JP2008208974A - ボールねじ用スクレーパおよびボールねじ装置ならびに電動射出成型機。 - Google Patents

ボールねじ用スクレーパおよびボールねじ装置ならびに電動射出成型機。 Download PDF

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Abstract

【課題】ねじ軸に付着した潤滑油を効果的に除去できる新規な新規なボールねじ用スクレーパおよびボールねじ装置ならびに電動射出成型機の提供。
【解決手段】ボールねじのナット20端部に配置され、当該ナット20と螺合するねじ軸10表面の潤滑油を掻き取るためのスクレーパ90であって、前記ナット20端部に配置されるスクレーパ本体91から構成すると共に、当該スクレーパ本体91の一端を、前記ねじ軸10表面の接線方向に摺接するように配置してなる。これによって、ねじ軸10の表面に付着した余分な潤滑油をそのねじ軸の回転に伴って効果的に掻き取って除去することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電動式射出成型機などの特に厳しい使用条件下で用いられるボールねじ装置に係り、特にグリース(潤滑油)が一定間隔毎に絶えず供給されるようなボールねじ装置に適用されるスクレーパおよびこのスクレーパを備えたボールねじ装置ならびにこのボールねじ装置を用いた電動射出成型機に関するものである。
ボールねじ装置は、内面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、同じく外面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸とを複数のボール(鋼球)を介して螺合し、そのねじ軸を回転させることによってそのナットをそのねじ軸に沿って往復移動するものであり、従来から車両やそのステアリング装置、位置決め装置、各種産業の製造・加工機械などの部品として不可欠な機械要素の一つとなっている。
このようなボールねじ装置のうち、電動式射出成型機、プレス機、工作機械などのように特に荷重負荷の大きい機械要素として用いられる場合は、潤滑不良によるねじ溝やボールの早期損傷が問題となってくる。そのため、従来では、そのボールねじ装置に自動給脂装置などを付設し、この自動給脂装置などからそのナット内に自動的にあるいは手動により絶えず新鮮なグリースなどを供給することで潤滑油切れを防止し、潤滑不良による不都合を未然に回避するようにしている。
一方、このように自動給脂装置などからそのナット内に絶えず潤滑油を供給した場合、その供給に伴って古い潤滑油がそのナット端面から漏れ出してこれがねじ軸の回転と共に周囲に飛び散って機台などを汚してしまうといった不都合がある。
そのため、このようなおそれがあるボールねじ装置の場合は、ナットの端面に密閉性の高いリングシールを設け、ナット内に供給された潤滑油が漏れるのを防止するようにしている。
また、以下の特許文献1などには、ナットの端部にスクレーパを兼用したシールを設け、外部の異物などに対してナット内を密閉すると同時に、そのスクレーパによって回転するねじ軸に付着した異物や潤滑油などを掻き取るようにしている。
特開平10−299854号公報
しかしながら、これら従来技術のように密閉性の高いシールを用いた場合でも一定間隔で絶えず給脂を続けると、行き場のなくなったグリースがシールとねじ軸との僅かな隙間から漏れてねじ軸表面に付着する。
すると、このナットがねじ軸上を往復動する際に、ねじ軸表面に付着したグリースが、このナットの設けられた密閉性の高いシールによって掻き集められてナット端部に徐々に集められて堆積し、ある程度堆積したグリースがねじ軸の回転に伴う遠心力によって周囲に飛散して機台などを汚してしまうといった不都合がある。
また、このような密閉シールの密閉性を高めるためにねじ軸との締め代を大きくしたり、また、前記特許文献1などに示すようにさらにそのシールにねじ軸全面を覆うような筒状のスクレーパを設けると、ねじ軸との接触抵抗が大きくなってトルクや温度が上昇して悪影響を及ぼすといった問題もある。
また、密閉性を発揮するためにシールとねじ軸との接触面もラビリンス形状や螺旋形状などの複雑な形状にする必要があり、コストが高くなる傾向がある。
さらに、このねじ軸やシールなどは、ある程度の熱膨張や変形が避けられないため、十分な密閉性を確保することが難しい。
そこで、本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、その主な目的は、ねじ軸表面に付着した潤滑油を効果的に除去して係る不都合を回避できる新規なボールねじ用スクレーパおよびこのスクレーパを備えたボールねじ装置ならびにこのボールねじ装置を用いた電動射出成型機を提供するものである。
