JP2008202106A - 微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法 - Google Patents

微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来にない画期的な微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法を提供する。
【解決手段】金属製の微細電極1と、これと微小な間隙をおいて対向する電極2との間に直流パルス放電を生じさせることにより前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、微小径でその分布も狭い微粒子若しくは微小径ファイバーの迅速な製造方法に関するものである。
様々な物質の微粒子や、非常に細かい径のファイバー(いわゆるマイクロファイバー)は、バルクの物質とは異なる機能を示すものも多い。
これまでにも数多くの微粒子若しくは微小径ファイバーの製造方法が考案されており、それらは、例えばアーク放電などの放電によるもの,細線のジュール加熱による線爆によるもの,溶融させて気中や液体中に噴霧する各種のアトマイザー法によるもの,レーザーアブレーション法によるもの,CVD法によるものなど様々である(特開2005−097654号公報など)。
このような微粒子や微小径ファイバーは、その粒子の構造や粒径(ファイバー径)分布に応じて様々な機能(特性)を発揮することが知られており、また同時に微粒子や微小径ファイバーの製造方法にその粒子の構造や粒径分布が大きく依存することも周知の通りである。
そこで、現在においてもこの微粒子や微小径ファイバーの更なる新規な製造方法の研究開発が為されており、特に粒径(ファイバー径)が小さく且つその分布も非常に狭い微粒子や微小径ファイバーを迅速に製造できるような新規な技術の開発が、この種の業界において重要な課題とされている。
特開2005−097654号公報
本発明は、タングステンなどの微細電極と、これと対向する電極との間に(或いはこの対向電極間に少量の水を添加した上で)1000μ秒以下の放電時間で10アンペア以上の直流パルス放電を発生せしめた場合の前記微細電極の形状の時間変化を特殊な撮影法により観察した際に、前記直流パルス放電後の数m秒から数百m秒の間に微細電極の周辺の気相から微粒子が析出され、やがて、それら析出された微粒子から成る微小径ファイバー(マイクロファイバー)が生成されるという極めて特異な現象を繰り返しの実験観察により確認して完成したもので、従来にない画期的な微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法を提供することを課題とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
金属製の微細電極1と、これと微小な間隙をおいて対向する電極2との間に直流パルス放電を生じさせることにより前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成することを特徴とする微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記金属製の微細電極1と、これと微小な間隙をおいて対向する前記電極2との間に、10アンペア以上にして放電時間が1000μ秒以下の直流パルス放電を生じさせることにより前記微細電極1を瞬時に気化することを特徴とする請求項1記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記微細電極1と、これと対向する前記電極2との微小な間隙に加工油や水などの加工液4を添加した上で前記直流パルス放電を生じさせることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記微細電極1と、これと対向する前記電極2との間の前記微小な間隙を10μm以下に設定してこの微小な間隙に前記直流パルス放電を生じさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記直流パルス放電を、酸素を含む雰囲気中で行い前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質と前記雰囲気中の酸素とを反応させると共にこの蒸発物質の冷却過程において金属酸化物から成る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記直流パルス放電を、反応性のガス雰囲気中で行い前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質と前記雰囲気中の反応性のガスとを反応させると共にこの蒸発物質の冷却過程において金属化合物から成る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記直流パルス放電を、静置した状態のガス雰囲気中で行い前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