JP6551851B2 - 微粒子製造装置及び微粒子製造方法 - Google Patents

微粒子製造装置及び微粒子製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、食品包装のフィルム材などへコーティング材、又は電子機器配線などに使用されるインク原料などに利用される、微粒子製造装置及び微粒子製造方法に関するものである。
近年、ナノメートルオーダーの微粒子は、様々なデバイスに応用が検討されている。例えばニッケルの金属微粒子は、現在、セラミックコンデンサーに使用されており、次世代のセラミックコンデンサーには、粒径200ナノメートル以下で分散性の良い微粒子の使用が検討されている。
さらに、二酸化シリコンよりも酸素が含有率の低い一酸化シリコン(SiO:x=1〜1.6)の微粒子は、光学レンズの反射防止膜又は食品包装用のガスバリアフィルムの蒸着材料として活用されている。
これらナノメートルオーダーの微粒子の一般的な製造方法としては、原料となるバルク材をセラミック又はジリコニア等のビーズと一緒に導入し、機械的粉砕によって材料を微粒子化する方法、又は、材料を溶融及び蒸発させて空気又は水に噴射して微粒子を得る方法、又は、電解若しくは還元など化学的に微粒子を得る方法などがある。中でも、高周波プラズマ又はアークプラズマなどの熱プラズマ(約10000℃)を利用し、気相中で微粒子を作製する方法は、不純物(コンタミネーション)が少なく、生産された微粒子の分散性が優れる、複数の種類の材料からなる複合微粒子の合成が容易である、などの観点から非常に有用である(例えば、特許文献1参照)。
図4に、従来例1のマルチアークプラズマを利用した、微粒子の製造装置の概略断面図を示す。
反応室201の天井部に、複数本の棒状電極204が円周状に配置され、其々電極204は、反応室201の中央に向かって、互いの間隔が狭くなるように設置する。反応室201は、ガスを導入することで、還元雰囲気に制御する。各電極204には、交流電源205が接続され、位相の異なる電圧をそれぞれの電極204に順次に印加し、其々電極204間でアーク放電225を発生させる。アーク放電225の上部には、微粒子の原料となる材料を投入する装置とともに材料投入配管部211が配置される。其々電極204間に発生するアーク放電225に向けて、材料を材料投入配管部211から投入する。高温のアーク放電225によって、材料投入配管部211から投入された材料が蒸発し、発生した反応物質(酸素原子、窒素原子など)と反応し、気相中に急冷されることで、各種化合物の微粒子が生成される。前記反応室201の下側部には、アーク放電225によって生成された微粒子を排出する排出口226と、排出口226から排出された微粒子を一時的に貯蔵する取鍋227とが設けられている。
特開2002−45684号公報
上述された従来の微粒子製造装置(図4参照)を用いて微粒子を製造する場合、電極204を反応室201の上面から導入しているため、アーク放電225の放電面積の拡大が非常に困難である。さらに、材料投入配管部211から材料が同じ場所に連続投入されるため、先に投入された材料によってプラズマの温度が下がってしまった場所に、連続的に材料が投入されることになる。このため、比較的大きな微粒子が形成されてしまい、生成される微粒子の平均流子径が大きくなり、粒子径分布も悪くなってしまう。また、所望の平均粒子径を得ようとすると、材料の投入量を制限しなければならず、微粒子の生産量を増加させることが困難である。
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、材料を効率良く大量にプラズマに投入し、生産量を増加させ、かつ低コストで生産することができる微粒子製造装置及び微粒子製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様にかかる微粒子製造装置は、
真空チャンバーと、
前記真空チャンバーに接続されて材料粒子を前記真空チャンバー内に複数の材料供給口から供給する材料供給装置と、
前記真空チャンバーに接続されて、前記真空チャンバー内の横方向に先端が突出した状態で、前記真空チャンバーの円周壁に所定間隔で放射線状に配置してプラズマを発生させる複数本の電極と、
