JP2008203094A - 光ファイバ温度センサ及びそれを用いた温度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光受信系の特性に起因する温度誤差を低減した光ファイバ温度センサ及びそれを用いた温度測定方法を提供する。
【解決手段】温度を測定するための光ファイバからなるセンシング部11と、センシング部11を伝搬するパルス光信号を生成する光源13と、センシング部11に接続されセンシング部11からの後方散乱光をストークス光(St光)とアンチストークス光(As光)とに分光する分光器14と、分光器14から出射されるSt光とAs光を受信する光受信器16とを備えた光ファイバ温度センサ10において、分光器14のSt光出力端14aとAs光出力端14bに、St光の経路とAs光の経路を切り換える光スイッチ15を接続し、光スイッチ15の出力端15cにはSt光とAs光とを検出する光受信器16を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバ中で発生するラマン散乱光を検出して温度を測定する光ファイバ温度センサ及びそれを用いた温度測定方法に関するものである。
図5に示すように、光ファイバ温度センサ50は、被温度測定物に配設される光ファイバで構成されるセンシング部51と、センサ本体52とを備える。
センサ本体52は、センシング部51において温度を光学的に測定するための光源53と、センシング部51からの後方散乱光を分光する分光器54と、分光器54に接続される2系統の光受信系と、光源53と光受信系とに電気的に接続される信号処理制御回路61とを備える。光受信系は、光受信器55,56と、信号増幅器57,58と、アナログ/デジタル(A/D)変換器59,60とからなり、それぞれ独立に分光器54に接続される。
センシング部51に光源53で生成されたパルス光信号が伝搬していくと、光ファイバの各箇所で微弱なラマン散乱光が発生する。ラマン散乱光は、光源出射光の波長を中心として、その光源出射光の波長の両側近傍に発生する。長波長側のラマン散乱光はストークス光(St光)、短波長側のラマン散乱光はアンチストークス光(As光)と称されるものである。センシング部51で発生したSt光とAs光との光強度比は、センシング部51の温度に依存する。つまり、被温度測定物の温度によって、センシング部51の温度が変化し、検出されるSt光とAs光との光強度比が変化する。従って、この光強度比を求めることにより被温度測定物の温度を測定することができる。
また、光ファイバ中の各点から発生した後方散乱光が光受信器55,56まで到達する時間から散乱した場所、すなわち温度の測定点を特定することができる。
具体的には、図6に示されるチャート図のように温度測定される。1回の温度を測定する時間をTとすると、測定時間T中に、光源53から多数のパルス光信号を出射してセンシング部51に伝搬させ、センシング部51で発生したラマン散乱光を光受信器55,56で多数回検出する。検出した多数の電気信号を信号処理制御回路61で加算平均化処理し、St光とAs光の光強度比を求め、その光強度比から測定温度を得る。
ラマン散乱光は、その強度が非常に微弱であるため、光受信器55,56で変換された電気信号ではSN比の悪い信号となる。このため、ラマン散乱光を多数回検出し、得られた信号を加算平均処理することで、SN比を向上させ、温度の測定精度を改善している。
なお、本発明に係る光ファイバ温度センサの先行技術文献情報としては、次のものがある。
図5の光ファイバ温度センサ50では、分光器54で分光されたSt光とAs光をそれぞれ異なる光受信器55,56で受信し、各光受信器55,56に接続される信号増幅器57,58で増幅されたSt光とAs光の光強度データを用いて温度を測定している。
しかしながら、光受信器55,56や信号増幅器57,58などの光受信系毎に、周波数特性や増倍率等が異なる。このため、同じ光信号を2つの光受信系にて検出した場合でも、光受信系毎の周波数特性の違いにより、一方の光受信系と他方の光受信系とで検出される信号の受信波形が異なる。従って、光ファイバ温度センサにおいて異なる光受信系で検出されたSt光とAs光との光強度比が、光受信系毎の周波数特性の違いにより正しく検出されず、得られる温度と実際の温度に誤差が生じるという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光受信系の周波数特性に起因する温度誤差を低減した光ファイバ温度センサ及びそれを用いた温度測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、温度を測定するための光ファイバからなるセンシング部と、上記センシング部を伝搬するパルス光信号を生成する光源と、上記センシング部に接続され上記センシング部からの後方散乱光をストークス光(St光)とアンチストークス光(As光)とに分光する分光器と、上記分光器から出射される上記St光と上記As光を受信する光受信器とを備えた光ファイバ温度センサにおいて、