この直流パルス放電後に前記微細電極1の周囲に気流が発生することを前記静置した状態のガス雰囲気により抑止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記直流パルス放電により前記微細電極1を気化し前記蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において前記微細電極1付近に気流を発生させ、この気流の発生時間若しくは気流の強弱の調整設定を行うことにより前記析出される微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の粒径,粒度分布などの形状の調整設定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
また、前記微細電極1と、これと微小な間隙をおいて対向する前記電極2との間に前記直流パルス放電を所定時間をおいて繰り返し生じさせることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法に係るものである。
本発明は上述のようにするから、単に所定の雰囲気中で、微細電極と、これと対向する電極との微小な間隙(ギャップ)に直流パルス放電を生じさせ、前記微細電極から生ずる蒸発物質から微粒子や微小径ファイバーを析出・生成するという極めて簡単な技法により微粒子や微小径ファイバーを製造でき、その簡便さ故に製造効率に秀れ、製造速度の速い迅速な製造方法を実現でき、微粒子や微小径ファイバーの量産化を容易に図り得るなど、画期的で極めて実用性に秀れた微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法となる。
また、このような微粒子や微小径ファイバーは、その粒子の構造や粒径分布によって発揮する機能(特性)が異なるが、その粒子の構造や粒度分布は製造方法に大きく依存する。つまり、前述した従来までに考案されている製造方法とは異なる新規な技法で微粒子若しくは微小径ファイバーを製造できる本発明によれば、これまでにない粒子の構造や粒度分布を有する、つまりこれまでにない機能を発揮し得る微粒子や微小径ファイバーの製造をも実現可能で、その意味でも本発明は極めて有意義なものと言える。
また、請求項2〜4記載の発明においては、直流パルス放電を生じさせることにより微細電極を一層確実且つ瞬時に気化し良好に蒸発物質を生成でき、ひいてはこの蒸発物質からの微粒子や微小径ファイバーの析出生成を一層確実なものとする秀れた微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法となる。
また、請求項5,6記載の発明においては、酸素や所定の反応性ガスなどの雰囲気中で前記直流パルス放電を生じさせ、この蒸発物質と前記雰囲気中の酸素や所定の反応性ガスとを反応せしめると共に、冷却過程において例えば金属酸化物から成る,または金属化合物から成る微粒子若しくは微小径ファイバーを析出生成でき、よって、求める性能に応じた様々な特性を有する微粒子若しくは微小径ファイバーの製造を容易に実施でき、一層汎用性及び実用性に秀れた微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法となる。
また、請求項7記載の発明においては、直流パルス放電を静置した状態のガス雰囲気中で行うことにより、この直流パルス放電後に微細電極の周囲に気流が発生することを前記静置した状態のガス雰囲気により抑止でき、よって、直流パルス放電により微細電極を気化し生成した蒸発物質やこの蒸発物質から析出され気中を浮遊する微粒子が気流によって微細電極の周囲から流されてしまうことを抑止し(微細電極の周囲に蒸発物質を留めさせ)、これにより微細電極と、これと対向する電極との間隙に微小径ファイバーをより効率的に析出生成させることができ、よって微小径ファイバーの製造方法として一層好適なものとなる。
また、請求項8記載の発明においては、前述した請求項7記載の発明とは異なり、直流パルス放電による蒸発物質の生成の後、この蒸発物質の冷却過程において、あえて気流を発生させて微細電極の周囲から外方へ蒸発物質や微粒子を流してしまうことで、微小径ファイバーの生成を抑止すると同時にこの気流の発生時間や強弱などの調整設定により前記微粒子の粒径,粒度分布などの形状の調整制御を図り、これにより求める形状の微粒子をより効率的に製造することができ、特に微粒子の製造方法として一層好適なものとなる。
また、請求項9記載の発明においては、繰り返しの直流パルス放電により、前記蒸発物質の生成及びこの蒸発物質からの微粒子若しくは微小径ファイバーの析出生成を繰り返し行うことで、より迅速且つ効率的にこれら微粒子若しくは微小径ファイバーを量産製造できる一層実用性に秀れた微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
金属製の微細電極1と、これと微小な間隙をおいて対向する電極2との間に直流パルス放電を生じさせることで、前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成する。
