JP2008211158A - 電気・電子絶縁シート - Google Patents

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榮一 杉本
純雄 ▲高▼殿
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Abstract

【課題】太陽電池へは、封止樹脂シートおよび保護シートの二種類のシートを付加するので、製造工程が煩雑で、コスト増となり、屋外で長期に使用されることから製品の信頼性を欠く問題が指摘されている。
【解決手段】本発明は、耐候性、耐熱性、耐湿性、電気的特性、機械的特性などの保護性と同時に封止性に優れた、太陽電池の構成材料である包含シートに使用される新規な単層構造の電気・電子絶縁シートを提供するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は新しい時代の電気・電子機器絶縁システム及び電子デバイスに関するものである。新しい時代の機器絶縁の技術開発動向として、1)環境調和型(エコロジー)、2)省資源・省エネルギー、3)小型軽量化、4)高性能化、5)信頼性の向上、6)安全性の確保などが強く要望されている。上記の技術動向に着目し、本発明は、耐候性、耐熱性、耐湿性、電気的特性、機械的特性、実装作業性等に優れた太陽電池の構成材料である単層構造を有する新規な電気・電子絶縁シートを提供するものである。
従来、太陽電池モジュールは、太陽電池サブモジュールの裏面に、封止樹脂、例えば硬化剤を配合したエチレン−酢酸ビニル共重合体等のシートを載置し、その上に更に保護フィルムを載置し、封止樹脂シートと保護フィルムとを太陽電池サブモジュールの裏面に対し加熱圧着することにより行われていた。加熱圧着は、気泡の混入を防止するため等の理由により、通常真空ラミネート法により行われている。この加熱圧着過程で、封止樹脂は軟化、溶融を経て硬化する。
太陽電池に用いられる保護フィルムには、電気絶縁性、機械的強度の長期の保持性が要求される。即ち、屋外で長期に使用されることから、直射日光下での耐候劣化、熱による特性低下がなく、且つ水分の浸透による変質、剥離等を起こさない材料が求められている。このような材料として、一般的にアルミ箔の両面にフッ化ビニル樹脂フィルムを接着剤により積層したタイプ、或いは同じくアルミ箔の両面にポリエステル樹脂フィルムを接着剤により積層したタイプ等が用いられている。このように機能の異なる薄膜層から構成された、いわゆる多層フィルムである。
例えば、フッ化ビニル樹脂フィルムを用いた物は、フィルム自体の耐候性、耐熱性、耐湿性は優れているものの、積層の際に用いられる接着剤、一般的にはウレタン系樹脂接着剤、エポキシ系樹脂接着剤等が用いられるが、この接着剤が耐候性、耐熱性、耐湿性等の耐久性に劣っていた。長期の使用において、特に太陽電池モジュール裏面側に配置された層の接着剤が、熱、湿気等により変質し、電気的特性、機械的特性の低下を招く結果となり、更にはフィルム層の剥離、破壊の原因となっていた。また、ポリエステル樹脂フィルムを用いたものでは、やはりポリエステル樹脂自体の耐候性、耐久性に難点が有り、長期に亘る安定性という面で信頼性に劣るものであった。
太陽電池サブモジュールへ、封止樹脂シートおよび保護フィルムの二種類のシートを付加するので、製造工程が煩雑で、コスト増となり、製品の信頼性を欠く問題が指摘されている。
発明が解決しようとする課題
本発明は、耐候性、耐熱性、耐湿性、電気的特性、機械的特性などの保護性と同時に封止性に優れた、太陽電池の構成材料である包含シートに使用される新規な単層構造の電気・電子絶縁シートを提供するものである。特には、太陽電池モジュールを作製する際に、裏面最外層となる弗素系樹脂層面から進入する光、熱、水分による劣化を防止すると共に、電気的、機械的特性を有効に保持し、且つ包含シート内での剥離、破壊の生じない電気・電子絶縁シート及びこのシートを用いた太陽電池モジュールを提供するものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。
すなわち、
(1)耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物からなる単層構造の電気・電子絶縁シート、
(2)耐候性樹脂組成物がフッ素樹脂含有組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(3)水蒸気バリア性樹脂組成物が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化チタンからなる群より選ばれた1種以上の無機物粒子を含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(4)電気絶縁性樹脂組成物がポリエステル、液晶ポリマー、環状オレフィンポリマーからなる群より選ばれた1種以上を含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(5)機械的強度樹脂組成物が低オリゴマー性ポリエステルを含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(6)封止性樹脂組成物がエチレンー酢酸ビニル共重合体を含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(7)耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物を溶融し、押し出し法にて、シート化することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法、
(8)耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物を溶融し、押し出し法にて、シート化し、さらに延伸することを特徴とする請求項7に記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法、
