JP3506854B2 - 粒子表面改質方法およびその装置 - Google Patents

粒子表面改質方法およびその装置

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JP3506854B2 JP26216796A JP26216796A JP3506854B2 JP 3506854 B2 JP3506854 B2 JP 3506854B2 JP 26216796 A JP26216796 A JP 26216796A JP 26216796 A JP26216796 A JP 26216796A JP 3506854 B2 JP3506854 B2 JP 3506854B2
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教博 越智
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良彰 赤澤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2/00Processes or devices for granulating materials, e.g. fertilisers in general; Rendering particulate materials free flowing in general, e.g. making them hydrophobic
    • B01J2/006Coating of the granules without description of the process or the device by which the granules are obtained

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子の表面に、粒
子の性質を改質させるための膜を形成する粒子表面改質
方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から微粒子の表面を改質する方法と
して、微粒子表面を表面改質剤にて覆うことが行われて
いる。この方法としては、乾式の他に液相中において表
面改質を行う方法がある。具体的には、混練法、媒体を
利用しての攪拌法、あるいはスプレードライ法等により
粒子の表面を表面改質剤にて覆うものである。このよう
な方法は一般的によく知られており、例えば以下の文献
にも詳細に述べられている。 1.「微粒子工学−分散の基礎と応用」(社団法人 日
本粉体工業技術協会編集、(株)朝倉書店発行)の第1
23頁〜第136頁 2.「最近の化学工学 45 微粒子工学」(化学工学
会編集、化学工業社発行)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
粒子表面改質方法では、表面改質処理により粒子が帯電
してしまい、その後の粒子の取扱いが困難になる。ま
た、表面改質処理に非常に長時間を要する。さらに、表
面改質処理の際の操作が煩雑であり、かつ高価な装置に
頼らざるを得ないといった問題点を招来している。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的は、粒子の帯電を起
こすことなく、従来と比較して簡便な操作で短時間に粒
子の表面を改質することができる粒子表面改質方法およ
び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法は、粒
子を粒子表面の性質を改質するための表面改質剤の過飽
和雰囲気に曝し、前記粒子表面に前記表面改質剤を凝縮
させることにより粒子表面に表面改質剤の膜を生成させ
第1の工程を有し、内壁部の少なくとも一部が多孔質
材料にて形成され、この多孔質材料に前記表面改質剤を
含浸させた凝縮箱内にて第1の工程を行い、この第1の
工程を複数回繰り返すことにより、前記粒子表面の表面
改質剤の膜厚を厚くすることを特徴としている。
【0006】請求項1に記載の構成によれば、粒子の攪
拌等の粒子を帯電させるような処理を行うことなく、粒
子の表面に表面改質剤の膜、即ち表面改質膜を得ること
ができる。従って、表面改質処理済の粒子、即ち表面改
質粒子は表面改質処理工程において帯電することがな
く、取り扱いが容易となる。
【0007】また、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に
曝し、粒子表面に表面改質剤を凝縮させることにより粒
子表面に表面改質膜を生成させるという処理は、攪拌等
による粒子表面改質処理と比較して、非常に短時間に行
うことができる。
【0008】また、本粒子表面改質方法は、表面改質剤
の過飽和雰囲気を形成し、これに粒子を曝して粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという単純な物理現象を利用
したものであるので、操作が簡便であり、さらにこれを
実施する装置も簡単かつ低コストの構成となる。
【0009】また、粒子表面に形成された表面改質膜に
は表面張力が作用する。従って、均一な膜厚の表面改質
膜にて粒子を覆うことができる。
【0010】また、粒子表面に表面改質剤の膜を生成さ
せる第1の工程を複数回繰り返すことにより 、前記粒子
表面の表面改質剤の膜を厚くするので、所望の膜厚の表
面改質剤の膜、および所望の粒径の表面改質粒子を得る
ことができる。
【0011】即ち、また、高い過飽和度が得られる表面
改質剤を使用した場合には、1回の表面改質処理におい
て、所望の膜厚の表面改質膜、あるいは所望の粒径の表
面改質粒子を得ることができる。一方、高い過飽和度が
得られない表面改質剤を使用した場合には、1回の表面
改質処理において、所望の膜厚の表面改質膜、あるいは
所望の粒径の表面改質粒子を得ることができない場合が
ある。そこで、本粒子表面改質方法では、同一の粒子に
対して、表面改質剤の膜を形成するための複数回の処理
が可能であるので、これを行えば、上記問題を解決する
ことができる。
【0012】また、表面改質剤を大きい表面積を得るこ
とができる多孔質材料に含ませて凝縮箱内の雰囲気に曝
し、表面改質剤の飽和蒸気を得ることができるので、こ
の飽和蒸気を短時間で効率よく得ることができる。
【0013】請求項2に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、表面改質処理前の前記粒子をエアロゾルとして前記
凝縮箱内に取り込み、かつ表面改質処理後の前記粒子を
エアロゾルとして前記凝縮箱内から取り出すことを特徴
としている。
【0014】請求項3に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、粒子表面に表面改質剤の膜を生成させる前記複数回
の工程のうちの少くとも2回の工程に、相互に種類の異
なる表面改質剤を使用することを特徴としている。
【0015】請求項3に記載の構成によれば、相互に種
類の異なる各表面改質剤として、機能の異なるものを使
用すれば、複数の機能を有する高機能の表面改質粒子を
得ることができる。
【0016】請求項4に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記粒子を前記過飽和雰囲気に曝すために、前記粒
子を前記表面改質剤の飽和蒸気に曝し、この表面改質剤
の飽和蒸気を断熱膨張させて過飽和状態とすることを特
徴としている。
【0017】請求項4に記載の構成によれば、表面改質
剤の過飽和雰囲気を得るのに、前記表面改質剤の飽和蒸
気の断熱膨張という、簡単かつ非常に短時間で上記過飽
和雰囲気を得ることができる方法を使用しているので、
表面改質処理の短時間化、操作の簡便化および装置の簡
素化を促進することができる。また、表面改質粒子の生
産性を高めることができる。
【0018】請求項5に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項4に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記表面改質剤の飽和蒸気を前記表面改質剤を圧縮
することにより生成することを特徴としている。
【0019】請求項5に記載の構成によれば、表面改質
剤の飽和蒸気を表面改質剤を圧縮することにより生成す
るので、その後、表面改質剤の過飽和雰囲気を得るため
の表面改質剤の飽和蒸気の断熱膨張を容易に行うことが
できる。
【0020】請求項6に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記粒子を前記過飽和雰囲気に曝すために、前記粒
子を前記表面改質剤の飽和蒸気に曝し、この表面改質剤
の飽和蒸気を冷却して過飽和状態とすることを特徴とし
ている。
【0021】請求項6に記載の構成によれば、表面改質
剤の過飽和雰囲気を得るのに、前記表面改質剤の飽和蒸
気の冷却という簡単な方法を使用しているので、表面改
質処理の操作の簡便化および装置の簡素化を促進するこ
とができる。
【0022】請求項7に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項6に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記表面改質剤の飽和蒸気を前記表面改質剤を加熱
することにより生成することを特徴としている。
【0023】請求項7に記載の構成によれば、表面改質
剤の飽和蒸気を表面改質剤を加熱することにより生成す
るので、その後、表面改質剤の過飽和雰囲気を得るため
の表面改質剤の飽和蒸気の冷却を容易に行うことができ
る。
【0024】請求項8に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記凝縮箱内に前記粒子を導入した後、密閉状態の
前記凝縮箱内を加圧して前記表面改質剤の飽和蒸気を形
成し、その後、前記凝縮箱内を減圧することにより前記
表面改質剤を過飽和状態とすることを特徴としている。
【0025】請求項9に記載の発明の粒子表面改質装置
は、内部に密閉可能な処理空間を有する凝縮箱と、この
凝縮箱の処理空間に粒子を導入するための粒子導入口
と、前記凝縮箱の処理空間から粒子を取り出すための粒
子取出口と、前記処理空間の圧力を、処理空間内におい
て粒子表面の性質を改質するための表面改質剤の飽和蒸
気が生成されるように、また前記飽和蒸気が過飽和状態
となるように変化させる調整手段とを備え、前記凝縮箱
の処理空間に面する部材の少なくとも一部が、粒子表面
の性質を改質する表面改質剤を含むための多孔質材料を
有していることを特徴としている。
【0026】請求項9に記載の構成によれば、凝縮箱の
多孔質材料からなる部材に表面改質剤を含ませた状態
で、凝縮箱の内部に粒子導入口から粒子を導入し、凝縮
箱を密閉状態とした後、調整手段を作動させて凝縮箱内
に表面改質剤の飽和蒸気を生じさせ、その後、調整手段
の作動により凝縮箱内を減圧させて表面改質剤の飽和蒸
気を過飽和状態とし、粒子表面に表面改質剤を凝縮さ
せ、粒子表面に表面改質剤の膜を形成することができ
る。
【0027】この場合に、表面改質剤を大きい表面積を
得ることができる多孔質材料に含ませて凝縮箱内の雰囲
気に曝し、表面改質剤の飽和蒸気を得るようにしている
ので、効率よく表面改質剤の飽和蒸気を得ることができ
る。
【0028】請求項10に記載の発明の粒子表面改質装
置は、内部に密閉可能な処理空間を有する凝縮箱と、こ
の凝縮箱の処理空間に粒子をエアロゾルとして導入する
ための粒子導入口と、前記凝縮箱の処理空間から粒子を
エアロゾルとして取り出すための粒子取出口と、前記処
理空間の圧力を変化させる調整手段と、前記粒子導入口
から凝縮箱内へ粒子をエアロゾルとして供給する粒子供
給手段と、前記粒子取出口から、前記凝縮箱内で処理さ
れた粒子をエアロゾルとして凝縮箱内から排出させる粒
子排出手段と、前記粒子供給手段により前記凝縮箱内に
粒子が供給されるとともに、前記調整手段により前記凝
縮箱内に配された表面改質剤が飽和状態とされ、その
後、前記調整手段により前記凝縮箱内の表面改質剤が過
飽和状態とされ、その後、前記表面改質剤が表面に凝縮
した前記粒子が前記粒子排出手段にて凝縮箱から排出さ
れるように、前記各手段を制御する制御手段とを備えて
いることを特徴としている。
【0029】請求項10に記載の構成によれば、粒子供
給手段により凝縮箱内の処理空間に粒子が供給されると
ともに、調整手段により処理空間に配された表面改質剤
が飽和状態とされ、その後、調整手段により処理空間の
表面改質剤が過飽和状態とされ、その後、表面改質剤が
表面に凝縮した前記粒子が前記粒子改質手段にて凝縮箱
内から排出される。
【0030】本粒子表面改質装置では、前記一連の動作
を自動的に行うことができる。また、粒子の攪拌等の粒
子を帯電させるような処理を行うことなく、粒子の表面
に表面改質膜を得ることができる。従って、表面改質粒
子は表面改質処理工程において帯電することがなく、取
り扱いが容易となる。
【0031】また、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に
曝し、粒子表面に表面改質剤を凝縮させることにより粒
子表面に表面改質膜を生成させるという処理は、攪拌等
による粒子表面改質処理と比較して、非常に短時間に行
うことができる。
【0032】また、本粒子表面改質装置は、表面改質剤
の過飽和雰囲気を形成し、これに粒子を曝して粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという単純な物理現象を利用
したものであるので、操作が簡便であり、装置が簡単か
つ低コストの構成となる。
【0033】また、粒子表面に形成された表面改質膜に
は表面張力が作用する。従って、均一な膜厚の表面改質
膜にて粒子を覆うことができる。
【0034】請求項11に記載の発明の粒子表面改質装
置は、内部に処理空間を有し、この処理空間に面する内
壁部の少なくとも一部が、表面改質剤としての凝縮液を
浸漬しておくための多孔質材料にて形成された凝縮箱
と、この凝縮箱の前記処理空間に少なくとも粒子を導入
するための導入口と、前記処理空間内において粒子表面
の性質を改質するための表面改質剤の飽和蒸気が生成さ
れるように、前記処理空間内を加熱する加熱手段と、前
記凝縮箱の処理空間と接続された輸送路と、前記表面改
質剤の飽和蒸気が過飽和状態となるように、前記輸送路
を冷却する冷却手段とを備えていることを特徴としてい
る。
【0035】請求項11に記載の構成によれば、凝縮箱
内の処理空間には導入口から粒子が供給されるととも
に、加熱手段により処理空間が加熱され、処理空間の表
面改質剤が飽和状態とされる。尚、表面改質剤は予め処
理空間に供給しておくこと、あるいは粒子と共に供給す
ることができる。その後、粒子と前記飽和蒸気との混合
気体は、例えば加熱気体の空気流により、輸送路に導入
される。この輸送路では、冷却手段により表面改質剤の
飽和蒸気が冷却され、過飽和状態となる。これにより、
表面改質剤が表面に凝縮した表面改質粒子を得ることが
できる。
【0036】前記のように、凝縮箱内の処理空間におい
て表面改質剤の飽和蒸気を生成した後、この飽和蒸気と
粒子とを輸送路に導入し、この輸送路にて表面改質剤の
凝縮を行い、表面改質粒子を得るようにしている。従っ
て、導入口から凝縮箱内の処理空間に順次導入される粒
子に対して連続的な表面改質処理が可能である。
【0037】また、本粒子表面改質装置を使用した粒子
表面改質処理では、表面改質粒子は表面改質処理工程に
おいて帯電することがなく、取り扱いが容易である。ま
た、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという簡単な物理現象を利用
しているので、攪拌等による粒子表面改質処理と比較し
て、非常に短時間に処理を行うことができ、かつ操作が
簡便であり、装置が簡単かつ低コストの構成となる。ま
た、粒子表面に形成された表面改質膜には表面張力が作
用するので、均一な膜厚の表面改質膜にて粒子を覆うこ
とができる。
【0038】請求項12に記載の発明の粒子表面改質装
置は、請求項11に記載の発明の粒子表面改質装置にお
いて、前記輸送路が、前記処理空間との接続側端部に対
してその反対側端部が上方に位置するように、傾斜して
いることを特徴としている。
【0039】請求項12に記載の構成によれば、冷却に
より輸送路の内壁に凝縮した表面改質剤を再度利用する
ことができる。
【0040】即ち、輸送路内にて冷却された表面改質剤
の一部は、粒子表面に凝縮により付着し、残りは、輸送
路に凝縮により付着する。この場合、前記のように輸送
路が傾斜しているので、輸送路に付着した表面改質剤
は、重力により凝縮箱内に戻る。この表面改質剤は、凝
縮箱内の処理空間が加熱されることにより、再度飽和蒸
気となり、再利用される。この結果、表面改質剤の使用
量を削減でき、表面改質粒子の製造コストを低減するこ
とができる。
【0041】請求項13に記載の発明の粒子表面改質装
置は、内部にロータ動作空間を有する凝縮箱と、この凝
縮箱の前記ロータ動作空間に少なくとも粒子をエアロゾ
ルとして導入するための導入口と、前記凝縮箱のロータ
動作空間から粒子をエアロゾルとして取り出すための粒
子取出口と、前記ロータ動作空間に設けられ、このロー
タ動作空間に面する各面の少なくとも一部が表面改質剤
としての凝縮液を浸漬しておくための多孔質材料にて形
成され、回転するロータを有し、このロータが前記ロー
タ動作空間に面する凝縮箱の内壁面と共に密閉可能、か
つロータの回転に応じて移動する処理空間を形成し、前
記ロータの回転により、前記処理空間の容積を、処理空
間内において粒子表面の性質を改質するための表面改質
剤の飽和蒸気が生成されるように、また前記飽和蒸気が
過飽和状態となるように変化させる加圧減圧手段とを備
えていることを特徴としている。
【0042】請求項13に記載の構成によれば、粒子
は、導入口を通じて凝縮箱内のロータ動作空間、即ち処
理空間に導入される。表面改質剤は粒子と共に処理空間
に導入されるか、あるいは予め処理空間に供給される。
【0043】凝縮箱内のロータ動作空間においては、加
圧減圧手段のロータとロータ動作空間に面する凝縮箱の
内壁面とにより、これらに囲まれて密閉された処理空間
が形成される。この処理空間は、ロータの回転により移
動する。また、処理空間の容積は、ロータの回転によ
り、処理空間内において粒子表面の性質を改質するため
の表面改質剤の飽和蒸気が生成されるように、また前記
飽和蒸気が過飽和状態となるように変化する。
【0044】この動作によって、前記処理空間において
粒子の表面に表面改質剤の凝縮が生じ、表面改質粒子が
得られる。この表面改質粒子は、粒子取出口により凝縮
箱外に取り出される。
【0045】前記のように、本粒子表面改質装置では、
加圧減圧装置がそのロータを回転させることにより処理
空間の容積を変化させ、表面改質剤の飽和蒸気と表面改
質剤の過飽和雰囲気を得るようにしている。従って、処
理空間内に粒子を収容している状態のままで、即ち1台
の粒子表面改質装置により、同一の粒子に対する連続的
な粒子表面改質処理を容易に行うことができる。
【0046】また、導入口から処理空間に粒子を導入
し、ロータの回転により処理空間を移動させながら処理
空間の容量を変化させ、これによって得られた表面改質
粒子を粒子取出口から取り出すことができる。従って、
導入口から粒子を処理空間に導入し、ロータを回転させ
ることにより、連続的な表面改質処理を容易に行うこと
ができる。
【0047】また、本粒子表面改質装置を使用した粒子
表面改質処理では、表面改質粒子は表面改質処理工程に
おいて帯電することがなく、取り扱いが容易である。ま
た、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという簡単な物理現象を利用
しているので、攪拌等による粒子表面改質処理と比較し
て、非常に短時間に処理を行うことができ、かつ操作が
簡便であり、装置が簡単かつ低コストの構成となる。ま
た、粒子表面に形成された表面改質膜には表面張力が作
用するので、均一な膜厚の表面改質膜にて粒子を覆うこ
とができる。
【0048】請求項14に記載の発明の粒子表面改質装
置は、請求項13に記載の発明の粒子表面改質装置にお
いて、前記処理空間の容積が、前記ロータの1回転によ
り、第1の増加、第1の減少、第2の増加、および第2
の減少がこの順序で生じるように変化し、前記第1の増
加領域に前記導入口が設けられ、前記第2の減少領域に
前記取出口が設けられ、前記第1の減少領域にて表面改
質剤の飽和蒸気が生成され、前記第2の増加領域にて前
記表面改質剤の飽和蒸気が過飽和状態とされることを特
徴としている。
【0049】請求項14に記載の構成によれば、処理空
