JP2008206079A - 輪郭水晶振動片 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエットエッチングにより一体に外形加工する輪郭水晶振動片の振動部と支持部との接続部において、十分な強度及び剛性と振動漏れの低減とを同時に達成する。
【解決手段】IEEE表示の(YXlt)φ/θで表されるカット角で切り出した水晶基板11をウエットエッチングすることにより、振動部22と支持フレーム25と振動部を輪郭振動の節点で支持フレームに接続する接続部24とを一体に外形加工したラーメモードの輪郭水晶振動片21において、X軸周りの回転角度φ1 を−40°〜−70°、好ましくは−50°〜−60°の範囲に、Y´軸周りの回転角度φ1 を−50°〜+50°、好ましくは−10°〜+10°の範囲に設定したときに得られる座標軸(X´,Y´,Z'')のZ´軸方向に延長する向きに接続部を配置する。
【選択図】図1
【解決手段】IEEE表示の(YXlt)φ/θで表されるカット角で切り出した水晶基板11をウエットエッチングすることにより、振動部22と支持フレーム25と振動部を輪郭振動の節点で支持フレームに接続する接続部24とを一体に外形加工したラーメモードの輪郭水晶振動片21において、X軸周りの回転角度φ1 を−40°〜−70°、好ましくは−50°〜−60°の範囲に、Y´軸周りの回転角度φ1 を−50°〜+50°、好ましくは−10°〜+10°の範囲に設定したときに得られる座標軸(X´,Y´,Z'')のZ´軸方向に延長する向きに接続部を配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ラーメモードや輪郭すべり振動モードで振動する輪郭振動子に関し、特に水晶基板をウエットエッチングすることにより一体に外形加工した振動部と支持フレームと接続部とを備える輪郭水晶振動片に関する。
従来より、水晶振動子は、100kHzレベルまでの低周波数で振動する音叉型水晶振動子や、10MHz以上の比較的高周波数で振動する厚みすべり振動モードのATカット水晶振動子が広く使用されている。最近は、これらの中間範囲にある数MHzの周波数で振動するラーメモードや輪郭すべり振動モードの輪郭振動子が注目されている。
ラーメモードの輪郭振動子は、正方形又は複数の正方形を連ねた方形平板の振動部と、支持フレームと、それらを振動の節点で接続する接続部とを一体に備える(例えば、特許文献1を参照)。図6(A)(B)は、ラーメモードの水晶振動子に使用する輪郭水晶振動片の典型例を示している。同図において、輪郭水晶振動片1は、正方形の水晶板からなる振動部2と、その対角位置の角部に設けられた接続部3,4と、それらの先端にそれぞれ結合された支持フレーム5,6と、基部7とを備える。振動部2の表裏各面には、互いに異極となる励振電極8,9が形成されている。各励振電極8,9は、それぞれ前記接続部及び支持フレームの表面に形成した配線により引き出されて、基部7の接続電極(図示せず)に接続されている。前記接続電極から励振電極8,9に所定の電流を印加して励振すると、振動部2は、図6(A)に破線及び二点鎖線で示すように、正方形の4つの角部を節点として面内で、対向する一方の2辺と他方の2辺が交互に外向き又は内向きに伸縮するラーメモードの輪郭振動を行う。
輪郭水晶振動片1は、図7に示すように、IEEE表示の(YXlt)φ/θで表されるカット角で切り出した水晶基板11から形成する。水晶基板11は、水晶の直交する3つの結晶軸、即ち電気軸、機械軸、光学軸をそれぞれX軸、Y軸、Z軸で表したとき、Y軸に垂直な面のYカット水晶板12をX軸周りに反時計方向を正として角度φ1 で回転させて得られた座標軸(X,Y´,Z´)に沿う水晶板12´を、更にY´軸周りに反時計方向を正として角度θ1 で面内回転させた新たな座標軸(X´,Y´,Z'')に沿って切り出したものである。
