JP2008207610A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】共鳴器の配設パターンの適正化を図ることで、共鳴器による気柱共鳴音の低減効果を維持しながら、その共鳴器に起因するピッチノイズを低減する。
【解決手段】トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝1と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部2とを具え、該リブ状陸部2内に、該周方向溝1に開口する狭窄ネック3bと、該狭窄ネック3bを介して該周方向溝1と連通し該狭窄ネック3bよりも断面積が大きい気室部3aとで構成され、かつ該周方向溝1に起因する騒音を減ずる複数の共鳴器3を配設してなる空気入りタイヤにおいて、少なくとも一本の細溝4を、リブ状陸部2内で圧縮剛性が比較的大きくなる区間A,Dに、少なくともその一部が存在するように設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する狭窄ネックと、該狭窄ネックを介して該周方向溝と連通し該狭窄ネックよりも断面積が大きい気室部とで構成され、かつ該周方向溝に起因する騒音を減ずる複数の共鳴器を配設してなる空気入りタイヤに関するものであり、特に、かかる共鳴器によって発生するピッチノイズの低減を図る。
タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝に起因する騒音とは、いわゆる気柱共鳴音のことであり、これは当該周方向溝と、トレッド部の接地域内の路面とによって形成される管内の空気の共鳴によって発生するものである。この気柱共鳴音の周波数は、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、タイヤの発生騒音の大きな部分を占めることになる。
また、人間の聴覚は、例えばA特性で示されるように、上記の周波数帯域でとくに敏感であるので、フィーリング面での静粛性を向上させる上においても、当該気柱共鳴音の低減は有効である。
従来、気柱共鳴音を低減する方法として、周方向溝に開口するサイプ(狭窄ネック)と、その狭窄ネックにつながる共鳴室(気室部)とから構成された、いわゆるヘルムホルツ型の共鳴器によって、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギを吸収する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−338411号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような手法では、共鳴器は周方向溝に起因する気柱共鳴音を減ずる効果を有するものの、ある程度まとまった容積の空間を持ち、トレッド部に周期的に存在するがために、その共鳴器自身がピッチノイズ(共鳴器という圧縮剛性を持たない区間に続いて、何らかの圧縮剛性を持ったトレッドが踏み込むことによって、当該トレッドのエッヂが路面を打撃することにより発生するノイズ)の発生源になってしまうという問題がある。
それゆえこの発明は、共鳴器の配設パターンの適正化を図ることにより、共鳴器による気柱共鳴音の低減効果を維持しながら、その共鳴器に起因するピッチノイズを低減することが可能な空気入りタイヤを提供することを目的としている。
上記問題を解決するため、第一の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する狭窄ネックと、該狭窄ネックを介して該周方向溝と連通し該狭窄ネックよりも断面積が大きい気室部とで構成され、かつ該周方向溝に起因する騒音を減ずる複数の共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、少なくとも一本の細溝を、同一リブ状陸部内でタイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなる区間内に、その少なくとも一部が存在するように設けたことを特徴とするものである。なおここでいう、「周方向溝」とは、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる溝のみならず、ジグザグ状又は波状に延び、タイヤ全体として周方向に一周する溝をいうものとする。また、共鳴器の「断面積」とは、狭窄ネック及び気室部のそれぞれの仮想中心線と直交するそれぞれの面内の断面積を意味し、「区間」とは、タイヤ周方向に沿った区間を意味する。さらに、「細溝」は、接地時にもトレッド部踏面に開口した状態を保つ溝のみならず、接地時には完全に閉口してしまう、いわゆるサイプも含むものとする。
