JP5933972B2 - ガス計測装置およびガス計測装置における波長変調幅の設定方法。 - Google Patents

ガス計測装置およびガス計測装置における波長変調幅の設定方法。 Download PDF

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Description

本発明は、波長可変レーザ吸収分光法および波長変調分光法を用いたガス計測装置、およびガス計測装置におけるレーザ光の波長変調幅の設定方法に関する。
従来から、波長可変レーザ吸収分光法(Tunable Laser Absorption Spectroscopy(TLAS))を用いたガス計測装置が知られている。TLASにおいて用いられるレーザは、駆動電流および温度に応じた波長および強度のレーザ光を発振する。レーザが発振したレーザ光を計測対象ガスに透過させ、透過レーザ光を検出することにより、ガスを計測する。例えば、ガスに含まれる測定対象成分の濃度が測定される。
レーザが発振するレーザ光の強度に対する計測対象ガスを透過したレーザ光の強度の比が透過率Tであり、透過率TはT=exp(−εcl)で与えられる。ここで、εは測定対象成分のモル吸収係数を示し、cは測定対象成分の濃度を示し、lは光路長を示している。また、モル吸収係数εは計測対象ガスの温度に依存し、吸収線形は温度、圧力、およびガス内に共存する各成分の分圧に依存することが知られている。モル吸収係数εおよび吸収線形が温度、圧力、およびガス内に共存する各成分の分圧にどのように依存するかと、光路長lとが既知であれば、透過率Tを実測することにより、測定対象成分の濃度を判定することができる。
TLASを利用してガスを計測するために、波長変調分光法(Wavelength Modulation Spectroscopy(WMS))が用いられることがある。WMSでは、レーザの駆動電流あるいは温度を変化させて、波長および強度が変調されたレーザ光を発振させる。変調されたレーザ光を計測対象ガスに透過させ、透過レーザ光が検出される。検出されたレーザ光に基づいて検出信号が生成される。さらに、検出信号中の特定成分が位相敏感検波され、検波された特定成分を用いて、測定対象成分の濃度が測定される(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許第2703835号公報 特許第4467674号公報
WMSを用いる場合、波長の変調の度合いは、波長変調幅により表すことができる。ガスの計測において精度を確保するためには、この波長変調幅を適切に設定する必要がある。主な理由は、波長変調幅が装置の分解能および信号雑音比(以下、S/N比とも呼ぶ)を決定する因子であることにある。
波長変調幅は、駆動電流中に含まれた変調電流の強度により決定される。したがって、波長変調幅を設定するためには、変調電流の強度を設定する必要がある。ここで、駆動電流に対する波長変化率、つまり、駆動電流の強度の変化に対するレーザ光の波長の変化の比は、レーザの素子毎に異なる特性を有する。つまり、最適な変調電流の強度はガス計測装置毎に異なるので、変調電流の設定は装置毎に行う必要がある。また、駆動電流に対する波長変化率は、一般に、レーザを稼動させることによって経時変化する。したがって、各装置において、波長変調幅を適切な値に保つためには、稼動状況に応じて変調電流の強度を調節する必要がある。
変調電流の強度を設定する手段として、波長測定装置および既知の吸収線を有するガスの利用が考えられる。これらの手段を用いる場合、レーザ光の波長を測定することにより、駆動電流の変化に対するレーザ光の波長の変化の割合を測定する。そして、得られた割合に基づいて、所望の波長変調幅が得られるように変調電流の強度が設定される。
しかしながら、上記の手段を利用する場合には、以下が問題となり得る。
(1)波長測定装置または波長測定に適したガスを準備する必要がある。また計測対象のガスが存在する現場にガス計測装置が設置された後である場合には、波長の測定ができるようにガス計測装置および波長測定装置を配置する必要があり、装置の移動などの作業が必要とされる。
(2)レーザ光の波長を測定する必要があるので、変調電流の設定における時間および労力が増加し、作業効率が低下する。
ここに開示される技術は、以上の問題点を考慮して生み出されたものであり、ガス計測装置において波長変調幅の設定を簡素化することを目的とする。
第1の特徴に係るガス計測装置は、計測対象ガスを計測するための装置であって、光源と、検出部と、取得部と、算出部と、設定部と、を有している。光源は、主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を、中心波長を変化させながら発振する。検出部は、基準試料を透過したレーザ光の強度に応じて検出信号を出力する。取得部は、検出信号から変調電流の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得する。算出部は、特定の周波数成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比を算出する。設定部は、比が所定の条件を満たすように、レーザ光の波長変調幅を設定する。
第2の特徴に係る設定方法は、主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を発振する光源と、計測対象ガスを透過したレーザ光の強度に応じて信号を出力する検出部と、を有するガス計測装置における波長変調幅の設定方法である。この方法は、中心波長を変化させながら、基準試料を透過したレーザ光から検出信号を取得することを含む。また、この方法は、検出信号から変調電流の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得することを含む。また、この方法は、特定の周波数成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比を算出することを含む。そして、この方法は、比が所定の条件を満たすように、レーザ光の波長変調幅を設定することを含む。
第3の特徴に係るプログラムは、光源と、検出部と、取得部と、を備えるガス計測装置に用いられるプログラムである。光源は、主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を、中心波長を変化させながら発振する。検出部は、基準試料を透過したレーザ光の強度に応じて検出信号を出力する。取得部は、検出信号から変調電流の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得する。このプログラムは、特定の周波数成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比を算出することと、比が所定の条件を満たすように、レーザ光の波長変調幅を設定することと、を含む波長変調幅の設定方法をコンピュータに実行させる。
ここで、第1の特徴に係るガス計測装置、第2の特徴に係る設定方法、および第3の特徴に係るプログラムにおいて、主電流とは、変調電流の1周期が経過する間、強度が概ね一定に保たれる電流である。また、基準試料とは、所望の波長変調幅が得られる場合における特定の周波数成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比が予め分かっている試料である。