(9)耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物を溶融し、共押し出法にてシート化することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法、
(10)耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物を溶融し、共押し出法にてシート化し、さらに延伸することを特徴とする請求項9に記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法、
(11)延伸が二軸延伸である請求項8または10に記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法、
(12)温度85℃、湿度85%の環境下において、3,000時間処理後の伸度保持率が50〜100%である請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(13)温度85℃、湿度85%の環境下において、3,000時間処理後の交流全面耐電圧が5,000V/mil以上である請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(14)温度40℃、湿度90%における厚さ100μm換算の水蒸気透過率が0.3g/m・24hr以下である請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シート、
(15)請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シートであって、太陽電池モジュールの封止および保護に用いられる太陽電池モジュール包含シート、
(16)請求項15に記載の太陽電池モジュール包含シートを用いた太陽電池モジュールである。
課題を解決するための手段
本発明の電気・電子絶縁シートに用いられる耐候性組成物はフッ素樹脂を含有する組成物である。フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、フロロアルキルビニルエーテル及びエチレンからなる群から選ばれた1種または2種以上のモノマーからなる重合体または共重合体の少なくとも1種以上を含む共重合体樹脂が好ましく使用できる。特には、水蒸気透過防止性、耐熱性、耐候性、加工性の点から、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンの三元共重合体樹脂を用いることが好ましい。
本発明の電気・電子絶縁シートに用いられる水蒸気バリア性組成物は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化チタンからなる群より選ばれた1種以上の無機物粒子を含む組成物である。
無機物粒子を含む組成物は、透明で、かつ、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化チタンなどがその具体例であるが、その中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が好ましい。これらの無機物粒子は、通常、樹脂中に混練したマスターバッチを調製し、これを主原料に混合し分散させることにより用いられる。
本発明の水蒸気バリア性組成物は、水蒸気バリア性に加えて反射機能を有するので、本発明の包含シートを用いることで太陽電池モジュールの発電効率を向上させることができる効果もある。
本発明の電気・電子絶縁シートに用いられる電気絶縁性樹脂組成物は、ポリエステル、液晶ポリマー、環状オレフィンポリマーからなる群より選ばれた1種以上を含む組成物である。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸誘導体とジオール誘導体との重縮合体であるポリエステル樹脂を含み、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートなどを用いることができる。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ、効果が高い。また、これらの樹脂はホモ樹脂であってもよく、共重合体またはブレンド体であってもよい。好ましく使用されるポリエステルの融点は、250℃以上のものが耐熱性の上で好ましく、300℃以下のものが生産性上好ましい。この範囲内であれば、他の成分が共重合しても、ブレンドしていてもよい。また、機械特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、着色剤、帯電防止剤、低密度化剤などの添加剤が、たとえば60重量%以下の範囲で添加されていてもよい。
本発明における液晶ポリマーとは、液晶構造を発現する高分子であり、その液晶構造の発現のもととなるメソゲン基が、直接主鎖にのみ入ったもの(主鎖型液晶ポリマー)、側鎖にのみ入ったもの(側鎖型液晶ポリマー)、あるいはその両者に入ったもの(複合型液晶ポリマー)に分類される。
本発明に用いられる代表的な液晶ポリマーは次式の、タイプI、IIおよびIIIがある。
タイプI
Figure 2008211158
タイプII;フェノールおよびフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体
Figure 2008211158
タイプIII;2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体
Figure 2008211158
また、下記の基本骨格を有する3元共重合体も用いられる。
Figure 2008211158
機械特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、着色剤、帯電防止剤、低密度化剤などの添加剤を加えてもよい。