前記真空チャンバーに接続されて微粒子を回収する回収装置とを有して、前記真空チャンバー内で放電を発生させ、前記材料粒子から前記微粒子を製造する装置であって、
前記真空チャンバーにおいて、前記材料供給装置の前記材料供給口は、前記複数本の電極より鉛直方向の下側に設置され、
前記材料供給装置は、前記複数の材料供給口から、鉛直方向の上向きに前記材料粒子を送り、かつ、前記プラズマの中央部より前記電極周辺への前記材料粒子の供給量を多く供給し、
前記回収装置は、前記真空チャンバー内の前記プラズマが発生する領域よりも上方の位置で前記真空チャンバーと接続され、前記真空チャンバー内で鉛直方向の上向きに送られる前記微粒子を回収するものであり、
前記真空チャンバー内の前記材料供給口の鉛直方向の下側に設置し、前記プラズマにはじかれた未処理の前記材料粒子を回収して溜める未処理材料貯蔵部と、をさらに有する。
前記目的を達成するために、本発明の別の態様にかかる微粒子製造方法は、前記態様に記載の微粒子製造装置を利用する微粒子製造方法であって、
前記真空チャンバー内で前記複数本の電極によってアーク放電を前記プラズマとして生成し、
前記材料供給装置により鉛直方向の上向きに前記材料粒子を送り、前記生成したアーク放電の鉛直方向の下側から、前記プラズマの中央部より前記電極周辺への前記材料粒子の供給量を多くするように、前記材料粒子を前記材料供給装置の前記複数の材料供給口から前記アーク放電の領域内に投入し、
前記材料粒子が、前記アーク放電の領域中を通過するときに、蒸発又は気化して材料ガスとなり、
さらに、前記材料ガスが前記真空チャンバー内を上昇して、前記アーク放電の前記領域から抜けた瞬間、前記材料ガスが急激に冷やされて前記微粒子を生成して、生成されて前記真空チャンバー内で鉛直方向の上向きに送られる前記微粒子は前記回収装置に回収され、
前記アーク放電にはじかれた前記材料粒子を、重力によって前記未処理材料貯蔵部に溜める。
本発明の前記態様によって、プラズマの高温領域に材料を効率良く大量に供給することで、微粒子の生成量を上げ、かつ低コストで生産することができる微粒子製造装置及び微粒子製造方法を提供することができる。
本発明における第1実施形態の微粒子製造装置の概略断面図 本発明における第1実施形態の微粒子製造装置の概略断面平面図 本発明における第1実施形態の微粒子製造装置の概略拡大断面図 従来例1のマルチアークプラズマを利用した微粒子製造装置の概略断面図
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係わる微粒子製造装置の概略縦断面図を示す。図2は、第1実施形態に係わる微粒子製造装置において電極部分で横方向に切断した状態での概略断面平面図を示す。図3は、第1実施形態に係わる微粒子製造装置の概略拡大断面図を示す。図1〜図3を用いて、一例として、シリコンのナノメートルオーダーの微粒子を製造する例を説明する。
第1実施形態に関わる微粒子製造装置は、少なくとも、真空チャンバーの一例としての反応室1と、材料供給装置10と、アーク放電を生成する複数本の電極4と、生成した微粒子を回収する回収装置の一例としての微粒子回収部3とを備えて構成している。この第1実施形態では、微粒子製造装置は、さらに、材料供給管11と、投入した材料及び生成した微粒子の流れを制御するようにガスを供給するガス供給管14、15と、プラズマを分析するための光学式計測装置21と、計測窓20とを備えて構成されている。
反応室1は、微粒子回収部3から、図示しない排気機構で排気することができる。また、下側のガス供給管14は、反応室1の下部において、材料供給管11の下部周囲の円錐状のカバー13を貫通して鉛直方向の上向きに複数本立設して、鉛直方向の上向きにガスが供給されるように配置されている。上側のガス供給管15は、反応室1の上端近傍の側壁に、微粒子回収部3に向けてガスが供給されるように配置されている。ガス供給装置90からガス供給管14、15を介してガスを反応室1内に供給することで、反応室1内の雰囲気制御が可能である。この第1実施形態の第1実施例では、シリコンの微粒子を製造させるため、反応室1内には、ガス供給装置90からガス供給管14、15を介してアルゴンを供給して、反応室1内を、アルゴンの不活性ガス雰囲気の大気圧近傍の圧力に維持して以下の微粒子製造工程を行った。材料の還元を促進させるため、反応室1内に、ガス供給装置90からガス供給管14、15を介して、水素ガス及び微量の炭化系ガスを混合して導入しても良い。
