JP2008199997A - 食品の酸味マスキング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品に加えることにより、その食品の酸味を有効に低減し、さらにコク味も付与または増強することができる酸味マスキング剤を提供することを目的とする。
【解決手段】グルコースが2糖以上β−1,4結合したオリゴ糖であるセロオリゴ糖を有効成分として含む酸味マスキング剤を、酸味を有する食品または酸味料を含む食品に加えることにより、その食品の本来の風味を変化させずに酸味を有効に低減し、更にはコク味も付与する。
【選択図】なし

Description

本発明は食品の酸味や酢酸臭を低減またはマスキングし、さらにコク味をも付与または増強する食品の酸味マスキング剤に関する。
酸味は、食品において、塩味、苦味、旨味、甘味等とともに味覚形成に重要な一要素である。レモンやヨーグルトの様に食品自体が元来酸味を有している場合もあるが、多くは酸味料等の食品添加物を添加することにより付与されている。これら酸味料は、単に食品に酸味を付与するだけでなく、保存、抗菌、緩衝作用等の機能も有するため、味覚調整に加え、これらの作用を期待して食品に添加する場合がある。
しかしながら、有用な作用を期待して添加される酸味剤であっても、一方においてはpHの低下、物性や化学的特性の変化をも招く場合があった。その結果、食品等の本来の味のバランスが損なわれ、また、不快な酸味を増強したりして、食品等の嗜好性に悪影響を及ぼす問題があった。
これに関し、種々の呈味成分が酸味をマスキングするものとして知られている。例えば、糖類やアミノ酸(グルタミン酸ナトリウム)等を食品に添加する手法があるが、これらは旨味や甘味を増すことにより相対的に酸味を減少させるものであり、他の味をほとんど変化させずに酸味をマスキングする方法については未だ開発されていない。
特許文献1において、アスパルテームが漬物や梅加工食品において酸味をマイルドにすることが記載されている。しかし、アスパルテーム自体はpH、温度等によって分解し易く、対象の食品によっては長期間安定に保存することができない場合がある。
また、特許文献2においては、5’−ウリジル酸ナトリウム及び/または5’−シチジル酸ナトリウムを添加する事による食品の酸味マスキング方法が記載されている。しかしながら、この5’−ウリジル酸ナトリウム及び/または5’−シチジル酸ナトリウムは無味・無臭であるが、マスキングの効果の点では不十分であった。
したがって、酸味のマスキング効果を十分に発揮するとともに、製品本来の味のバランスを保持し、さらに長期安定性及び熱安定性にすぐれた酸味のマスキング剤が求められている。
特公平4−60626号公報 特開平11−169131号公報
本発明は、食品本来の風味にほとんど変化を与えずに、酸味や酢酸臭を効率的に低減(マスキング)する酸味マスキング剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、セロオリゴ糖を食品に添加することにより食品本来の味に変化を与えることなしに食品の酸味や酢酸臭などの不快臭を有効に低減(マスキング)することができることを確認した。さらに酸味低減のみならず、食品にコク味も付与または増強することが出来ることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 セロオリゴ糖を有効成分として含有することを特徴とする酸味マスキング剤。
〔2〕 〔1〕に記載の酸味マスキング剤を含む食品。
本発明によれば、本発明の酸味マスキング剤による酸味マスキング効果により、食品の本来の風味をほとんど変化させずに食品の酸味や酢酸臭を有効に低減(マスキング)することができる。さらに、食品にコク味を付与または増強することができる。加えて、本発明の酸味マスキング剤は、天然物由来であるため安全性が高く、しかも長期安定性及び熱安定性に優れたセロオリゴ糖を有効成分とするものであることから、食品産業における利用が期待されるものである。
本発明は酸味マスキング剤に関するものである。ここで、本発明が対象とする酸味とは、食品を摂取したヒトの味覚と嗅覚で感じられる感覚の一種を意味する。すなわち、食品摂取時に、舌や口腔等の味覚器により感じられるものである。一般には、有機酸より生ずる水素イオンによって引き起こされるものである。嗅覚としては、酢酸臭、果実臭、乳酸臭などが生じる。
本発明の酸味マスキング剤は、このような味覚としての酸味と、嗅覚としての酸味、すなわち、酢酸臭、乳酸臭、果実臭等の不快感をも低減するものである。ここで、低減とは、その食品の風味を損なわない程度に酸味を適度に低減することを意味する。
