JP2008204854A - 平面ディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】前面基板と背面基板とを重ね合わせた後、封着工程へ搬送時にも位置ずれを起こすことなく確実な仮固定状態で封着工程を実施できる平面ディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】互いに所定の相対位置となるように重ね合わされた第1ガラス基板(前面基板)1と第2ガラス基板(背面基板)4とをフリットガラスペースト18を用いて仮固定する仮固定工程と、重ね合わされ仮固定された第1ガラス基板1と第2ガラス基板4とを次処理工程へ搬送する工程と、搬送された前記第1及び第2ガラス基板1,4の周辺部を封着部材により封着する工程とを含む平面ディスプレイパネルの製造方法であって、前記仮固定工程において、第2ガラス基板4に塗布されたフリットガラスペースト18の第1ガラス基板1の表面に近接する部分を局所的に加熱して溶融させて第1ガラス基板1に溶着させるようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、平面ディスプレイパネルの製造方法、特に、前面基板と背面基板を封着する前に、前記両基板を重ね合わせ状態に確実に仮固定して相対位置ずれを生じないようにしたプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
平面型の表示パネルを備えたディスプレイパネル装置の1つであるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)においては、一対のガラス基板間に形成された気密空間内を、ストライプ状あるいはマトリクス状に区画して複数の放電空間を形成し、これら複数の放電空間内に選択的に放電を発生させることにより、画像表示を行う。
図1は、この種のPDPの一般的な構造を示す断面図である。前面基板(第1ガラス基板)1には表示電極2及び誘電体層3が設けられ、これに対峙する背面基板(第2ガラス基板)4には誘電体層5上に隔壁6が所定間隔で形成されている。また、前面基板1の周辺部と背面基板4の周辺部との間には、放電空間Gを封止するための封着部材9が介在されている。前面基板1と背面基板4及び隔壁6とで隔成される微細空間が放電空間Gであって、この放電空間G内に、アドレス電極7及びRGB各色の蛍光体層8a,8b,8cが形成され、かつネオン、キセノン等を含む放電ガスが封入される。
このような従来のPDPでは、表示電極2とアドレス電極7間に電圧を印加して、放電空間G内面に形成した蛍光体層8a,8b,8cを選択的に放電発光させることで、所望の画像を表示する。図示の例では、隔壁6を井桁状に形成して放電空間Gをマトリクス状に構成したり、各隔壁6を平行に配列してストライプ状の放電空間Gとしたりすることもできる。
次に、上述のような構造を備えるPDPを製造する方法につき簡単に説明する。まず、前面基板1の片面に、表示電極2及び誘電体層3といった前面パネル構成要素を順次形成する前面パネル形成工程と、背面基板4の片面に、アドレス電極7、隔壁6、蛍光体層8a,8b,8cといった背面パネル構成要素を順次形成する背面パネル形成工程とにより、前面パネル部と背面パネル部を形成する。そして、前面基板1と背面基板4とをそれぞれのパネル構成要素が対向するように重ねて、前面基板1と背面基板4の周辺部を封着部材9により封止する。この封着工程の後、貼り合わされた2枚の基板1,4間に形成された放電空間Gに対して排気を行い、そこに放電ガスを封入した後、エージングを行う。
ここで、前記封着工程では、前面基板1及び背面基板4のいずれか一方又は両方の周辺部に、低融点フリットガラスからなる封着部材9をスクリーン印刷法等によって枠状に塗布し、仮焼成して封着層を形成する。その後、図2に示すように、前面基板1及び背面基板4を重ね合わせて、互いに押し当てた状態で約400°Cの熱処理を行う。これによって、封着部材9が軟化して潰れ、さらに融着して両基板1,4間の放電空間Gが封止される。11は放電空間G内に配置されたパネル構成要素である。
