JP2008205102A - 半導体装置用テープキャリアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この製造方法は、絶縁性フィルム基板1上に形成された銅層2上にドライフィルムレジストを貼着してレジスト膜6を形成する工程と、前記レジスト膜6を露光・現像して、配線パターン形成用の配線レジストパターン7を形成すると共に、前記ドライフィルムレジストの解像限界のパターン寸法を有する検査用レジストパターン8を形成する工程と、前記検査用レジストパターン8を用いて前記配線レジストパターン7の解像度検査を行う工程と、前記配線レジストパターン7をパターン形成用レジストとして用いて配線パターン13を形成する工程とを含んでいる。
【選択図】 図1
Description
そのようなCOF用TABテープは、ポリイミド樹脂フィルムからなる絶縁性基板51の片面上に、Cr等(図示省略)を介してCuめっきなどにより銅層52を形成し、他の片面上には、製造工程中における搬送を容易なものとするために、接着剤層等(図示省略)を介して補強フィルム53を貼り付けたものを用意し、フォトエッチングプロセスを用いたサブトラクティブ法により銅層52をパターン加工することによって、その配線パターンを中心とした主要部が製造される。
しかも、近年では生産性の向上を図るために、105mm以上のような幅広のキャリアテープが用いられるようになってきており、そのような広い幅(あるいは広い面積;以下同様)に亘って精確に均一な膜厚の液状レジストを塗付することは、さらに困難なものとなりつつある。
そこで、特にそのような幅広のキャリアテープの場合には、ドライフィルムレジストを好適に用ることができるものと考えられる。ドライフィルムレジストは、一般に、予め極めて精確に均一な膜厚に形成され、キャリアテープ上の銅箔にラミネートして用いられるので、銅箔上に塗布して用いられる液状レジストの場合とは対照的に、広い幅に亘って精確に均一な膜厚を確保することが可能だからである。
このようなレジストパターンの寸法誤差や画線再現性不良等の要因によって、従来の半導体装置用テープキャリアの製造方法においては、超微細配線パターンを有する半導体装置用テープキャリアを安定的に製造することが困難となり、延いてはその製造コストの低廉化や製造工程における材料資源的および時間的な無駄の削減化が、著しく妨げられてしまうという問題があった。
また、上記のような超微細配線パターンの寸法や形状等を迅速かつ精確に検査することは容易ではないという問題があった。
図1は、この半導体装置用テープキャリアの製造方法における主要な各工程を示す断面図、図2は、その主要な流れを示す図、図3は、この製造方法で用いられるレジスト露光用マスクのマスクパターンを示す図、図4は、図3に示したマスクパターンのうち、検査用レジストパターンの部分を特に抽出し拡大して示す図、図5は、本発明の実施例で確認された工程能力Cpk向上の具体的数値を示す図である。
絶縁性フィルム基板1は、例えばポリイミド樹脂フィルムなどからなる一般的な材質のキャリアテープで構わない。但し、生産性の向上を図るために、そのフィルム幅(テープ幅)は105mm以上であることが望ましい。
銅層2は、絶縁性フィルム基板1の表面上に、例えばCrスパッタ層(図示省略)を介して銅めっきなどにより形成することが可能である。
この銅付絶縁基材4では、銅層2の厚さを12μm以下とすることが望ましい。これは、微細配線を形成するためには銅厚を12μm以下とすることが有効だからである。例えば、銅めっきの積み上げが、微細配線のピッチ30μm(銅配線幅:15μm、スペース:15μm)の形成の限界値であり、それ以上厚いと微細配線の直線性が無くなり、欠陥(配線の欠け、細り、太り)が多くなり、歩留まりが悪くなり、製造が不可能になるためである。また、銅層の厚みは、0.1μm以上にすることがより望ましい。銅層の厚みを0.1μm未満とすると、銅層にピンホールが多発する。そこで、銅層の厚みを0.1μm以上にすることで効果的にピンポールを抑制することができる。
また、一般に半導体装置用テープキャリアは屈曲させて使用される場合が多いので、この銅付絶縁基材4においても、絶縁性フィルム基板1の厚さを50μm以下、さらには38μm以下とすることが望ましい。
ここで、この銅層2の厚さの下限値は、この銅箔2自体の生産性や取扱性等の制約から、実際上、5μm以上となる。なお、本実施の形態では詳述しないが、セミアディティブ法による製造プロセスを採用する場合には、正確なエッチバックの必要上、銅層2の厚さは3μm以下とすることが望ましい。
その後、図1(c)に示したように、銅層2の表面ほぼ全面上を覆うようにドライフィルムレジスト(レジスト膜)6をラミネートする(図2のS3)。