間の容積の第1の増加領域に導入口が設けられているの
で、導入口に供給された粒子は、処理空間の容積の増加
に伴う吸引動作により、容易に処理空間に導入される。
また、処理空間への粒子導入後、第1の減少領域にて表
面改質剤の飽和蒸気が生成され、第2の増加領域にて表
面改質剤の飽和蒸気が過飽和状態とされることにより、
粒子の表面に表面改質剤が凝縮され、表面改質粒子が得
られる。そして、この表面改質粒子を処理空間から排出
するための取出口が、処理空間の容積の第2の減少領域
に設けられているので、処理空間の容積の減少に伴って
粒子の排出を容易に行うことができる。
【0050】このように、本粒子表面改質装置では、凝
縮箱内の処理空間における容積の第1の増加、第1の減
少、第2の増加、および第2の減少に応じて、それぞ
れ、処理空間内への粒子の導入、表面改質剤の飽和蒸気
の生成、表面改質剤の過飽和雰囲気の生成、および処理
空間からの表面改質粒子の排出を行うようにしているの
で、表面改質処理を行うための前記一連の各処理を容易
にかつ効率良く行うことができる。
【0051】請求項15の発明の粒子表面改質装置は、
請求項9から14の何れかの発明の粒子表面改質装置に
おいて、少なくとも表面改質剤の膜の形成後における粒
子の径を検出する粒子径検出手段を備えていることを特
徴としている。
【0052】請求項15の構成によれば、粒子径検出手
段により、少なくとも表面改質処理終了直後に表面改質
粒子の粒子径を検出することができる。従って、この粒
子径の検出結果を迅速に反映して、表面改質粒子の粒子
径を制御することが可能となる。
【0053】請求項16の発明の粒子表面改質装置は、
請求項9から15の何れかの発明の粒子表面改質装置に
おいて、前記凝縮箱内で処理された粒子の個数濃度を検
出する粒子個数濃度検出手段を備えていることを特徴と
している。
【0054】請求項16の構成によれば、表面改質処理
にて得られた表面改質粒子の個数濃度を検出することが
できる。従って、この個数濃度に基づいて表面改質粒子
の粒子径を検出し得るとともに、粒子表面改質装置での
生産性を確認することができる。
【0055】請求項17に記載の発明の粒子表面改質装
置は、表面改質処理前の前記粒子をエアロゾルとして前
記凝縮箱内に取り込み、かつ表面改質処理後の前記粒子
をエアロゾルとして前記凝縮箱内から取り出すことを特
徴としている。
【0056】
【発明の実施の形態】〔発明の実施の形態1〕 本発明の実施の一形態を図1ないし図7に基づいて以下
に説明する。本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置は、図2および図3に
示す構成となっている。図2は粒子表面改質装置1の構
成を示す縦断面図であり、図3は同斜視図である。粒子
表面改質装置1は、凝縮箱2および粒子径検出手段およ
び粒子個数濃度検出手段としての光学検出装置3を有
し、凝縮箱2には、粒子導入口4、粒子取出口5、加圧
減圧口6が形成されている。また、凝縮箱2には加熱装
置7および温度計8が設けられている。
【0057】凝縮箱2は、上下方向に延びる細長い円柱
形状をなし、基台9上に立設されている。凝縮箱2の形
状は特に上記形状に限定されるものではないが、粒子表
面改質処理に対する適否を考えた場合、横長形状よりも
上記縦長形状が好ましい。凝縮箱2は、壁部2aが外壁
部2a1 と内壁部2a2 とからなり、内部に密閉可能な
処理空間2bを有している。上記内壁部2a2 は、表面
改質剤としての凝縮液を含浸しておくため、セラミック
やフェルト等からなる多孔質材料にて形成されている。
尚、多孔質材料からなる内壁部2a2 は、図2に示すよ
うに壁部2aの内面全体に設けられている場合、各種凝
縮液の気化を効率良く行い得る。しかしながら、これに
限定されることなく、必要に応じて部分的に設けられて
いてもよい。
【0058】粒子導入口4には粒子を処理空間2b内に
導入するための導入管10が接続され、粒子取出口5に
は粒子を処理空間2b内から排出するための排出管12
が接続されている。加圧減圧口6には、処理空間2b内
を加圧するためおよび減圧するための加圧減圧用配管1
4が接続されている。これら各管10・12・14に
は、それぞれ管内の通路を開閉するバルブ11・13・
15が設けられている。また、加圧減圧用配管14にお
けるバルブ15と加圧減圧口6との間には、処理空間2
b内の圧力を測定する圧力計16が設けられている。
【0059】光学検出装置3は、凝縮箱2内の粒子の粒
子径および粒子個数濃度を光学的に検出するものであ
る。光学検出装置3は、凝縮箱2に設けられ、光照射部
3iと受光部3jとを有している。光照射部3iと受光
部3jとは凝縮箱2の壁部2aの外面に設けられ、凝縮
箱2を介して対向している。光照射部3iは、装置筐体
3h内に、光源3a、レンズ3b・3c、遮光部材3d
および透光板3eが設けられたものとなっている。受光
部3jは、装置筐体3h内に、透光板3fおよび光検出
器3gが設けられたものとなっている。光照射部3iと
受光部3jとが設けられた位置の壁部2aには開口部2
c・2dが形成され、透光板3e・3fはこれら開口部
2c・2dを外側から塞いでいる。
【0060】この光学検出装置3において、光源3aか
ら出射された光は、レンズ3b・3c、遮光部材3dの
開口部、透光板3e、開口部2c、処理空間2b、開口
部2dおよび透光板3fを経て光検出器3gへ入射す
る。このとき、処理空間2bへの入射光は、処理空間2
b内の粒子の径および粒子個数濃度に応じて散乱および
減光し、この散乱・減光に応じて光検出器3gへの入射
光量が変化する。従って、この光検出器3gの出力に基
づいて処理空間2b内の粒子の粒子径および粒子個数濃
度が検出される。
【0061】上記のような光学検出装置3は従来周知の
ものである。上記光学検出装置3は粒子径および粒子個
数濃度を光透析・散乱法にて検出するものであり、その
検出原理は、一般によく知られており、例えば、「粒子
計測技術」(粉体工学会編集、日刊工業新聞社発行)に
おいても詳細に説明されている。粒子径および粒子個数
濃度を検出する一般的な方法としては、その他、X線透
過法、沈降法、レーザ回折錯乱法などが知られている。
また、上記「粒子計測技術」においては、レーザ回折・
散乱法、動的散乱を利用した光子相関法やX線透過法等
についても説明されている。
【0062】尚、粒子径および粒子個数濃度を検出する
構成としては、上記のような光学的検出装置以外に、光
学顕微鏡や電子顕微鏡を使用する画像処理解析法や、そ
の他の検出法も使用することができる。
【0063】光学検出装置3を粒子表面改質装置1に設
けることは、以下の点から好ましい。(1) 粒子表面に生成される表面改質剤の液膜の厚さを
制御することができる。この液膜の厚さは、粒子個数濃
度に依存し、粒子個数濃度が高い場合に薄くなり、粒子
個数濃度が低い場合に厚くなる。従って、光学検出装置
3によって検出される粒子個数濃度に応じて、あらかじ
め粒子個数濃度を調節したり、圧力や温度を調節するこ
とで、液膜の厚さを制御することができる。また、光学
検出装置3は、粒子径、即ち粒子の大きさも検出するの
で液膜の厚さを正確に制御することができる。(2) 表面改質粒子の生産性を調整することができる。
生産性は粒子個数濃度に依存し、粒子個数濃度が高いほ
ど生産性が高くなる。したがって、光学検出装置3によ
って検出される粒子個数濃度に応じて、あらかじめ粒子
個数濃度を調節することで、生産性を調整することがで
きる。(3) 表面改質粒子の再現性を向上することができる。
即ち、光学検出装置3によって検出される粒子径および
粒子個数濃度を以前と同様にすることで、表面改質され
る粒子の性質を以前の処理の場合と同様に再現すること
ができる。また、光学検出装置3によって検出された粒
子径および粒子個数濃度と、表面改質された粒子の性質
とを比較することで、用途に応じて粒子が所望の性質を
得るために必要な粒子径および粒子個数濃度がわかる。
【0064】加熱装置7は凝縮箱2の内壁部2a2 およ
び処理空間2b内を加熱するものである。加熱装置7
は、加圧減圧口6、加圧減圧用配管14およびバルブ1
5と共に、調整手段を構成している。加熱装置7は、ヒ
ータ7aと図示しないスライダックとを有し、ヒータ7
aがスライダックを介して直流電源あるいは交流電源と
接続される。ヒータ7aは例えば同図に示すリボンヒー
タであり、凝縮箱2の壁部2aの外面に例えば螺旋状に
巻回されている。
【0065】温度計8は、凝縮箱2の壁部2aに設けら
れ、内壁部2a2 の温度を測定するものである。
【0066】上記の粒子表面改質装置1は、図4に示す
ように、粒子22の表面に表面改質剤21の膜を形成す
る処理、即ち表面改質処理を行うためのものである。こ
の表面改質剤21としては、常温で液体のもの、常温で
固体であるが、加熱されると液体あるいは蒸気(気体)
となるもの等を使用することができる。尚、表面改質剤
21は、多孔質材料からなる内壁部2a2 に含ませてお
くものであり、この処理を容易に行えるという点から
は、常温で液体のものが好ましい。
【0067】常温で液体の表面改質剤21としては、例
えば、純水、蒸留水、イオン交換水等の純度の高い液
体、また、メタノール、イソプロピルアルコール(IP
A)等のアルコール類、あるいは、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
のグリコール類、さらには、トルエンやキシレン等の溶
媒の他に、各種界面活性剤やステアリン酸等を添加した
水溶液またはアルコール溶液等も用いることができる。
一般的には、作業安全上の問題がなく、取扱いの容易な
各種水溶液や高い過飽和度が得られるグリコール類等
が、特に好ましい表面改質剤21として挙げられる。
【0068】また、上記粒子22としては、エアロゾル
粒子、ミスト粒子、ヒューム等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。一般的には、無機物質粒子、有
機物質粒子、プラスチック粒子、ラテックス粒子、金属
化合物粒子等であって、一次粒子径が数nm〜数μm程
度の粒子22に対して、上記粒子表面改質方法は好適に
実施される。尚、このような微小、とりわけナノメート
ルサイズの超微粒子に対する表面改質処理は、従来の方
法では不可能である。
【0069】本粒子表面改質方法は、例えばカーボンブ
ラック等のインキの顔料となる粒子の表面を改質する際
に実施される。この他に、電子写真用現像剤となる粒
子、化粧品の原材料となる粒子、あるいは医薬品に供さ
れる粒子など様々な分野に用いられる粒子に対して、上
記粒子表面改質方法を実施することができる。
【0070】次に、上記粒子表面改質装置1による粒子
表面改質方法を、図1のフローチャートに基づいて説明
する。粒子表面改質装置1により粒子表面改質処理を行
う際には、凝縮箱2の内壁部2a2 に、予め所定の表面
改質剤を含ませる(S1)。また、凝縮箱2内を、核と
なり得る不純物が存在しない状態にしておく。このため
に、例えば処理空間2b内の空気を清浄空気と置換して
おく。
【0071】次に、凝縮箱2内の処理空間2b内に表面
改質すべき粒子を導入し、その後、凝縮箱2を密閉する
(S2)。この場合、粒子は、導入管10を通じて例え
ばエアロゾルとして粒子導入口4から処理空間2b内に
導入される。従って、導入管10および排出管12のバ
ルブ11・13はエアロゾル導入時に開いておき、処理
空間2bの空気がエアロゾルに置換された後、バルブ1
1・13を閉じて、凝縮箱2を密閉状態とする。
【0072】次に、処理空間2b内に表面改質剤の飽和
蒸気を得るため、凝縮箱2内を加圧するとともに加熱す
る(S3)。加圧は、バルブ15を開き、加圧減圧用配
管14を通じて処理空間2b内に清浄空気を送り込むこ
とにより行う。この加圧においては、処理空間2b内を
常圧(大気圧)より高い所定の圧力に昇圧する。処理空
間2b内の圧力は圧力計16により計測される。加熱は
加熱装置7により行う。加熱装置7が作動すると、ヒー
タ7aの発する熱が外壁部2a1 を経て内壁部2a2 お
よび処理空間2b内に伝わり、これらが加熱される。凝
縮箱2内の温度は温度計8により測定される。
【0073】その後、表面改質剤の飽和蒸気が得られる
まで、凝縮箱2を適当な時間静置する(S4)。即ち、
凝縮箱2に対して上記の状態を維持する。尚、表面改質
剤の上記飽和蒸気を得るには、少なくとも上記加圧を行
えばよく、加熱は必要に応じて補助的に行えばよい。こ
れは以下に示す他の各例においても同様である。
【0074】以上の工程により凝縮箱2の処理空間2b
内には表面改質剤の飽和蒸気が得られる。この状態で
は、図4の状態(a)のように、表面改質剤21の蒸気
が粒子22の周囲を取り巻くようになる。
【0075】次に、処理空間2b内を常圧まで減圧し、
表面改質剤21の飽和蒸気を過飽和状態にする(S
5)。この際には、加圧減圧用配管14のバルブ15を
開いて処理空間2bを大気に開放し、処理空間2b内に
おける表面改質剤21の飽和蒸気を断熱膨張させる。こ
れにより、処理空間2b内において、表面改質剤21の
飽和蒸気が過飽和状態となり、図4の状態(b)に示す
ように、粒子22の表面にて表面改質剤21の凝縮反応
が生じる。この結果、図4の状態(c)に示すように、
粒子22表面に表面改質剤21の液膜が生成され、粒子
22表面の改質が行われる。尚、バルブ15は上記断熱
膨張後、閉じる。
【0076】その後、処理空間2b内の表面改質処理済
の粒子22、即ち表面改質粒子を凝縮箱2外に取り出し
て処理を終了する(S6)。この際には、導入管10お
よび排出管12のバルブ11・13を開き、例えば導入
管10から処理空間2b内へ清浄空気を導入し、処理空
間2b内の表面改質粒子を含むエアロゾルを清浄空気と
置換することにより行う。
【0077】ここで、上記の方法により粒子22の表面
に表面改質剤21の膜が形成される原理についてさらに
詳細に説明する。表面改質剤21の蒸気とエアロゾルと
しての粒子22とが混在するとき、蒸気は粒子22に吸
着し、あるいは粒子22から離脱しながらある平衡を保
つものと考えられる。この場合、蒸気分子は、粒子22
表面近傍の微小な厚みを有する領域の外までは蒸気の濃
度勾配を推進力として拡散輸送される一方、前記領域内
では一定濃度に保たれ、等方的な熱運動を行いながら粒
子22表面に衝突し吸着されると考えられる。この現象
は有核凝縮現象として古くから研究されており、「粉体
工学の基礎」(粉体工学の基礎編集委員会編集、日刊工
業新聞社発行)の第1〜第20頁および第241〜第2
59頁にまとめられている。
【0078】本粒子表面改質方法は、上記有核凝縮現象
を利用するものであり、この現象による本粒子表面改質
方法での表面改質膜形成動作は、図5に示すものとな
る。同図において、P1 とP2 はそれぞれ前記断熱膨張
前と後における表面改質剤21の飽和曲線である。点S
Sは、飽和曲線上の点S1 (温度T1 )において前記断
熱膨張を行った場合の過飽和状態の点である。この点の
表面改質剤21の蒸気圧をPSSとする。また、飽和曲線
P2 上の点S2 は、過飽和点SSからの凝縮が終了する
飽和点である。この点の表面改質剤21の蒸気圧をPS
とする。従って、過飽和度はPSS/PS である。この過
飽和度PSS/PS において成長させ得る最小の粒子径d
は、次のKelvinの式から求めることができる。
【0079】PSS/PS =exp(4Mσ/RTρd) 但し、Mは分子量、σは表面張力、ρは密度、Rは気体
定数、Tは温度である。
【0080】従って、上記Kelvinの式から、本粒子表面
改質方法においては以下のようにして粒子22の表面に
表面改質剤21の膜が得られる。図5に示すように、粒
子22の周りの環境が、過飽和点SSから飽和点S2 ま
で、即ち過飽和状態から飽和状態まで変化するのに伴
い、図4に示したように、粒子22の表面において蒸気
の凝縮が進行する。これにより、粒子22表面において
表面改質剤の膜が成長する。この成長は飽和点S2 にて
終了する。この場合、図5における過飽和点SSから飽
和点S2 までの蒸気圧の差に相当する蒸気量が粒子22
表面に凝縮する蒸気量となる。即ち、この量の蒸気によ
り粒子22の表面に表面改質剤21の膜が形成されるこ
とになる。従って、過飽和度PSS/PS が高いほど、粒
子22を被覆する表面改質剤21の液膜は厚くなり、粒
子22の径を大きくすることができる。これにより、表
面改質剤としては高い過飽和度PSSが得られるものが好
ましい。
【0081】しかしながら、過飽和度PSSが低い表面改
質剤を使用した場合であっても、後述のように、表面改
質処理を複数回繰り返すことにより、粒子表面に凝縮さ
れる液膜厚さを徐々に増加させることができる。また、
複数回の表面改質処理において、各々異なる種類の表面
改質剤を使用することにより、多種の物質が表面に積層
された表面改質粒子を得ることができる。
【0082】また、粒子表面改質装置1の内壁部2a2
に複数種類の表面改質剤21を含ませることにより、こ
れら表面改質剤21が混合された成分の膜を粒子22の
表面に形成することもできる。このように複数種類の表
面改質剤21を同時に使用する場合、粒子22の表面に
て複数の表面改質剤21と粒子22の表面物質との化学
反応をおこさせることも可能である。 (実施例1) 次に、本粒子表面改質方法により所定の条件下で表面改
質処理を行った実施例を図6のフローチャートに基づい
て説明する。尚、図6に示すS11〜S16の各工程に
おける具体的な動作、例えば処理空間2bへの粒子の導
入、処理空間2bからの粒子の排出、並びに処理空間2
bの加圧および減圧等の動作は、図1に示したS1〜S
6の対応する各工程での動作と同様である。
【0083】先ず、凝縮箱2の内壁部2a2 に表面改質
剤21としてのジエチレングリコールを含ませる(S1
1)。
【0084】次に、一次粒子径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 の酸化チタン粒子を粒子導入口
4から凝縮箱2内の処理空間2bに導入し、その後、凝
縮箱2を密閉する(S12)。尚、上記一次粒子とは、
複数個の粒子が塊となって形成された凝集粒子に対し、
それぞれが個々に離間した状態の粒子を指している。
【0085】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、凝縮箱2内を加圧するとともに加熱する
(S13)。加圧は、処理空間2bの圧力が常圧(大気
圧)より160mmHgだけ高くなるようにする。加熱
は、内壁部2a2 の温度が350Kとなるようにする。
【0086】次に、上記の状態で凝縮箱2を3分間静置
し、ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S1
4)。
【0087】次に、処理空間2bを常圧まで急激に減圧
する(S15)。これにより、ジエチレングリコールは
断熱膨張して過飽和状態となる。この結果、酸化チタン
粒子の表面にてジエチレングリコールの凝縮反応が生
じ、酸化チタン粒子の表面がジエチレングリコールの液
膜で被覆された。断熱膨張開始後、粒子の成長が平衡に
達するまでは、ある程度の時間を要するが、概ね数秒程
度で十分である。これは以下の実施例においても同様で
ある。
【0088】以上の工程により、ジエチレングリコール
により表面が覆われ、一次粒子径1μmのほぼ大きさの
揃った、酸化チタン粒子を核とする表面改質粒子が得ら
れた。
【0089】その後、表面改質処理済の酸化チタン粒子
を凝縮箱2外に導き出し、処理を終了する(S16)。
【0090】尚、上記S14の動作では、凝縮箱2を3
分間静置しているが、この時間は飽和蒸気状態を得るの
に十分に多い時間であり、凝縮液によっては1分程度、
さらには数秒程度でもよい。この点については、後述す
る図10のS34、S40および図12のS54、S5
9においても同様である。 (実施例2) 次に、本粒子表面改質方法により所定の条件下で表面改
質処理を行った他の実施例を図7のフローチャートに基
づいて説明する。尚、図7に示すS21〜S26の各工
程における具体的な動作は、図1に示したS1〜S6の
対応する各工程での動作と同様である。
【0091】先ず、凝縮箱2の内壁部2a2 に表面改質
剤21としての硝酸を含ませる(S21)。
【0092】次に、幾何平均径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 のカーボンブラック粒子を粒子
導入口4から凝縮箱2内の処理空間2bに導入し、その
後、凝縮箱2を密閉する(S22)。
【0093】次に、硝酸の飽和蒸気を得るために、凝縮
箱2内を加圧するとともに加熱する(S23)。加圧
は、処理空間2bの圧力が常圧(大気圧)より160m
mHg高くなるようにする。加熱は、内壁部2a2 の温