上記の構成になる空気入りタイヤにあっては、タイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなる前記区間内に、前記細溝の全てが存在することが好ましい。
また、第二の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する狭窄ネックと、該狭窄ネックを介して該周方向溝と連通し該狭窄ネックよりも断面積が大きい気室部とで構成され、かつ該周方向溝に起因する騒音を減ずる複数の共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、少なくとも一本の細溝を、同一リブ状陸部内でタイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に重複してなる区間外に、その少なくとも一部が存在するように設けたことを特徴とするものである。
上記の構成になる空気入りタイヤにあっては、タイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に部分的に重複してなる区間外に、前記細溝の全てが存在することが好ましい。
これら第一及び第二発明の空気入りタイヤにあっては、リブ状陸部内で比較的圧縮剛性の大きくなる区間、すなわち第一発明の場合には、同一リブ状陸部内でタイヤ周方向に隣接する共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなる区間に、また、第二発明の場合には、同一リブ状陸部内でタイヤ周方向に隣接する共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に重複しない区間に、リブ状陸部の圧縮剛性を低下させる少なくとも一本の細溝をその少なくとも一部が存在するように配設することで、当該区間の圧縮剛性が下がり、リブ状陸部の周上での圧縮剛性が均一化される。
ピッチノイズは、共鳴器という圧縮剛性を持たない区間に続いて、何らかの圧縮剛性を持ったトレッドが踏み込むことによって、当該トレッドのエッヂが路面を打撃することにより発生するものであるので、このようにリブ状陸部の周上での圧縮剛性を均一化すれば、この打撃の入力を低減することができ、ピッチノイズを小さくすることができる。
以下に、第一発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここに図1は、この発明の実施の形態の空気入りタイヤ、なかでも乗用車用の空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)のトレッドパターンを示す図であり、図2は、図1に示すトレッドパターンを有するタイヤの要部をタイヤ赤道面に投影したときの形状を示す投影図である。
この実施形態のタイヤは、図1に示すように、トレッド部にタイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝1と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状陸部2と、当該周方向溝1と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を減ずる、同一のリブ状陸部2内でタイヤ周方向に並べられた共鳴器3とを有し、さらにタイヤ周方向に隣接する共鳴器3の間に細溝4を設けてなるものである。
共鳴器3は、図2に示すように、同一リブ状陸部2内でタイヤ周方向に隣接する共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3Pが相互に離間するように配置されている。また図2中の区間Aは、これら投影形状3Pが相互に離間する、タイヤ周方向に沿った区間を示し、区間Bは、投影形状3Pが存在する、タイヤ周方向に沿った区間を示すものである。
細溝4は、該細溝4をタイヤ赤道面に投影した投影形状4Pが、図2に破線で示すように区間Aの範囲内にその全てが存在するように配置されている。なお、細溝4は、比較的圧縮剛性の高い区間Aの圧縮剛性を低下させるためのものであるので、その平面形状はどのような形状でも良い。例えば、図1に示すように直線状の溝でも良く、それ以外に曲線状、ジグザグ状又はこれらを組み合わせた形状等でも良い。さらに、その本数も一本でもそれ以上でも良い。しかしながら、圧縮剛性を必要以上に低下させないために、細溝4の深さ及び幅は、例えば深さ7mm以内、幅5mm以内、あるいは細溝4の断面積は35mm以内に設定するのが好ましい。
共鳴器3は、図1に示すように、周方向溝1に一端で開口して他端がリブ状陸部2内で終了するとともに、当該他端側であって、リブ状陸部2の表面に開口する、所要の容積を持つ気室部3aと、この気室部3aと周方向溝1との連通をもたらす、リブ状陸部2内への埋め込みをも可とする狭窄ネック3bとで構成する。また、気室部3aの仮想中心線CL1と直交する面内の断面積は、狭窄ネック3bの仮想中心線CL2と直交する面内の断面積よりも大きい。
