JP2008206913A - アイレス縫合針の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 針径が160μm未満の細い縫合針であっても、縫合針の径の1/2を越える穴径を持ったアイレス針の製造方法を提案する。
【解決手段】 ステンレス鋼製アイレス縫合針の端面に穴を穿設し、該穴に縫合糸の一端を挿入してかしめ固定して形成するアイレス縫合針の製造方法において、アイレス縫合針の太さより太い針材20の端面20aに縫合糸を挿入するための穴を穿設してから1回目の電解研磨を行い、針材の太さを細くする。次に、細くした針材を縫合針の形状に整形した中間品22とし、これに第2回目の電解研磨を行い、縫合針23とする。電解研磨を2回に分けることで、研磨量を大きくできるので、縫合針の穴径を針径の1/2以上に大きくすることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は医療用縫合針の製造方法に関し、特に、針径が160μm以下の細いアイレス縫合針の製造方法に関する。
手術用アイレス縫合針では、元側の端面にその軸心に沿って所定の深さの穴が形成されており、この穴に縫合糸の端部を挿入してかしめて縫合糸を縫合針に取り付けるようになっている。
手術用アイレス縫合針の穴加工方法としては、従来は、ドリル加工、放電加工、レーザー加工などの方法が行われている。
ドリル加工及び放電加工の場合、穴径と同じ径のドリルや放電用電極を使用する。したがって、針径が小さくなれば、それに合わせてドリル径や電極の径を細くする必要がある。0.3mm以下の細い針径になると、それより細いドリルや電極が必要となり、これらの製作が困難になってくる。
一方、レーザー加工の場合は、ドリルや電極といった工具は一切不要になり、しかも、非常に小さい穴をあけることができる。この加工法では、レーザー光のエネルギーにより針材の穴となる部分を瞬間的に加熱し昇華させて穴をあけるものである。
しかし、アイレス縫合針の穴あけ加工、特に極めて細い針径が160μm未満のものを対象とするものは、他の一般のレーザー加工に比べて種々の問題がある。
たとえば、針径100μmの針材に60μm径の穴をあける場合、穴の壁の厚さはわずか20μmとなる。また、穴の深さは穴径の8〜15倍程度必要である。穴径が60μmの場合、穴の深さは、480〜900μmとなる。この穴は、外部から見える抜け穴ではなく、入り口以外は外部からは見えない行き止まりの穴でなければならない。
そのため、針径160μm未満の縫合針に穴明けする場合、穴の径、深さ、形を一定にするのが非常に難しく、他のメーカーでは上記サイズの縫合針は製造しないか、又は穴部分を板状に伸ばして縫合糸を包み込むようにしてかしめていた。しかし、この方法はかしめ部が長く、段になってしまうことに加え、無理にかしめているため、針材の糸をかしめた部分と、それより先の部分との境目に、開口したすじなどができ、生体組織を傷つけ易かった。また、レーザー加工する場合は、レーザー光により昇華した材料が穴の外に飛散しなければならない。しかし、飛散せずに、穴の内壁に付着して凝固してしまう、いわゆるスパッタリング現象が起こり、穴を塞いで縫合糸の挿入を困難にすることもあった。
図4は穴あけ不良の例で、(a)は穴曲がりの例、(b)は穴抜けの例、(c)は穴破れの例を示す。(a)の穴曲がりの場合は、縫合糸を穴の奥まで挿入できず、十分な長さの糸をかしめて固定することができない。また、内壁が薄くなった箇所があり、使用前に破れる可能性もある。(b)の穴抜けは穴の奥の側部が溶けて開口してしまった状態であり、(c)の穴破れは、穴の入り口部分から奥にかけて側部が溶けて無くなった状態である。(b)、(c)の場合は、縫合糸をかしめることができなくなる。また、かしめることができたとしても糸がかしめ穴から露出してしまうため、生体組織をスムーズに通過することができなくなってしまう。このような穴あけ不良の原因としては、次のようなことが分かっている。
針径に対して穴径が大きい場合、穴の中心が針材の中心からわずかにずれた場合でも、穴の外側の肉厚が大きく片寄ることになり、一方が薄くなる。レーザー光が照射されたとき、その薄くなったところの温度が急激に上昇して溶融することで、穴曲がり、穴抜け、穴破れ等が起こるのである。
針径が小さくなると必然的に穴径の割合が大きくなり、内壁が薄くなって上記の現象が起こりやすくなる。針径が小さくなると、レーザー光を1パルスだけ照射しても強力すぎて、元端部全体が溶けてなくなってしまうことも起こる。
