JP2008208581A - 上面増厚床版の補修工法 - Google Patents

上面増厚床版の補修工法 Download PDF

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英治 鈴木
Hiroyasu Wakayama
裕泰 若山
Shusuke Kojima
秀典 小嶋
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Abstract

【課題】隙間などの損傷が発生したと考えられる上面増厚床版の補修が簡単で、施工時間も短縮され、かつ、そのコストが低廉な補修工法を提供することである。
【解決手段】上面増厚床版の補修工法であって、
上面増厚床版に穴を穿つ穿穴工程と、
前記穿穴工程で設けられた穴からバインダ材を注入する注入工程と、
前記注入工程で注入されたバインダ材が上面増厚床版の内部に出来ている空隙に充填され、該充填固化したバインダ材によって前記空隙が埋められて密実一体化される一体化工程とを具備する。
【選択図】 図4

Description

本発明は橋梁の上面増厚床版の補修工法に関する。特に、経年変化により上面増厚床版に生じた空隙、特に僅かな量の空隙(膨れ)に対して、低廉なコストで簡単に行える補修工法に関する。
車輌の大型化や通行量の増大に起因して、橋梁床版には、益々、大きな繰り返し荷重が掛かるようになって来た。そして、橋梁床版の老朽化が相俟って、ひび割れなどの損傷が酷くなって来ている。例えば、橋梁床板の中にはひび割れ等の損傷が認められている。
ところで、上記の如きの損傷に対しては、例えば部分打換工法による補修が行なわれている。
しかしながら、部分打換工法(補修工法)は、局部的な対処に過ぎず、損傷部位が広がって来ると、全面的な対策が必要になる。
このような全面的な対策として、即ち、鋼橋、RC橋、PC橋などの床版部材の全般に及ぶ損傷に対して、床版の上面増厚工法が提案されている。この床版の上面増厚工法は、簡単に説明すると、既設のコンクリート床板の上面を切削し、その上に鋼繊維補強コンクリートを打設し、その上にアスファルト舗装を施す工法である。そして、この工法により、橋梁床版の寿命が大幅に向上した。
さて、上記した床版の上面増厚工法が実施され始めてから、10年程度の期間が過ぎるに至り、今日では、床版の上面増厚工法が実施された橋面舗装の一部にひび割れとかポットホール等が発生しており、これが問題になり始めている。
そして、このような損傷に対しては、損傷部位を部分的に打ちかえることが考えられている。
しかしながら、部分的に打ち換えるにしても、そもそも、損傷部位の発見自体が大変である。
なぜならば、上面増厚床版に隙間が出来ていると言っても、この隙間の初期は極めて微細なものである。すなわち、隙間による膨れはmmの単位のものである。例えば、1mm程度のものである。従って、上面増厚床版に1mm程度の膨れが生じていても、この膨れの発見は現実には非常に大変である。そして、損傷は短期間で進行する。
更に、打換作業自体がコストも高く付く。
よって、本発明が解決しようとする課題は、隙間などの損傷が発生したと考えられる上面増厚床版の補修が簡単に実施でき、かつ、そのコストが低廉な補修工法を提供することである。
さて、床版上面増厚工法が実施された橋面舗装における「ひび割れ」とか「ポットホール」の原因についての検討を推し進めて行った結果、上面増厚床版の温度変化による膨張・収縮・反りとか、施工時の不具合による床版と上面増厚床版との間に出来た隙間とか、又、膨張・収縮による施工目地の隙間による上層のアスファルト舗装のひび割れの発生、そして繰り返し交通荷重によるひび割れの拡大、ポットホールの発生による雨水の浸透、又、寒冷地では浸透水の凍結・融解、又、凍結融解剤の散布によるアスファルト舗装材の品質劣化、剥離の繰り返しによって、上記現象が大きくなっていることが判って来た。
そして、上記の如きの損傷、特に、僅かな損傷が起きた段階で補修が出来たならば、その上面増厚床版の寿命は、より、一層、長くなり、かつ、補修コストも低廉なもので済むようになる。
さて、それでは、僅かな損傷(膨れ)を如何に効率良く発見するかと言う命題に行き着く。この命題に対する検討を、鋭意、推し進めて行った結果、膨れなどの損傷は、基本的には、水平方向に拡がっていることに着目し、表面から、穴を穿設し、この穴からグラウト材を注入してやれば、該穴の位置に隙間(膨れ)が在れば、該隙間内にグラウト材が穴から充填されるようになり、隙間が無ければ、グラウト材は注入できないと言うことに気付くに至った。