前記課題を解決するために請求項1の発明は、
ボールねじのナット端部に配置され、当該ナットと螺合するねじ軸表面の潤滑油を掻き取るためのスクレーパであって、前記ナット端部に配置されるスクレーパ本体から構成すると共に、当該スクレーパ本体の一端を、前記ねじ軸表面の接線方向に摺接するように配置してなることを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項2の発明は、
請求項1に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記ねじ軸が前記ナット内からナット外に出る回転方向であってかつ前記ナット内でねじ軸に付着した潤滑油が前記スクレーパ本体の先端に当接する方向に、前記スクレーパ本体の一端を、前記ねじ軸表面の接線方向に摺接するように配置してなることを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項3の発明は、
請求項1または2に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体の全体またはその摺接端部を樋状または管状に成形すると共に、当該摺接端部を前記ねじ軸表面のねじ溝内に臨んで摺接するように配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項4の発明は、
請求項3に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体の摺接端部を前記ねじ軸表面のねじ溝内の一部に摺接するように配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項5の発明は、
請求項1または2に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体の全体またはその摺接端部を平板状に成形すると共に、当該平板状の摺接端部を前記ねじ軸表面のランド部側に摺接するように配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項6の発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体の摺接端部を、前記ねじ軸表面のねじ溝方向に対して直角または前記ねじ軸の軸方向に対して平行に配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項7の発明は、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体の摺接端部に、内側に向くテーパーを形成したことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項8の発明は、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体の他端部を前記摺接端部よりも低い位置に配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項9の発明は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、前記スクレーパ本体を前記ねじ軸表面の周方向の複数部位に摺接させるべく周方向に2つ以上備えたことを特徴とするボールねじ用スクレーパである。
また、請求項10の発明は、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパをナットの一端部または両端部に直接または他の部材を介して備えたことを特徴とするボールねじ装置である。
また、請求項11の発明は、
請求項10に記載のボールねじ装置において、前記ナットに、潤滑油を供給する潤滑油供給ラインを接続すると共に、前記ボールねじ用スクレーパに、そのスクレーパで掻き取った潤滑油を外部に排出する潤滑油排出ラインを接続したことを特徴とするボールねじ装置である。
また、請求項12の発明は、
請求項10または11に記載のボールねじ装置を備えたことを特徴とする電動式射出成型機である。
請求項1の発明によれば、スクレーパ本体の先端をねじ軸表面の接線方向に摺接するように配置したため、ねじ軸の表面に付着した余分な潤滑油をそのねじ軸の回転に伴って効果的に掻き取って除去することができる。
また、ねじ軸に対してスクレーパ本体の先端のみが部分的に接触するため、ねじ軸との接触抵抗が増加することもなくトルクや温度の上昇による悪影響を未然に回避することができる。
