JP2008208200A - ポリシロキサン組成物、およびポリシロキサン硬化体の製造方法 - Google Patents

ポリシロキサン組成物、およびポリシロキサン硬化体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多官能ポリシロキサンに硬化剤を添加してもすぐには硬化せず、さらに保存安定性に優れたポリシロキサン組成物を提供する。
【解決手段】上記ポリシロキサン組成物は、多官能ポリシロキサン、酸性化合物および該酸性化合物と沸点が異なる塩基性化合物を含有する。このポリシロキサン組成物は、酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸点との間の温度に加熱することにより硬化させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリシロキサン組成物およびこのポリシロキサン組成物の硬化方法に関する。
ポリシロキサンは耐久性に優れた材料として知られており、各種用途においてバインダー等に使用されている。通常、ポリシロキサンをバインダー等に使用する場合、アルコキシ基や水酸基を有する多官能ポリシロキサンを含む組成物を調製し、これを乾燥等により硬化させる(特許文献1参照)。このとき、硬化剤として、通常、酸性化合物や塩基性化合物、金属アルコキシド、金属キレート化合物が用いられるが、多官能ポリシロキサンの粘度が高かったり、固形分濃度が高い場合には、上記硬化剤を多官能ポリシロキサンに添加するとすぐに増粘したりゲル化したりするという問題があった。また、添加後すぐに増粘やゲル化が起こらない場合でも、保管中に増粘することがあった。
また、硬化剤としては熱酸発生剤を添加することも知られているが、毒性や反応性の点で問題があった。
さらに、従来のポリシロキサン組成物は低粘度であるため、比重の重い添加剤を添加すると添加剤が分離沈降するという問題があった。一方、添加剤の分離沈降を防ぐためにポリシロキサン組成物の粘度を高めると、増粘したりゲル化したりすることがあった。
特開2004−99879号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、多官能ポリシロキサンに硬化剤を添加してもすぐには硬化せず、さらに保存安定性に優れたポリシロキサン組成物を提供することを目的としている。また、上記ポリシロキサン組成物の硬化方法を提供することも目的としている。
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、多官能ポリシロキサンに、硬化剤として、酸性化合物と塩基性化合物の両方を添加することによって、これらがポリシロキサン組成物中で中和状態に保たれて硬化剤として作用せず、添加後すぐには多官能ポリシロキサンが硬化しないことを見出した。さらに、酸性化合物と塩基性化合物の沸点が異なる場合に、これらの沸点の間の温度にポリシロキサン組成物を加熱することによって、沸点の低い化合物が蒸発して中和状態が破壊され、酸性化合物または塩基性化合物が硬化剤として作用し、多官能ポリシロキサンが硬化することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るポリシロキサン組成物は、アルコキシ基および/または水酸基を複数有する多官能ポリシロキサン、酸性化合物、および該酸性化合物と沸点が異なる塩基性化合物を含有することを特徴とする。
酸性化合物と塩基性化合物との比はモル当量比で0.5〜1.5の範囲にあることが好ましく、酸性化合物と塩基性化合物との沸点の差は20℃以上であることが好ましい。
前記多官能ポリシロキサンの25℃における粘度は100mPa・s以上であることが好ましく、前記多官能ポリシロキサンの200℃で30分間乾燥後の蒸発残分が40重量%以上であることが好ましい。
本発明に係るポリシロキサン硬化体の製造方法は、上記ポリシロキサン組成物を、この組成物に含まれる、酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸点との間の温度に加熱して乾燥硬化させることを特徴とする。
本発明によると、酸性化合物および該酸性化合物と沸点が異なる塩基性化合物を含有する硬化剤を多官能ポリシロキサンに添加しても、多官能ポリシロキサンはすぐには硬化しない。すなわち、多官能ポリシロキサンと上記硬化剤とを含むポリシロキサン組成物は保存安定性に優れている。さらに、本発明のポリシロキサン組成物は、硬化時の加熱温度を酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸点との間に設定することによって、容易に硬化させることができる。
〔ポリシロキサン用硬化剤〕
本発明に用いられるポリシロキサン用硬化剤は、酸性化合物と、該酸性化合物と沸点が異なる塩基性化合物とを含有する。
上記酸性化合物としては、有機酸および無機酸が挙げられる。有機酸としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。上記無機酸としては、たとえば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸などが挙げられる。
