JP2008202922A - 流体昇温装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁誘導加熱の加熱効率を向上できる流体昇温装置を提供する。
【解決手段】流体が流通する外筒6と、外筒6に巻設されるコイル8と、外筒6内に配されるとともにコイル8に高周波電圧を印加することにより電磁誘導加熱される金属製の発熱体11とを備え、外筒6内を流通する流体を昇温する流体昇温装置1において、発熱体11は外筒6の軸方向に延びる円筒状の延伸部材11aと、延伸部材11aの周面に突出する突出部11bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁誘導加熱によって外筒内を流通する流体を昇温する流体昇温装置に関する。特に、加熱調理器等の高温を利用する電気機器の蒸気を加熱する用途に用いることができる。
従来の流体昇温装置は特許文献1に開示されている。この流体昇温装置はコイルが巻設された円柱状に形成される金属製の発熱体を有し、発熱体の外周部に流体が流通する複数の貫通孔が設けられる。コイルに高周波電圧を印加すると電磁誘導によって発熱体が加熱される。これにより、貫通孔内を流通する流体が昇温される。従って、流体昇温装置を湯沸器、ボイラー、調理器等に搭載し、加熱された水、空気、蒸気等の流体によって湯沸かし、暖房、調理等を行うことができる。
特開昭62−58590号公報(第1頁〜第2頁、第1図)
発熱体はコイルの印加電圧の周波数が高いほど表皮効果によって表面に集中して発熱される。上記従来の流体昇温装置によると、円柱状に形成された発熱体の内部に流体通路である貫通孔が形成される。このため、発熱体の熱を流体に十分伝えることができず、流体昇温装置の加熱効率が低い問題があった。
本発明は、加熱効率を向上できる流体昇温装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
流体が流通する外筒と、
前記外筒の外側に巻回されるコイルと、
前記外筒内に配されるとともに前記コイルに高周波電圧を印加して電磁誘導加熱されることにより少なくとも一部が発熱する流体加熱部と、
を備え、前記外筒内を流通する流体を昇温する流体昇温装置において、
前記流体加熱部は前記外筒の軸方向に延びる延伸部材と、前記延伸部材の周面に突出する突出部とを有することを特徴としている。
この構成によると、コイルに高周波電圧を印加すると電磁誘導によって外筒内の流体加熱部の一部が発熱する。外筒に流入する流体は延伸部材に沿って流通し、突出部に衝突して乱流状態で流体加熱部と熱交換される。流体加熱部の延伸部材は柱状でも筒状状でもよく、断面円形でも断面多角形でもよい。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記延伸部材を筒状に形成したことを特徴としている。この構成によると、外筒に流入する流体は延伸部材の外周面及び内周面に沿って流通する。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記延伸部材の内周面に凹凸を設けたことを特徴としている。この構成によると、延伸部材内を流通する流体は凹凸により乱流状態で流体加熱部と熱交換される。該凹凸は延伸部材の壁面を折曲して形成してもよく、延伸部材の内壁面に凸状の部材を設けてもよい。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記延伸部材が柱状に形成され、前記突出部が軸方向に並設される複数の円板から成ることを特徴としている。この構成によると、外筒に流入する流体は円板から成る複数の突出部に衝突しながら延伸部材が延びる方向に流通する。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記突出部は前記外筒に接して設けられるとともに貫通孔を有し、隣接する前記突出部は前記貫通孔の周方向の位置が異なることを特徴としている。この構成によると、外筒に流入する流体は円板から成る複数の突出部に衝突し、貫通孔を介して延伸部材が延びる方向に流通する。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記貫通孔は径方向の幅よりも周方向の幅が大きいことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記突出部は軸方向に延びて前記延伸部材から放射状に配される複数の板状部材から成ることを特徴としている。この構成によると、外筒に流入する流体は板状部材から成る複数の突出部の端面に衝突し、放射状の各突出部と熱交換しながら延伸部材が延びる方向に流通する。