部80は、例えば、半導体部4の端部、振動部10、および第1開口部42の下に形成される。絶縁層6が酸化シリコンからなる場合には、例えばフッ化水素酸を用いたウェットエッチング法などにより絶縁層6を除去することができる。このエッチング工程においては、振動部10および半導体部4をマスクとして、基板2をエッチングストッパ層として用いることができる。即ち、絶縁層6をエッチングする際には、振動部10、半導体部4、および基板2のエッチング速度は、絶縁層6のエッチング速度よりも遅い。
(5)上述した工程により、開口部42および空隙部80が設けられることで、振動部10の自由端141に対する機械的拘束力が無くなり、振動部10が十分に振動できるようになる。
(6)以上の工程により、図1および図2に示すように、本実施形態の圧電振動子100が形成される。
3. 本実施形態のH型の圧電振動子100では、共振周波数は、振動部10の厚さに依存する。従って、この圧電振動子100によれば、共振周波数を振動部10の厚さによって調整することができる。例えば、振動部が音叉形状を有するような場合には、共振周波数は、振動部の幅に依存する。従って、音叉型の圧電振動子では、共振周波数を低くするためには、振動部の幅を小さくして対応することができるが、加工技術の限界がある場合がある。これに対し、本実施形態のH型の圧電振動子100では、共振周波数を低くするためには、振動部10(半導体層8)の厚さを薄くして対応することができる。従って、半導体層8(図3参照)の加工技術の限界によらずに、所望の共振周波数を得ることができる。即ち、本実施形態に係る圧電振動子100によれば、例えば音叉型の圧電振動子などよりも小型化することができ、かつ、所望の共振周波数(例えば数十kHz)を得ることができる。
また、本実施形態のH型の圧電振動子100によれば、振動部10と基体1(より具体的には半導体部4)との接続部分(即ち振動部10の固定端10a)に応力が集中しないため、高いQ値を得ることができる。図5は、共振モードでの圧電振動子100における応力をシミュレーションした結果を示している。なお、図5は、振動部が1本のビームから構成されるユニモルフ型の圧電振動子110(比較例)についてのシミュレーション結果も示している。また、図5に示す応力強さの単位は、規格化されたarbitrary unit(a.u.)である。図5に示すように、H型の圧電振動子100における振動部と基体との接続部分Aの応力は、ユニモルフ型の圧電振動子110における振動部と基体との接続部分Bの応力に比べて、非常に小さくなっていることが分かる。この理由としては、以下のように考えられる。
上述したように、H型の圧電振動子100では、4本の片持梁状部14a〜14dのうちの2つずつが第1支持部12の中心線12a,12bに関して対称を成しており、かつ、4本の片持梁状部14のうちの2つずつが逆位相で屈曲振動することができる。これにより、第1支持部12の中心点12cに加わる応力は相殺し合い、中央点12c付近に加わる応力は小さくなると考えられる。このため、第1支持部12の中心点12cから最短距離の端点12dと、基体1(より具体的には半導体部4)とを、第2支持部16により接続することで、振動部10と基体1との接続部分Aの応力を非常に小さくすることができると考えられる。
また、本実施形態の圧電振動子100では、振動部10の厚さは、基体1(例えばSOI基板)の半導体部4と同じであるため、振動部10の厚さを非常に薄くすることができる(例えば4μm以下)。これにより、クロックモジュールに用いられる発振器の共振周波数を生成する圧電振動子100において、振動部10(より具体的には片持梁状部14a〜14dのそれぞれ)の長さを短くすることができる。即ち、本実施形態に係る圧電振動子100を小型化することができる。例えば、32kHzの共振周波数を用いる場合には、振動部10の厚さを4μm以下、片持梁状部14a〜14dのそれぞれの長さを400μm以下、圧電振動子100のパッケージ長さを1mm以下とすることができる。
本実施形態に係る圧電振動子100の具体例としては以下の通りである。
絶縁部3の厚さは1μm、下部電極22の厚さは0.1μm、圧電体層24の厚さは1μm、上部電極26の厚さは0.1μm、駆動部20の厚さは1.2μm、半導体部4および振動部10の厚さは4μmである。また、片持梁状部14のそれぞれのビーム長さは400μm、ビーム幅は50μm、第1支持部12の長さは250μm、幅は50μmである。また、平面視において、半導体部4により構成される矩形の枠の内縁の長辺は950μm、短辺は350μmである。この構成の圧電振動子100について、有限要素法によって運動方程式を解いてシミュレーションすると、屈曲振動の共振周波数は32kHzとなった。