上記塩基性化合物としては、アンモニア(アンモニア水溶液を含む)、有機アミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属のアルコキシドが挙げられる。これらのうち、アンモニアおよび有機アミン化合物が好ましい。
有機アミンとしては、アルキルアミン、アルコキシアミン、アルカノールアミン、アリールアミンなどが挙げられる。
アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアミンなどが挙げられる。
アルコキシアミンとしては、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシメチルアミン、エトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、エトキシブチルアミン、プロポキシメチルアミン、プロポキシエチルアミン、プロポキシプロピルアミン、プロポキシブチルアミン、ブトキシメチルアミン、ブトキシエチルアミン、ブトキシプロピルアミン、ブトキシブチルアミンなどの炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシアミンなどが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、
N−プロピルメタノールアミン、N−ブチルメタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−プロピルプロパノールアミン、N−ブチルプロパノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N−プロピルブタノールアミン、N−ブチルブタノールアミン、N,N−ジメチルメタノールアミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジプロピルメタノールアミン、N,N−ジブチルメタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジエチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルプロパノールアミン、N,N−ジブチルプロパノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N,N−ジプロピルブタノールアミン、N,N−ジブチルブタノールアミン、N−メチルジメタノールアミン、N−エチルジメタノールアミン、N−プロピルジメタノールアミン、N−ブチルジメタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、N−プロピルジプロパノールアミン、N−ブチルジプロパノールアミン、N−メチルジブタノールアミン、N−エチルジブタノールアミン、N−プロピルジブタノールアミン、N−ブチルジブタノールアミン、N−(アミノメチル)メタノールアミン、N−(アミノメチル)エタノールアミン、N−(アミノメチル)プロパノールアミン、N−(アミノメチル)ブタノールアミン、N−(アミノエチル)メタノールアミン、N−(アミノエチル)エタノールアミン、N−(アミノエチル)プロパノールアミン、N−(アミノエチル)ブタノールアミン、N−(アミノプロピル)メタノールアミン、N−(アミノプロピル)エタノールアミン、N−(アミノプロピル)プロパノールアミン、N−(アミノプロピル)ブタノールアミン、N−(アミノブチル)メタノールアミン、N−(アミノブチル)エタノールアミン、N−(アミノブチル)プロパノールアミン、N−(アミノブチル)ブタノールアミンなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するアルカノールアミンが挙げられる。
アリールアミンとしてはアニリン、N−メチルアニリンなどが挙げられる。
さらに、上記以外の有機アミンとして、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイドなどのテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイド;テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミンなどのテトラアルキルエチレンジアミン;メチルアミノメチルアミン、メチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルアミノブチルアミン、エチルアミノメチルアミン、エチルアミノエチルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノブチルアミン、プロピルアミノメチルアミン、プロピルアミノエチルアミン、プロピルアミノプロピルアミン、プロピルアミノブチルアミン、ブチルアミノメチルアミン、ブチルアミノエチルアミン、ブチルアミノプロピルアミン、ブチルアミノブチルアミンなどのアルキルアミノアルキルアミン;ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセンなども挙げられる。
本発明では、上記酸性化合物および塩基性化合物の沸点をそれぞれ測定し、沸点が異なる化合物を組み合わせて使用する。酸性化合物と塩基性化合物との沸点の差が、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが特に好ましい。沸点の差が上記範囲にある化合物の組み合わせは、低沸点の化合物を蒸発させる際の加熱温度の設定が容易になるため好ましい。