第1の特徴に係るガス計測装置、第2の特徴に係る設定方法、および第3の特徴に係るプログラムでは、特定の周波数成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比が所定の条件を満たすように波長変調幅が設定されるので、変調電流の強度変化に対するレーザ光の波長の変化を調べるための装置または試料を用いる必要がなくなる。
このように、第1の特徴に係るガス計測装置、第2の特徴に係る設定方法、および第3の特徴に係るプログラムによれば、ガス計測装置における波長変調幅の設定を簡素化することができる。
第1実施形態に係るガス計測装置1の構成図。 コンピュータ40の機能部を示した図。 第1実施形態おける波長変調幅の設定方法を示したフローチャート。 (A)水の二次高調波成分の一例を示した図(波長変調幅が0.09nmの場合)、(B)水の二次高調波成分の一例を示した図(波長変調幅が0.21nmの場合)。 二次高調波成分の一例を示した図。 (A)アンモニアにおける波長変調幅とピークボトム比Rとの関係を示した図、(B)アンモニアにおける波長変調幅と二次高調波成分の強度(P+N値)との関係を示した図。 (A)ローレンツ関数型の吸収線における波長変調幅とピークボトム比Rとの関係を示した図、(B)ローレンツ関数型の吸収線における変調振幅と二次高調波成分の強度(P+N値)との関係を示した図。 (A)アンモニアにおける圧力と二次高調波成分の強度(比値)との関係を示した図(波長変調幅が0.12nmの場合)、(B)アンモニアにおける圧力と二次高調波成分の強度(比値)との関係を示した図(波長変調幅が0.18nmの場合)、(C)アンモニアにおける圧力と二次高調波成分の強度(比値)の関係を示した図(波長変調幅が0.21nmの場合)。 (A)濃度の測定方法を示したフローチャート、(B)透過レーザ光の強度を示した図。 第3実施形態に係るガス計測装置3の構成図。 第3実施形態における波長変調幅の設定方法を示したフローチャート。
〔1:第1実施形態〕
<1.1:全体構成>
図1を用いて第1実施形態に係るガス計測装置1について説明する。図1は、ガス計測装置1の構成図である。
ガス計測装置1は、光源2と、倍周器10と、第1受光装置14と、信号処理装置16と、第1位相敏感検波装置18と、温度調整器20と、測定装置22と、波形発生部24と、コンピュータ40と、を有している。また、波形発生部24は、定電流発生装置4と、第1波形発生器6と、第2波形発生器8と、波形混合器12と、を有している。
光源2は、駆動電流に応じた波長および強度のレーザ光を発振する装置である。光源2に入力される駆動電流には、定電流、ランプ波、および変調電流が含まれる。なお、駆動電流は、定電流、ランプ波、および変調電流の全てを含んでいなくてもよい。例えば、計測対象ガス30の濃度測定においては、駆動電流は定電流および変調電流のみを含んでいる場合がある。
本実施形態では、光源2は半導体レーザである。半導体レーザにおいては、駆動電流の強度と発振されるレーザ光の波長との関係は、半導体レーザ素子の特性に依存する。通常、駆動電流の強度と波長との関係は線形ではない。また、半導体レーザ素子の特性は個々に異なっており、一般に、同じ値の電流が2つの異なる半導体レーザに入力された場合には、2つのレーザが発振するレーザ光の波長は同じにはならない。そして、半導体レーザ素子は入力された電流の累積量に応じて劣化するため、半導体レーザを使用することにより、電流に対する波長変化率が徐々に変化する。
光源2が発振するレーザ光は、主電流に応じた中心波長を有する。つまり、主電流が定まると、光源2が発振するレーザ光の中心波長が定まる。主電流は、変調電流に比べて長い周期で強度が変化する、あるいは強度が概ね一定の電流である。別の表現では、主電流は、変調電流の1周期が経過する間、強度が概ね一定に保たれる電流である。本実施形態では、主電流は定電流およびランプ波を重畳することにより得られる。また、光源2が発振するレーザ光は、変調電流に応じて変調している。また、主電流にランプ波が混合されることにより、光源2は中心波長を変化させながらレーザ光を発振することができる。
定電流発生装置4は、光源2に入力するための定電流を発生する。
第1波形発生器6は、光源2に入力するためのランプ波を発生する。第1波形発生器6の生成するランプ波の強度は、傾斜状の増加とベースレベルへの復帰とを周期的に繰り返す。
第2波形発生器8は、光源2に入力される変調電流を発生する。変調電流は、変調周波数ω1(変調電流の周波数の一例)で振動する。変調電流は一定の振幅を有しており、振幅の大きさは変調電流の強度を表している。また、第2波形発生器8は、変調周波数ω1で振動する変調信号S1を出力する。変調周波数ω1は、ランプ波の周波数よりも大きい。これにより、変調電流の1周期の間は、ランプ波の強度を一定とみなすことができる。また、第2波形発生器8には、制御信号S4が入力される。
倍周器10は、第2波形発生器8から入力された変調信号S1に基づいて、変調周波数ω1を2倍した高調周波数ω2で振動する信号S2を生成する。
波形混合器12は、定電流発生装置4の出力する定電流と、第1波形発生器6の出力するランプ波と、第2波形発生器8の出力する変調電流と、を混合し、駆動電流を生成する。
第1受光装置14(検出部の一例)は、光源2の発振するレーザ光を受光し、受光したレーザ光の強度に応じて検出信号I1(検出信号の一例)を出力する。第1受光装置14には、計測対象ガス30または基準試料(後述)を透過したレーザ光が入射する。本実施形態では、第1受光装置14はフォトダイオードである。
信号処理装置16は、第1受光装置14の出力する検出信号I1に処理を施す装置である。信号処理装置16は、ローパスフィルタ16aを有している。ローパスフィルタ16aは、第1受光装置14から入力された検出信号I1の直流成分を抽出する。そして、信号処理装置16は、ローパスフィルタ16aの抽出した直流成分の強度を表す信号I2を出力する。
第1位相敏感検波装置18は、第1受光装置14の出力する検出信号I1から、高調周波数ω2で振動する二次高調波成分(特定の周波数成分の一例)を取得する装置である。第1位相敏感検波装置18は、ロックインアンプ18aと、ローパスフィルタ18bと、を有している。ロックインアンプ18aは、二次高調波成分を位相敏感検波する。具体的には、第1位相敏感検波装置18は、第1受光装置14から入力された検出信号I1から高調周波数ω2で振動する成分を検出し、その成分に比例した直流信号を生成する。ロックインアンプ18aには、高調周波数ω2で振動する信号S2が倍周器10から入力されており、信号S2を用いて位相敏感検波する。ローパスフィルタ18bは、ロックインアンプ18aの出力する信号から、直流成分を抽出する。そして、第1位相敏感検波装置18は、ローパスフィルタ18bの抽出した直流成分を表す二次高調波信号I3を出力する。
温度調整器20は、光源2の温度を調節する。光源2の発振するレーザ光の波長は半導体レーザ素子の温度に依存するので、温度調整器20によりレーザ光の波長を制御することができる。
測定装置22は、計測対象ガス30の状態量を測定する。計測対象ガス30の状態量には、温度、圧力、および計測対象ガス30に含まれる各成分の分圧が含まれる。測定装置22は、測定された状態量を示す信号S3を生成する。本実施形態では、測定装置22は計測対象ガス30の温度を測定するので、信号S3は計測対象ガス30の温度を表している。