また、本実施形態に係る圧電振動子100では、基体1としてSOI基板を用いることにより、圧電振動子100が半導体部4内やその上に作り込まれた半導体集積回路と混載されて、圧電振動子モジュールを構成することができる。これにより、モジュールパッケージを小型化することができる。
また、本実施形態に係る圧電振動子100では、基体1としてSOI基板を用いることにより、圧電振動子100が半導体部4内やその上に作り込まれた発振回路と混載されることができる。SOI基板を用いたデバイスでは、動作電圧を低くすることができるため、本実施形態の圧電振動子100によれば、低消費電力のワンチップクロックモジュールを提供することができる。
なお、本実施形態の圧電振動子100は、非同期回路のような本来タイミングデバイスを必要としない回路においても、トリガ発生器として用いられることができる。
4. 次に、本実施形態の圧電振動子の変形例について、図面を参照しながら説明する。なお、上述した圧電振動子100(以下「圧電振動子100の例」という)と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
(1)まず、第1の変形例について説明する。図6は、本変形例の圧電振動子120を概略的に示す平面図である。
圧電振動子100の例では、第1支持部12の中心点12cから最短距離の一方の端点12dと半導体部4とを1つの第2支持部16により接続する場合について説明したが、本変形例では、第1支持部12の中心点12cから最短距離の他方の端点12dと半導体部4とを別の第2支持部126により接続することができる。即ち、本変形例では、振動部10は、半導体部4と2箇所で接続されている。一方の第2支持部16および他方の第2支持部126は、平面視において、第1支持部12の一方の中心線12aに関して対称を成している。他方の第2支持部126は、例えば、直方体形状を有する。
(2)次に、第2の変形例について説明する。図7は、本変形例の圧電振動子160を概略的に示す断面図である。
圧電振動子100の例では、基体1が例えばSOI基板である場合について説明したが、本変形例では、基体161は、例えばシリコンからなる半導体基板であることができる。本変形例の圧電振動子160には、開口部(第2開口部)82が形成されている。開口部82は、平面視において、例えば、圧電振動子100の例における空隙部80と同じ位置に設けられる。開口部82は、例えば、基体161の一部であって、基体161の裏面から振動部10の下面までの部分を、基体161から除去することにより形成される。
(3)なお、上述した変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
5. 次に、上述した圧電振動子を有する発振器を説明する。
図8は、上述した圧電振動子100を有する発振器500の基本的構成を示す回路図である。発振器500は、この回路(発振回路)を含むことができる。発振回路は、電気信号を増幅する増幅器401と、増幅器401の入出力間に接続された帰還回路410と、を有する。増幅器401は、例えばCMOSインバータからなる。帰還回路410は、例えば、圧電振動子100と、抵抗403と、2つのコンデンサ404,405と、を備える。増幅器401には、直流電源から電圧Eが印加されている。電源電圧Eを増大させていき発振開始電圧になると、電流Iが急激に増加して発振が開始される。さらに電源電圧Eを増大させると、発振状態を保ちながら電流Iがほぼ比例して増加する。
図9は、本実施形態に係る発振器500を概略的に示す平面図であり、図10は、発振器500を概略的に示す断面図である。なお、図10は、図9のX−X線断面図である。また、図9および図10では、便宜上、圧電振動子100を簡略化して示している。
発振器500は、封止材502により封止されている。IC(集積回路)503は、金線などのボンディングワイヤ504により外部端子570に接続されている。外部端子570は、リードフレーム505および接合材506を介して、実装端子541と電気的に接続されている。実装端子541は、配線(図示せず)などにより、圧電振動子100の各電極と電気的に接続されている。圧電振動子100は、蓋部材539やシール部材540などにより封止されている。
図11は、本実施形態に係る発振器500の製造工程例を概略的に示す図である。
まず、ICウェハに対してテープ貼りおよびダイシングを行う。次に、IC503のチップをリードフレーム505に搭載する。次に、ボンディングワイヤ504を用いてIC503に対してワイヤボンディングを行う。