板状部材は外筒の軸方向に対して平行に形成してもよく、傾斜してもよい。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記外筒が非磁性体から成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記延伸部材が磁性体から成るとともに前記突出部が非磁性体から成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記延伸部材が非磁性体から成るとともに前記突出部が磁性体から成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記延伸部材を断面円形に形成したことを特徴としている。
本発明によると、流体が外筒内を流通して流体加熱部が外筒の軸方向に延びる延伸部材と延伸部材の周面に突出する突出部とを有するので、コイルの磁束が延伸部材を通りやすく大きな発熱量を得ることができる。また、突出部に外筒内を流通する流体が衝突するため、熱交換面積が増加するとともに乱流を発生させることができる。従って、流体加熱部と流体との熱交換効率が向上され、流体昇温装置の加熱効率を向上することができる。
また本発明によると、延伸部材を筒状に形成したので、延伸部材の内側と外側を流体が流通する。従って、熱交換面積が増加して熱交換効率をより向上することができる。
また本発明によると、延伸部材の内周面に凹凸を設けたので、延伸部材内を流通する流体が凹凸に衝突して乱流が発生する。従って、流体加熱部と流体との熱交換効率をより向上することができる。
また本発明によると、延伸部材が柱状に形成され、突出部が軸方向に並設される複数の円板から成るので、流体が衝突する突出部を簡単に実現することができる。
また本発明によると、突出部は外筒に接して設けられるとともに貫通孔を有し、隣接する突出部は貫通孔の周方向の位置が異なるので、流体が流通する経路長を長くして流体加熱部と流体との熱交換効率をより向上することができる。
また本発明によると、貫通孔は径方向の幅よりも周方向の幅が大きいので、径方向の幅を小さくして渦電流の経路の遮断を抑制できるとともに貫通孔の開口面積を十分確保することができる。従って、圧力損失を小さく維持しつつ発熱量の減少を抑制することができる。
また本発明によると、突出部は軸方向に延びて延伸部材から放射状に配される複数の板状部材から成るので、流体が衝突する突出部を簡単に実現できるとともに、熱交換面積が増加して熱交換効率をより向上することができる。
また本発明によると、外筒が非磁性体から成るので、コイル近傍が加熱されないためコイルの絶縁被覆の熱による破壊を防止することができる。従って、コイルの短絡による発火を防止して安全性の向上を図ることができる。
また本発明によると、延伸部材が磁性体から成るとともに突出部が非磁性体から成るので、突出部の影響を受けにくく、延伸部材の発熱効率を向上させることができる。
また本発明によると、延伸部材が非磁性体から成るとともに前記突出部が磁性体から成るので、突出部での発熱を効率的に行なうことができる。
また本発明によると、延伸部材を断面円形に形成したので、高い発熱効率を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の流体昇温装置を示す側面断面図である。流体昇温装置1は過熱蒸気により調理を行う調理器に搭載される。流体昇温装置1はハウジング2の一端に流入管3が設けられ、他端に流出管4が設けられる。流入管3から水が流入して昇温し、流出管4から過熱蒸気を流出できるようになっている。流入管3の側方には弁5が設けられ、流体昇温装置1内に溜まる液体を廃棄できるようになっている。
ハウジング2内には2重の石英管から成る外筒6が設けられ、軸方向の両端面に形成される開口6a、6bを介して流体が流入及び流出する。2重の石英管内に断熱材を設けてもよい。外筒6の外側には制御基板7により通電制御されるコイル8が巻回される。コイル8とハウジング2との間にはフェライト等の強磁性体9が配される。
外筒6内には金属から成る発熱体11(流体加熱部)が設けられる。発熱体11は蛇腹管から成り、コイル8と同心に配されて軸方向に延びる円筒状の延伸部材11aを有している。延伸部材11aの周壁は軸方向に蛇行し、延伸部材11aから周方向に突出して外筒6の開口6a、6bに面した突出部11bが形成される。また、延伸部材11aの内壁には突出部11bに対応して凹凸部11cが形成される。ハウジング2の上部には発熱体11による異常過熱を検知してコイル8の通電を遮断する温度ヒューズ10が設けられる。