この際、微細電極1と電極2との間隙を、例えば10μm以下に設定し、また例えば、この間隙に例えば加工油や水などの加工液4を添加する(例えば前記微小な間隙に加工液4を添加することで表面張力によりこの間隙に加工液4を留めさせる)ことで、より安定して前記直流パルス放電を生じさせることができる。
また、例えば前記直流パルス放電は、10アンペア以上にして放電時間が1000μ秒以下の大電流に設定することで、より確実に且つ瞬時に前記微細電極1を気化し蒸発物質の瞬間生成を確実に為し得る。
そして、直流パルス放電後の冷却過程(自然冷却でも良いし所定の冷却手段によるものでも良い)において前記生成した蒸発物質から微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出する。
この点は、本発明者は、実験により確認している。おそらくは、前記蒸発物質から微粒子3が析出され、更にこの析出された微粒子3がファイバー状に融合することで微小径ファイバー3’が生成されるものと推測される。
尚、本発明者らは更に、前記蒸発物質の冷却過程において前記微細電極1付近に僅かでも気流があると、前記蒸発物質や析出した微粒子3が流され、前記微粒子3の融合による微小径ファイバー3’の生成が為されないことを実験により確認している。
そこで、例えば、前記直流パルス放電を、静置した状態のガス雰囲気中で行い前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この直流パルス放電後に前記微細電極1の周囲に気流が発生することを前記静置した状態のガス雰囲気により抑止することとすれば、前記蒸発物質や析出し気中を浮遊する微粒子3が微細電極1の周囲から流されてしまうことを抑止でき、析出された微粒子3をこの微細電極1の周囲に留めると共に効率的にこれら微粒子3同志を融合させることができ、ひいては微小径ファイバー3’の生成を助長できることとなり、この微小径ファイバー3’をより効率的に製造する方法として一層好適となる。
また、これとは反対に、前記直流パルス放電により前記微細電極1を気化し前記蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において前記微細電極1付近にあえて気流を発生させることとすれば、微小径ファイバー3’の生成を抑止でき微粒子3をより効率的に製造できると同時に、この気流の発生時間,若しくは気流の強弱の調整設定を行うことにより、前記析出される微粒子3の粒径,粒度分布などの形状の調整設定を行うことも可能となり、この点、望む形状の微粒子3をより効率的に製造する方法として一層好適なものとなる。
また更に、例えば、前記直流パルス放電を、酸素を含む雰囲気中で行うことにより前記微細電極1を気化し前記蒸発物質を生成することとすれば、この蒸発物質の冷却過程においてこの蒸発物質と前記雰囲気中の酸素とを反応させることで、金属酸化物から成る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成できる。また同様に、前記直流パルス放電を、反応性のガス雰囲気中で行うことにより前記微細電極1を気化し前記蒸発物質を生成することとすれば、この蒸発物質と前記雰囲気中の反応性のガスとを反応させると共に冷却過程において金属化合物から成る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成できる。
即ち、反応させたいガス雰囲気中で前記直流パルス放電を行い前記雰囲気中のガスと前記蒸発物質とを反応させることで、金属酸化物や金属化合物などから成る様々な特性の微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造も簡便に且つ迅速に達成可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例では、金属製の微細電極1と、これと微小な間隙をおいて対向する電極2との間に直流パルス放電を生じさせることにより前記微細電極1を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成する。
以下、図1及び図2に図示した製造装置Aを説明すると共に、この製造装置Aを使用した本実施例の製造方法を具体的に説明する。
微細電極1としては、タングステン,アルミニウム或いはチタンなど種々の金属製ワイヤを採用すれば良いが、本実施例においては、ワイヤ径が略100μm〜200μmのタングステン細線(ワイヤ)を採用する。
また、図1に図示したように、このワイヤ状の微細電極1(タングステン細線)をチャックするチャック機構5を製造装置Aに備えている。
また、このチャック機構5にチャックした前記微細電極1と対向する下方位置に、これと対向する前記電極2を設けている。
そして、この電極2と前記微細電極1を、図示した放電回路8を介して電気的に接続されるように構成している。
また、図1に図示したように、このチャック機構5を上下動せしめることで前記微細電極1とこれと下方にて対向する前記電極2との対向間隔を拡狭調整するための移動ステージ6を備えている。