すなわち、穴を、適宜、穿ち、この穴開口からグラウト材を注入したならば、僅かな損傷(膨れ)が効率良く発見でき、しかも、同時に補修できると言うことが判って来た。
上記知見を基にして本発明が達成されたものである。
すなわち、前記の課題は、
上面増厚床版の補修工法であって、
上面増厚床版の内部に出来ている空隙に上側からバインダ材が充填され、前記空隙に充填されたバインダ材によって前記上面増厚床版が密実一体化される
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
特に、上面増厚床版の補修工法であって、
上面増厚床版に穴を穿つ穿穴工程と、
前記穿穴工程で設けられた穴からバインダ材を注入する注入工程と、
前記注入工程で注入されたバインダ材が上面増厚床版の内部に出来ている空隙に充填され、該充填固化したバインダ材によって前記空隙が埋められて密実一体化される一体化工程
とを具備することを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
又、上記上面増厚床版の補修工法であって、
バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
前記バインダ材の注入に先立って、所定の間隔を置いて、上面増厚床版に穴が穿たれる穿穴工程を有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
又、上記上面増厚床版の補修工法であって、
バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
前記バインダ材の注入に先立って、0.5〜5mの間隔を持って、上面増厚床版に穴が穿たれる穿穴工程を有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
又、上記上面増厚床版の補修工法であって、
バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
前記バインダ材の注入に先立って、上面増厚床版を構成する一枚の上面増厚床版に少なくとも一つの穴が穿たれる穿穴工程を有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
上記上面増厚床版の補修工法に際して、用いられるバインダ材は、特に、セメント系のものである。例えば、所謂、セメント系グラウト材である。
そして、本発明における上面増厚床版の内部に出来ている空隙は、例えば上面増厚床版とセメントコンクリート系床版との間において水平方向に出来ている空隙である。若しくは、上面増厚床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙である。又は、セメントコンクリート系床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙である。
又、上記上面増厚床版の補修工法であって、
バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
前記バインダ材の注入に先立って、前記穴の清浄化が行われる清浄化工程を有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
上記清浄化工程は、流体(例えば、水とか空気)の供給及び/又は吸引によるものである。すなわち、穴の開口部から水(空気)を吹き込む(或いは、吸引する)ことによって、穿たれた穴の内側壁面とか、この穴に連通した空隙内が綺麗になる。すなわち、空隙に存在した(溜まった)凍結融解剤などの薬剤とか汚れ成分が押出されたり、或いは吸引・除去されるようになり、膨れ誘因物質が効果的に除去され、非常に好ましい。
又、上面増厚床版の上にアスファルト舗装が設けられている上面増厚床版の補修工法であって、
前記アスファルト舗装が除去されるアスファルト舗装除去工程と、
前記アスファルト舗装除去工程の後、上記した上面増厚床版の補修工法を行う補修工程と、
前記補修工程の後、アスファルト舗装を行うアスファルト舗装工程
とを具備することを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
又、上記上面増厚床版の補修工法であって、
補修工程の後で、かつ、アスファルト舗装工程の前において、シートを敷設するシート敷設工程を有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
又、上記上面増厚床版の補修工法であって、
