JP2008209395A - 圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法及び検査装置 - Google Patents

圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数短期安定度を精度良く検査することができる圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法を提供する。
【解決手段】圧電デバイス10の出力信号と、基準発振器2から出力される圧電デバイス10の発振周波数から所定周波数ずれた発振周波数の基準信号を混合器3で混合して差信号を出力し、その差信号をカウンタ4でカウントしてビート周波数を測定し、演算部5においてビート周波数から周波数短期安定度を演算するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は水晶振動子等の圧電デバイスの周波数短期安定度を検査するのに好適な圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法及びその検査装置に関するものである。
水晶振動子などの各種圧電デバイスにおいては、製品出荷時において、圧電素子の励振レベル依存特性(DLD:Drive Level Dependency)の検査が一般的に行われている。励振レベル依存特性(以下、「DLD」と称する)とは、例えば圧電素子である水晶振動子の直列共振周波数についての励振レベル条件変化による影響を示したものである。従来、DLD検査は、圧電素子に印加するドライブレベルを可変(掃引)しながら圧電素子の発振周波数を測定する。換言すれば圧電素子を流れる励振電流を可変しながら圧電素子の発振周波数を測定する。そして、測定した発振周波数の変化によりDLDが正常であるか否かの判定を行うようにしていた。
図6は、従来のDLD検査装置の一例を示した図である。
この図6に示すDLD検査装置100は、ネットワークアナライザ101及びπ回路治具102により構成される。
ネットワークアナライザ101は、高周波回路や各種デバイスの高周波特性(インピーダンスなど)を測定する測定器であり、回路や素子等の被測定物(DUT:Device Under Test)に高周波信号を入力したときの被測定物からの反射信号、通過信号を測定して被測定物の高周波特性の測定を行う。π回路治具102は、水晶振動子などのDUT10が装着可能に構成され、その入力側及び出力側にそれぞれπ回路102a、102bが設けられている。DUT10には入力側のπ回路102aを介してネットワークアナライザ101の信号源からDUT10に印加するドライブレベルの信号が入力される。DUT10の出力はπ回路102bを介してネットワークアナライザ101に出力される。
なお、π回路治具102の具体的な構成は、日本工業標準調査会JIS C 6701に記載されている。
図7は、図6に示したDLD検査装置100によるDLD検査結果を示した図であり、(a)(b)には良品と判定されたサンプルA、Bの検査結果が、(c)には不良品と判定されたサンプルCの検査結果が示されている。
図7(a)(b)に示す良品と判定されたサンプルA、Bでは、水晶電流0.7mAまでは発振周波数が殆ど変化していない。これに対して、図7(c)に示す不良品と判定されたサンプルCでは、水晶電流0.7mAに達するまでに発振周波数が変動していることが見て取れる。このようDLD不良の主な原因としては、圧電素子の素板や電極上にゴミなどの異物が付着することにより安定した振動が得られなくなることによるものである。
なお、先行文献としては、特許文献1には2つのレーザ光の周波数差であるビート周波数を検出して、そのビート周波数をアラン分散処理することにより周波数安定度を測定するようにしたレーザ周波数安定度測定装置が開示されている。また特許文献2には、ビート法を用いた圧電デバイスの周波数調整方法が開示されている。また、特許文献3には、水晶電流の変化に対する発振周波数の変化の非直線性から漂動特性(副振動の影響による微小周波数ジャンプ)を判定する水晶振動子の漂動特性の測定方法及び測定装置が開示されている。また、引用文献4には、短時間で実質的にアラン分散を測定できる発振器の周波数安定度測定方法、発振器の周波数安定度測定装置およびこれを用いた発振器の製造方法が開示されている。
特開平2−257026号公報 特開平10−173463号公報 特開平9−54129号公報 特開2003−194860公報
ところで、近年、GPSやデジタル通信等の高速伝送装置に用いられる水晶振動子においては、高い周波数短期安定度が求められている。周波数短期安定度とは短い時間周期内における出力周波数の揺らぎ(不規則変動)を表したものである。