前述の如く、前面基板と背面基板を封着する前に、両基板を互いに所定の相対位置に位置決めして重ね合わせる、所謂重ね合わせ工程が存在する。この重ね合わせ工程の後、重ね合わせの状態を維持して封着工程の熱処理炉(ベーク炉)へ搬送するが、この搬送の途中で両基板が位置ずれを起こす危険があり、位置ずれしたまま、前面基板と背面基板を封着してしまうと、ディスプレイパネルの特性として所望の特性が得られず、不良品となってしまう。
このような前面基板と背面基板の相対位置ずれを防止するために、特許文献1に示すように、重ね合わせた両基板をクリップで挟んで仮固定し、この状態で封着工程へ搬送する方法が知られている。
また、この種のディスプレイパネルの製造方法では、基板の周辺に設けた封着層によって放電空間を封止する場合、封着工程期間の間、前面基板と背面基板の間の空間には、通常、大気と加熱によって基板から放出されてくる不純ガスが充満しており、高温雰囲気下において各基板の内面側がH2 O、CO2 などの不純ガスに曝された状態になる。このような状態下では、前面基板の保護層(MgO)に対する脱ガス処理が阻害されたり、背面基板に設けられる蛍光体層の蛍光材料が劣化するといった問題が発生する。
これを回避するため、排気・ベーキング工程期間における放電空間からの排気時間を十分長く設定して保護層からの脱ガス時間を大きくとるといった手法や、真空環境下で放電空間の封止を行う真空封着といった手法が考えられるが、排気・ベーキング工程期間を長く設定すると、製造時間が非常に長くなり、また、真空封着のためには装置が大掛かりになるという問題が新たに生じる。
この問題を解決するために、特許文献2に示すように、封着層の加熱温度を封着層の溶着のために上昇させる過程で、放電空間の排気工程と、その後の放電空間への置換ガスの導入工程とを行って製造時間の短縮を図りつつ、低コスト、高品質のディスプレイパネルの製造方法が開示されている。
また、他の特許文献3として、一対の基板間の周辺部を封着する封着工程の前に、封着材の軟化開始温度に達した状態で、基板間の内部空間の排気を行う一次排気工程及びこの一次排気後で置換ガスの導入工程を行い、さらに、前記封着工程の後で、かつ封着材の軟化開始温度よりも低い所定の温度の状態で基板間の内部空間の二次排気を行うようにしたディスプレイパネルの製造方法も開示されている。
特開2005−158449特許公報 特開2005−142139特許公報 特開2005−332673特許公報
前面基板と背面基板とをクリップで挟み付けて両基板の位置ずれをなくす方法においては、クリップの把持力による両基板間の摩擦力によって、位置合わせされた両基板を保持するが、このクリップによる保持は基本的にクリップ及び両基板の摩擦力に頼るものであり、完全に両基板間が固着される訳ではないので、その保持性の向上には限界がある。
前述の如く、通常、重ね合わせ後の両基板は次工程の封着工程へ搬送手段によって搬送するが、この搬送時にクリップの保持力不足による相対位置ずれの危険があり、位置ずれを起こしたまま、前面基板と背面基板を封着してしまうと、所望の製品特性が得られず、不良品となってしまう。
本発明が解決しようとする課題としては、PDPの製造方法において、前面基板と背面基板とを重ね合わせた後に、封着工程への搬送時の位置ずれを起こす問題点の解決が一例として挙げられる。
請求項1に記載の平面ディスプレイパネルの製造方法は、互いに所定の相対位置となるように重ね合わされた第1ガラス基板と第2ガラス基板とをフリットガラスペーストを用いて仮固定する仮固定工程と、重ね合わされ仮固定された第1ガラス基板と第2ガラス基板とを次処理工程へ搬送する工程と、搬送された前記第1及び第2ガラス基板の周辺部を封着部材により封着する工程とを含む平面ディスプレイパネルの製造方法であって、前記仮固定工程において、前記第2ガラス基板に塗布された前記フリットガラスペーストの前記第1ガラス基板の表面に近接する部分を局所的に加熱して溶融させて前記第1ガラス基板に溶着させることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態は、封着工程の前段階にて、位置合わせ状態に重ね合わされた前面基板と背面基板とをフリットガラスによって仮固定することを要旨とする。この場合の仮固定工程においては、従来のようなクリップのみの把持力による不安定な固定ではなく、対向した両基板の間に介在されたフリットガラス等の固定部材の固化によって、後続の封着工程への搬送時においても位置ずれを起こさずに、所望の位置関係を維持して封着処理を行うのが可能となる。