食品の酸味を引き起こす有機酸やその塩をはじめとする化合物としては、酢酸、酢酸ナトリウム、氷酢酸、乳酸、乳酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、L−酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、アスコルビン酸、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、リン酸、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、二酸化炭素、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、イタコン酸、α−ケトグルタル酸、フィチン酸、ピロリン酸二水素二ナトリウム、および酸性メタリン酸ナトリウムなどが挙げられるがこれらに限られない。これらの有機酸は、酸味を有する天然食品の場合、通常、1または2以上の化合物の組み合わせが含まれ、他の成分とあいまって酸味を呈する。また、加工食品の場合、通常、1または2以上の化合物が酸味料として添加されるか、或いは、1または2以上の化合物を含む酸味を有する天然食品素材が添加されることにより、酸味を呈する。
本発明の酸味マスキング剤が対象とする食品は、酸味を有する食品である。酸味の程度は特に問わず、また、いわゆる食品添加物としての酸味料(例えば、上述の有機酸等など)や、酸味を有する天然食品素材(例えば、食酢、ヨーグルト、漬物など)が添加された食品であってもよい。例えば醸造酢、合成酢等の食酢、ポン酢、めんつゆ、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、ウスターソース、タルタルソースなどの調味料;リンゴ、レモン、オレンジ等の柑橘類、キウイ、ぶどうなどの果実を原料とする果汁飲料等の食品;乳酸菌飲料等の液体食品やヨーグルト等の発酵乳をはじめとする各種乳酸菌含有食品;梅干、漬物などの保存食品;キャンディー、ガムなどの菓子類;うどんなどの麺類;その他各種天然食品、加工食品が挙げられる。また、食品の形状は特に限定されず、固体状、ペースト状、液状、ゲル状、顆粒状、粉末状等が挙げられるがこれに限られない。
本発明の酸味マスキング剤は、食品に酸味を低減させるだけでなく、コク味をも付与するものである。ここでコク味とは、一般に食品の本格的な風味、複雑なおいしさを表す用語である。一般的には、食品本来が持つ味の「強さ」、「広がり」、「持続性」、「ハーモニー」などの要素から構成されており、味の濃厚感が強いとコク味も強く感じることになり、逆に味が物足りないときはコク味によって改善される。
本発明の酸味マスキング剤の有効成分であるセロオリゴ糖は、グルコースが2糖以上β−1,4結合したオリゴ糖である。セロオリゴ糖は通常様々な重合度のオリゴ糖の混合物であるが、単一或いは特定の範囲の重合度のもののみに精製されたものであってもよい。中でも、グルコース重合度が2〜6のセロビオース、セロトリオース、セロテトロース、セロペンタオース、およびセロヘキサオースのうちの少なくとも1種を豊富に含むことが好ましく、特にセロビオース、セロトリオース、およびセロテトロースのうちの少なくとも1種を豊富に含むことが好ましく、さらに、セロビオースおよびセロトリオースのうちの少なくとも1種を豊富に含むことが好ましい。グルコース重合度が6より大きいと、水に対する溶解度が極端に低下するため、液体食品については沈殿を生じ、本発明の効果を十分に発揮できない可能性があるため、好ましくない。具体的には、グルコース重合度が1〜6のセロオリゴ糖の含有率が、50重量%以上、特に80重量%以上、中でも90重量%以上であることが好ましい。そして更に、セロビオースの含有率が70重量%以上、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90%重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上であることが望ましい。尚、セロオリゴ糖の立体異性については特に問わないが、一般にD体であることが多い。
本発明のセロオリゴ糖は、公知の方法で製造することができる。例えば、化学的方法としては、発煙塩酸−濃硫酸によりセルロースを酸加水分解後、カーボンカラム等によりセロオリゴ糖を分画分取する方法(Miller,G.L,Methods in Carbohydrate Chemistry III(Academic Press),134(1963))等が知られている。