図示しない水冷機構を円筒状の側壁内部に有した反応室1の側壁の内面は、アーク放電(プラズマ)の熱を効率良く材料に伝えるため、一例としてセラミックからなる断熱材2で覆われた構造になっている。一例として、アーク放電を生成させる炭素製の電極4は、図2に示すように、反応室1内に先端が横方向(例えば水平方向沿い)に突出した状態で、反応室1の円周壁に30°間隔で12本の電極4を放射線状に配置する。一例として、各電極4の先端が1つの横方向の平面内に収まるように配置されている。第1実施例では、12本の電極4を放射状に配置しているが、電極数は6の倍数であれば、電極本数を増やしたり、又は、同一平面に配置するだけでなく、2段、又は、3段など多段化した電極配置にしても良い。電極4を多段化して配置することで、材料を蒸発させる熱源であるアーク放電をさらに鉛直方向に拡大させることができ、大量の微粒子生成には優位である。また、電極4の材料の一例として、アーク放電しやすいように炭素電極を使用しているが、タングステン又はタンタルなどの高融点金属で構成される金属電極を使用しても良い。電極4の材料として金属電極を使用する場合には、金属電極の材料が蒸発して、生成した微粒子と混じったり、又は生成した微粒子と反応して合金にならないように、水冷又は冷却ガスを流すなど、金属電極を冷却できる機構にすると良い。
図1及び図2に示すように、複数本の電極4には、其々交流電源5が接続されており、位相を30°ずつずらした60Hzの交流電圧をそれぞれ印加することができる。各電極4は、それぞれ独立して、モータなどで構成される電極駆動装置4aにより、反応室1の中心に対して放射線方向に可動式になっている。よって、アーク放電25を着火させるときには、互いの電極4の先端が接触するまで、電極駆動装置4aにより各電極4を反応室1の中心側に移動させる。アーク放電25が着火後、其々電極4にかかる電流が一定になるように調整しながら、電極4を放射線方向(放射状に配置した電極4の中心位置から外側に向かう方向)に電極駆動装置4aにより移動させ、電極4の先端が壁近傍にまで遠ざける。これにより、約10000℃の熱プラズマであるアーク放電25の面積が大きくなり、処理量を増加させることができる。電極駆動装置4aとしては、一例として、モータによりボールネジを正逆回転させて、ボールネジに螺合したナット部材に連結された電極4を軸方向に進退させるものである。
一例として、微粒子31の原料となる材料30は、約16マイクロメートルのシリコン粉末を用い、材料供給装置10内に設置する。第1実施例では、16マイクロメートルの粒子を使用したが、プラズマの条件にもよるが1マイクロメートルより大きくかつ100マイクロメートル以下の粒子径であれば、蒸発し、ナノメートルオーダーの微粒子31を製造することは可能である。100マイクロメートルより大きい粒子径の材料を使用すると、材料を完全に蒸発させることができず、生成される微粒子が大きくなってしまう。材料供給装置10は、一例として、局部流動式粉末供給装置で構成されている。この局部流動式粉末供給装置では、キャリアガスであるアルゴンガスの流量と、材料を導入した器の回転数とによって材料の供給量を制御して、粉末材料を一定の割合で材料供給管11に送ることができる。
材料供給装置10の他の例としては、レーザーなどを用いて、粉末材料の表面とノズルの距離とを制御する表面倣い式粉末供給器、又は、ホッパーなどから溝に定量の粉末材料を供給してガスで吸引する定量式粉末供給器などがある。どの方式の粉末材料供給器を使用しても良いが、供給する粉末材料の量によって使い分ける。
