JP2008205313A - プラズマ処理装置およびデチャック異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電吸着により載置台に保持された被処理体のデチャック状態を容易にかつ確実に検出することができるプラズマ処理装置およびデチャック異常の検出方法を提供する。
【解決手段】チャンバー1はその内部に、ウエハ2を静電吸着により保持する下部電極3を備えている。ウエハ2と下部電極3との間には、流量制御器12から、バックサイドガス導入路11を通じて熱伝導用のバックサイドガスが輸送される。バックサイドガス導入路11には、バックサイドガス導入路11の圧力を計測する圧力測定器13、及びバックサイドガス導入路11内を減圧する減圧手段14が設けられている。デチャック判定手段16は、下部電極3からウエハ2をデチャックする際に、減圧手段14によりバックサイドガス導入路11内を所定圧力に減圧した後、所定時間内の圧力測定器13の計測結果に基づいて、デチャック異常の有無を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】チャンバー1はその内部に、ウエハ2を静電吸着により保持する下部電極3を備えている。ウエハ2と下部電極3との間には、流量制御器12から、バックサイドガス導入路11を通じて熱伝導用のバックサイドガスが輸送される。バックサイドガス導入路11には、バックサイドガス導入路11の圧力を計測する圧力測定器13、及びバックサイドガス導入路11内を減圧する減圧手段14が設けられている。デチャック判定手段16は、下部電極3からウエハ2をデチャックする際に、減圧手段14によりバックサイドガス導入路11内を所定圧力に減圧した後、所定時間内の圧力測定器13の計測結果に基づいて、デチャック異常の有無を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電吸着により被処理体を保持する載置台を備えるプラズマ処理装置、および、前記載置台において、被処理体が正常にデチャックしたか否かを検出するデチャック異常検出方法に関する。
半導体装置の製造工程において、各種材料膜を形成する成膜工程や、配線やコンタクトホール等を形成する際のドライエッチング工程に、プラズマ処理が多用されている。図7は、このようなプラズマ処理に使用される誘導結合型プラズマ処理装置の一例の概略構成を示す図である。
図7に示すように、プラズマ処理装置100は、気密なチャンバー1の内部に、例えば、半導体ウエハ等の被処理体2(以下、ウエハ2という。)の載置台を兼ねる下部電極3を備える。下部電極3と対向する位置には、電磁波が透過可能な天板21を介して、上部電極6が設けられている。上部電極6は、例えば、平面状コイル等により構成される。下部電極3には、下部電極3に高周波電力を印加する高周波電源4が接続されている。また、上部電極6には、上部電極6に高周波電力を印加する高周波電源7が接続されている。
チャンバー1の側壁には、材料ガスやエッチングガス等のプロセスガスをチャンバー1内に導入するガス導入部9が接続されている。ガス導入部9を通じてチャンバー1内にプロセスガスを導入した状態で、高周波電源7が上部電極6に高周波電力を印加すると、チャンバー1内にプロセスガスのプラズマが生成される。当該プラズマは、下部電極3の外周に設けられた、例えば、石英等の絶縁体からなるフォーカスリング5により、下部電極3上に閉じ込められる。当該プラズマによりウエハ2の表面がプラズマ処理される。このとき、高周波電源4は、バイアスを発生させるために、下部電極3に高周波電力を印加する。なお、チャンバー1内の圧力は、チャンバー1の側壁下部に設けられた排気部8の排気量を調整することにより、所定値に維持されている。
下部電極3上にウエハ2を固定するため、下部電極3には、ウエハ2の面内温度分布、さらには、プラズマ処理レート(成膜レートやエッチングレート)の均一性を向上させるために、静電吸着電極が採用されている。公知のように、静電吸着電極は、電極が例えばポリイミド製の薄膜で挟持された構造を有している。当該電極に、直流高圧電源10から高圧直流電力を印加すると、下部電極3(静電吸着電極)の表面上に載置されたウエハ2が電気吸着力(静電吸着力)によって下部電極3に吸着保持される。それと同時に、静電吸着電極では、例えば、Heといった、不活性の媒体ガス(以下、バックサイドガスという。)が、下部電極3に開口端を有するバックサイドガス導入路11からウエハ2の裏面へ導入される。ウエハ2の裏面及び下部電極3の表面は微視的には完全な平面ではないため、バックサイドガスはその隙間を流れる。これにより、下部電極3が備える温度調整手段(図示せず)により制御されている温度が、バックサイドガスを媒体としてウエハ2に伝播される。このとき、バックサイドガスの圧力(流量)は、ウエハ跳ねが生じない状態に、すなわち、直流高圧電源10が印加する直流高圧電力による電気吸着力に抗して、ウエハが下部電極3の表面から離脱しない範囲に調整される。
以上のようにウエハ2を下部電極3に固定した状態で、ウエハ2の裏面にバックサイドガスを供給することで、ウエハ2の表面温度がウエハ面内で均一に制御される。これにより、所望のプラズマ処理(エッチング形状や成膜膜厚)、及びウエハ面内におけるプラズマ処理の均一性を確保している。
バックサイドガスの流量及び圧力と電気吸着力とのバランスは、プラズマ処理中に常に監視されており、バックサイドガスの圧力(流量)が調整されている。バックサイドガス導入路11内の圧力は、バックサイドガス導入路11に接続された圧力測定器13により計測される。バックサイドガスを収容したボンベ(図示せず)とバックサイドガス導入路11との間には、例えばマスフローコントローラー等の流量制御器12が介在されている。流量制御器12は、圧力測定器13の計測結果に基づいて、バックサイドガス導入路11に供給するバックサイドガスの流量を制御する。これによりバックサイドガスの圧力(流量)が調整される。