多くの場合、ラーメモードの水晶振動子は、フォトリソグラフィ技術を利用して水晶基板をウエットエッチングすることにより、振動部、接続部及び支持フレームを一体に外形加工する(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、水晶基板のウエットエッチングによる外形加工は、水晶の結晶方位によるエッチング異方性のために、精密な形状加工が困難とされている。
特に過剰なサイドエッチングを防止するために、先に水晶板を途中までウエットエッチングした後、ドライエッチングで形状加工を仕上げるラーメモード水晶振動子の製造方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。また、通常使用されている水晶のエッチング液とは異なる新たなエッチング液を用いて水晶基板を処理することにより、ラーメモード水晶振動子を外形加工する方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。更に、水晶基板を打ち抜き加工して振動部、接続部及び支持部を一体に形成し、パウダービームの吹き付けにより振動部を薄く加工するラーメモード水晶振動子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
また、振動部と支持フレームとを接続する接続部には、輪郭振動の節点の周りに発生するモーメント力によって屈曲振動が発生し、振動部から振動漏れを生じて等価直列抵抗が大きくなり、Q値を低下させる虞がある。そこで、振動部を2つの接続部で支持フレームに接続することにより、振動漏れを小さくしてQ値を高くしたラーメモード水晶振動子が知られている(例えば、特許文献5,6を参照)。
更に、振動部と支持フレームとの接続部は、より細く形成することにより振動漏れを小さくできるが、強度又は剛性が低下するために、耐衝撃性が劣化する虞がある。そこで、複数の正方形を連ねた矩形状の振動部からなる高次モードのラーメモード水晶振動子において、接続部を振動部の角部だけでなく、長辺方向の側面に存在する輪郭振動の節点にも設け、支持点数を増やすことにより、個々の接続部を細くしても、全体として強度を確保し、耐衝撃性を高めた構造が知られている(例えば、特許文献7を参照)。更に、各接続部を部分的に細くすることにより、接続部の強度を確保しつつ、振動漏れを低減させたラーメモード水晶振動子が提案されている(例えば、特許文献8を参照)。
また、輪郭すべり振動モードの輪郭水晶振動子も、ラーメモードと同様に、振動部と支持部とそれらを接続する接続部とを備える(例えば、特許文献9を参照)。振動子の外形形状は、水晶基板をウエット又はドライエッチングで加工することにより、振動部、支持部及び接続部が一体に形成される。
川島宏文、外1名、「エッチング法によって形成されたラーメモード水晶振動子」、第24回EMシンポジウム予稿集、電気学会、平成7年5月、p.11−16
特開2003−115747号公報
特開2006−211575号公報
特開2006−311230号公報
特開2003−142979号公報
特開2003−69373号公報
特開2003−101378号公報
特開2006−279870号公報
特開2006−311229号公報
特開2005−94733号公報
上述した従来技術の多くに指摘されるように、輪郭水晶振動子は、接続部における振動漏れが大きくなると、等価直列抵抗が大きくなってQ値が低下することから、接続部をできる限り細く形成するとともに、十分な強度及び剛性を確保して、高い耐衝撃性を発揮させることが必要である。しかしながら、水晶のウエットエッチングは、その結晶方位によりエッチング速度が異なるため、サイドエッチングによって接続部の断面形状が厚み方向に一様に加工されず、Z字形状に局所的に細くなり、強度又は剛性が低下して折損し易くなったり、Z字形の切れ込み箇所からクラックが発生する虞がある。また、接続部の側面に小突起即ちバリが形成され、これが折れて屑を発生し、振動部等に付着して振動子の特性を損なう虞がある。