上記分光器のSt光出力端とAs光出力端に、上記St光の経路と上記As光の経路を切り換える光スイッチを接続し、上記光スイッチの出力端には上記St光と上記As光とを検出する上記光受信器を設けた光ファイバ温度センサである。
上記分光器のSt光出力端とAs光出力端に、上記St光の経路と上記As光の経路を切り換える光スイッチを接続し、上記光スイッチの出力端には上記St光と上記As光とを検出する上記光受信器を設けた光ファイバ温度センサである。
請求項2の発明は、温度を測定するための光ファイバからなるセンシング部と、上記センシング部を伝搬するパルス光信号を生成する光源と、上記センシング部に接続され上記センシング部からの後方散乱光をストークス光(St光)とアンチストークス光(As光)とに分光する分光器と、上記分光器から出射される上記St光と上記As光を受信する光受信器とを備えた光ファイバ温度センサにおいて、
上記分光器のSt光出力端とAs光出力端に、上記St光の経路と上記As光の経路を切り換える光スイッチを接続し、上記光スイッチの出力端には上記St光と上記As光とを検出する上記光受信器をそれぞれ設けた光ファイバ温度センサである。
上記分光器のSt光出力端とAs光出力端に、上記St光の経路と上記As光の経路を切り換える光スイッチを接続し、上記光スイッチの出力端には上記St光と上記As光とを検出する上記光受信器をそれぞれ設けた光ファイバ温度センサである。
請求項3の発明は、請求項1に記載した光ファイバ温度センサを用い、上記センシング部を被測定物に沿って配設し、上記センシング部からの上記St光と上記As光の光強度比に基づいて上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法であって、
上記St光を出力する上記分光器の出力端と上記As光を出力する上記分光器の出力端とに上記光スイッチの入力端をそれぞれ接続し、上記光スイッチ内の経路を制御する信号処理制御回路から出力する切り換え信号により、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光スイッチは上記分光器で分光した上記St光と上記As光を所定時間毎に交互に出力し、上記光受信器で上記光スイッチから出力する上記St光又は上記As光のいずれか一方を所定時間受信した後、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光受信器で上記St光又は上記As光の他方を所定時間受信し、上記St光の光強度と上記As光の光強度を交互に複数回測定し、複数回測定した上記St光の光強度と上記As光の光強度をそれぞれ加算平均し、加算平均した上記St光の光強度と加算平均した上記As光の光強度に基づき、上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法である。
上記St光を出力する上記分光器の出力端と上記As光を出力する上記分光器の出力端とに上記光スイッチの入力端をそれぞれ接続し、上記光スイッチ内の経路を制御する信号処理制御回路から出力する切り換え信号により、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光スイッチは上記分光器で分光した上記St光と上記As光を所定時間毎に交互に出力し、上記光受信器で上記光スイッチから出力する上記St光又は上記As光のいずれか一方を所定時間受信した後、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光受信器で上記St光又は上記As光の他方を所定時間受信し、上記St光の光強度と上記As光の光強度を交互に複数回測定し、複数回測定した上記St光の光強度と上記As光の光強度をそれぞれ加算平均し、加算平均した上記St光の光強度と加算平均した上記As光の光強度に基づき、上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法である。
請求項4の発明は、請求項2に記載した光ファイバ温度センサを用い、上記センシング部を被測定物に沿って配設し、上記センシング部からの上記St光と上記As光の光強度比に基づいて上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法であって、
