JP2008202391A - 水勾配構造およびそれを用いた防水床面構造 - Google Patents

水勾配構造およびそれを用いた防水床面構造 Download PDF

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一弘 森本
Takeshi Yachinaka
武 谷地中
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秀彰 小松
Hisaya Sawada
久哉 沢田
Takeshi Sakai
健 酒井
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Abstract

【課題】少ない部品点数で水勾配面からドレイン孔への集水と排水を円滑に行えるようにした水勾配構造とそれを用いた防水床面構造を提供する。
【解決手段】構造用下地2の上に、流下してくる水がドレイン孔3、3に案内される第2の傾斜が勾配付きパネル5(5a、5b)の上面に形成されるように、予め薄板状の支持材4(4a〜4c)を配置しておく。その上に、勾配付きパネル5(5a、5b)を配置し、構造用下地2に固定する。
【選択図】図2

Description

本発明は水勾配構造およびそれを用いた防水床面構造に関し、特に、雨水や散水した水などをドレイン孔に向けて集水しそこから排水するようにした、建物のバルコニー、屋上、床面などにおける水勾配構造とそれを用いた防水床面構造に関する。
従来から、建物のバルコニーや屋上等における排水性を確保するために、それらの構造用下地の上に上方から下方に向けた傾斜面を有する勾配付きパネルを配置して水勾配構造を造り、その上に防水層を形成した防水床面構造とすることが行われている。特許文献1には、そのような水勾配構造の水勾配下端側に、水勾配方向に直交する方向の排水溝パネルを設置し、排水溝パネルに集水した水をドレイン孔に向けて案内して排水するようにした水勾配構造が記載されている。該排水溝パネルにドレイン孔に向けた所要の傾斜を付けておくことにより、円滑な排水が可能となる。
排水溝パネルを用いずに、雨水等を直接ドレイン孔に向けて案内するようにした水勾配構造も提案されている。特許文献2には、上方から下方に向けた傾斜面を有する勾配付きパネルによって水勾配面を形成するときに、その水勾配面の水勾配下端部で用いる勾配付きパネルとして、一側から斜めに傾斜した斜め勾配面を持つ勾配付きパネルを配置することが記載されている。水勾配に沿って流下してくる水は、最下段に位置する斜め勾配面を持つ勾配付きパネルの上を斜め勾配面に沿って流れることにより、防水床面構造の左右端に形成したドレイン孔に案内される。特許文献3には、水勾配面の水勾配下端部で用いる勾配付きパネルとして、上方から下方に向けた傾斜面を有する勾配付きパネルではなく、右から左あるいは左から右に向けた傾斜面を有する勾配付きパネルを用いることが記載されている。水勾配に沿って流下してくる水は、最下段に位置する、左右方向の傾斜面を有する勾配付きパネルの傾斜面に沿って流れることにより、防水床面構造の左右端に形成したドレイン孔に円滑に案内される。
特開平11−264219号公報 特開平5−311819号公報 特開平11−172864号公報
特許文献2、3に記載の水勾配構造は、別部材としての排水溝パネルを用いないことから部品点数を少なくできる利点がある。しかし、水勾配の最下端部には、それより上位の一般部で使用する勾配付きパネルとは異なる形態の勾配付きパネルを用いることが必要であり、部品点数削減の観点からはさらに改善すべき点がある。また、特許文献2に記載される、最下段で用いる一側から斜めに傾斜した斜め勾配面を持つ勾配付きパネルは、表面の勾配が三次元的勾配であり、製造が複雑であるとともに、沈み込み防止や防火のためにその上に貼り付ける剛性板等との密着性が不十分になる恐れがある。特許文献3に記載される水勾配構造では、最下段に位置する左右方向の傾斜面を有する勾配付きパネルとその直上流側に位置する勾配付きパネルとの間に上下方向の段差が形成されることから、この場合も、その上に貼り付ける防水層等との密着性が不十分となる恐れがある。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、より少ない部品点数で水勾配面からドレイン孔への集水と排水を円滑に行えるようにした、より改善された水勾配構造とそれを用いた防水床面構造を提供することを課題とする。