また、図1及び図2に図示したように、前記微細電極1と対向する前記電極2の上面を延設するようにこの電極2の上面に略面一に捕集板7を設けている。
本実施例では、析出生成した微粒子3や微小径ファイバー3’をこの捕集板7上に沈降,堆積させて捕集することとするが、例えば、捕集板7の変わりに所定の捕集用基板或いはフィルター,液体槽などを微細電極1の下方側にして電極2の周囲に敷設し、これらに前記析出生成した微粒子3や微小径ファイバー3’を沈降,堆積させて捕集する方法などを採用しても良い。また、より効率的に気中の微粒子3を捕集すべく、静電捕集方法などの既存の粒子捕集方法を用いて、気中を浮遊する微粒子3を効率的に捕集する方法を採用したり、また直流パルス放電後の前記蒸発物質の冷却過程において、後述のガス供給機構10により微粒子3を所定方向に流す気流を発生させてこの微粒子3を効率的に捕集する方法を採用するなど、種々の捕集方法を採用すれば良い。
また、本実施例では、図1に図示したように放電室9内にて前記微細電極1と電極2との間に直流パルス放電を生じさせる。
この放電室9には、この放電室9内にガスを供給するガス供給機構10を設けている。
このガス供給機構10は、図1に図示したように、ガスマニホルド11から供給されるガスを流量コントローラ12を介して前記放電室9に供給する構成である。尚、このガス供給機構10により放電室9に供給したガスを、この放電室9内から排出するガス排出弁13を前記放電室9に開閉切替え自在に備えた構成としている。
従って、このガス供給機構10により所望のガス雰囲気を放電室9内に作出でき、この所望のガス雰囲気で前記直流パルス放電を行える。
よって、ガス供給機構10から放電室9内に大気を供給して放電室9内に酸素を含む雰囲気を作出し、この酸素を含む雰囲気(大気)中で直流パルス放電を行うことができる。この場合、この放電により微細電極1を気化し蒸発物質を生成した後、この蒸発物質の冷却過程においてこの蒸発物質と前記雰囲気中(大気中)の酸素とを反応させ、これにより金属酸化物から成る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成できる。また、ガス供給機構10から放電室9内に所定の反応性のガスを供給して放電室9内に反応性ガス雰囲気を作出し、この反応性ガス雰囲気中で直流パルス放電を行うこともできる。この場合、この放電により微細電極1を気化し前記蒸発物質を生成した後、この蒸発物質と前記雰囲気中の反応性ガスとを反応させると共に冷却過程において金属化合物から成る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成できる(具体的には、この蒸発物質の冷却過程中に、若しくは冷却過程の前に、或いは冷却過程中とその前の双方にて、蒸発物質と前記雰囲気中の反応性ガスとの反応が起こることとなる。)。
このように様々な化合物微粒子3若しくは化合物微小径ファイバー3’の製造も容易に可能である。
また、本製造装置Aには、図1及び図2に図示したように、微細電極1及び電極2の周囲を観測する、一般的なビデオカメラと同様の光学式観測カメラ14と、図2に図示したようにパルス光源を用いて高時間分解観測が可能な特殊な撮影機構15とを備えている。
パルス光源を用いた撮影機構15は、図2に図示したように、パルス光源から照射されるパルスレーザーの波のみを透過するフィルターを通し、CCDカメラ16により、図3〜図5に図示したような高時間分解像(イメージング)を撮影するものであり、この高時間分解像により電極1,2付近の製造過程を直接的に観察することができる。図中,符号17は、前記CCDカメラ16により高時間分解像を撮影するために放電室9に設ける撮影用窓17である。尚、このパルス光源を用いた撮影機構15の構造・原理の詳細な説明は、本発明の要旨と直接関係しないので省略する。
以上のように構成した製造装置Aを使用して微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成すると共に、その過程を前記パルス光源を用いた撮影機構15により高時間分解像として撮影したものを図3〜図5に図示する。各像の右下の数字は直流パルス放電開始からの時間をミリ秒(ms)で表示するものである。
図3は、直流パルス放電開始時から、30ミリ秒経過後までの前記電極1,2周囲の時間分解像である。前記放電から30ミリ秒以降の電極1,2周囲の時間分解像は、図4と図5の通りである。図4は、前記直流パルス放電を、静置した状態のガス雰囲気中で行うことで、この放電後に静置した状態のガス雰囲気により電極1,2の周囲に気流が発生することを抑止した状態での微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の析出生成過程の時間分解像を撮影したものであり、また、図5は、前記放電から数ミリ秒から数百ミリ秒後に、ガス供給機構10からのガス供給により前記電極1,2の周囲に気流を発生させた(図5中では、右から左へ微小な気流を発生させている)場合の微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の析出生成過程の時間分解像を撮影したものである。