これにより、ナット端部に設けられていた、潤滑油の漏れを防止するための密閉シールを省略できるため、コストの上昇を抑制することができる。
また、請求項2の発明によれば、ねじ軸に付着した潤滑油がナット外へ出る際に掻き取られると共に、ナット外でねじ軸に付着した潤滑油は殆ど掻き取られることなくそのままナット内へ引き込まれるようになるため、ナット外のねじ軸に付着する潤滑油を減少することができる。
また、請求項3の発明によれば、このスクレーパ本体の全体またはその摺接端部を樋状または管状に成形すると共に、その樋状または管状の摺接端部をねじ軸表面のねじ溝内に臨むように配置したため、特にそのねじ溝内に溜まった潤滑油をそのねじ軸の回転に伴って効果的に掻き取って除去することができる。
また、請求項4の発明によれば、スクレーパ本体の摺接端部を前記ねじ軸表面のねじ溝内の一部で摺接するように配置したため、例えば、そのねじ溝内のボールが接触する部分のみの潤滑油をそのまま残して掻き取ることができるため、潤滑性を損なわずに余分な潤滑油のみを効果的に除去することができる。
また、請求項5の発明によれば、スクレーパ本体の全体またはその摺接端部を平板状に成形すると共に、その平板状の摺接端部を前記ねじ軸表面のランド部側に摺接するように配置したため、そのランド部側に付着した潤滑油のみを選択的に掻き取って除去することができる。
これによって、ボールが転動するねじ溝内の潤滑油をそのまま残すことができるため、ねじ溝側の潤滑性を損なわずに余分な潤滑油を除去することができる。
また、請求項6の発明によれば、スクレーパ本体の摺接端部を、前記ねじ軸表面のねじ溝方向に対して直角またはねじ軸の軸方向に対して平行に配置したため、効果的にねじ溝表面の潤滑油を掻き取って除去することができる。
また、請求項7の発明によれば、スクレーパ本体の摺接端部にテーパーを形成したため、ねじ軸表面に付着した潤滑油を掻き取る際にそのテーパーに乗り上げる潤滑油の反力により、そのスクレーパ本体の摺接端部が強くねじ軸表面に押し付けられるようになる。
これによって、潤滑油が多く付着している部分では効果的に潤滑油を掻き取ることができると共に、潤滑油の付着が少ない部分はこの力が作用しないため、摩擦力をそれほど上昇させずに効率良く潤滑油を掻き取ることができる。
また、請求項8の発明によれば、スクレーパ本体の他端部をその摺接端部よりも下方に配置したため、その摺接端部で掻き取られた潤滑油を重力を利用してそのままスムーズに他端部側に送ることができる。
また、請求項9の発明によれば、少なくとも2つ以上のスクレーパ本体によってねじ軸表面に付着した潤滑油を同時に掻き取ることができるため、2条ねじや大リードのものであっても各スクレーパ本体の掻き取り幅を狭くすることができる。
一方、請求項10の発明によれば、このような本発明のボールねじ用スクレーパをナットの一端部または両端部に直接または他の部材を介して備えたため、ねじ軸表面に付着した潤滑油を効果的に除去できるボールねじ装置を提供することができる。
また、請求項11の発明によれば、ナットに潤滑油を供給する潤滑油供給ラインを接続すると共に、前記ボールねじ用スクレーパに掻き取った潤滑油を排出する潤滑油排出ラインを接続したため、ナット内に対して潤滑油の供給と排出を効率的に行うことができる。
他方、請求項12の発明によれば、このような本発明のボールねじ装置を備えたため、寿命が長く信頼性の高い電動式射出成型機を提供することができる。
次に、本発明に係るボールねじ装置100の実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2は、本発明に係るボールねじ装置100の実施の一形態を示したものである。
図示するようにこのボールねじ装置100は、ロッド状のねじ軸10と、このねじ軸10を貫通する筒状のナット20と、このナット20とねじ軸10との間を転動する複数のボール(鋼球)30、30…とから主に構成されている。
そして、このねじ軸10の外周面およびナット20の内周面には、それぞれ螺旋状のねじ溝11、21が対向するように形成されており、これらねじ溝11、21で形成される螺旋状の転動路40内を前記複数のボール30、30…が転動するようになっている。
また、この螺旋状の転動路40の上下流間には、リターンチューブ50が設けられており、転動路40の一部と共に前記ナット20の軸方向に沿ってボール30、30…が転動する循環回路60を形成するようになっている。
すなわち、このリターンチューブ50は、ほぼU字形に曲げ加工された金属管から形成されており、その両端部がナット20を貫通して螺旋状の転動路40内に臨むように位置することで、転動路40の一部と共に螺旋状の循環回路60を形成するようになっている。
