JP2008202150A - 板ベルト状ロープ及び樹木の支持具 - Google Patents
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Abstract
樹木支持具として十分な初期の引張強力を持ち、かつ作業性に優れた柔らかさを持ち、目的や用途に応じて2〜5年は強力を保持するポリ乳酸ロープ及び樹木の支持具を提供する。
【解決手段】
ポリ乳酸繊維からなり、初期の引張強力が15kN以上、長手方向のガーレ法による剛軟度が40000mg以下である事を特徴とする板ベルト状ロープ。
【選択図】なし
Description
(1)ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)
ポリ乳酸をクロロホルムに溶解させて測定溶液とし、これをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)を求めた。
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料20mgを昇温速度16℃/分にて測定して得た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点(℃)とした。
精秤した試料をo−クレゾール(水分5%)に溶解し、この溶液にジクロロメタンを適量添加した後、0.02規定のKOHメタノール溶液にて滴定することにより求めた。この時、乳酸の環状2量体であるラクチド等のオリゴマーが加水分解し、カルボキシル基末端を生じるため、繊維のカルボキシル基末端の全てを合計したカルボキシル基末端濃度が求まる。
JIS L 1013:1999 8.3.1 A法に基づき、112.5m分の小かせをサンプル数5採取し、その質量を測定し、その値(g)に10000/112.5をかけ、見掛け繊度(dtex)を求めた。見かけ繊度から、次の式によって正量繊度を求め、平均値を算出した。
正量繊度(dtex)=D’×(100+Rc)/(100+Re)
ここに、D’:見かけ繊度(dtex)
Rc:公定水分率(%)
Re:平衡水分率(%)。
JIS L 1013:1999 8.5.1に拠って測定した。
試料を緩く張った状態で、引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン(登録商標)UCT−100)のつかみにつかみ間隔20cmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。初荷重をかけたときの伸びを緩み(mm)として読み、更に試料を引っ張り、試料が切断したときの荷重及び伸び(mm)を測定し、次の式によって引張強さ及び伸び率を算出した。試験回数は10回とし、その平均値を算出した。
Tb=SD/F0
ここに、Tb:引張強さ
SD:切断時の強さ
F0:試料の正量繊度
伸び率(%)=[(E2−E1)/(L+E1)]×100
ここに、E1:緩み(mm)
E2:切断時の伸び(mm)
L:つかみ間隔(mm)。
JIS D 4604:1995に準じて測定した。
試料を緩く張った状態で、引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン(登録商標)UCT−100)のつかみにつかみ間隔60cmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。試料が破断するまで引張り、破断時の引張強力を測定した。又、初荷重をかけたときの伸びを緩み(mm)として読み、更に試料を引っ張り、試料が切断したときの荷重及び伸び(mm)を測定し、次の式によって引張強さ及び伸び率を算出した。試験回数は10回とし、その平均値を算出した。
Tb=SD
ここに、Tb:引張強力
SD:切断時の強力(kN)
伸び率(%)=[(E2−E1)/(L+E1)]×100
ここに、E1:緩み(mm)
E2:切断時の伸び(mm)
L:つかみ間隔(mm)。
JIS L 1096−1999 8.20.1 A法に拠って測定した。
試料を長さ89mm、幅25mmにて、ガーレ式剛軟度測定器(株式会社安田精機製作所)を使用し、荷重200gにてロープのたて方向を測定した。n=5の試料片の表裏を測定し、平均値を算出した。
東レ(株)瀬田工場内の黒土にて、ロープを深さ50cmに埋設して2年後の強力保持率を次式により求めた。引張強力の測定方法は上記(6)に準じて測定した。
強力保持率(%)=[(Tb−Tb’)/Tb]×100
ここに、Tb :土壌埋設前の初期の引張強力
Tb’:土壌埋設後の引張強力。
板ベルト状ロープを使用して、樹木を支持施工する時の金具通過性を次の3段階で評価を実施した。
◎:金具の通過性も非常に良好で、作業性に極めて優れる。