本発明による水勾配構造は、構造用下地の上に、上方から下方に向けた第1の傾斜を有する勾配付きパネルによって水勾配面が形成され、該水勾配面の水勾配下端側に少なくとも1個のドレイン孔が形成されている水勾配構造において、前記水勾配面の水勾配下端側における前記構造用下地と勾配付きパネルとの間に薄板状の支持材が配置されており、該支持材により支持材が配置されている近傍の勾配付きパネルには前記第1の傾斜と異なる方向の第2の傾斜が前記ドレイン孔に向けて形成されていることを特徴とする。
上記の水勾配構造では、構造用下地の上に配置するパネルは、基本的に、上方から下方に向けた第1の傾斜を有する勾配付きパネルのみであり、他の傾斜面構造を持つパネルを必要としないので、部品点数の低減を図ることができる。そして、水勾配下端側に配置されている勾配付きパネルは薄板状の支持材によって部分的に嵩上げされる(持ち上げられる)ことにより、水勾配面の傾斜方向(前記第1の傾斜)と異なる方向の第2の傾斜がドレイン孔に向けて形成されているので、水勾配面上を流下して水勾配下端側に達した水は、水勾配下端側近傍で滞留することはなく、速やかにドレイン孔に向けて集水され、ドレイン孔から排水される。
前記の水勾配構造を施工するに当たっては、水勾配面の水勾配下端側における構造用下地上の所要箇所に、上記の薄板状の支持材を配置し、その上から勾配付きパネルを敷き詰める作業を行えばよく、施工作業も容易である。
本発明による水勾配構造において、構造用下地に形成されるドレイン孔の数は任意であり、1個でもよく複数個でもよい。いずれの場合も、各ドレイン孔に向けて第2の傾斜が形成されるよう薄板状の支持材の配置位置を調整する。必要に応じて、厚さの異なるあるいは2枚以上の薄板状の支持材を、部分的に積層配置する。一つの態様として、水勾配面の水勾配下端側の左右端にドレイン孔が形成されている場合において、前記第2の傾斜は2つのドレイン孔間の中間位置が最も高く、そこから各ドレイン孔に向けて次第に下降する傾斜とされている態様が挙げられる。
本発明による水勾配構造において、薄板状の支持材は構造用下地の上の所要位置に単に置かれた状態でもよいが、接着剤あるいは適宜の固定具で構造用下地に対して自由移動しないように固定されることが好ましい。より好ましくは、薄板状の支持材は勾配付きパネルとともに構造用下地に対して釘やビス等の固定具により固定される。
本発明による水勾配構造において、薄板状の支持材の平面視形状に特に制限はなく、施工の結果として、前記したように、当該支持材により支持材が配置されている近傍の勾配付きパネルに前記第1の傾斜と異なる方向の第2の傾斜が前記ドレイン孔に向けて形成されることを条件に、任意である。加工の容易さおよび材料の無駄を少なくできることから平面視矩形状の支持材は好ましい。支持材の他の好ましい形状として、三角形状や台形状のように、底辺と該底辺から鋭角で立ち上がる傾斜辺とを少なくとも持つ平面視形状のものが挙げられる。その形状の支持材を、前記底辺が水勾配下端側となりかつ前記傾斜辺がドレイン孔側となるようにして構造用下地と勾配付きパネルとの間に配置する。このように配置することにより、勾配付きパネルに形成される前記第2の傾斜は、より段差のない状態で前記ドレイン孔に向けて連続状に形成される。
本発明による水勾配構造において、薄板状の支持材の素材は所要の圧縮強度を有することを条件に任意である。好ましくは、施工現場での寸法合わせや位置合わせ時に容易に所要の寸法および形状に切断できることから、合成樹脂板または合板である。中でも合成樹脂発泡体は適度の圧縮変形特性を有しており、上に配置する勾配付きパネルとの馴染み(密着性)が良好となるので、特に好ましい。