また、図示するようにこのナット20の略中央部分には、外部からこれを貫通するように潤滑油供給孔70が設けられており、図示しない自動給脂装置からその転動路40内にグリースなどの潤滑油を供給できるようになっている。
そして、さらに図示するようにこのナット20の端部には、その底部から上方に向かってその内側に貫通するように貫通孔80が穿孔されていると共に、この貫通孔80には、ナット20内のねじ軸10表面に付着した潤滑油を除去するためのスクレーパ90が装着されている。
このスクレーパ90は、管状(パイプ状)のスクレーパ本体91から構成されていると共に、そのスクレーパ本体91の先端(開口)部92が、そのナット20内に位置するねじ軸10表面の接線方向に摺接するように配置されており、そのねじ軸10の回転に伴ってそのねじ軸10表面に付着した潤滑油を掻き取って除去するようになっている。
そのため、このスクレーパ90のスクレーパ本体91の摺接端部92から掻き取られた潤滑油は、自重によりそのスクレーパ本体91を伝ってナット20外へ排出されるようになり、従来のようにそのナット20端部から漏れ出たそのねじ軸10の回転に伴って飛散してしまうことを軽減できる。
ここで、このスクレーパ90のスクレーパ本体91の形態およびその摺接端部92とねじ軸10表面との摺接状態としては、特に限定されるものではないが、その摺接状態によって掻き取り状況などが変わってくることから、ボールねじ装置の種類や適用箇所などに応じて適宜最適な形態を採用すればよい。
すなわち、図1および図2の例では、そのスクレーパ90のスクレーパ本体91の摺接端部92をねじ軸10のねじ溝11内に臨むように配置したものであり、このような形態では、そのねじ軸10表面に付着した潤滑油のうち、主にそのねじ溝11内に溜まった潤滑油のみを選択的に掻き取ることができる。
一方、図3(A)に示すようにそのねじ軸10のねじ溝11の底部に中央溝13が形成されていたり、そのねじ溝11の断面形状がゴシックアーク状になっている場合などのように単なる球面形状でない場合には、同図に示すように、そのスクレーパ本体91の摺接端部92側をその形状に倣って加工してねじ溝11の全面に亘って密着するようにすれば、効果的にそのねじ溝11内に溜まった潤滑油を掻き取ることができる。
また、このスクレーパ90の全体形状またはその摺接端部92としては、図3(B)に示すように平板状となったものであっても良い。
このような形態の場合、図3(A)などに示した形態のようにねじ溝11内に溜まった潤滑油を掻き取るのではなく、主にランド部12などと称されるねじ溝11,11間(ねじ山)に付着した潤滑油のみを選択的に掻き取って除去することができる。
すなわち、このねじ軸10のねじ溝11内は多数のボール30、30…が絶え間なく転動しており、供給された潤滑油はランド部12側へ掻き出されるように作用するため、実際にはグリースなどの潤滑油が溜まり難く、その殆どはこのランド部12に溜まる結果となる。従って、このランド部12に溜まった潤滑油のみを選択的に掻き取るだけで余分な潤滑油の殆どを効果的に除去することができる。さらに、このような平板形状であれば、スクレーパ90の製作・加工が容易となり、コストの削減も可能となる。
また、他の形態として図3(C)や図3(D)に示すように、このスクレーパ90のスクレーパ本体91の全体または摺接端部92を樋状に形成し、ねじ溝11内全体とその両側のランド部12,12の全面を纏めて掻き取るようにしても良い。
さらに同図(E)に示すように、そのスクレーパ90のスクレーパ本体91の摺接端部92がねじ溝11内に対して部分的に接触するようにしてねじ溝11内の潤滑油を部分的に掻き取るようにしても良い。すなわち、例えば、図示するようにそのスクレーパ90のスクレーパ本体91の摺接端部92がねじ溝11内の底部中央から両側約30°の範囲でのみを接触し、その外側が被接触状態となるように加工すれば、その中央部分のみに付着した潤滑油のみを選択的に掻き取るようにして良い。このような形態にすれば、適度な潤滑性を維持できるため、潤滑油の掻き取り過ぎなどによる潤滑不足などといった不都合を招くことがない。
そして、このスクレーパ90に対して、図示しないフレキシブルホースなどの潤滑油回収ラインを接続すると共に、潤滑油供給孔70に潤滑油供給ラインを接続すれば、常に新しい潤滑油をナット20内に供給できると共に、古くなった潤滑油をスクレーパ90で掻き取って回収することができる。
このように本発明のボールねじ装置100は、ナット20の端面に管状または樋状あるいは平板状のスクレーパ90のスクレーパ本体91の先端をねじ軸10表面の接線方向に摺接するように配置したため、そのねじ軸10の表面に付着した余分な潤滑油をそのねじ軸10の回転に伴って効果的に掻き取って除去することができる。