尚、図3〜図5に図示したものは、前記放電室9内を大気と同様の酸素を含んだ雰囲気とした上で放電を行っている。また、直流パルス放電を安定して確実に生じさせるべく、図3(一番上の像)に図示したように、微細電極1と、これと対向する前記電極2との微小な間隙に加工液4(加工油や水など)を添加した上で前記直流パルス放電を行った。また、前記チャック機構5に保持した微細電極1の上下高さ位置を移動ステージ6により調整し、この微細電極1と、これと対向する前記電極2との対向間隔を10μm以下に設定した上で直流パルス放電を行った。更に放電エネルギにより微細電極1を瞬時に気化できるように、直流パスル放電は、10アンペア以上にして放電時間を1000μ秒以下に設定する。図3〜図5に図示した高時間分解像の撮影時においては、20アンペアで放電時間を400μ秒に設定して放電を行っている。
放電後、対向する電極1,2の周囲には前記微細電極1(タングステン細線)が気化した蒸発物質が生成され、放電後の冷却(本実施例では自然冷却)過程を経て、蒸発物質が浮遊する気相から微粒子3が析出される。
図3の上から三番目の像(放電開始から1ミリ秒後)の時点で、既に直流パルス放電の放電時間は終了している。その後、微細電極1が気化して生成された気相状態の蒸発物質から気中に微粒子3が析出され、この微粒子3の雲(図3中、黒い霧状のもの)が生成されることが分かる。また、放電後に気流の発生を抑止する場合(図4参照)も、放電後に気流を発生させる場合(図5参照)も、いずれもこの図3に図示した放電後30ミリ秒頃までの時間領域においては電極1,2の周囲の状況に差は見られない。
その後、図4に図示したように、電極1,2の周囲に気流が無い場合には、電極1,2間に微小径ファイバー3’(マイクロファイバー)が形成されることとなる。一方、図5に図示したように、人には感じられないほどの僅かな気流でも存在していると、蒸発物質から析出され気中を浮遊する微粒子3が前記気流によって流されてしまい、これによりファイバーが生成されない。
微小径ファイバー3’は、直流パルス放電により微細電極1が気化して生成される蒸発物質から、放電後の自然冷却過程を経て微粒子3が気相から析出され、この析出された微粒子3同志が融合してファイバー状となることで生成されるものと推考される。従って、図5に図示したように、放電後に僅かでも気流が存在する場合、気相から析出した微粒子3が電極1,2の周囲から外方(図5中,左から右へと)流れてしまい、これにより微粒子3の融合によるファイバー生成が為されないものと推考される。
この現象を利用し、直流パルス放電後の前記蒸発物質の冷却過程において電極1,2の周囲に気流を発生させることでファイバー生成を阻止して微粒子3を効率的に析出生成させたり、また反対に放電後に気流を発生させないことでファイバー生成を助長し、より効率的に微小径ファイバー3’を析出生成させるといった微粒子3と微小径ファイバー3’の選択的な製造も容易に実現できる。尚且つ、放電後に気流を発生させる場合には、その発生タイミングや強弱を調整設定することにより、析出生成される微粒子3の粒径や分布の調整制御を図ることも可能である。
上述のようにして製造した微小径ファイバー3’は、タングステン細線を微細電極1として採用しているだけに、成分としてタングステンを含んでおり、おそらくは酸化タングステンから成るものであると推定される。しかし、TEM(透過型電子顕微鏡)などによる構造の検討では、アモルファスか微細結晶を示すハローパターンしか得られない。このことから、極めて微細な粒子が形成されていると推考される。このことは、図3〜図5の蒸発物質から析出された微粒子3の大きさや浮遊状態から判断する限りにおいても、析出生成される微粒子3の粒径は非常に小さく、μm以下のおそらくnmサイズの粒子が析出生成しているものと判断される。
尚、図3〜図5では、単発放電による微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の析出生成過程の高時間分解像を示しているが、実際に上述の本製造装置Aを用いて微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を析出生成(製造)する場合、前記直流パルス放電を所定時間をおいて繰り返し生じさせることで(具体的には一秒以上、つまり直流パルス放電により生成された蒸発物質から微粒子3若しくは微小径ファイバー3’が析出生成され得る十分な時間をおいて繰り返し生じさせることで)、微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を繰り返し析出生成し、それらを捕集板7に堆積し捕集することで微粒子3若しくは微小径ファイバー3’を量産する。