このように構成することができる共鳴器3は、気室部3aのリブ開口及び狭窄ネック3bがともに路面によって密閉された状態の下では、図3(a)に模式的に示すようなヘルムホルツ型の共鳴器を形成することになり、その共鳴器3の共鳴周波数fは、狭窄ネック3bの長さをl、狭窄ネックの半径をr、狭窄ネック3bの断面積をSとするとともに気室部3aの容積をV、音速をcとしたとき、
Figure 2008207610
として表すことができるので、この共鳴周波数fは、周方向溝2の気柱共鳴周波数との関連の下で、狭窄ネック3bの長さにl、狭窄ネック3bの断面積をS(半径r)及び気室部3aの容積Vの大きさを選択的に変えることによって、所要に応じて変化させることができる。
なお、共鳴部3の狭窄ネック3bの断面形状が円形ではない場合は、上記の式中の半径rは、該狭窄ネック3bの断面積を基にして逆算することによって求められる。また、式中の係数「1.3」は文献によっては異なる値が存在するが、一般的には実験式から求めることが可能で、この発明においても一つの係数として用いるものとする。
また共鳴器3の気室部3aは、その深さ方向の全体に亘って、開口面積と同一の横断面積を有するものを適用することができるが、深さ方向に向けて当該横断面積が漸増もしくは漸減するものを適用してもよい。また、気室部3aの底壁は実質的に平坦面としてもよく、あるいは開口側に向けて凸もしくは凹状の曲面とすることもできる。
さらに、この実施形態においては、共鳴器3の気室部3aの、リブ状陸部2の表面への開口形状は矩形であるが、この開口形状はこれに限定されず多角形と、円形と、楕円形と、その他の閉鎖曲線形状と、不規則な閉鎖形状等を適用することができる。
あるいは、上述したようなヘルムホルツ型の共鳴器に代えて、図3(b)に示すように気室部3a及び狭窄ネック3bをそれぞれ第一管路3a’、第二管路3b’とみなしてそれらを相互に連結した連結管路からなる段付き管型の共鳴器を適用することもでき、この場合には、以下の説明のようにして共鳴周波数fを求めることができる。
段付き管型の共鳴器につき、境界における第一管路3a’側の音響インピーダンスをZ12、境界における第二管路3b’側の音響インピーダンスをZ21、第一管路3a’の断面積をS、第二管路3b’の断面積をSとすると、連続の条件から、
21=(S/S)・Z12
との関係が成り立つ。
第二管路3b’について、境界条件を、x=0でV=Vjwt、x=lでP/V=Z21とすると、第二管路3b’の開口からの距離xの位置のおける音圧Pは、
=Z・{(Z21cos(k(l−x))+jZsin(k(l−x)))/(Zcos(kl)+jZ21sin(kl))}・Vjwt
と表される。
ここに、lは、第二管路3b’の長さ、Vは、第二管路3b’の粒子速度分布、Vは、入力点の粒子速度、jは、虚数単位、Zは、ρc(ρは、空気の密度、cは、音速)、kは、2πf/cである。
また、第一管路3a’について、境界条件を、x=lでV=0、x=0でP=Pとすると、第一管路3a’の開口からの距離xの位置のおける音圧Pは、
=Z・〔Z21cos(k(l−x))/(cos(kl)・{Zcos(kl)+jZ21sin(kl)})〕・ejwt
と表される。
ここに、lは、第一管路3a’の長さである。
ここで、共鳴の条件 x=0でP=0より、
tan(kl)tan(kl)−(S/S)=0 となり、この共鳴の条件式に基づいて、k、l、l、S、S、cを決定して共鳴周波数fを求めることができる。
段付き管型の共鳴器は、図示の例では、直方体になる管路を組み合わせたものを示したが、上記の条件式で共鳴周波数を求めるには各管路の断面積及び長さを決定すればよいので、管路の形状は直方体に限定されることはなく種々の形状のものを適用し得る。
また、第二管路3b’の一端は周方向溝1の溝壁で開口していることが不可欠となるが、第一管路3a’、第二管路3b’は、トレッド踏面の接地面内で路面との接触により閉鎖空間を形成することになるので、その上端をリブの表面で開口させておくことが可能であり、この点についても限定されることはない。