コンピュータ40は、ガス計測装置1に含まれる各装置の出力する信号を処理する。コンピュータ40は、ガス計測装置1の制御装置の一例である。コンピュータ40には、信号処理装置16の出力する信号I2、第1位相敏感検波装置18の出力する二次高調波信号I3、および測定装置22の出力する信号S3が入力される。また、コンピュータ40は、波形発生部24を制御する。具体的には、コンピュータ40は、定電流発生装置4、第1波形発生器6、第2波形発生器8、および波形混合器12との間で信号を送受信可能であり、これらの装置を制御する。
<1.2:コンピュータ>
次に、図2を用いて、コンピュータ40をさらに説明する。図2は、コンピュータ40の機能部を示している。
コンピュータ40は、図示しないCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を有している。CPUがROMに記録されたプログラムを実行することにより、プログラムに応じた演算処理が実行される。以下に説明する機能部は、プログラムに基づいた演算処理により実現される。
コンピュータ40は、レコーダ41と、R算出部42と、比較部43と、設定部44と、温度判定部45と、濃度測定部46と、メモリ部47と、を有している。また、コンピュータ40は、ハードウェアにより実現される記録媒体読取部48を有している。記録媒体読取部48は、記録媒体50を装着可能であり、記録媒体50に情報を記録する機能および記録媒体50から情報を読み取る機能を有している。記録媒体50は、コンピュータ40から取り外し可能であり、プログラムおよびデータを記録可能である。また、コンピュータ40には、表示装置60と、入力装置70と、が接続されている。
レコーダ41は、二次高調波成分の値を記録する。レコーダ41には、第1位相敏感検波装置18の出力する二次高調波信号I3が入力される。レコーダ41は、二次高調波信号I3に基づいて二次高調波成分の値を決定する。
また、レコーダ41は、検出信号I1の直流成分の値を記録する。レコーダ41には、信号処理装置16の出力する信号I2が入力される。レコーダ41は、信号I2に基づいて検出信号I1の直流成分の値を決定する。
R算出部42(算出部の一例)は、レコーダ41に記録された二次高調波成分の値を読み出し、ピークボトム比Rを算出する。ピークボトム比Rについては後述する。
比較部43は、R算出部42により算出されたピークボトム比Rを、目標値と比較する。目標値については後述する。
設定部44(設定部の一例)は、ピークボトム比Rが目標値と異なる場合には、変調電流の強度を変化させるための制御信号S4を出力する(図1参照)。
温度判定部45は、測定装置22から出力される信号S3に基づいて、計測対象ガス30の温度を判定する。
濃度測定部46は、信号処理装置16から出力される信号I2、第1位相敏感検波装置18から出力される二次高調波信号I3、および温度判定部45により決定された計測対象ガス30の温度に基づいて、計測対象ガス30における標的成分の濃度を判定する。
メモリ部47は、ガス計測装置1の動作に必要な情報を保持している。メモリ部47には、比較部43においてピークボトム比Rと比較される目標値が記録されている。また、メモリ部47には、標的成分の吸収係数、圧力、および温度の間の関係が予め記録されている。本実施形態では、メモリ部47はROMにより実現されている。
表示装置60は、ガス計測装置1の状態およびガス計測装置1の操作に必要な情報を視覚情報として表示する。
入力装置70は、ガス計測装置1の操作に必要な情報を入力するために用いられる。本実施形態では入力装置70はキーボードであるが、操作を入力できる装置であればよいので、タッチパネルなどの他の装置であっても構わない。
<1.3:波長変調幅の設定方法>
次に、図3を用いて、ガス計測装置1における波長変調幅の設定方法について説明する。図3には、フロー100が示されている。フロー100は、ステップS101〜S107を含んでいる。本実施形態では、波長変調幅の設定はガス計測装置1の初期調整として実行される。
波長変調幅の設定を開始する時点では、計測対象ガス30が基準試料に交換されている。基準試料については、望ましい波長変調幅が得られる場合のピークボトム比は予め分かっている。そして、望ましい波長変調幅が得られる場合のピークボトム比は、目標値としてメモリ部47に予め記憶されている。なお、本実施形態では、基準試料は、所定の圧力、所定の温度、および所定の濃度に調整された校正用ガスである。この校正用ガスは濃度測定の対象であるガス成分(つまり、標的成分)を含んでおり、そのガス成分の校正用ガスにおける濃度は既知である。
ステップS101では、掃引が開始される。具体的には、第1波形発生器6から出力されたランプ波が最小値(つまり、ベースレベルの強度値)から増加を開始する。これにより、主電流の強度は変調電流の変化に比べてゆっくりと変化する。主電流および変調電流を含んだ駆動電流は光源2に入力され、光源2は駆動電流に応じてレーザ光を発振する。光源2から出射したレーザ光は、基準試料に入射する。基準試料を透過したレーザ光は、第1受光装置14に入射する。
ステップS102では、第1受光装置14により、検出信号I1が取得される。そして、検出信号I1は、信号処理装置16および第1位相敏感検波装置18に入力される。信号処理装置16では、検出信号I1の直流成分を表す信号I2が取得される。
ステップS103では、第1位相敏感検波装置18により、検出信号I1から二次高調波信号I3が取得される。二次高調波信号I3は、コンピュータ40のレコーダ41に入力される。そして、レコーダ41により、二次高調波成分が記録される。
ステップS104では、ランプ波による掃引が終了したかどうかが判定される。掃引はランプ波の1周期が経過することにより終了する。掃引の開始時点ではランプ波の大きさは最小であり、掃引の終了時点ではランプ波の大きさは最大である。掃引が終了した場合には、フローはステップS105に進む。掃引が途中の場合には、フローはステップS102に戻る。このように、一回の掃引の間に、二次高調波成分の取得が複数回実行される。つまり、掃引により、二次高調波成分の値の列が取得される。本実施形態では、二次高調波成分を取得するタイミングはコンピュータ40により制御されている。
図4(A)および(B)は、二次高調波成分のグラフを示している。また、図4(A)に記載の結果を得るために用いられた波長変調幅は0.12nmであり、図4(B)に記載の結果を得るために用いられた波長変調幅である0.18nmとは異なっている。このように、波長変調幅の大きさに依存して、グラフの形状が変化する。二次高調波成分のグラフの形状に影響し得る因子には、波長変調幅に加えて、計測対象ガス30の温度、圧力、および共存ガスの分圧がある。他の高調波成分および基本周波数成分についても同様である。なお、図4(A)および(B)では横軸は波長値であるが、これらの波長値は概算値である。二次高調波成分の値の列が取得できれば、各々の二次高調波成分の値が得られたときの中心波長の値は必ずしも特定されなくてよい。
ステップS105では、R算出部42により、ピークボトム比Rが算出される。ピークボトム比Rは、二次高調波成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比である。図5は、二次高調波成分における極大および極小を示している。二次高調波成分の極大値の大きさは、ベースラインとベースラインの正側にあるピークとの距離Pである。また、二次高調波成分の極小値の大きさは、ベースラインとベースラインの負側にあるピークとの距離Nである。そして、ピークボトム比RはP/Nにより算出される。なお、基本周波数成分および三次以上の高調波成分についても同様に極大値および極小値の大きさを特定することができる。