上面増厚床版の上に軟性材を塗布する塗布工程を更に有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
特に、上記上面増厚床版の補修工法であって、
上面増厚床版の上に流動性を有する軟性材を塗布する塗布工程を更に有する
ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法によって解決される。
本発明によれば、水平方向に拡がっている空隙にバインダ材、特に、セメント系グラウト材が充填され、上面増厚床版が密実構造のものになる。従って、上面増厚床版が確実に補修される。
特に、上面増厚床版の上部から下部に向かって穴を穿設し、この穴の開口部からバインダ材(セメント系グラウト材)を注入してやれば、この穴に連通した空隙(横(水平方向)に拡がった空隙)にバインダ材(セメント系グラウト材)がスムーズに充填されるようになる。そして、バインダ材(セメント系グラウト材)の固化によって、上面増厚床版が確実に密実構造のものになる。従って、上面増厚床版が確実に補修される。
本発明の補修工法に際して、上面増厚床版に設けられる穴は、適宜、設けられれば良い。例えば、2個でも十分である。但し、1個のみであると、バインダ材(セメント系グラウト材)か確実に充填されたか否かが判り難い。ところが、穴が二つ形成されていて、一方の穴からバインダ材(セメント系グラウト材)を注入して、他方の穴からバインダ材(セメント系グラウト材)が溢れ出て来たならば、空隙に確実にバインダ材(セメント系グラウト材)が注入・充填されたことを知ることになる。従って、少なくとも2個以上の穴を設けることが好ましい。例えば、0.5〜5m(特に、1m以上。3m以下。)の間隔を持って穴が設けられることが好ましい。或いは、上面増厚床版を構成する一枚の上面増厚床版に一つ以上(好ましくは、少なくとも二つ)の穴が設けられることが好ましい。
本発明は、水平方向(横方向)に拡がった空隙に対して、極めて、有効である。なぜならば、水平方向(横方向)に拡がった空隙に対して、上下方向(例えば、垂直方向)に穿たれた穴は、交差する確率が高く、従って穴の開口から、簡単に、バインダ材(セメント系グラウト材)が空隙に注入・充填できるからである。
すなわち、本発明は、上面増厚床版とセメントコンクリート系床版との間において水平方向に出来ている空隙、上面増厚床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙や、セメントコンクリート系床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙を埋める補修工法として極めて有効である。
そして、バインダ材の注入に先立って、開けられた穴の清浄化、例えば水とか空気などを吹き込むとか吸引して遣ると、穿たれた穴の内側壁面とか、この穴に連通した空隙内が綺麗になり、空隙に存在した(溜まった)凍結融解剤などの薬剤とか汚れ成分が押出されたり、或いは吸引・除去されるようになり、膨れ誘因物質が効果的に除去され、非常に好ましい。
本発明は、表面にアスファルト舗装が設けられている場合にも適用できる。すなわち、表面のアスファルト舗装を除去し、上面増厚床版が露出してから、穴を穿ち、そしてバインダ材を注入するようにしても良いが、場合によっては、アスファルト舗装の表面から穴を穿ち、そしてバインダ材を注入するようにしても良い。
さて、アスファルト舗装の表面から穴を穿ち、そしてバインダ材を注入する場合、上下方向(垂直方向)に出来たひび割れなどの部位や、目地間に出来ている上下方向(垂直方向)の隙間にはバインダ材の注入が出来難い。
しかしながら、目地間に出来ている上下方向(垂直方向)の隙間には硬質なセメント系グラウト材が充填されない方が好ましい。なぜならば、収縮・膨張が起きた場合に、硬質なセメント系グラウト材では緩衝作用が奏され難いからである。
すなわち、その発生原因が何であれ、上下方向(垂直方向)に出来ている隙間に対しては、軟性材、特に、流動性を有する軟性材が塗布されたならば、即ち、表面のアスファルト舗装を除去して露出した上面増厚床版の表面に、軟性材、特に、流動性を有する軟性材を塗布したならば、上下方向に出来ている隙間に軟性材、特に、流動性を有する軟性材が浸入し、隙間が埋められるようになり、補修・防水効果が一段のものになる。
尚、アスファルト舗装が除去されたならば、上記塗布工程の後、アスファルト舗装が施される。この場合、アスファルト舗装の前に、シートを敷設しておけば、上面増厚床版の補強、ひび割れ発生の抑制、或いは防水効果が更に発揮されるので、好ましい。
更には、急速施工により施工時間も短縮される。