本発明による水勾配構造において、前記薄板状の支持材を配置することにより、支持材の厚さ分の段差部が形成される。その段差部分において、その上に配置する勾配付きパネルとの間に僅かな隙間が形成される。実際の施工においては、自重等により勾配付きパネルが自然変形して、勾配付きパネルの上面には連続する滑らかな傾斜面(第2の傾斜面)が形成されるので格別の問題は生じないが、より連続する滑らかな傾斜面を得る目的で、形成される段差部に当該支持材の辺に沿うようにして、その全部または一部に充填材を塗布するようにしてもよい。充填材には、変成シリコーンシーリング材を一例として挙げられる。
本発明による水勾配構造において、構造用下地は、排水を必要とするすべての床面に対する構造用下地が該当する。例えば、バルコニー、屋上、車庫等の床などの構造用下地が挙げられる。構造用下地は、木組み構造や鉄骨組み構造であってもよく、打設したコンクリート面であってもよい。いずれの場合も、構造用下地に形成される水勾配面の水勾配下端側の少なくとも一箇所には、ドレイン孔が形成される。
本発明による水勾配構造において、勾配付きパネルは、所要の強度を備えかつ上方から下方に向けた第1の傾斜を有することを条件に、材料等は任意である。好ましくは、樹脂発泡体であり、樹脂発泡体としては、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリオレフィン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、ポリウレタン系樹脂発泡体等が挙げられる。強度と成形性とコストの面から特にポリスチレン系樹脂発泡体が好ましい。より好ましくは、ポリスチレン系樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させた発泡性樹脂粒子を予備発泡させ、得られた予備発泡粒子を発泡成形することにより得られた成形体(樹脂発泡成形品)である。
さらに、勾配付きパネルは、単一の材料で構成されていてもよいし、二種以上の材料で構成されていてもよい。その中でも好ましいのは、勾配付きパネルの傾斜面に剛性板が積層されている構成のものである。さらに好ましくは、上方から下方に向けた第1の傾斜を有する樹脂発泡成形品と剛性板とが積層されている勾配付きパネルである。その樹脂発泡成形品の発泡倍率は強度的な理由から50倍以下であることが望ましい。剛性板としては、合板(厚さ12mm以上)や鋼板(厚さ0.1mm以上1mm以下)や無機材料板(厚さ8mm以上)が挙げられる。無機材料板の例としてはケイ酸カルシウム板等が挙げられる。
本発明は、上記した水勾配構造における勾配付きパネルの上に少なくとも防水層を形成して構成される防水床面構造をも開示する。防水層は従来知られたものでよく、一例としてガラス繊維強化ポリエステル樹脂と弾性合成樹脂シートとの積層体などが挙げられる。防水層の上に軽量コンクリート板やセメント押出成形板等による保護層を形成してもよい。
本発明によれば、少ない部品点数でもってかつ容易に、ベランダ等における水勾配構造が構築される。また、それを用いた防水床面構造が得られる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による水勾配構造の一例を上から見て示している。図2は図1に示す水勾配構造において、勾配付きパネルを除去した状態を斜視図で示している。図3は図1でのIII−III線に沿う断面図であり、図4は図1に示す水勾配構造の側面図である。また、図5〜図10は本発明による水勾配構造の他の例を説明している。
図1〜図4に示す水勾配構造は、木組み構造物のバルコニーにおける水勾配構造である。図示しない躯体本体側からバルコニーのための根太1・・(図2)が水平方向に突き出ており、そこに、バルコニー用の下地合板が複数枚取り付けられて構造用下地2を形成している。この例で、構造用下地2の大きさは1600mm×3600mm程度である。構造用下地2の躯体本体とは反対側の側縁2aにおける左右方向(Y方向)の端部にはドレイン孔3、3が形成されており、各ドレイン孔3は図示しない排水樋に接続している。なお、本発明において、構造用下地がこれに限定されないことは、前記したとおりである。