しかしながら、上記したような従来のDLD検査方法によれば、DLD不良を除去することができるが、周波数短期安定度に着目した場合、上記したようなDLD検査では検出できない不良モードが存在する。その結果、周波数短期安定度が悪い圧電デバイスが市場に流出するという問題点があった。このため、本願発明者らは圧電素子の周波数短期安定度の検査が可能か否かの検討を行った。その結果、圧電素子に印加する電流を高電流にすると、従来のDLD検査において判別できなかった周波数短期安定度が悪い製品を判別できることを見いだした。具体的には、水晶振動子に8mA程度の励振電流を流した場合、周波数短期安定度の良い製品と悪い製品とにおいて周波数挙動が大きく異なることを見いだした。
しかしながら、従来のDLD検査に用いられているネットワークアナライザ101では、装置の性能上、検査対象物であるDUT10に印加する励振電流を8mA程度まで高電流に設定することができないという問題点があった。
そこで、図8に示すような構成のDLD検査装置が考えられる。
図8に示すDLD検査装置120は、図6に示したDLD検査装置100のπ回路治具102の入力側に増幅器(Amp)103を挿入すると共に、その出力側に減衰器(ATT)104を挿入するように構成したものである。増幅器103は、ネットワークアナライザ101の信号源から入力信号を増幅する。減衰器104は、増幅器103の増幅量に対応したレベル分だけπ回路治具102からの出力信号を減衰させてネットワークアナライザ101に出力する。このように構成すれば、DUT10に印加する電流を8mA程度まで高電流に設定することが可能になるため、従来のDLD検査装置100において検査できなかった周波数短期安定度を検査することが可能になる。
しかしながら、図8に示したDLD検査装置120は、増幅器103や減衰器104を追加する必要があるため、大幅なコストアップを招くという欠点があった。
また、増幅器103及び減衰器104を挿入しているため、増幅器103の増幅率や減衰器104の減衰率のバラツキ等によって検査精度が悪いという問題点があった。
本発明はこのような問題点を鑑みてなされたものであり、従来のDLD検査では判別することができなかった周波数短期安定度を精度良く検査することができる圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法は、検査対象物である圧電デバイスの出力信号と、前記圧電デバイスとは発振周波数が微小に異なる周波数の基準信号を混合したときに生じるビート周波数を測定する測定工程と、所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算工程と、を含むことを特徴とする。
このような本発明によれば、従来のDLD検査では判別できなかった圧電デバイスの周波数短期安定度を精度良く判別することが可能になった。これにより、周波数短期安定度の悪い圧電デバイスが市場へ流出するのを防止することができる。
また、圧電デバイスの周波数(例えばVHF帯〜UHF帯の周波数)を直接測定する場合は高い周波数を測定することになるので、測定値に誤差が含まれやすく、ppb(10-9)オーダの僅かな周波数変動を精度良く判別することが困難であるが、本発明では、基準信号との混合により生じるビート周波数を測定しており、圧電デバイスの周波数よりも桁違いに低い周波数を測定しているので、測定値に含まれる誤差を格段に小さくできる。
本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法は、検査対象物である圧電デバイスを発振させて得られる共振周波数と、前記圧電デバイスの共振周波数より高い基本波の周波数を出力する高周波共振子をクロック源としたダイレクト・ディジタル・シンセサイザから出力され、前記圧電デバイスとは発振周波数が微小に異なる基準周波数を混合したときに生じるビート周波数を測定する測定工程と、所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算工程と、を含むことを特徴とする。
このような本発明によれば、従来のDLD検査では判別できなかった圧電デバイスの周波数短期安定度を精度良く判別することが可能になった。これにより、周波数短期安定度の悪い圧電デバイスが市場へ流出するのを防止することができる。
また、圧電デバイスの周波数に応じてダイレクト・ディジタル・シンセサイザの出力周波数を自由に設定できるので利便性が向上する。