度が400Kとなるようにする。
【0094】次に、上記の状態で凝縮箱2を5分間静置
し、硝酸の飽和蒸気を得る(S24)。
【0095】次に、処理空間2bを常圧まで急激に減圧
する(S25)。これにより、硝酸は断熱膨張して過飽
和状態となる。この結果、カーボンブラック粒子の表面
にて直ちに硝酸の凝縮反応が生じ、カーボンブラック粒
子の表面が硝酸の液膜で被覆された。次に、硝酸により
表面が覆われたカーボンブラック粒子を5分間静置した
後、凝縮箱2外に導き出し、処理を終了する(S2
6)。
【0096】上記表面改質処理済のカーボンブラック粒
子を超純水でよく洗浄した後、乾燥させ、このカーボン
ブラック粒子と表面改質処理を行っていないカーボンブ
ラック粒子とを、それぞれ超純水に投下し攪拌して粒子
の濡れ性を調べた。この結果、表面改質処理を行ってい
ない粒子は超純水に濡れず水面上に留まった。これに対
し、表面改質処理済の粒子は超純水に濡れ、水中に分散
・浮游した。これにより、本粒子表面改質方法により表
面改質処理を行った顔料であるカーボンブラック粒子は
濡れ性が向上することが認められた。
【0097】上記のように本粒子表面改質方法では、粒
子22の攪拌等、粒子22を帯電させるような処理を行
うことなく、粒子22の表面に表面改質膜を得ることが
できる。従って、表面改質粒子は表面改質処理工程にお
いて帯電することがなく、取り扱いが容易となる。ま
た、粒子22を表面改質剤21の過飽和雰囲気に曝し、
粒子表面に表面改質剤を凝縮させることにより粒子表面
に表面改質膜を生成させるという処理は、攪拌等による
粒子表面改質処理と比較して、非常に短時間に行うこと
ができる。また、本粒子表面改質方法は、表面改質剤の
過飽和雰囲気を形成し、これに粒子22を曝して粒子2
2の表面に表面改質剤21を凝縮させるという単純な物
理現象を利用したものであるので、操作が簡便であり、
さらにこれを実施する粒子表面改質装置1も簡単かつ低
コストの構成となる。また、粒子22の表面に形成され
た表面改質膜には表面張力が作用する。従って、均一な
膜厚の表面改質膜にて粒子22を覆うことができる。
【0098】また、本粒子表面改質方法では、表面改質
剤21の過飽和雰囲気を得るのに、表面改質剤21の飽
和蒸気の断熱膨張という、簡単かつ非常に短時間で上記
過飽和雰囲気を得ることができる方法を使用している。
従って、表面改質処理の短時間化、操作の簡便化および
装置の簡素化を促進することができる。また、表面改質
粒子の生産性を高めることができる。
【0099】また、表面改質剤21の飽和蒸気を表面改
質剤21を圧縮することにより生成するので、その後、
表面改質剤21の過飽和雰囲気を得るための上記断熱膨
張を減圧という方法により、容易に行うことができる。
【0100】また、表面改質剤21を大きい表面積を得
ることができる多孔質材料に含ませて凝縮箱2内の雰囲
気に曝し、表面改質剤21の飽和蒸気を得るようにして
いるので、この飽和蒸気を効率よく得ることができる。
また、光学検出装置3により、表面改質処理終了直後に
表面改質粒子の粒子径を検出することができる。従っ
て、この検出結果を迅速に反映して、表面改質粒子の粒
子径を制御することが可能となる。また、光学検出装置
3により、表面改質処理にて得られた表面改質粒子の個
数濃度を検出することができる。従って、これにより粒
子表面改質装置での生産性を確認することができる。 〔発明の実施の形態2〕 本発明の実施の他の形態を図8ないし図10に基づいて
以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図面に示し
た手段と同一の機能を有する手段には同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0101】本粒子表面改質方法では、粒子22に対し
て表面改質処理を複数回行うものとなっている。
【0102】前述のように、粒子22を被覆する表面改
質剤21の液膜は、過飽和度PSS/PS が高いほど厚く
なる。従って、粒子22の大きさを大きくしたい場合に
は、表面改質剤21として高い過飽和度PSS/PS が得
られるものを使用するのが好ましい。しかしながら、表
面改質剤21の種類によっては、1回の処理によって所
望厚さの表面改質剤21の膜を形成するだけの高い過飽
和度PSS/PS を得ることができない場合がある。ま
た、過飽和度PSS/PS が過度に高くなると、表面改質
剤21の凝縮反応において、粒子22を核としての有核
凝縮以外に、表面改質剤21の無核自己凝縮によって凝
縮液粒子が生成されてしまうこともある。そこで、本粒
子表面改質方法では、表面改質剤21の膜を得るための
処理を同一の粒子22に対して複数回繰り返すことによ
り、過飽和度PSS/PS が低い場合であっても、粒子2
2表面に表面改質剤21の所望厚さの膜を得ることがで
きるように、あるいは所望の粒径の表面改質粒子が得ら
れるようにしている。
【0103】本粒子表面改質方法を実施するための構成
は、図2に示した粒子表面改質装置1を、必要な粒子表
面改質処理回数に相当する台数だけ、直列に接続したも
のとなる。例えば、同一の粒子22に対して2回行う場
合には、図8に示すように、粒子表面改質装置1が2台
直列に接続される。
【0104】図8に示す粒子表面改質装置35におい
て、前段の粒子表面改質装置1aと後段の粒子表面改質
装置1bとは、粒子表面改質装置1aの粒子取出口5と
粒子表面改質装置1bの粒子導入口4とを移送用管33
にて接続することにより接続されている。また、前記粒
子表面改質装置1に対し、粒子表面改質装置1aには、
排出管31とバルブ32とが新たに設けられている。排
出管31は移送用管33における粒子取出口5とバルブ
13との間に接続され、バルブ32はこの排出管31内
の通路を開閉するものとなっている。尚、移送用管33
における粒子表面改質装置1a側のバルブ13と粒子表
面改質装置1b側のバルブ11とは、何れか一方のみで
もよい。
【0105】上記構成により粒子22の表面改質処理を
行う場合には、先ず、粒子表面改質装置1aにて粒子2
2の表面改質処理を行った後、得られた表面改質粒子を
粒子表面改質装置1a内から粒子表面改質装置1b内へ
導入し、上記表面改質粒子に対してさらに粒子表面改質
装置1bにより表面改質処理を行う。この場合の粒子表
面改質装置1a・1bでの表面改質処理は、それぞれ、
前記図1により説明した通りである。
【0106】但し、粒子表面改質装置1aにエアロゾル
としての粒子22を導入する際には、移送用管33と加
圧減圧用配管14とのバルブ13・15を閉じる一方、
移送用管33と排出管31とのバルブ11・32を開
く。この状態にて、粒子導入口4から処理空間2bへエ
アロゾルを導入して処理空間2b内の空気を粒子取出口
5と排出管31を通じて排出させ、処理空間2b内をエ
アロゾルに置換する。この置換後、前記S2の動作で
は、バルブ11・13・15・32を閉じることによ
り、凝縮箱2を密閉する。
【0107】粒子表面改質装置1aでの処理にて得られ
た表面改質粒子を粒子表面改質装置1bに移送する際に
は、粒子表面改質装置1aのバルブ15・32が閉、バ
ルブ11・13が開、粒子表面改質装置1bのバルブ1
5が閉、バルブ11・13が開の状態とし、粒子表面改
質装置1a内へ粒子導入口4から清浄空気を導入する。
これにより、粒子表面改質装置1a内の表面改質粒子が
粒子表面改質装置1b内へ移送される。この移送後に
は、粒子表面改質装置1bのバルブ11・13・15を
閉じることにより、前記の動作を行う。
【0108】また、粒子表面改質装置1bにて処理され
た表面改質粒子を粒子表面改質装置1b内から排出する
際には、粒子表面改質装置1aのバルブ15・32が
閉、バルブ11・13が開、粒子表面改質装置1bのバ
ルブ15が閉、バルブ11・13が開の状態とし、粒子
表面改質装置1a内へ粒子導入口4からさらに清浄空気
を導入する。これにより、粒子表面改質装置1a内の清
浄空気が粒子表面改質装置1b内に導入され、粒子表面
改質装置1bの表面改質粒子が粒子取出口5から排出さ
れる。
【0109】粒子表面改質装置1aでの表面改質処理で
は、図9における状態(a)から状態(c)までの処理
が行われる。この処理は、図4に示す状態(a)から状
態(c)までの処理に相当する。その後、粒子表面改質
装置1bでは、図9における状態(d)から状態(f)
までの処理が行われる。この処理では、粒子表面改質装
置1aにて得られた表面改質粒子の表面改質剤21の膜
上にさらに表面改質剤21が凝縮し、表面改質剤21の
膜厚が厚くなる。また、このように、粒子22の表面改
質処理を適宜繰り返すことにより、表面改質粒子の粒子
径を所望の大きさまで成長させることができる。
【0110】尚、同一の粒子22に対する複数回の表面
改質処理を、図8に示した構成では粒子表面改質装置1
a・1bという2台の装置により行っているが、図2に
示した1台の粒子表面改質装置1にて行うことも可能で
ある。この場合には、排出管12から排出された表面改
質粒子を、再度、導入管10から処理空間2bに導入し
て処理することになる。 (実施例3) 次に、本粒子表面改質方法により所定の条件下で表面改
質処理を行った実施例を図10のフローチャートに基づ
いて説明する。尚、ここでは、図1に示した1台の粒子
表面改質装置1により繰り返し表面改質処理を行うもの
とする。また、以下に示すS31〜S36の各工程、お
よびS37〜S42の各工程における具体的な動作は、
図1に示したS1〜S6の対応する各工程での動作と同
様である。
【0111】先ず、セラミックからなる内壁部2a2 に
表面改質剤21としてジエチレングリコールを含ませる
(S31)。
【0112】次に、一次粒子径が約40nm、粒子個数
濃度が1011個/m3 のポリスチレンラテックス粒子を
粒子導入口4から凝縮箱2内の処理空間2bに導入し、
その後、凝縮箱2を密閉する(S32)。
【0113】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、凝縮箱2内を加圧するとともに加熱する
(S33)。加圧は、処理空間2bの圧力が常圧(大気
圧)より160mmHgだけ高くなるようにする。加熱
は、内壁部2a2 の温度が350Kとなるようにする。
【0114】次に、上記の状態で凝縮箱2を3分間静置
し、ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S3
4)。
【0115】次に、処理空間2bを常圧まで急激に減圧
する(S35)。これにより、ジエチレングリコールは
断熱膨張して過飽和状態となる。この結果、ポリスチレ
ンラテックス粒子の表面にてジエチレングリコールの凝
縮反応が生じ、ポリスチレンラテックス粒子の表面がジ
エチレングリコールの液膜で被覆された。以上の工程に
より、ジエチレングリコールにより表面が覆われ、一次
粒子径1μmのほぼ大きさの揃った、ポリスチレンラテ
ックス粒子を核とする表面改質粒子が得られた。
【0116】その後、表面改質処理済のポリスチレンラ
テックス粒子を凝縮箱2外に導き出す(S36)。
【0117】次に、セラミックからなる内壁部2a2 に
表面改質剤21としてジエチレングリコールを含ませる
(S37)。
【0118】次に、上記表面改質粒子を、粒子表面改質
装置1の処理空間2bに再度導入し、その後、凝縮箱2
を密閉する(S38)。
【0119】以下、S39〜S42の工程では、上記S
33〜S36と同様の動作を繰り返す。この結果、ジエ
チレングリコールにて表面が覆われ、一次粒子径2μm
でほぼ大きさの揃った、ポリスチレンラテックス粒子を
核とする表面改質粒子が得られた。 〔発明の実施の形態3〕 本発明の実施のさらに他の形態を図11に基づいて以下
に説明する。本粒子表面改質方法では、粒子22に対し
て表面改質処理を複数回行い、かつこの複数回の表面改
質処理のうちの少くとも2回に、相互に種類の異なる表
面改質剤21を使用するものとなっている。このような
表面改質処理により、同一の粒子に表面改質剤21の種
類に応じて多数の機能を持たせることが可能となる。
【0120】本粒子表面改質方法を実施するためには、
例えば図8に示した粒子表面改質装置35を使用する。
粒子表面改質装置35では通常2種類の表面改質剤21
による処理が可能である。粒子表面改質装置35により
本粒子表面改質方法を実施する場合には、粒子表面改質
装置1aの内壁部2a2 と粒子表面改質装置1bの内壁
部2a2 とにおいて、異なる種類の表面改質剤21を含
ませることになる。その他、具体的な処理については、
図8に基づいて説明した前記発明の実施の形態2の場合
と同様である。
【0121】粒子表面改質装置35により表面改質剤2
1aと表面改質剤21bとを使用して上記表面改質処理
を行った場合、粒子表面改質装置1aでの表面改質処理
では、図11における状態(a)から状態(c)までの
処理が行われる。この処理は、図4における状態(a)
から状態(c)までの処理に相当する。この処理により
粒子22の表面には、状態(c)に示すように、表面改
質剤21aの膜が形成される。
【0122】その後、粒子表面改質装置1bでの表面改
質処理では、図11における状態(d)から状態(f)
までの処理が行われる。この処理では、状態(f)に示
すように、表面改質粒子の表面改質剤21aの膜上にさ
らに表面改質剤21bの膜が積層される。このようにし
て、異なる表面改質剤21を使用しての表面改質処理を
行うことにより、表面改質粒子は、表面改質剤21に応
じて多種の機能を備えることができる。この結果、粒子
22の機能を高めることができる。また、この場合に
も、表面改質剤21の膜厚を厚くし、粒子22を所望の
大きさに成長させることができる。
【0123】尚、3種類以上の表面改質剤21による処
理を可能とする場合には、使用する表面改質剤21の種
類数の分の粒子表面改質装置1が直列に接続された構成
とすればよい。また、場合によっては、1台の粒子表面
改質装置1の内壁部2a2 に複数種類の表面改質剤21
を含ませておくことにより、これら表面改質剤21が混
合された成分の膜を1回の表面改質処理にて粒子22の
表面に形成することもできる。このように、複数種類の
表面改質剤21を同時に使用する場合、粒子22の表面
にて複数の表面改質剤21と粒子22の表面物質との化
学反応を起こさせることも可能である。(実施例4)次
に、本粒子表面改質方法により所定の条件下で表面改質
処理を行った実施例を図12のフローチャートに基づい
て説明する。尚、以下に示すS51〜S55の各工程、
およびS56〜S61の各工程における具体的な動作
は、それぞれ図1に示したS1〜S5、即ち図10に示
したS31〜S35、および図1に示したS1〜S6、
即ち図10に示したS37〜S42の対応する各工程の
動作と同様である。
【0124】先ず、前段装置、即ち粒子表面改質装置1
aの内壁部2a2 に表面改質剤21aとしてジエチレン
グリコールを含ませる(S51)。
【0125】次に、一次粒子径が約40nm、粒子個数
濃度が1011個/m3 のポリスチレンラテックス粒子を
粒子表面改質装置1aの粒子導入口4から凝縮箱2内の
処理空間2bに導入し、その後、凝縮箱2を密閉する
(S52)。
【0126】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、凝縮箱2内を加圧するとともに加熱する
(S53)。加圧は、処理空間2bの圧力が常圧(大気
圧)より160mmHgだけ高くなるようにする。加熱
は、内壁部2a2 の温度が350Kとなるようにする。
【0127】次に、上記の状態で凝縮箱2を3分間静置
し、ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S5
4)。
【0128】次に、処理空間2bを常圧まで急激に減圧
する(S55)。これにより、ジエチレングリコールは
断熱膨張して過飽和状態となる。この結果、ポリスチレ
ンラテックス粒子の表面にて直ちにジエチレングリコー
ルの凝縮反応が生じ、ポリスチレンラテックス粒子の表
面がジエチレングリコールの液膜で被覆された。以上の
工程により、ジエチレングリコールにより表面が覆わ
れ、一次粒子径1μmのほぼ大きさの揃った、ポリスチ
レンラテックス粒子を核とする表面改質粒子が得られ
た。
【0129】次に、後段装置、即ち粒子表面改質装置1
bの内壁部2a2 に表面改質剤21bとしてトリエチレ
ングリコールを含ませる(S56)。
【0130】次に、粒子表面改質装置1aにて表面改質
されたポリスチレンラテックス粒子を、粒子表面改質装
置1bの粒子導入口4から凝縮箱2内の処理空間2bに
導入し、その後、凝縮箱2を密閉する(S57)。
【0131】以下、S58〜S60の工程では、上記S
53〜S55と同様の動作を繰り返す。この結果、下層
のジエチレングリコール膜が上層のトリエチレングリコ
ール膜にて覆われ、一次粒子径4μmでほぼ大きさの揃
った、ポリスチレンラテックス粒子を核とする表面改質
粒子が得られた。
【0132】その後、上記表面改質粒子を粒子表面改質
装置1bの粒子取出口5から凝縮箱2外に導き出して、
処理を終了する(S61)。
【0133】尚、上記の粒子表面改質方法では、S56
にて後段の粒子表面改質装置1bの内壁部2a2 に表面
改質剤21bを含ませるようにしているが、この工程
を、S51において、前段の粒子表面改質装置1aの内
壁部2a2 に表面改質剤21aを含ませる際に同時に行
うようにしてもよい。この場合にはS55の工程後、S
57の工程を行う。 〔発明の実施の形態4〕 本発明の実施のさらに他の形態を図13ないし図21に
基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図
面に示した手段と同一の機能を有する手段には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0134】本発明の実施の形態において、粒子表面改
質装置は自動的に前記の各粒子表面改質方法を実施する
ものとなっている。図13に示すように、粒子表面改質
装置41は、前記凝縮箱2、光学検出装置3、加熱装置
7、温度計8および圧力計16を備えるとともに、加圧
装置42、粒子供給装置43、粒子排出装置44、粒子
回収装置45および電磁バルブ51〜55を備えてい
る。この粒子表面改質装置41は図2に示した粒子表面
改質装置1に対応する。
【0135】上記加圧装置42は、凝縮箱2の処理空間
2b内に清浄空気を送り込み、処理空間2b内部を加圧
するものである。この加圧装置42は、電磁バルブ54
を介して加圧用配管14aにより凝縮箱2の加圧減圧口
6と接続されている。加圧用配管14aからは、電磁バ
ルブ54と加圧減圧口6との間において減圧用配管14
bが分岐しており、この減圧用配管14bには電磁バル
ブ55が設けられている。
【0136】粒子排出装置44は、上記処理空間2b内
に清浄空気を送り込むことにより、処理空間2bの表面
改質粒子を粒子取出口5から排出させるものである。こ
の粒子排出装置44は電磁バルブ51を介して導入管1
0bにより凝縮箱2の粒子導入口4と接続されている。
導入管10bは電磁バルブ52と粒子導入口4との間に
おいて、導入管10aと分岐している。
【0137】粒子回収装置45は上記処理空間2bから
粒子取出口5を通じて排出された表面改質粒子を回収す
るものである。この粒子回収装置45は電磁バルブ53
を介して排出管12により上記粒子取出口5と接続され
ている。
【0138】本粒子表面改質装置41では、粒子供給装
置43、導入管10a、電磁バルブ52、粒子導入口
4、粒子取出口5および電磁バルブ53により、粒子供
給手段が構成されている。また、粒子排出装置44、導
入管10b、電磁バルブ51、粒子導入口4、粒子取出
口5および電磁バルブ53により粒子排出手段が構成さ
れている。また、加熱装置7、加圧装置42、電磁バル
ブ54・55、加圧用配管14a、減圧用配管14bお
よび加圧減圧口6により調整手段が構成されている。
【0139】粒子供給装置43は、凝縮箱2の処理空間
2b内にエアロゾルとなっている粒子22を供給するも
のである。この粒子供給装置43は電磁バルブ52を介
して導入管10aにより凝縮箱2の粒子導入口4と接続
されている。
【0140】また、粒子表面改質装置41は、図14に
示す制御装置46を備えている。この制御装置46に
は、上記温度計8、圧力計16、加熱装置7、加圧装置
42、粒子供給装置43、粒子排出装置44、粒子回収
装置45および電磁バルブ51〜55が接続されてい
る。制御装置46は、内部にタイマを備え、粒子表面改
質装置41における粒子表面改質動作を制御するもので
ある。
【0141】次に、上記粒子表面改質装置41による粒
子表面改質処理動作を図15のフローチャートに基づい
て説明する。ここでの各動作は制御装置46の制御によ