また、このねじ軸10に対してスクレーパ本体91の摺接端部92のみが部分的に接触するため、ねじ軸10との接触抵抗が増加することもなくトルクや温度の上昇による悪影響も未然に回避することができる。これにより、ナット20端部に設けられていた従来の密閉シールを省略できるため、コストの上昇を抑制することも可能となる。
なお、本実施の形態では、ナット20の一端にのみスクレーパ90を設けた例で示したが、他端側(フランジ側)にも同様な形態のスクレーパ90を設けるようにしても良いことは勿論である。この場合、他端側では掻き取り方向が異なるため、他方のスクレーパ90の取り付け位置は、図2のケースの反対側になる。
また、このねじ軸10に対するスクレーパ90の取り付け角度も特に限定されるものではないが、例えば、図4に示すようにそのスクレーパ90の摺接端部92をねじ溝11に対して直角に位置させても良いし、また、そのスクレーパ90の先端92をねじ軸10に対して平行に位置させても良い。
また、このスクレーパ90の大きさや材質などは特に限定されるものではないが、このスクレーパ90の摺接端部92は、ねじ軸10から効率良くグリースなどの潤滑油を掻き出すと共に、そのねじ軸10に沿わせるために、例えば、0.1〜0.5mm程度の厚さとすることが望ましい。
さらに、図5に示すように、このスクレーパ90の摺接端部92の全体または一部分に、その内側に向くテーパー93を形成すれば、そのねじ軸10表面に付着した潤滑油を掻き取る際にそのテーパー93に乗り上げる潤滑油の反力により、その摺接端部92が強くねじ軸10表面に押し付けられるようになる。
これによって、潤滑油が多く付着している部分では効果的に潤滑油を掻き取ることができると共に、潤滑油の付着の少ない部分はこの力が作用しないため、摩擦力をそれほど上昇させずに効率良く潤滑油を掻き取ることができる。
また、このスクレーパ90のスクレーパ本体91やその摺接端部92の材質も限定されるものではないが、特にねじ溝11の形状に倣うべく加工が容易でかつねじ軸10が高温になってもその機能を喪失することのないような材料で、さらに耐摩耗性に優れたもの、例えば、炭素鋼などの金属の他、エラストマーなどのゴム材料やエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂などの耐熱性、耐摩耗性の樹脂などを用いることが望ましい。
また、本実施の形態では、ナット20の端部に貫通孔80を穿孔し、この貫通孔80内にスクレーパ90を装着するようにしたが、このナット20にその端部から突出するようなリングシールなどを設け、このリングシール側に前述したような本発明のスクレーパ90を設けるようにしても良い。
また、さらに、図6に示すようにこのスクレーパ本体91をナット20の端部に、それぞれねじ軸10表面の周方向の複数部位に摺接させるべく周方向に2つ以上備えるようにしても良い。
すなわち、図6の例は、ナット20の端部にその端部から突出するように内部中空のリングカバー21を設けると共に、そのリングカバー21内に2つのスクレーパ本体91をねじ軸に対して所定の角度θ(例えば120°)で取り付けたものである。
そして、このような構成とした場合にあっては、ねじ軸10をナット20内からナット20外へ移動する回転方向(図中A方向)に回転した場合には、ナット20内でねじ軸10に付着した潤滑油が2つのスクレーパ本体91,91によって同時に掻き取られることになる。
これによって、潤滑油の掻き取り幅が長くなるため、2条ねじや大リードであっても確実にその表面に付着した潤滑油を掻き取ることができる。つまり、1枚のスクレーパ90では最短でリード長分の長さが必要となるが、図の例のようにスクレーパ本体91,91を例えばθ≒120°の角度で配置すればリード長の2/3で済むことになる(θ≒180°ならばリード長の1/2)。
なお、これら2つのスクレーパ本体91,91によって同時に掻き取られた潤滑油は、重力によりリングカバー21内を伝わってその底部に集まり、その底部に形成された排出口23から順次外部へ排出されることになる。
これらにより、ねじ軸10に付着した余分な潤滑油はナット20外へ露出する前により確実に掻き取られるようになるため、前記と同様にねじ軸10の回転により飛び散って周囲を汚したりすることをより確実に回避することができる。
一方、ねじ軸10をナット20外からナット20内へ移動する回転方向(図中B方向)に回転した場合には、ナット20外でねじ軸に付着した潤滑油は殆ど掻き取られることなくそのままナット20内へ引き込まれるようになるため、ナット20外のねじ軸10に付着する潤滑油を減少することができる。
そして、このようなボールねじ装置100を、例えば図7に示すような電動式射出成型機やプレス機などの送り機構(型締め用ボールねじや射出用ボールねじ)などに採用すれば、長寿命で信頼性の高い電動式射出成型機やプレス機などを提供することができる。