ウエハ2のプラズマ処理が完了すると、直流高圧電源10が直流高圧電力の印加を停止する、あるいは、印加する直流高圧電力を減少させることにより、下部電極3とウエハ2との間の電気吸着力が弱められる(以下、デチャックという。)。その後、リフトピン15が上昇して下部電極3とウエハ2との間に空間が形成される。当該空間にウエハ搬送機構(図示せず)の搬送アームが挿入され、ウエハ2が下部電極3上から外部へ搬出される。
しかしながら、直流高圧電源10が直流高圧電力の印加を停止した直後も、直流高圧電力に起因して発生した電荷はウエハ2から直ちに消失せず、ウエハ2に残留する。このため、直流高圧電源10が直流高圧電力の印加を停止した直後も、比較的大きな電気吸着力が残留する。
比較的大きな電気吸着力が残留していると、リフトピン15によりリフトアップされたウエハ2に電荷が残留して帯電し、ウエハ表面にダメージを与えることがある。また、比較的大きな電気吸着力が残留していると、リフトアップの際に、ウエハずれやウエハ跳ねを生じる可能性もある。この場合、搬送エラーが発生したり、ウエハ2がフォーカスリング5等のチャンバー1内の部材と接触し、チャンバー1内に異物を発生させたりする。さらに、残留している電気吸着力が、リフトアップの突き上げ力より強い場合には、ウエハ割れが発生したりする。このため、リフトアップは、電気吸着力が十分に低下した状態で実施される必要がある。
従来、デチャックは、以下の手順で実施されている。まず、チャンバー1において、高周波電源4、7からの高周波電力の印加、及び直流高圧電源10からの直流高圧電力の印加が停止される。このとき、プロセスガス導入部9からのプロセスガスの導入も停止される。これにより、チャンバー1内でのプラズマの生成が停止されるとともに、排気部8によりチャンバー1内が排気される。次いで、プロセスガス導入部9を通じて、例えばAr等の不活性ガスがチャンバー1内に導入される。このとき、チャンバー1内の圧力は、排気部8の排気量を調整することにより、所定圧力に維持される。その後、高周波電源7より上部電極6に高周波電力が印加され、不活性ガスのプラズマがチャンバー1内に生成される。このとき、高周波電源4による高周波電力の印加、及び直流高圧電源10による直流高圧電力の印加は行われない。
以上の動作を行うことで、直流高圧電力に起因してウエハ2に残留していた電荷は、不活性ガスのプラズマ中に放出される。これにより、直流高圧電力の印加停止後に残留している電気吸着力が弱められる、若しくは消失する。その後、ウエハ2がリフトアップされ、ウエハ2の搬出が開始される。また、ウエハ2に残留している電荷を消失させるために、下部電極3にプラズマ処理中とは逆極性の直流高圧電力を印加する手法が採用されることもある。
一方、デチャック時に電気吸着力が十分に弱まったことを検出するために、デチャック時にバックサイドガスの供給を継続する手法も用いられている。電気吸着力が弱まると、ウエハ2の裏面に供給されたバックサイドガスの作用により、ウエハ2と下部電極3との間の隙間が拡大する。これにより、当該隙間を通じたバックサイドガスの放出量は増大する。例えば、流量制御器12が、バックサイドガス流量を、圧力測定器13で検出されるバックサイドガス圧力が所定値になる状態に調整している場合、電気吸着力が弱まると、バックサイドガス流量は増加する。すなわち、バックサイドガス流量を監視することにより、電気吸着力が弱まったことを検出することができる。
さらに、電気吸着力が弱まったこと検出する手法として、特許文献1には、音波を利用した手法が提案されている。当該手法では、リフトピン15に音響発生器を取り付け、音波がウエハに吸収されるか否かにより電気吸着力が弱まったか否かを判定している。
特表2004-534384号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、リフトピン15に音響発生器を取り付ける必要がある。このように、電気吸着力が弱まったか否かを判定するための検出器を設置する手法は、設備自体が複雑になる。また、設備のレイアウトやコストの観点で、現実的に設置が困難な場合も想定される。さらに、プラズマ処理に寄与しない機器をプラズマ処理装置に組み込むことにより、装置の制御ソフト上のバグが発生してウエハ処理ができなくなったり、制御シーケンスが複雑になることで、動作不良を起こす可能性もある。加えて、音響発生器と下部電極の経路上に音波を吸収するものや音波を増幅させるものがあると、誤検知を生じる可能性もある。また、高周波電力や直流高圧電力が音響発生器に印加される状況が発生した場合には、上部電極及び下部電極の実効出力が低下したり、音響発生器自体が故障したりする可能性もある。このため、プラズマ処理に寄与しない機器をプラズマ処理装置に設けることは好ましくない。
一方、このような音響発生器等を取り付けなかった場合は、電気吸着力の経時変化を評価する必要がある。このような評価は、残留電荷の経時変化を計測することで実施可能である。しかしながら、当該手法による評価では、電気吸着力の定量的な判断が困難であるため、電気吸着力が十分に低下したと看做す時間を決定したとしても、その時間にはマージンが多く含まれる。そのマージンが広ければ広いほど、TAT(Turn Around Time)が増大し、生産性が悪化することになる。また、このような評価を、残留電荷除去条件(例えば、不活性ガスプラズマの生成条件等)ごとに実施するには多大な時間を要する。
さらに、上述のように、バックサイドガスの流量変化を検出する手法では、デチャック完了検出に適したバックサイドガス圧力や、電気吸着力が十分に低下したと看做すバックサイドガス流量を実験的に決定するための評価が必要である。このようなバックサイドガス圧力およびバックサイドガス流量は、残留電荷除去条件に依存して変動するため、当該評価にも多大な時間を要する。