ステップS106では、比較部43により、ピークボトム比Rが目標値と比較される。比較部43はメモリ部47から目標値を読み出し、ピークボトム比Rと比較する。ピークボトム比Rが目標値と一致する場合、つまり、両値の差が所定の許容値を超えない場合には、波長変調幅の設定が終了する。このように、波長変調幅の設定が終了するための条件は、ピークボトム比Rが予め定められた目標値と等しくなること(所定の条件の一例)である。ピークボトム比Rが目標値と一致しない場合には、フローはステップS107に進む。
ステップS107では、変調電流の強度が変更される。具体的には、設定部44は、変調電流の強度を変化させるための制御信号S4を出力する。制御信号S4は、第2波形発生器8に入力される。第2波形発生器8からは、制御信号S4に応じて強度が変更された変調電流が出力される。このように、設定部44は、変調電流の強度を変化させることにより波長変調幅を設定する。
変調電流の強度が変更された後、ステップS101において再び掃引が開始される。ピークボトム比Rが目標値と一致するまでステップS101〜S107が繰り返し実行される。
<1.4:波長変調幅と二次高調波成分との関係>
ここで、波長変調幅と二次高調波成分との関係について説明する。
始めに、波長変調幅とピークボトム比Rとの関係について説明する。ピークボトム比Rは、波長変調幅と一対一に対応し、二次高調波成分の振る舞いを特徴付ける指標量の一例である。また、波長変調幅と変調電流の強度とを一対一に対応させることができるので、ピークボトム比Rは、変調電流の強度と一対一に対応している。
図6(A)は、波長変調幅とピークボトム比Rとの関係を実際の例により示している。具体的には、図6(A)は、アンモニアの二次高調波成分におけるピークボトム比Rを波長変調幅を変化させながら測定した結果を示している。
また、図6(B)に示すように、二次高調波成分の強度も波長変調幅に依存する。図6(B)は、アンモニアの二次高調波成分の強度を波長変調幅を変化させながら測定した結果を示している。図6(B)の縦軸はP+N値を示しており、二次高調波成分の強度はP+N値によって表されている。ここで、P+N値は、ベースラインの正側にある二次高調波成分の極値とベースラインの負側にある二次高調波成分の極値との差、つまり、距離Pと距離Nの和である。なお、図6(A)および(B)を得るための測定においては、アンモニアの圧力、温度、および濃度が一定に保たれた状態で、波長変調幅のみを変化させた。
ピークボトム比Rと波長変調幅が一対一に対応することは、理論モデルからも導かれる。理論に基づくと、吸収線の形状は圧力に依存し、圧力の影響が支配的である場合の吸収線の形状はローレンツ関数型を示す。また、吸収線の形状は、ガス粒子の速度に起因して生じるドップラー効果に依存し、ドップラー効果が支配的である場合の吸収線の形状はガウス関数型を示す。
図7(A)は、吸収線がローレンツ関数型である場合の、波長変調幅とピークボトム比Rとの関係を示している。また、図7(B)は、吸収線がローレンツ関数型である場合の、波長変調幅と二次高調波成分のP+N値との関係を示している。なお、図7(A)および(B)は、図6(A)および(B)に示した場合よりも広い範囲で波長変調幅を変化させた場合を示している。また、図7(A)および(B)における横軸の値は、波長変調幅を吸収線の線幅で割った値である。ここで、吸収線の線幅とは、吸収線の半値幅を二等分した値である。
図7(A)に示すように、ピークボトム比Rと波長変調幅とを一対一に対応させることができる。また、図7(B)に示すように、二次高調波成分のP+N値は波長変調幅に依存する。二次高調波成分のP+N値が大きいほど強度の測定におけるS/N比が向上するので、二次高調波成分のP+N値が大きくなるように波長変調幅を設定するのが有利である。
一方で、圧力を変化させることにより、高調波成分の強度は変化する。そこで、波長変調幅は、基準試料の圧力を変化させた場合における高調波成分の変動率を基準に決定される。
図8(A)〜(C)は、圧力を変化させた場合の二次高調波成分の強度の変化をアンモニアについて測定した結果を示している。図8(A)は、波長変調幅が0.12nmに設定された場合の結果を示している。図8(B)は、波長変調幅が0.18nmに設定された場合の結果を示している。図8(C)は、波長変調幅が0.21nmに設定された場合の結果を示している。また、二次高調波成分の強度は、圧力が100kPaの場合の強度を1として表示されている。
図8(A)に示すように、波長変調幅が0.12nmである場合には、圧力が100kPaから112kPaしたことに伴う二次高調波成分の強度の変動率は2.5%である。図8(B)に示すように、波長変調幅が0.18nmである場合には、二次高調波成分の強度の変動率は0.8%である。また、図8(C)に示すように、波長変調幅が0.21nmである場合には、二次高調波成分の強度の変動率は1%である。
図8(A)〜(C)に示した結果によると、この例では、波長変調幅を0.18nmに設定することにより、圧力変化に対する二次高調波成分の変動率が小さくなる。二次高調波成分が圧力変化から受ける影響が小さくなることにより、標的成分の濃度を測定する際に、二次高調波成分の強度を圧力に応じて補正する必要がなくなる。ここで、圧力が±10%の範囲で変動した場合に、二次高調波成分のピーク強度の変動率が1%以下であることが望ましく、0.5%以下であればより好ましい。基準となる圧力の代表的な例は、大気圧である。より具体的には、圧力が101±10kPaの範囲で変動した場合に、二次高調波成分のピーク強度の変動率が1%以下であることが望ましく、0.5%以下であればより好ましい。強度の変動率が1%以下であれば、強度を圧力の値に応じて調整しない場合であっても、標的成分の濃度を精度良く測定することができる。
また、図6(B)を参照すると、波長変調幅が0.18nmである場合の二次高調波成分のP+N値は十分に大きい。したがって、この例では、波長変調幅を0.18nmに設定することにより、良好なS/N比を得ることができる。また、図6(A)を参照すると、波長変調幅が0.18nmであるときのピークボトム比(目標値の一例)は1.5である。したがって、ピークボトム比Rが1.5になるように変調電流の強度を設定することにより、波長変調幅を0.18nmに合わせることができる。
<1.5:濃度の測定>
次に、図9(A)を用いて、計測対象ガス30における標的成分の濃度測定について説明する。図9(A)には、フロー200が示されている、フロー200は、フロー100と、ステップS201〜S203と、を含んでいる。
フロー200が実行される前に、レーザ光の光路上に計測対象ガス30が配置される。次に、フロー100が実行され、波長変調幅が設定される。さらにステップS201〜S203が順次実行される。
ステップS201では、第1受光装置14により、計測対象ガス30を透過したレーザ光から検出信号I1が取得される。そして、検出信号I1に含まれる二次高調波成分のP+N値、および検出信号I1の直流成分のピーク強度がそれぞれ検出される。具体的には、ランプ波による掃引が実行され、レコーダ41により、二次高調波成分および検出信号I1の直流成分が取得される。さらに、二次高調波成分のP+N値、および検出信号I1の直流成分のピーク強度が判定される。
ステップS202では、測定装置22により、計測対象ガス30の温度が測定される。測定された温度を示す信号S3は、測定装置22から出力され、コンピュータ40の温度判定部45に入力される。温度判定部45により、信号S3に基づいて、計測対象ガス30の温度が判定される。