これらの事実に鑑みて、特許文献1(特開昭63−140789号)では、穴の径、深さ、形を一定にする方法を提案している。これは、レーザー発振器と縫合針の元端部との間に電気信号により開閉する電気シャッターを設け、レーザー光の出力の立ち上がり部分と立ち下がり部分をカットし、安定している中間部分だけを透過させて穴あけをする方法である。この方法によれば、レーザー光のパルスのうち、安定した部分だけを使用するので、縫合針の元端部に照射するレーザー光の強度を一定にすることができる。その結果、針径が300μm程度のアイレス縫合針であれば、穴曲がり、穴抜け、穴破れの無い良好な穴あけが可能になる。また、スパッタリングによる穴詰まりも防止することができる。
しかし、針径が160μm未満の細さになると、上記特許文献1のレーザー光と電気シャッターによる穴あけでは良好な穴を穿けることができなかった。これは、針径が細くなるので、穴の外側の肉厚が薄くなって、熱容量が小さくなることに原因がある。穴の外側の熱容量が小さいので、穴が形成されても壁が溶けてなくなる穴ぬけとなったり、スパッタリングができて穴が詰まったりし易くなる。したがって、特許文献1に記載したようにレーザー光のパルスのうち、安定した部分だけを使用する方法では、良好な穴を形成することができなかった。
また、上述したようにレーザー光の光軸を針材の端面の中心に一致させなければ、偏心のために壁が溶けて穴抜けの原因となる。そのため、可視レーザーにより顕微鏡等で針材の端面の位置を確認して位置決めしてから加工用レーザーによってレーザー光加工を行うが、加工用レーザー光の光路内に光学素子があると、レーザー光の出力の安定性が害される。
そこで、特許文献2(特開昭63−171235号)では、加工用レーザー発振器の一方に針材を載置し、他方側に可視用レーザー発振器を設けて、加工用レーザー光の光路内に可視用レーザー発振器の光学素子を一切設けない構成とし、レーザー光の出力の安定を図っている。しかし、この方法でも、十分な解決とはなっていない。
これらの問題を解決するものとして、特許文献3(特開2006−280479号)では、レーザー光1ショットのうち、安定している中間部分を電気シャッターにより取り出して、穴明けに使用する方法を提案している。レーザー光1ショットのうち、安定している中間部分を電気シャッターにより複数の微小幅パルスにして穴明けをしてもよい。これらの方法により、縫合針の径より6〜20μm太い線材に穴を明け、穴明け後に、電解研磨により太い部分を落として細くし、目的の径の縫合針とするものである。
特開昭63−140789号 特開昭63−171235号 特開2006−280479号
しかし、特許文献3の製造方法も、穴径が縫合針の径の1/2程度が限界で、それ以上大きな穴を明けると、穴の壁の厚さを十分に取ることができず、図4で説明した穴抜けや穴破れなどの不良品が発生し易い。よって針径が必要以上に大きくなり組織を傷つけるという問題、また、針径と糸径の差が大きくなり血液が漏れやすくなる、等の問題があった。
本発明は、上記の事実から考えられたもので、針径が160μm未満の細い縫合針であっても、縫合針の径の1/2を越える穴径を持ったアイレス針の製造方法を提案することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明のアイレス縫合針の製造方法は、ステンレス鋼製アイレス縫合針の端面に穴を穿設し、該穴に縫合糸の一端を挿入してかしめ固定して形成するアイレス縫合針の製造方法において、
前記アイレス縫合針の太さより太い針材の端面に縫合糸を挿入するための穴を穿設する工程と、穴が穿設された針元部を含めた針材の太さを電解/化学研磨により減径率15〜25%の範囲で細くして、前記穴の径が、完成したアイレス縫合針の径の1/2を越えるようにし、且つ穴の入口の内面および外面を面取りして針径を160μm以下にする工程と、を有することを特徴としている。
または、ステンレス鋼製アイレス縫合針の端面に穴を穿設し、該穴に縫合糸の一端を挿入してかしめ固定して形成するアイレス縫合針の製造方法において、前記アイレス縫合針の太さより太い針材の端面に縫合糸を挿入するための穴を穿設する工程と、穴が穿設された針材の太さを電解/化学研磨によって細くする工程と、細くした針材を整形する工程と、再度針材を電解/化学研磨によって細くして所望の形状にし、前記穴の径が、完成したアイレス縫合針の径の1/2を越えるようにする工程と、を有することを特徴としている。
これらの製造方法において、前記端面に縫合糸を挿入するための穴を穿設する工程が、レーザー光1ショットの中間部分を取り出して照射する工程である構成としたり、前記完成したアイレス縫合針の径が160μm以下で、前記電解/化学研磨による減径率が15〜25%である構成としたりすることができる。