図3の拡大図のコースAに示すように、材料供給装置10からキャリアガスとともに供給された材料粒子30は、材料供給管11に送られ、材料供給口の一例としての複数の材料供給口12から反応室1内に導入される。反応室1内に導入された材料粒子30は、アーク放電25の中を通過するときに、蒸発又は気化(以下、代表的に「蒸発」と称する。)して材料ガスとなる。蒸発した材料ガスは、アーク放電25の熱などによる上昇気流又はガス供給管14からのガス流れによって、反応室1内を上昇し、アーク放電25の領域から抜けた瞬間、材料ガスは急激に冷やされ、球形の微粒子31が生成される。材料供給管11の下部周囲のカバー13には、材料粒子30又はアーク放電25によって生成された微粒子31を一定方向(鉛直方向の上向き)に送るための複数本のガス供給管14を設け、ガス供給管14から雰囲気ガスを前記一定方向(鉛直方向の上向き)に供給している。材料供給管11及び材料供給口12は、複数の電極4の中心位置CPの鉛直方向の下側に設置する。特に、材料供給口12は、後述するように、アーク放電25の領域よりも下方に位置するように配置されている。複数本の材料供給口12は、広域に材料供給するため、モータなどの回転装置12mを有し、上下方向例えば鉛直方向沿いの回転軸回りに回転しながら電極4の中心位置(鉛直上向き)CPより傾斜した傾斜角度(θ)で材料を供給できる構造になっている。傾斜角度θは、図3に示すように、鉛直方向と材料供給口12の向く方向(材料の供給方向)とのなす傾斜角度であって、角度が小さい方の角度を示す。材料供給口12の傾斜角度θは、5°以上30°以下であることが望ましい。複数本の電極4を有するアーク放電25では、対向電極同士(例えば、図2の0時の方向の電極4−0と6時の方向の電極4−6)は、最も距離が離れているため放電が起こりにくく、放電の中央付近の温度は、電極周辺の温度よりも低くなることがある。そのため、アーク放電25の中央部に供給する材料を少なく、電極周辺への材料供給を多くしたほうが、効率良く供給材料を蒸発させることができる。傾斜角度θが、5°より小さい場合は、アーク放電25の中央付近に多く材料が供給されるため、処理効率が下がってしまう。また、傾斜角度θが、30°より大きい角度で材料を供給した場合では、電極周辺に材料を供給することができるが、すぐにアーク放電25の広がりから出てしまい、供給材料に熱を与える時間が短くなってしまい、生成される微粒子径が大きくなってしまう。そのため、アーク放電25の温度が高い周辺部であってかつアーク放電25の広がっている領域に長時間材料を通過させるためには、鉛直方向と材料供給口12の向く方向(材料の供給方向)との傾斜角度(θ)は、5°以上30°以下であることが望ましい。
また、一般に、材料が供給された場所のアーク放電25は、材料の蒸発にプラズマの温度が奪われてしまうため、材料を蒸発させた場所のアーク放電の温度が下がってしまう。従来、一般的な誘導結合型プラズマ(ICP)トーチなどの連続的放電に連続的に材料を投入する場合では、材料の蒸発によってプラズマの温度が下がってしまい、材料を完全に蒸発させることができず、比較的大きな微粒子が生成されてしまい、製造された微粒子の平均流子径が大きくなったり、粒径分布が悪化してしまう。また、所望の粒子径の微粒子を製造したり、製造した微粒子の粒径分布を良化させるためには、材料の投入量を制限するしかなく、処理量が低下してしまう。
これに対して、第1実施例で用いた複数の電極4で生成するアーク放電25は、位相が互いに異なる電力、例えば位相を30°ずらした60Hzの電力が供給可能な交流電源5を複数の電極4の電源としてそれぞれ使用している。このため、放電がパルス状になっており、アーク放電25として、常に高温の熱プラズマを生成することができる。さらに、前記のような材料供給法と合わせる事で、材料をパルス的に供給することができるため、材料の蒸発によるプラズマ温度の低下の影響を小さくすることができ、非常に効率良くアーク放電25の熱を材料の蒸発に利用することができる。このため、微粒子製造時の処理量の増加が期待できる。