り行われる。また、ここでの粒子表面改質処理は、同一
の粒子22に対して1回のみ行うものであり、前記図1
の処理に対応する。
【0142】先ず、凝縮箱2の内壁部2a2 に、所定の
表面改質剤21を含ませる(S71)。この処理は、作
業者が内壁部2a2 に表面改質剤21を供給する構成、
あるいは表面改質剤21の供給装置を設けておき、この
装置により自動的に行う構成の何れであってもよい。
【0143】次に、加熱装置7を作動させて凝縮箱2を
加熱する(S72)。この加熱においては、内壁部2a
2 の温度が所定の温度となるように、温度計8による検
出温度に基づいて制御装置46が加熱装置7を制御す
る。
【0144】次に、電磁バルブ52・53を開くととも
に粒子供給装置43を作動させ、粒子供給装置43から
凝縮箱2の処理空間2bに粒子22を導入する(S7
3)。その後、処理空間2b内の気体がエアロゾル(粒
子22)に置換すると、電磁バルブ52・53を閉じる
とともに、粒子供給装置43を停止させる(S74)。
これにより凝縮箱2が密閉される。電磁バルブ52・5
3の閉じ、および粒子供給装置43の停止タイミング
は、例えば処理空間2bへのエアロゾル導入開始からの
経過時間をタイマにて計時することにより設定できる。
【0145】次に、電磁バルブ54を開くとともに加圧
装置42を作動させ、加圧装置42から処理空間2b内
に清浄空気を送り込み、処理空間2b内を加圧する(S
75)。この加圧においては、処理空間2b内の圧力が
常圧(大気圧)よりも所定の圧力だけ高くなるように、
圧力計16による検出圧力に基づいて制御装置46が加
圧装置42を制御する。
【0146】その後、処理空間2b内が上記圧力に達す
ると、電磁バルブ54を閉じるとともに、加圧装置42
を停止させる(S76)。これにより凝縮箱2が密閉さ
れる。次に、この状態で凝縮箱2を静置し、表面改質剤
21の飽和蒸気を得る(S77)。この静置時間は、表
面改質剤21の種類により異なるが、通常約1分程度で
あり、前記タイマにより計時する。
【0147】次に、電磁バルブ55を開いて処理空間2
b内を常温まで減圧し、表面改質剤21の飽和蒸気を断
熱膨張させて、表面改質剤21の過飽和状態を得る(S
78)。その後、電磁バルブ55を閉じるとともに、粒
子22の成長、即ち粒子22表面の表面改質剤21の膜
の成長が平衡状態に達するまで、凝縮箱2を静置する
(S79)。
【0148】次に、光学検出装置3を作動させ、処理空
間2b内における表面改質粒子の個数濃度および粒子径
を測定する(S80)。この測定が終了すると、光学検
出装置3の作動を停止させる(S81)。
【0149】その後、電磁バルブ51・53を開くとと
もに粒子排出装置44を作動させ、粒子排出装置44に
より処理空間2b内へ清浄空気を送り込む。これによ
り、処理空間2b内の表面改質粒子が粒子取出口5から
粒子回収装置45に送り込まれ、粒子回収装置45によ
り回収される。また、処理空間2b内の空気が清浄空気
に置換され、これによって処理を終了する(S82)。
【0150】次に、同一の粒子22に対して複数回の表
面改質処理を自動的に連続して行い得る粒子表面改質装
置を図16に示す。この粒子表面改質装置61は、同一
の粒子22に対して2回の表面改質処理を連続して行い
得るものであり、図8に示した粒子表面改質装置35に
対応する。
【0151】この粒子表面改質装置61では、前段の凝
縮箱2の粒子取出口5と後段の凝縮箱2の粒子導入口4
とが移送用管33にて接続されている。加圧装置42は
前段と後段とで共通のものを使用している。また、後段
の凝縮箱2側にも同様に電磁バルブ56〜59が設けら
れている。尚、移送用管33に設けられている電磁バル
ブ53・56は何れか一方のみでもよい。
【0152】また、粒子表面改質装置61における制御
系の構成は、図17に示すものとなっており、制御装置
63が備えられている。
【0153】上記粒子表面改質装置61において、同一
の粒子22に対して同一の表面改質剤21により粒子表
面改質処理を2回連続して行う場合の動作は、図18お
よび図19のフローチャートに示すものとなる。
【0154】この動作においては、先ず、前段と後段と
の両凝縮箱2の内壁部2a2 に同一の表面改質剤21を
含ませる(S91)。これ以下、S92〜S101の動
作は、前段の凝縮箱2において行われるものであり、図
15に示したS72〜S81の動作と同様である。但
し、S93において、前段の凝縮箱2に粒子を導入する
ために開くバルブは、バルブ52・60である。
【0155】S101までの処理により、前段の凝縮箱
2内にて表面改質粒子の生成が終了すると、前段の凝縮
箱2側の電磁バルブ51・53および後段の凝縮箱2側
の電磁バルブ56・57を開くとともに粒子排出装置4
4を作動させ、粒子排出装置44により前段の凝縮箱2
の処理空間2b内へ清浄空気の送り込みを開始する。こ
れにより、処理空間2b内の表面改質粒子が粒子取出口
5から後段の凝縮箱2の処理空間2bに送り込まれる
(S102)。この処理の開始後、後段の凝縮箱2を加
熱を行う(S103)。
【0156】次に、S102の処理が完了すると、電磁
バルブ56・57を閉じ、後段の凝縮箱2を密閉する
(S104)。これ以下、S105〜S111の動作
は、後段の凝縮箱2において行われるものであり、前記
S95〜S101、即ち図15に示したS75〜S81
の動作と同様である。
【0157】その後、S111の動作が終了すると、電
磁バルブ56・57を開くとともに粒子排出装置44を
作動させ、粒子排出装置44により前段の凝縮箱2にお
ける処理空間2b内へさらに清浄空気を送り込む。これ
により、後段の凝縮箱2の処理空間2b内の表面改質粒
子が粒子取出口5から粒子回収装置45に送り込まれ、
粒子回収装置45により回収される。また、後段の凝縮
箱2の処理空間2b内の空気が清浄空気に置換され、こ
れによって処理を終了する(S112)。
【0158】また、上記粒子表面改質装置61におい
て、同一の粒子22に対して異なる表面改質剤21a・
21bにより粒子表面改質処理を2回連続して行う場合
の動作は、図20および図21のフローチャートに示す
ものとなる。
【0159】この動作においては、先ず、前段の凝縮箱
2の内壁部2a2 に表面改質剤21aを含ませるととも
に、後段の凝縮箱2の内壁部2a2 に表面改質剤21b
を含ませる(S121)。これ以下のS122〜S14
2の動作は、図18および図19に示したS92〜S1
12の動作と同様である。 〔発明の実施の形態5〕 本発明の実施のさらに他の形態を図22ないし図27に
基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図
面に示した手段と同一の機能を有する手段には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0160】本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置71は、図22および
図23に示す構成となっている。図22は粒子表面改質
装置71の構成を示す縦断面図であり、図23は同斜視
図である。本粒子表面改質装置71は、凝縮箱2内の加
圧および減圧を行うための加圧減圧装置75を凝縮箱2
の下部に備えている。このため、光学検出装置3と粒子
導入口4と表面改質剤導入口72とが凝縮箱2の上部に
設けられ、前記加圧減圧口6が除かれている。
【0161】表面改質剤導入口72は表面改質剤を凝縮
箱2内に導入するためのものである。表面改質剤導入口
72には導入管73が設けられ、この導入管73にはバ
ルブ74が設けられている。
【0162】加圧減圧装置75は、ピストン75a、ク
ランク軸75bおよび図示しない駆動装置を備えてい
る。クランク軸75bは、上記駆動装置により駆動され
る。
【0163】また、凝縮箱2は、処理空間2bと接する
面全体が多孔質材料からなる内壁部2a2 によって形成
されているのが、各種表面改質剤21の気化を効率よく
行い得る点で好ましい。しかしながら、本粒子表面改質
装置71において、凝縮箱2の下部は、ピストン75a
を有する加圧減圧装置75が設けられていることによ
り、多孔質体からなる内壁部2a2 が除去され、この除
去された部分が例えば金属製の外壁部2a1 によって補
われた構造となっている。他の構成は、前述の粒子表面
改質装置1と同一である。
【0164】次に、上記粒子表面改質装置71による粒
子表面改質方法を図24のフローチャートに基づいて説
明する。
【0165】粒子表面改質装置71によって粒子表面改
質処理を行う際には、先ず、バルブ11・72を開く一
方バルブ13を閉じ、ピストン75aを上死点に配した
状態とする。また、凝縮箱2内を所定温度に加熱装置7
により加熱する(S151)。尚、この加熱処理は、前
述したように、凝縮箱2内の加圧処理に対する補助的処
理である。また、凝縮箱2内への表面改質すべき粒子、
および表面改質剤21の導入に先立って上記加熱を行う
のは、予め凝縮箱2の処理空間2b内を加熱しておくこ
とにより、粒子表面改質処理を迅速に行うためである。
【0166】次に、粒子導入口4に表面改質すべき粒子
を例えばエアロゾルとして供給する一方、表面改質剤導
入口72に表面改質剤21を例えばミストとして供給
し、加圧減圧装置75のピストン75aを下死点に降下
させる。これにより、上記粒子と表面改質剤21とが凝
縮箱2の処理空間2b内に導入される。ピストン75a
の降下後、直ぐにバルブ11・72を閉じて凝縮箱2を
密閉する(S152)。
【0167】次に、処理空間2b内に表面改質剤21の
飽和蒸気状態を得るため、凝縮箱内を加圧する。この加
圧はピストン75aを所定位置まで上昇させることによ
り行う。この加圧においては、処理空間2b内を常圧
(大気圧)より高い所定の圧力に昇圧する(S15
3)。このときには、同時に表面改質剤21が加熱され
る。
【0168】その後、表面改質剤21の飽和蒸気が得ら
れるまで、凝縮箱2を適切な時間静置する(S15
4)。即ち、凝縮箱2に対して上記の状態を維持する。
【0169】次に、処理空間2b内を常圧にまで急激に
減圧し、表面改質剤21の飽和蒸気を過飽和状態にする
(S155)。この処理は、ピストン75aを下死点ま
で急速に降下させることにより行う。この処理により、
前述のように、粒子22の表面にて表面改質剤21の凝
縮反応が生じる。この結果、粒子表面に表面改質剤21
の液膜が生成される。
【0170】その後、処理空間2b内の表面改質処理済
みの粒子22、即ち、表面改質粒子を凝縮箱2外に取り
出して処理を終了する(S156)。表面改質粒子の取
り出しは、バルブ11・74の閉じ状態を維持し、バル
ブ13を開状態とした後、ピストン75aを下死点から
上死点まで上昇させることにより行う。(実施例5)次
に、図22に示した粒子表面改質装置71を使用した粒
子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処理を
行った実施例を図25のフローチャートに基づいて説明
する。尚、図25に示すS161〜S166の各行程に
おける具体的な動作、例えば処理空間2bへの粒子の導
入、処理空間2bからの粒子の排出、並びに処理空間2
bの加圧および減圧等の動作は、図24に示したS15
1〜S156の対応する各行程での動作と同様である。
【0171】先ず、凝縮箱2内を加熱する(S16
1)。この場合には、内壁部2a2 の温度が350Kと
なるようにする。
【0172】次に、一次粒子径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 の酸化チタン粒子と表面改質剤
21としてのジエチレングリコールとをそれぞれ粒子導
入口4と表面改質剤導入口72とから凝縮箱2の処理空
間2b内に導入した後、直ぐに凝縮箱2を密閉する(S
162)。
【0173】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、処理空間2bの圧力が常圧(大気圧)より
160mmHgだけ高くなるように、凝縮箱2内を加圧
する(S163)。このときには同時にジエチレングリ
コールが加熱される。
【0174】次に、上記の状態で凝縮箱2を1分間静置
し、ジエチレングリコールの飽和蒸気状態を得る(S1
64)。
【0175】次に、処理空間2bを常圧にまで急激に減
圧する。これによりジエチレングリコールは断熱膨張し
て過飽和蒸気状態となる(S165)。この結果、酸化
チタンの表面にてジエチレングリコールの凝縮が生じ、
酸化チタン粒子の表面がジエチレングリコールの液膜で
被覆された。以上の行程により、ジエチレングリコール
により表面が覆われ、酸化チタン粒子を核とする一次粒
子径1μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られ
た。
【0176】その後、上記の表面改質粒子を凝縮箱2外
に取り出し、処理を終了する(S166)。
【0177】尚、凝縮箱2を1分間静置しているが、こ
の時間は飽和蒸気を得るのに十分に多い時間であり、凝
縮液によっては数秒程度でもよい。 (実施例6) 次に、図22に示した粒子表面改質装置71を使用した
粒子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処理
を行った他の実施例を図26のフローチャートに基づい
て説明する。尚、図26に示すS171〜S176の各
行程における具体的な動作は、図24に示したS151
〜S156の対応する各行程での動作と同様である。
【0178】先ず、凝縮箱2内を加熱する(S17
1)。この場合には、内壁部2a2 の温度が400Kと
なるようにする。
【0179】次に、一次粒子径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 のカーボンブラック粒子と表面
改質剤21としての硝酸とをそれぞれ粒子導入口4と表
面改質剤導入口72とから凝縮箱2の処理空間2b内に
導入した後、凝縮箱2を密閉する(S172)。
【0180】次に、硝酸の飽和蒸気状態を得るために、
凝縮箱2内を、処理空間2bの圧力が常圧(大気圧)よ
り160mmHgだけ高くなるように加圧する(S17
3)。このときには同時に硝酸が加熱される。
【0181】次に、上記の状態で凝縮箱2を5分間静置
し、硝酸の飽和蒸気を得る(S174)。
【0182】次に、処理空間2bを常圧にまで急激に減
圧する。これにより硝酸は断熱膨張して過飽和蒸気状態
となる(S175)。この結果、カーボンブラック粒子
の表面にて硝酸の凝縮が生じ、カーボンブラック粒子の
表面が硝酸の液膜で被覆された。以上の行程により、硝
酸により表面が覆われ、カーボンブラック粒子を核とす
る表面改質粒子が得られた。
【0183】その後、表面改質済みのカーボンブラック
粒子を凝縮箱2外に取り出し、処理を終了する(S17
6)。
【0184】以上のように、本粒子表面改質装置71で
は、ピストン75aを有する加圧減圧装置75を凝縮箱
2の下部に設け、上記ピストン75aの昇降により、凝
縮箱2内への表面改質処理すべき粒子と表面改質剤21
との導入、および処理空間2b内の加圧と減圧を行う構
成である。従って、上記の各処理を簡単な構成の加圧減
圧装置75によって行うことが可能であり、粒子表面改
質装置71が簡単かつ低コストの構成となっている。
【0185】また、加圧減圧装置75によって処理空間
2b内へ表面改質剤21を導入するようにしているの
で、予め処理空間2bの多孔質材料、即ち内壁部2a2
に表面改質剤21を含ませておく処理が不要となる。
【0186】また、粒子表面改質処理に際しては、凝縮
箱2内への上記粒子および表面改質剤21の導入前に、
処理空間2b内を予め加熱するようにしているので、処
理空間2bに導入した表面改質剤21の加熱を迅速に行
うことができる。この結果、粒子表面改質処理を迅速に
行うことができる。
【0187】また、本粒子表面改質装置71では、加圧
減圧装置75が処理空間2bの容積を変化させることに
より処理空間2b内を加圧および減圧する構成である。
従って、処理空間2b内に粒子22を収容している状態
のままで、即ち1台の粒子表面改質装置71により、同
一の粒子22に対する連続的な粒子表面改質処理を容易
に行うことができるようになっている。
【0188】また、加圧減圧装置75は、ピストン75
aが凝縮箱2の上壁部まで移動可能な構成とすれば、凝
縮箱2内において表面改質処理された粒子の全量を確実
に凝縮箱2から取り出すことができる。
【0189】また、バルブ74の閉じ状態を維持し、バ
ルブ11・13を開状態とした後、粒子導入口4から清
浄空気を送り込むことによっても、表面改質処理された
粒子の全量を確実に凝縮箱2から取り出すことができ
る。
【0190】また、本粒子表面改質装置71による粒子
表面改質方法では、粒子22の攪拌等、粒子22を帯電
させるような処理を行わず、前述した他の粒子表面改質
装置による方法と同様、粒子22の表面に表面改質剤2
1の凝縮を生じさせることにより粒子表面改質処理を行
うものとなっている。従って、前述した他の粒子表面改
質装置による方法と同様の利点を有している。
【0191】また、本粒子表面改質装置71も前述の場
合と同様、自動化が可能である。この場合、図27に示
すように、加熱装置7、加圧減圧装置75、粒子供給装
置43、表面改質剤供給装置76、および電磁バルブに
よって構成されるバルブ11・13・74が制御装置7
7によって制御される。尚、粒子供給装置43は、図2
2に示す導入管10に接続され、表面改質剤供給装置7
6は導入管73に接続され、粒子回収装置45は排出管
12に接続される。
【0192】また、本粒子表面改質装置71を使用した
場合にも、前述の場合と同様にして、次のように、同一
の粒子22に対して粒子表面改質処理を複数回繰り返す
ことができる。この処理によれば、使用する表面改質剤
21の過飽和度が低い場合であっても、粒子22の表面
に表面改質剤21の所望の厚さの膜を得ること、あるい
は所望の粒子径の表面改質粒子を得ることができる。
【0193】また、本粒子表面改質装置71を使用した
粒子表面改質方法においても、凝縮箱2の多孔質材料か
らなる内壁部2a2 に予め表面改質剤21を含ませてお
く方法を採用することが可能である。これによって、表
面改質剤導入口72からの表面改質剤21の導入を不要
とすることができる。 (実施例7) 次に、本粒子表面改質方法により所定の条件下で表面改
質処理を行った実施例を図28のフローチャートに基づ
いて説明する。尚、ここでは、図22に示した1台の粒
子表面改質装置71により繰り返し表面改質処理を行う
ものとする。また、以下に示すS181〜S185の各
工程、およびS186〜S190の各工程における具体
的な動作は、それぞれ図24に示したS151〜S15
5の各行程、およびS152〜S156の各行程での動
作と同様である。
【0194】先ず、凝縮箱2内を加熱する(S18
1)。この場合には、内壁部2a2 の温度が350Kと
なるようにする。
【0195】次に、一次粒子径が約40nm、粒子個数
濃度が1011個/m3 のポリスチレンラテックス粒子と
表面改質剤21としてのジエチレングリコールとをそれ
ぞれ粒子導入口4と表面改質剤導入口72とから凝縮箱
2の処理空間2b内に導入した後、凝縮箱2を密閉する
(S182)。
【0196】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気状
態を得るために、凝縮箱2内を、処理空間2bの圧力が
常圧(大気圧)より160mmHgだけ高くなるように
加圧する(S183)。このときには同時にジエチレン
グリコールが加熱される。
【0197】次に、上記の状態で凝縮箱2を1分間静置
し、ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S18
4)。
【0198】次に、処理空間2bを常圧にまで急激に減
圧する。これによりジエチレングリコールは断熱膨張し
て過飽和状態となる(S185)。この結果、ポリスチ
レンラテックス粒子の表面にて直ちにジエチレングリコ
ールの凝縮が生じ、ポリスチレンラテックス粒子の表面
がジエチレングリコールの液膜で被覆された。以上の行
程により、ジエチレングリコールにより表面が覆われ、
ポリスチレンラテックス粒子を核とする一次粒子径1μ
mのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られた。
【0199】次に、再度の粒子表面改質処理を行うため
に、加圧減圧装置75のピストン75aを上昇させ、バ
ルブ74のみを開いて表面改質剤導入口72にジエチレ
ングリコールを供給する。そして、ピストン75aを降
下させて処理空間2b内に表面改質剤21のみ、即ちジ
エチレングリコールのみを導入し、凝縮箱2を密閉する