しかしながら、いずれの従来技術も、ウエットエッチングにより形成した接続部の断面形状が、結晶方位によってどのように異なるか、具体的に考察又は検討した例は見当たらない。そのため、特許文献2のようにウエットエッチングとドライエッチングとを併用したり、特許文献3のように特殊なエッチング液を使用しても、エッチングされる水晶面の向きによって接続部の断面形状が変わるから、常に十分な強度及び剛性と振動漏れの低減とを同時に満足できるとは限らない。
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエットエッチングにより振動部と接続部と支持フレームとを一体に外形加工する輪郭水晶振動片において、接続部が十分な強度及び剛性と振動漏れの低減とを同時に満足し得る構造を提供することにある。
本発明によれば、上記目的を達成するために、水晶の結晶軸(X,Y,Z)をX軸周りに角度φで回転させて得られた座標軸を(X,Y´,Z´)とし、該座標軸(X,Y´,Z´)をY´軸周りに角度θで回転させて得られた座標軸を(X´,Y´,Z'')とし、IEEE表示の(YXlt)φ/θで表されるカット角で切り出した水晶基板から、方形平板の振動部と、支持フレームと、振動部を輪郭振動の節点で支持フレームに接続する接続部とを一体に形成し、水晶基板のX軸周りの回転角度φを−40°〜−70°の範囲に設定し、接続部を、その延長方向がZ´軸方向に関して角度θc=−50°〜+50°をなすように配置した輪郭水晶振動片が提供される。
この輪郭水晶振動片は、前記水晶基板をウエットエッチングすることにより、振動部、接続部及び支持フレームを一体に外形加工することができる。そのとき、接続部の断面形状は、後述するように、エッチング幅に対応した矩形形状又はそれに近い形状に形成される。従って、接続部は、必要かつ十分な強度及び剛性が得られると共に、その幅を狭くして接続部からの振動漏れを最小に抑制し、等価直列抵抗を小さくしてQ値の向上を図ることができる。更に、角度φ=−40°〜−70°の範囲で回転させた水晶基板は、1次温度係数が0になることが知られているから、良好な温度特性を維持することができる。
特に好ましくは、X軸周りの回転角度φを−50°〜−60°の範囲に、かつ/又は、接続部の延長方向とZ´軸方向とのなす角度θcを−10°〜+10°の範囲に設定することにより、接続部の幅をより狭く形成しながら、それに応じた大きい強度及び剛性を確保できるので、好都合である。しかも、接続部の側面には、後述するように切れ込みや突起が形成されず、形成されても小さいので、切れ込みからクラックが生じて支持強度を低下させたり、破損した突起が振動部に付着して輪郭振動に影響を及ぼす虞は無い。
本発明の輪郭水晶振動片は、様々な振動モードのものに適用することができる。或る実施例では、振動部が正方形又は複数の正方形を連ねた長方形の方形平板で形成され、ラーメモードの輪郭振動を行う。その場合、接続部は正方形又は長方形の角部に設けられ、かつ該角部に隣接する正方形又は長方形の各辺に対して等角をなす向きに延長するように配置すると、接続部の両側で振動部との接合部分における剛性が均等になるので、輪郭振動のバランスを崩す虞がなくなるので、好ましい。別の実施例では、輪郭水晶振動片が輪郭すべり振動モードの輪郭振動を行う。
或る実施例では、接続部が振動部の対角位置の2つの角部に設けられる。接続部を2つにすることによって、輪郭水晶振動片の小型化を図ることができる。また、振動部の別の対角位置の2つの角部が外力に拘束されない自由な状態になるので、輪郭振動に好都合である。
別の実施例では、振動部の他の2つの角部の両方又は一方に追加の接続部を更に設けることができ、必要に応じて配線の引き回しや、振動部の支持構造の強化に用いることができる。