さらに、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザのクロック源に基本波を出力する発振器を用いるようにしているため、周波数の測定精度が低下するのを防止することができる。
また、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法は、圧電デバイスの複数点の励振電流から周波数短期安定度の検査を行うことを特徴とする。
このような本発明によれば、周波数短期安定度に加えてDLD検査も行うことが可能になった。
また、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法は、演算工程において、複数のビート周波数のうち、或るビート周波数をFn+1、該ビート周波数Fn+1に時間的に隣接する2点のビート周波数をそれぞれFn、Fn+2、nを自然数、としたときに、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の周波数差の演算を行うことを特徴とする。
このような本発明によれば、水晶電流の変化によるppmオーダの周波数変化や周波数ドリフトをキャンセルすることができるため、測定精度の向上や判定時間の短縮を図ることができる。
また、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法は、演算工程において、前記複数のビート周波数のうち、測定開始直後のビート周波数をF1、n番目のビート周波数をFnとしたときに、Fn−F1の演算と、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の演算を並行して、あるいは連続して行うことを特徴とする。
このような本発明によれば、短期安定度の評価だけでなく、主振動と副振動との結合による特性劣化不良の検出を行うことができる。
また本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置は、検査対象物である圧電デバイスの出力信号とは発振周波数が微小に異なる周波数の基準信号を出力する基準発振手段と、前記圧電デバイスの出力信号と前記基準信号を混合したときに生じる差信号を出力する混合手段と、前記混合手段から出力される差信号のビート周波数を測定するカウント手段と、前記カウント手段により所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、従来のDLD検査では判別できなかった圧電デバイスの周波数短期安定度を精度良く判別することが可能になった。これにより、周波数短期安定度の悪い圧電デバイスが市場へ流出するのを防止することができる。
また本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置は、検査対象物である圧電デバイスの共振周波数より高い基本波の周波数を出力する高周波共振子をクロック源としたダイレクト・ディジタル・シンセサイザと、前記圧電デバイスの出力信号と、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザの出力信号を混合したときに生じる差信号を出力する混合手段と、前記混合手段から出力される差信号のビート周波数を測定するカウント手段と、前記カウント手段により所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、従来のDLD検査では判別できなかった圧電デバイスの周波数短期安定度を精度良く判別することが可能になった。これにより、周波数短期安定度の悪い圧電デバイスが市場へ流出するのを防止することができる。
また、圧電デバイスの周波数に応じてダイレクト・ディジタル・シンセサイザの出力周波数を自由に設定できるので利便性が向上する。
さらに、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザのクロック源に基本波を出力する発振器を用いるようにしているため、周波数の測定精度が低下するのを防止することができる。
また、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置は、圧電デバイスの複数点の励振電流から周波数短期安定度の検査を行うことを特徴とする。
このような本発明によれば、周波数短期安定度に加えてDLD検査も行うことが可能になった。
また、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置は、演算手段において、或るビート周波数をFn+1、該ビート周波数に隣接する2点のビート周波数をそれぞれFn、Fn+2としたときに、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の周波数差の演算を行うことを特徴とする。