酵素的な方法としては、アモルファスなセルロースにセルビブリオ(Cellvibrio)属に属する微生物が生産するセルラーゼを作用させ、限外濾過反応器を組み合わせることにより生成物阻害を解除してセロオリゴ糖を生成させる方法(特開平1−256394号公報)、セルラーゼ中のβ−グルコシダーゼを選択的に除去したセルラーゼをセルロースに作用させて、セロオリゴ糖を製造する方法(特開平5−115293号公報)、湿潤状態の未晒しサルファイトパルプを原料にセルラーゼを作用させる系で限外濾過装置を組み合わせ、セロビオースを含むセロオリゴ糖を作る方法(特公平8−2312号公報)等で製造することができる。
また、糖質加リン酸分解酵素(セロデキストリンホスホリラーゼ)の逆反応を利用し、グルコース−1−リン酸をグルコース供与体として、セロビオースの存在下でセロオリゴ糖を製造することができる(Journal of Fermentation and Bioengineering,vol.77,No.3,239−242(1994)。
本発明の有効成分であるセロオリゴ糖を製造する方法としては、セルロースを原料にセルラーゼを用いてセロオリゴ糖に分解し、晶析工程などを経てグルコース重合度が2〜4のセロオリゴ糖の純度を高める方法が好適である。
本発明の有効成分であるセロオリゴ糖は、上記のいずれの方法において製造したものを用いても良いし、または、市販のもの(CMS Chemicals社等)も用いることができる。
本発明の酸味マスキング剤中のセロオリゴ糖の含有量は、50重量%以上が好ましく、特には80重量%以上が好ましい。
本発明の酸味マスキング剤は、セロオリゴ糖を有効成分として含有する必要があるが、その他に本発明の効果を妨げない範囲で他の成分を添加することができる。例えば、セロオリゴ糖をセルロースから分画する際に副生するグルコースのほか、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、ペクチン、デキストリン等の増粘剤、賦形剤、他のオリゴ糖、穀物類、ビタミン類などの食品への使用上問題のない任意の成分を含むことができ、いずれを用いるかは当業者により適宜選択される。また、本発明の酸味マスキング剤の形状は特に限定されず、その有効成分としてのセロオリゴ糖を製剤化せずに粉末のまま用いることができるが、食品への添加混合に適した形態に加工する等の目的で製剤化することもできる。例えば、シロップ状、凍結乾燥状態、粉末状、顆粒状等任意の形態への加工が可能である。
本発明の酸味マスキング剤の食品への添加量は、食品の種類、本発明の酸味マスキング剤中におけるセロオリゴ糖の含有割合などにもよるが、セロオリゴ糖として一般に0.05〜10重量%、中でも0.1〜3重量%が好ましい。0.05重量%より少ないと充分な効果が発現されず、10重量%を超えると風味のバランスが崩れ、コスト的にも不利となるおそれがある。一般的に、液体食品の方が固体食品と比べて少ない添加量で大きな効果が得られることが多い。
本発明の酸味マスキング剤の食品への添加方法は特に限定されない。食品が液体状または、ペースト状のものであれば、本発明の酸味マスキング剤を添加後、何らかの方法で攪拌すればよい。食品が固体状であれば、本発明の酸味マスキング剤を均一にふりかければよい。また、加工食品へ添加する場合には、最終製品に添加してもよいし、製造過程の適当な工程において添加してもよい。
本発明の酸味マスキング剤においては、有効成分であるセロオリゴ糖がそれ自身ではほとんど呈味性を示さないこともあり、食品に添加した際にどのような作用により酸味低減効果が導かれるのかについて、その詳細は不明であるが、人間の舌の酸味成分を検知する味蕾に何らかの影響を及ぼし、インターラクションが引き起こされ、酸味の低減効果が発現されるものと推察される。
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<酸味の官能検査>
官能検査は、15名のパネラーにより、酸味の度合いを順位法(酸味が弱い順に1〜5で評価)にて評価し、その合計値を求めた。
<コク味の官能検査>
官能検査は、15名のパネラーにより、コク味の度合いを順位法(コク味が強い順に1〜5で評価)にて評価し、その合計値を求めた。
<酢酸臭の官能検査>
官能検査は、15名のパネラーにより、酢酸臭の度合いを順位法(酢酸臭が弱い順に1〜5で評価)にて評価し、その合計値を求めた。
各試験区の評価結果について、Kramer検定表により有意差の有無を判定した。
実施例1
プレーンタイプの市販乳酸菌飲料(明治乳業製)にセロオリゴ糖(セロビオース96重量%、グルコース2重量%、セロトリオース2重量%)を有効成分として含有する本発明の酸味マスキング剤を乳酸菌飲料に対し0.5重量%添加し、酸味の低減効果およびコク味の向上効果を評価した。又、セロビオース含量が異なるセロオリゴ糖(セロビオース85重量%、グルコース13重量%、セロトリオース2重量%)、(セロビオース70重量%、グルコース29重量%、セロトリオース1重量%)についても、同様に0.5重量%添加して評価した。