ステップS203では、濃度測定部46により、計測対象ガス30における標的成分の濃度が測定される。濃度測定部46は、二次高調波成分のP+N値、および検出信号I1の直流成分のピーク強度を用いて、濃度を判定する。一般に、二次高調波成分のP+N値は計測対象ガス30の温度および圧力に依存する。したがって、二次高調波成分のP+N値を用いて標的成分の濃度を測定するためには、P+N値を圧力および温度に応じて補正する必要がある。補正に必要な情報は、標的成分に関して予め取得され、データとしてメモリ部47に記録されている。濃度測定部46は、メモリ部47に記録されたデータを参照し、温度判定部45により決定された温度に応じて二次高調波成分のP+N値を補正する。一方で、本実施形態では、圧力変化に対して二次高調波成分の変動率が小さくなるように波長変調幅が選ばれている。このため、二次高調波成分のP+N値の補正においては、基準となる圧力からの圧力変化は無視される。濃度測定部46は、補正後の二次高調波成分のP+N値に基づいて、標的成分の濃度を判定する。
<1.6:第1実施形態の作用効果>
第1実施形態は、下記のように表現可能である。
(1)
第1実施形態に係るガス計測装置1は、計測対象ガス30を計測するための装置であって、光源2と、第1受光装置14と、第1位相敏感検波装置18と、R算出部42と、設定部44と、を有している。光源2は、主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を、中心波長を変化させながら発振する。第1受光装置14は、基準試料を透過したレーザ光の強度に応じて検出信号I1を出力する。第1位相敏感検波装置18は、検出信号I1から変調周波数ω1を2倍した高調周波数ω2で振動する二次高調波成分を取得する。R算出部42は、二次高調波成分のピークボトム比Rを算出する。設定部44は、ピークボトム比Rが所定の条件を満たすように、レーザ光の波長変調幅を設定する。
ここで、主電流とは、変調電流の1周期が経過する間、強度が概ね一定に保たれる電流である。基準試料とは、所望の波長変調幅が得られる場合におけるピークボトム比が予め分かっている試料である。
ガス計測装置1では、二次高調波成分の極小値の大きさと極大値の大きさとの比であるピークボトム比Rが所定の条件を満たすように波長変調幅が設定されるので、変調電流の強度変化に対するレーザ光の波長の変化を調べるための装置または試料を用いる必要がなくなる。これにより、波長変調幅の設定に要する作業および処理を簡素化することができる。また、波長変調幅の設定に要する時間を短縮することができる。
(2)
第1実施形態において、所定の条件は、波長変調幅と一対一に対応するピークボトム比Rが予め定められた目標値と等しくなることであり、設定部44は、変調電流の強度を変化させることにより波長変調幅を設定する。
ピークボトム比Rは変調電流の強度と一対一に対応しており、さらに変調電流の強度が決まると波長変調幅が特定される。したがって、ピークボトム比Rが予め定められた目標値と等しくなるように変調電流の強度を設定することにより、波長変調幅を所望の大きさに設定することができる。これにより、レーザ光の波長を測定する場合に比べて、波長変調幅の設定に要する作業量を低減することができる。
また、ピークボトム比Rは、二次高調波成分の値を用いて算出される。ここで、二次高調波成分の値を利用せずに、波長値を利用して変調電流を調節することも考えられる。例えば、二次高調波成分の半値幅を利用することが考えられる。しかしながら、半値幅を検出するためには、二次高調波成分の極大および極小が現れる波長範囲の全域において、中心波長を掃引する必要がある。このとき、掃引範囲が大きくなると、半値幅を短時間で検出できない場合がある。また、駆動電流と中心波長との関係は一般に線形ではないので、駆動電流を変化させると中心波長が予想外に大きく変化することがある。つまり、中心波長を精度良く制御できない場合がある。その結果、半値幅の検出において精度が低下する可能性がある。
一方で、ピークボトム比Rを算出するために必要な情報は、2つの二次高調波成分値のみである。また、二次高調波成分が極大もしくは極小となる波長の近辺でのみ精度の良いデータが得られれば、ピークボトム比Rの精度を確保できる。したがって、半値幅を検出する場合に比べて、ピークボトム比Rをより少ない処理量で高精度に検出できる。その結果、波長変調幅の設定に要する処理量を低減できる。
また、ピークボトム比Rは極小値および極大値の情報を含んでいるので、二次高調波成分のグラフの全体形状は、ピークボトム比Rにより特徴付けられている。つまり、ピークボトム比Rは、二次高調波成分のグラフの形状を特徴付ける指標量の一例でもある。ピークボトム比Rは入射レーザ光の強度に依存しない量であるので、優れた指標量であるといえる。指標量が入射レーザ光の強度に依存する場合には、レーザ光の強度の変化に伴い二次高調波成分の強度が変化すると、指標量が変化することになる。この場合、波長変調幅の設定を行う前に入射レーザ光の強度の校正を行うことが必要になり、作業量が増えることになる。本実施形態の方法によれば、波長変調幅の設定において、入射レーザ光の強度の校正を省略することができる。
(3)
また、目標値は基準試料の圧力を変化させた場合における二次高調波成分の変動率を基準に決定される。これにより、基準となる圧力からの圧力変化の影響を補正することなく計測対象ガス30の計測を行うことが可能となり、計測を簡素化することができる。
〔2:第2実施形態〕
前述の第1実施形態では、計測対象ガス30の温度は測定装置22により測定されていた。これに対して、以下に説明する第2実施形態では、計測対象ガス30の温度は測定装置22を用いずに判定される。
第2実施形態に係るガス計測装置1は、第1実施形態に係るガス計測装置1と実質的に同じ構成を有している。ただし、第2実施形態におけるコンピュータ40の温度判定部45における処理は、第1実施形態における処理とは異なっている。
具体的には、第2実施形態では、計測対象ガス30の温度は透過レーザ光の強度を利用して判定される。図9(B)に示すように、透過レーザ光は、吸収線に応じた強度を示す。図9(B)に示す例では、波長Λ1およびΛ2の位置でピークが現れている。透過レーザ光のスペクトルにおける第1のピーク強度と第2のピーク強度との比は、第1のピーク強度が現れる第1の波長と第2のピークが現れる第2の波長とが異なっている場合には、温度に依存することが知られている。図9(B)に示す例では、波長Λ1におけるピーク強度A1と波長Λ2におけるピーク強度A2との比A1/A2は温度に依存する。この特性を利用し、計測対象ガス30の温度を判定することができる。ここで、ピーク強度は、ベースラインとピークの先端との間の距離である。
ところで、第1のピーク強度と第2のピーク強度との比は、波長変調幅の変化に応じて変化することが知られている。また、前述のように、レーザの稼動により変調電流と波長変調幅との関係は徐々に変化するので、変調電流を一定に保っていたとしても、波長変調幅が変化することがある。したがって、透過レーザ光の強度を利用して温度を判定する場合には、変調電流を調節することにより波長変調幅を一定に保つ必要がある。
第2実施形態に係るガス計測装置1では、ステップS202において、温度判定部45により、レーザ光のピーク強度の比に基づいてガスの温度が判定される。一方で、ステップS202が実行される前にフロー100が実行され、波長変調幅が設定されている。これにより、波長変調幅が一定に保たれるので、計測対象ガス30の温度を精度良く測定することができる。