このような本発明によれば、水晶電流の変化によるppmオーダの周波数変化や周波数ドリフトをキャンセルすることができるため、測定精度の向上や判定時間の短縮を図ることができる。
また、本発明の圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置は、演算手段において、測定開始直後のビート周波数をF1、n番目のビート周波数をFnとしたときに、Fn−F1の演算と、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の演算を並行して、あるいは連続して行うことを特徴とする。
このような本発明によれば、短期安定度の評価だけでなく、主振動と副振動との結合による特性劣化不良の検出を行うことができる。
本発明に至った背景について説明する。
本願発明者らは、圧電素子のppb(10-9)オーダの周波数変動に着目した。そして、この圧電デバイスの圧電素子の出力信号と、基準信号源の基準信号と周波数差(ビート周波数)をアラン分散処理することにより、従来のDLD検査方法では精度良く検査することができなかった周波数短期安定度を検査できることを見いだした。すなわち、従来のDLD検査では励振電流を可変したときのppm(10-6)オーダの周波数変動を検査していたのに対して、本発明ではppbオーダの周波数変動を検査することで周波数短期安定度の検査を行うようにしたものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態の周波数短期安定度検査装置の構成を示した図である。なお、本実施形態では検査対象物(DUT)として水晶振動子を用いた場合を例に挙げて説明する。
図1に示す周波数短期安定度検査装置(以下、単に検査装置と称する)1は、基準発振手段である基準発振器2、混合手段である混合器(MIX)3、カウント手段であるカウンタ4、及び演算手段である演算部5により構成される。
DUT10から出力される所定の周波数foの出力信号は混合器3に入力される。基準発振器2は、DUT10とは1kHz〜数kHz程度ずらした微小に異なる周波数fo+fbで発振しており、その基準出力信号は混合器3に入力される。混合器3は、DUT10からの出力信号と基準発振器2からの基準信号とを混合してその周波数差(ビート周波数)fbを出力する。カウンタ4は混合器3より出力されるビート周波数をカウントして出力する。演算部5は、例えばパーソナルコンピュータなどにより構成され、カウンタ4から出力されるカウント信号にアラン分散処理を施す。ここで、アラン分散とは、圧電デバイス等の出力周波数の短期安定度特性に関する時間領域で定義された客観的評価であり、連続的に振動している圧電デバイスがある期間にわたって同一の周波数を実現しうる度合い、すなわち、周波数安定度を示す尺度のうち特に時間領域における周波数安定度の尺度をいう。具体的には、アラン分散は、ある期間にわたり周波数測定を複数回連続して行って複数の周波数測定値を得て、これらの複数の周波数測定値の時間的に隣接する値同士の差(周波数差)の自乗の総和を2(m−1)で割って平方根を計算することで求める(mは周波数差のサンプル数)。
基準発振器2には、DUT10と同等以上の短期安定度を有する水晶発振器を用いることが最も望ましいが、その場合はDUT10の周波数に応じて基準発振器を替える必要があり不便である。そこで、本実施形態では、例えばDUT10の共振周波数より高い基本波の周波数を出力する高周波基本波振動子やSAWレゾネータなどの高周波共振子(オーバートーンや逓倍でない)をクロック源に用いたDDS(ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ)を用いて基準発振器2を構成するようにした。この場合、DUT10の周波数に応じてDDSの出力周波数を自由に設定できるので利便性が向上する。
また、本実施形態では、DDSのクロック源に基本波を出力する発振器を用いるようにしているため、例えばクロック源に逓倍やPLL等の帰還型発振器を用いたときのようにC/Nが悪化しないので、周波数の測定精度が低下することがない。
ここで、図2にDDSの構成例を示しておく。
この図2に示すDDSは、アキュムレータ11、ROM(Read Only Memory)12、D/A変換器(DAC)13、ローパスフィルタ(LPF)14により構成される。