上記St光を出力する上記分光器の出力端と上記As光を出力する上記分光器の出力端とに上記光スイッチの入力端をそれぞれ接続し、上記光スイッチ内の経路を制御する信号処理制御回路から出力する切り換え信号により、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光スイッチは上記分光器で分光した上記St光と上記As光を所定時間毎に異なる出力端から交互に出力し、上記各光受信器で上記光スイッチから出力する上記St光と上記As光をそれぞれ所定時間受信した後、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記各光受信器で上記St光と上記As光をそれぞれ所定時間受信し、上記St光の光強度と上記As光の光強度を交互に複数回測定し、上記各光受信器毎に複数回測定した上記St光の光強度と上記As光の光強度をそれぞれ加算平均し、加算平均した上記St光の光強度と加算平均した上記As光の光強度に基づき温度をそれぞれ演算し、更に演算した温度を平均して上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法である。
上記St光を出力する上記分光器の出力端と上記As光を出力する上記分光器の出力端とに上記光スイッチの入力端をそれぞれ接続し、上記光スイッチ内の経路を制御する信号処理制御回路から出力する切り換え信号により、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光スイッチは上記分光器で分光した上記St光と上記As光を所定時間毎に異なる出力端から交互に出力し、上記各光受信器で上記光スイッチから出力する上記St光と上記As光をそれぞれ所定時間受信した後、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記各光受信器で上記St光と上記As光をそれぞれ所定時間受信し、上記St光の光強度と上記As光の光強度を交互に複数回測定し、上記各光受信器毎に複数回測定した上記St光の光強度と上記As光の光強度をそれぞれ加算平均し、加算平均した上記St光の光強度と加算平均した上記As光の光強度に基づき温度をそれぞれ演算し、更に演算した温度を平均して上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法である。
本発明によれば、光受信系の特性に起因する温度誤差を低減できるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る光ファイバ温度センサの好適な実施の形態を示す回路図である。
図1に示すように、本実施の形態の光ファイバ温度センサ10は、センサ本体12と、被測定物の温度測定箇所に配設される光ファイバからなるセンシング部11とを備える。センシング部11は、長尺な光ファイバからなる。
センサ本体12は、センシング部11において温度を光学的に測定するための光源13と、光源13から出射したパルス光信号を透過してセンシング部11に入射させると共に、センシング部11で発生した後方散乱光を分光(抽出)する分光器14と、分光された後方散乱光を受光する光受信器16とを備える。
光源13としては、例えば、半導体レーザダイオード(LD)を用い、LD出射光をパルス光信号として出力するためのLDドライバを備える。光受信器16としては、アバランシェフォトダイオード(APD)を用いる。
分光器14は、光源13で生成されたパルス光信号をセンシング部11に伝搬させると共に、センシング部11で発生し、伝搬してきた後方散乱光をストークス光(St光)とアンチストークス光(As光)に分光し、それぞれ独立に出力するものである。
さて、本実施の形態の光ファイバ温度センサ10の特徴は、分光器14のSt光出力端14aとAs光出力端14bに、St光とAs光がそれぞれ入力される2つの入力端15a,15bと、St光とAs光のいずれか一方を交互に出力する1つの出力端15cとを有する光スイッチ(2入力1出力光スイッチ)15を接続したことにある。
具体的には、分光器14のSt光出力端14aとAs光出力端14bに、光スイッチ15の入力端15a,15bをそれぞれ接続する。
さらに、光ファイバ温度センサ10は、光スイッチ15の出力端15cには、出力端15cから交互に出力されるSt光及びAs光を検出する1つの光受信器16を設けたことに特徴を有する。
光スイッチ15は、異なる入力端15a,15bからそれぞれ入力された2つの光信号を1つの出力端15cから所定時間毎に交互に出力するべくスイッチ内の経路(光路)を切り換える機能を有すれば、入力端を3つ以上備えてもよく、出力端を2つ以上備えてもよい。また、光ファイバ型或いは光導波路素子型のいずれのものを用いてもよい。
光スイッチ15の出力端15cに設けられる光受信器16には、光受信器16で変換された電気信号を増幅する信号増幅器(プリアンプ)17が接続され、信号増幅器17には、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(A/D変換器)18が接続される。ここで、光受信器16、信号増幅器17及びA/D変換器18から構成される系統を光受信系と称する。