本発明になる工法は、上面増厚床版の補修工法である。上面増厚床版の内部に出来ている空隙に上側からバインダ材が充填され、前記空隙に充填されたバインダ材によって上面増厚床版が密実一体化される工法である。そして、上面増厚床版に穴を穿つ穿穴工程を有する。又、穿穴工程で設けられた穴からバインダ材を注入する注入工程を有する。又、注入工程で注入されたバインダ材が上面増厚床版の内部に出来ている空隙に充填され、該充填固化したバインダ材によって前記空隙が埋められて密実一体化される一体化工程を有する。バインダ材は、特に、上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものである。そして、バインダ材の注入に先立って、特に、所定の間隔を置いて、例えば0.5〜5m(特に、1m以上。3m以下。)の間隔を持って、或いは上面増厚床版を構成する一枚の舗装版に少なくとも一つ(特に、少なくとも二つ)の穴が穿たれる穿穴工程を有する。バインダ材の注入に先立って、穴の清浄化が行われる清浄化工程を有する。例えば、水や空気などの流体を吹き込んだり吸引することで清浄化が行なわれる。これは、穿たれた穴のみでなく、連通する空隙も結果的に清浄化される。上面増厚床版の上にアスファルト舗装が設けられている場合には、基本的には、アスファルト舗装が除去された後、上記の補修工程が実施され、そしてアスファルト舗装が行なわれる。尚、補修工程の後で、かつ、アスファルト舗装工程の前において、シートが敷設される。又、露出した上面増厚床版の上に軟性材、特に流動性を有する軟性材が塗布され、垂直方向に出来ている空隙に軟性材が浸透して行くようにする。本発明で用いられるバインダ材は、特に、セメント系グラウト材である。そして、上記した上面増厚床版の内部に出来ている空隙は、上面増厚床版とセメントコンクリート系床版との間において水平方向に出来ている空隙、若しくは上面増厚床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙、又はセメントコンクリート系床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙である。
以下、更に詳しく説明する。
図1〜図8は本発明の工法を説明する図であり、図1は工事開始前段階での断面図、図2は表面のアスファルト舗装除去後の断面図、図3は穿設後の断面図、図4は穿設後の平面図、図5はセメント系グラウト材注入後の断面図、図6は表面に流動性軟性材塗布後の断面図、図7はシート配設後の断面図、図8はアスファルト舗装後の断面図である。
本工法が開始される前においては、図1に示される通りである。すなわち、上面増厚床版は、最下層にセメントコンクリート製の橋梁床版1を有する。そして、橋梁床版1の上に床版上面増厚工法による鋼繊維補強のセメントコンクリート製の上面増厚床版2が設けられており、上面増厚床版2の上にアスファルト舗装3が設けられている。
そして、経年劣化によって、上面増厚床版2の一部が浮き上がり、1mm弱程度の浮き上がりによって、高さが1mm弱の空隙4が橋梁床版1と上面増厚床版2との間に出来ている。勿論、空隙4は横方向(水平方向)に拡がっている。尚、空隙4は高さが1mm程度であるから、図を正確に描くと、空隙4は、実際には、判らない程度であるが、図1では誇張して描かれている。特に、アスファルト舗装3、或いはアスファルト舗装3を除去して上面増厚床版2の上から眺めても、上面増厚床版2の一部が浮き上がっていることを認識するのは殆ど不可能である。
さて、上面増厚床版2に損傷、例えば空隙4が出来ているのではとの疑いが持たれた場合に、以下に示される工法が実行される。
先ず、図2に示される通り、表面のアスファルト舗装3が除去される。
この後、図3,4に示される通り、上面増厚床版2の上から所定深さの穴5が設けられる。この穴5は、例えば1〜2mのピッチで繰り返して設けられる。尚、穴5は、一枚の上面増厚床版2において、少なくとも1個以上、特に2個以上設けられるものである。上記穴5は、基本的に、セメントグラウト材注入用のものである。又、穴5と同様な穴6も設けられる。この穴6は、注入・充填されたセメントグラウト材確認用のものである。穴5,6の径に特別な限定は無いが、穴5の径は、例えば50mmである。そして、穴5,6の深さも格別な限定は無いが、出来ているであろう空隙4の深さを考慮して適宜決定すれば良い。但し、少なくとも、上面増厚床版2の厚さ程度の穴を穿つことは好ましいものである。勿論、貫通はしないものの、橋梁床版1にまで到達する深さの穴5,6が形成されることに差し支えは無い。