水勾配構造の施工に当たり、最初に、ドレイン孔3、3が形成されている側の構造用下地2の側縁2aに沿って、平面視矩形状である薄板状の支持材4(4a〜4c)を配置する。この例で、薄板状の支持材4は厚さ5mm程度の合成樹脂発泡体を適宜の大きさに裁断したものである。支持材4aは450mm×900mm程度の大きさであり、支持材4bは150mm×600mm程度の大きさであり、支持材4cは150mm×300mm程度の大きさである。
最初に、構造用下地2の側縁2aに側縁が一致するようにして、支持材4aを構造用下地2の左右方向(Y方向)の中央位置に置く。次に、支持材4aの左右方向の両側に2つの支持材4b、4bを、その側縁が構造用下地2の側縁2aに沿うようにして配置する。最後に、支持材4cを先に配置した支持材4aの左右方向のほぼ中央位置に、その側縁が構造用下地2の側縁2aに沿うようにして配置する。その状態が、図2に示される。支持材4aおよび4bを配置した箇所では、構造用下地2の面よりも5mmだけ高くなっており、支持材4cを配置した箇所では、構造用下地2の面よりも10mmだけ高くなっている。
次に、勾配付きパネル5(5a、5b)を取り付ける。この例において、勾配付きパネル5は、ポリスチレン系樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させた発泡性樹脂粒子を予備発泡させ、得られた予備発泡粒子を発泡成形することにより得られた成形体であって上面側に上方から下方に向けたX方向の第1の傾斜を形成した樹脂発泡成形品6と、該樹脂発泡成形品6の前記傾斜した面に接着等により積層一体化したケイ酸カルシウム板のような剛性板7とで形成される。なお、剛性板7を備えない勾配付きパネルを用いてもよい。第1の勾配付きパネル5aは450mm×900mm程度の大きさであり、前縁側の厚み36mm程度、後縁側の厚み41mm程度であって、上方から下方に向けて落差約5mmである前記第1の傾斜が上面側に形成されている。第2の勾配付きパネル5bは760mm×900mm程度の大きさであり、前縁側の厚み28mm程度、後縁側の厚み36mm程度であって、上方から下方に向けて落差約8mmである前記第1の傾斜が上面側に形成されている。
上記第1と第2の勾配付きパネル5a、5bを、図2に示す構造用下地2の上に配置して固定する。固定には釘やビスのような固定具8を用い、勾配付きパネル5の上から構造用下地2に向けて固定具を打ち込む。
最初に、図1で右側の位置に、1列目の第1の勾配付きパネル5aを固定する。そのときに、合板等で作られた厚さ5mmの高さ調整パネル9を構造用下地2の上に置き(図3、図4参照)、その上から第1の勾配付きパネル5aを固定する。この例では、4枚の第1の勾配付きパネル5aが左右方向(Y方向)に固定されるが、固定後での1列目のすべての第1の勾配付きパネル5aの前縁側の高さは、構造用下地2から41mmの高さ、すなわち、第1の勾配付きパネル5aの前縁側の厚み36mm+調整パネル9の高さ5mmとなる。固定後の1列目のすべての第1の勾配付きパネル5aの後縁側の高さは、後縁側の厚み41mm+調整パネル9の高さ5mmで46mmとなり、上方から下方であるX方向に向けて落差約5mmの第1の傾斜が形成される。
次に、1列目の第1の勾配付きパネル5aの前縁側(X方向側)に2列目の第1の勾配付きパネル5aをやはりY方向に4枚並べて固定する。このときには、調整パネル9は用いない。図1に示すように、2列目のすべての第1の勾配付きパネル5aの後縁側の高さは41mm、前縁側の高さは36mmとなり、1列目と2列目の勾配付きパネル5aとによって、上方から下方に向けて落差約10mmのX方向に連続する第1の傾斜が形成される。
次に、2列目の第1の勾配付きパネル5aの前縁側(X方向側)に、第2の勾配付きパネル5b(5b1、5b2、5b3、5b4)をやはりY方向に4枚並べて固定する。勾配付きパネル5b1、5b4において、ドレイン孔3周囲はパネルを切り欠いた形状となっている。このときも、調整パネル9は用いない。図2に示したように、構造用下地2の上の所定位置には薄板状の支持材4(4a〜4c)が既に配置されており、その場所においては、配置した第2の勾配付きパネル5bは薄板状の支持材(4a〜4b)によって部分的に5mm〜10mmの範囲で持ち上げられる。
