JP2008210744A - コンパクト形蛍光ランプ - Google Patents

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Terutaka Muramatsu
輝隆 村松
Masayuki Kiryu
正幸 桐生
Ryo Suzuki
量 鈴木
Takashi Osawa
隆司 大澤
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Abstract

【課題】液水銀を使用する8本柱以上のコンパクト形蛍光ランプにおいて、照明器具内においても十分な全光束が得られるコンパクト形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】この発明に係るコンパクト形蛍光ランプは、U字管2で構成される発光管が8本柱以上で、水銀蒸気圧規制を行わないコンパクト形蛍光ランプにおいて、U字管2のバルブ間の距離Lb、U字管間の距離Lcを、
1.5≦Lb≦3(単位は[mm]) (1)
1.5≦Lc≦3(単位は[mm]) (2)
とすることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、8本柱以上のコンパクト形蛍光ランプに関するものである。
6本柱のコンパクト形蛍光ランプの中で、70W、光束5200lm(ルーメン)のものは、長さが220mmになり、実使用上狭い所に適さない等の課題がある。即ち、縦型の埋め込み形のダウンライトでは天井裏の高さが問題で、ランプが210mmを超えると、それに合わせて設計した照明器具が天井に設置できない場合があるという課題があり、210mmというのが一つの上限と考えられている。そのため、6本柱に代えて8本柱にし、長さを短くすることが検討されている。
8本柱のコンパクト形蛍光ランプは、6本柱の場合に比較し、相互のバルブからの放射のエネルギーや口金等での伝導熱がどうしても大きくなり、このため温度が上昇することになる。液水銀を導入したタイプでは、蒸発しないで残った水銀がたまる最冷部の温度が最適値より上昇し、このため、水銀蒸気圧が最適値より上昇し、効率が低下する。このため、通常、水銀アマルガムを導入することによって、水銀蒸気圧を低下させる手法をとる。ところが、この水銀アマルガムを使用した方式は、次のような問題がある。
(1) 空調等の空気の流れによっては温度が上昇しにくい環境になったときに水銀アマルガムとしての最適温度よりかなり低い状態のままとなって、明るくならない(過冷却問題と呼ぶ)。
(2) 最適温度が高いためにその温度になるまでの間、通常の液水銀を用いた場合に比較して暗い。
このため、液水銀を採用した方式を採用し、この方式の欠点を改良する方向で検討を行っている。
特開2003−217506号公報
この液水銀を採用した場合の最大の課題は最冷部の温度が最適値より高くなることであり、これについては、最冷部の構造を温度が上がりにくいようにすることによって、クリアすることが考えられる。しかしながら、照明器具内で点灯したときにその温度がさらに上昇し、水銀蒸気圧の最適値より大きく上昇する。これは水銀アマルガムの温度上昇に伴う水銀蒸気圧の上昇よりかなり大きい。この照明器具内の温度上昇に対応して、効率を大きく低下させないようにするというのが課題である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、液水銀を使用する8本柱以上のコンパクト形蛍光ランプにおいて、照明器具内においても十分な全光束が得られるコンパクト形蛍光ランプを提供することを目的とする。
この発明に係るコンパクト形蛍光ランプは、U字管で構成される発光管が8本柱以上で、水銀蒸気圧規制を行わないコンパクト形蛍光ランプにおいて、U字管のバルブ間の距離Lb、U字管間の距離Lcを、
1.5≦Lb≦3(単位は[mm]) (1)
1.5≦Lc≦3(単位は[mm]) (2)
とすることを特徴とする。
また、この発明に係るコンパクト形蛍光ランプは、U字管で構成される発光管が8本柱以上で、水銀蒸気圧規制を行わないコンパクト形蛍光ランプにおいて、多角形の口金ケースを備え、口金ケースは多角形の頂点に対向して発光管を保持する開口部を有し、口金ケースの多角形の頂点と開口部との最短距離s、口金ケースの外接円と多角形の一辺の中点との距離pを、
3≦s≦6(単位は[mm]) (3)
1≦p(単位は[mm]) (4)
とすることを特徴とする。
従来のアマルガム方式では過冷却を抑制するためにU字管のバルブ間の距離Lb、U字管間の距離Lcを狭くしていた。この発明に係るコンパクト形蛍光ランプは、水銀蒸気圧規制を行わない水銀導入方式であるので、過冷却に対応できるため、U字管のバルブ間の距離Lb、U字管間の距離Lcを従来より広くできる。即ち、(1)、(2)式を満たすようにすることにより、照明器具に入れた場合について、ランプ周辺の対流がスムーズに流れるため温度上昇が小さくなって効率が上がり、さらにはランプの内側に放射された発光が外にでやすくなる効果もあるため、全光束を高くすることができる。
また、この発明に係るコンパクト形蛍光ランプは、口金ケースの多角形の頂点と開口部との最短距離s、口金ケースの外接円と多角形の一辺の中点との距離pが、(3)、(4)式を満たすようにすることにより、照明装置に用いられた場合に笠部との隙間を十分に取れるようにでき、笠部内の対流を改善できる。それにより、コンパクト形蛍光ランプの温度上昇を抑制し、全光束を高くすることができる。
実施の形態1.