アーク放電25などの高温プラズマは、粘性気体であるため、ある速度を有した材料粒子30でないと、図3のコースBに示した材料粒子30Bのようにアーク放電25の中に入らず処理されない。材料供給装置10及び材料供給口12がアーク放電25の鉛直方向の下側に設置され、アーク放電25の鉛直方向の下側から材料粒子30を供給する本装置では、アーク放電25にはじかれた未処理の材料粒子30Bは、重力によって鉛直方向の下側に落ち、アーク放電25の上方に位置しかつ処理された微粒子31とは、確実に分離することができる。また、アーク放電中で、何らかの原因で材料同士が重合し、大きく成長した粒子も重力で鉛直方向の下側に落ちるため、生成された微粒子31と分離することができる。これらの処理が未完又は未処理の材料粒子30Bは、反応室1の底部でかつ材料供給口12の下側に設置した未処理材料貯蔵部16に溜まる。この未処理材料貯蔵部16に溜まった材料は、材料供給装置10に戻し、再利用することも可能で、材料利用効率を上げることができる。
図1に示したように、反応室1の上部(例えば中央上端)には、アーク放電25を放電の広がりを観測できるように計測用窓20が設置されており、光学式計測装置21を取付けている。この光学式計測装置21により、計測用窓20を通して、反応室1内での、アーク放電25のガス成分であるアルゴンの発光、又は、供給材料成分であるシリコン、又は、不純物で酸素又は炭素の発光の面内分布を一例として計測することができる。これらの計測結果を分析部22にて、良好な処理状態での情報(基準情報)と比較することで、アーク放電25の分布、又は、材料の蒸発している分布などをリアルタイムに計測することができる。この前記の分析した結果を、分析部22から交流電源制御部23にフィードバックし、アーク放電25の分布が一定になるように其々の電極4に接続されている交流電源5の電圧値又は電流値を交流電源制御部23で調整する。これにより、アーク放電25の分布が一定になり、効率良く材料を処理できる。また、前記で分析した結果を、分析部22から材料供給制御部24にフィードバックし、材料供給装置10の材料供給量又は回転装置12mによる材料供給口12の回転数又はガス供給装置90から反応室1へのガスの供給ガス流量などを材料供給制御部24又は後述する制御部100で調整する。これによって、効率良く材料を処理することができる。また、前記の二つのフィードバックを併せて実施しても良い。この場合、後述する制御部100を使用することが望ましい。これによって、材料供給口12の回転に合わせた交流電源5の電流供給により、処理効率が格段に向上させることができる。
図1に示すように、アーク放電25により生成されかつ重力よりも軽い微粒子31は、ガス供給管15から供給されるガスの流れにより、排気機構を有する微粒子回収部3によって回収される。図示していないが、微粒子回収部3には、任意の微粒子径以上を分級できるサイクロンと、所望の微粒を回収できるバグフィルタとが取付けられている。また、回収した微粒子を取出す際は、大気圧中での発火の恐れがあるため、大気を1%程度含んだ雰囲気下で数時間放置したのち、徐酸化処理を行い、大気中に取り出す。これにより、シリコンの微粒子の表面は、1〜2ナノメートル程度酸化し、安全に取出すことが可能になる。
第1実施例では、シリコン(Si)のナノメートルオーダーの微粒子を製造する方法について説明したが、ニッケル(Ni)、銀(Ag)若しくは銅(Cu)などの金属、又は、ガラス(SiO)、窒化シリコン(SiN)、アルミナ(Al)などの無機系の材料を微粒子生成用材料として微粒子を生成しても良い。また、反応室1に導入するガスと反応させることで、例えば、シリコン材料を用いて、一酸化シリコン(SiO:x=1〜1.6)、窒化シリコン(SiN:x=0.1〜1.3)又は炭化シリコン(SiC)の微粒子を生成しても良い。さらには、例えば、内側にシリコンの核を有し、外側にはアルミナ又は炭化シリコンなどで覆われているような複数の材料から構成される複合材料の生成に利用することもできる。
また、微粒子製造処理を制御する制御部100を備えて、制御部100により、微粒子製造処理のため、材料供給装置10と、微粒子回収部3の排気機構と、ガス供給装置90と、各電極駆動装置4aと、交流電源制御部23と、材料供給制御部24と、回転装置12mとの駆動をそれぞれ制御するようにしている。また、必要に応じて、分析部22からの計測結果の情報を基に、制御部100で、材料供給装置10と、微粒子回収部3の排気機構と、ガス供給装置90と、各電極駆動装置4aと、交流電源制御部23と、材料供給制御部24と、回転装置12mとの駆動をそれぞれ制御することもできる。