本発明に係るボールねじ装置100の実施の一形態を示す縦断面図である。 図1中A−A線断面図である。 本発明に係るスクレーパ90の各種実施の形態を示す拡大図である。 ねじ軸10と本発明に係るスクレーパ90との位置関係を示す説明図である。 本発明に係るスクレーパ90の摺接端部92にテーパー93を形成した際の作用を示す概念図である。 本発明に係るスクレーパ90をナット20の端部に2枚備えた例を示す軸方向断面図である。 本発明に係るボールねじ装置100を採用した電動式射出成型機の実施の一形態を示す縦断面図である。
符号の説明
100…ボールねじ
10…ねじ軸
11…ねじ溝(ねじ軸側)
12…ランド
20…ナット
21…ねじ溝(ナット側)
22…リングカバー
30…ボール
40…転動路
50…リターンチューブ
60…循環回路
70…潤滑油供給孔
80…貫通孔
90…スクレーパ
91…スクレーパ本体
92…摺接端部
93…スクレーパ

Claims (12)

  1. ボールねじのナット端部に配置され、当該ナットと螺合するねじ軸表面の潤滑油を掻き取るためのスクレーパであって、
    前記ナット端部に配置されるスクレーパ本体から構成すると共に、当該スクレーパ本体の一端を、前記ねじ軸表面の概ね接線方向に摺接するように配置してなることを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  2. 請求項1に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記ねじ軸が前記ナット内からナット外に出る回転方向であってかつ前記ナット内でねじ軸に付着した潤滑油が前記スクレーパ本体の先端に当接する方向に、前記スクレーパ本体の一端を、前記ねじ軸表面の接線方向に摺接するように配置してなることを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  3. 請求項1または2に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体の全体またはその摺接端部を樋状または管状に成形すると共に、当該摺接端部を前記ねじ軸表面のねじ溝内に臨んで摺接するように配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  4. 請求項3に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体の摺接端部を前記ねじ軸表面のねじ溝内の一部に摺接するように配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  5. 請求項1または2に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体の全体またはその摺接端部を平板状に成形すると共に、当該平板状の摺接端部を前記ねじ軸表面のランド部側に摺接するように配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体の摺接端部を、前記ねじ軸表面のねじ溝方向に対して直角または前記ねじ軸の軸方向に対して平行に配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体の摺接端部にテーパーを形成したことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体の他端部を前記摺接端部よりも低い位置に配置したことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパにおいて、
    前記スクレーパ本体を前記ねじ軸表面の周方向の複数部位に摺接させるべく周方向に2つ以上備えたことを特徴とするボールねじ用スクレーパ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のボールねじ用スクレーパをナットの一端部または両端部に直接または他の部材を介して備えたことを特徴とするボールねじ装置。
  11. 請求項10に記載のボールねじ装置において、
    前記ナットに、潤滑油を供給する潤滑油供給ラインを接続すると共に、前記ボールねじ用スクレーパに、そのスクレーパで掻き取った潤滑油を外部に排出する潤滑油排出ラインを接続したことを特徴とするボールねじ装置。
  12. 請求項10または11に記載のボールねじ装置を備えたことを特徴とする電動式射出成型機。
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