そのレジスト膜6を現像して、図1(e)に示したように、配線レジストパターン7および検査用レジストパターン8を得る(図2のS5)。
この検査用レジストパターン8は、図4に示したような複数の直線状パターンを配列形成してなるものである。
その個々の直線状パターンの、いわゆるライン・アンド・スペース(パターン幅およびパターン間隙)は、レジスト膜6として用いられるドライフィルムに関する解像限界の寸法に設定されており、この検査用レジストパターン8を用いて配線レジストパターン7の解像度(あるいは画線再現性)の検査を、簡易かつ高い信頼性で、行うことができるものとなっている。
また、この検査用レジストパターン8は、後の工程で実装搬送用送り穴10が形成される位置に配置されているので、この検査用レジストパターン8を設けることに起因して配線領域9の面積が犠牲になることを実質的に回避することができるようになっている。
すなわち、まず検査用レジストパターン8のパターン形状を目視にて観察する(図2のS6)。
その観察されたパターン形状の乱れが所定の許容可能な程度の乱れであるか否かを判断することによって、配線レジストパターン7の解像度の可否を判定する(図2のS7)。そしてこの判定結果を検査結果とする。
あるいはさらに、このとき目視にてパターン形状の乱れが許容範囲を逸脱した乱れであると判断された場合、または目視のみでは許容可能な範囲内の乱れであるか否かを確実に判定することが困難である場合には、その検査用レジストパターン8についてのみ、パターン幅やパターン間隙の寸法を測定し、その測定値を所定の許容範囲の数値と比較して最終判定を下すようにするようにしてもよい。このようにすることによって、解像度の良否判定の信頼性をさらに高いものとすることが可能である。
このような解像度検査の結果、検査用レジストパターン8のパターン解像度が所定の規格を満たす(所定の解像度以上の解像度を有する)ものと判定された場合には(図2のS7のYES)、その検査用レジストパターン8に近隣している配線領域9内の配線レジストパターン7の解像度も所定の規格を満たしているものと見做すことができる。従って、この場合には、このとき検査したレジストパターン付き半導体装置用テープキャリアを、次工程であるエッチング工程へと投入する(図2のS9)。
このようにして再び現像して得られたレジストパターンのうちから検査用レジストパターン8の解像度をまた検査し(図2のS6)、それが所定の規格を満たす場合には(図2のS7のYES)、そのとき検査したレジストパターン付きの半導体装置用テープキャリアを、次工程であるエッチング工程へと投入する(図2のS9)。
また、広義の定義では、上記のような光学系の特性の他にも、レジスト自体の、感光性能、光透過特性や光分散(滲み)特性、現像特性等をも含めた、露光工程におけるドライフィルムレジストの総合的な露光〜現像工程全体に関する「実用上の画線再現性」である。換言すれば、使用されるドライフィルムレジストおよび露光装置の組み合わせによって、実用上、レジストパターン(パターン幅・パターン間隙およびパターン形状)の画線再現性を保証可能な最小寸法あるいは許容誤差、ということである。
その意味では、上記の検査用レジストパターン8の解像度を検査するための基準となる検査用レジストパターン8の解像限界寸法や許容誤差等の規格値は、広義の「解像限界」に基づいて、実用上必要十分な画線再現性を保証することが可能な値に設定することが望ましい。
但し、これのみには限定されず、レジスト自体の感光特性等は含めずに、理論限界解像力のみに対応した寸法に「解像限界」を設定してもよいことは言うまでもない。あるいは、理論解像限界寸法に所定の安全率を掛けて算定した値に基づいて、上記の検査用レジストパターン8の解像限界寸法や許容誤差等を設定するようにしてもよい。
このとき、検査用パターン14のパターン幅が所定の許容範囲内に収まっていない場合には、それに近隣して設けられている配線パターン13のパターン幅も所定の許容範囲内に収まっていない確率が高い。逆に、検査用パターン14のパターン幅が所定の許容範囲内に収まっている場合には、配線パターン13のパターン幅も所定の許容範囲内に収まっている確率が高い。
従って、測定された検査用パターン14のパターン幅が、所定の寸法精度許容範囲内にあった場合には(図2のS12のYES)、配線領域9内の配線パターン13の寸法精度が所定の許容範囲内にあるものと見做して、そのとき検査した半導体装置用テープキャリアを良品と判定し、次工程である実装搬送用送り穴(実装用PH)打ち抜き工程へと投入する(図2のS13)。