本発明における環状オレフィンポリマーとは、ノルボルネン系モノマーを重合して得られる脂環式構造を有するポリマーである。環状オレフィンポリマーは、ノルボルネン系モノマーを、開環メタセシス重合あるいはオレフィンと共重合することで得られる。また、ノルボルネン系重合体の水素添加物も含まれる。
本発明に使用される環状オレフィンポリマーの具体例としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、およびそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械強度等の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物およびノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体が最も好ましい。
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどがある。
機械特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、着色剤、帯電防止剤、低密度化剤などの添加剤を加えてもよい。
本発明の電気・電子絶縁シートに用いられる機械的強度樹脂組成物は、機械的強度樹脂組成物が低オリゴマー性ポリエステルを含む組成物である。
通常のポリエステルは、モノマーを縮合重合させたいわゆるポリマーであり、モノマーとポリマーの中間体であるオリゴマーが1.6〜2wt%含まれている。ここでオリゴマーとは構造単位の繰返しの数(重合度)が2から20程度の低重合体である。オリゴマーの含有量は、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance :NMR)等の手段を利用して知ることができる。これに対して本発明で使用する機械的強度樹脂は、重合反応が高度に進んでオリゴマー含有量が0.5〜0.8wt%の樹脂となっている。重合反応が進んでオリゴマー含有量が0.5〜0.8wt%と低くなれば、耐加水分解性に優れた、すなわち、機械的強度が安定した樹脂シートとすることができる。樹脂しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が好んで使用できる。PET樹脂から、安価で、高機械的強度や高耐候性を有する樹脂シートを得ることが出来る。
本発明の電気・電子絶縁シートに用いられる封止性樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(Ethylene−Vinylacetate Copolymer:EVA)を含む組成物である。
EVAには、耐候性を向上させるために、架橋剤を配合して架橋構造を持たせたものであっても良い。架橋剤としては、一般に100℃以上でラジカルを発生させる有機過酸化物が使用でき、例えば、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチシクロキサン、t−ブチル−オキシベンゾエートあるいはベンゾイルパーオキサイド等が利用できる。これらの有機過酸化物の配合量は、一般にEVA樹脂100重量部に対して5重量部以下、好ましくは1〜3重量部である。
また、EVAには、太陽電池素子との接着力を向上させることを目的として、シランカップリング剤を添加することができる。このような用途に用いられるシランカップリング剤の例としては、γ−クロロプロピルトリメチキシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエキトシラン、ビニル−トリス−(β−メトキシエトシキ)シラン、γ−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン、ビニルトリアセトキシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシランあるいはN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシラン等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤の配合量は、一般にEVA樹脂100重量部に対して5重量部以下、好ましくは0.1〜2重量部である。また、各種着色剤、変色防止剤、老化防止剤等も添加することができる。
更に、EVA樹脂の安定性を向上する目的でハイドロキノン類を添加することができ、これらの配合量は、一般にEVA樹脂100重量部に対して5重量部以下である。
複合樹脂組成物における耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物の組成は次の通りである。
耐候性樹脂組成物は10〜40重量部、好ましくは20〜30重量部であり、水蒸気バリア性樹脂組成物は0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜1.0重量部であり、電気絶縁性樹脂組成物は20〜60重量部、好ましくは35〜50重量部であり、機械的強度樹脂組成物は20〜60重量部、好ましくは30〜50重量部であり、封止性樹脂組成物は30〜60重量部、好ましくは35〜50重量部である。これらの値の範囲内の樹脂組成物とすることで目的とする優れた特性の電気・電子絶縁シートが得られる。
耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物を溶融し、押し出し法にて、シート化して、単層構造の電気・電子絶縁シートとする。
電気・電子絶縁シートとするには、まず、耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物を、所定の配合割合で、ニーダー、ブレンダー、ミキサーにより混合し、複合樹脂組成物とする。次にこの複合樹脂組成物をペレット化する。このペレットを融点以上に加熱して溶融し、押し出し機のダイから押し出し、冷却ドラムで冷却すること電気・電子絶縁シートが得られる。