制御基板7によってコイル8に高周波電圧が印加され、磁界が発生して外筒6内を磁束が通る。コイル8の外側を通る磁束は強磁性体9を通り、磁界の漏れが防止される。発熱体11はコイル8による電磁誘導によって内部に渦電流が発生し、ジュール熱によって発熱する。発熱体11を鉄、タングステン、錫やこれらの合金等の固有抵抗の高い金属により形成すると、電流に対する抵抗が大きく加熱効率を高くすることができる。また、発熱体11が磁性体から成るとヒステリシス損によっても加熱されるため加熱効率が向上する。
これにより、流入管3から外筒6内に流入する水は発熱体11と熱交換して気化し、飽和蒸気が得られる。更に飽和蒸気が発熱体11と熱交換して過熱し、過熱蒸気が流出管4から流出する。この時、外筒6を流通する水や蒸気から成る流体は延伸部材11aの内側と外側とを流通し、突出部11b及び凹凸部11cと衝突を繰り返しながら延伸部材11a及び突出部11bと熱交換される。流出管4から流出する過熱蒸気によって食品の調理を行うことができる。
本実施形態によると、流体が外筒6内を流通し、発熱体11(流体加熱部)が外筒6の軸方向に延びる延伸部材11aと延伸部材11aの周面に突出する突出部11bとを有するので、コイル8の磁束が延伸部材11aを通りやすく大きな発熱量を得ることができる。また、突出部11bに外筒6内を流通する流体が衝突するため熱交換面積が増加するとともに乱流を発生させることができる。従って、発熱体11と流体との熱交換効率を向上して流体昇温装置1の加熱効率を向上することができる。
延伸部材11aは外周が断面円形の円筒状に形成されるが、断面多角形の筒状体により形成してもよい。しかしながら、円筒状に形成した方が高い発熱効率を得ることができるのでより望ましい。
また、延伸部材11aを筒状に形成したので、延伸部材11aの内側と外側を流体が流通する。従って、熱交換面積が増加して熱交換効率をより向上することができる。延伸部材11aの内周面には凹凸部11cが設けられるため、延伸部材11a内を流通する流体が凹凸部11cに衝突して乱流が発生する。従って、発熱体11と流体との熱交換効率をより向上することができる。
また、外筒6が非磁性体の誘電体である石英管から成るので、コイル8近傍が加熱されないためコイル8の絶縁被覆の熱による破壊を防止することができる。従って、コイル8の短絡による発火を防止して安全性の向上を図ることができる。
次に、図2は第2実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図1に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の流体昇温装置1は第1実施形態の流体昇温装置1に対して発熱体の構成が異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
発熱体12は金属から成り、コイル8と同心に配されて軸方向に延びる円柱状の延伸部材12aを有している。延伸部材12aの周面には周方向に突出して外筒6の開口6a、6bに面した円板上の突出部12bが設けられる。突出部12bは軸方向に所定の間隔を有して複数設けられる。また、突出部12bの外周と外筒6との間には隙間が設けられる。
外筒6に流入する水や蒸気から成る流体は延伸部材12aの外側を流通し、突出部12bと衝突を繰り返しながら延伸部材12a及び突出部12bと熱交換して上昇する。これにより、流出管4(図1参照)から流出する過熱蒸気によって食品の調理を行うことができる。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、発熱体12(流体加熱部)が外筒6の軸方向に延びる延伸部材12aと延伸部材12aの周面に突出する突出部12bとを有するので、コイル8の磁束が延伸部材12aを通りやすく大きな発熱量を得ることができる。また、突出部12bに外筒6内を流通する流体が衝突するため熱交換面積が増加するとともに乱流を発生させることができるとともに、熱交換する経路長を長くすることができる。従って、発熱体12と流体との熱交換効率を向上して流体昇温装置1の加熱効率を向上することができる。
延伸部材12aは外周が断面円形の円柱状に形成されるが、断面多角形の角柱状に形成してもよい。しかしながら、円柱状に形成した方が高い発熱効率を得ることができるのでより望ましい。また、発熱体12を磁性体により形成するとより望ましい。延伸部材12aと突出部12bのいずれか一方を磁性体により形成し、他方を非磁性体により形成してもよい。
次に、図3は第3実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図1に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の流体昇温装置1は第1実施形態の流体昇温装置1に対して発熱体の構成が異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