光源13、A/D変換器18及び光スイッチ15は、信号処理制御回路19に電気的に接続される。信号処理制御回路19は、発光制御信号13sによる光源13の発光制御、光受信系から受信した電気信号(受信信号)16sの処理、処理したデータの記憶、切り換え信号15sによる光スイッチ15の経路制御等を行うものである。信号処理制御回路19には図示されない演算処理部が設けられる。演算処理部は、光受信系から受信した電気信号16sを演算してセンシング部11が配設された測定箇所の温度を求める。
次に、本実施の形態の光ファイバ温度センサの動作を説明する。
センシング部11に光源13で生成されたパルス光信号が伝搬していくと、センシング部11を構成する光ファイバの各箇所でSt光及びAs光を含む後方散乱光が発生する。St光及びAs光を含む後方散乱光は、センシング部11をパルス光信号とは逆向きに伝搬し、分光器14に到達する。後方散乱光は分光器14でSt光とAs光とに分光され、分光されたSt光とAs光はそれぞれSt光出力端14aとAs光出力端14bとから別々に出力される。
St光とAs光は、それぞれSt光入力端15aとAs光入力端15bを介して光スイッチ15に伝搬し、光スイッチ15内の経路(光路)を切り換えることにより、出力端15cから予め設定した測定時間Ts,Ta毎に交互に出力される。交互に出力されたSt光とAs光は、光受信器16で交互に受光される。
光受信器16で受光されたSt光とAs光は電気信号に変換された後、プリアンプ17で増幅され、次にA/D変換器18でアナログ信号からデジタル信号に変換されて信号処理制御回路19に入力される。信号処理制御回路(演算処理部)19では、センシング部11の各測定点で発生したSt光とAs光との光強度比からセンシング部11の各測定点での温度を求める。
パルス光信号1周期分から得られるSt光とAs光の光強度による温度測定では、そのSt光及びAs光の光強度が微弱なため、St光及びAs光を受信する光受信器からはSN比の悪い電気信号しか得られず、測定温度の精度が悪い。このため、センシング部11に多数回パルス光信号を伝搬させて、St光、As光の光強度を多数回測定し、加算平均することでSN比を向上させる必要がある。
従って、光ファイバ温度センサ10では、光源13で生成される周期が数十μsのパルス光信号をセンシング部11に多数回(所定時間)伝搬させ、周期毎に得られるSt光の光強度とAs光の光強度を検出し、これらを加算平均処理している。
本実施の形態では、±1℃の測定精度を達成すべく、パルス光信号1000000周期分のSt光とAs光の光強度を検出し、それぞれ加算平均することによりノイズを低減した。具体的には、光源13にパルス周期50μsのLDを用いて、測定時間Ts,Taを50秒に決定した。測定時間Ts(=Ta)はこれに限定されるものではなく、求められる測定精度や、用いられる光源13のパルス周期などにより適宜決定すればよい。
図2は、本実施の形態の光ファイバセンサの温度測定タイミングを示すチャート図である。
図2に示すように、所定の回数のSt光の光強度とAs光の光強度を検出するのに掛かる時間は、それぞれ図中1ブロックで表される測定時間Ts、Taである。
まず、信号処理制御回路19から切り換え信号15sを送信し、光スイッチ15の出力をSt光となるようにして、測定時間Tsの間、St光を検出する。具体的には、測定時間Ts(50秒)の間に、50μs周期でセンシング部11に入射させたパルス光信号毎に発生する後方散乱光のうち、St光のみを多数回受信する。1パルス光信号毎に検出されるSt光の光強度のデータを、信号処理制御回路19に記憶する。
次に、信号処理制御回路19から切り換え信号15sを送信し、光スイッチ15の出力をAs光となるように切り換え、測定時間Ta(=Ts)の間、As光を検出する。この測定時間Ta(50秒)の間、センシング部11に入射させたパルス光信号毎に発生する後方散乱光のうち、As光のみを多数回受信する。1パルス信号光毎に検出されるAs光の光強度のデータを信号処理制御回路19に記憶する。
Ts時間に検出された多数のSt光の光強度データ、及びTa時間に検出された多数のAs光の光強度のデータを加算平均化する。加算平均化されたSt光の光強度のデータ及びAs光の光強度のデータから、St光とAs光の光強度比を計算して温度が得られる。
本実施の形態の光ファイバ温度センサ10によれば、分光器14からの2つの出力を2入力1出力の光スイッチ15を介して一つの光受信器16に受光させることにより、St光とAs光とを一つの光受信系で検出、信号処理することができる。これにより、St光の光強度データの検出に影響を及ぼす光受信系の周波数特性とAs光の光強度データの検出に影響を及ぼす光受信系の周波数特性が同じになる。よって、光受信系毎の周波数特性の違いに起因する測定精度の低下を抑え、正確な温度を求めることができる。
本実施の形態の温度測定方法によれば、St光の出力とAs光の出力とを光スイッチ15で切り換えて交互に一つの光受信器16に受信させ、交互に受信したSt光とAs光との光強度比から温度を求めるので、光受信系毎の周波数特性の違いに起因する測定精度の低下を抑え、正確な温度を求めることができる。