次に、圧電振動子100の実装端子541を、半田などの接合材506を用いてリードフレーム505に接合して、圧電振動子100をマウントする。次に、封止材(モールド材)502を用いて、圧電振動子100、IC503などを樹脂封止する。その後、特性検査、マーキングを行い、テーピング、梱包し、出荷される。
また、図示はしないが、例えば、圧電振動子100が形成される基体1(図2参照)に対して半導体プロセスを用いて圧電振動子100に平面的に隣接するICを形成し、本実施形態に係る発振器を形成することもできる。これにより、パッケージを省略することができ、ワンチップ型の発振器を形成することができる。
6. 次に、上述した圧電振動子を有するリアルタイムクロックを説明する。
図12は、上述した発振器(OSC)500を有するリアルタイムクロック600を概略的に示す回路ブロック図である。リアルタイムクロック600の集積回路部は、単一の基板601に集積され、マイクロプロセッサ(図示せず)と接続されている。
計時用接続端子602,603に接続されている発振器500からは高周波(例えば32kHz)のクロックパルスが出力される。クロックパルスは分周回路605で分周され、1Hzの計時パルスが計時カウンタ606に入力される。計時カウンタ606は、例えば、秒計時ビットsと、分計時ビットmと、時計時ビットhと、曜日計時ビットdと、日計時ビットDと、月計時ビットMと、年計時ビットYとから構成されている。所定数の計時パルスが計時カウンタ606に入力されると、それぞれの計時ビットは繰り上がることができる。計時カウンタ606には、計時ビットの書き換えおよび読み出しを行う制御部620が接続されている。制御部620は、例えば、コマンドデコーダ612と、シフトレジスタ609,610と、を有することができる。
計時カウンタ606の計時ビットを書き換える場合には、まず、マイクロプロセッサからセレクト入力端子607にセレクト信号を供給する。次に、マイクロプロセッサからデータ入力端子608に、書き換えるべき情報を表すデータビットと、計時ビットのアドレスを表すアドレスビットと、計時カウンタ606への書き込み動作を表す操作ビットとから構成される外部情報を供給する。その結果、外部情報は、直列に接続されたシフトレジスタ609,610に記憶される。そして、コマンドデコーダ612は、シフトレジスタ610に記憶された操作ビットとアドレスビットに基づき、ライトイネーブル信号を計時カウンタ606に送出するとともに、計時ビットを指定するアドレス信号を出力する。その結果、シフトレジスタ609に記憶されたデータビットが計時カウンタ606の計時ビットに書き込まれ、リアルタイムデータの書き換えが行われる。
また、計時カウンタ606からリアルタイムデータを読み出す場合には、マイクロプロセッサから、読み出し動作を表す操作ビットを有する外部情報を送出させる。そして、コマンドデコーダ612は、計時カウンタ606へのライトイネーブル信号をインアクティブ状態にする。その結果、インバータ613がアクティブ状態のライトイネーブル信号をシフトレジスタ609に供給し、シフトレジスタ609が読み込み可能状態になり、計時カウンタ606の内容はシフトレジスタ609に読み出される。シフトレジスタ609に読み出されたリアルタイムデータは、クロック入力端子614に印加されるクロック信号に同期して、データ出力端子615に転送され、例えばマイクロプロセッサのレジスタなどに送出される。
なお、例えば計算結果などのデータは、ランダムアクセスメモリ(RAM)616に記憶させることができる。
図13は、本実施形態に係るリアルタイムクロック600を概略的に示す上面透視図であり、図14は、リアルタイムクロック600を概略的に示す側面透視図である。なお、図14は、図13の矢印XIVの方向に見た図である。
発振回路などを有するICチップ651は、リードフレーム652のアイランド部653に導電性接着剤などで接着固定されている。ICチップ651の上面に設けられた各電極パッド654は、ボンディングワイヤ655により、パッケージの外周部に配置された入出力用リード端子656と電気的に接続されている。平面視において、ICチップ651の隣には、圧電振動子100を内部に収めている振動子用筐体657が配置されている。振動子用筐体657内には、例えば図1および図2に示す圧電振動子100が気密状態で封止されている。圧電振動子100の各電極に電気的に接続されたリード658は、振動子用筐体657内から外に突出している。リード658は、リードフレーム652の接続パッド659に導電性接着剤などで接着固定されている。ICチップ651、リードフレーム652および振動子用筐体657は、樹脂660により一体成形されてパッケージ化されている。