アキュムレータ11には、データ入力端子15を介して周波数設定データが入力されると共に、クロック入力端子16を介してクロック信号が入力されており、クロック信号の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングで出力設定データに入力データを累積加算する。ここで、アキュムレータ11のビット数をpとすると、アキュムレータ11の累算値が2pを越えると、その超過分を初期値として累算動作を継続する。このアキュムレータ11の出力設定データ(累積値データ)はROM12に入力される。
ROM12には、正弦波のデジタル・データが予め書き込まれており、アキュムレータ11から出力データによりアドレス指定を行ってアドレス指定に応じた正弦波データを出力する。この正弦波データはDAC13に入力され、DAC13においてアナログ信号に変換される。DAC13から出力されるアナログ信号はクロック周波数で変化する階段波形であるため、LPF14により平滑化してデータ出力端子17を介して出力する。
ここで、クロック信号のクロック周波数をfCLK、入力データをNとすると出力周波数fOUTは次のようになる。
OUT=(N/2p)fCLK
このように構成されるDDSは、PLL(位相同期ループ)のようにフィードバックを用いていないため、周波数分解能を高くでき、また、出力周波数を高速で切り替えることが出来る。
なお、基準発振器2は、必ずしもDDSを用いて構成する必要はなく、検査対象物である圧電デバイスの出力信号とは発振周波数が微小に異なる周波数を基準信号として出力できる発振器であれば、その構成は特に限定されるものではない。
上記のように構成される本実施形態の検査装置1を用いてDUT10の周波数短期安定度の検査を行う場合は、DUT10の出力信号と、DUT10とは発振周波数が所定周波数異なる基準発振器2からの基準信号を混合器3で混合したときに生じるビート周波数をカウンタ4により測定する。そして、そのビート周波数から演算部5において周波数短期安定度を演算するようにした。このとき、本実施形態では、DUT10のドライブレベルを10μW(水晶電流0.7mA)と1300μW(水晶電流8mA)の2点に設定したときの周波数短期安定度とに基づいて圧電デバイスの周波数安定度を検査するようにしている。
図3及び図4は本実施形態の検査装置による検査結果を示した図であり、(a)はドライブレベルを10μWに設定したときに隣接する3点間の周波数差(即ち、nを自然数とし、n点目の周波数をFn、その20msec後である(n+1)点目の周波数をFn+1、さらにその20msec後である(n+2)点目の周波数をFn+2とした時、隣接する3点間の周波数差を(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)と表す)、(b)はドライブレベルを1300μWに設定したときに隣接する3点間の周波数差、(c)はドライブレベルを1300μWに設定したときの周波数変動をそれぞれ示した図である。なお、図3は従来のDLD検査において良品と判定されたサンプルA(図6参照)の検査結果、図4は同じく従来のDLD検査において良品と判定されたサンプルB(図6参照)の検査結果をそれぞれ示している。
図3と図4の検査結果を比較すると、図3(a)、図4(a)に示すようにDUT10のドライブレベルを10μWに設定した場合、すなわち水晶デバイスの水晶電流(0.7mA)を低電流に設定した場合は、短期安定度ADEVが良好であることが見てとれる。
これに対して、図3(b)、図4(b)に示すようにDUT10のドライブレベルを1300μWに設定した場合、すなわち、水晶デバイスの水晶電流(8mA)を高電流に設定した場合は、図3(b)に示すサンプルAでは短期安定度ADEVの悪化は無いものの、図4(b)に示すサンプルBでは短期安定度ADEVが悪化することが確認された。また図3(c)、図4(c)に示す周波数変動dfからも、サンプルBにおいては周波数変動が大きくなって、短期安定度が悪化していることが確認された。
また本出願人は検査装置1を用いてさらに詳細にDUT10の周波数短期安定度の検査を行った。
具体的には、DUT10の水晶電流を0.7mA、1.7mA、2.4mA、5.3mA、8.0mAに設定したときの周波数短期安定度に基づいて圧電デバイスの周波数安定度の検査を行った。