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、静電吸着により載置台に保持された被処理体のデチャック状態を容易にかつ確実に検出することができるプラズマ処理装置およびデチャック異常の検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の技術的手段を採用している。まず、本発明に係るプラズマ処理装置は、被処理体に対してプラズマ処理を行う処理室を備える。処理室はその内部に、被処理体を静電吸着により保持する載置台を備える。被処理体と載置台との間には、ガス供給源から、ガス供給路を通じて熱伝導用の媒体ガスが輸送される。ガス供給路には、ガス供給路内の圧力を計測する圧力測定器が設けられるとともに、ガス供給路内を減圧する減圧手段が設けられている。そして、本装置は、載置台から被処理体をデチャックする際に、上記減圧手段によりガス供給路内を所定圧力に減圧した後、所定時間内の圧力測定器の計測結果に基づいて、デチャック異常の有無を判定する判定手段を備える。
判定手段は、減圧後、所定時間内のガス供給路内の圧力と予め設定された閾値とを比較することにより、デチャック異常の有無を判定する構成とすることができる。また、判定手段は、減圧後、所定時間内のガス供給路内の圧力変動量と予め設定された閾値とを比較することにより、デチャック異常の有無を判定する構成とすることもできる。なお、上記所定圧力は、処理室内の圧力と略同一の圧力とすることができる。
本構成によれば、被処理体と載置台との間の電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。
上記構成において、減圧後、上記所定時間の間、ガス供給源がガス供給路内に所定量の媒体ガスを供給する構成としてもよい。これにより、被処理体の残留電荷除去処理中に被処理体からのガス放出量が少ない場合であっても、電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。
また、上記プラズマ処理装置は、被処理体が載置台に載置された際に、ガス供給路内に媒体ガスが供給された状況下で圧力測定器により計測されたガス供給路内の圧力に基づいて、チャック異常の有無を判定する判定手段をさらに備えてもよい。さらに、上記プラズマ処理装置は、被処理体が載置台に載置されていない状況下で、圧力測定器により計測されたガス供給路内の圧力と、処理室内の圧力とが同一となる状態に圧力測定器の校正を行う校正手段をさらに備えてもよい。
一方、他の観点では、本発明は、処理室内で、静電吸着により載置台に保持された被処理体を、載置台からデチャックする際の異常を検出するデチャック異常検出方法を検出することができる。すなわち、本発明に係るデチャック異常検出方法は、まず、処理室内を所定圧力に減圧する。次いで、被処理体と載置台との間に、熱伝導用の媒体ガスを供給するガス供給路内を、上記所定圧力と略同一の圧力に減圧する。続いて、ガス供給路内を減圧した後、ガス供給路内の圧力を計測する。そして、ガス供給路内を減圧した後、所定時間内に計測された圧力に基づいて、デチャック異常の有無を判定する。
本構成において、デチャック異常の有無は、例えば、所定時間内に計測された圧力と予め設定された閾値とを比較することにより判定する構成を採用することができる。また、デチャック異常の有無は、所定時間内に計測された圧力の変動量と予め設定された閾値とを比較することにより判定する構成を採用することができる。
本発明では、バックサイドガスを被処理体に供給するガス供給管内の圧力の変動に基づいて電気吸着力の低下を検出する。当該圧力変動は、電気吸着力が十分に低下しない場合に発生するため、デチャック異常を速やかに検出することが。また、本発明では、ガス供給管内の圧力を残留電荷除去時の処理室内の圧力と略同等の圧力とした状況下でデチャック異常を検出する構成である。このため、ガス供給管内の圧力に対する異常判定のための閾値は、当該状況下のみで決定すればよい。すなわち、多大な時間を要することなく閾値を設定することができる。この結果、本発明によれば、被処理体と載置台との間の電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、誘導結合型プラズマ処理装置として本発明を具体化している。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。図1に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置20は、図7に示したプラズマ処理装置100とほぼ同様の構成を有している。このため、図7に示した従来のプラズマ処理装置100と同一の要素には同一の符号を付し、以下での説明は省略する。なお、図1では、模式的に、下部電極3の表面の1箇所にバックサイドガス導入路11の開口端を示しているが、バックサイドガス導入路11の開口端は下部電極3の表面の複数箇所に設けられている。
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。図1に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置20は、図7に示したプラズマ処理装置100とほぼ同様の構成を有している。このため、図7に示した従来のプラズマ処理装置100と同一の要素には同一の符号を付し、以下での説明は省略する。なお、図1では、模式的に、下部電極3の表面の1箇所にバックサイドガス導入路11の開口端を示しているが、バックサイドガス導入路11の開口端は下部電極3の表面の複数箇所に設けられている。