具体的には、プロピオン酸(沸点:141℃)、ヘキサン酸(沸点:205℃)およびメタンスルホン酸(沸点:167℃(10mmHg))から選択される少なくとも1つの酸性化合物と、ピリジン(沸点:115℃)、ピロリジン(沸点:89℃)およびトリエチルアミン(沸点:89℃)から選択される少なくとも1つの塩基性化合物との組み合わせが特に好ましい。
また、上記酸性化合物および上記塩基性化合物は、モル当量比で、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2、特に好ましくは0.9〜1.1の範囲で、ポリシロキサン用硬化剤に含まれることが望ましい。
さらに、上記酸性化合物および上記塩基性化合物を混合する際に発生する熱の制御、及びポリシロキサンに対する添加量の制御という観点から、必要に応じて、上記酸性化合物および上記塩基性化合物を有機溶剤で希釈して使用することもできる。このとき、上記酸性化合物および上記塩基性化合物を、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下に希釈することが望ましい。
上記有機溶媒としては、たとえば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコールなどを挙げることができる。また、芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどが挙げられ、エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの有機溶媒は、予め脱水処理を施して、水分を除去した状態で使用することが好ましい。
〔ポリシロキサン組成物〕
本発明に係るポリシロキサン組成物は、アルコキシ基および/または水酸基を複数有する多官能ポリシロキサンと、上記ポリシロキサン用硬化剤とを含有する。
(多官能ポリシロキサン)
本発明に用いられる多官能ポリシロキサンは、アルコキシ基および/または水酸基を複数有するものであれば特に限定されないが、たとえば、
(1)下記平均組成式(1)
1 aSiOb(OR2c (1)
(式中、R1は水素原子または1価の炭化水素基であり、R1が複数存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよく、R2はアルキル基であり、R2が複数存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよく、aは0を超えて2未満、bは0を超えて2未満、cは0を超えて4未満、かつa+b×2+c=4である)
で表されるアルコキシ末端の多官能ポリシロキサン、
(2)下記平均組成式(1’)
1 aSiOb(OH)c (1’)
(式中、R1は水素原子または1価の炭化水素基であり、R1が複数存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよく、aは0を超えて2未満、bは0を超えて2未満、cは0を超えて4未満、かつa+b×2+c=4である)
で表されるヒドロキシ末端の多官能ポリシロキサン、
(3)上記アルコキシ末端の多官能ポリシロキサン(1)とヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させ、必要に応じてさらに加水分解・縮合して得られる多官能ポリシロキサン、
(4)上記ヒドロキシ末端の多官能ポリシロキサン(1)とアルコキシ末端ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させ、必要に応じてさらに加水分解・縮合して得られる多官能ポリシロキサン、および
(5)下記式(3)
1 nSi(OR24-n (3)
(式中、R1は、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜1の整数である。)
で表される少なくとも1種のオルガノシラン化合物と、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサとを脱アルコール反応させた後、さらに加水分解・縮合させて得られる多官能ポリシロキサン
などが挙げられる。
これらの多官能ポリシロキサンは、25℃における粘度が、100mPa・s以上であることが好ましく、200mPa・s以上であることがより好ましく、250mPa・s以上であることが特に好ましい。
また、上記多官能ポリシロキサンは、20℃で30分間乾燥後の蒸発残分が40重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが特に好ましい。
上記のように、高粘度の多官能ポリシロキサンや、蒸発残分が多い多官能ポリシロキサンは、従来の硬化剤では、硬化剤添加後すぐに硬化反応が始まりゲル化するため、取扱性に劣っていたが、本発明に用いられる硬化剤を添加すると、添加後すぐには硬化せず、保存安定性にも優れたポリシロキサン組成物を得ることができる。
以下、上記多官能ポリシロキサン(1)〜(5)について詳細に説明する。
<アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)>