図5は本実施形態の検査装置によるさらに詳細な検査結果を示した図であり、(a)は水晶電流を0.7mAに設定したときに隣接する3点間の周波数差(即ち、nを自然数とし、n点目の周波数をFn、その20msec後である(n+1)点目の周波数をFn+1、さらにその20msec後である(n+2)点目の周波数をFn+2とした時、隣接する3点間の周波数差を(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)と表す)、(b)は水晶電流を1.7mAに設定したときに隣接する3点間の周波数差、(c)は水晶電流を2.4mAに設定したときに隣接する3点間の周波数差、(d)は水晶電流を5.3mAに設定したときに隣接する3点間の周波数差、(e)は水晶電流を8.0mAに設定したときに隣接する3点間の周波数差をそれぞれ示している。なお、サンプルAは従来のDLD検査において良品と判定されたサンプルA(図7参照)の検査結果、サンプルBは同じく従来のDLD検査において良品と判定されたサンプルB(図7参照)の検査結果、サンプルCは同じく従来のDLD検査において不良と判定されたサンプルC(図7参照)の検査結果をそれぞれ示している。なお、本実施形態では、ビート周波数を取得する時間間隔の一例として20msecを例に挙げて説明したが、あくまでも一例であり、伝送装置によって適宜変更可能である。例えば、高速の伝送装置であれば時間間隔を20msecより短く設定し、逆に低速の伝送装置であれば時間間隔を20msecより長く設定するといったことが可能である。
図5の検査結果を比較すると、図5(a)に示すように、サンプルA、Bの水晶電流を0.7mAに設定した場合、すなわち水晶デバイスの水晶電流を低電流に設定した場合は、短期安定度が良好であることが見てとれる。一方、サンプルCは水晶電流を0.7mAに設定した場合、短期安定度が悪化していることが確認できる。
またDUT10の水晶電流を1.7mA、2.4mA、5.3mAに設定した場合、図5(b)、(c)、(d)に示すようにサンプルA、B、Cの短期安定度は良好であることが見てとれる。
またDUT10の水晶電流を8.0mAに設定した場合、図5(d)に示すようにサンプルA、Cの短期安定度は良好であることが見てとれるが、サンプルBは短期安定度が劣化していることが確認できる。
このように本実施形態の検査装置1においては、DUT10に対して異なる水晶電流を印加して、各水晶電流値におけるビート周波数をある時間間隔で複数回測定し、それら複数のビート周波数測定値の隣接する3点間の周波数差を演算することで、DUT10の周波数短期安定度の検査を行うようにした。このようにすれば、従来のDLD検査では判別できなかった周波数短期安定度の不良を検査にて判別することが可能になり、周波数短期安定度の悪い水晶振動などの圧電デバイスが市場へ流出するのを防止することができる。
なお、複数のビート周波数測定値をアラン分散処理すれば、各水晶電流値における周波数短期安定度を、グラフ等の図示ではなく、数値で表すことができることは言うまでもない。
また、本実施形態の検査装置1においては、DUT10の水晶電流を0.7mA→1.7mA→2.4mA→5.3mA→8.0mAに変化させて周波数短期安定度の検査を行うと、従来のDLD周波数特性との相関性のある結果も確認された。よって、本実施形態の検査装置1によれば、周波数短期安定度に加えてDLD検査も行うことが可能になる。なお、上記した水晶電流の値はあくまでも一例であり、水晶振動子を使用する範囲の上限値などに基づいて適宜設定すればよい。
さらに本実施形態の検査装置1では、ビート周波数の隣接する3点間の周波数差を演算することで、水晶電流の変化によるppmオーダの周波数変化や周波数ドリフトをキャンセルすることができるため、測定精度の向上や判定時間の短縮を図ることができるという利点がある。即ち、単にFn−Fn+1を演算してしまうと、周波数が大まかな傾向を有しつつ徐々に変化するppmオーダの周波数変化と、比較的ランダムに揺らぐppbオーダの周波数変化とが重畳した周波数差となってしまい、後者の周波数変化のみを抽出するための特別な後処理(演算)が必要となってしまうが、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)を演算することにより、前者の周波数変化をキャンセルして、後者の周波数変化のみを評価、判定することが可能となる。
さらに本実施形態の検査装置1では、DLD特性において副振動との結合により周波数の立ち上がりの速いものは(即ち、水晶デバイスの主振動と副振動との結合が生じてしまった結果、ドライブレベルの僅かな変化により周波数が急激に変化するものは)、短期安定度の測定開始直後から周波数変動(周波数ドリフト、即ち測定開始時の周波数を基準とした周波数変動)が大きいという関係も確認された。よって、この関係を考慮すれば、短期安定度の評価だけでなく、主振動と副振動との結合による特性劣化不良の検出を行うことも可能になる。これは、測定開始直後の周波数をF1とし、n番目の周波数をFnとして、Fn−F1の演算と、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の演算を並行して、あるいは連続して行うことにより達成される。