この実施の形態のタイヤによれば、リブ状陸部2内で比較的圧縮剛性の大きくなる区間、すなわち同一リブ状陸部2内でタイヤ周方向に隣接する共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3Pが相互に離間してなる区間Aに、リブ状陸部2の圧縮剛性を低下させる細溝4を配設することで当該区間Aの圧縮剛性が下がり、リブ状陸部2の周上での圧縮剛性は均一化される。ピッチノイズは、共鳴器3という圧縮剛性を持たない区間に続いて、何らかの圧縮剛性を持ったトレッドが踏み込むことによって、当該トレッドのエッヂが路面を打撃することにより発生するものであるので、このようにリブ状陸部2の周上での圧縮剛性を均一化すれば、この打撃の入力を低減することができ、ピッチノイズを小さくすることができる。細溝4が、共鳴器の投影形状3Pが相互に離間してなる区間Aのみならず、投影形状3Pが存在する区間Bにもその一部が存在する場合は、それら区間Aと区間Bとのタイヤ周方向の圧縮剛性の変動が細溝4が無いときの変動に対して80%以内であれば、効果的にピッチノイズを低下させることができる。
また、細溝4は、タイヤ周方向に隣接する共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3Pが相互に離間してなる区間A内にその全てが存在することが好ましい。このようにすることで、圧縮剛性が比較的大きい区間Aの圧縮剛性のみを効果的に低下させて、共鳴器3に起因するピッチノイズを低下させることができるとともに、不必要に剛性を下げて操縦安定性に影響を与えることがない。
次いで、第二発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここに、図4は、この発明の実施の形態のタイヤのトレッドパターンを示す図であり、図5は、図4に示すトレッドパターンを有するタイヤの要部をタイヤ赤道面に投影したときの形状を示す投影図である。なお、これら図4及び5において、先の図1及び2に示した実施の形態のタイヤと同一の部材については同一の符号をもって示し、その説明を省略する。また、第二発明においても、共鳴器はヘルムホルツ型あるいは段付き管型のどちらでも良い。
上記した式1からも明らかなように、共鳴器3の共鳴周波数に作用する気室部3aはその容積Vをもってのみ判断されるので、例えば、気室部を長細の形状としても、あるいは逆に幅広の形状としてもその容積Vが同一(他の構成要素を同一とした場合)であれば同一の共鳴周波数fを得ることができるのはいうまでも無く、それゆえ共鳴器の形状はトレッドパターンのデザイン又はリブの剛性分布等を考慮して自由に決定することができる。そこでかかる気室部3aを図4に示すように長細の形状とすると、同一リブ状陸部2内でタイヤ周方向に隣接する共鳴器3の、タイヤ赤道面に投影した投影形状3P’は、図5に斜線で示すように相互に重複することがある。なお、図5中の区間Cは、これら投影形状3P’が相互に重複する、タイヤ周方向に沿った区間を示し、区間Dは、投影形状3P’が相互に重複しない、タイヤ周方向に沿った区間を示すものである。
この実施形態のタイヤでは、細溝4は、該細溝4をタイヤ赤道面に投影した投影形状4P’が、図5に点線で示すように区間Dの範囲内にその全てが存在するように配置されている。
かかるこの実施形態のタイヤによれば、リブ状陸部2内で比較的圧縮剛性の大きくなる区間、すなわち同一リブ状陸部2内でタイヤ周方向に隣接する共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3P’が相互に重複しない区間Dに、リブ状陸部2の圧縮剛性を低下させる細溝4を配設することで当該区間Dの圧縮剛性が下がり、リブ状陸部2の周上での圧縮剛性を均一化される。ピッチノイズは、共鳴器3という圧縮剛性を持たない区間に続いて、何らかの圧縮剛性を持ったトレッドが踏み込むことによって、当該トレッドのエッヂが路面を打撃することにより発生するものであるので、このようにリブ状陸部2の周上での圧縮剛性を均一化すれば、この打撃の入力を低減することができ、ピッチノイズを小さくすることができる。細溝4が、共鳴器の投影形状3P’が相互に重複しない区間Dのみならず、投影形状3P’が相互に重複する区間Cにもその一部が存在する場合は、それら区間Cと区間Dとのタイヤ周方向の圧縮剛性の変動が細溝4が無いときの変動に対して80%以内であれば、効果的にピッチノイズを低下させることができる。
また、細溝4は、タイヤ周方向に隣接する共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3P’が相互に重複しない区間Dの範囲内にその全てが存在することが好ましい。このようにすることで、圧縮剛性が比較的大きい区間B外の圧縮剛性のみを効果的に低下させて、共鳴器3に起因するピッチノイズを低下させることができるとともに、不必要に剛性を下げて操縦安定性を影響与えることがない。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
次に、この第一発明の効果を確かめるために、実施例のタイヤ、比較例のタイヤ、従来例のタイヤをそれぞれ一種ずつ試作し、騒音試験(気柱共鳴音及びピッチノイズの評価)を行ったので以下に説明する。