上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)は、上記平均組成式(1)で表される、アルコキシ基を有する多官能ポリシロキサンであり、3次元架橋構造を有することが好ましい。
式(1)中、R1は水素原子または1価の炭化水素基であり、R1が複数存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよく、R2はアルキル基であり、R2が複数存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよい。aは0を超えて2未満、bは0を超えて2未満、cは0を超えて4未満、かつa+b×2+c=4である。R1、R2がそれぞれ複数存在する場合には、aは、水素原子と1価の炭化水素基との合計のケイ素原子に対する割合、cは、アルコキシ基のケイ素原子に対する割合を表す。
上記1価の炭化水素基は、置換または無置換の1価の炭化水素基が挙げられる。上記1価の無置換炭化水素基としては、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。また、上記1価の置換炭化水素基としては、炭素数1〜8の置換アル
キル基が挙げられる。上記置換アルキル基の置換基としては、ハロゲン、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基、グリシジル基、グリシドキシ基、ウレイド基などが挙げられる。
また、上記R2で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基が好ましい。
このアルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)は、たとえば、上記平均組成式を満たすように、多官能のアルコキシシランまたは多官能クロロシランを適宜組み合わせて加水分解・縮合させることによって製造できる。ただし、テトラアルコキシシラン類のみでの加水分解・縮合、およびジアルコキシシラン類のみでの加水分解・縮合は除く。本発明では、3官能アルコキシシランおよび/または3官能クロロシランを50重量%以上用いて得られるアルコキシ末端多官能ポリシロキサンが特に好ましい。
上記多官能のアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類が挙げられる。これらのアルコキシシラン類は1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、多官能のアルコキシシランに加えて、1官能のアルコキシシランを併用することもできる。1官能のアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシランなどが挙げられ
る。これらの1官能のアルコキシシランは、使用するアルコキシシラン全量に対して、10重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%以下で使用することが望ましい。
また、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)として、信越シリコーン社製X40−9220、X40−9225(以上、商品名)、GE東芝シリコーン社製のXC96−B0446、XR31−B1410、XR31−B0270、XR31−B2733(以上、商品名)などの市販のシロキサンポリマーを用いることもできる。
なお、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)は、本発明の効果を損なわない範囲でSi−OH結合を有していてもよい。
<ヒドロキシ末端多官能ポリシロキサン(2)>
上記ヒドロキシ末端多官能ポリシロキサン(2)は、上記平均組成式(1’)で表される、ヒドロキシ基を有する多官能ポリシロキサンであり、3次元架橋構造を有することが好ましい。
式(1’)中、R1は、上記式(1)におけるR1と同様に定義される。aは0を超えて2未満、bは0を超えて2未満、cは0を超えて4未満、かつa+b×2+c=4である。R1が複数存在する場合には、aは、水素原子と1価の炭化水素基との合計のケイ素原
子に対する割合を表す。
上記1価の炭化水素基としては、置換または無置換の1価の炭化水素基が挙げられる。上記置換もしくは無置換の1価の炭化水素基としては、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)で例示した置換または無置換の1価の炭化水素基と同様のものを挙げることができる。
このヒドロキシ末端多官能ポリシロキサン(2)は、たとえば、上記平均組成式を満たすように、多官能のアルコキシシランまたは多官能クロロシランを適宜組み合わせて加水分解・縮合させることによって製造できる。ただし、テトラアルコキシシラン類のみでの加水分解・縮合、およびジアルコキシシラン類のみでの加水分解・縮合は除く。本発明では、3官能アルコキシシランおよび/または3官能クロロシランを50重量%以上用いて得られるヒドロキシ末端多官能ポリシロキサンが特に好ましい。