本発明の実施の形態では、前記仮固定工程において、局所的に加熱して溶融したフリットガラスペースト部分に近接する前記第1ガラス基板の表面部分に、局所的な加熱および冷却によってクラックを生じさせる。これによって、前記ガラス基板に微小な凹部が生じると共に、冷却硬化したフリットガラスの表面に、剥離したガラス基板の破片が付着して一体となった凸部が生じ、この凹部と凸部が嵌合して確実な仮固定がもたらされる。
また、本発明の他の実施の形態では、第1の加熱源により前記フリットガラスペーストの前記第1ガラス基板の表面に近接する部分を局所的に加熱して溶融させると共に第2の加熱源により前記第1ガラス基板を加熱する。このように第1の加熱源によりフリットガラスペーストを局所的に加熱、溶融させた状態で、第2の加熱源によりガラス基板を加熱することにより、溶着力を増大させ、クリップ等の挟持部材による固定を併用しなくても位置ずれのない確実な封着が可能となり、さらにクリップ等の削除により熱処理炉(連続炉、バッチ炉)におけるパネル積載間隔の縮小、パネル積載枚数の増加が図られる。
また、本発明のさらに他の実施の形態では、前記第1の加熱源として例えば波長800〜1200nmのレーザ光を用い、前記第1ガラス基板を介してスポット径が略2mm以下に集光されたレーザ光を前記フリットガラスペーストの前記第1ガラス基板の表面に近接する部分に照射する。
第1加熱源としてこのようなレーザ光を用いることにより、フリットガラスペーストへの近赤外光の効率的な吸収・加熱による溶着が可能となる。
さらに、本発明の他の実施の形態では、仮固定工程で用いるフリットガラスを封着部材のフリットガラスと同一材料とする。これにより、仮固定用及び封着用のフリットガラス材の単一化を図ることができ、別材を準備する手間が省けるとともに材料コストの低減となる。
また、本発明の他の実施の形態では、前記封着工程の昇温過程において、前記封着部材の軟化開始後に前記気密空間から排気を行い、前記気密空間を大気圧以下に減圧する。前記気密空間を大気圧以下に減圧することによって前面基板と背面基板との密着力がより強固なものとなり、一層両基板の位置ずれ防止が確実となる。
以下、本発明の実施の形態に係るPDPの製造方法を図面を参照して説明する。まず、本実施の形態のPDPの全体製造工程を概略的に説明すれば、図1,図2を参照して、前面基板1及び背面基板4に表示電極2、誘電体層3、アドレス電極7、隔壁6、蛍光体層8a,8b,8c等のパネル構成要素11を順次形成する。
次に、図2に示すように前面基板1および背面基板4を各パネル構成要素11が対向するように封着部材9を介して重ね合わせる。
次に、本発明に係る仮固定工程が施される。なお、仮固定の形態については、さらに後述する。仮固定の後、次処理工程の基板封着工程へと搬送し、熱処理による封着が行われると、前面基板1及び背面基板4間の放電空間Gが封着部材9の溶着により封着される。
続いて、封着部材9を介して貼り合わされた前面基板1及び背面基板4間の放電空間Gの排気を行った後、放電空間G内に放電ガスを封入し、排気管を封止する。
後述する挟持部材としてクリップによる仮固定を併用した場合には、封着後に両基板1,4を挟圧していた複数のクリップをすべて取り外して該クリップの仮固定を開放する。なお、前記クリップによる仮固定を併用しない場合には、封着後の仮固定開放は必要ない。
そして、最終的にエージングを行うことで、PDPが完成する。
以下、本発明の実施の形態に係るPDPの製造方法における仮固定の形態として具体的な実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、実施例1によるパネル部の平面図である。