すなわち、最もドレイン孔3に近い第2の勾配付きパネル5b1と第2の勾配付きパネル5b4では、前縁側の高さは、第2の勾配付きパネル5bの前縁側の厚みである28mmの高さとなり、後縁側の高さは前縁側の厚みである36mmの高さとなる。それにより、その領域では上方から下方に向けて落差約6mmであるX方向の第1の傾斜が、第1の勾配付きパネル5aにより形成された第1の傾斜に連続して形成される。ただし、図1に示すように、第2の勾配付きパネル5b1と5b4の一部は、薄板状の支持材4bの上に乗っており、その領域では5mmだけ高さが高くなっている。
第2の勾配付きパネル5b2、5b3は、多くの領域で薄板状の支持材4(4a〜4b)により持ち上げられている。すなわち、2つの前記第2の勾配付きパネル5b2、5b3が接している領域近傍における、前縁側付近では薄板状の支持材4a、4cの合計厚みである10mmの分だけ高くなって、38mmの高さとなっている。その周囲の領域は、薄板状の支持材4a、4bに相当する分だけ持ち上げられている。
実際の施工においては、自重およびまたは必要に応じて積層する防水層の荷重により、あるいは意図的な上からの押さえ付け荷重により、第2の勾配付きパネル5b2、5b3の上面には、薄板状の支持材4(4a〜4c)に起因して持ち上げられた連続する滑らかな傾斜面(第2の傾斜面)が形成される。図1に示す例では、2枚の第2の勾配付きパネル5b2、5b3が接している部分では、X方向に、36mm→36mm→38mmと変化する傾斜が形成され、第2の勾配付きパネル5b2、5b3のY方向の中央領域では、X方向に、36mm→34mm→33mmと変化する傾斜が形成され、さらに、第2の勾配付きパネル5b2、5b3と前記第2の勾配付きパネル5b1、5b4とが接する領域では、X方向に、36mm→32mm→33mmと変化する傾斜が形成される。それにより、薄板状の支持材4(4a〜4c)が配置されている近傍の勾配付きパネル5bの上面には、全体として前記第1の傾斜と異なる方向の第2の傾斜がドレイン孔3、3に向けて形成されることとなる。すなわち、ここでは、前記第2の傾斜は、2つのドレイン孔3、3間の中間位置が最も高く、そこから各ドレイン孔3、3に向けて次第に下降する傾斜となる。そのために、図1に矢印で示すように、第1の傾斜によって流下してくる水は、斜面下端側では前記第2の傾斜に沿ってドレイン孔3、3に向けて積極的に案内されるようになり、水勾配構造の下端側で水が滞留することを確実に回避することができる。
上記の説明では、構造用下地2のY方向の左右端にドレイン孔3、3を形成したが、Y方向の任意の位置に1個または複数個のドレイン孔3を形成してもよく、その場合には、形成したドレイン孔3に向けて前記第2の傾斜が形成されるように、薄板状の支持材4の厚さや形状および構造用下地2への配置位置を適宜設定する。
図示しないが、上記のようにして施工した水勾配構造における前記勾配付きパネル5a、5bの上に、必要な場合には、従来法と同様にして防水層を形成することにより、バルコニーの防水床面構造が形成される。前記したように、防水層としては、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂と弾性合成樹脂シートとの積層体等が、有効である。
本発明による水勾配構造の第2の形態を説明する。この形態では、支持体の平面視形状においてのみ、上記図1〜図4に示した形態のものと異なっている。支持体の材料や勾配付きパネル5(5a、5b)等の他の部材は図1〜図4に示したものと同じであり、同じ符号を付して説明は省略する。
図5に示すように、この例において、支持体40は、平面視が全体として2等辺三角形である、下位支持体40aと上位支持体40bとからなる。共に、厚さ5mm程度の合成樹脂発泡体から裁断したものであり、図6(a)に示すように、下位支持体40aは、約450mm×900mmの寸法である2つの矩形状の合成樹脂発泡体45、45から直角三角形41、42を切り出し、それを合わせることにより形成されている。そして、その残材46、46から、下位支持体40aと相似形状である高さ約150mm、底辺幅約300mmの2等辺三角形の上位支持体40bを切り出している。