所定深さの穴5,6が所定の割合で穿たれた後、先ず、水を穴5の開口から注入する。そうすると、穴5に注入された水は、連通する空隙4にまで流れ込む。そして、穴6、或いは空隙4に連通した注入穴5以外の穴5から水が溢れ出す。この水の注入・溢出によって、穴5,6の内壁面や空隙4の内壁面は洗浄される。又、空隙4内部に溜まっていた薬剤とか汚物は除去される。
水による洗浄が終わった後、穴5の開口から圧搾空気を注入する。或いは、吸引する。この空気注入あるいは吸引によって、穴5,6や空隙4の内壁面が乾燥される。
空気注入・吸引による乾燥後に、無収縮(低収縮)のセメントグラウト材が穴5から注入される。ここで、注入されるセメントグラウト材はmm単位の隙間にでも充填されて行く流動性を有するものであれば良い。例えば、普通ポルトランドセメント600〜700Kgと、アルミナセメント400〜500Kgと、珪砂80〜130Kgと、収縮低減剤200〜300Kgと、流動化剤5〜15Kgと、混練水400〜600Kgとからなるもので、流動性がJ14ロートによる流下時間が20秒以下のセメントグラウト材を用いた。そして、このセメントグラウト材は、材齢3時間における一軸圧縮強度が15N/mm以上であり、材齢28日における一軸圧縮強度が40N/mm以上のものであった。このようなセメントグラウト材の注入によって、図5に示される通り、穴5に連通した空隙4にはセメントグラウト材7が充填される。勿論、穴5,6にもセメントグラウト材7は充填される。そして、時間の経過によって、注入・充填されたセメントグラウト材7は自然固化する。これによって、内部の空隙は無くなり、密実な上面増厚床版が得られることになる。更に、急速施工により施工時間も短縮される。
この後、図6に示される通り、上面増厚床版2の上に流動性を有する軟性アスファルト8が0.5〜5mm厚さ塗布される。この塗布によって、軟性アスファルトは、例えば、上面増厚床版2と上面増厚床版2との間の目地に出来ている垂直方向の隙間に侵入して行く。又、上面増厚床版2のひび割れによって出来た隙間(上面増厚床版2表面から垂直方向に出来た隙間)に含浸して行く。すなわち、例えば上面増厚床版2の内部において水平方向に拡がっている隙間や、橋梁床版1と上面増厚床版2との間に水平方向に拡がっている隙間4は、セメントグラウト材7が充填され、固化されているのに対して、上面増厚床版2の内部において垂直方向に出来ている隙間や、上面増厚床版2と上面増厚床版2との間の目地に出来ている垂直方向の隙間は、軟性アスファルトが充填されている。勿論、表面には、図6に示される通り、軟性アスファルト層8が設けられていることになる。尚、本工程で用いた軟性アスファルトは、ストレートアスファルトが300〜500kgと、樹脂が100〜300Kgと、フィラー200〜400Kgと、オイル100〜300Kgとからなるものを用いた。
軟性アスファルトが塗布され、所定時間経過した後、図7に示される通り、軟性アスファルト層8の上にはシート9が配設される。用いたシート9は、例えばグラスファイバメッシュの基材にアスファルトがコーティングされたものである。尚、このシート9は、幅1cm当たりの引張強さが200N以上であり、吸水膨張性が±1.0%以内であり、加熱膨張性が±1.0%以内であり、そして防水性(減水量:ml)が0.5以下のものである。従って、シート9は、上面増厚床版を補強すると共にひび割れの発生を抑制するものであり、かつ、防水性をも持っている。
そして、シート9敷設後に、図8に示される通り、除去した厚さと同程度のアスファルト舗装が、再度、施され、新たなアスファルト舗装層10が設けられる。
尚、穴5,6や空隙4の洗浄に用いた水が吸引によって除去できない場合が有る。このような場合には、勾配下流の位置の床版上や勾配下の橋梁継手部手前床版上に水抜用溝を設けておき、水が抜き取れるようにしておくと好都合である。そして、この水抜用溝にはグラウト材などが流れ込まないように構成、グラウト材が充填後に水抜用導水管を設置し、透水性アスファルトコンクリート、透水性セメントコンクリート、透水性樹脂コンクリートなどでアスファルト舗装の下まで埋め戻すようにしておくと好都合である。又、溝の下流端末や水の溜まる箇所に橋面床版を貫通した孔を穿ち、水が抜けるようにしておくと好都合である。尚、グラウト材注入時には、グラウト材が入り込まないようにしておき、後で水抜用導水管を設置しておくと好都合である。
工事開始前段階での断面図 表面のアスファルト舗装除去後の断面図 穿設後の断面図 穿設後の平面図 セメント系グラウト材注入後の断面図 表面に流動性軟性材塗布後の断面図 シート配設後の断面図 アスファルト舗装後の断面図
符号の説明
1 橋梁床版
2 上面増厚床版