図3に示すように、仮固定部材としてのペースト状のフリットガラスであるフリットガラスペースト18を、前面基板1と背面基板4との間の、封着部材としての周囲フリットガラス13の外周部に部分的に塗布して、封着工程前に前面基板1と背面基板4とを密着固定する。この際、基板1に対面するフリットガラスペースト18を基板1側から第1加熱源、具体的にはレーザ照射によって、フリットガラスペースト18を加熱し、溶着させる。その後、自然冷却あるいは強制冷却により、フリットガラスペースト18を介して前面基板1と背面基板4とが密着固定される。つまり、重ね合わせ工程後で、かつ封着工程前の段階において、フリットガラスペースト18が冷却硬化し、前面基板1と背面基板4とが密着固定(仮固定)される。
このように封着部材としての周囲フリットガラス13の外周部にフリットガラスペースト18を設けることにより、仮固定部材としてのフリットガラスペースト18が放電セルの位置から遠くなり、加熱によりフリットガラスペースト18から放出されたアウトガスの放電セルへの影響が減少される。
フリットガラスペースト18を設ける位置は、パネル4辺の1辺のみでも、2〜4辺いずれでもよく、前面基板1と背面基板4とが固定されればよい。図3の実施例1では周囲フリットガラス13の位置より外側のパネルの1辺にのみ設けてある。
具体的にフリットガラスペースト18を塗布する時点としては、前面基板1と背面基板4との重ね合わせの前で、かつ従来から用いられる封着用フリットガラス13を背面基板4に塗布する工程と同時に塗布するのが好ましい。この場合、フリットガラスペースト18を塗布するための新たな工程を追加する必要がなくなり、その分コスト低減となる。
フリットガラスペースト18の種類としては、封着用フリットガラス13と同一類又は異類どちらでもよいが、同一類を用いることによって仮固定用、封着用のフリットガラス材の単一化を図ることができ、別材を準備する手間が省けるとともに材料コストの低減となる。
後続の封着工程における450°C近傍への昇温過程において、硬化したフリットガラスペースト18が再溶融して接着作用がなくなる。しかし、フリットガラスペースト18の接着作用がなくなった場合でも、重ね合わせた状態での上側の基板の自重によって、前面基板1と背面基板4とが密着することによって、大きな位置ずれは発生しない。
図4は、本発明の実施例2により仮固定されたパネル部の平面図である。
上述の実施例1では、仮固定部材としてのフリットガラスペースト18と、封着部材としての周囲フリットガラス13をそれぞれ別のフリットガラスとして構成したが、実施例2では封着用のフリットガラス13の一部が仮固定用のフリットガラスを兼ねている。この場合、封着用のフリットガラス13の一部ではなく、フリットガラス全体が仮固定用の固定部材を兼ねるようにしてもよい。図4の構成とすることによって、図3の場合に比べてフリットガラスペーストの塗布作業が削減され、作業時間の短縮や、フリットガラスの塗布量削減によるコスト低減ができる。その他の作用効果、及び応用例は実施例1の場合と同様である。
次に、上述のようにして基板周辺部に塗布されたフリットガラスペーストをレーザ照射によって溶着させる形態につき、図5,図6(a)〜(c)を参照して説明する。図5に示すように、背面基板4と前面基板1との間に設けられたペースト状のフリットガラスペースト18を前面基板1の外面側からレーザヘッド20にてレーザ照射する。この場合、フリットガラスペースト18の前面基板1の表面(背面基板4に対面する面)に近接する部分18aを局部的に加熱して、この部分を溶融し、このフリットガラスペースト18の溶融部を前面基板1に溶着させる(図6(a))。なお、レーザ波長は、前面基板1を透過し、フリットガラスペースト18で吸収される波長であればよいが、好ましくは波長800〜1200nm、フリットガラス頂部のレーザスポット径2mm以下とする。
一般にフリットガラスは、軟化点の低いPbO,BiOなどの成分をガラス基板より多く含んでおり、この成分の違いにより、フリットガラスの局所部分のみが溶融し、かつ冷却することにより、ガラス基板の表面部分に応力が加わり、クラック19が発生する(図6(b))。その結果、図6(c)に示すように、前面基板1の表面に微小な凹部21が形成され、一方、冷却硬化したフリットガラスペースト18の表面には、前面基板1のクラック部位から剥離した基板ガラスの破片が固着して一体化した凸部22が生じ、この凸部22と凹部21との嵌合により、基板(1,4)同士の横ずれが防止され、確実かつ安定した仮固定がなされる。