上記多官能のアルコキシシランとしては、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)で例示した多官能アルコキシシランと同様のものを挙げることができ、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、ヒドロキシ末端多官能ポリシロキサン(2)においても、多官能のアルコキシシランに加えて、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)で例示した1官能のアルコキシシランを併用してもよい。このとき、1官能のアルコキシシランは、使用するアルコキシシラン全量に対して、10重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%以下で使用することが望ましい。
なお、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(2)は、本発明の効果を損なわない範囲でSi−OR結合を有していてもよい。
<多官能ポリシロキサン(3)>
上記多官能ポリシロキサン(3)は、上記アルコキシ末端多官能ポリシロキサン(1)とヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させることによって得られる。この多官能ポリシロキサン(3)は、さらに必要に応じて、水を添加した後、加水分解・縮合させてもよい。
上記ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンは、たとえば、ジメチルジアルコキシシランまたはジメチルジクロロシランを加水分解・縮合させることによって製造できる。
上記ジメチルジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシランなどが挙げられる。これらのジメチルジアルコキシシランは1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、上記ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンは、環状オルガノシロキサンを開環縮合させることによっても製造できる。環状オルガノシロキサンとしては、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、テチラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
また、上記ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとして、GE東芝シリコーン社製のXC96−723、YF−3057、YF−3800、YF−3802、YF−3807、YF−3897、XF−3905(以上、商品名)などの市販のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンを用いることもできる。
<多官能ポリシロキサン(4)>
上記多官能ポリシロキサン(4)は、上記ヒドロキシ末端多官能ポリシロキサン(2)とアルコキシ末端ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させることによって得られる。この多官能ポリシロキサン(4)は、さらに必要に応じて、水を添加した後、加水分解・縮合させてもよい。
上記アルコキシ末端ポリジメチルシロキサンは、たとえば、ジメチルジアルコキシシランまたはジメチルジクロロシランを加水分解・縮合させることによって製造できる。
上記ジアルコキシシランとしては、上記ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンで例示したジアルコキシシランと同様のものを挙げることができ、これらは1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
<多官能ポリシロキサン(5)>
上記多官能ポリシロキサン(5)は、上記式(3)で表される少なくとも1種のオルガノシラン化合物と、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとを脱アルコール反応させた後、さらに加水分解・縮合させて得られる多官能ポリシロキサンである。
式(3)中、R1は、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜1の整数である。すなわち、上記オルガノシラン化合物は3官能または4官能のオルガノシランである。
このようなオルガノシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチル
トリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類が挙げられる。
これらのオルガノシラン化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これらのオルガノシラン化合物のうち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましい。
上記ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンとしては、上記多官能ポリシロキサン(3)で用いられるヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