また、先端形状を形成してから一度で電解/化学研磨する場合、研磨量が多いために先端がひょろひょろになってしまうため、予め先端を芋型等の形状に形成した上で電解/化学研磨すると所望の先端形状に形成することができる。また、縫合針の表面にバリを作っておくと、電解/化学研磨で針径を細くしたとき、バリの部分が優先的に研磨され、切刃の鋭い縫合針とすることができる。
上記方法において、電解/化学研磨は縫合針の全体に対して行っても良いし、一部に対して行うことでも良い。縫合針の一部を電解/化学研磨する場合は、研磨する部分としない部分との間に段差ができないように、縫合針を軸方向に揺動させながら研磨する構成としても良い。
本発明の第1の発明によれば、針材として太い線材を使用することができるので、安定した穴明けができる。また、穴を明けてから電解/化学研磨により細くして所望の縫合針の径にすることで、穴径が大きく、針径の細いアイレス縫合針であって且つ穴の入口の内面および外面が面取りされた縫合針を得ることができる。よって、縫合糸が挿入しやすいとともにかしめやすく、且つ縫合糸と縫合針との段差が少ない縫合針を得ることができる。
また、第2の発明によれば、針材を細くする工程を2回に分けることで、針先端をひょろひょろにすることなく針材を多く研磨することができ、壁の薄い縫合針を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明のアイレス縫合針の製造方法において、縫合針の端面に穴をあける加工装置10の構成を示す図である。
加工用のレーザー光を発射するレーザー発振器31はランプ32と、このランプ32からの光により励起されレーザー光を出力するYAGロッド33を有している。これらランプ32及びYAGロッド33は、水平に配置されている。ランプ32はキセノンガスを封入したバルブを有したものである。レーザー発振器31は、レーザー発振器駆動装置36により駆動される。
YAGロッド33の両端の近傍には、全反射ミラー34と半反射ミラー35が配置されている。YAGロッド33の光軸方向には、集光レンズ38が配置されており、この集光レンズ38の焦点位置近傍に縫合針となる針材20の端面20aがセットされるようになっている。このとき、針材20の軸心とレーザー光の光軸とが正確に重なり合うように針材20をセットする。針材20の先端側は丸針であれば円錐状に尖らせたり、角針であれば角錐状にして、角錐の稜線からなるエッジと尖った先端を形成したりすることもあるが、先端をまだ尖らせていない状態の場合もある。
上記レーザー発振器31の半反射ミラー35と集光レンズ38との間には、電気シャッター39が設けられている。この電気シャッター39は、たとえば2枚の偏光子40,41と、この偏光子40,41間に介在された結晶セル42とを有している。この結晶セル42に電圧が印加されたときにレーザー光が遮断され、電圧が印加されていないときにはレーザー光は透過できるようになっている。電気シャッター39は、電気シャッター駆動装置43により駆動される。
レーザー発振器駆動装置36と電気シャッター駆動装置43とは、制御装置44により制御され、穴あけ装置の全体がこの制御装置44により制御される。制御装置44には、コンピュータを使用している。
ランプ32のトリガー電極に瞬間的に高電圧が印加されると、ランプ32のアノード電極とカソード電極間で瞬間的な放電が生じる。この放電が引き金となってアノード電極とカソード電極との間に主電流が流れ、ランプ32が発光する。
ランプ32の光は図示しない反射鏡によってYAGロッド33に集中して供給される。YAGロッド33内では、上記光により励起されたネオジュームイオンの電子が高エネルギーレベルの軌道に移り、これが通常のエネルギーレベルに戻るときに、レーザー光を発光し、これが全反射ミラー34と半反射ミラー35との間を往復することによって増幅され、大出力となったレーザー光は半反射ミラー35を透過してレーザー発振器31の外に出てくる。
このレーザー光1ショット(1パルス)の出力エネルギーと時間との関係は、レーザー光の出力は、ランプ32にトリガー電圧が印加されてから100μs(μsec)経過後に立ち上がり始め、トリガー電圧印加から900μs後に終了している。このレーザー光出力の立ち上がり部分と立ち下がり部分は、各ショットごとに出力変動が大きく、特に立ち下がり部分で変動が大きいが、中間部分では安定している。