非相溶性のポリマーや微粒子を熱可塑性樹脂に添加する方法としては、特に限定されるものではないが、非相溶性ポリマーを用いた場合、押出機にそれぞれの樹脂組成物を供給し、該押出機のせん断力を利用して分散させる方法がコスト面で有利である。分散に引き続き溶融後、押し出しして、電気・電子絶縁シートが得られる。
このようにして得られたシートは、必要に応じて二軸延伸してもよい。二軸延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸してもよいし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。ここで、縦方向への延伸とは、シートに長手方向の分子配向を与えるための延伸をいい、通常は、ロールの周速差により施される。この延伸は一段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に延伸したものでもよい。また、横延伸とは、シートの幅方向の分子配向を与えるための延伸をいい、通常は、テンターにより実施される。かかる延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートの場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。
このようにして得られた電気・電子絶縁シートは、耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物がシート中に均一に溶解・分散した単層構造を有している。
耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物を溶融し、共押し出法にてシート化することにより単層構造の電気・電子絶縁シートとすることもできる。
耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物につき、それぞれに押出機を用いて融点以上に加熱して溶融し、異なるダイから同時に送り出し、一枚のシートとし、冷却ドラムで冷却することで電気・電子絶縁シートが得られる。このようにして得られたシートは、必要に応じて二軸延伸してもよい。
このようにして得られた電気・電子絶縁シートは、耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物がシート中に層状に均一に存在する単層構造を有している。
本発明の電気・電子絶縁シートは、温度85℃、湿度85%の環境下において、3,000時間処理後の伸度保持率が50〜100%である。
温度85℃、湿度85%の環境下において3000時間エージングは、太陽電池用樹脂シートとして、屋外暴露状態で20年間相当の加水分解性を検査する試験の一つである。この条件で試験した時の伸度が、40%以下であれば、樹脂シートの劣化が著しく、包含シートとしての役目を果たさない。
本発明の電気・電子絶縁シートは、温度85℃、湿度85%の環境下において、3,000時間処理後の交流全面耐電圧が5,000V/mil以上である。この条件で試験した時の交流全面耐電圧が5,000V/mil以下の時は、樹脂シートの電気絶縁性が不十分で、包含シートとしての役目を果たさない。
本発明の電気・電子絶縁シートは、温度40℃、湿度90%RHにおいて、100μm換算の水蒸気透過率が0.3g/(m・24hr)以下である。
本発明の包含シートは、JIS−K−7129に準じた水蒸気透過率測定において、温度40℃、湿度90%において、100μm換算の水蒸気透過率が0.3g/(m・24hr)以下であることが好ましい。0.3g/(m・24hr)(厚さ100μm換算)よりも多くの水蒸気を通してしまうと、包含シートの加水分解を促進し、強度、伸度ともに劣化し脆くなってしまうなど、太陽電池モジュールのトラブルとなる。また、水蒸気が太陽電池モジュール内の回路にまで入り込み、回路がショートするなどの不具合が生じる。
本発明の単層構造の電気・電子絶縁シートは、太陽電池モジュールの保護および封止に用いられる太陽電池モジュール包含シートである。
本発明の太陽電池モジュール包含シートは、太陽電池モジュールに用いられる。
本発明の電気・電子絶縁シートの実施態様を図1および図2に、この電気・電子絶縁シートを用いた太陽電池モジュールの実施態様を図3に示す。
図1に示された電気・電子絶縁シートにおいて、耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物は、シート中において渾然一体とした状態で存在し、これら組成物の区別はつきがたい。すなわち、単層構造をなしており、これら組成物が遊離したり、剥離したりすることはなく、使用時の安定性が非常に優れている。
図2は共押し出し法によって得られる電気・電子絶縁しーとの断面図である。耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物は重なり合って存在するが、これらの境界線は不明瞭で、やはり単層構造であり、これら組成物が遊離したり、剥離したりすることはなく、使用時の安定性が非常に優れている。
図3は、本発明の電気・電子絶縁シートを用いた太陽電池モジュールである。太陽電池セルは、本発明の電気・電子絶縁シートの中に安定に包含される。本発明の電気・電子絶縁シートは、耐候性、水蒸気バリア性、電気絶縁性、機械的強度および封止性に優れているので、光、熱、水分による劣化を防止すると共に、電気的、機械的特性を有効に保持し、剥離、破壊の生じない太陽電池モジュールを得ることが出来る。
図4は、従来の太陽電池モジュールに用いられる保護シートの断面図である。耐候性樹脂層、水蒸気バリア樹脂層、電気絶縁性樹脂層および易接着処理層から成り立っている多層構造である。通常、これらの各層は接着剤を介して貼り合わされるので、使用時に剥離や劣化が起こりやすい。
図5は従来の太陽電池モジュールに用いられる封止性樹脂シートの断面図である。通常はエチレン−酢酸ビニル共重合体が用いられる。