試験に用いたタイヤはいずれも、タイヤサイズが195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤであり、以下の諸元を有する。
実施例1のタイヤは、第一発明に従う実施の形態のタイヤであり、図1に示すトレッドパターンを有し、4本の直線状の周方向溝1の寸法は、幅6mm、深さ7mmであり、ヘルムホルツタイプの共鳴器3は、気室部3aの長さ18mm、幅6mm、深さ7mm、狭窄ネック3bの長さ2mm、幅1mm、深さ2mmであり、その作用周波数が1061Hzであり、共鳴器3の間の細溝4の寸法は、長さ15mm、幅2mm、深さ6mmであり、共鳴器3及び細溝4をリブ状陸部2の周上に60個ずつ(以下、タイヤ一周につき60個設けた場合を周上60ピッチという)交互に配置したものである。
従来例1のタイヤは、図6に示すトレッドパターンを有し、実施例1のタイヤに細溝4を設けていないものであり、それ以外の仕様は実施例1のタイヤと同じである。
比較例1のタイヤは、図7に示すトレッドパターンを有し、共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3Pが存在する、タイヤ周方向に沿った区間B(図2参照)内に細溝4を設けたものであり、それ以外の仕様は実施例1のタイヤと同じである。
騒音試験は、上記タイヤをサイズ6JJのリムに装着して、内部に210kPa(相対圧)の空気圧を適用し、室内ドラム試験機を用い、これらのタイヤを4kNの荷重の作用下で80km/hの速度で負荷転動させ、このときのタイヤの側方音をJASO C606に定める条件に従って測定し、気柱共鳴音においては、1/3オクターブバンド中心周波数800Hz‐1000Hz‐1250Hz帯域のオーバオール値の、直線状の周方向溝4を4本のみ設けたタイヤ(図示せず)に対する相対値をそれぞれ求め評価した。この場合、効果有りと判断するのは、実車試験によるプロのドライバのフィーリング評価で改善効果が見込める2dB以上の音圧低下とした。なお、これら試作したタイヤに設けた共鳴器は、上述の式(1)に対応するものとし、音速cは、343.7m/sとした。一方、ピッチノイズは、ピッチ一次帯域の音圧において、従来例のタイヤに対する実施例及び比較例のタイヤの相対値をそれぞれ求め評価した。この場合、効果有りと判断するのは2dB以上の音圧低下とした。
これら結果を表1に示す。なお、上記したように気柱共鳴音の結果は、直線状の周方向溝4を4本のみ設けたタイヤに対する相対値であり、ピッチノイズの結果は、従来例に対する実施例及び比較例のタイヤの相対値であり、それら値が負の値(−)であれば騒音が低減されたことを示し、正の値(+)であれば騒音が増大したことを示すものである。
Figure 2008207610
この試験の結果、共鳴器3を設けたことにより、直線状の周方向溝1を4本のみ設けたタイヤ対比で1000Hzの周波数帯域で発生する騒音が2.5dB低減されていることから、共鳴器3による気柱共鳴音への低減効果が確認された。
また、共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3Pが存在する区間B内(図2参照)に細溝4を設けた比較例1では、ピッチ一次帯域での騒音が1.0dB大きくなり、区間A内(図2参照)に細溝4を設けた実施例1では3.0dB小さくなっていることから、第一発明に従って細溝4を設けたことによるピッチノイズへの低減効果が確認された。
次いで、第二発明の効果を確かめるために、実施例のタイヤ、比較例のタイヤ、従来例のタイヤをそれぞれ一種ずつ試作し、先の試験と同様の騒音試験を行ったので以下に説明し、その条件及び方法の説明は省略する。試験に用いたタイヤはいずれも、先の試験と同様にタイヤサイズが195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤであり、以下の諸元を有する。
実施例2のタイヤは、第二発明に従う実施形態のタイヤであり、図4に示すトレッドパターンを有し、4本の直線状の周方向溝1の寸法は、実施例1の周方向溝1と同じであり、ヘルムホルツタイプの共鳴器3は、気室部3aの長さ36mm、幅3mm、深さ7mm、狭窄ネック3bの長さ:6mm、幅:1mm、深さ2mmであり、その作用周波数が1061Hzであり、共鳴器3の間の細溝4の寸法は、実施例1のそれと同じく長さ15mm、幅2mm、深さ6mmであり、共鳴器3及び細溝4をそれぞれ周上60ピッチで交互に配置したものである。
従来例2のタイヤは、図8に示すトレッドパターンを有し、実施例2のタイヤに細溝4を設けていないものであり、それ以外の仕様は実施例2のタイヤと同じである。
比較例2のタイヤは、図9に示すトレッドパターンを有し、図5で示す、共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3P’が相互に重複する、タイヤ周方向に沿った区間Cに細溝4が存在するように設けたものであり、それ以外の仕様は実施例2のタイヤと同じである。