前記第1実施形態によれば、反応室1において、材料供給装置10の材料供給口12は、複数本の電極4より鉛直方向の下側に設置されているので、大面積の熱プラズマ25を生成することができ、プラズマ25の高温領域に材料30を効率良く大量に供給することで、微粒子31の生成量を上げ、かつ低コストで生産することができる。また、未処理の材料30Bと、生成した微粒子31とを分離することで、生成する微粒子31の粒子径もそろいやすく、安定な処理が可能になる。
また、前記第1実施形態によれば、複数本の電極4には、其々交流電源5が接続されてアーク放電25を生成できるので、他の方法に比べ、材料30を蒸発させるプラズマ25の面積を大きくすることができる。
また、前記第1実施形態によれば、材料供給装置10は、複数の材料供給口12を有しており、回転装置12mにより材料供給口12を回転するようにしたので、発生させたプラズマの高温領域に、材料を大量にかつパルス的に供給することができる。
また、前記第1実施形態によれば、材料供給装置10の材料供給口12は、複数本の電極4の先端が重なり合う中心位置CPの鉛直方向の下側に配置し、材料供給口12と鉛直方向の上向きのなす傾斜角度(θ)が5°以上30°以下で傾斜しているので、発生させたプラズマの高温領域に、材料を大量に供給することができる。
また、前記第1実施形態によれば、プラズマを生成させる複数本の電極4の上方には、放電観測用の窓20が設置されており、光学式計測装置21によって放電の様子を分析部22で分析した結果に基づき、電極4の取付けた交流電源5、もしくは材料供給装置10のどちらか一方、若しくは、両方を調整する制御部100を有するので、発生させたプラズマの高温領域に、効率良く材料を供給することができる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明における微粒子製造装置及び微粒子製造方法は、プラズマの高温領域に材料を効率良く大量に供給することで、微粒子の生成量を上げ、かつ低コストで生産することができるため、電池の電極又はセラミックコンデンサーなど大量生産が要望されるデバイスに使用される微粒子製造装置及び微粒子製造方法として有用である。
1 反応室
2 断熱材
3 微粒子回収部
4 電極
5 交流電源
10 材料供給装置
11 材料供給管
12 材料供給口
12m 回転装置
13 カバー
14 ガス供給管
15 ガス供給管
16 未処理材料貯蔵部
20 計測窓
21 光学式計測装置
22 分析部
23 交流電源制御部
24 材料供給制御部
25 アーク放電
26 排出口
27 取鍋
30 材料粒子
30B アーク放電の中に入らず処理されない材料粒子
31 微粒子
90 ガス供給装置
100 制御部
CP 複数の電極の中心位置

Claims (11)

  1. 真空チャンバーと、
    前記真空チャンバーに接続されて材料粒子を前記真空チャンバー内に複数の材料供給口から供給する材料供給装置と、
    前記真空チャンバーに接続されて、前記真空チャンバー内の横方向に先端が突出した状態で、前記真空チャンバーの円周壁に所定間隔で放射線状に配置してプラズマを発生させる複数本の電極と、
    前記真空チャンバーに接続されて微粒子を回収する回収装置とを有して、前記真空チャンバー内で放電を発生させ、前記材料粒子から前記微粒子を製造する装置であって、
    前記真空チャンバーにおいて、前記材料供給装置の前記材料供給口は、前記複数本の電極より鉛直方向の下側に設置され、
    前記材料供給装置は、前記複数の材料供給口から、鉛直方向の上向きに前記材料粒子を送り、かつ、前記プラズマの中央部より前記電極周辺への前記材料粒子の供給量を多く供給し、
    前記回収装置は、前記真空チャンバー内の前記プラズマが発生する領域よりも上方の位置で前記真空チャンバーと接続され、前記真空チャンバー内で鉛直方向の上向きに送られる前記微粒子を回収するものであり、
    前記真空チャンバー内の前記材料供給口の鉛直方向の下側に設置し、前記プラズマにはじかれた未処理の前記材料粒子を回収して溜める未処理材料貯蔵部と、をさらに有する、