図1乃至3は実施の形態1を示す図で、図1はコンパクト形蛍光ランプ1の全体構成を示す図、図2は口金ケース3の平面図、図3はU字管2の部分縦断面図である。
図1に示すように、コンパクト形蛍光ランプ1は、四つのU字管2(ガラスバルブ)を、端部の側壁同士(接合部2a)で互いに溶融接合し、8本のガラスバルブにより内部に全体として1本の蛇行形の放電路を形成した発光管5と、この発光管5が接着等により固定される平坦部3bとこの平坦部3bに連なる横断面が八角形状の側壁3aとを有する口金ケース3と、この口金ケース3に嵌合し、発光管5からのリード線に電気的に接続される口金ピン4aを有する口金4とを備える。
放電路の両端部となる二つのU字管2には、図示はしないが、フィラメントが設けられる。フィラメントには、電子放射物質が塗布される。二つのフィラメント間に放電路が形成される。
尚、口金ケース3の材質は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等である。
図2に示すように、口金ケース3は、側壁3aの一方の端部に連なる平坦部3bに8本柱の発光管5を接着等により固定するための8個の開口部3cが設けられている。
側壁3aの他方の端部は開口しており、ここに口金ピン4aを有する口金4が嵌合する。
ここでは、8本柱のコンパクト形蛍光ランプ1を用いて説明するが、10本柱、12本柱等の8本柱以上のものにも本発明は適用される。
図1のコンパクト形蛍光ランプ1は、アマルガムを使用しないタイプのもので、液水銀を発光管5内に導入する。アマルガムを使用するものについては、空調や外気の影響で、ランプの温度が上がらなくなり、アマルガムを用いた場合の最適値よりかなり低い状態にとどまってしまうことがある(過冷却と呼ぶ)。また、アマルガムでの最適値が高いため、点灯後、その最適温度に達するまでの時間がかかり、光束の立上りが遅いという課題がある。これらの課題を解決するためである。
液水銀を発光管内に導入する方法としては、下記のものがあり、少なくとも動作中に水銀が独立して動作するものを指す。
(1)高純度の液体水銀をそのまま入れる方法。
(2)Hg(水銀)をTiZnあるいはFe中に含浸させた形で封入し、点灯や加熱によりHgがTiZnあるいはFeの構体と独立して動作させるようにした方式。
本実施の形態では、(2)の方式を採用している。
アマルガムを用いた方式は、水銀蒸気圧がアマルガムの温度の他に、アマルガムを構成する元素の比率を調整することによっても変えることができる。さらにアマルガムはチップ管に固定したり、フィラメントを支えるリード線に固定したりすることによって、位置も固定することができる。このことを「水銀蒸気圧規制をおこなっている」という。これに対して、液水銀を導入した場合、点灯中液で残っている水銀の温度のみで水銀蒸気圧が決まり、かつ、液水銀は動くため、最も温度の低い位置に自由に動き、位置を固定することができない。これを「水銀蒸気圧規制をおこなわない」という。