本発明では、電気シャッター39の開閉により、上記レーザー光出力のうち、安定している中間部分の、しかもその一部を取り出して穴あけのために針材20の端面20aに照射するようにしている。取り出し部分を1つの微小幅パルスとしてもよく、複数の微小幅パルスに分割してもよい。
図2は本発明の第1実施例となる縫合針の製造方法を説明する図である。(a)は、アイレス縫合針の素材となる針材20の図である。この針材20は、オーステナイト系ステンレス鋼で、太い線材を、複数回線引き加工して、徐々にその太さを細くすることで形成されたものである。複数回の線引き加工により、結晶構造は、線材の長さに沿って細く長くなったファイバー構造となり、針材20は加工硬化して縫合針として必要な硬さを得ることができる。
図2(b)は、(a)に示す針材20の端面20aに穴30を明ける穴明け加工をした状態を示す。D1は、針材20の外径で、dは穴30の径である。D1は200μmで、穴径dは外径の45%の90μmとしている。
このように針材20の端面20aに穴30を穿設したら、次に、縫合針としての整形加工を行い中間品24を形成する。ここでは、三角縫合針の例を示すが、この中間品24の整形加工は、次に行う電解研磨による影響を考慮して行われている。
すなわち、電解研磨や化学研磨では、針材20の表面全体が均一に除去されていくとは限らず、ばらつきができる。一般に尖った部分から先に研磨されていく。また、研磨量が多くなるほどばらつきが大きくなり、針の形状自体が変形する。あるいは、縫合針21の外径の細い部分と太い部分が目立つようになってしまう。針の先端がひょろひょろになってしまうこともある。
そこで、本発明では、研削された面に意識的にバリを形成したり、先端を芋型状に形成したりしている。この後、減径のための電解研磨を行う。すなわち、(c)に示す中間品24を、電解液が入った水槽内に浸漬し、+の電極に接続する。一方水槽内に、−の電極を浸漬する。そして、両電極間に通電することで、中間品24の表面が電解液内に溶出し、外径が小さくなっていく。電解研磨は、バリなどの尖った部分が優先的に研磨されるので、電解研磨が完了すると、図3(d)のように、エッジのある三角縫合針23を得ることができる。
以上の加工により当初200μmであった線径が、160μmへと細くなった。減径率={(元の径−減径後の径)/元の径}×100% と定義すると、上記の実施例では、(200―160)/200×100%=20% の減径率である。また、穴30の径は、当初90μmであり、電解研磨によっても穴内は研磨されないため径が変化することはほとんどなく、90μmのままの大きさとしても、90/160=0.563 となり、縫合針23の針径D3の1/2を越える大きさの穴径を得ることができた。
減径率を15〜25%にすると、径が細くなると同時に、図2(e)に示すように、穴30の入口の内面30aと外面30bの双方を面取することができる。減径率が15%未満であると、このような面取ができず、減径率が25%を越えると、針の形状の変形が大きくなり、変形した縫合針となってしまう可能性が生じるからである。
内面30aに面取が形成されると、縫合糸を挿入し易くなる。また、外面30bに面取が形成されると、縫合糸を挿入してかしめたとき、縫合糸と縫合針との間の段差が小さくなる。かしめ部分の段差が大きいと、縫合針が生体組織を刺通したとき、段差部分で生体組織を傷つけるので、出血が多くなるという問題があった。これに対し、本発明では、段差を小さくすることができるので、生体組織はあまり傷つけられることがなく、出血を少なく抑えることができる。
図3は、本発明の第2実施例のアイレス縫合針を製造する方法を説明する図である。(a)は、アイレス縫合針の素材となる針材20の図である。この針材20は、第1実施例と同じ素材を使用している。
図3(b)は、(a)に示す針材20を、図1に示す装置によって端面20aに穴30を明けた状態を示す。D1は、針材20の外径で、dは穴30の径である。この実施例では、図2の実施例と同じくD1は200μmで、穴径dは外径の45%の90μmとしている。穴30の径を針材20の半分以下にしていることで、穴30の肉厚を厚くでき、穴30を真っ直ぐに穿設し易くなった。
このように針材20の端面20aに穴30を穿設したら、針材20の外径を細くする加工を行う。本発明の実施例では、この加工は、化学研磨、特に、電解研磨により行っている。そして、電解研磨を行うことで、針材20の表面が電解液内に溶出し、(c)に示すように、外径がD2と小さい針材21となる。実施例では、針材21の径D2は170μmとした。