図6は従来の保護シートと封止性樹脂シートを用いた太陽電池モジュールの断面図である。太陽電池セルを包含する樹脂シートは、特性の異なる複数の層から成り立っているので、長期間の使用時に、特に層間での剥離や劣化が起こりやすく、太陽電池モジュールの信頼性が乏しい。
発明の効果
従来の電気・電子絶縁シートは多層構造であるので、長期間にわたって使用すると、劣化や剥離が起こり、太陽電池モジュールの性能低下や信頼性低下につながった。本発明の電気・電子絶縁シートは単層構造であるので、かかる問題は発生せず、太陽電池モジュールの性能向上や信頼性向上がいちじるしく向上する。
従来の電気・電子絶縁シートは多層構造であるため、製造が煩雑で実装作業性に劣り、製造コスト上で問題があった。本発明の電気・電子絶縁シートは単層構造であるので、これらの問題も解消できる。
本発明の電気・電子絶縁シートの断面図である。 本発明の電気・電子絶縁シートの他の一例の断面図である。 本発明の電気・電子絶縁シートを用いた太陽電池モジュールの断面図である。 従来の保護シートの断面図である。 従来の封止性樹脂シートの断面図である。 従来の保護シートおよび封止シートを用いた太陽電池モジュールの断面図である。
符号の説明
1 電気・電子絶縁シート
2 太陽電池モジュール
3 太陽電池セル
4 表面ガラス
11 耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物からなる単層構造の電気・電子絶縁シート
12 耐候性樹脂組成物
13 水蒸気バリア性樹脂組成物
14 電気絶縁性樹脂組成物
15 機械的強度樹脂組成物
16 封止性樹脂組成物
5 従来の保護シート
6 従来の封止性樹脂シート
7 従来の太陽電池モジュール
51 耐候性樹脂層
52 水蒸気バリア樹脂層
53 電気絶縁性樹脂層
54 易接着処理層

Claims (16)

  1. 耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物からなることを特徴とする単層構造の電気・電子絶縁シート。
  2. 耐候性樹脂組成物がフッ素樹脂含有組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  3. 水蒸気バリア性樹脂組成物が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化チタンからなる群より選ばれた1種以上の無機物粒子を含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  4. 電気絶縁性樹脂組成物がポリエステル、液晶ポリマー、環状オレフィンポリマーからなる群より選ばれた1種以上を含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  5. 機械的強度樹脂組成物が低オリゴマー性ポリエステルを含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  6. 封止性樹脂組成物がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む組成物である請求項1に記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  7. 耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物を溶融し、押し出し法にて、シート化することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法。
  8. 耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物からなる複合樹脂組成物を溶融し、押し出し法にて、シート化し、さらに延伸することを特徴とする請求項7に記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法。
  9. 耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物を溶融し、共押し出法にてシート化することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法。
  10. 耐候性樹脂組成物、水蒸気バリア性樹脂組成物、電気絶縁性樹脂組成物、機械的強度樹脂組成物および封止性樹脂組成物を溶融し、共押し出法にてシート化し、さらに延伸することを特徴とする請求項9に記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法。
  11. 延伸が二軸延伸である請求項8または10に記載の単層構造の電気・電子絶縁シートの製造方法。
  12. 温度85℃、湿度85%の環境下において、3,000時間処理後の伸度保持率が50〜100%である請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  13. 温度85℃、湿度85%の環境下において、3,000時間処理後の交流全面耐電圧が5,000V/mil以上である請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  14. 温度40℃、湿度90%における厚さ100μm換算の水蒸気透過率が0.3g/m・24hr以下である請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シート。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載の単層構造の電気・電子絶縁シートであって、太陽電池モジュールの保護および封止に用いられる太陽電池モジュール包含シート。
  16. 請求項15に記載の太陽電池モジュール包含シートを用いた太陽電池モジュール。
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