(S186)。
【0200】以下、S187〜S189においてS18
3〜S185と同様の動作を繰り返す。この結果、先の
動作により得られた表面改質処理済の粒子の表面がさら
にジエチレングリコールにて覆われ、ポリスチレンラテ
ックス粒子を核とする一次粒子径2μmのほぼ大きさの
揃った表面改質粒子が得られた。 〔発明の実施の形態6〕 本発明の実施のさらに他の形態を図29および図30に
基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図
面に示した手段と同一の機能を有する手段には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0201】本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置81は、図29に示す
構成となっている。この粒子表面改質装置81は、粒子
22に対して表面改質処理を複数回行い、かつ、この複
数回の表面改質処理のうち少なくとも2回に、相互に種
類の異なる表面改質剤21を使用する粒子表面改質方法
に適したものである。
【0202】粒子表面改質装置81は、図29に示すよ
うに、第1の表面改質剤導入口72の近傍に、第2の表
面改質剤導入口82が形成され、この表面改質剤導入口
82に導入管83が設けられ、この導入管83にバルブ
84が設けられたものとなっている。導入管83には、
導入管73に接続された表面改質剤供給装置76とは異
なる種類の表面改質剤21を供給する表面改質剤供給装
置85(図31に示す)が接続されている。他の構成
は、前記粒子表面改質装置71と同様である。
【0203】表面改質剤導入口72と表面改質剤導入口
82との使用については、同一の粒子22に対する例え
ば第1回目の粒子表面改質処理において表面改質剤導入
口72が使用され、第2回目の粒子表面改質処理におい
て表面改質剤導入口72が使用される。この場合、表面
改質剤導入口72を使用するときには、バルブ74が
開、バルブ84が閉とされる一方、表面改質剤導入口8
2が使用されるときには、バルブ74が閉、バルブ84
が開とされる。
【0204】尚、3種類以上の表面改質剤21による処
理を可能とする場合には、使用する表面改質剤21の種
類数の分だけ凝縮箱2に表面改質剤導入口を形成すれば
よい。また、一つの例えば表面改質剤導入口72から複
数種類の表面改質剤21を同時に処理空間2bに導入す
ることも可能である点は、前述の通りである。
【0205】また、表面改質剤21の種類数の分だけ形
成された表面改質剤導入口から同時に複数種類の表面改
質剤21を導入することによって、混合された成分の膜
を1回の表面改質処理にて粒子22の表面に形成するこ
ともできる。このように、複数種類の表面改質剤21を
同士に使用する場合、粒子22の表面にて複数の表面改
質剤21と粒子22の表面物質との化学反応を起こさせ
ることも可能である。 (実施例8) 次に、粒子表面改質装置81を使用して所定の条件下で
表面改質処理を行った実施例を図30のフローチャート
に基づいて説明する。尚、以下に示すS191〜S19
5の各工程、およびS196〜S200の各工程におけ
る具体的な動作は、それぞれ図24に示したS151〜
S155の各行程、およびS152〜S156の各行程
での動作と同様である。また、図29に示す粒子表面改
質装置81において、表面改質剤導入口72の導入管7
3には、ジエチレングリコールを供給する表面改質剤供
給装置76が接続され、表面改質剤導入口82の導入管
83には、トリエチレングリコールを供給する表面改質
剤供給装置76が接続されているものとする。
【0206】先ず、凝縮箱2内を加熱する(S19
1)。この場合には、内壁部2a2 の温度が350Kと
なるようにする。
【0207】次に、一次粒子径が約40nm、粒子個数
濃度が1011個/m3 のポリスチレンラテックス粒子と
表面改質剤21aとしてのジエチレングリコールとをそ
れぞれ粒子導入口4と表面改質剤導入口72とから凝縮
箱2の処理空間2b内に導入した後、凝縮箱2を密閉す
る(S192)。
【0208】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気状
態を得るために、凝縮箱2内を、処理空間2bの圧力が
常圧(大気圧)より160mmHgだけ高くなるように
加圧する(S193)。このときには同時にジエチレン
グリコールが加熱される。
【0209】次に、上記の状態で凝縮箱2を1分間静置
し、ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S19
4)。
【0210】次に、処理空間2bを常圧にまで急激に減
圧する。これによりジエチレングリコールは断熱膨張し
て過飽和状態となる(S195)。この結果、ポリスチ
レンラテックス粒子の表面にてジエチレングリコールの
凝縮が生じ、ポリスチレンラテックス粒子の表面がジエ
チレングリコールの液膜で被覆された。以上の行程によ
り、ジエチレングリコールにより表面が覆われ、ポリス
チレンラテックス粒子を核とする一次粒子径1μmのほ
ぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られた。
【0211】次に、再度の粒子表面改質処理を行うため
に、加圧減圧装置75のピストン75aを上昇させ、バ
ルブ84のみを開状態とし、ピストン75aを降下させ
て処理空間2b内に表面改質剤21bとしてのトリエチ
レングリコールのみを導入し、凝縮箱2を密閉する(S
196)。
【0212】以下、S197〜S199においてS19
3〜S195と同様の動作を繰り返す。この結果、先の
動作により粒子22の表面に得られたジエチレングリコ
ール膜の表面がさらにトリエチレングリコール膜にて覆
われた。これにより、一次粒子径4μmのポリスチレン
ラテックス粒子を核とするほぼ大きさの揃った表面改質
粒子が得られた。
【0213】また、本粒子表面改質装置81も前述の場
合と同様、自動化が可能である。この場合、図31に示
すように、加熱装置7、加圧減圧装置75、粒子供給装
置43、表面改質剤供給装置76、表面改質剤供給装置
85および電磁バルブによって構成されるバルブ11・
13・74・84が制御装置86によって制御される。 〔発明の実施の形態7〕 本発明の実施のさらに他の形態を図32ないし図35に
基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図
面に示した手段と同一の機能を有する手段には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0214】本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置91は、図32に示す
構成となっている。この粒子表面改質装置91は、凝縮
箱96、冷却管92および光学検出装置3を備えてい
る。
【0215】凝縮箱96は、水平方向に延びる細長い円
柱形状あるいは角柱形状をなしている。凝縮箱96の形
状は特に上記形状に限定されるものではないが、本粒子
表面改質装置91での粒子表面改質処理に対する適否を
考えた場合、縦長形状よりも上記横長形状が好ましい。
【0216】凝縮箱96の内部には、凝縮箱96の長手
方向に延びる処理空間96bが形成されている。この処
理空間96bは、例えば円柱穴形に形成され、凝縮箱9
6の軸方向に対して上下方向に傾斜している。処理空間
96bにおける下方側端部には、表面改質剤21を貯留
するための貯留部96cが形成されている。上記傾斜に
より、例えば処理空間96bの内壁面に付着している表
面改質剤21は、貯留部96cに流れ込む。
【0217】凝縮箱96には、上記貯留部96c側の端
部に、貯留部96cの上方空間と連通するように粒子導
入口4が形成され、この粒子導入口4側とは反対側の端
部に、処理空間96bから上方に開口する粒子取出口5
が形成されている。また、凝縮箱96には、前記温度計
8と前記加熱装置7とが設けられている。凝縮箱96は
外壁部96a1 と内壁部96a2 とを有し、内壁部96
a2 は、前述した他の粒子表面改質装置と同様、セラミ
ックやフェルト等の多孔質材料にて形成されている。
【0218】凝縮箱96の上記粒子取出口5には冷却管
92が接続されている。冷却管92は直状に延びてお
り、本粒子表面改質装置91では、水平方向に致してほ
ぼ90°の角度で立設されている。
【0219】冷却管92は管壁部92aの内部に輸送路
92bを有している。冷却管92の外周面には、輸送路
92bを冷却するための冷却装置93が設けられ、管壁
部92aには、輸送路92bの温度を検出する温度計9
4が設けられている。上記冷却装置93は、例えば、ペ
ルチエ効果によって冷却を行うペルチエ素子からなる。
尚、冷却装置93としては、その他冷却温度に応じて、
液体窒素、水あるいはドライアイスなどの冷媒により冷
却した有機溶媒により冷却する装置や、リービッヒ冷却
器により冷却した氷水あるいは水などにより冷却する装
置等も採用可能である。
【0220】冷却管92の上端部は、光学検出装置3内
における光照射部3iと受光部3jとの間に達してい
る。光学検出装置3は前記粒子表面改質装置1に採用し
たものと同様の機能を有するものであり、光学検出装置
3を設けた場合の利点も前述の通りである。光学検出装
置3における前記冷却管92の上端部の上方位置には、
装置外部への粒子取出口95が設けられている。
【0221】次に、上記粒子表面改質装置91による粒
子表面改質方法を図33のフローチャートに基づいて説
明する。
【0222】粒子表面改質装置91によって粒子表面改
質処理を行う際には、表面改質剤21を凝縮箱96内の
貯留部2cに貯留するとともに、内壁部96a2 を含ま
せる(S211)。
【0223】次に、凝縮箱96の処理空間96b内に表
面改質剤21の飽和蒸気を得るため、加熱装置7により
凝縮箱96を加熱する(S212)。加熱装置7が作動
すると、ヒータ7aの発する熱が外壁部96a1 を経て
内壁部96a2 および処理空間96b内に伝わり、これ
らが加熱される。凝縮箱96内の温度は温度計8により
測定される。上記加熱により、処理空間96bに表面改
質剤21の飽和蒸気が生成される。
【0224】次に、冷却装置93により冷却管92を冷
却する(S213)。
【0225】次に、処理空間96b内に表面改質すべき
粒子22を導入する。この場合、粒子22は例えばエア
ロゾルとして粒子導入口4から処理空間96b内に導入
される。処理空間に導入された粒子22は、処理空間9
6b内に充満した表面改質剤21の飽和蒸気と混合さ
れ、処理空間96b内を冷却管92方向へ輸送される
(S214)。この状態は前記の図4(a)に示され
る。
【0226】次に、粒子22と表面改質剤21との混合
気体は、冷却管92の輸送路92bに導入され、ここで
冷却される(S215)。これにより、表面改質剤21
の飽和蒸気が過飽和状態となり、図4(b)に示したよ
うに、粒子22の表面にて表面改質剤21の凝縮反応が
生じる。この結果、図4(c)に示したように、粒子2
2表面に表面改質剤21の液膜が生成され、粒子22表
面の改質が行われる。
【0227】その後、輸送路92bの表面改質処理済み
の粒子、即ち表面改質粒子は、光学検出装置3を経て粒
子取出口95から取り出され(S216)、処理が終了
する。 (実施例9) 次に、図32に示した粒子表面改質装置91を使用した
粒子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処理
を行った実施例を図34のフローチャートに基づいて説
明する。尚、図34に示すS221〜S226の各行程
における具体的な動作は、図33に示したS211〜S
216の対応する各行程での動作と同様である。
【0228】先ず、凝縮箱96の内壁部96a2 に表面
改質剤21としてのジエチレングリコールを含ませ(S
221)、凝縮箱96内を内壁部96a2 を所定の温度
に加熱する(S222)。これにより、処理空間96b
内には、ジエチレングリコールの飽和蒸気が生成され
る。
【0229】また、冷却管92を管壁部92aを所定の
温度に冷却する(S223)。
【0230】次に、一次粒子径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 の酸化チタン粒子を粒子導入口
4から凝縮箱96内の処理空間96bに導入する。これ
により、処理空間96bには酸化チタン粒子とジエチレ
ングリコールの飽和蒸気との混合気体が得られる(S2
24)。
【0231】その後、上記混合気体は、冷却管92内に
導入され(S225)、ここで冷却される。これによ
り、ジエチレングリコールは過飽和状態となる。この結
果、酸化チタンの表面にてジエチレングリコールの凝縮
が生じ、酸化チタン粒子の表面がジエチレングリコール
の液膜で被覆された。以上の行程により、ジエチレング
リコールにより表面が覆われ、酸化チタン粒子を核とす
る一次粒子径1μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子
が得られた。
【0232】その後、上記の表面改質粒子は装置外に取
り出され、処理が終了する(S226)。 (実施例10) 次に、図32に示した粒子表面改質装置91を使用した
粒子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処理
を行った他の実施例を図35のフローチャートに基づい
て説明する。尚、図35に示すS231〜S236の各
行程における具体的な動作は、図33に示したS211
〜S216の対応する各行程での動作と同様である。
【0233】先ず、凝縮箱96の内壁部96a2 に表面
改質剤21としての硝酸を含ませ(S231)、凝縮箱
96内を内壁部96a2 の温度が420Kとなるように
加熱する(S232)。これにより、処理空間96b内
には、硝酸の飽和蒸気が生成される。
【0234】また、冷却管92を管壁部92aの温度が
290Kとなるように冷却する(S233)。
【0235】次に、幾何平均径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 のカーボンブラック粒子を粒子
導入口4から凝縮箱96内の処理空間96bに導入す
る。これにより、処理空間96bにはカーボンブラック
粒子と硝酸の飽和蒸気との混合気体が得られる(S23
4)。
【0236】その後、上記混合気体は、冷却管92内に
導入され(S235)、ここで冷却される。これによ
り、硝酸は過飽和状態となる。この結果、カーボンブラ
ック粒子の表面にて硝酸の凝縮が生じ、カーボンブラッ
ク粒子の表面が硝酸の液膜で被覆された。以上の行程に
より、硝酸により表面が覆われ、カーボンブラック粒子
を核とする表面改質粒子が得られた。
【0237】その後、表面改質処理済みのカーボンブラ
ック粒子が装置外に導き出され、処理が終了する(S2
36)。
【0238】本粒子表面改質装置91による粒子表面改
質方法では、粒子22の攪拌等、粒子22を帯電させる
ような処理を行わず、前述した他の粒子表面改質装置に
よる方法と同様、粒子22の表面に表面改質剤21の凝
縮を生じさせることにより粒子表面改質処理を行うもの
となっている。従って、前述した他の粒子表面改質装置
による方法と同様の利点を有している。
【0239】また、粒子表面改質装置91による粒子表
面改質方法では、基本的に、(1) 凝縮箱96の処理空間96bにて表面改質剤21
の飽和蒸気を生成するとともに、処理空間96bに粒子
22を導入する(2) 上記粒子22と飽和蒸気との混合気体を冷却管9
2に送り、表面改質剤21の飽和蒸気を粒子22の表面
に凝縮させる(3) 冷却管92から表面改質粒子を排出するという手
順により、粒子表面改質処理を行うものであるから、粒
子導入口4から順次粒子22を処理空間96bに導入し
て、粒子表面改質処理を連続的に行うことができる。
【0240】また、表面改質剤21の過飽和雰囲気を得
るのに、表面改質剤21の飽和蒸気の冷却という簡単な
方法を使用しているので、表面改質処理の操作の簡便化
および装置の簡素化を促進することができる。
【0241】また、表面改質剤21の飽和蒸気を表面改
質剤21を加熱することにより生成するので、その後、
表面改質剤21の過飽和雰囲気を得るための表面改質剤
21の飽和蒸気の冷却を容易に行うことができる。
【0242】尚、冷却管92は、水平方向に対して89
〜90°程度の角度で立設されているのが好ましいもの
の、凝縮箱96で加熱された上記混合気体の流れにより
冷却管92から改質処理済粒子を排出させることができ
るように、水平方向に対して例えば1〜90°の範囲で
傾斜していればよい。
【0243】また、冷却管92が上記の範囲で傾斜して
いれば、輸送路92bにおいて凝縮した表面改質剤21
を重力により凝縮箱96の処理空間96bに戻すことが
できる。従って、上記表面改質剤21は、再利用可能と
なる。この結果、表面改質剤21の使用量を削減でき、
表面改質粒子の製造コストを低減することができる。
〔発明の実施の形態8〕本発明の実施のさらに他の形態
を図36ないし図38に基づいて以下に説明する。尚、
説明の便宜上、前記の図面に示した手段と同一の機能を
有する手段には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0244】本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置101は、図36に示
す構成となっている。この粒子表面改質装置101は、
前記粒子表面改質装置91を利用し、同一の粒子22に
対する複数回の表面改質処理を連続して行うのに適した
構成、および同一の粒子22に対する異なる表面改質剤
21を使用しての複数回の表面改質処理を連続して行う
のに適した構成としたものである。
【0245】粒子表面改質装置101は、図36に示す
ように、前段の粒子表面改質装置91aの粒子取出口9
5と後段の粒子表面改質装置91bの粒子導入口4とが
移送用管102により接続されている。従って、この粒
子表面改質装置101では、連続して2回の粒子表面改
質処理が可能となっている。それ以上の回数の連続した
粒子表面改質処理が必要な場合には、その回数に応じた
台数の粒子表面改質装置91を直列に接続すればよい。 (実施例11) 次に、粒子表面改質装置101を使用して同一の表面改
質剤21による連続して2回の表面改質処理を行った実
施例を図37のフローチャートに基づいて説明する。
【0246】先ず、前段の粒子表面改質装置91aにお
いて、凝縮箱96の内壁部96a2 に表面改質剤21と
してのジエチレングリコールを含ませ(S241)、凝
縮箱96内を内壁部96a2 の温度が350Kとなるよ
うに加熱する(S242)。これにより、処理空間96
b内には、ジエチレングリコールの飽和蒸気が生成され
る。
【0247】また、冷却管92を管壁部92aの温度が
273Kとなるように冷却する(S243)。
【0248】次に、一次粒子径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 のポリスチレンラテックス粒子
を粒子導入口4から凝縮箱96内の処理空間96bに導
入する。これにより、処理空間96bにはポリスチレン
ラテックス粒子とジエチレングリコールの飽和蒸気との
混合気体が得られる(S244)。
【0249】その後、上記混合気体は、冷却管92内に
導入され(S245)、ここで冷却される。これによ
り、ジエチレングリコールは過飽和状態となる。この結
果、ポリスチレンラテックス粒子の表面にてジエチレン
グリコールの凝縮が生じ、ポリスチレンラテックス粒子
の表面がジエチレングリコールの液膜で被覆された。以
上の行程により、ジエチレングリコールにより表面が覆
われ、ポリスチレンラテックス粒子を核とする一次粒子
径1μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られ
た。
【0250】前段の粒子表面改質装置91aで処理済の
粒子は、移送用管102を通じて後段の粒子表面改質装
置91bに送られ、その粒子導入口4から処理空間96
bに導入される(S246)。以下、同様にして後段の
粒子表面改質装置91bによりS247〜S251の処
理が行われる。この結果、ジエチレングリコールにて表
面が覆われ、ポリスチレンラテックス粒子を核とする一
次粒子径2μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得
られた。
【0251】表面改質粒子は、粒子表面改質装置91b
の粒子取出口95から排出され、処理が終了する(S2
52)。 (実施例12) 次に、粒子表面改質装置101を使用して異なる表面改