○:金具の通過性が良好で、良好で作業性に優れる。
△:金具の通過性が悪く、作業性が劣る。
×:ロープが硬いために金具の通過性が極めて悪く、作業性が極めて劣る。
板ベルト状ロープを使用して、樹木を支持施工する時の結び性を次の3段階で評価を実施した。
◎:ロープの結びも非常に良好で、作業性に極めて優れる。
○:ロープの結びも良好で、作業性に優れる。
△:ロープの結びも結びにくく作業性が劣る。
×:ロープも結びにくいために、作業性が極めて劣る。
板ベルト状ロープを使用して、樹木を支持施工し、1年間土中に埋設した後にロープ及び樹木の状態について評価を実施した。(n=10)
○:ロープの破損が見られず、樹木が傾いたり、倒壊することもなく、支持具として十分に機能している。
×:ロープが破損し、樹木が傾いたり、倒壊したりして支持具として十分に機能していない。
(紡糸・延伸)
重量平均分子量20万、融点170℃のポリ乳酸(光学純度97%L乳酸)のチップを真空下、100℃で12時間乾燥した。
得られたポリ乳酸マルチフィラメントを、経糸に4本合撚糸(60t/m)、耳糸・とじ糸・芯糸に2本合撚糸(60t/m)、緯糸に2本合糸(無撚り)として使用し、緯糸密度が16本/30mm、幅40mm、厚さ3.9mmの板ベルト状ロープを作成した。
(紡糸・延伸)
実施例1で用いたのと同様のポリ乳酸チップを実施例1と同条件にて乾燥し、さらに、末端封鎖剤としてポリカルボジイミド((株)日清紡製“カルボジライト”(R) HMV−8CA)を1質量%添加、混合した。
この混合物を用い、実施例1と同条件にて紡糸・延伸を実施し、フィラメント数144、単繊維繊度7.6dtex、総繊度1100dtexのポリ乳酸マルチフィラメントを得た。
上記ポリ乳酸マルチフィラメントを用い、実施例1と同条件にて板ベルト状ロープを作成した。得られた板ベルト状ロープは初期の引張強力28.7kN、剛軟度30000mgであった。
(紡糸・延伸)
実施例1で用いたのと同様のポリ乳酸チップを実施例1と同条件にて乾燥し、さらに、滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミド(EBA)(日本油脂社製“アルフロー” (R)(H−50S)を1質量%添加、混合した。
この混合物を用い、実施例1と同条件にて紡糸・延伸を実施し、フィラメント数144、単繊維繊度7.6dtex、総繊度1100dtexのポリ乳酸マルチフィラメントを得た。
上記ポリ乳酸マルチフィラメントを用い、実施例1と同条件にて板ベルト状ロープを作成した。得られた板ベルト状ロープは初期の引張強力26.2kN、剛軟度29980mgであった。
(紡糸・延伸)
重量平均分子量10万、融点170℃のポリ乳酸(光学純度97%L乳酸)のチップを実施例1と同条件にて乾燥した。
このポリ乳酸チップを用い、紡糸温度を210℃とした以外は実施例1と同条件にて紡糸・延伸を実施し、フィラメント数144、単繊維繊度7.6dtex、総繊度1100dtexのポリ乳酸マルチフィラメントを得た。
上記ポリ乳酸マルチフィラメントを用い、実施例1と同条件にて板ベルト状ロープを作成した。得られた板ベルト状ロープは初期の引張強力13.6kN、剛軟度28500mgであった。
(紡糸・延伸)
実施例1で用いたのと同様のポリ乳酸チップを実施例1と同条件にて乾燥した。
このポリ乳酸チップを用い、フィラメント数54、単繊維繊度20.3dtexとなるようにした以外は実施例1と同条件にて紡糸・延伸を実施し、フィラメント数54、単繊維繊度20.3dtex、総繊度1100dtexのポリ乳酸マルチフィラメントを作成した。
上記ポリ乳酸マルチフィラメントを用い、実施例1と同条件にて板ベルト状ロープを作成した。得られた板ベルト状ロープは初期の引張強力23.2kN、剛軟度42000mgであった。
(紡糸・延伸)
ポリブチレンサクシネート(昭和高分子製 ビオノーレ#1001(R) 融点115℃)を紡糸温度220℃で、吐出孔直径1.5mmにて紡出し、20℃の温水中で冷却固化した。
得られたモノフィラメントを3本引き揃えた合糸を、4本ずつ撚り合わせ、さらに撚り合わせた糸2本をより合わせて経糸とした。
Claims (4)
- ポリ乳酸繊維からなり、初期の引張強力が15kN以上、長手方向のガーレ法による剛軟度が40000mg以下であることを特徴とする板ベルト状ロープ。
- ポリ乳酸繊維の重量平均分子量(MW)が8万〜25万である、請求項1記載の板ベルト状ロープ。
- ポリ乳酸繊維の単繊維が5〜20dtexである、請求項1または2記載の板ベルト状ロープ。
- 樹木を土中に支持施工するための支持具であり、請求項1〜3のいずれか1項に記載の板ベルト状ロープを有することを特徴とする樹木の支持具。
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