    微粒子製造装置。
  2. 前記材料供給装置より供給する粉末の前記材料粒子の粒子径は1マイクロメートルより大きく100マイクロメートル以下である、請求項1に記載の微粒子製造装置。
  3. 前記複数本の電極には、其々交流電源が接続されて、アーク放電を前記プラズマとして生成する、請求項1又は2に記載の微粒子製造装置。
  4. 前記複数本の電極の上方に配置された放電観測用の窓と、
    前記窓を通して光学式計測装置によって放電の様子を分析した結果に基づき、前記電極に接続された交流電源、もしくは、前記材料供給装置の材料供給量どちらか一方、もしくは両方を調整する制御部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1つに記載の微粒子製造装置。
  5. 前記材料供給装置は、前記複数の材料供給口を上下方向沿いの回転軸回りに回転させる回転装置をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載の微粒子製造装置。
  6. 前記材料供給装置の前記材料供給口は、前記複数本の電極の先端が重なり合う中心位置の鉛直方向の下側に配置され、前記材料供給口の向く方向が鉛直方向に対して傾斜する傾斜角度が5°以上30°以下である、請求項5に記載の微粒子製造装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の微粒子製造装置を利用する微粒子製造方法であって、
    前記真空チャンバー内で前記複数本の電極によってアーク放電を前記プラズマとして生成し、
    前記材料供給装置により鉛直方向の上向きに前記材料粒子を送り、前記生成したアーク放電の鉛直方向の下側から、前記プラズマの中央部より前記電極周辺への前記材料粒子の供給量を多くするように、前記材料粒子を前記材料供給装置の前記複数の材料供給口から前記アーク放電の領域内に投入し、
    前記材料粒子が、前記アーク放電の領域中を通過するときに、蒸発又は気化して材料ガスとなり、
    さらに、前記材料ガスが前記真空チャンバー内を上昇して、前記アーク放電の前記領域から抜けた瞬間、前記材料ガスが急激に冷やされて前記微粒子を生成して、生成されて前記真空チャンバー内で鉛直方向の上向きに送られる前記微粒子は前記回収装置に回収され、
    前記アーク放電にはじかれた前記材料粒子を、重力によって前記未処理材料貯蔵部に溜める、
    微粒子製造方法。
  8. 前記生成したアーク放電の鉛直方向の下側から、前記材料粒子を前記材料供給装置の前記材料供給口から前記アーク放電の領域内に投入するとき、
    前記材料供給装置の複数の材料供給口を、回転装置により上下方向沿いの回転軸回りに回転させることによって前記複数の材料供給口から前記材料粒子を前記アーク放電の前記領域内に供給する、請求項7に記載の微粒子製造方法。
  9. 前記真空チャンバー内で前記複数本の電極によって前記アーク放電を前記プラズマとして生成するとき
    位相が互いに異なる電力を交流電源から前記複数本の電極に其々供給して、パルス的に放電させる、請求項7又は8に記載の微粒子製造方法。
  10. 前記真空チャンバー内で前記複数本の電極によって前記アーク放電を前記プラズマとして生成するとき、
    前記複数本の電極によって生成される前記アーク放電を光学式の計測装置によって前記真空チャンバーの上方から放電の面内分布を計測し、
    前記計測した結果に基づき、前記材料供給装置の材料供給量、前記材料供給口の回転数、又は、前記真空チャンバー内への供給ガス流量を制御部で制御する、請求項7〜9のいずれか1つに記載の微粒子製造方法。
  11. 前記真空チャンバー内で前記複数本の電極によって前記アーク放電を前記プラズマとして生成するとき、
    前記複数本の電極によって生成される前記アーク放電を光学式の計測装置によって上方から放電の面内分布を計測した結果から、前記電極に接続した交流電源の電圧又は電流を制御部で制御する、請求項7〜9のいずれか1つに記載の微粒子製造方法。
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