前記下位支持体40aを、その底辺43aが構造用下地2の側縁2aに側縁が一致するように、かつ左右の傾斜辺44a、44aがドレイン孔3、3側向くようにして構造用下地2の左右方向(Y方向)の中央位置に置く。それにより、前記底辺43aから鋭角で立ち上がる左右の傾斜辺44a、44aは、構造用下地2上でドレイン孔3側を下位として斜め上方中央部に向かって位置することとなる。次に、上位支持体40bを、その底辺43bがやはり構造用下地2の側縁2aに側縁が一致するようにして、先に配置した下位支持体40aの左右方向(Y方向)の中央位置に置く。それにより、上位支持体40bの底辺43bから鋭角で立ち上がる左右の傾斜辺44b、44bは、下位支持体40aの上で、下位支持体40aの傾斜辺44a、44aと平行に、やはりドレイン孔3側を下位として斜め上方中央部に向かって位置することとなる。
前記したように、下位支持体40aおよび上位支持体40bはともに厚さ5mmであり、下位支持体40aを配置した箇所では、構造用下地2の面よりも5mmだけ高くなっており、下位支持体40aの上に上位支持体40bを配置した箇所では、構造用下地2の面よりも10mmだけ高くなっている。
図6(b)は、支持体40の他の例を示す。ここでは、適宜の大きさの矩形状である4枚の合成樹脂発泡体45を横に並べ、左右を斜めに裁断することにより、台形状の下位支持体40cとしている。裁断後の残材46から、図6(a)における同様な形状の上位支持台40bを裁断し、両者を重ねることにより、支持体40としている。この場合でも、下位支持体40cの平面視形状は、底辺と該底辺から鋭角で立ち上がる左右の傾斜辺を持つ形状であり、この薄板状の支持材40も、底辺が水勾配下端側となるように、かつ左右の傾斜辺がドレイン孔3、3側に向くようにして構造用下地2に配置される。
図5に示すようにして、構造用下地2に支持体40を配置した後、図1〜図4に基づき説明したと同様にして、第1と第2の勾配付きパネル5a、5bを、既に配置してある支持体40をも覆うようにして構造用下地2の上に配置固定する。固定後の状態が図7に斜視図として示される。前記したように、この形態では、支持材40(下位支持体40aとその上の上位支持体40b)の傾斜辺44a、44bが、構造用下地2上でドレイン孔3側を下位とする斜め方向に位置していることから、勾配付きパネル5a、5bに形成される前記第2の傾斜は、矩形状の支持体4を用いる場合と比較して、より段差のない連続した状態で前記ドレイン孔3に向けて形成される。そのために、図8に矢印で示すように、第1の傾斜によって流下してくる水は、支持材40(下位支持体40aとその上の上位支持体40b)が配置されている領域において、形成された前記第2の傾斜に沿ってドレイン孔3、3に向けて、一層円滑にかつ積極的に案内されるようになり、水勾配構造の下端側で水が滞留することを、より確実に回避することができる。なお、図5において、47は後に説明する充填材を示す。
図9は、上記の水勾配構造における、図1に相当する図であり、この例に示すように、支持材40(下位支持体40aとその上の上位支持体40b)が配置されている領域において、第2の傾斜がより段差のない状態で形成されることがわかる。
図10は、構造用下地2の上に下位支持体40aを配置したことにより形成される段差部分、および下位支持体40aの上に上位支持体40bを配置したことにより形成される段差部分に、各支持材の傾斜辺44a、44bに沿うようにして変成シリコーンシーリング材のような充填材47を塗布した状態を示している。図示の例では、充填材47を傾斜辺44a、44bの全域に沿って塗布しているが、部分的に塗布してもよい。
このように充填材47を塗布することにより、段差部に形成される勾配付きパネル5と構造用下地2および下位支持体40aとの間に形成される僅かな隙間を充填材47によって埋めることができ、勾配付きパネルの上面に、一層滑らかに連続する第2の傾斜面を形成することができる。なお、この充填材を塗布する技術は、図1〜図4に示したものにも適用することができる。