以下に、本発明の好適実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明を適用したラーメモードの輪郭水晶振動片の実施例を示している。本実施例の輪郭水晶振動片21は、3つの正方形を連ねた長方形の振動部22を有する。振動部22の4つの角部には、それぞれ同じ長さ及び幅の接続部23,24が設けられている。各接続部23,24は、隣接する前記振動部の各辺に対して等角をなす向きに延長するように配置されている。振動部22の外側には、所定の隙間をもって矩形枠状の支持フレーム25が配置され、接続部23,24を介して前記振動部と一体に結合されている。
図1は、本発明を適用したラーメモードの輪郭水晶振動片の実施例を示している。本実施例の輪郭水晶振動片21は、3つの正方形を連ねた長方形の振動部22を有する。振動部22の4つの角部には、それぞれ同じ長さ及び幅の接続部23,24が設けられている。各接続部23,24は、隣接する前記振動部の各辺に対して等角をなす向きに延長するように配置されている。振動部22の外側には、所定の隙間をもって矩形枠状の支持フレーム25が配置され、接続部23,24を介して前記振動部と一体に結合されている。
輪郭水晶振動片21は、従来技術に関連して説明した図7に示すように、IEEE表示の(YXlt)φ/θで表されるカット角で切り出した水晶基板11を、フォトリソグラフィ技術を用いてウエットエッチングすることにより、前記振動部、接続部及び支持フレームを一体に外形加工する。水晶基板11は、水晶の直交する3つの結晶軸、即ち電気軸、機械軸、光学軸をそれぞれX軸、Y軸、Z軸で表したとき、Y軸に垂直な面のY板12をX軸の周りに反時計方向を正として角度φ1 で回転させて得られた座標軸(X,Y´,Z´)を、更に回転後のY軸であるY´軸の周りに反時計方向を正として角度θ1 で面内回転させて得られた新たな座標軸(X´,Y´,Z'')に沿って切り出したものである。
ここで、対向する一対の接続部24の延長する方向Zc1がZ´軸方向となす角度をθc1とし、対向する他の一対の接続部23の延長する方向Zc2がZ´軸方向となす角度をθc2とする。本実施例では、Y´軸周りの回転角θ1 を45°とし、接続部24の延長方向Zc1をZ´軸方向に沿うように、接続部23の延長方向Zc2をX軸方向に沿うように配置する。従って、前記各接続部の延長方向Zc1、Zc2はθc1=0°(又は180°)、θc2=90°(又は−90°)で表される。各接続部23,24の断面形状は、水晶の結晶方位に依存したエッチング異方性のために、後述するように角度φ及びθによって様々に変化する。
振動部22の表裏各面には、前記長方形を構成する正方形の部分毎にそれぞれ励振電極(図示せず)が形成されている。前記各励振電極は、隣接する電極同士が異極となるように分離して設けられ、かつ同極となる電極同士を接続するように配線されている。更に、同極となる前記励振電極は、いずれかの前記接続部に形成した配線により引き出されて、支持フレーム25の表面又は裏面に形成した接続電極(図示せず)に接続されている。
前記接続電極に所定の電流を印加して励振すると、図6の従来技術に関連して説明したように、振動部22は、前記各正方形の部分がその角部を節点として面内で長さ及び幅方向に交互に伸縮するラーメモードの輪郭振動を行う。このとき、接続部23,24は一定の幅を有するので、僅かに屈曲振動を発生するが、上述したように隣接する振動部22の各辺と等角に配置したので、その両側で輪郭振動のバランスを崩す虞はない。
図1の輪郭水晶振動片21において、各接続部24、23の延長方向Zc1、Zc2とZ´軸方向との角度をそれぞれθc1=0°(又は180°)、θc2=90°(又は−90°)に固定して、X軸周りの回転角φ1 を変化させ、ウエットエッチングにより形成される前記各接続部の断面形状を、それぞれ公知の計算式を用いてシミュレーションした。図2(A)〜(D)は、角度φ1 =−40°,−50°,−60°,−70°の場合における接続部24の断面形状を示している。いずれの場合も、一方(図中右側)の側面は中央付近で僅かに外向きに突出するが、他方(図中左側)の側面が略垂直な直線状をなし、全体としてエッチング幅に対応した略矩形の断面形状が得られることを確認した。