〔3:第3実施形態〕
前述の実施形態では、波長変調幅の設定は、計測対象ガス30が基準試料に交換された状態で行われていた。以下に説明する第3実施形態では、計測対象ガス30を基準試料に交換することなく、波長変調幅の設定が実行される。なお、以下では、第3実施形態に係るガス計測装置3の構成のうち、第1実施形態に係るガス計測装置1と実質的に同じ構成については詳細な説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
図10に示すように、第3実施形態に係るガス計測装置3は、ビームスプリッタ5と、標準ガス7と、第2受光装置9と、第2位相敏感検波装置11と、カウンタ80と、を有している。また、ガス計測装置3においては、コンピュータ40は制御部49を有している。なお、図10では、信号処理装置16および測定装置22の図示は省略されている。また、ガス計測装置3は、第2受光装置9の出力する検出信号I4の直流成分を抽出し、直流成分を表す信号をコンピュータ40に入力するための装置(図示せず)を有している。
ビームスプリッタ5は、光源2が発振したレーザ光を2つの光路に分岐させる。
標準ガス7(基準試料の一例)は、所望の波長変調幅が得られる場合のピークボトム比が既知なガスである。本実施形態では、標準ガス7は、校正用ガスでもある。
第2受光装置9(検出部の一例)は、光源2の発振するレーザ光を受光し、受光したレーザ光の強度に応じて検出信号I4(検出信号の一例)を出力する。第2受光装置9が受光するレーザ光は、ビームスプリッタ5により分岐された一方のレーザ光である。ビームスプリッタ5により分岐された他方のレーザ光は、計測対象ガス30を透過し、第1受光装置14に入射する。
第2位相敏感検波装置11は、第2受光装置9から入力された検出信号I4から、高調周波数ω2で振動する二次高調波成分(特定の周波数成分の一例)を取得する装置である。第2位相敏感検波装置11は、図示しないロックインアンプおよびローパスフィルタを有している。第2位相敏感検波装置11には、高調周波数ω2で振動する信号S2が倍周器10から入力されている。第2位相敏感検波装置11は、第1位相敏感検波装置18と同様に機能し、二次高調波成分を表す二次高調波信号I5を出力する。二次高調波信号I5はコンピュータ40に入力される。
カウンタ80(計数部の一例)は、ガス計測装置3がガスの計測を継続している時間をカウントする。カウンタ80は、コンピュータ40との間で信号を送受信可能である。
ガス計測装置3においては、第1実施形態に係るガス計測装置1とは異なり、標準ガス7、第2受光装置9、および第2位相敏感検波装置11を用いて波長変調幅の設定が実行される。つまり、第2受光装置9および第2位相敏感検波装置11は、それぞれ、第1実施形態に係るガス計測装置1における第1受光装置14および第1位相敏感検波装置18と同様に動作する。
次に、ガス計測装置3の全体の動作について図11を用いて説明する。図11は、ガス計測装置3における波長変調幅の設定方法を示したフローチャートである。
ガス計測装置3では、計測対象ガス30の計測が継続して実行される。なお、ガスの計測が継続しているとは、1回のガスの計測が終了した後にガス計測装置3を停止させることなく次の計測を開始することにより、計測が繰り返し実行される状態を言う。
ステップS301では、カウンタ80により、ガスの計測が継続している時間がカウントされる。カウンタ80のカウントした結果は、コンピュータ40に入力される。
ステップS302では、コンピュータ40の制御部49により、カウンタ80により計数された時間、つまりガスの計測が継続している時間が、定期メンテナンスの周期(所定の時間の一例)以上であるかどうかが判定される。定期メンテナンスの周期は、予め設定されており、コンピュータ40のメモリ部47に記憶されている。ステップS302において条件が満たされている場合には、フロー100に進み、条件が満たされていない場合には、ステップS301に戻る。
フロー100では、第1実施形態と同様に、波長変調幅の設定が実行される。本実施形態では、設定部44は、カウンタ80により計数された時間が所定の時間以上になった場合に、ピークボトム比Rが予め定められた目標値と等しくなるように波長変調幅を設定する。
ステップS303では、カウンタ80がリセットされる。カウンタ80がリセットされると、フローはステップS301に戻る。つまり、カウンタ80は、リセットされた時点をゼロとして、ガスの計測が継続している時間のカウントをリスタートする。
以上のように、第3実施形態に係る波長変調幅の設定方法は、主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を発振する光源2と、計測対象ガス30を透過したレーザ光の強度に応じて信号を出力する第1受光装置14と、を有するガス計測装置3における波長変調幅の設定方法である。この方法は、計測対象ガス30を継続して計測することと、計測対象ガス30が所定の時間継続して計測されたかどうかを判断することと、を含む。また、この方法は、計測対象ガス30が所定の時間継続して計測された場合に、中心波長を変化させながら、標準ガス7を透過したレーザ光から検出信号I4を取得することを含む。また、この方法は、検出信号I4から変調周波数ω1を2倍した高調周波数ω2で振動する二次高調波成分を取得し、ピークボトム比Rを算出することを含む。そして、この方法は、ピークボトム比Rが所定の条件を満たすように波長変調幅を設定することを含む。
このように、ガス計測装置3では、計測対象ガス30の計測が所定の時間継続すると、自動的に波長変調幅の設定が実行される。これにより、ガス計測装置3を長時間稼動させた場合であっても、波長変調幅を一定に保つことができる。
〔4:他の実施形態〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)
前述の実施形態では、基準試料として用いられていたのは、所定の圧力、所定の温度、よび所定の濃度に調整されたガスであった。しかしながら、望ましい波長変調幅が得られる場合のピークボトム比を特定できるのであれば、基準試料の種類および形態は問われない。例えば、基準試料は、計測対象ガス30に含まれる成分以外の成分を組成に有するガス、あるいは吸収線を有する固体で形成されたフィルタであっても構わない。
また、基準試料の圧力、温度、および含有される成分の濃度といった状態量がよく制御されていることが好ましいが、基準試料の状態量が所望の値からずれていたとしても、そのずれによる影響を補正するための情報を有していれば、波長変調幅の調整は可能である。
(B)
前述の実施形態においてはWMSにより二次高調波成分が取得されていたが、検出信号I1から取得される周波数成分は、変調周波数ω1で振動する基本周波数成分(特定の周波数成分の一例)または三次以上の高調波成分(特定の周波数成分の一例)であってもよい。周波数成分の次数が2ではない場合には、得られるスペクトルにおける極小値および極大値の個数は二次の場合と異なっている。この場合には、それら複数の極値のうち、任意の2個以上を選び出し、それらの間の比を指標量として用いることにより、変調電流の設定を行うことができる。
また、前述の実施形態では、二次高調波成分における2つの極小値のうち、一方の極小値の値を用いてピークボトム比Rが算出されていた。しかしながら、ピークボトム比Rの算出においては、2つの極小値の平均値が用いられてもよい。