これらの結果を以下の表2に示す。
Figure 2008207610
この試験の結果、先の試験同様、共鳴器3を設けたことにより、直線状の周方向溝1を4本のみ設けたタイヤ対比で1000Hzの周波数帯域で発生する騒音が2.5dB低減されていることから、共鳴器3による気柱共鳴音への低減効果が確認された。
また、共鳴器3をタイヤ赤道面に投影した投影形状3Pが相互に重複する区間C内(図5参照)に細溝4を設けた比較例2では、ピッチ一次帯域での騒音が0.7dB大きくなり、区間D内(図5参照)に細溝4を設けた実施例1では2.2dB小さくなっていることから、第二発明に従って細溝4を設けたことによるピッチノイズへの低減効果が確認された。
かくしてこの発明の空気入りタイヤによれば、リブ状陸部内で比較的圧縮剛性の大きくなる区間に、リブ状陸部の、タイヤ周方向の圧縮剛性を低下させる少なくとも一本の細溝を少なくともその一部が存在するように配設することで、当該区間の圧縮剛性が下がり、リブ状陸部の周上での圧縮剛性は均一化される。ピッチノイズは、共鳴器という圧縮剛性を持たない区間に続いて、何らかの圧縮剛性を持ったトレッドが踏み込むことによって、当該トレッドのエッヂが路面を打撃することにより発生するものであるので、このようにリブ状陸部の周上での圧縮剛性を均一化すれば、この打撃の入力を低減することができ、ピッチノイズを小さくすることができる。
第一発明の実施の形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 図1に示すトレッドパターンを有するタイヤの要部をタイヤ赤道面に投影したときの形状を示す投影図である。 (a)は、ヘルムホルツ型の共鳴器、(b)は、段付き管型の共鳴器をそれぞれ模式的に示した図である。 第二発明の実施の形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 図4に示すトレッドパターンを有するタイヤの要部をタイヤ赤道面に投影したときの形状を示す投影図である。 従来例1のタイヤのトレッドパターンを示す図である。 比較例1のタイヤのトレッドパターンを示す図である。 従来例2のタイヤのトレッドパターンを示す図である。 比較例2のタイヤのトレッドパターンを示す図である。
符号の説明
1 周方向溝
2 リブ状陸部
3 共鳴器
3a 気室部
3b 狭窄ネック
3a’ 第一管路
3b’ 第二管路
3P,3P’ 投影形状
4P,4P’ 投影形状

Claims (4)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する狭窄ネックと、該狭窄ネックを介して該周方向溝と連通し該狭窄ネックよりも断面積が大きい気室部とで構成され、かつ該周方向溝に起因する騒音を減ずる複数の共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    少なくとも一本の細溝を、同一リブ状陸部内でタイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなる区間内に、その少なくとも一部が存在するように設けたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記細溝は、タイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に離間してなる前記区間内に、その全てが存在する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本の周方向溝と、これに隣接する少なくとも一列のリブ状の陸部とを具え、該リブ状陸部内に、該周方向溝に開口する狭窄ネックと、該狭窄ネックを介して該周方向溝と連通し該狭窄ネックよりも断面積が大きい気室部とで構成され、かつ該周方向溝に起因する騒音を減ずる複数の共鳴器を配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    少なくとも一本の細溝を、同一リブ状陸部内でタイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に重複してなる区間外に、その少なくとも一部が存在するように設けたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記細溝は、タイヤ周方向に隣接する前記共鳴器をタイヤ赤道面に投影した形状が相互に重複してなる区間外に、その全てが存在する、請求項3記載の空気入りタイヤ。
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