質剤21により連続して2回の表面改質処理を行った実
施例を図38のフローチャートに基づいて説明する。
【0252】先ず、前段の粒子表面改質装置91aにお
いて、凝縮箱96の内壁部96a2 に表面改質剤21と
してのジエチレングリコールを含ませ(S261)、凝
縮箱96内を内壁部96a2 の温度が350Kとなるよ
うに加熱する(S262)。これにより、処理空間96
b内には、ジエチレングリコールの飽和蒸気が生成され
る。
【0253】また、冷却管92を管壁部92aの温度が
273Kとなるように冷却する(S263)。
【0254】次に、一次粒子径が約0.5μm、粒子個
数濃度が1011個/m3 のポリスチレンラテックス粒子
を粒子導入口4から凝縮箱96内の処理空間96bに導
入する。これにより、処理空間96bにはポリスチレン
ラテックス粒子とジエチレングリコールの飽和蒸気との
混合気体が得られる(S264)。
【0255】その後、上記混合気体は、冷却管92内に
導入され(S265)、ここで冷却される。これによ
り、ジエチレングリコールは過飽和状態となる。この結
果、ポリスチレンラテックス粒子の表面にて直ちにジエ
チレングリコールの凝縮が生じ、ポリスチレンラテック
ス粒子の表面がジエチレングリコールの液膜で被覆され
た。以上の行程により、ジエチレングリコールにより表
面が覆われ、ポリスチレンラテックス粒子を核とする一
次粒子径1μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得
られた。
【0256】前段の粒子表面改質装置91aで処理済の
粒子は、移送用管102を通じて後段の粒子表面改質装
置91bに送られ、その粒子導入口4から処理空間96
bに導入される(S266)。後段の粒子表面改質装置
91bでは、表面改質剤21としてトリエチレングリコ
ールを使用することにより、同様にしてS267〜S2
71の処理が行われる。この結果、ジエチレングリコー
ルにて表面が覆われ、さらにその表面がトリエチレング
リコールにて覆われた粒子径4μmのほぼ大きさの揃っ
たポリスチレンラテックス粒子を核とする表面改質粒子
が得られた。
【0257】表面改質粒子は、粒子表面改質装置91b
の粒子取出口95から排出され、処理が終了する(S2
72)。
【0258】上記のように、複数の表面改質剤21によ
る処理を可能とする場合、使用する表面改質剤21の種
類数の分の粒子表面改質装置91が直列に接続された構
成とすればよい。また、場合によっては、1台の粒子表
面改質装置91に複数種類の表面改質剤21を含ませて
おくことにより、これら表面改質剤21が混合された成
分の膜を1回の表面改質処理にて粒子22の表面に形成
することもできる。このように、複数種類の表面改質剤
21を同時に使用する場合、粒子22の表面にて複数の
表面改質剤21と粒子22の表面物質との化学反応を起
こさせることも可能である。〔発明の実施の形態9〕本
発明の実施のさらに他の形態を図39ないし図44に基
づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図面
に示した手段と同一の機能を有する手段には同一の符号
を付記し、その説明を省略する。
【0259】本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置111は、図39およ
び図40に示す構成となっている。図39は粒子表面改
質装置111の縦断面図であり、図40は斜視図であ
る。粒子表面改質装置111は、凝縮箱112、加圧減
圧装置113および光学検出装置3を有している。
【0260】凝縮箱112は、外形が例えば直方体をな
し、周壁部112aの内部に縦断面がほぼ繭形状のロー
タ動作空間112bを有している。凝縮箱112には、
粒子導入口4、表面改質剤導入口72および粒子取出口
5が形成されている。粒子導入口4および表面改質剤導
入口72には、それぞれバルブ116・117が設けら
れている。尚、これらバルブ116・117は、下記の
ロータ114の位置に応じてその側面によって開閉され
る開口部である。凝縮箱112には、また、凝縮箱11
2を加熱する前記加熱装置7、周壁部112aの温度を
測定する温度計8、およびロータ動作空間112b内の
圧力を測定する圧力計16が設けられている。
【0261】加圧減圧装置113は前記周壁部112a
にほぼ三角形状のロータ114を有している。ロータ1
14は、各頂部114aがそれぞれロータ動作空間11
2bに面する周壁部112aの内面に接しながら、図3
9に示す矢印方向へ偏心回転するようになっている。
【0262】ロータ114の中央部には内歯車114b
が形成され、この内歯車114bには、駆動用の小歯車
115が噛み合っている。この小歯車115が図示しな
い駆動装置にて回転駆動されることにより、ロータ11
4が回転する。
【0263】ロータ114の3個の周面には、ロータ動
作空間112bの容量を大きくするため、それぞれ凹部
114cが形成されている。上記3個の周面等、ロータ
114におけるロータ動作空間112bと接する面の少
なくとも一部は、セラミックやフェルト等の多孔質材料
にて形成されている。尚、多孔質材科からなる部分が多
い程、粒子表面改質処理において、表面改質剤21の気
化効率を向上することができる。従って、例えばロータ
114の周面全体が多孔質材料にて形成されていてもよ
い。
【0264】上記粒子取出口5には、排出管118が接
続され、この排出管118の端部は光学検出装置3にお
ける光照射部3iと受光部3jとの間に達している。
【0265】上記のように、本粒子表面改質装置111
は、ロータリエンジンの構成を利用したものであり、ロ
ータ動作空間112bにおいては、ロータリエンジンと
同様の吸入、圧縮、減圧および排気の各行程がこの順序
で行われる。
【0266】ロータ動作空間112bはロータ114に
より、図39に示すように、第1ないし第3処理空間1
12b1 〜112b3 に区切られている。例えば第1処
理空間112b1 の容積は、ロータ114の1回転によ
り、第1の増加、第1の減少、第2の増加、および第2
の減少がこの順序で生じるように変化する。粒子導入口
4および表面改質剤導入口72は、上記第1の増加領域
に設けられ、粒子取出口5は、上記第2の減少領域に設
けられている。また、上記第1の減少領域にて加圧によ
り表面改質剤21の飽和蒸気が生成され、上記第2の増
加領域にて減圧により表面改質剤21の飽和蒸気が過飽
和状態とされる。
【0267】次に、粒子表面改質装置111による粒子
表面改質方法を図41のフローチャートに基づいて説明
する。尚、この方法におけるロータ動作空間112bで
の加熱、粒子22と表面改質剤21との導入、加圧、減
圧および排出のサイクルは、図24に示した前記粒子表
面改質装置71での方法と同様である。
【0268】粒子表面改質処理の際には、先ず、加熱装
置7により凝縮箱112を加熱し(S301)、ロータ
114を図39の位置に配する。この状態において、バ
ルブ116・117は第1処理空間112b1 において
開となっている。
【0269】次に、凝縮箱112内のロータ動作空間1
12bに、表面改質すべき粒子22を例えばエアロゾル
として、また表面改質剤21を例えばミストとして、そ
れぞれ粒子導入口4と表面改質剤導入口72とに供給す
る。そして、ロータ114を徐々に矢印方向、即ち図3
9における時計方向に回転させると、第1処理空間11
2b1 の容積が増加し、上記表面改質剤21と粒子22
とが第1処理空間112b1 に吸入される。これによ
り、第1処理空間112b1 に表面改質剤21と粒子2
2との混合気体が得られる。その後、ロータ114の回
転が進むと、ロータ114の側面によりバルブ116・
117が閉じられ、ロータ動作空間112bが密閉状態
となる(S302)。
【0270】その後、さらにロータ114の回転が進む
と、第1処理空間112b1 の容積は減少して行き、上
記混合気体が加圧される(S303)。このとき、混合
気体は同時に加熱されている。上記混合気体が最も加圧
された状態は、図39に示す第2処理空間112b2 の
状態である。この加圧により、第1処理空間112b1
は常圧(大気圧)より高い所定の圧力に昇圧される。こ
の圧力は圧力計16により計測される。
【0271】次に、第1処理空間112b1 が第2処理
空間112b2 の位置に達したときに、ロータ114を
停止させ、表面改質剤21の飽和蒸気が得られるまで、
凝縮箱112を適当な時間静置する(S304)。
【0272】その後、さらにロータ114を回転させる
と、第1処理空間112b1 の容積が増加して行き、第
1処理空間112b1 は粒子取出口5に達すると、大気
圧まで減圧される。これは、第1処理空間112b1 が
例えば図39に示す第3処理空間112b3 に達した状
態である。これにより、上記混合気体が断熱膨張し、表
面改質剤21の飽和蒸気が過飽和状態となり、粒子22
の表面において表面改質剤21の凝縮が生じる(S30
5)。この結果、粒子22表面に表面改質剤21の液膜
が生成され、粒子22表面の改質が行われる。
【0273】その後、さらにロータ114が回転する
と、第1処理空間112b1 の容積が減少して行き、こ
れに応じて第1処理空間112b1 内の表面改質粒子
が、粒子取出口5から排出管118に排出される。その
後、上記の表面改質粒子は、光学検出装置3を経て粒子
取出口95から粒子表面改質装置111の外部に排出さ
れる(S306)。 (実施例13) 次に、図39に示した粒子表面改質装置111を使用し
た粒子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処
理を行った実施例を図42のフローチャートに基づいて
説明する。尚、図42に示すS311〜S316の各行
程における具体的な動作は、図41に示したS301〜
S306の対応する各行程での動作と同様である。ま
た、ここでは、第1処理空間112b1 においてのみ処
理が行われるものとして説明する。
【0274】先ず、凝縮箱112を周壁部112aの温
度が350Kとなるように加熱する(S311)。
【0275】次に、ロータ114の回転により、一次粒
子径が約0.5μm、粒子個数濃度が1011個/m3 の
酸化チタン粒子と表面改質剤21としてのジエチレング
リコールとをそれぞれ粒子導入口4と表面改質剤導入口
72とから凝縮箱112内のロータ動作空間112bの
第1処理空間112b1 に導入し、ロータ動作空間11
2bを密閉する(S312)。
【0276】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、さらなるロータ114の回転により、第1
処理空間112b1 の圧力が常圧(大気圧)より160
mmHgだけ高くなるように、凝縮箱112内を加圧す
る(S313)。このときには同時にジエチレングリコ
ールが加熱される。
【0277】次に、上記の加圧状態にてロータ114を
停止させ、この状態にて凝縮箱112を1分間静置し、
ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S314)。
【0278】次に、さらなるロータ114の回転によ
り、第1処理空間112b1 を常圧にまで急激に減圧す
る。これによりジエチレングリコールは断熱膨張して過
飽和蒸気状態となる(S315)。この結果、酸化チタ
ンの表面にてジエチレングリコールの凝縮が生じ、酸化
チタン粒子の表面がジエチレングリコールの液膜で被覆
された。以上の行程により、ジエチレングリコールによ
り表面が覆われ、酸化チタン粒子を核とする一次粒子径
1μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られた。
【0279】その後、さらなるロータ114の回転によ
り、表面改質済の酸化チタン粒子を装置外に取り出し、
処理を終了する(S316)。
【0280】尚、上記の処理では、ジエチレングリコー
ルの飽和蒸気を得るための凝縮箱112の静置時間を1
分間としているが、この時間は飽和蒸気を得るのに十分
に多い時間であり、凝縮液によっては数秒程度でも可能
もよい。 (実施例14) 次に、図39に示した粒子表面改質装置111を使用し
た粒子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処
理を行った他の実施例を図43のフローチャートに基づ
いて説明する。尚、図43に示すS321〜S326の
各行程における具体的な動作は、図41に示したS30
1〜S306の対応する各行程での動作と同様である。
また、ここでは、第1処理空間112b1 においてのみ
処理が行われるものとして説明する。
【0281】先ず、凝縮箱112を周壁部112aの温
度が400Kとなるように加熱する(S321)。
【0282】次に、ロータ114の回転により、一次粒
子径が約0.5μm、粒子個数濃度が1011個/m3 の
カーボンブラック粒子と表面改質剤21としての硝酸と
をそれぞれ粒子導入口4と表面改質剤導入口72とから
凝縮箱112内のロータ動作空間112bの第1処理空
間112b1 に導入し、ロータ動作空間112bを密閉
する(S322)。
【0283】次に、硝酸の飽和蒸気を得るために、さら
なるロータ114の回転により、第1処理空間112b
1 の圧力が常圧(大気圧)より160mmHgだけ高く
なるように、凝縮箱112内を加圧する(S323)。
このときには同時にジエチレングリコールが加熱され
る。
【0284】次に、上記の加圧状態にてロータ114を
停止させ、この状態にて凝縮箱112を5分間静置し、
硝酸の飽和蒸気を得る(S324)。
【0285】次に、さらなるロータ114の回転によ
り、第1処理空間112b1 を常圧にまで急激に減圧す
る。これにより硝酸は断熱膨張して過飽和蒸気状態とな
る(S325)。この結果、カーボンブラック粒子の表
面にて硝酸の凝縮が生じ、カーボンブラック粒子の表面
が硝酸の液膜で被覆された。以上の行程により、硝酸に
より表面が覆われ、カーボンブラック粒子を核とする表
面改質粒子が得られた。
【0286】その後、さらなるロータ114の回転によ
り、表面改質済のカーボンブラック粒子を装置外に取り
出し、処理を終了する(S326)。
【0287】本粒子表面改質装置111による粒子表面
改質方法では、粒子22の攪拌等、粒子22を帯電させ
るような処理を行わず、前述した他の粒子表面改質装置
による方法と同様、粒子22の表面に表面改質剤21の
凝縮を生じさせることにより粒子表面改質処理を行うも
のとなっている。従って、前述した他の粒子表面改質装
置による方法と同様の利点を有している。
【0288】また、本粒子表面改質装置111による粒
子表面改質方法では、凝縮箱112のロータ動作空間1
12b内に設けられたロータ114の回転により、(1) ロータ動作空間112bへの粒子22と表面改質
剤21との導入(2) 表面改質剤21の飽和蒸気の生成(処理空間の圧
縮)(3) 粒子22表面での表面改質剤21の凝縮(処理空
間の減圧、表面改質剤21の過飽和雰囲気の生成)(4) ロータ動作空間112bからの表面改質粒子の取
り出しを行っているので、粒子表面改質処理を連続的
に、また容易かつ効率よく行うことができる。
【0289】また、本粒子表面改質装置111では、同
一の処理空間において、加圧および減圧を行うことによ
り、表面改質粒子を得るようにしているので、生成され
た表面改質粒子の回収が容易である。
【0290】また、例えば第1処理空間112b1 の容
積の増加領域(第1の増加領域)に粒子導入口4および
表面改質剤導入口72が設けられているので、これら導
入口4・72に供給された粒子22および表面改質剤2
1は、第1処理空間112b1 の容積の増加に伴う吸引
動作により、容易に第1処理空間112b1 に導入され
る。
【0291】また、第1処理空間112b1 の容積の現
象領域(第2の減少領域)に表面改質粒子を第1処理空
間112b1 から排出するための粒子取出口5が設けら
れているので、第1処理空間112b1 の容積の減少に
伴って上記粒子の排出を容易に行うことができる。
【0292】尚、上記の説明においては、ロータ動作空
間112bの第1処理空間112b1 においてのみ粒子
表面改質処理を行う例について説明したが、その他の第
2および第3処理空間112b2 ・112b3 において
も第1処理空間112b1 での処理と並行して処理を行
うことが可能である。従って、効率の良い粒子表面改質
処理が可能である。
【0293】また、粒子表面改質装置111において
も、多孔質材料にて形成された例えばロータ114の面
に予め表面改質剤21を含ませておく方法も採用可能で
ある。この場合には、表面改質剤導入口72からの表面
改質剤21の導入が不要となる。 (実施例15) 次に、図39に示した粒子表面改質装置111を使用し
た粒子表面改質方法により、所定の条件下で表面改質処
理を行ったさらに他の実施例を図44のフローチャート
に基づいて説明する。尚、ここでは、1台の粒子表面改
質装置111により繰り返し表面改質処理を行うものと
する。この処理を行うために、粒子表面改質装置111
には、粒子取出口5を開閉するバルブが設けられる。こ
のバルブは後述の図45に示すバルブ124に相当する
ものである。このバルブは、例えば電磁バルブからな
り、図示しない制御装置によりその開閉動作が制御され
る。
【0294】また、以下に示すS331〜S335の各
工程、およびS336〜S340の各工程における具体
的な動作は、それぞれ図41に示したS301〜S30
5の各行程、およびS302〜S306の各行程での動
作と同様である。また、ここでも、第1処理空間112
b1 においてのみ処理が行われるものとして説明する。
【0295】先ず、凝縮箱112を周壁部112aの温
度が350Kとなるように加熱する(S331)。ま
た、上記粒子取出口5のバルブは閉とされる。
【0296】次に、ロータ114の回転により、一次粒
子径が約40nm、粒子個数濃度が1011個/m3 のポ
リスチレンラテックス粒子と表面改質剤21としてのジ
エチレングリコールとをそれぞれ粒子導入口4と表面改
質剤導入口72とから凝縮箱112内のロータ動作空間
112bの第1処理空間112b1 に導入し、ロータ動
作空間112bを密閉する(S332)。
【0297】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、さらなるロータ114の回転により、第1
処理空間112b1 の圧力が常圧(大気圧)より160
mmHgだけ高くなるように、凝縮箱112内を加圧す
る(S333)。このときには同時にジエチレングリコ
ールが加熱される。
【0298】次に、上記の加圧状態にてロータ114を
停止させ、この状態にて凝縮箱112を1分間静置し、
ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S334)。
【0299】次に、さらなるロータ114の回転によ
り、第1処理空間112b1 を常圧にまで急激に減圧す
る。これによりジエチレングリコールは断熱膨張して過
飽和蒸気状態となる(S335)。この結果、ポリスチ
レンラテックス粒子の表面にて直ちにジエチレングリコ
ールの凝縮が生じ、ポリスチレンラテックス粒子の表面
がジエチレングリコールの液膜で被覆された。以上の行
程により、ジエチレングリコールにより表面が覆われ、
ポリスチレンラテックス粒子を核とする一次粒子径1μ
mのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られた。
【0300】その後、さらにロータ114が回転し、第
1処理空間112b1 が図39に示す位置に到達する
と、表面改質剤導入口72から第1処理空間112b1
に再度ジエチレングリコールが導入される。このとき、
粒子導入口4へのポリスチレンラテックス粒子の供給は
行われない。従って、第1処理空間112b1 へのさら
なる粒子22の導入は行われない。その後、ロータ11
4によってバルブ117が閉じられ、第1処理空間11
2b1 が密閉される(S336)。
【0301】以下、前記の場合と同様にしてS337〜
S339の処理が進行し、ジエチレングリコールにて表
面が覆われ、ポリスチレンラテックス粒子を核とする一
次粒子径2μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒子が得
られた。
【0302】上記した再度の粒子表面改質処理において
は、粒子取出口5のバルブが開放される。従って、ロー
タ114の回転により、上記表面改質粒子は、粒子取出
口5、光学検出装置3および粒子取出口95を経て装置
外に取り出される(S340)。 〔発明の実施の形態10〕 本発明の実施のさらに他の形態を図45および図46に
