JP2008211277A - 弾性表面波素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、主として無線通信機器にて使用される弾性表面波素子に関して、弾性表面波素子の電気的特性を向上させることを目的とするものである。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明の弾性表面波素子は、圧電体基板1と、この圧電体基板1の表面に設けた櫛型電極2と、前記圧電体基板1の裏面に設けた支持層5を備え、前記支持層5は複数の粒塊6からなる多結晶構造であり、前記粒塊6の表面を酸化させたのである。
【選択図】図3
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明の弾性表面波素子は、圧電体基板1と、この圧電体基板1の表面に設けた櫛型電極2と、前記圧電体基板1の裏面に設けた支持層5を備え、前記支持層5は複数の粒塊6からなる多結晶構造であり、前記粒塊6の表面を酸化させたのである。
【選択図】図3
Description
本発明は、主として無線通信機器に用いられる弾性表面波素子を構成する弾性表面波素子に関するものである。
一般にこの種の弾性表面波素子は、圧電体基板上に一対の櫛電極からなる櫛型電極を設けた構造となっているのであるが、圧電体基板の温度特性を低減させる手段として、圧電体基板より線膨張係数の小さく圧電体基板との密着性を有するシリコン等の半導体基板を支持体として貼り合わせた構造が知られている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2004−96677号公報
しかしながら、支持体を構成する半導体は高周波的にみて抵抗成分に見えるため圧電体基板を薄くすることで、図4に示されるように櫛型電極11を構成する一対の櫛電極の間が支持基板を形成する半導体を介して不要な結合をしてしまい、この不要結合が弾性表面波素子の電気的特性を劣化させていた。なお、容量成分12は櫛電極と支持層とが圧電体基板を介して対向することで形成される結合容量であり、抵抗成分13は支持体が有する固有の抵抗成分である。
そこで、本発明はこのような問題を解決し電気的特性の優れた弾性表面波素子を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明は、弾性表面波素子を構成する圧電体基板の裏面に設けられる複数の粒塊からなる多結晶構造であり、粒塊の表面を酸化させたのである。
この構成により、支持層が有する抵抗成分を大きくし櫛電極間の不要な結合を抑制でき、結果として弾性表面波素子の電気的特性を向上させることが出来るのである。
以下、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。
図1は弾性表面波素子を模式的に示したものであり、その基本構造はタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの圧電体基板1の上面に櫛型電極2を配置した構造を示している。
そして、圧電体基板1の下面には図2に示すごとく、アルミナからなるベース層3とシリコンからなる密着層4から形成した支持層5が、密着層4を接合面として圧電体基板1に接合した構造とし、圧電体基板1と接する支持層5部分つまり密着層4が圧電体基板1より線膨張係数が小さいシリコンで構成しており弾性表面波素子の温度特性を改善した構成となっている。
また、支持層5を形成する密着層4及びベース層3はそれぞれ図3に示すごとく各構成材料の粒塊6により構成しており、これにより弾性表面波素子の支持対の有する抵抗成分による電気的特性の劣化をも抑制しているのである。
すなわち、支持層5において圧電体基板1と当接する密着層4をシリコンからなる多結晶構造とし、この多結晶構造を形成する個々の粒塊6の表面を酸化させることで、密着層4自体の抵抗値が大きくなり、図4で述べた容量成分12と抵抗成分13による不要な結合の結合経路のインピーダンスが高インピーダンスとなるため高周波的な結合が小さくなる。つまり、弾性表面波素子の電気的特性の劣化を抑制できるのである。
また、支持体が複数の粒塊6からなる多結晶構造であることから、各粒塊6の表面で櫛型電極2から放射されたバルク波が乱反射し、位相のずれた反射波同士で打ち消しあうようになり、この結果として薄型化に伴う弾性表面波素子の電気的特性の劣化を抑制できるからである。なお、多結晶構造における結晶粒子の大きさを櫛型電極から放射されるバルク波の波長程度に設定することでバルク波の発散性をより高めることが出来る。
また、支持層5を密着層4とベース層3の多層構造とした理由は、密着層4が圧電体基板1との密着性がよく線膨張係数が小さい多結晶構造のシリコンを用いることで弾性表面波素子の温度特性の改善を図り、さらに電気的特性の向上を図ったものであるが、より剛性が高く線膨張係数が小さくシリコンとの密着性を有するアルミナをベース層3として支持層5を多層構造化することにより、さらに温度特性の改善が望めるのである。
さらに、このベース層3を密着層4と同様に多結晶構造としたことで、密着層4を透過したバルク波を密着層4と同様に散乱させることができ電気的特性の劣化もより抑制できるのである。
なお、この一実施形態においては弾性表面波素子として一対の櫛型電極2を用いた模式的な構造を用いて説明したが、櫛型電極2を梯子型に組み合わせたラダー型フィルタや、複数の櫛型電極2を圧電体基板1の伝播方向に配置した縦モード型フィルタ、また、このような弾性表面波フィルタを適宜組み合わせた分波器や共用器といったものが弾性表面波素子として挙げられ同様の作用効果を奏することが出来る。
本発明に係る弾性表面波素子は、温度特性の抑制及び電気的特性を向上できるという効果を有するものであり、主として無線通信機器に用いられる弾性表面波フィルタや弾性表面波デュプレクサなどの弾性表面波素子等において有用となるものである。
1 圧電体基板
2 櫛型電極
3 ベース層
4 密着層
5 支持層
6 粒塊
2 櫛型電極
3 ベース層
4 密着層
5 支持層
6 粒塊
Claims (1)
- 圧電体基板と、
この圧電体基板の表面に設けた櫛型電極と、
前記圧電体基板の裏面に設けた支持層を備え、
前記支持層は複数の粒塊からなる多結晶構造であり、前記粒塊の表面を酸化させたことを特徴とする弾性表面波素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007043230A JP2008211277A (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | 弾性表面波素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007043230A JP2008211277A (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | 弾性表面波素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008211277A true JP2008211277A (ja) | 2008-09-11 |
Family
ID=39787245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007043230A Withdrawn JP2008211277A (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | 弾性表面波素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008211277A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011148705A1 (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-01 | 株式会社 村田製作所 | 弾性波デバイス |
JP2019192988A (ja) * | 2018-04-19 | 2019-10-31 | 株式会社ディスコ | Sawデバイスの製造方法 |
JP2021048624A (ja) * | 2015-12-22 | 2021-03-25 | ソワテク | 単結晶圧電層、およびそのような層を含むマイクロエレクトロニクスデバイス、光子デバイスまたは光学デバイスの作製方法 |
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2007
- 2007-02-23 JP JP2007043230A patent/JP2008211277A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7195758B2 (ja) | 2018-04-19 | 2022-12-26 | 株式会社ディスコ | Sawデバイスの製造方法 |
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