(C)
前述の実施形態では、波長変調幅に対応しているとともに二次高調波成分の振る舞いを特徴付ける指標量として、ピークボトム比Rが採用されていた。しかしながら、二次高調波成分の振る舞いを特徴付ける指標量は、ピークボトム比R以外の量であってもよい。また、波長変調幅の設定において、指標量が用いられなくてもよい。
例えば、以下に説明する実施形態を装置、方法、またはプログラムにより実現することができる。
ここに説明する実施形態では、レコーダ41は、レーザ光の中心波長の値と、二次高調波成分の値と、を互いに関連付けられた状態で記録する。レコーダ41には、波形混合器12の出力する信号であって主電流を表す主電流信号と、第1位相敏感検波装置18の出力する二次高調波信号I3と、が入力される。レコーダ41は、主電流信号に基づいてレーザ光の中心波長の値を決定し、二次高調波信号I3に基づいて二次高調波成分の値を決定する。そして、レコーダ41は、中心波長および二次高調波成分の値をそれぞれX値およびY値として記録する。
また、レコーダ41は、レーザ光の中心波長の値と、検出信号I1の直流成分の値と、を互いに関連付けられた状態で記録する。
本項の実施形態では、前述のステップS101において、波形混合器12から出力された主電流信号は、コンピュータ40のレコーダ41に入力される。主電流信号は、レコーダ41により、中心波長に変換され記録される。
また、前述のステップS103では、レコーダ41により、二次高調波成分は中心波長と関連付けられた状態で記録される。
また、ステップS101〜S104における掃引により、中心波長をX値、二次高調波成分をY値とするグラフの作成が可能となる。図4(A)および(B)は、X値を中心波長、Y値を水の二次高調波成分とした場合のグラフを示している。これらの二次高調波成分グラフは、中心波長と二次高調波成分との関係を表している。
本項の実施形態において、二次高調波成分の振る舞いを特徴付ける量であって波長変調幅の設定に用いられる指標量は、ピークボトム比Rでなくてもよい。例えば、指標量は、中心波長をX値、高調波成分をY値とするX−Yグラフ上における面積を用いて決定される量でもよい。具体的には、X−Yグラフ上における、高調波成分とベースラインとの間の領域の面積を用いることができる。より詳細には、高調波成分とベースラインとの間の領域のうち極小値の含まれる領域の面積をAN、極大値の含まれる領域をAPとした場合に、指標量は比AP/ANであってもよい(図5参照)。
また、基準となるX−Yグラフと、波長変調幅の設定の際に得られたX−Yグラフとの一致度を判定してもよい。例えば、所望の波長変調幅において得られたX−Yグラフを基準として採用し、そのX−YグラフをX値およびY値の組として予めメモリ部47に記録しておき、波長変調幅の設定時に得られたX値およびY値と比較してもよい。この場合は、X−Yグラフの一致度が予め定められた閾値よりも高いこと(所定の条件の一例)が、波長変調幅の調整が完了するための条件である。一致度の算出においては、X値およびY値の組は複数存在するので、多変量解析を用いた比較を利用することができる。
なお、本項の実施形態の説明において、中心波長は主電流信号から導出されるとしていた。しかしながら、前述の通り、光源2に入力される駆動電流と発振されるレーザ光の波長との関係は、半導体レーザ素子の特性に依存する。そして、本項で説明した実施形態において導出される中心波長は、主電流信号に基づいて算出された概算値である。つまり、二次高調波成分をY値とするX−Yグラフにおいて、中心波長の値が正確に特定される必要はなく、また、X値は中心波長の値でなくてもよい。X−YグラフのX値は、光源2に入力される主入力の大きさを表す値であればよい。
ここで、主入力とは、光源2に入力される信号であって、変調信号の1周期が経過する間、強度が概ね一定に保たれる信号である。主入力の一例としては、前述の主電流信号が挙げられる。したがって、X−YグラフのX値に主電流の大きさを用いることができる。
また、時間に対するランプ波強度の増加割合が既知であれば、掃引開始からの経過時間から、主電流の大きさを見積もることができる。つまり、第1位相敏感検波装置18により二次高調波成分を取得したタイミングが分かれば、主電流信号を用いずに、主電流の大きさを見積もることができる。このことから、X−YグラフのX値に時間を用いることも可能である。例えば、第1位相敏感検波装置18による二次高調波成分の取得が一定の時間間隔で実行されるように、第1位相敏感検波装置18およびレコーダ41が制御されてもよい。これにより、X−YグラフにおけるX値は時間となる。この場合、X値は時間であるが、主入力である主電流信号に対応している。
以上により、本項に記載の実施形態に係るガス計測装置は、次のように表現することができる。ガス計測装置は、計測対象ガスを計測するための装置であって、光源と、検出部と、取得部と、設定部と、を有している。光源は、主入力に応じた中心波長を有するとともに変調信号に応じて変調したレーザ光を、中心波長を変化させながら発振する。検出部は、基準試料を透過したレーザ光の強度に応じて検出信号を出力する。取得部は、検出信号から変調信号の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得し、主入力と特定の周波数成分との関係を得る。設定部は、主入力と特定の周波数成分との関係が所定の条件を満たすように、レーザ光の波長変調幅を設定する。
ここで、変調電流は、上記の表現における「変調信号」の一例である。また、二次高調波成分のX−Yグラフは、上記の表現における「主入力と特定の周波数成分との関係」の一例である。また、上記の表現における「主入力と特定の周波数成分との関係が満たす所定の条件」とは、前述の実施形態においてはピークボトム比Rが目標値と等しくなることである。また、本項の実施形態において示したように、この「所定の条件」の一例は、比AP/ANが予め定められた値と等しくなることである。また、「所定の条件」の他の一例は、前述のように、X−Yグラフの形状の一致度が予め定められた閾値よりも高いことである。
(D)
前述の第1実施形態では、ピークボトム比Rが目標値と等しくなるように、ガス計測装置1は自動的に変調電流の強度を変更していた。しかしながら、変調電流の調整を手動操作で行うことも可能である。例えば、表示装置60に、ピークボトム比Rと目標値とのずれを示す数値を表示させる。そして、オペレータは、表示装置60に表示された数値を確認しながら、その数値がゼロになるように入力装置70を介して変調電流を変更する。
また、前述の第3実施形態では、ガスの計測が継続している時間が所定の時間以上であることをコンピュータ40が判断することにより、波長変調幅の設定が自動的に開始されていた。つまり、波長変調幅が自動校正されていた。しかしながら、波長変調幅の設定は自動的に開始されなくてもよい。例えば、変調電流の調整が必要かどうかをオペレータが判断してもよい。この場合には、オペレータは入力装置70を介してガス計測装置3に指示を与える。オペレータの指示が入力されると、ガス計測装置3は、変調電流の設定を実行する。
(E)
前述の第1実施形態では、波長変調幅の設定はガス計測装置1の初期調整として実行されていた。しかしながら、波長変調幅の設定は、初期調整として実行される場合に限られず、計測対象ガス30の計測を中断し、計測対象ガス30を基準試料に交換した後に実行されてもよい。