基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、前記の図
面に示した手段と同一の機能を有する手段には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0303】本実施の形態における粒子表面改質方法の
実施に使用する粒子表面改質装置121は、図45に示
す構成となっている。この粒子表面改質装置121は、
粒子22に対して表面改質処理を複数回行い、かつ、こ
の複数回の表面改質処理のうち少なくとも2回に、相互
に種類の異なる表面改質剤21を使用する粒子表面改質
方法に適したものである。
【0304】粒子表面改質装置121は、異なる種類の
表面改質剤21を凝縮箱112のロータ動作空間112
bに導入するために、前記表面改質剤導入口72に加え
て第2の表面改質剤導入口122を有している。表面改
質剤導入口122には、表面改質剤導入口72の導入管
73およびバルブ117に対応する導入管123および
バルブ124が設けられている。また、粒子取出口5に
は、この粒子取出口5を開閉するためのバルブ124が
設けられている。このバルブ124は、例えば電磁バル
ブからなり、図示しない制御装置により開閉動作が制御
される。他の構成は、前記粒子表面改質装置111と同
様である。
【0305】表面改質剤導入口72と表面改質剤導入口
122との使用については、同一の粒子22に対する例
えば第1回目の粒子表面改質処理において表面改質剤導
入口72が使用され、第2回目の粒子表面改質処理にお
いて表面改質剤導入口122が使用される。この場合、
表面改質剤導入口72を使用するときには、この表面改
質剤導入口72に表面改質剤21が供給される一方、表
面改質剤導入口122に表面改質剤21が供給されな
い。同様に、表面改質剤導入口122を使用するときに
は、この表面改質剤導入口122に表面改質剤21が供
給される一方、表面改質剤導入口72に表面改質剤21
が供給されない。
【0306】尚、3種類以上の表面改質剤21による処
理を可能とする場合には、使用する表面改質剤21の種
類数の分だけ凝縮箱112に表面改質剤導入口を形成す
ればよい。また、一つの例えば表面改質剤導入口72か
ら複数種類の表面改質剤21を同時にロータ動作空間1
12bに導入することも可能である点は、前述の通りで
ある。また、この処理は表面改質剤導入口72と表面改
質剤導入口122とを同時に使用して行うことも可能で
ある。このように複数種類の表面改質剤21を同時に使
用する場合、粒子表面にて複数の表面改質剤21と粒子
表面物質との化学反応を起こさせることも可能である。 (実施例16) 次に、粒子表面改質装置121を使用して所定の条件下
で表面改質処理を行った実施例を図46のフローチャー
トに基づいて説明する。尚、以下に示すS351〜S3
55の各工程、およびS356〜S360の各工程にお
ける具体的な動作は、それぞれ図41に示したS301
〜S305の各行程、およびS302〜S306の各行
程での動作と同様である。また、図45に示す粒子表面
改質装置121において、表面改質剤導入口72の導入
管73には、ジエチレングリコールを供給する表面改質
剤供給装置76が接続され、表面改質剤導入口122の
導入管123には、トリエチレングリコールを供給する
表面改質剤供給装置76が接続されているものとする。
また、ここでも、第1処理空間112b1 においてのみ
処理が行われるものとして説明する。
【0307】先ず、凝縮箱112を周壁部112aの温
度が350Kとなるように加熱する(S351)。ま
た、粒子取出口5のバルブ124は閉とされる。
【0308】次に、ロータ114の回転により、一次粒
子径が約40nm、粒子個数濃度が1011個/m3 のポ
リスチレンラテックス粒子と表面改質剤21としてのジ
エチレングリコールとをそれぞれ粒子導入口4と表面改
質剤導入口72とから凝縮箱112内のロータ動作空間
112bの第1処理空間112b1 に導入し、ロータ動
作空間112bを密閉する(S352)。
【0309】次に、ジエチレングリコールの飽和蒸気を
得るために、さらなるロータ114の回転により、第1
処理空間112b1 の圧力が常圧(大気圧)より160
mmHgだけ高くなるように、凝縮箱112内を加圧す
る(S353)。このときには同時にジエチレングリコ
ールが加熱される。
【0310】次に、上記の加圧状態にてロータ114を
停止させ、この状態にて凝縮箱112を1分間静置し、
ジエチレングリコールの飽和蒸気を得る(S354)。
【0311】次に、さらなるロータ114の回転によ
り、第1処理空間112b1 を常圧にまで急激に減圧す
る。これによりジエチレングリコールは断熱膨張して過
飽和蒸気状態となる(S355)。この結果、ポリスチ
レンラテックス粒子の表面にてジエチレングリコールの
凝縮が生じ、ポリスチレンラテックス粒子の表面がジエ
チレングリコールの液膜で被覆された。以上の行程によ
り、ジエチレングリコールにより表面が覆われ、ポリス
チレンラテックス粒子を核とする一次粒子径1μmのほ
ぼ大きさの揃った表面改質粒子が得られた。
【0312】その後、さらにロータ114が回転し、第
1処理空間112b1 が図45に示す位置に到達する
と、今度は表面改質剤導入口122から第1処理空間1
12b1 にトリエチレングリコールが導入される。この
とき、粒子導入口4へのポリスチレンラテックス粒子の
供給は行われない。従って、第1処理空間112b1 へ
のさらなる粒子22の導入は行われない。その後、ロー
タ114によってバルブ116・117・124が閉じ
られ、第1処理空間112b1 が密閉される(S35
6)。
【0313】以下、前記の場合と同様にしてS357〜
S359の処理が進行し、ジエチレングリコールにて表
面が覆われ、その表面がさらにトリエチレングリコール
にて表面が覆われたポリスチレンラテックス粒子を核と
する一次粒子径4μmのほぼ大きさの揃った表面改質粒
子が得られた。
【0314】トリエチレングリコールを使用しての上記
第2回目の粒子表面改質処理においては、粒子取出口5
のバルブ124が開放される。従って、ロータ114の
回転により、上記表面改質粒子は、粒子取出口5、光学
検出装置3および粒子取出口95を経て装置外に取り出
される(S360)。
【0315】発明の粒子表面改質方法は、凝縮箱内の密
閉可能な処理空間に粒子とこの粒子表面の性質を改質す
るための表面改質剤とを導入した後、前記処理空間を密
閉し、次に、前記処理 空間の容積を小さくして処理空間
内を加圧することにより、前記表面改質剤の飽和蒸気を
生成し、その後、前記処理空間の容積を大きくして処理
空間内を減圧し、前記表面改質剤の過飽和雰囲気を生成
することにより、この過飽和雰囲気に前記粒子を曝して
前記粒子表面に前記表面改質剤を凝縮させ、粒子表面に
表面改質剤の膜を生成させることを特徴としている。
【0316】上記の構成によれば、凝縮箱内の処理空間
の容積を変化させることにより、表面改質剤の飽和蒸気
と表面改質剤の過飽和雰囲気とを生成するようにしてい
る。従って、表面改質剤による表面改質処理済の粒子
は、凝縮箱内に収容された状態となり、回収が容易であ
る。また、前記表面改質処理を行うための装置を、簡単
な構造とすることができる。また、1個の凝縮箱内にお
いて、同一の粒子に対する表面改質処理を容易に連続し
て行うことができる。
【0317】また、表面改質粒子は表面改質処理工程に
おいて帯電することがなく、取り扱いが容易である。ま
た、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという簡単な物理現象を利用
しているので、攪拌等による粒子表面改質処理と比較し
て、非常に短時間に処理を行うことができ、かつ操作が
簡便であり、装置が簡単かつ低コストの構成となる。ま
た、粒子表面に形成された表面改質膜には表面張力が作
用するので、均一な膜厚の表面改質膜にて粒子を覆うこ
とができる。
【0318】本発明の粒子表面改質装置は、内部に密閉
可能な処理空間を有する凝縮箱と、この凝縮箱の処理空
間に少なくとも粒子を導入するための開閉可能な導入口
と、前記凝縮箱の処理空間から粒子を取り出すための開
閉可能な粒子取出口と、前記凝縮箱に設けられ、前記処
理空間の容積を、処理空間内において粒子表面の性質を
改質するための表面改質剤の飽和蒸気が生成されるよう
に、また前記飽和蒸気が過飽和状態となるように変化さ
せる加圧減圧手段とを備えていることを特徴としてい
る。
【0319】上記の構成によれば、凝縮箱内の処理空間
には導入口から粒子が供給されるとともに、加圧減圧手
段により処理空間に配された表面改質剤が飽和状態とさ
れる。その後、加圧減圧手段により処理空間の表面改質
剤が過飽和状態とされる。これにより、表面改質剤が表
面に凝縮した表面改質粒子を得ることができる。尚、表
面改質剤は予め処理空間に供給しておくこと、あるいは
粒子と共に供給することができる。
【0320】前記のように、本粒子表面改質装置では、
加圧減圧手段が処理空間の容積を変化させることにより
処理空間内を加圧および減圧し、表面改質剤の飽和蒸気
および過飽和雰囲気を得るようになっている。従って、
同一の処理空間に粒子を収容している状態のままで、即
ち1台の粒子表面改質装置により、同一の粒子に対する
連続的な粒子表面改質処理を容易に行うことができる。
また、装置の構造を簡単なものとすることができる。ま
た、表面改質剤による表面改質処理済の粒子は、凝縮箱
内に収容された状態となり、回収が容易である。
【0321】また、本粒子表面改質装置を使用した粒子
表面改質処理では、表面改質粒子は表面改質処理工程に
おいて帯電することがなく、取り扱いが容易である。ま
た、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという簡単な物理現象を利用
しているので、攪拌等による粒子表面改質処理と比較し
て、非常に短時間に処理を行うことができ、かつ操作が
簡便であり、装置が簡単かつ低コストの構成となる。ま
た、粒子表面に形成された表面改質膜には表面張力が作
用するので、均一な膜厚の表面改質膜にて粒子を覆うこ
とができる。
【0322】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
粒子表面改質方法は、粒子を粒子表面の性質を改質する
ための表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、前記粒子表面
に前記表面改質剤を凝縮させることにより粒子表面に表
面改質剤の膜を生成させる第1の工程を有し、内壁部の
少なくとも一部が多孔質材料にて形成され、この多孔質
材料に前記表面改質剤を含浸させた凝縮箱内にて第1の
工程を行い、この第1の工程を複数回繰り返すことによ
り、前記粒子表面の表面改質剤の膜厚を厚くする構成で
ある。
【0323】これにより、粒子の攪拌等の粒子を帯電さ
せるような処理を行うことなく、粒子の表面に表面改質
剤の膜、即ち表面改質膜を得ることができる。従って、
表面改質処理済の粒子、即ち表面改質粒子は表面改質処
理工程において帯電することがなく、取り扱いが容易と
なる。
【0324】また、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に
曝し、粒子表面に表面改質剤を凝縮させることにより粒
子表面に表面改質膜を生成させるという処理は、攪拌等
による粒子表面改質処理と比較して、非常に短時間に行
うことができる。
【0325】また、本粒子表面改質方法は、表面改質剤
の過飽和雰囲気を形成し、これに粒子を曝して粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという単純な物理現象を利用
したものであるので、操作が簡便であり、さらにこれを
実施する装置も簡単かつ低コストの構成となる。
【0326】また、粒子表面に形成された表面改質膜に
は表面張力が作用するので、均一な膜厚の表面改質膜に
て粒子を覆うことができる
【0327】また、粒子表面に表面改質剤の膜を生成さ
せる第1の工程を複数回繰り返すことにより、前記粒子
表面の表面改質剤の膜を厚くするので、所望の膜厚の表
面改質剤の膜、および所望の粒径の表面改質粒子を得る
ことができる。
【0328】また、表面改質剤を大きい表面積を得るこ
とができる多孔質材料に含ませて凝縮箱内の雰囲気に曝
し、表面改質剤の飽和蒸気を得ることができるので、こ
の飽和蒸気を短時間で効率よく得ることができる。
【0329】請求項3に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、粒子表面に表面改質剤の膜を生成させる前記複数回
の工程のうちの少くとも2回の工程に、相互に種類の異
なる表面改質剤を使用する構成である。
【0330】これにより、請求項1に記載の発明の効果
に加えて、複数の機能を有する高機能の表面改質粒子を
得ることができるという効果を奏する。
【0331】請求項4に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記粒子を前記過飽和雰囲気に曝すために、前記粒
子を前記表面改質剤の飽和蒸気に曝し、この表面改質剤
の飽和蒸気を断熱膨張させて過飽和状態とする構成であ
る。
【0332】これにより、請求項1に記載の発明の効果
に加えて、表面改質処理の短時間化、操作の簡便化およ
び装置の簡素化を促進することができるという効果を奏
する。また、表面改質粒子の生産性を高めることができ
る。
【0333】請求項5に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項4に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記表面改質剤の飽和蒸気を前記表面改質剤を圧縮
することにより生成する構成である。
【0334】これにより、請求項4に記載の発明の効果
に加えて、表面改質剤の過飽和雰囲気を得るための表面
改質剤の飽和蒸気の断熱膨張を容易に行うことができる
という効果を奏する。
【0335】請求項6に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記粒子を前記過飽和雰囲気に曝すために、前記粒
子を前記表面改質剤の飽和蒸気に曝し、この表面改質剤
の飽和蒸気を冷却して過飽和状態とする構成である。
【0336】これにより、請求項1に記載の発明の効果
に加えて、表面改質剤の過飽和雰囲気が表面改質剤の飽
和蒸気の冷却という簡単な方法により得られるので、表
面改質処理の操作の簡便化および装置の簡素化を促進す
ることができるという効果を奏する。
【0337】請求項7に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項6に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記表面改質剤の飽和蒸気を前記表面改質剤を加熱
することにより生成する構成である。
【0338】これにより、表面改質剤の飽和蒸気が表面
改質剤を加熱することにより生成されるので、その後、
表面改質剤の過飽和雰囲気を得るための表面改質剤の飽
和蒸気の冷却を容易に行うことができる。
【0339】請求項8に記載の発明の粒子表面改質方法
は、請求項1に記載の発明の粒子表面改質方法におい
て、前記凝縮箱内に前記粒子を導入した後、密閉状態の
前記凝縮箱内を加圧して前記表面改質剤の飽和蒸気を形
成し、その後、前記凝縮箱内を減圧することにより前記
表面改質剤を過飽和状態とする構成である。
【0340】請求項9に記載の発明の粒子表面改質装置
は、内部に密閉可能な処理空間を有する凝縮箱と、この
凝縮箱の処理空間に粒子を導入するための粒子導入口
と、前記凝縮箱の処理空間から粒子を取り出すための粒
子取出口と、前記処理空間の圧力を、処理空間内におい
て粒子表面の性質を改質するための表面改質剤の飽和蒸
気が生成されるように、また前記飽和蒸気が過飽和状態
となるように変化させる調整手段とを備え、前記凝縮箱
の処理空間に面する部材の少なくとも一部が、粒子表面
の性質を改質する表面改質剤を含むための多孔質材料を
有している構成である。
【0341】これにより、凝縮箱の多孔質材料からなる
内壁部に表面改質剤を含ませた状態で、凝縮箱の内部に
粒子導入口から粒子を導入し、凝縮箱を密閉状態とした
後、調整手段を作動させて凝縮箱内に表面改質剤の飽和
蒸気を生じさせ、その後、調整手段の作動により凝縮箱
内を減圧させて表面改質剤の飽和蒸気を過飽和状態と
し、粒子表面に表面改質剤を凝縮させ、粒子表面に表面
改質剤の膜を形成することができる。この場合に、表面
改質剤が大きい面積で凝縮箱内の雰囲気に曝されるの
で、効率よく表面改質剤の飽和蒸気を得ることができる
という効果を奏する。
【0342】請求項10に記載の発明の粒子表面改質装
置は、内部に密閉可能な処理空間を有する凝縮箱と、こ
の凝縮箱の処理空間に粒子をエアロゾルとして導入する
ための粒子導入口と、前記凝縮箱の処理空間から粒子を
エアロゾルとして取り出すための粒子取出口と、前記処
理空間の圧力を変化させる調整手段と、前記粒子導入口
から凝縮箱内へ粒子をエアロゾルとして供給する粒子供
給手段と、前記粒子取出口から、前記凝縮箱内で処理さ
れた粒子をエアロゾルとして凝縮箱内から排出させる粒
子排出手段と、前記粒子供給手段により前記凝縮箱内に
粒子が供給されるとともに、前記調整手段により前記凝
縮箱内に配された表面改質剤が飽和状態とされ、その
後、前記調整手段により前記凝縮箱内の表面改質剤が過
飽和状態とされ、その後、前記表面改質剤が表面に凝縮
した前記粒子が前記粒子排出手段にて凝縮箱から排出さ
れるように、前記各手段を制御する制御手段とを備えて
いる構成である。
【0343】これにより、粒子供給手段により凝縮箱内
に粒子が供給されるとともに、調整手段により凝縮箱内
に配された表面改質剤が飽和状態とされ、その後、調整
手段により凝縮箱にて粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気
に曝し、粒子表面に表面改質剤の膜を形成するという一
連の動作を自動的に行うことができる。また、粒子の攪
拌等の粒子を帯電させるような処理を行うことなく、粒
子の表面に表面改質剤の膜、即ち表面改質膜を得ること
ができる。従って、表面改質処理済の粒子、即ち表面改
質粒子は表面改質処理工程において帯電することがな
く、取り扱いが容易となる。
【0344】また、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に
曝し、粒子表面に表面改質剤を凝縮させることにより粒
子表面に表面改質膜を生成させるという処理は、攪拌等
による粒子表面改質処理と比較して、非常に短時間に行
うことができる。
【0345】また、本粒子表面改質方法は、表面改質剤
の過飽和雰囲気を形成し、これに粒子を曝して粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという単純な物理現象を利用
したものであるので、操作が簡便であり、装置が簡単か
つ低コストの構成となる。
【0346】また、粒子表面に形成された表面改質膜に
は表面張力が作用するので、均一な膜厚の表面改質膜に
て粒子を覆うことができる等の効果を奏する。
【0347】請求項11に記載の発明の粒子表面改質装
置は、内部に処理空間を有し、この処理空間に面する内
壁部の少なくとも一部が、表面改質剤としての凝縮液を
浸漬しておくための多孔質材料にて形成された凝縮箱
と、この凝縮箱の前記処理空間に少なくとも粒子を導入
するための導入口と、前記処理空間内において粒子表面
の性質を改質するための表面改質剤の飽和蒸気が生成さ
れるように、前記処理空間内を加熱する加熱手段と、前
記凝縮箱の処理空間と接続された輸送路と、前記表面改
質剤の飽和蒸気が過飽和状態となるように、前記輸送路
を冷却する冷却手段とを備えている構成である。
【0348】これにより、導入口から凝縮箱内の処理空
間に順次導入される粒子に対して連続的な表面改質処理
が可能である。
【0349】また、本粒子表面改質装置を使用した粒子
表面改質処理では、表面改質粒子は表面改質処理工程に
おいて帯電することがなく、取り扱いが容易である。ま
た、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという簡単な物理現象を利用
しているので、攪拌等による粒子表面改質処理と比較し
て、非常に短時間に処理を行うことができ、かつ操作が
簡便であり、装置が簡単かつ低コストの構成となる。ま
た、粒子表面に形成された表面改質膜には表面張力が作
用するので、均一な膜厚の表面改質膜にて粒子を覆うこ
とができるという効果を奏する。
【0350】請求項12に記載の発明の粒子表面改質装