図1に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置20は、図7に示したプラズマ処理装置100の構成に加えて、バックサイドガス導入路11(ガス供給路)内を減圧する減圧手段14を備えている。減圧手段14は、圧力測定器13により計測される圧力値が所定の圧力値となる状態に、バックサイドガス導入路11内を減圧する。また、プラズマ処理装置20は、圧力測定器13が計測した圧力に基づいて、デチャック異常の有無を判定するデチャック異常判定手段16を備えている。
さて、本実施形態のプラズマ処理装置20では、まず、従来と同様にウエハ2に対して、プラズマ処理が行われる。上述のように、プラズマ処理時には、バックサイドガス(媒体ガス)がウエハ2(被処理体)の裏面に供給される。このため、流量制御器12(ガス供給源)とバックサイドガス導入路11との間に介在されたバルブ31は開放され、減圧手段14とバックサイドガス導入路11との間に介在されたバルブ32が閉鎖されている。
プラズマ処理が完了すると、以下の手順によりデチャックが行われる。まず、チャンバー1において、高周波電源4、7からの高周波電力の印加、及び直流高圧電源10からの直流高圧電力の印加が停止される。次いで、バルブ31が閉鎖され、バルブ32が開放される。そして、当該状態で、バックサイドガス導入路11内が減圧される。このとき、プロセスガス導入部9からのプロセスガスの導入は停止されず、排気部8によりチャンバー1内は所定圧力に維持されている。
圧力測定器13の計測値がチャンバー1内の圧力とほぼ同圧力になると、減圧手段14によるバックサイドガス導入路11の減圧が停止される。そして、高周波電源7により上部電極6に高周波電力が印加される。これにより、チャンバー1内にプラズマが生成される。このとき、高周波電源4による高周波電力の印加、直流高圧電源10による直流高圧電力の印加、及び流量制御器12によるウエハ2裏面へのバックサイドガスの供給は行われない。
このとき、ウエハ2の裏面からデガスが発生する。当該デガスは、プラズマ処理によりウエハ2が加熱されたことに起因して発生するものである。当該デガスの発生により、ウエハ2の裏面側の圧力は上昇する。このとき、ウエハ2と下部電極3との間の電気吸着力が弱くなっている、若しくは消失していると、ウエハ2と下部電極3との間の隙間が拡大する。そして、ウエハ2の裏面で発生したデガスは当該隙間を通じてチャンバー1内へ放出される。この場合、圧力測定器13にて計測されるバックサイドガス圧力は上昇しない。一方、ウエハ2と下部電極3との間の電気吸着力が比較的強い場合、ウエハ2の裏面で発生したデガスがチャンバー1へ放出されない。このため、圧力測定器13にて計測されるバックサイドガス圧力は上昇する。したがって、バックサイドガス圧力を計測することにより、電気吸着力の強弱(以下、デチャックの状態という)を検出することができる。
図2は、プラズマ処理開始前、プラズマ処理中、及びプラズマ処理後(デチャック時)のバックサイドガス圧力を示す図である。図2において、縦軸はバックサイドガス圧力に対応し、横軸は時間に対応する。なお、バックサイドガス圧力は、圧力測定器13により計測された圧力値である。
上述のように、プラズマ処理が開始されると、まず、チャンバー1内にはガス導入部9からプロセスガス導入されるとともに、排気部8によりチャンバー1内が所定圧力に維持される。ここでは、チャンバー1内の圧力が、例えば30Pa程度に維持されている。また、上述のように、プラズマ処理中には、バックサイドガスがウエハ2の裏面に供給される。このため、下部電極3上にウエハ2が載置された後、チャンバー1内にプラズマが生成されるまでの間に、流量制御器12により所定流量のバックサイドガスがバックサイドガス導入路11に供給され、バックサイドガス圧力が所定圧力に維持される。ここでは、バックサイドガス圧力が、1000Pa程度に上昇されて維持される(図2 時刻t1)。
チャンバー1内の圧力及びバックサイドガス圧力が、設定値に到達するとプラズマが生成され、ウエハ2に対してプラズマ処理が実施される。バックサイドガス圧力は、プラズマ処理中も所定圧力(ここでは、1000Pa)に維持されている。
プラズマ処理が完了すると、上述のように、プラズマの生成が停止されるとともに、チャンバー1内へのプロセスガスの導入が継続された状態で、チャンバー1内の圧力が所定圧力に維持される。ここでは、チャンバー1内の圧力が20Pa程度に維持されている。このとき、バルブ31が閉鎖されるとともに、バルブ32が開放されて減圧手段14によるバックサイドガス導入路11内の減圧が開始される(図2 時刻t2)。そして、バックサイドガス圧力が、チャンバー1内の圧力と同程度に到達したときにバルブ32が閉鎖され、バックサイドガス導入路11の減圧が停止される。ここでは、バックサイドガス圧力が22Paに到達したときにバックサイドガス導入路11の減圧を停止している(図2 時刻t3)。このとき、上部電極6には高周波電源7により高周波電力が印加され、チャンバー1内にプラズマが生成される。これにより、ウエハ2に残留している電荷が除去される。
図3は、デチャック時のバックサイドガス圧力と時間との関係を示す図である。図3において、縦軸がバックサイドガス圧力に対応し、横軸が時間に対応する。なお、図3に示す関係は、図2の時刻t3以降に相当する。図3では、時刻t3を0秒としている。また、図3では、正常にデチャックされた場合のバックサイドガス圧力を実線で示し、正常にデチャックされなかった場合のバックサイドガス圧力を破線で示している。