発熱体13は金属から成り、コイル8と同心に配されて軸方向に延びる円柱状の延伸部材13aを有している。延伸部材13aの周面には周方向に突出して外筒6の開口6a、6bに面した円板上の突出部13bが設けられる。突出部13bは軸方向に所定の間隔を有して複数設けられ、外筒6と接して配される。また、突出部12bには隣接する突出部12bと周方向の位置が異なる貫通孔13cが形成される。
外筒6に流入する水や蒸気から成る流体は延伸部材13aの外側を流通し、突出部13bと衝突を繰り返す。そして、該流体は貫通孔13cを介して上昇し、延伸部材13a及び突出部13bと熱交換される。これにより、流出管4(図1参照)から流出する過熱蒸気によって食品の調理を行うことができる。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、発熱体13(流体加熱部)が外筒6の軸方向に延びる延伸部材13aと延伸部材13aの周面に突出する突出部13bとを有するので、コイル8の磁束が延伸部材13aを通りやすく大きな発熱量を得ることができる。また、突出部13bに外筒6内を流通する流体が衝突するため熱交換面積が増加するとともに、乱流を発生させることができる。従って、発熱体13と流体との熱交換効率を向上することができ、流体昇温装置1の加熱効率を向上することができる。
また、隣接する突出部13bは貫通孔13cの周方向の位置が異なるので、流体が流通する経路長が長くなる。これにより、発熱体13と流体との熱交換効率をより向上することができる。
尚、図4に示すように、貫通孔13cを円弧状に形成し、径方向の幅よりも周方向の幅を大きくするとより望ましい。これにより、貫通孔13cの径方向の幅を小さくして渦電流の経路の遮断を抑制できるとともに、開口面積を十分確保することができる。従って、圧力損失を小さく維持しつつ発熱量の減少を抑制することができる。
延伸部材13aは外周が断面円形の円柱状に形成されるが、断面多角形の角柱状に形成してもよい。また、発熱体13を磁性体により形成するとより望ましい。延伸部材13aと突出部13bのいずれか一方を磁性体により形成し、他方を非磁性体により形成してもよい。
次に、図5は第4実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図3に示す第3実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の流体昇温装置1は第3実施形態の発熱体13の延伸部材13a(図3参照)が省かれ、突出部13bが非磁性の誘電体から成る外筒6に接して支持されている。その他の部分は第3実施形態と同様である。
外筒6に流入水や蒸気から成る流体は突出部13bと衝突を繰り返す。そして、該流体は貫通孔13cを介して上昇し、突出部13bと熱交換される。これにより、流出管4(図1参照)から流出する過熱蒸気によって食品の調理を行うことができる。
本実施形態によると、第3実施形態に対して延伸部材13a(図3参照)が設けられないため発熱量が減少するが、突出部13bに外筒6内を流通する流体が衝突するため熱交換面積が増加するとともに乱流を発生させることができる。従って、発熱体13と流体との熱交換効率を向上することができる。また、隣接する突出部13bは貫通孔13cの周方向の位置が異なるので流体が流通する経路長が長くなり、発熱体13と流体との熱交換効率をより向上することができる。
尚、前述の図4に示すように、貫通孔13cを円弧状に形成し、径方向の幅よりも周方向の幅を大きくするとより望ましい。これにより、貫通孔13cの径方向の幅を小さくして渦電流の経路の遮断を抑制できるとともに貫通孔13cの開口面積を十分確保することができる。従って、圧力損失を小さく維持しつつ発熱量の減少を抑制することができる。
次に、図6は第5実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す側面断面図である。説明の便宜上、前述の図1に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の流体昇温装置1は第1実施形態の流体昇温装置1に対して発熱体の構成が異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
発熱体14は金属から成り、コイル8と同心に配されて軸方向に延びる円筒状の延伸部材14aを有している。延伸部材14aには複数のフィン15が一体化される。図7に平面図を示すように、フィン15は三日月状の金属の平板から成り、延伸部材14aの内面の一側部に開口14dが形成されるように配される。上下に隣接するフィン15は開口14dが周方向に異なるように設けられている。また、フィン15は中心側が上方で外周側が下方となるように傾斜して配される。