上記多官能ポリシロキサン(1)〜(5)を製造する際、通常、脱アルコール反応や加水分解・縮合反応は有機溶媒中で触媒を用いて行なわれる。有機溶媒および触媒は、従来のポリシロキサンの製造において用いられるものを使用することができる。このとき、触媒として、酸性化合物や塩基性化合物を使用した場合、それぞれ塩基性化合物または酸性化合物で中和した後、水洗、溶媒溜去することが好ましい。酸性化合物または塩基性化合物が残存する多官能ポリシロキサンは、貯蔵安定性に劣るため好ましくない。
多官能ポリシロキサンの粘度や蒸発残分は、反応温度や反応時間、原料混合比などの反応条件、及び溶媒溜去後に再度加える有機溶媒の添加量を適宜設定することにより調整できる。
<ポリシロキサン組成物>
本発明に係るポリシロキサン組成物は、上記多官能ポリシロキサン100重量部に対して、上記硬化剤を、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.05〜1重量部含有する。硬化剤の含有量が上記範囲にあるポリシロキサン組成物は、硬化性と貯蔵安定性とのバランスが良好である。
上記ポリシロキサン組成物は、さらに、各種用途に応じて充填材や蛍光体などの添加剤を含んでいてもよい。充填材を添加することによって、形成される硬化体の強度を向上させることができる。また、蛍光体を添加することによって、上記ポリシロキサン組成物はLED素子封止材料に用いることができる。
本発明のポリシロキサン組成物には上述したように高粘度の多官能ポリシロキサンが使用できるため、比重の高い添加剤を添加しても、添加剤が分離沈降することがなく、さらに硬化剤添加時にもすぐに硬化せず、貯蔵安定性にも優れたポリシロキサン組成物を得ることができる。
〔硬化体の製造方法〕
本発明では、上記ポリシロキサン組成物を、この組成物に含まれる硬化剤である、酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸点との間の温度に加熱して乾燥硬化させることにより硬化体を製造できる。上記ポリシロキサン組成物を、酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸
点との間の温度に加熱することにより、酸性化合物および塩基性化合物のうちの低沸点成分が蒸発して中和状態が破壊されていずれか一方の化合物がポリシロキサン組成物中に残存し、この化合物の硬化触媒作用により多官能ポリシロキサンが硬化して硬化体が形成される。
上記加熱温度は、酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸点との間の温度であれば特に制限されないが、酸性化合物および塩基性化合物のうちの低沸点成分の沸点よりも好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、特に好ましくは15℃以上の温度で加熱することが好ましい。上記範囲の温度で加熱することにより、低沸点成分を十分に除去できるとともに、多官能ポリシロキサンを十分に硬化させることができる。加熱時間は、乾燥機の風量、温度等の乾燥条件により適宜設定される。特に厚膜を形成する場合は、乾燥時の急激な溶媒蒸発に伴う膜荒れ抑制のため、たとえば80℃で30分間乾燥後に150℃で60分間乾燥させる等、段階的に乾燥温度を上昇させて乾燥させることが好ましい。
本発明では、上記のように加熱により低沸点成分を除去し、多官能ポリシロキサンを硬化させた後、さらに、より高温で加熱することが好ましい。これにより、多官能ポリシロキサンをより強固に硬化させることができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特記しない限り、「重量部」および「重量%」を示す。また、実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行なった。
〔粘度測定〕
B型粘度計により25℃で測定した。
〔蒸発残分測定〕
試料を200℃で30分間乾燥し、乾燥前後の試料の重量を測定し、蒸発残分(重量%)を算出した。
〔貯蔵安定性〕
多官能ポリシロキサンに硬化剤を添加して混合した後、室温で2時間静置した。静置後のポリシロキサン組成物の外観を目視により観察し、下記基準で評価した。また、混合直後と2時間静置後のポリシロキサン組成物の溶液粘度をそれぞれ測定し、溶液粘度変化率(%)を求めた。なお、ゲル化した組成物の溶液粘度は測定しなかった。
A:ゲル化なし。溶液粘度変化率30%以下。
B:ゲル化なし。溶液粘度変化率30%超、50%未満。
C:ゲル化なし。溶液粘度変化率50%以上。
D:ゲル化。
〔硬化性〕
得られた膜表面のタック性を下記基準で評価した。
A:流動性なし。タックなし。
B:流動性なし。タックあり。
C:流動性あり。
[調製例1]
(多官能ポリシロキサンの調製)
攪拌機および還流冷却器を備えた反応器に、Mw=20,000のアルコキシ末端ポリシロキサン(GE東芝シリコーン(株)製、商品名:XR31−B2733)60重量部