4 空隙
5 穴
7 セメントグラウト材
8 軟性アスファルト層
9 シート
10 アスファルト舗装層

代 理 人 宇 高 克 己

Claims (13)

  1. 上面増厚床版の補修工法であって、
    上面増厚床版及び/又は橋梁床版の内部に出来ている空隙に上側からバインダ材が充填され、前記空隙に充填されたバインダ材によって前記上面増厚床版が密実一体化される
    ことを特徴とする上面増厚床版の補修工法。
  2. 上面増厚床版の補修工法であって、
    上面増厚床版に穴を穿つ穿穴工程と、
    前記穿穴工程で設けられた穴からバインダ材を注入する注入工程と、
    前記注入工程で注入されたバインダ材が上面増厚床版の内部に出来ている空隙に充填され、該充填固化したバインダ材によって前記空隙が埋められて密実一体化される一体化工程
    とを具備することを特徴とする上面増厚床版の補修工法。
  3. バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
    前記バインダ材の注入に先立って、所定の間隔を置いて、上面増厚床版に穴が穿たれる穿穴工程を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の上面増厚床版の補修工法。
  4. バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
    前記バインダ材の注入に先立って、0.5〜5mの間隔を持って、上面増厚床版に穴が穿たれる穿穴工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの上面増厚床版の補修工法。
  5. バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
    前記バインダ材の注入に先立って、上面増厚床版を構成する一枚の上面増厚床版に少なくとも一つの穴が穿たれる穿穴工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの上面増厚床版の補修工法。
  6. バインダ材がセメント系グラウト材である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの上面増厚床版の補修工法。
  7. 上面増厚床版の内部に出来ている空隙は、上面増厚床版とセメントコンクリート系床版との間において水平方向に出来ている空隙、上面増厚床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙、及び/又はセメントコンクリート系床版のひび割れによって内部に水平方向に出来ている空隙である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの上面増厚床版の補修工法。
  8. バインダ材は上面増厚床版に設けられた穴から注入されるものであり、
    前記バインダ材の注入に先立って、前記穴の清浄化が行われる清浄化工程を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかの上面増厚床版の補修工法。
  9. 清浄化が流体の供給及び/又は吸引によるものである
    ことを特徴とする請求項8の上面増厚床版の補修工法。
  10. 上面増厚床版の上にアスファルト舗装が設けられている上面増厚床版の補修工法であって、
    前記アスファルト舗装が除去されるアスファルト舗装除去工程と、
    前記アスファルト舗装除去工程の後、請求項1〜請求項9いずれかの上面増厚床版の補修工法を行う補修工程と、
    前記補修工程の後、アスファルト舗装を行うアスファルト舗装工程
    とを具備することを特徴とする上面増厚床版の補修工法。
  11. バインダ材はアスファルト舗装体に設けられた穴からも注入されるものであることを特徴とする請求項10の上面増厚床版の補修工法。
  12. 補修工程の後で、かつ、アスファルト舗装工程の前において、シートを敷設するシート敷設工程を有する
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11の上面増厚床版の補修工法。
  13. 上面増厚床版の上に軟性材を塗布する塗布工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項12いずれかの上面増厚床版の補修工法。
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