針材21の外径がD2になったら、一旦、電解研磨を中止し、電解液から引き上げて、外形加工を行う。外形加工は、針材21の形状を縫合針の形状に整形する加工で、具体的には、図2(d)に示すように、先端が尖ったテーパー形状の縫合針の形状に整形した中間品22とする。このテーパー加工は、通常のセンターレスグラインダーや、上記の径を細くするのとは別の電解研磨法により行うことができる。
このように縫合針の形状に整形した中間品22を、再び、(c)で説明したのと同じ電解研磨をして、図2(e)に示すように、外径D3を所期の160μmの縫合針21にする。穴30が径の大きな針材20の段階で穿設されているので、穴30の肉厚が均一になっており、電解研磨で細くしても、穴30が破れたりすることはない。尚、上記実施例ではD1からいったんD2の径に研磨した後に針材を整形し、その後再度研磨してD3の径に減らしているが、穴明け後のD1からD3まで一度に研磨して減らし、その後先端部を整形して先端部のバリ等を電解研磨しても良い。この場合、電解研磨する部分(先端部)としない部分との間に段差ができることが無いよう、縫合針の軸方向に揺動させつつ研磨することが好ましい。
針材を電解研磨等によって、細くする縫合針の製造方法は、特許文献3に記載されている通り、公知ではあるが、本発明では、電解研磨を2段階にすることで、減径率を従来にない大きさとし、針径の1/2以上の穴を形成することができるという従来例にはない格別の効果を奏する。
ところで、電解研磨を含む化学研磨では、針材20の表面全体が均一に除去されていくとは限らず、ばらつきができる。研磨量が多くなるほどばらつきが大きくなり、針の形状自体が変形する。あるいは、縫合針21の外径の細い部分と太い部分が目立つようになってしまう。針の先端がひょろひょろになってしまうこともある。
一方、縫合針の外形形状を加工する場合は、細い線材よりも太い線材の方が、加工が容易である。したがって、出来るだけ太い線径のときに整形加工をしたい。
本発明では、これを避けるために、電解研磨を2回に分けて実施し、1回目の電解研磨が完了した後で、縫合針の形状を整形している。2回目の電解研磨が完了した時点では、線径が細くなり整形加工がやりにくくなるからである。
また、1回目の研磨量と2回目の研磨量とは、トータルで目的の減径率が達成できればよく、特に限定されないが、1回目の方を若干多くした方がよい。2回目の研磨量が多いと、整形後の縫合針の形状の変形が大きくなるからである。
なお、穴30の内面は2回の電解研磨を受けるので、図2(e)に示す内面30aの面取がされている。したがって、縫合糸を挿入し易いという効果も奏する。
本発明のアイレス縫合針の製造方法において、縫合針の端面に穴をあける加工装置の構成を示す図である。 (a)から(e)は、本発明のアイレス縫合針を製造する方法を説明する図である。 (a)から(e)は、本発明の第2実施例となる縫合針の製造方法を説明する図である。 穴あけ不良の例で、(a)は穴曲がりの例、(b)は穴抜けの例、(c)は穴破れの例を示す。
符号の説明
20 針材
20a 端面
23 縫合針
D1 針材の径
D3 縫合針の径

Claims (2)

  1. ステンレス鋼製アイレス縫合針の端面に穴を穿設し、該穴に縫合糸の一端を挿入してかしめ固定して形成するアイレス縫合針の製造方法において、
    前記アイレス縫合針の太さより太い針材の端面に縫合糸を挿入するための穴を穿設する工程と、穴が穿設された針元部を含めた針材の太さを電解/化学研磨により減径率15〜25%の範囲で細くして、前記穴の径が、完成したアイレス縫合針の径の1/2を越えるようにし、且つ穴の入口の内面および外面を面取りして針径を160μm以下にする工程と、を有することを特徴とするアイレス縫合針の製造方法。
  2. ステンレス鋼製アイレス縫合針の端面に穴を穿設し、該穴に縫合糸の一端を挿入してかしめ固定して形成するアイレス縫合針の製造方法において、
    前記アイレス縫合針の太さより太い針材の端面に縫合糸を挿入するための穴を穿設する工程と、穴が穿設された針材の太さを電解/化学研磨によって細くする工程と、細くした針材を整形する工程と、再度針材を電解/化学研磨によって細くして所望の形状にし、前記穴の径が、完成したアイレス縫合針の径の1/2を越えるようにする工程と、を有することを特徴とするアイレス縫合針の製造方法。
JP2007048812A 2007-02-28 2007-02-28 アイレス縫合針の製造方法 Pending JP2008206913A (ja)

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