図3に示すように、正常時、すなわち、電気吸着力が十分弱くなっている、若しくは消失している場合、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、バックサイドガス圧力は、デガスの発生により4Pa程度上昇する。その後、バックサイドガス圧力は時間の経過とともに徐々に低下する。これに対し、異常時、すなわち、電気吸着力が十分弱くなっていない場合、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、バックサイドガス圧力は、デガスの発生により15Pa程度上昇する(時刻 3秒)。そして、その後も、バックサイドガス圧力は低下せず、上昇後の圧力値が持続されている。このように、正常時と異常時では、バックサイドガス圧力の上昇度が異なるのである。したがって、正常時と異常時とを識別可能な閾値をバックサイドガス圧力に対して設定することで、デチャック異常を検出することができる。
当該閾値は、例えば、図3に点線で示すように、35Pa程度にすることができる。この場合、バックサイドガス導入路11の減圧を停止した後、所定時間(ここでは、7秒)が経過するまでの間に、バックサイドガス圧力が閾値を超えなければ、デチャックが正常に完了した(電気吸着力が十分に弱まった)と判断することができる。また、本実施形態によれば、バックサイドガス圧力が閾値を超えた時点で、ウエハ2の電荷が十分に除去されていないと判断することができる。このため、追加の電荷除去処理等を速やかに開始することができる。
なお、上述のように、バックサイドガス導入路11内の圧力上昇は、ウエハ2と下部電極3との間の電気吸着力が十分に低下していない場合に発生する。また、本実施形態では、減圧されたバックサイドガス導入路11内の圧力は、チャンバー1内の圧力と同程度であり、複数の条件に対して閾値を求める必要がない。したがって、当該閾値は、比較的短時間で、実験的に定めることができる。
本実施形態では、デチャック異常判定手段16にバックサイドガス圧力の閾値及び判定期間が格納されている。そして、デチャック異常判定手段16は、減圧手段14からバックサイドガス導入路11の減圧が完了した旨の通知を受けると、当該閾値と圧力測定器13の計測結果との比較を開始する。判定期間を通じて圧力測定器13の計測結果が閾値以下であった場合、デチャック異常判定手段16はデチャックが正常に完了したと判定する。また、判定期間内に圧力測定器13の計測結果が閾値を超えた場合、デチャック異常判定手段16は、デチャック異常であると判定する。
デチャックが正常に完了したと判定した場合、デチャック異常判定手段16は、リフトピン15の上昇を指示するとともに、図示しないウエハ搬送機構にウエハ2の搬出を指示する。また、デチャック異常であると判定した場合、デチャック異常判定手段16は、追加の電荷除去処理等を指示する。
以上説明したように、本実施形態によれば、被処理体と載置台との間の電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。なお、上記では、バックサイドガス圧力が所定値(ここでは、チャンバー1内の圧力)となったときに減圧を停止する構成について説明した。しかしながら、減圧手段14は、バックサイドガス圧力が所定値になった後も、バックサイド圧力を所定値に維持する構成であってもよい。この場合、異常時には、減圧手段14の排気量が増大する。したがって、デチャック異常を検出するための閾値は、減圧手段14の排気量(排気流量)に対して設定される。この場合であっても、上述の効果を得ることが可能である。
また、上記では、デチャック開始時に、プロセスガスの導入を停止することなく、チャンバー内を所定圧力に維持したが、プロセスガスに代えて不活性ガスを導入し、チャンバー内を所定圧力に維持してもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、バックサイドガス圧力に閾値を設定したが、バックサイドガス圧力の変化量(傾き)に閾値を設定しても、デチャック状態を確認することができる。
第1の実施形態では、バックサイドガス圧力に閾値を設定したが、バックサイドガス圧力の変化量(傾き)に閾値を設定しても、デチャック状態を確認することができる。
図4は、デチャック時のバックサイドガス圧力の変化量(以下、バックサイドガス圧力変化量という。)と時間との関係を示す図である。図4において、縦軸がバックサイドガス圧力変化量に対応し、横軸が時間に対応する。図4では、図3と同様、図2の時刻t3を0秒としている。また、図4では、正常時のバックサイドガス圧力変化量を実線で示し、異常時のバックサイドガス圧力変化量を破線で示している。
図4に示すように、正常時は、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、バックサイドガス圧力変化量は、”3”まで上昇した後、ゼロまたは負の値を示している。これに対し、異常時は、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、バックサイドガス圧力変化量は、”8”まで上昇した後、ゼロまたは正の値を示している。このように、正常時は、デガスの発生により一時的にバックサイドガス圧力変化量は正になる。その後は、ウエハ2と下部電極3との間の隙間よりバックサイドガスがチャンバー1内へ放出されるため、バックサイドガス圧力変化量は負になる。これに対し、異常時は、デガスがチャンバー1内へ放出されないためバックサイドガス圧力変化量は正であり続ける。したがって、正常時と異常時とを識別可能な閾値をバックサイドガス圧力変化量に対して設定することで、デチャック異常を検出することができる。当該閾値は、例えば、図4に点線で示すように、”5”程度にすることができる。この場合、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、所定時間(ここでは7秒)が経過するまでの間に、バックサイドガス圧力変化量が閾値を超えなければ、デチャックが正常に完了したと判断することができる。なお、第1の実施形態と同様に、当該閾値は、比較的短時間で、実験的に定めることができる。