また、図示はしないが、例えば、圧電振動子100が形成される基体1(図2参照)に対して半導体プロセスを用いて圧電振動子100に平面的に隣接するICを形成し、本実施形態に係るリアルタイムクロックを形成することもできる。これにより、パッケージを省略することができ、ワンチップ型のリアルタイムクロックを形成することができる。
7. 次に、上述した圧電振動子を有する電波時計受信モジュールを説明する。
図15は、本実施形態に係る電波時計受信モジュール800を概略的に示す回路ブロック図である。
電波時計受信モジュール800は、受信部801と、周波数フィルタ805と、周辺回路810と、上述したリアルタイムクロック(RTC)600と、を含む。周波数フィルタ805は、例えば図1および図2に示す圧電振動子100(100A,100B)を有する。周辺回路810は、例えば、検波・整流回路806と、波形整形回路807と、中央演算処理装置(CPU)808と、を有することができる。
電波時計は、時刻情報を含む標準電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)に標準電波を送信する送信所がある。
受信部(例えばアンテナ)801は、40kHzまたは60kHzの長波の標準電波を受信する。標準電波は、40kHzまたは60kHzの搬送波に振幅変調(AM)をかけて時刻情報(タイムコード)を乗せたものである。
受信された電気信号は、アンプ802によって増幅され、搬送周波数と同一の共振周波数を有する圧電振動子100A,100Bを有する周波数フィルタ805によって、濾波、同調される。濾波された電気信号からは、周辺回路810により、タイムコードを読み出すことができる。具体的には、まず、濾波された所定周波数の信号は、検波・整流回路806により検波復調される。そして、波形整形回路807を介してタイムコードが取り出され、CPU808でカウントされる。CPU808では、例えば、現在の年、積算日、曜日、時刻などの情報が読み取られる。読み取られた情報は、RTC600に反映されて、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は40kHzまたは60kHzであるから、周波数フィルタ805の圧電振動子100A,100Bには、本発明に係る圧電振動子が好適である。
また、図示はしないが、例えば、圧電振動子100が形成される基体1(図2参照)に対して半導体プロセスを用いて圧電振動子100に平面的に隣接するICを形成し、本実施形態に係る電波時計受信モジュールを形成することもできる。これにより、パッケージを省略することができ、ワンチップ型の電波時計受信モジュールを形成することができる。
8. 上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
1 基体、2 基板、3 絶縁部、4 半導体部、5 下地層、6 絶縁層、8 半導体層、9 基体、10 振動部、12 第1支持部、14 片持梁状部、16 第2支持部、20 駆動部、22 下部電極、24 圧電体層、26 上部電極、42 開口部、80 空隙部、82 開口部、100 圧電振動子、110 圧電振動子、120 圧電振動子、126 第2支持部、141 自由端、142 固定端、160 圧電振動子、161 基体、401 増幅器、403 抵抗、404,405 コンデンサ、410 帰還回路、500 発振器、502 封止材、503 IC、504 ボンディングワイヤ、505 リードフレーム、506 接合材、539 蓋部材、540 シール部材、541 実装端子、570 外部端子、600 リアルタイムクロック、601 基板、602,603 計時用接続端子、605 分周回路、606 計時カウンタ、607 セレクト入力端子、608 データ入力端子、609,610 シフトレジスタ、612 コマンドデコーダ、613 インバータ、614 クロック入力端子、615 データ出力端子、620 制御部、651 ICチップ、652 リードフレーム、653 アイランド部、654 電極パッド、655 ボンディングワイヤ、656 入出力用リード端子、657 振動子用筐体、658 リード、659 接続パッド、660 樹脂、800 電波時計受信モジュール、801 受信部、802 アンプ、805 周波数フィルタ、806 検波・整流回路、807 波形整形回路、808 CPU,810 周辺回路