そして最終検査等を経て(図2のS18)、良品の半導体装置用テープキャリアが製品として出荷される(図2のS19)。
しかも、この解像度検査は、必ずしも検査用レジストパターン8の寸法測定を必要とせず、目視によって検査用レジストパターン8のパターン形状を観察検査するだけでも可能なので、極めて簡かつ迅速に配線レジストパターン7の解像度を検査することができる。
絶縁性フィルム基板1は、厚さを38μmとし、その全体の幅を158mmとした。そして銅層2の厚さを12μmとした。
他方、比較例として、レジストとして液状レジストを用い、かつ検査用レジストパターン8や検査用パターン14を有さない、従来の製造方法による半導体装置用テープキャリアを作製した。
この比較実験における配線パターン13の規格管理値については、パターン幅のターゲット寸法を15μmとし、許容誤差を5μm(レンジで10μm)とした。なお、比較例については、検査用レジストパターン8を有していないので、現像後の配線レジストパターンを数箇所測定し、所定の寸法精度許容範囲内に適合したものについてエッチング加工して配線パターンを形成し、その寸法を測定した。
ここで、工程能力Cpkとしては、配線パターン13について、上限側(管理規格上限値−測定値の平均値/3σ)と下限側(管理規格下限値−測定値の平均値/3σ)とを算出し、そのうちの低い方の値とすることなどが可能である。一般に、Cpkの値が1.33以上であれば、工程能力が高く、安定的な工程であると判定することができる。
このように、本実施例の製造方法によれば、工程能力を大幅に向上させることが可能となることが確認された。
あるいは、目視による検査の場合よりも検査工程が煩雑なものとなる傾向にあるが、検査用レジストパターン8のパターン幅やパターン間隙の寸法を測定し、その値を所定の許容範囲の規格値と比較することで、検査対象のレジストパターンの解像度の良否を判定するようにしてもよい。
2 銅層
3 補強用フィルム
4 銅付絶縁基材
5 製造用搬送送り穴
6 レジスト膜
7 配線レジストパターン
8 検査用レジストパターン
9 配線領域
10 実装搬送用送り穴
13 配線パターン
14 検査用パターン
Claims (6)
- 絶縁性フィルム基板上に形成された銅層上にドライフィルムレジストを貼着してレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を露光・現像して、配線パターン形成用の配線レジストパターンを形成すると共に、前記ドライフィルムレジストの解像限界のパターン寸法を有する検査用レジストパターンを形成する工程と、
前記検査用レジストパターンを用いて前記配線レジストパターンの解像度検査を行う工程と、
前記配線レジストパターンをパターン形成用レジストとして用いて配線パターンを形成する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記絶縁性フィルム基板が、105mm以上のフィルム幅を有するキャリアテープである
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1または2記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記配線パターンを形成した後、前記絶縁性フィルム基板に実装搬送用送り穴をプレス加工によって打ち抜いて形成する工程を、さらに含むと共に、
前記検査用レジストパターンを、前記実装搬送用送り穴が形成される位置に設けておき、前記検査用レジストパターンに従って形成された前記検査用パターンを、前記プレス加工による前記実装搬送用送り穴の打ち抜きと共に除去する
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記レジスト膜の露光を、投影露光装置によって行う
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記銅層の厚さを12μm以下とする
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。 - 請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
前記配線レジストパターンの解像度検査で規格外と判定された場合には、当該規格外の半導体装置用テープキャリア上のレジストパターンを一旦除去して、再度前記レジスト膜の形成、露光、現像、検査を行う
ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。
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