次に、他の実施の形態について説明する。
図3は本発明に係る光ファイバ温度センサの好適な他の実施の形態を示した回路図である。
図3に示すように、本実施の形態の光ファイバ温度センサ30は、分光器14のSt光出力端14aとAs光出力端14bに、St光とAs光がそれぞれ入力される2つの入力端32a,32bと、St光とAs光とを互いに交互に出力する2つの出力端32c,32dを有する光スイッチ32を接続し、その光スイッチの両出力端32c,32dにそれぞれ光受信器33,34を設け、光スイッチ32の出力端32c、32dから交互に出力されるSt光及びAs光を受光させることに特徴を有する。
すなわち、光ファイバ温度センサ30は、分光器14のSt光出力端14aとAs光出力端14bに2入力2出力(2×2)光スイッチ32を接続し、光スイッチ32の2つの出力端32c,32dにそれぞれ2つの光受信系を設けた点が、前実施の形態の光ファイバ温度センサ10と異なる。
本実施の形態の光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法を説明する。
本実施の形態の温度測定方法は、St光とAs光を含む後方散乱光からSt光とAs光とを分光するまでは前実施の形態と同じである。
図4に示すように、まず、測定時間T1では光スイッチ32は、St光を出力端32cから出力すると共に、As光を出力端32dから出力するようにして、所定時間(回数)、St光とAs光の光強度をそれぞれ検出する。このとき、St光は一方の光受信器33で検出され、As光は他方の光受信器34で検出される。St光は、一方の光受信器33を含む光受信系(プリアンプ35,A/D変換器37)で信号処理されると同時に、As光は、他方の光受信器34を含む光受信系(プリアンプ36,A/D変換器38)で信号処理され、信号処理されたデータは共に信号処理制御回路39に保存される(図中、測定時間T1)。
次に、信号処理制御回路39から送信される切り換え信号32sにより、光スイッチ32の経路を切り換える。測定時間T2では、St光を出力端32dから出力すると共に、As光を出力端32cから出力し、測定時間T1と同じ時間(回数)、St光とAs光の光強度をそれぞれ検出する。このとき、St光は光受信器34で検出され、As光は光受信器33で検出される。St光は、一方の光受信器34を含む光受信系で検出、信号処理されると同時に、As光は、他方の光受信器33を含む光受信系で信号処理され、処理されたデータは共に信号処理制御回路39に保存される(図中、測定時間T2)。
なお、本実施の形態では、測定時間T1+T2の間に、2つの光受信系で合わせて1000000周期分のSt光とAs光の光強度データを検出するため、測定時間T1(=T2)を25秒とした。
信号処理制御回路39では、保存されたデータを、光受信系毎かつ測定時間T1、T2毎にそれぞれ加算平均化し、As光とSt光の光強度比を求める。つまり、光受信器33の測定時間T1で検出されたSt光の光強度と、同じ光受信器33の測定時間T2で検出されたAs光の光強度との比から温度を求め、光受信器34の測定時間T1で検出されたAs光の光強度と、同じ光受信器34の測定時間T2で検出されたSt光の光強度との比から温度を求める。
更に、一方の光受信系から求めた温度と他方の光受信系から求めた温度を平均化処理して、各測定点での測定温度が得られる。
両光受信系で同時に得られた温度を平均化することにより、SN比を向上させ、精度の高い測定温度を得ることができる。
つまり、本実施の形態では、それぞれの光受信系で得られた温度結果は、前実施の形態と同様に光受信系毎の周波数特性の違いに起因する測定精度の低下を抑えた結果となる。ただし、それぞれの光受信系での加算回数は前実施の形態の半分であるため、加算平均して得られるSt光及びAs光の光強度は、前実施の形態と比べてSN比の悪い信号となる。
そこで、光ファイバ温度センサ30及びそれを用いた温度測定方法では、それぞれの光受信系毎で得られた温度結果を平均化することで、測定精度の低下を抑え、結果的には前実施形態と同程度の測定精度を得ることができる。
前実施の形態の光ファイバ温度センサ10では、1つの光受信系を用いて、St光とAs光とを交互に検出した。
これに対し、本実施の形態の光ファイバ温度センサ30では、分光器14に2入力2出力の光スイッチ32を介して光受信系を2系統接続し、両光受信系で同時にSt光とAs光とを検出する。これにより、前実施の形態の光ファイバ温度センサ10に比べて測定時間を略半分に短縮することができる。
すなわち、従来の光ファイバ温度センサ50を用いて測定する場合に比べて、温度測定に要する時間を同程度に維持しつつ、光受信系毎の周波数特性の違いに起因する温度誤差を低減した正確な温度を得ることができる。