図3(A)〜(E)は、図2と同様に、それぞれ角度φ1 =−40°,−50°,−60°,−70°,−80°の場合における接続部23の断面形状を示している。同図から、特に角度φ1 =−40°,−50°では、接続部23の断面が、Z字形に中央付近が狭窄した形状を呈することが分かる。角度φ1 ≦−70°では、両方の側面が比較的急峻に傾斜し、全体的にエッチング幅に対応した矩形に近い断面形状となる。
これらのシミュレーション結果から、θc1=0°(又は180°)即ちZ´軸方向の接続部24は、角度φ1 =−40°〜−70°の範囲において、エッチング幅に応じた大きい強度及び剛性を確保することができる。これに対し、θc2=90°(又は−90°)即ちX軸方向の接続部23は、角度φ1 ≦−70°では或る程度の強度及び剛性を得られるが、特に角度φ1 =−40°〜−50°の範囲では、同じエッチング幅にすると強度及び剛性が大幅に低下することが分かる。しかしながら、接続部23の表裏各面は、概ねエッチング幅と同じ幅を有するので、強度及び剛性が低下しても、前記励振電極からの配線を引き回すことは可能である。
同じく図1の輪郭水晶振動片21において、X軸周りの回転角φ1 を一定にして、接続部24、23の延長方向Zc1、Zc2とZ´軸方向との角度θc1、θc2(=θc1±90°)を変化させ、ウエットエッチングにより形成される前記各接続部の断面形状を、公知の計算式でシミュレーションした。図4(A)〜(K)は、それぞれ角度φ1 =−50°で角度θc1=0°,−10°,−20°,−30°,−40°,−50°,+10°,+20°,+30°,+40°,+50°の場合における接続部24の断面形状を示している。同図から、接続部24の断面は、特に角度θc1=−10°〜+10°の範囲において、両方の側面が略垂直又は急峻で、全体としてエッチング幅に対応した矩形に近い断面形状となることが分かる。それ以外の範囲でも、角度θc1の絶対値が大きくなるに連れて両方の側面に突起が形成されるとはいえ、全体としてエッチング幅の矩形に比較的対応した形状が得られることを確認した。
図5(A)〜(K)は、図4と同様に、それぞれ角度φ1 =−50°で角度θc2=+90°,+80°,+70°,+60°,+50°,+40°,+100°,+110°,+120°,+130°,+140°の場合における接続部23の断面形状を示している。同図から、接続部23の断面は、特に角度θc2=+60°〜+120°の範囲において、Z字形に中央付近が狭窄した形状を呈することが分かる。それ以外の範囲では、両方の側面に突起が形成されるとはいえ、全体的にエッチング幅の矩形に比較的対応した形状が得られる。
図4のシミュレーション結果から、Zc1方向の接続部24は、角度φ1 =−50°のとき、角度θc1=−50°〜+50°の範囲において、エッチング幅に応じた十分な強度及び剛性を得られることが分かる。特に、断面形状が略矩形となる角度θc1=−10°〜+10°の範囲では、エッチング幅通りの大きい強度及び剛性が確保される。これに対し、Zc2方向の接続部23は、図5のシミュレーション結果から、角度φ1 =−50°のとき、特に角度θc2=+60°〜+120°の範囲では、同じエッチング幅にすると強度及び剛性が大幅に低下する。それ以外の角度θc2の範囲では、図5(E)(F)(J)(K)の断面形状から判断して、それに対応する角度θc1の範囲における接続部24と同程度の強度及び剛性が得られる。
以上の結果を綜合すると、Yカット水晶板をX軸周りに角度φ1 =−40°〜−70°の範囲で回転させた水晶基板をウエットエッチングすることにより輪郭水晶振動片21を外形加工する場合、接続部24は、その延長方向Zc1とZ´軸方向とのなす角度をθc1=−50°〜+50°の範囲にして配置することにより、その断面がエッチング幅に対応した矩形形状又はそれに近い形状に形成される。また、角度φ1 =−40°〜−70°の範囲で回転させた水晶基板は、上記非特許文献1の記載等から、1次温度係数が0になることが知られている。従って、接続部24に必要かつ十分な強度及び剛性を得ると共に、その幅を狭くして該接続部からの振動漏れを最小に抑制し、かつ良好な温度特性を維持することができる。