発光管5を構成する四つのU字管2は、同一形状である。U字管2の管外径は10〜15mm、長さ(U字の高さ)は150〜210mmであるが、180mmを一例とする。
コンパクト形蛍光ランプ1の長さLは、長いと縦型の天井埋め込み形のダウンライトでは天井裏と干渉する恐れがある。従って、210mmを上限とする。また、短いと発光効率が小さくなる。従って、150mmを下限とする。
U字管2の管外径は、細いと効率が小さくなり、放電電圧が高くなりすぎるため、インバータを設計する際の制限が大きくなる。従って、U字管2の管外径は、10mmを下限とする。また、U字管2の管外径が太いと、発光管5の径方向のサイズが大きくなり、器具の設計が難しくなる。電流も大きくなりすぎるため、インバータのコストに課題が出てくる。従って、U字管2の管外径は、15mmを上限とする。
既に述べたように、従来の70Wの6本柱コンパクト形蛍光ランプの長さは220mmである。本実施の形態の発光管5を構成する四つのU字管2の長さは180mmであるため、比較すると約40mm短縮される。
発光管5が8本柱になることにより、同一ワット数の6本柱のものよりも発光管5の温度が上がる。一例では、その差は約5K(ケルビン)である。発光管5の温度が上がると、水銀の蒸気圧を制御する最冷点の温度も上がるため、全光束が低くなる。この最冷部の温度を下げるためにこの実施の形態の一例では、ガラス管の頂部の断面を楔状にして、放電路から最冷部をできるだけはなすようにしている。さらに照明器具に入れた場合には、それからさらに、温度上昇する。この温度上昇は、照明器具の種類や設計により異なるので、一般的に温度上昇が小さいランプが要求されることになる。
本実施の形態では、8本柱のコンパクト形蛍光ランプ1を器具内に入れた場合の温度上昇に伴う全光束の低下を抑制する方法として、U字管2のバルブ間の距離及びU字管2間の距離に着目する。
図3に示すように、U字管2のバルブ間の距離をLb、U字管2間の距離をLcとする。
1.5≦Lb≦3(単位は[mm]) (1)
1.5≦Lc≦3(単位は[mm]) (2)
とすることにより、照明器具内に入れた場合でも、バルブの間をとおる対流が活発で、温度上昇が大きくならず、効率低下が少ない。さらに、このバルブの間隔が大きいために内側に向かって発光した光も外側に通過しやすくなり、効率が上がることになる。Lb、Lcが1.5mm未満では光がバルブの間から抜けにくく全光束が低くなるとともに、対流がほとんど起こらなくなって、器具内に入れたときに温度が上昇しにくくなる効果がみられなくなる。また、Lb、Lcが3mmを超えると、ランプサイズが大きくなると共に、U字管2間の接合部の加工が難しくなる。
以上のように、本実施の形態によれば、発光管5が8本柱になり、さらに液水銀を用いる方式をとった場合について、照明器具内に設置した場合に、温度上昇により、効率が低下するという課題を、以下のようにして解決する。即ち、U字管2のバルブ間の距離Lb、U字管2間の距離Lcを、
1.5≦Lb≦3(単位は[mm]) (1)
1.5≦Lc≦3(単位は[mm]) (2)
とすることにより、高い発光光束が得られる。
実施の形態2.