図7(a)〜(d)は、レーザ照射にてフリットガラスを局部的に加熱、溶着した場合と、レーザ照射を行なわずに加熱、溶着した場合の基板搬送(次工程への搬送)時における両基板間のずれ量を比較した図である。測定した箇所は図4の実施例で隅部4箇所A〜Dであり、いずれも背面基板に対する前面基板の上下方向(短辺Y方向)および左右方向(長辺X方向)のずれ量である。図7(a)は図4のガラス基板における左上隅A、図7(b)は同様にガラス基板の右上隅B、図7(c)はガラス基板の左下隅C、図7(d)はガラス基板の右下隅Dの箇所である(図4参照)。レーザ照射無しで従来のクリップによる挟持固定のみの場合の測定を2回実施し、図7(a)〜(d)に△印のA1 (1回目)、A2 (2回目)でずれ量を表示した。
また、レーザ照射有りの場合を、照射条件を変えて3回測定した。図中、四角印B1 は16W,0.5秒で10回照射の場合、四角印B2 は12W,1.0秒で5回照射の場合、四角印B3 は8W,1.0秒で10回照射の場合である。X軸の+側は基板長辺方向で背面基板に対する前面基板の右側へのずれ量、Y軸の+側は背面基板に対する前面基板の上方(短辺方向)へのずれ量を表わしている。X軸,Y軸の−側はその反対方向へのずれ量である。
図7(a)〜(d)からも分かるように、レーザ照射無しの場合よりレーザ照射有りの方がずれ量は格段に少なく、特にレーザ照射無しの場合は最大30μmのずれが生じたが、レーザ照射有りの場合、搬送時のずれは最大でも10μm以下に抑えられた。
次に、実施例3として、封着工程への搬送に先立ち、フリットガラスペーストのレーザ照射による固定と従来のクリップによる固定とを併用する例を示す。この従来のクリップによる仮固定を併用することにより、フリットガラスペースト18の再溶融によって接着作用がなくなった場合でも、さらに位置ずれ防止の安定性が増大する。この場合、重ね合わせ工程で2枚の基板1,4の位置合わせ後、クリップにて基板厚み方向に把持し、その後にフリットガラスペーストで仮固定する。
図8(a),(b)、図9及び図10を参照してフリットガラスの仮固定と併用する挟持部材、即ちクリップの形態及びパネル挟持形態を説明する。図8(a)は本発明の実施の形態に係るクリップの側面図、図8(b)はその正面図である。また、図9は図8に示すクリップの基板挟持状態の側面図、図10はパネルの4辺にそれぞれ複数個のクリップを取り付けて仮固定した状態の平面図である。仮固定工程に用いられるクリップは、例えば金属等の弾性を有する部材からなる弾性板を折曲加工したものであり、その形状の1例は図8(a),(b)に示すとおりである。
図8(a),(b)に示すように、クリップ15はその基部15aの両端に挟持部15b,15bを一体に有し、さらに、これらの挟持部15b,15bにL字状の鍔部15c,15cを一体に有する。また、鍔部15c,15cから挟持部15b,15bの基部にかけてスリット16が入れられて、パネル部の挟み込み操作を容易に行えるようにしてある。挟持部15b,15bは鍔部15c,15cと連結する部分17で弾性力により互いに略接触状態を維持する。
したがって、この部分17において挟持部15b,15bを、基部15aを中心として発生する弾性力に抗して押し拡げ、これらの間に前面基板1及び背面基板4の周辺部を挟み込めば、図9の如くこの周辺部を所定圧で保持することができる。
なお、このようなクリップ15による固定は実施例1および実施例2の形態のいずれに対しても併用することができる。
封着用のフリットガラス13の軟化開始後、パネル内から排気を行い、パネル内を大気圧以下に減圧することによって、前面基板1と背面基板4との密着力をより強固なものとすることにより、さらに位置ずれ防止の安定性が増大する。