本発明による水勾配構造の一例を上から見て示す図。 図1に示す水勾配構造において勾配付きパネルを除去した状態を示す斜視図。 図1でのIII−III線に沿う断面図。 図1に示す水勾配構造の側面図。 本発明による水勾配構造における支持材の第2の形態を説明するための図。 第2の形態の支持材の2つの態様を製造過程と共に示す図。 第2の形態の支持材を用いた水勾配構造を示す斜視図。 第2の形態の支持材を用いた水勾配構造における水の流れを模式的に示す図。 第2の形態の支持材を用いた水勾配構造を上から見て示す図1に相当する図。 段差部に充填材を塗布する状態を説明するための図。
符号の説明
1…支持部材、2…構造用下地、2a…構造用下地の側縁、3…ドレイン孔、4(4a〜4c)…薄板状の支持材、5(5a、5b)…勾配付きパネル、6…第1の傾斜を形成した樹脂発泡成形品、7…剛性板、8…固定具、40…第2の形態の薄板状の支持材、40a…下位支持体、40b…上位支持体、43a、43b…底辺、44a、44a…左右の傾斜辺、47…充填材

Claims (10)

  1. 構造用下地の上に、上方から下方に向けた第1の傾斜を有する勾配付きパネルによって水勾配面が形成され、該水勾配面の水勾配下端側に少なくとも1個のドレイン孔が形成されている水勾配構造において、
    前記水勾配面の水勾配下端側における前記構造用下地と勾配付きパネルとの間に薄板状の支持材が配置されており、該支持材により支持材が配置されている近傍の勾配付きパネルには前記第1の傾斜と異なる方向の第2の傾斜が前記ドレイン孔に向けて形成されていることを特徴とする水勾配構造。
  2. 前記水勾配面の水勾配下端側の左右端にドレイン孔が形成されており、前記第2の傾斜は2つのドレイン孔間の中間位置が最も高く、そこから各ドレイン孔に向けて次第に下降する傾斜とされていることを特徴とする請求項1に記載の水勾配構造。
  3. 前記薄板状の支持材は前記勾配付きパネルとともに構造用下地に固定具により固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水勾配構造。
  4. 前記薄板状の支持材として平面視で矩形状のものを用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水勾配構造。
  5. 前記薄板状の支持材として、底辺と該底辺から鋭角で立ち上がる傾斜辺とを少なくとも持つ平面視形状のものを用い、該薄板状の支持材は前記底辺が水勾配下端側となりかつ前記傾斜辺がドレイン孔側となるようにして構造用下地と勾配付きパネルとの間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水勾配構造。
  6. 前記薄板状の支持材は合成樹脂板または合板であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の水勾配構造。
  7. 前記薄板状の支持材を配置することにより形成される段差部には当該支持材の辺に沿うようにして充填材が塗布されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の水勾配構造。
  8. 前記勾配付きパネルは樹脂発泡成形品であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の水勾配構造。
  9. 前記勾配付きパネルの傾斜面には剛性板が積層されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の水勾配構造。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の水勾配構造における勾配付きパネルの上に少なくとも防水層が形成されていることを特徴とする防水床面構造。
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