本実施形態の周波数短期安定度検査装置の構成を示した図である。 DDSの構成例を示したブロック図である。 本実施形態の周波数短期安定度検査装置による検査結果を示した図である。 本実施形態の周波数短期安定度検査装置による検査結果を示した図である。 本実施形態の周波数短期安定度検査装置によるさらに詳細な検査結果を示した図である。 従来のDLD検査装置の構成例を示した図である。 図6に示したDLD検査装置による検査結果を示した図である。 DLD検査装置の他の構成例を示した図である。
符号の説明
1…周波数短期安定度検査装置、2…基準発振器、3…混合器、4…カウンタ、5…演算部、10…DUT、11…アキュムレータ、12…ROM、13…D/A変換器(DAC)、14…ローパスフィルタ(LPF)、15…データ入力端子、16…クロック入力端子、17…データ出力端子

Claims (7)

  1. 検査対象物である圧電デバイスの出力信号と、前記圧電デバイスとは発振周波数が微小に異なる周波数の基準信号を混合したときに生じるビート周波数を測定する測定工程と、
    所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算工程と、
    を含むことを特徴とする圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法。
  2. 検査対象物である圧電デバイスを発振させて得られる共振周波数と、前記圧電デバイスの共振周波数より高い基本波の周波数を出力する高周波共振子をクロック源としたダイレクト・ディジタル・シンセサイザから出力され、前記圧電デバイスとは発振周波数が微小に異なる基準周波数を混合したときに生じるビート周波数を測定する測定工程と、
    所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算工程と、
    を含むことを特徴とする圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法。
  3. 前記圧電デバイスの複数点の励振電流から周波数短期安定度の検査を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法。
  4. 前記演算工程において、前記複数のビート周波数のうち、或るビート周波数をFn+1、該ビート周波数Fn+1に時間的に隣接する2点のビート周波数をそれぞれFn、Fn+2、nを自然数、としたときに、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の周波数差の演算を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法。
  5. 前記演算工程において、前記複数のビート周波数のうち、測定開始直後のビート周波数をF1、n番目のビート周波数をFnとしたときに、Fn−F1の演算と、(Fn−Fn+1)−(Fn+1−Fn+2)の演算を並行して、あるいは連続して行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の圧電デバイスの周波数短期安定度検査方法。
  6. 検査対象物である圧電デバイスの出力信号とは発振周波数が微小に異なる周波数の基準信号を出力する基準発振手段と、
    前記圧電デバイスの出力信号と前記基準信号を混合したときに生じる差信号を出力する混合手段と、
    前記混合手段から出力される差信号のビート周波数を測定するカウント手段と、
    前記カウント手段により所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算手段と、
    を備えたことを特徴とする圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置。
  7. 検査対象物である圧電デバイスの共振周波数より高い基本波の周波数を出力する高周波共振子をクロック源としたダイレクト・ディジタル・シンセサイザと、
    前記圧電デバイスの出力信号と、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザの出力信号を混合したときに生じる差信号を出力する混合手段と、
    前記混合手段から出力される差信号のビート周波数を測定するカウント手段と、
    前記カウント手段により所定の時間間隔でサンプリングした複数の前記ビート周波数から周波数短期安定度を演算する演算手段と、
    を備えたことを特徴とする圧電デバイスの周波数短期安定度検査装置。
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