本実施形態では、デチャック異常判定手段16にバックサイドガス圧力変化量の閾値及び判定期間が格納されている。そして、デチャック異常判定手段16は、減圧手段14からバックサイドガス導入路11の減圧が完了した旨の通知を受信すると、当該閾値とバックサイドガス圧力変化量との比較を開始する。なお、バックサイドガス圧力変化量は、圧力測定器13が計測した圧力値から、直前に計測された圧力値を差し引くことで求められる。当該演算は、圧力測定器13が行ってもよく、デチャック異常判定手段16が行ってもよい。判定期間を通じて、バックサイドガス圧力変化量が閾値以下であった場合、デチャック異常判定手段16はデチャックが正常に完了したと判定する。また、判定期間内に、バックサイドガス圧力変化量が閾値を超えた場合、デチャック異常判定手段16は、デチャック異常であると判定する。
デチャックが正常に完了したと判定した場合、デチャック異常判定手段16は、リフトピン15の上昇を指示するとともに、図示しないウエハ搬送機構にウエハ2の搬出を指示する。また、デチャック異常であると判定した場合、デチャック異常判定手段16は、追加の電荷除去処理等を指示する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、被処理体と載置台との間の電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。同様に、減圧手段14が、バックサイドガス圧力が所定値になった後も、バックサイド圧力を所定値に維持する構成である場合には、減圧手段14の排気量(排気流量)の変化量に対して閾値を設定してもよい。
(第3の実施形態)
上記第1及び第2の実施形態では、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、ウエハ2からのデガスの発生を利用して、デチャック異常を検出した。しかしながら、ウエハ2からのデガスの発生量が少ない場合、検出精度が低下する可能性がある。この場合、バックサイドガス導入路11の減圧停止後に、バルブ32を閉鎖するとともに、バルブ31を開放し、流量制御器12によりバックサイドガス導入路11にバックサイドガスを供給する構成を採用してもよい。これにより、ウエハ2からのデガスの発生量が少ない状況下でも、被処理体と載置台との間の電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。
上記第1及び第2の実施形態では、バックサイドガス導入路11の減圧停止後、ウエハ2からのデガスの発生を利用して、デチャック異常を検出した。しかしながら、ウエハ2からのデガスの発生量が少ない場合、検出精度が低下する可能性がある。この場合、バックサイドガス導入路11の減圧停止後に、バルブ32を閉鎖するとともに、バルブ31を開放し、流量制御器12によりバックサイドガス導入路11にバックサイドガスを供給する構成を採用してもよい。これにより、ウエハ2からのデガスの発生量が少ない状況下でも、被処理体と載置台との間の電気吸着力が十分に低下するか否かを容易にかつ短時間で検出することができる。
本実施形態は、下部電極3にプラズマ処理中とは逆極性の直流高圧電力を印加する手法によりウエハに残留した電荷を除去する場合に特に好適である。
(第4の実施形態)
また、上記第1及び第2の実施形態で説明したデチャック状態の検出は、ウエハ2が下部電極3上に正常にチャックされていることが前提である。ここで、チャックとは、ウエハ2が電気吸着力により下部電極3に保持されている状態を指す。このため、上述のプラズマ処理装置は、ウエハ2が下部電極3上に正常にチャックされているか否かを検出するチャック異常判定手段を備えることが好ましい。
また、上記第1及び第2の実施形態で説明したデチャック状態の検出は、ウエハ2が下部電極3上に正常にチャックされていることが前提である。ここで、チャックとは、ウエハ2が電気吸着力により下部電極3に保持されている状態を指す。このため、上述のプラズマ処理装置は、ウエハ2が下部電極3上に正常にチャックされているか否かを検出するチャック異常判定手段を備えることが好ましい。
図5は、本発明の第4の実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。図5に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置30は、図1に示したプラズマ処理装置20とほぼ同様の構成を有している。このため、図1に示した従来のプラズマ処理装置20と同一の要素には同一の符号を付し、以下での説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置30は、図1に示したプラズマ処理装置20の構成に加えて、圧力測定器13が計測した圧力に基づいて、チャック異常の有無を判定するチャック異常判定手段17を備えている。ここで、チャック異常とは、下部電極に対するウエハ2の配置ずれや、下部電極3表面またはウエハ2裏面への異物付着を指す。チャック異常判定手段17は、下部電極3上にウエハ2が載置されたときに、流量調整器12からバックサイドガス導入路11内にバックサイドガスが供給された状況下で動作する。以下、チャック異常判定手段17の動作を説明する。
上述のように、図示しないウエハ搬送機構により下部電極3上にウエハ2が載置されると、直流高圧電源10が下部電極3(静電吸着電極)に高圧直流電力を印加する。これにより、下部電極3(静電吸着電極)の表面上に載置されたウエハ2が電気吸着力(静電吸着力)によって下部電極3に吸着保持される。それと同時に、流量制御部12が、バックサイドガス導入路11に、バックサイドガスの供給を開始する。チャック異常判定手段17は、流量制御部12から、バックサイドガスの供給を開始した旨の通知を受けると、圧力測定器13により計測されたバックサイドガス圧力の監視を開始する。