置は、請求項11に記載の発明の粒子表面改質装置にお
いて、前記輸送路が、前記処理空間との接続側端部に対
してその反対側端部が上方に位置するように、傾斜して
いる構成である。
【0351】これにより、請求項11に記載の発明の効
果に加えて、冷却により輸送路の内壁に凝縮した表面改
質剤を凝縮箱に戻すことができるので、前記表面改質剤
を再度利用することができる。この結果、表面改質剤の
使用量を削減でき、表面改質粒子の製造コストを低減す
ることができる。
【0352】請求項13に記載の発明の粒子表面改質装
置は、内部にロータ動作空間を有する凝縮箱と、この凝
縮箱の前記ロータ動作空間に少なくとも粒子をエアロゾ
ルとして導入するための導入口と、前記凝縮箱のロータ
動作空間から粒子をエアロゾルとして取り出すための粒
子取出口と、前記ロータ動作空間に設けられ、このロー
タ動作空間に面する各面の少なくとも一部が表面改質剤
としての凝縮液を浸漬しておくための多孔質材料にて形
成され、回転するロータを有し、このロータが前記ロー
タ動作空間に面する凝縮箱の内壁面と共に密閉可能、か
つロータの回転に応じて移動する処理空間を形成し、前
記ロータの回転により、前記処理空間の容積を、処理空
間内において粒子表面の性質を改質するための表面改質
剤の飽和蒸気が生成されるように、また前記飽和蒸気が
過飽和状態となるように変化させる加圧減圧手段とを備
えている構成である。
【0353】これにより、本粒子表面改質装置では、処
理空間内に粒子を収容している状態のままで、即ち1台
の粒子表面改質装置により、同一の粒子に対する連続的
な粒子表面改質処理を容易に行うことができる。
【0354】また、導入口から処理空間に粒子を導入
し、ロータの回転により処理空間を移動させながら処理
空間の容量を変化させ、これによって得られた表面改質
粒子を粒子取出口から取り出すことができる。従って、
導入口から粒子を処理空間に導入し、ロータを回転させ
ることにより、連続的な表面改質処理を容易に行うこと
ができる。
【0355】また、本粒子表面改質装置を使用した粒子
表面改質処理では、表面改質粒子は表面改質処理工程に
おいて帯電することがなく、取り扱いが容易である。ま
た、粒子を表面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、粒子表面
に表面改質剤を凝縮させるという簡単な物理現象を利用
しているので、攪拌等による粒子表面改質処理と比較し
て、非常に短時間に処理を行うことができ、かつ操作が
簡便であり、装置が簡単かつ低コストの構成となる。ま
た、粒子表面に形成された表面改質膜には表面張力が作
用するので、均一な膜厚の表面改質膜にて粒子を覆うこ
とができるという効果を奏する。
【0356】請求項14に記載の発明の粒子表面改質装
置は、請求項13に記載の発明の粒子表面改質装置にお
いて、前記処理空間の容積が、前記ロータの1回転によ
り、第1の増加、第1の減少、第2の増加、および第2
の減少がこの順序で生じるように変化し、前記第1の増
加領域に前記導入口が設けられ、前記第2の減少領域に
前記取出口が設けられ、前記第1の減少領域にて表面改
質剤の飽和蒸気が生成され、前記第2の増加領域にて前
記表面改質剤の飽和蒸気が過飽和状態とされる構成であ
る。
【0357】これにより、請求項13に記載の発明の効
果に加えて、凝縮箱内の処理空間における容積の第1の
増加、第1の減少、第2の増加、および第2の減少に応
じて、それぞれ、処理空間内への粒子の導入、表面改質
剤の飽和蒸気の生成、表面改質剤の過飽和雰囲気の生
成、および処理空間からの表面改質粒子の排出が行わ
れ、表面改質処理を行うための前記一連の各処理を容易
にかつ効率良く行うことができるという効果を奏する。
【0358】請求項15の発明の粒子表面改質装置は、
請求項9から14の何れかの発明の粒子表面改質装置に
おいて、少なくとも表面改質剤の膜の形成後における粒
子の径を検出する粒子径検出手段を備えている構成であ
る。
【0359】これにより、請求項9から14の何れかの
発明の効果に加えて、粒子径検出手段により、少なくと
も表面改質処理終了直後に表面改質粒子の粒子径を検出
することができる。従って、この粒子径の検出結果を迅
速に反映して、表面改質粒子の粒子径を制御することが
可能となるという効果を奏する。
【0360】請求項16の発明の粒子表面改質装置は、
請求項9から15の何れかの発明の粒子表面改質装置に
おいて、前記凝縮箱内で処理された粒子の個数濃度を検
出する粒子個数濃度検出手段を備えていることを特徴と
している。
【0361】これにより、請求項9から15の何れかの
発明の効果に加えて、表面改質処理にて得られた表面改
質粒子の個数濃度を検出することができる。従って、こ
の個数濃度に基づいて表面改質粒子の粒子径を検出し得
るとともに、粒子表面改質装置での生産性を確認するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における粒子表面改質方
法を示すフローチャートである。
【図2】図1に示した粒子表面改質方法を実施するため
の粒子表面改質装置を示す縦断面図である。
【図3】図2に示した粒子表面改質装置の斜視図であ
る。
【図4】図1に示した粒子表面改質方法による粒子表面
改質動作の過程を示す説明図である。
【図5】図1に示した粒子表面改質方法による粒子表面
改質処理の原理を説明するグラフである。
【図6】図1に示した粒子表面改質方法の一実施例を示
すフローチャートである。
【図7】図1に示した粒子表面改質方法の他の実施例を
示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の他の形態における粒子表面改質
方法を実施するための粒子表面改質装置を示す縦断面図
である。
【図9】図8に示した粒子表面改質装置による粒子表面
改質動作の過程を示す説明図である。
【図10】図8に示した粒子表面改質装置により行われ
る粒子表面改質方法の一実施例を示すフローチャートで
ある。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態の粒子表面改
質方法による粒子表面改質動作の過程を示す説明図であ
る。
【図12】図11に示した粒子表面改質動作を行う粒子
表面改質方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態を示すもので
あって、粒子表面改質装置の全体構成の説明図である。
【図14】図13に示した粒子表面改質装置が備える制
御系の構成を示すブロック図である。
【図15】図13に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質処理動作を示すフローチャートである。
【図16】図13に示した粒子表面改質装置の他の例に
おける全体構成の説明図である。
【図17】図16に示した粒子表面改質装置が備える制
御系の構成を示すブロック図である。
【図18】図16に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質処理動作を示すフローチャートである。
【図19】図18に示した動作に続く動作を示すフロー
チャートである。
【図20】図16に示した粒子表面改質装置による他の
粒子表面改質処理動作を示すフローチャートである。
【図21】図20に示した動作に続く動作を示すフロー
チャートである。
【図22】本発明の実施の一形態における粒子表面改質
方法を実施するための粒子表面改質装置を示す縦断面図
である。
【図23】図22に示した粒子表面改質装置の斜視図で
ある。
【図24】図22に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法を示すフローチャートである。
【図25】図24に示した粒子表面改質方法の一実施例
を示すフローチャートである。
【図26】図24に示した粒子表面改質方法の他の実施
例を示すフローチャートである。
【図27】図22に示した粒子表面改質装置が備える制
御系の構成を示すブロック図である。
【図28】図22に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法のさらに他の実施例を示すフローチャート
である。
【図29】本発明の実施の他の形態における粒子表面改
質方法を実施するための粒子表面改質装置を示す縦断面
図である。
【図30】図29に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図31】図29に示した粒子表面改質装置が備える制
御系の構成を示すブロック図である。
【図32】本発明の実施のさらに他の形態における粒子
表面改質方法を実施するための粒子表面改質装置を示す
縦断面図である。
【図33】図32に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法を示すフローチャートである。
【図34】図33に示した粒子表面改質方法の一実施例
を示すフローチャートである。
【図35】図33に示した粒子表面改質方法の他の実施
例を示すフローチャートである。
【図36】本発明の実施のさらに他の形態における粒子
表面改質方法を実施するための粒子表面改質装置を示す
縦断面図である。
【図37】図36に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図38】図36に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法の他の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図39】本発明の実施のさらに他の形態における粒子
表面改質方法を実施するための粒子表面改質装置を示す
縦断面図である。
【図40】図39に示した粒子表面改質装置の斜視図で
ある。
【図41】図39に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法を示すフローチャートである。
【図42】図41に示した粒子表面改質方法の一実施例
を示すフローチャートである。
【図43】図41に示した粒子表面改質方法の他の実施
例を示すフローチャートである。
【図44】図41に示した粒子表面改質方法のさらに他
の実施例を示すフローチャートである。
【図45】本発明の実施のさらに他の形態における粒子
表面改質方法を実施するための粒子表面改質装置を示す
縦断面図である。
【図46】図45に示した粒子表面改質装置による粒子
表面改質方法の一実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 粒子表面改質装置 1a 粒子表面改質装置 1b 粒子表面改質装置 2 凝縮箱 2a2 内壁部 2b 処理空間 3 光学検出装置(粒子径検出手段、粒子個数濃度
検出手段) 4 粒子導入口 5 粒子取出口 6 加圧減圧口(調整手段) 7 加熱装置(調整手段) 8 温度計 10 導入管 10a 導入管 10b 導入管(排出手段) 11 バルブ 13 バルブ 14 加圧減圧用配管(調整手段) 14b 減圧用配管(調整手段) 15 バルブ(調整手段) 16 圧力計 21 表面改質剤 21a 表面改質剤 21b 表面改質剤 22 粒子 41 粒子表面改質装置 42 加圧装置 43 粒子供給装置(粒子供給手段) 44 粒子排出装置(粒子排出手段) 45 粒子回収装置 46 制御装置(制御手段) 51 電磁バルブ(排出手段) 55 電磁バルブ(調整手段) 59 電磁バルブ(調整手段) 61 粒子表面改質装置 63 制御装置(制御手段) 71 粒子表面改質装置 72 表面改質剤導入口 75 加圧減圧装置(加圧減圧手段) 75a ピストン 81 粒子表面改質装置 82 表面改質剤導入口 91 粒子表面改質装置 92 冷却管 92b 輸送路 93 冷却装置 95 粒子取出口 96 凝縮箱 96a2 内壁部 96b 処理空間 111 粒子表面改質装置 112 凝縮箱 112b ロータ動作空間 112b1 第1処理空間 112b2 第2処理空間 112b3 第3処理空間 113 加圧減圧装置 114 ロータ 121 粒子表面改質装置 122 表面改質剤導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤澤 良彰 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 森西 康晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 泉 英志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−249567(JP,A) 特開 昭61−274767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/56 B01J 19/00 C01G 23/04

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子を粒子表面の性質を改質するための表
    面改質剤の過飽和雰囲気に曝し、前記粒子表面に前記表
    面改質剤を凝縮させることにより粒子表面に表面改質剤
    の膜を生成させる第1の工程を有し、内壁部の少なくと
    も一部が多孔質材料にて形成され、この多孔質材料に前
    記表面改質剤を含浸させた凝縮箱内にて第1の工程を行
    い、この第1の工程を複数回繰り返すことにより、前記
    粒子表面の表面改質剤の膜厚を厚くすることを特徴とす
    る粒子表面改質方法。
  2. 【請求項2】表面改質処理前の前記粒子をエアロゾルと
    して前記凝縮箱内に取り込み、かつ表面改質処理後の前
    記粒子をエアロゾルとして前記凝縮箱内から取り出す
    とを特徴とする請求項1に記載の粒子表面改質方法。
  3. 【請求項3】粒子表面に表面改質剤の膜を生成させる前
    記複数回の工程のうちの少くとも2回の工程に、相互に
    種類の異なる表面改質剤を使用することを特徴とする
    求項1に記載の粒子表面改質方法。
  4. 【請求項4】前記粒子を前記過飽和雰囲気に曝すため
    に、前記粒子を前記表面改質剤の飽和蒸気に曝し、この
    表面改質剤の飽和蒸気を断熱膨張させて過飽和状態とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の粒子表面改質方
    法。
  5. 【請求項5】前記表面改質剤の飽和蒸気を前記表面改質
    剤を圧縮することにより生成することを特徴とする請求
    項4に記載の粒子表面改質方法。
  6. 【請求項6】前記粒子を前記過飽和雰囲気に曝すため
    に、前記粒子を前記表面改質剤の飽和蒸気に曝し、この
    表面改質剤の飽和蒸気を冷却して過飽和状態とすること
    を特徴とする請求項1に記載の粒子表面改質方法。
  7. 【請求項7】前記表面改質剤の飽和蒸気を前記表面改質
    剤を加熱することにより生成することを特徴とする請求
    項6に記載の粒子表面改質方法。
  8. 【請求項8】前記凝縮箱内に前記粒子を導入した後、密
    閉状態の前記凝縮箱内を加圧して前記表面改質剤の飽和
    蒸気を形成し、その後、前記凝縮箱内を減圧することに
    より前記表面改質剤を過飽和状態とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の粒子表面改質方法。
  9. 【請求項9】内部に密閉可能な処理空間を有する凝縮箱
    と、 この凝縮箱の処理空間に粒子を導入するための粒子導入
    口と、 前記凝縮箱の処理空間から粒子を取り出すための粒子取
    出口と、 前記処理空間の圧力を、処理空間内において粒子表面の
    性質を改質するための表面改質剤の飽和蒸気が生成され
    るように、また前記飽和蒸気が過飽和状態となるように
    変化させる調整手段とを備え、 前記凝縮箱の処理空間に面する部材の少なくとも一部
    が、粒子表面の性質を改質する表面改質剤を含むための
    多孔質材料を有していることを特徴とする粒子表面改質
    装置。
  10. 【請求項10】 内部に密閉可能な処理空間を有する凝縮箱と、 この凝縮箱の処理空間に粒子をエアロゾルとして導入す
    るための粒子導入口と、 前記凝縮箱の処理空間から粒子をエアロゾルとして取り
    出すための粒子取出口と、 前記処理空間の圧力を変化させる調整手段と、 前記粒子導入口から凝縮箱内へ粒子をエアロゾルとして
    供給する粒子供給手段と、 前記粒子取出口から、前記凝縮箱内で処理された粒子を
    エアロゾルとして凝縮箱内から排出させる粒子排出手段
    と、 前記粒子供給手段により前記凝縮箱内に粒子が供給され
    るとともに、前記調整手段により前記凝縮箱内に配され
    た表面改質剤が飽和状態とされ、その後、前記調整手段
    により前記凝縮箱内の表面改質剤が過飽和状態とされ、
    その後、前記表面改質剤が表面に凝縮した前記粒子が前
    記粒子排出手段にて凝縮箱から排出されるように、前記
    各手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴と
    する粒子表面改質装置。
  11. 【請求項11】内部に処理空間を有し、この処理空間に
    面する内壁部の少なくとも一部が、表面改質剤としての
    凝縮液を浸漬しておくための多孔質材料にて形成された
    凝縮箱と、 この凝縮箱の前記処理空間に少なくとも粒子を導入する
    ための導入口と、 前記処理空間内において粒子表面の性質を改質するため
    の表面改質剤の飽和蒸気が生成されるように、前記処理
    空間内を加熱する加熱手段と、 前記凝縮箱の処理空間と接続された輸送路と、 前記表面改質剤の飽和蒸気が過飽和状態となるように、
    前記輸送路を冷却する冷却手段とを備えていることを特
    徴とする粒子表面改質装置。
  12. 【請求項12】前記輸送路は、前記処理空間との接続側
    端部に対してその反対側端部が上方に位置するように、
    傾斜していることを特徴とする請求項11に記載の粒子
    表面改質装置。
  13. 【請求項13】内部にロータ動作空間を有する凝縮箱
    と、この凝縮箱の前記ロータ動作空間に少なくとも粒子
    エアロゾルとして導入するための導入口と、前記凝縮
    箱のロータ動作空間から粒子をエアロゾルとして取り出
    すための粒子取出口と、前記ロータ動作空間に設けら
    、このロータ動作空間に面する各面の少なくとも一部
    が表面改質剤としての凝縮液を浸漬しておくための多孔
    質材料にて形成され、回転するロータを有し、このロー
    タが前記ロータ動作空間に面する凝縮箱の内壁面と共に
    密閉可能、かつロータの回転に応じて移動する処理空間
    を形成し、前記ロータの回転により、前記処理空間の容
    積を、処理空間内において粒子表面の性質を改質するた
    めの表面改質剤の飽和蒸気が生成されるように、また前
    記飽和蒸気が過飽和状態となるように変化させる加圧減
    圧手段とを備えていることを特徴とする粒子表面改質装
    置。
  14. 【請求項14】前記処理空間の容積は、前記ロータの1
    回転により、第1の増加、第1の減少、第2の増加、お
    よび第2の減少がこの順序で生じるように変化し、 前記第1の増加領域に前記導入口が設けられ、 前記第2の減少領域に前記取出口が設けられ、 前記第1の減少領域にて表面改質剤の飽和蒸気が生成さ
    れ、 前記第2の増加領域にて前記表面改質剤の飽和蒸気が過
    飽和状態とされることを特徴とする請求項13に記載の
    粒子表面改質装置。
  15. 【請求項15】少なくとも表面改質剤の膜の形成後にお
    ける粒子の径を検出する粒子径検出手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項9から14の何れかに記載の粒子
    表面改質装置。
  16. 【請求項16】前記凝縮箱内で処理された粒子の個数濃
    度を検出する粒子個数濃度検出手段を備えていることを
    特徴とする請求項9から15の何れかに記載の粒子表面
    改質装置。
  17. 【請求項17】表面改質処理前の前記粒子をエアロゾル
    として前記凝縮箱内に取り込み、かつ表面改質処理後の
    前記粒子をエアロゾルとして前記凝縮箱内から取り出す
    ことを特徴とする請求項9、10、11または13に記
    載の粒子表面改質装置。
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