以上、本実施例は、直流パルス放電を用い、これまでにない新規な技法により極めて簡単且つ迅速に(効率的に)微粒子3や微小径ファイバー3’を製造できるだけでなく、それらの粒径はnmオーダーと極めて小さく、しかも直流パルス放電を所定の反応性のガス雰囲気中で行うことで金属化合物からなる様々な微粒子3や微小径ファイバー3’を製造することが可能で、尚且つ直流パルス放電後の電極1,2の周囲の気流を制御することで微小径ファイバー3’の生成を促進したり逆にファイバー生成を阻止したりといった作り分けが可能であると同時に、気流の制御により生成される微粒子3の粒径やその分布の制御といった形状の調整制御も図り得るなど、画期的で極めて実用性に秀れた斬新な微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造方法である。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例に係る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造方法を実施する製造装置Aの概略説明図である。 本実施例に係る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造方法を実施する製造装置Aの要部の水平断面概略図である。 本実施例に係る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造過程を示す高時間分解像である。 本実施例に係る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造過程を示す高時間分解像である。 本実施例に係る微粒子3若しくは微小径ファイバー3’の製造過程を示す高時間分解像である。
符号の説明
1 微細電極
2 電極
3 微粒子
3’ 微小径ファイバー
4 加工液

Claims (9)

  1. 金属製の微細電極と、これと微小な間隙をおいて対向する電極との間に直流パルス放電を生じさせることにより前記微細電極を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において微粒子若しくは微小径ファイバーを析出生成することを特徴とする微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  2. 前記金属製の微細電極と、これと微小な間隙をおいて対向する前記電極との間に、10アンペア以上にして放電時間が1000μ秒以下の直流パルス放電を生じさせることにより前記微細電極を瞬時に気化することを特徴とする請求項1記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  3. 前記微細電極と、これと対向する前記電極との微小な間隙に加工油や水などの加工液を添加した上で前記直流パルス放電を生じさせることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  4. 前記微細電極と、これと対向する前記電極との間の前記微小な間隙を10μm以下に設定してこの微小な間隙に前記直流パルス放電を生じさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  5. 前記直流パルス放電を、酸素を含む雰囲気中で行い前記微細電極を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質と前記雰囲気中の酸素とを反応させると共にこの蒸発物質の冷却過程において金属酸化物から成る微粒子若しくは微小径ファイバーを析出生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  6. 前記直流パルス放電を、反応性のガス雰囲気中で行い前記微細電極を気化し蒸発物質を生成し、この蒸発物質と前記雰囲気中の反応性のガスとを反応させると共にこの蒸発物質の冷却過程において金属化合物から成る微粒子若しくは微小径ファイバーを析出生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  7. 前記直流パルス放電を、静置した状態のガス雰囲気中で行い前記微細電極を気化し蒸発物質を生成し、この直流パルス放電後に前記微細電極の周囲に気流が発生することを前記静置した状態のガス雰囲気により抑止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  8. 前記直流パルス放電により前記微細電極を気化し前記蒸発物質を生成し、この蒸発物質の冷却過程において前記微細電極付近に気流を発生させ、この気流の発生時間若しくは気流の強弱の調整設定を行うことにより前記析出される微粒子若しくは微小径ファイバーの粒径,粒度分布などの形状の調整設定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
  9. 前記微細電極と、これと微小な間隙をおいて対向する前記電極との間に前記直流パルス放電を所定時間をおいて繰り返し生じさせることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒子若しくは微小径ファイバー製造方法。
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