正常にチャックされた場合、バックサイドガス圧力は、流量制御部12によるバックサイドガスの供給にともなって徐々に上昇する(図2の時刻t1以前参照。)。これに対し、チャック異常が発生した場合には、バックサイドガス圧力は上昇しない。例えば、極端な配置ずれが発生している場合、バックサイドガス導入路11の開口端とウエハ2の端部との距離が正常にチャックされた場合に比べて小さくなる。また、極端な配置ずれが発生した場合には、バックサイドガス導入路11の開口端がチャンバー1内に直接露出することになる。また、ウエハ2と下部電極3との間に異物が介在した場合には、ウエハ2と下部電極3との間の隙間が正常にチャックされたときよりも大きくなる。したがって、チャンバー1内に放出されるバックサイドガスが多くなるため、バックサイドガス圧力が上昇しなくなる。
このように、本実施形態によれば、プラズマ処理前からバックサイドガス圧力(流量)を監視するため、ウエハ2が下部電極3上に正常にチャックされているか否かを確認することができる。また、上記構成に加えて、チャック異常判定手段17は、ウエハが下部電極上に載置される前から、極微量のバックサイドガスを供給し、バックサイドガス圧力の監視を行う構成であってもよい。この場合、ウエハ2が下部電極3上に正常に載置されると、ウエハ2を載置する前後でバックサイドガス圧力は変動する。すなわち、ウエハ2載置前のバックサイドガス圧力に比べて、ウエハ2載置後のバックサイドガス圧力は大きくなる。一方、バックサイドガス導入路11のリーク、圧力測定器13の故障、あるいは流量制御器12の故障などが発生していると、下部電極3にウエハ2を載置する前後で、バックサイドガス圧力が変動しない。したがって、本構成によれば、さらに、バックサイドガス導入路11のリーク、圧力測定器13の故障、あるいは流量制御器12の異常を検知することができる。
(第5の実施形態)
また、上記第1及び第2の実施形態で説明したデチャック状態の検出は、圧力測定器13の計測値に基づいて行っている。このため、同一の圧力を計測した際の、チャンバー1内の圧力を検出する圧力測定器の計測値と、圧力測定器13の計測値とにズレが生じていると、デチャック状態を精度よく検出することができない。また、このようなズレが発生していると、プラズマ処理中の下部電極3の電気吸着力とバックサイドガス圧力とのバランスが崩れ、ウエハ跳ね等を引き起こす可能性もある。このため、上述のプラズマ処理装置は、ウエハ2が下部電極3に載置されていない状況下で、圧力測定器13の計測値と、チャンバー1内の圧力を計測する圧力測定器の計測値とを一致させる校正手段を備えることが好ましい。
また、上記第1及び第2の実施形態で説明したデチャック状態の検出は、圧力測定器13の計測値に基づいて行っている。このため、同一の圧力を計測した際の、チャンバー1内の圧力を検出する圧力測定器の計測値と、圧力測定器13の計測値とにズレが生じていると、デチャック状態を精度よく検出することができない。また、このようなズレが発生していると、プラズマ処理中の下部電極3の電気吸着力とバックサイドガス圧力とのバランスが崩れ、ウエハ跳ね等を引き起こす可能性もある。このため、上述のプラズマ処理装置は、ウエハ2が下部電極3に載置されていない状況下で、圧力測定器13の計測値と、チャンバー1内の圧力を計測する圧力測定器の計測値とを一致させる校正手段を備えることが好ましい。
図6は、本発明の第5の実施形態におけるプラズマ処理装置の断面図である。図5に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置40は、図1に示したプラズマ処理装置20とほぼ同様の構成を有している。このため、図1に示した従来のプラズマ処理装置20と同一の要素には同一の符号を付し、以下での説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態のプラズマ処理装置40は、図1に示したプラズマ処理装置20の構成に加えて、圧力測定器13の計測値と、チャンバー1内の圧力を計測する圧力測定器19の計測値とを一致させる校正手段18を備えている。なお、圧力測定器19は、チャンバー1内を所定圧力にするために排気部8の排気量を調整する際にチャンバー1内の圧力の計測等に使用される。したがって、圧力測定器19は、本実施形態に特有の校正ではなく、プラズマ処理装置が通常備えている測定器である(図1、図5、図7では図示を省略している。)。
校正手段18は、下部電極3上にウエハ2が載置されていない状況下で動作する。このとき、校正手段18は、圧力測定器13及び圧力測定器19の計測値を取得し、両計測値を比較する。そして、両計測値の差が予め設定されている許容範囲を超えていると、例えば、圧力測定器13の計測値が圧力測定器19の計測値に一致するように、圧力測定器13に補正値を設定する。当該補正値が設定されると、圧力測定器13は、以降、当該補正値を反映した値を圧力値として出力する。なお、両計測値の差が予め設定されている許容範囲内である場合、校正手段18は、圧力測定器13に補正値を設定することなくその動作を終了する。
これにより、圧力測定器13の計測値と圧力測定器19の計測値との間にズレが発生することを防止できる。この結果、デチャック異常判定手段16により、精度よくデチャック異常を検出することが可能となる。また、プラズマ処理中の下部電極3の電気吸着力とバックサイドガス圧力とのバランスが崩れ、ウエハ跳ね等が生じることも防止できる。なお、校正手段18は、例えば、生産単位(1バッチ)のウエハ2に対するプラズマ処理が開始される前や、図示しないウエハ搬送機構によりウエハ2が搬入出される際に動作する。また、校正手段18による補正値の設定は、チャンバー1内の圧力が、プラズマ処理が実施される所定圧力に維持された状況下で実施されることが好ましい。加えて、上記補正値の設定は、単一の圧力値に限らず複数の圧力値に対して設定されてもよい。