フィン15により延伸部材14aの周方向外側に突出して外筒6の開口6a、6bに面した突出部14bが形成される。また、延伸部材14aの周方向内側に突出した突出部14cが形成される。突出部14bの外周と外筒6との間には隙間が設けられる。
外筒6に流入する水や蒸気から成る流体は延伸部材14aの内側及び外側を流通し、突出部14b、14cと衝突を繰り返しながら延伸部材14a、突出部14b、14cと熱交換して上昇する。これにより、流出管4(図1参照)から流出する過熱蒸気によって食品の調理を行うことができる。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、発熱体14(流体加熱部)が外筒6の軸方向に延びる延伸部材14aと延伸部材14aの周面に突出する突出部14bとを有するので、コイル8の磁束が延伸部材14aを通りやすく大きな発熱量を得ることができる。また、突出部14bに外筒6内を流通する流体が衝突するため熱交換面積が増加するとともに乱流を発生させることができる。従って、発熱体14と流体との熱交換効率を向上することができる。
また、隣接するフィン15は延伸部材14aの内面の一側部に形成される開口14dが周方向に異なるように設けられるため、流体が流通する経路長が長くなり、発熱体14と流体との熱交換効率をより向上することができる。
また、延伸部材14aの内周面に突出部14cから成る凹凸を設けたので、延伸部材14a内を流通する流体が突出部14cに衝突して乱流が発生する。従って、発熱体14と流体との熱交換効率をより向上することができる。
フィン15は中心側が上方で外周側が下方となるように傾斜するため、流入管3(図1参照)から流入する流体を開口14dに案内することができる。従って、圧力損失の増加を抑制することができる。尚、フィン15を軸方向に垂直に配してもよく、延伸部材14aを角柱状に形成してもよい。また、発熱体14を磁性体により形成してもよい。フィン15と延伸部材14aの一方を磁性体により形成して他方を非磁性体により形成してもよい。
次に、図8は第6実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す側面断面図である。説明の便宜上、前述の図6に示す第5実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の流体昇温装置1は第5実施形態の流体昇温装置1に対してフィン15が延伸部材14aの外側に突出しないように設けられている。その他の部分は第5実施形態と同様である。
本実施形態によっても第5実施形態と同様の効果を得ることができる。延伸部材14aを角柱状に形成してもよい。
次に、図9、図10は第7実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す側面断面図及び上面図である。説明の便宜上、前述の図1に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の流体昇温装置1は第1実施形態の流体昇温装置1に対して発熱体16の構成が異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
発熱体16は金属から成り、コイル8と同心に配されて軸方向に延びる円柱状の延伸部材16aを有している。延伸部材16aの周面には軸方向に延びた板状部材から成る複数の突出部16bが放射状に突出して設けられる。また、突出部16bは所定の厚みtを有し、外筒6に接して設けられる。
開口6aから外筒6に流入する水や蒸気から成る流体は突出部16bと摺動しながら延伸部材16a及び突出部16bと熱交換して上昇する。これにより、流出管4(図1参照)から流出する過熱蒸気によって食品の調理を行うことができる。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に流体が外筒6内を流通し、発熱体16(流体加熱部)が外筒6の軸方向に延びる延伸部材16aと延伸部材16aの周面に突出する突出部16bとを有するので、コイル8の磁束が延伸部材16aを通りやすく大きな発熱量を得ることができる。
また、複数の突出部16bが放射状に形成されるため熱交換面積が増加する。更に、突出部16の下端面に外筒6に流入する流体が衝突して乱流を発生させることができる。従って、発熱体16と流体との熱交換効率を向上することができる。延伸部材16aを角柱状や筒状に形成してもよい。また、突出部16bを外筒6の軸方向に対して平行に形成しているが、外筒6の軸方向に対して傾斜して形成してもよい。発熱体16を磁性体により形成してもよく、延伸部材16a及び突出部16bの一方を磁性体により形成して他方を非磁性体により形成してもよい。