光スイッチ32は、2つの入力端32a,32bからそれぞれ入力された光信号を、2つの出力端32c,32dから所定時間毎に交互に出力するべく、スイッチ内の経路(光路)を切り換える機能を有すれば、入力端を3つ以上備えてもよく、出力端を3つ以上備えていてもよい。
10 光ファイバ温度センサ
11 センシング部
12 センサ本体
13 光源
14 分光器
15 光スイッチ
16 光受信器
11 センシング部
12 センサ本体
13 光源
14 分光器
15 光スイッチ
16 光受信器
Claims (4)
- 温度を測定するための光ファイバからなるセンシング部と、上記センシング部を伝搬するパルス光信号を生成する光源と、上記センシング部に接続され上記センシング部からの後方散乱光をストークス光(St光)とアンチストークス光(As光)とに分光する分光器と、上記分光器から出射される上記St光と上記As光を受信する光受信器とを備えた光ファイバ温度センサにおいて、
上記分光器のSt光出力端とAs光出力端に、上記St光の経路と上記As光の経路を切り換える光スイッチを接続し、上記光スイッチの出力端には上記St光と上記As光とを検出する上記光受信器を設けたことを特徴とする光ファイバ温度センサ。 - 温度を測定するための光ファイバからなるセンシング部と、上記センシング部を伝搬するパルス光信号を生成する光源と、上記センシング部に接続され上記センシング部からの後方散乱光をストークス光(St光)とアンチストークス光(As光)とに分光する分光器と、上記分光器から出射される上記St光と上記As光を受信する光受信器とを備えた光ファイバ温度センサにおいて、
上記分光器のSt光出力端とAs光出力端に、上記St光の経路と上記As光の経路を切り換える光スイッチを接続し、上記光スイッチの出力端には上記St光と上記As光とを検出する上記光受信器をそれぞれ設けたことを特徴とする光ファイバ温度センサ。 - 請求項1に記載した光ファイバ温度センサを用い、上記センシング部を被測定物に沿って配設し、上記センシング部からの上記St光と上記As光の光強度比に基づいて上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法であって、
上記St光を出力する上記分光器の出力端と上記As光を出力する上記分光器の出力端とに上記光スイッチの入力端をそれぞれ接続し、上記光スイッチ内の経路を制御する信号処理制御回路から出力する切り換え信号により、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光スイッチは上記分光器で分光した上記St光と上記As光を所定時間毎に交互に出力し、上記光受信器で上記光スイッチから出力する上記St光又は上記As光のいずれか一方を所定時間受信した後、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光受信器で上記St光又は上記As光の他方を所定時間受信し、上記St光の光強度と上記As光の光強度を交互に複数回測定し、複数回測定した上記St光の光強度と上記As光の光強度をそれぞれ加算平均し、加算平均した上記St光の光強度と加算平均した上記As光の光強度に基づき、上記被測定物の温度を算出することを特徴とする光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法。 - 請求項2に記載した光ファイバ温度センサを用い、上記センシング部を被測定物に沿って配設し、上記センシング部からの上記St光と上記As光の光強度比に基づいて上記被測定物の温度を算出する光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法であって、
上記St光を出力する上記分光器の出力端と上記As光を出力する上記分光器の出力端とに上記光スイッチの入力端をそれぞれ接続し、上記光スイッチ内の経路を制御する信号処理制御回路から出力する切り換え信号により、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記光スイッチは上記分光器で分光した上記St光と上記As光を所定時間毎に異なる出力端から交互に出力し、上記各光受信器で上記光スイッチから出力する上記St光と上記As光をそれぞれ所定時間受信した後、上記光スイッチ内の経路を切り換え、上記各光受信器で上記St光と上記As光をそれぞれ所定時間受信し、上記St光の光強度と上記As光の光強度を交互に複数回測定し、上記各光受信器毎に複数回測定した上記St光の光強度と上記As光の光強度をそれぞれ加算平均し、加算平均した上記St光の光強度と加算平均した上記As光の光強度に基づき温度をそれぞれ演算し、更に演算した温度を平均して上記被測定物の温度を算出することを特徴とする光ファイバ温度センサを用いた温度測定方法。
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