なお、本発明は、以上で説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲において、種々の変形及び応用が可能である。上記各実施形態では、誘導結合型プラズマ処理装置を例示したが、本発明は、マイクロ波プラズマ処理装置、平行平板プラズマ処理装置など、プラズマ源に依存せず適用可能である。また、本発明は、プラズマエッチング装置に限らず、プラズマ処理室内に配置された被加工体をプラズマ処理するいかなるプラズマ処理装置に対しても適用可能である。
なお、デチャック異常判定手段16、チャック異常判定手段17、及び校正手段18は、例えば、専用の演算回路や、プロセッサとRAMやROM等のメモリとを備えたハードウェア、および当該メモリに格納され、プロセッサ上で動作するソフトウェア等として実現することができる。
本発明は、被加工体が正常にデチャックされるか否かを容易にかつ短時間で検出することができるという効果を有し、プラズマ処理装置およびデチャック異常検出方法として有用である。
1 チャンバー
2 ウエハ(被処理体)
3 下部電極(載置台)
4 高周波電源
5 フォーカスリング
6 上部電極
7 高周波電源
8 排気部
9 プロセスガス導入部
10 直流高圧電源
11 バックサイドガス導入路
12 流量制御器
13 圧力測定器
16 デチャック異常判定手段
17 チャック異常判定手段
18 校正手段
2 ウエハ(被処理体)
3 下部電極(載置台)
4 高周波電源
5 フォーカスリング
6 上部電極
7 高周波電源
8 排気部
9 プロセスガス導入部
10 直流高圧電源
11 バックサイドガス導入路
12 流量制御器
13 圧力測定器
16 デチャック異常判定手段
17 チャック異常判定手段
18 校正手段
Claims (10)
- 処理室内に配置された被処理体のプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
被処理体に対してプラズマ処理を行う処理室と、
前記処理室内で前記被処理体を静電吸着により保持する載置台と、
前記被処理体と前記載置台との間に、熱伝導用の媒体ガスを輸送するガス供給路と、
前記ガス供給路に前記触媒ガスを供給するガス供給源と、
前記ガス供給路内の圧力を計測する圧力測定器と、
前記ガス供給路内を減圧する減圧手段と、
前記載置台から前記被処理体をデチャックする際に、前記減圧手段により前記ガス供給路内を所定圧力に減圧した後、所定時間内の前記圧力測定器の計測結果に基づいて、デチャック異常の有無を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記判定手段が、減圧後、所定時間内の前記ガス供給路内の圧力と予め設定された閾値とを比較することにより、デチャック異常の有無を判定する、請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記判定手段が、減圧後、所定時間内の前記ガス供給路内の圧力変動量と予め設定された閾値とを比較することにより、デチャック異常の有無を判定する、請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記所定圧力が、前記処理室内の圧力と略同一である請求項1から3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 減圧後、前記所定時間の間、前記ガス供給源が前記ガス供給路内に所定量の前記媒体ガスを供給する請求項1から3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記被処理体が前記載置台に載置された際に、前記ガス供給路内に前記媒体ガスが供給された状況下で前記圧力測定器により計測された前記ガス供給路内の圧力に基づいて、チャック異常の有無を判定する判定手段をさらに備えた請求項1から3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記被処理体が前記載置台に載置されていない状況下で、前記圧力測定器により計測された前記ガス供給路内の圧力値と、前記処理室内の圧力値とが同一となる状態に前記圧力測定器の校正を行う校正手段をさらに備えた請求項1から3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 処理室内で、静電吸着により載置台に保持された被処理体を、前記載置台からデチャックする際の異常を検出するデチャック異常検出方法であって、
前記処理室内を所定圧力に減圧するステップと、
前記被処理体と前記載置台との間に、熱伝導用の媒体ガスを供給するガス供給路内を、前記所定圧力と略同一の圧力に減圧するステップと、
前記ガス供給路内を減圧した後、前記ガス供給路内の圧力を計測するステップと、
前記ガス供給路内を減圧した後、所定時間内に計測された前記圧力に基づいて、デチャック異常の有無を判定するステップと、
を含むことを特徴とするデチャック異常の検出方法。 - デチャック異常の有無が、前記所定時間内に計測された圧力と予め設定された閾値とを比較することにより判定される、請求項8記載のデチャック異常の検出方法。
- デチャック異常の有無が、前記所定時間内に計測された圧力の変動量と予め設定された閾値とを比較することにより判定される、請求項8記載のデチャック異常の検出方法。
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-
2007
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