第1〜第7実施形態において、調理器に搭載される流体昇温装置1によって水を昇温して過熱蒸気を生成しているが、流入管3から流入する飽和蒸気を昇温して過熱蒸気を流出してもよい。また、流体昇温装置1によって他の流体を昇温してもよい。例えば、流体昇温装置1を湯沸器に搭載し、水を昇温して湯沸かしを行ってもよい。また、流体昇温装置1をボイラーに搭載し、水等の媒体を昇温して暖房してもよい。
電磁誘導加熱によって外筒内を流通する流体を昇温する流体昇温装置を用いた調理器、湯沸器、ボイラー等に利用することができる。
本発明の第1実施形態の流体昇温装置を示す側面断面図 本発明の第2実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す斜視図 本発明の第3実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す斜視図 本発明の第3実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す上面図 本発明の第4実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す斜視図 本発明の第5実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す側面断面図 本発明の第5実施形態の流体昇温装置のフィンを示す平面図 本発明の第6実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す側面断面図 本発明の第7実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す側面断面図 本発明の第7実施形態の流体昇温装置の発熱体を示す上面図
符号の説明
1 流体昇温装置
2 ハウジング
3 流入管
4 流出管
5 弁
6 外筒
8 コイル
9 強磁性体
11〜16 発熱体(流体加熱部)
11a〜16a 延伸部材
11b〜16b、14c 突出部
11c 凹凸部

Claims (11)

  1. 流体が流通する外筒と、
    前記外筒の外側に巻回されるコイルと、
    前記外筒内に配されるとともに前記コイルに高周波電圧を印加して電磁誘導加熱されることにより少なくとも一部が発熱する流体加熱部と、
    を備え、前記外筒内を流通する流体を昇温する流体昇温装置において、
    前記流体加熱部は前記外筒の軸方向に延びる延伸部材と、前記延伸部材の周面に突出する突出部とを有することを特徴とする流体昇温装置。
  2. 前記延伸部材を筒状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の流体昇温装置。
  3. 前記延伸部材の内周面に凹凸を設けたことを特徴とする請求項2に記載の流体昇温装置。
  4. 前記延伸部材が柱状に形成され、前記突出部が軸方向に並設される複数の円板から成ることを特徴とする請求項1に記載の流体昇温装置。
  5. 前記突出部は前記外筒に接して設けられるとともに貫通孔を有し、隣接する前記突出部は前記貫通孔の周方向の位置が異なることを特徴とする請求項4に記載の流体昇温装置。
  6. 前記貫通孔は径方向の幅よりも周方向の幅が大きいことを特徴とする請求項5に記載の流体昇温装置。
  7. 前記突出部は軸方向に延びて前記延伸部材から放射状に配される複数の板状部材から成ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流体昇温装置。
  8. 前記外筒が非磁性体から成ることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の流体昇温装置。
  9. 前記延伸部材が磁性体から成るとともに前記突出部が非磁性体から成ることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の流体昇温装置。
  10. 前記延伸部材が非磁性体から成るとともに前記突出部が磁性体から成ることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の流体昇温装置。
  11. 前記延伸部材を断面円形に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の流体昇温装置。
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