と、Mw=4000のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン(GE東芝シリコーン(株)製、商品名:YF−3800)40重量部と、トルエン42重量部と、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのイソプロピルアルコール75%希釈液0.2重量部とを入れて混合し、攪拌しながら80℃で3時間脱アルコール反応を行なった。次いで、メチルイソブチルケトン288重量部、メタノール70重量部、水80重量部およびトリエチルアミン12重量部を添加して、60℃で3時間加水分解・縮合反応を行なった。その後、得られた反応液をシュウ酸で中和し、水相(下層)を除去した後に、水洗と水相除去を3回実施後、溶媒を留去して多官能ポリシロキサンを得た。この多官能ポリシロキサンを200℃で30分間乾燥したところ、蒸発残分は89重量%であった。また、B型粘度計により測定した25℃における粘度は460mPa・sであった。
メタンスルホン酸(沸点:167℃(10mmHg))とトリエチルアミン(沸点:89℃)を等モルで混合した後、この混合物をジエチレングリコールモノエチルエーテルで100重量倍に希釈して、硬化剤(I)を含む溶液を得た。
調製例1で得た多官能ポリシロキサン100重量部に硬化剤(I)を含む溶液15重量部(すなわち、硬化剤(I)を0.15重量部)を添加して混合し、ポリシロキサン組成物(1)を得た。このポリシロキサン組成物の初期粘度は250mPa・s、貯蔵安定性はAであった。
上記ポリシロキサン組成物(1)を、乾燥膜厚が100μmとなるように石英製ガラス板上に塗布した後、120℃で30分間乾燥硬化させ、次いで、200℃で1時間乾燥硬化させて石英ガラス板上に膜厚100μmの硬化膜を作製した。硬化性はAであった。
トリエチルアミンの代わりにピロリジン(沸点:89℃)をメタンスルホン酸に対して等モル混合した以外は実施例1と同様にして硬化剤(II)を含む溶液を得た。
調製例1で得た多官能ポリシロキサン100重量部に硬化剤(II)を含む溶液15重量部(すなわち、硬化剤(II)を0.15重量部)を添加して混合し、ポリシロキサン組成物(2)を得た。このポリシロキサン組成物の初期粘度は250mPa・s、貯蔵安定性はAであった。また、実施例1と同様にして硬化膜を形成したところ、硬化性はAであった。
メタンスルホン酸の代わりにヘキサン酸(沸点:205℃)をトリエチルアミンに対して等モル混合した以外は実施例1と同様にして硬化剤(III)を含む溶液を得た。
調製例1で得た多官能ポリシロキサン100重量部に硬化剤(III)を含む溶液20重
量部(すなわち、硬化剤(III)を0.20重量部)を添加して混合し、ポリシロキサン
組成物(3)を得た。このポリシロキサン組成物の初期粘度は210mPa・s、貯蔵安定性はAであった。また、実施例1と同様にして硬化膜を形成したところ、硬化性はAであった。
[比較例1]
メタンスルホン酸をジエチレングリコールモノエチルエーテルで100重量倍に希釈して、硬化剤(i)を含む溶液を得た。
調製例1で得た多官能ポリシロキサン100重量部に硬化剤(i)を含む溶液15重量部(すなわち、硬化剤(I)を0.15重量部)を添加して混合し、ポリシロキサン組成物(C1)を得た。このポリシロキサン組成物は硬化剤添加直後にゲル化したため初期粘
度が測定できなかった(貯蔵安定性:D)。
[比較例2]
メタンスルホン酸の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は比較例1と同様にして硬化剤(ii)を含む溶液を得た。
調製例1で得た多官能ポリシロキサン100重量部に硬化剤(ii)を含む溶液15重量部(すなわち、硬化剤(I)を0.15重量部)を添加して混合し、ポリシロキサン組成物(C2)を得た。このポリシロキサン組成物の貯蔵安定性はBであった。また、実施例1と同様にして硬化膜を形成したところ、硬化性はCであった。
[比較例3]
調製例1で得た多官能ポリシロキサン100重量部にジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのイソプロピルアルコール75%希釈液1.5重量部を添加して混合し、ポリシロキサン組成物(C3)を得た。このポリシロキサン組成物は硬化剤添加直後にゲル化したため初期粘度が測定できなかった(貯蔵安定性:D)。

Claims (6)

  1. アルコキシ基および/または水酸基を複数有する多官能ポリシロキサン、酸性化合物、および該酸性化合物と沸点が異なる塩基性化合物を含有するポリシロキサン組成物。
  2. 酸性化合物と塩基性化合物との比がモル当量比で0.5〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリシロキサン組成物。
  3. 酸性化合物と塩基性化合物との沸点の差が20℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリシロキサン組成物。
  4. 前記多官能ポリシロキサンの25℃における粘度が、100mPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜3に記載のポリシロキサン組成物。
  5. 前記多官能ポリシロキサンの200℃で30分間乾燥後の蒸発残分が40重量%以上であることを特徴とする請求項1〜4に記載のポリシロキサン組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリシロキサン組成物を、該組成物に含まれる、酸性化合物の沸点と塩基性化合物の沸点との間の温度に加熱して乾燥硬化させることを特徴とするポリシロキサン硬化体の製造方法。
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