特に、X軸周りの回転角度φ1 を−50°〜−60°の範囲に設定し、かつ/又は延長方向Zc1とZ´軸方向との角度θc1を−10°〜+10°の範囲に設定すると、接続部24をより狭い寸法で形成し、それに応じた大きい強度及び剛性を確保できるので、好都合である。しかも、接続部24の側面には、切れ込みや突起が形成されず、形成されても小さいので、切れ込みからクラックが生じたり、突起が破損して振動部に付着しても、実質的に振動部の支持構造及び輪郭振動に影響を及ぼす虞は無い。
また、これらの場合に、Zc2方向の接続部23は、必ずしも必要かつ十分な強度及び剛性が得られるとは限らない。従って、別の実施例では、対向する接続部23の両方又はいずれか一方を省略して、Zc1方向の接続部24のみによる2点支持、又はそれに接続部23を1つだけ加えた3点支持の構造にすることができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば、振動部は、1つの正方形からなる基本波モードであっても、3つ以上の正方形を連ねた方形平板からなる高次モードのものであってもよい。また、本発明は、輪郭すべり振動モードのような、ラーメモード以外の輪郭水晶振動片においても、振動部を輪郭振動の節点で支持部に一体に接続する接続部について同様に適用することができる。
1,21…輪郭水晶振動片、2,22…振動部、3,4,23,24…接続部、5,6,25…支持フレーム、7…基部、8,9…励振電極、11…水晶基板、12,12´…水晶板。
Claims (8)
- 水晶の結晶軸(X,Y,Z)をX軸周りに角度φで回転させて得られた座標軸を(X,Y´,Z´)とし、該座標軸(X,Y´,Z´)をY´軸周りに角度θで回転させて得られた座標軸を(X´,Y´,Z'')とし、IEEE表示の(YXlt)φ/θで表されるカット角で切り出した水晶基板から、方形平板の振動部と、支持フレームと、前記振動部を輪郭振動の節点で前記支持フレームに接続する接続部とを一体に形成し、
前記水晶基板のX軸周りの回転角度φを−40°〜−70°の範囲に設定し、
前記接続部を、その延長方向がZ´軸方向に関して角度θc=−50°〜+50°をなすように配置したことを特徴とする輪郭水晶振動片。 - 前記X軸周りの回転角度φを−50°〜−60°の範囲に、かつ/又は、前記接続部の延長方向とZ´軸方向とのなす角度θcを−10°〜+10°の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載の輪郭水晶振動片。
- 前記振動部が正方形又は複数の正方形を連ねた長方形をなし、前記輪郭振動がラーメモードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の輪郭水晶振動片。
- 前記輪郭振動が輪郭すべり振動であることを特徴とする請求項1又は2に記載の輪郭水晶振動片。
- 前記接続部が前記正方形又は長方形の角部に設けられ、かつ前記角部に隣接する前記正方形又は長方形の各辺に対して等角をなす向きに延長するように配置したことを特徴とする請求項3に記載の輪郭水晶振動片。
- 前記水晶基板をウエットエッチングすることにより前記振動部、前記接続部及び前記支持フレームを一体に外形加工したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の輪郭水晶振動片。
- 前記接続部が、前記振動部の対角位置の2つの角部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の輪郭水晶振動片。
- 前記振動部の前記2つの角部とは異なる対角位置の両方又は一方の角部に追加の接続部を更に有することを特徴とする請求項7に記載の輪郭水晶振動片。
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