図4は実施の形態2を示す図で、口金ケース3の平面図である。
実施の形態1のように、U字管2のバルブ間の距離Lb、U字管2間の距離Lcを従来より大きくすると、発光管5が大きくなる。例えば、6本柱のコンパクト形蛍光ランプ1を使用していた照明装置に、実施の形態1のような8本柱のコンパクト形蛍光ランプ1を使用すると照明装置の笠部とコンパクト形蛍光ランプ1との間の隙間が狭くなり、笠部内の対流が悪化してコンパクト形蛍光ランプ1の温度が上がり、全光束が低くなるという課題がある。
そこで、本実施の形態では、口金4の径方向寸法を小さくして、照明装置の笠部とコンパクト形蛍光ランプ1との間の隙間を大きくして、笠部内の対流を改善することを検討する。
図4は口金ケース3の平面図であるが、口金ケース3の外形は八角形である。そして、八角形の各頂点に対向して開口部3cが設けられる。なお、この八角形は、頂点部分の角をとり丸みをつけてある。外接する円を想定すると、その円と接する部分を頂点、隣り合った頂点を結ぶ部分を辺と定義する。このおのおのの辺がこの外接する円と明確に離れて内側にあるような、概略八角形であれば八角形とみなす。先ず、記号の定義を行う。
d:バルブの直径
D:口金ケース3の外接円の直径
s:口金ケース3の八角形の頂点と開口部3cとの間の距離
p:口金ケース3の外接円と八角形の一辺の中点との距離
sとpは、次式を満たすようにする。
3≦s≦6(単位は[mm]) (3)
1≦p(単位は[mm]) (4)
発光管5の大きさは、バルブの直径d、U字管2のバルブ間の距離Lb、U字管2間の距離Lcにより決るので、口金ケース3の八角形の頂点と開口部3cとの間の距離s、口金ケース3の外接円と八角形の一辺の中点との距離pを(3)、(4)式のようにすることにより、口金ケース3の直径を小さくすることができる。
このように構成することにより、口金4の径方向寸法を小さくして、照明装置の笠部とコンパクト形蛍光ランプ1との間の隙間を大きくして、笠部内の対流を改善することができ、コンパクト形蛍光ランプ1の温度上昇を抑制し、全光束を高くすることができる。通常、バルブが2本から6本程度の場合、口金ケースの形状は円柱ではなく、そのバルブの並びに合わせた多角形柱にする。この理由は、その方が、口金ケースの材料を削減でき、重量やコストの面で有利なばかりではなく、見た目にもスマートに見えて、デザイン的にも好ましいことによる。8本柱を越えると、口金を多角形柱にしても材料の削減効果が小さい上にほとんどスマートに見えるというほど小さくならない。逆に円柱にした方が、材料の注入型の作成などが簡単になったり、不良が減るという利点があり、さらに、なめらかな丸みでデザイン的にも優れているという見方もある。このため、円柱形の口金を検討していた。一方、照明器具の口金近傍の軸に垂直な面での断面はランプの口金に合わせて多角形にする必要はほとんどなく、実際、ほとんどの場合、円である。この実施の形態においては、この照明器具の円形の断面形状に対応して、ランプの口金ケースと照明器具の断面の隙間に着目して、口金ケースの断面形状を多角形とすることによって、間隙を大きくして、対流を増加させるというものである。
以上のように、本実施の形態によれば、口金ケース3の八角形の頂点と開口部3cとの間の距離sを、3≦s≦6(単位は[mm])、口金ケース3の外接円と八角形の一辺の中点との距離pを、1≦p(単位は[mm])とすることにより、口金4の径方向寸法が小さくなり、照明装置の笠部とコンパクト形蛍光ランプ1との間の隙間を大きくして、笠部内の対流を改善することができ、コンパクト形蛍光ランプ1の温度上昇を抑制し、全光束を高くすることができる。
尚、口金ケース3の外形は、八角形のものを示したが、任意の多角形でよい。
実施の形態1を示す図で、コンパクト形蛍光ランプ1の全体構成を示す図。 実施の形態1を示す図で、口金ケース3の平面図。 実施の形態1を示す図で、U字管2の部分縦断面図。 実施の形態2を示す図で、口金ケース3の平面図。
符号の説明
1 コンパクト形蛍光ランプ、2 U字管、2a 接合部、3 口金ケース、3a 側壁、3b 平坦部、3c 開口部、4 口金、4a 口金ピン、5 発光管。

Claims (2)

  1. U字管で構成される発光管が8本柱以上で、水銀蒸気圧規制を行わないコンパクト形蛍光ランプにおいて、
    前記U字管のバルブ間の距離Lb、前記U字管間の距離Lcを、
    1.5≦Lb≦3(単位は[mm]) (1)
    1.5≦Lc≦3(単位は[mm]) (2)
    とすることを特徴とするコンパクト形蛍光ランプ。
  2. U字管で構成される発光管が8本柱以上で、水銀蒸気圧規制を行わないコンパクト形蛍光ランプにおいて、
    多角形の口金ケースを備え、該口金ケースは多角形の頂点に対向して前記発光管を保持する開口部を有し、前記口金ケースの多角形の頂点と前記開口部との距離s、前記口金ケースの外接円と前記多角形の一辺の中点との距離pを、
    3≦s≦6(単位は[mm]) (3)
    1≦p(単位は[mm]) (4)
    とすることを特徴とするコンパクト形蛍光ランプ。
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