以上、詳述したように、本実施の形態におけるPDPの製造方法は、互いに所定の相対位置となるように重ね合わされた第1ガラス基板(前面基板)1と第2ガラス基板(背面基板)4とをフリットガラスペースト18を用いて仮固定する仮固定工程と、重ね合わされ仮固定された第1ガラス基板1と第2ガラス基板4とを次処理工程へ搬送する工程と、搬送された前記第1及び第2ガラス基板1,4の周辺部を封着部材により封着する工程とを含む平面ディスプレイパネルの製造方法であって、前記仮固定工程において、第2ガラス基板4に塗布されたフリットガラスペースト18の第1ガラス基板1の表面に近接する部分を局所的に加熱して溶融させて第1ガラス基板1に溶着させるようにしたので、位置合わせ状態に重ね合わされた前面基板1と背面基板4とが接着機能をもつフリットガラスによって強固に仮固定され、従来のようなクリップのみの把持力による不安定な固定ではなく、対向した両基板1,4の間に介在されたフリットガラスペースト18の冷却、硬化によって、後続の封着工程への搬送時においても位置ずれを起こさずに、所望の位置関係で封着処理を行うのが可能となる。
この結果、Vsus電圧マージン、Vofs電圧マージン、点灯状態等のパネル性能が向上し、歩留まりが上がるといった改善効果がもたらされる。
PDPの一般的な構造を示す断面図である。 熱処理後の一対の基板内に放電空間が形成された状態のPDPの断面図である。 本発明の実施例1により仮固定されたパネル部の平面図である。 本発明の実施例2により仮固定されたパネル部の平面図である。 フリットガラスペーストをレーザ照射によって溶着させる状態を示す側面図である。 レーザ照射によってクラックおよび凹凸部が形成される形態を示す概略図である。 レーザ照射の有無によるガラス基板同士の搬送時ずれ量を比較した図である。 本発明の実施例3に係るクリップの側面図および正面図である。 図8に示すクリップのパネル挟持状態を示す側面図である。 パネル部の4辺にクリップを取り付けて仮固定した状態の平面図である。
符号の説明
1 前面基板(第1ガラス基板)
2 表示電極
3 誘電体層
4 背面基板(第2ガラス基板)
6 隔壁
9 封着部材
13 周囲フリットガラス
15 クリップ
18 フリットガラスペースト
19 クラック
20 レーザヘッド
21 凹部
22 凸部

Claims (5)

  1. 互いに所定の相対位置となるように重ね合わされた第1ガラス基板と第2ガラス基板とをフリットガラスペーストを用いて仮固定する仮固定工程と、重ね合わされ仮固定された第1ガラス基板と第2ガラス基板とを次処理工程へ搬送する工程と、搬送された前記第1及び第2ガラス基板の周辺部を封着部材により封着する工程とを含む平面ディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記仮固定工程において、前記第2ガラス基板に塗布された前記フリットガラスペーストの前記第1ガラス基板の表面に近接する部分を局所的に加熱して溶融させて前記第1ガラス基板に溶着させることを特徴とする平面ディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記仮固定工程において、局所的に加熱して溶融したフリットガラスペースト部分に近接する前記第1ガラス基板の表面部分にクラックを生じさせることを特徴とする請求項1記載の平面ディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記仮固定工程において、第1の加熱源により前記フリットガラスペーストの前記第1ガラス基板の表面に近接する部分を局所的に加熱して溶融させると共に第2の加熱源により前記第1ガラス基板を加熱することを特徴とする請求項1記載の平面ディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記第1の加熱源としてレーザ光を用い、前記第1ガラス基板を介してスポット径が略2mm以下に集光されたレーザ光を前記フリットガラスペーストの前記第1ガラス基板の表面に近接する部分に照射することを特徴とする請求項3記載の平面ディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記仮固定工程において用いる前記フリットガラスペーストは、前記封着部材と同一材料であることを特徴とする請求項1記載の平面ディスプレイパネルの製造方法。
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