また、前述の第3実施形態では、計測の継続時間は定期メンテナンスの周期と比較されていたが、計測の継続時間の比較基準は任意に定めることができる。つまり、継続期間の比較基準は、波長変調幅を適切な値に維持できるのであれば、どのような期間が採用されてもよい。
(F)
前述の実施形態では、標的成分の濃度測定において、ランプ波による掃引が実行されていたが、ランプ波による掃引を行わずにWMSを実行することも可能である。
(G)
前述の実施形態では、波長変調幅は、圧力変化に対する二次高調波成分の変動率、およびS/N比を考慮して決定されていた。しかしながら、これら2つ以外の因子を考慮して波長変調幅が決定されてもよい。例えば、ガス計測装置1の分解能を基準に波長変調幅が決定されてもよい。波長変調幅が大きい場合には、標的成分以外の成分によるレーザ光の吸収が測定誤差を生じさせるおそれがある。したがって、分解能の低下を防止するために、波長変調幅の大きさを制限してもよい。
このように、波長変調幅は、圧力変化に対する二次高調波成分の変動率、S/N比、および分解能を考慮して決定することができる。しかしながら、これらの因子が全て考慮されなくてもよく、いずれかの因子のみ、あるいは2つのみを考慮して波長変調幅を決定しても構わない。
したがって、圧力変化に対する二次高調波成分の変動率を考慮せずに目標とする波長変調幅が定められても構わない。この場合には、計測対象ガス30の圧力を測定し、二次高調波成分の強度を圧力で補正してもよい。
(H)
前述の波長変調幅の設定および濃度測定は、計測対象ガス30が存在している現場で実行されてもよいし、計測対象ガス30をサンプリングすることにより、現場とは異なる場所で実行されてもよい。ここに開示された波長変調幅の設定方法によれば、波長測定装置が必要とされないので、波長測定装置を持ち込むことが困難な現場においても波長変調幅の設定を行うことができる。
(I)
前述の実施形態の各処理はハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェア(OS(Operating System)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現されてもよい。さらに、前述の実施形態の各処理は、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現されてもよい。
また、前述の実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、前述の実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序が入れ替えられても構わない。
また、前述の実施形態における各処理を実行するためのプログラムは、メモリ部47に記録することも可能であり、取り外し可能な記録媒体50に記録することも可能である。
ここに開示された波長変調幅の設定方法は、波長変調幅の設定における作業の簡素化を実現することができるため、ガス計測装置の分野において有用である。
1 ガス計測装置
2 光源
3 ガス計測装置
4 定電流発生装置
5 ビームスプリッタ
6 第1波形発生器
7 標準ガス
8 第2波形発生器
9 第2受光装置
10 倍周器
11 第2位相敏感検波装置
12 波形混合器
14 第1受光装置
16 信号処理装置
16a ローパスフィルタ
18 第1位相敏感検波装置
18a ロックインアンプ
18b ローパスフィルタ
20 温度調整器
22 測定装置
24 波形発生部
30 計測対象ガス
40 コンピュータ
41 レコーダ
42 R算出部
43 比較部
44 設定部
45 温度判定部
46 濃度測定部
47 メモリ部
48 記録媒体読取部
49 制御部
50 記録媒体
60 表示装置
70 入力装置
80 カウンタ

Claims (6)

  1. 計測対象ガスを計測するためのガス計測装置であって、
    主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を、前記中心波長を変化させながら発振する光源と、
    基準試料を透過した前記レーザ光の強度に応じて検出信号を出力する検出部と、
    前記検出信号から前記変調電流の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得する取得部と、
    前記特定の周波数成分のベースラインと前記ベースラインの負側にあるピークとの距離である極小値の大きさと、前記ベースラインと前記ベースラインの正側にあるピークとの距離である極大値の大きさとの比を算出する算出部と、
    前記比が所定の条件を満たすように、前記レーザ光の波長変調幅を設定する設定部と、
    を備えるガス計測装置。
  2. 前記所定の条件は、前記波長変調幅と一対一に対応する前記比が予め定められた目標値と等しくなることであり、
    前記設定部は、前記変調電流の強度を変化させることにより前記波長変調幅を設定する、
    請求項1に記載のガス計測装置。
  3. 前記目標値は、前記基準試料の圧力を変化させた場合における、前記特定の周波数成分の変動率を基準に決定される、
    請求項2に記載のガス計測装置。
  4. 前記計測対象ガスの計測が継続している時間を計数する計数部をさらに備え、
    前記設定部は、前記計数部により計数された時間が所定の時間以上になった場合に、前記比が前記所定の条件を満たすように前記波長変調幅を設定する、
    請求項1から3のいずれかに記載のガス計測装置。
  5. 主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を発振する光源と、計測対象ガスを透過した前記レーザ光の強度に応じて信号を出力する検出部と、を有するガス計測装置における前記レーザ光の波長変調幅の設定方法であって、
    前記中心波長を変化させながら、基準試料を透過した前記レーザ光から検出信号を取得することと、
    前記検出信号から前記変調電流の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得することと、
    前記特定の周波数成分のベースラインと前記ベースラインの負側にあるピークとの距離である極小値の大きさと、前記ベースラインと前記ベースラインの正側にあるピークとの距離である極大値の大きさとの比を算出することと、
    前記比が所定の条件を満たすように、前記レーザ光の波長変調幅を設定することと、を含む、
    波長変調幅の設定方法。
  6. 主電流に応じた中心波長を有するとともに変調電流に応じて変調したレーザ光を、前記中心波長を変化させながら発振する光源と、
    基準試料を透過した前記レーザ光の強度に応じて検出信号を出力する検出部と、
    前記検出信号から前記変調電流の周波数を正の整数倍した周波数で振動する特定の周波数成分を取得する取得部と、を備えるガス計測装置に用いられるプログラムであって、
    前記特定の周波数成分のベースラインと前記ベースラインの負側にあるピークとの距離である極小値の大きさと、前記ベースラインと前記ベースラインの正側にあるピークとの距離である極大値の大きさとの比を算出することと、
    前記比が所定の条件を満たすように、前記レーザ光の波長変調幅を設定することと、
    を含む波長変調幅の設定方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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