Claims (11)
- 基体と、
前記基体に固定された固定端、および、該基体に接しない自由端を有する振動部と、
前記振動部の上方に形成され、該振動部の屈曲振動を生成する駆動部と、を含み、
前記振動部は、
第1支持部と、
前記第1支持部に支持された4本の片持梁状部と、
前記第1支持部を支持し、前記固定端を備える第2支持部と、を有し、
前記第1支持部は、直交する2本の中心線を有し、
第1の前記片持梁状部および第2の前記片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の一方の前記中心線に関して対称を成しており、
第3の前記片持梁状部および第4の前記片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の前記一方の中心線に関して対称を成しており、
前記第1の片持梁状部および前記第4の片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の他方の前記中心線に関して対称を成しており、
前記第2の片持梁状部および前記第3の片持梁状部は、平面視において、前記第1支持部の前記他方の中心線に関して対称を成しており、
前記駆動部は、
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2電極と、を有する、圧電振動子。 - 請求項1において、
前記第1支持部および前記4本の片持梁状部は、平面視において、ローマ字のH型を構成し、
前記第1支持部および前記第2支持部は、平面視において、ローマ字のT型を構成する、圧電振動子。 - 請求項1または2において、
前記第1の片持梁状部および前記第2の片持梁状部は、前記第1支持部の一方の端部に接続されており、
前記第3の片持梁状部および前記第4の片持梁状部は、前記第1支持部の他方の端部に接続されている、圧電振動子。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第2支持部は、平面視において、前記第1支持部の中心点から最短距離の端点に接続されている、圧電振動子。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1支持部、前記片持梁状部、および前記第2支持部は、直方体形状を有する、圧電振動子。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記基体は、
基板と、
前記基板の上方に形成された絶縁部と、
前記絶縁部の上方に形成された半導体部と、を有し、
前記振動部は、半導体からなる、圧電振動子。 - 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記基体は、SOI(Silicon On Insulator)基板である、圧電振動子。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記基体は、半導体基板であり、
前記振動部は、半導体からなる、圧電振動子。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電振動子を有する、発振器。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電振動子を有する、リアルタイムクロック。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の圧電振動子を有する、電波時計受信モジュール。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8253456B2 (en) | 2009-09-01 | 2012-08-28 | Seiko Epson Corporation | Time correction circuit and electronic apparatus |
CN105515442A (zh) * | 2015-12-04 | 2016-04-20 | 国网江西省电力科学研究院 | 一种臼型压电俘能器 |
JP2018129553A (ja) * | 2018-05-23 | 2018-08-16 | ラピスセミコンダクタ株式会社 | 半導体装置 |
-
2007
- 2007-02-23 JP JP2007044239A patent/JP2008211352A/ja not_active Withdrawn
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