比較対象として、セロオリゴ糖の代わりにトレハロース(商品名「トレハ」純度98%、(株)林原製)を、各々乳酸菌飲料に対し0.5重量%添加し、酸味およびコク味の評価結果を比較した。
結果を表1に示す。表1の結果をもとに順位法の検定表を用いる方法により検定を行ったところ、危険率5%で有意差が認められた(*印)。
Figure 2008199997
本発明品を添加したものは酸味がマスキングされると共に、コク味も付与することが出来た。特に、セロビオース含量85重量%以上の本発明品を添加したものにおいて効果は顕著であった。一方、トレハロースを添加したものは、酸味のマスキングが不十分であり、コク味の付与もあまり感じられなかった。
実施例2
プレーンタイプの市販固形ヨーグルト(明治乳業製)にセロオリゴ糖(セロビオース96重量%、グルコース2重量%、セロトリオース2重量%)を有効成分として含有する本発明の酸味マスキング剤を固形ヨーグルトに対し0.5重量%添加し、酸味の低減効果およびコク味の向上効果を評価した。又、セロビオース含量が異なるセロオリゴ糖(セロビオース85重量%、グルコース13重量%、セロトリオース2重量%)、(セロビオース70重量%、グルコース29重量%、セロトリオース1重量%)についても、同様に0.5重量%添加して評価した。
比較対象として、セロオリゴ糖の代わりにトレハロース(商品名「トレハ」純度98%、(株)林原製)を、各々固形ヨーグルトに対し0.5重量%添加し、酸味およびコク味の評価結果を比較した。官能検査の結果を表2に示す。表2の結果をもとに順位法の検定表を用いる方法により検定を行ったところ、危険率5%で有意差が認められた(*印)。
Figure 2008199997
本発明品を添加したものは酸味がマスキングされると共に、コク味も付与することが出来た。特に、セロビオース含量85重量%以上の本発明品を添加したものにおいて効果は顕著であった。一方、トレハロースを添加したものは、酸味のマスキングが不十分であり、コク味の付与もあまり感じられなかった。
実施例3
市販りんご酢(ミツカン製)を純水で5倍希釈したものに、セロオリゴ糖(セロビオース96重量%、グルコース2重量%、セロトリオース2重量%)を有効成分として含有する本発明の酸味マスキング剤を市販リンゴ酢に対し、1重量%添加し、酸味および酢酸臭の低減効果を評価した。又、セロビオース含量が異なるセロオリゴ糖(セロビオース85重量%、グルコース13重量%、セロトリオース2重量%)、(セロビオース70重量%、グルコース29重量%、セロトリオース1重量%)についても、同様に1重量%添加して評価した。
比較対象として、セロオリゴ糖の代わりにイソマルトオリゴ糖(商品名「イソマルト900P」純度90%、昭和産業(株)製)を、1重量%添加し、酸味および酢酸臭の評価結果を比較した。官能検査の結果を表3に示す。表3の結果をもとに順位法の検定表を用いる方法により検定を行ったところ、危険率5%で有意差が認められた(*印)。
Figure 2008199997
本発明品を添加したものは酢カドが取れて酢酸臭がマスキングされ非常に飲みやすくなった。特に、セロビオース含量85重量%以上の本発明品を添加したものにおいて効果は顕著であった。一方、イソマルトオリゴ糖を添加したものは、酸味および酢酸臭のマスキングが不十分であった。
実施例4
植物油32重量部、醸造酢18重量部、トマトペースト10重量部、砂糖6重量部、食塩4重量部、オニオン1.5重量部、ガーリックパウダー1.0重量部、コンブエキスパウダー0.5重量部、コショウ0.2重量部、水26.8重量部からなるドレッシングを調製した。
セロオリゴ糖(セロビオース96重量%、グルコース2重量%、セロトリオース2重量%)を有効成分として含有する本発明の酸味マスキング剤をドレッシングに対し0.5重量%添加し、酸味の低減効果およびコク味の向上効果を評価した。又、セロビオース含量が異なるセロオリゴ糖(セロビオース85重量%、グルコース13重量%、セロトリオース2重量%)、(セロビオース70重量%、グルコース29重量%、セロトリオース1重量%)についても、同様に0.5重量%添加して評価した。
比較対象として、セロオリゴ糖の代わりにトレハロースを、ドレッシングに対し0.5重量%添加し、酸味およびコク味の評価結果を比較した。官能検査の結果を表4に示す。表4の結果をもとに順位法の検定表を用いる方法により検定を行ったところ、危険率5%で有意差が認められた(*印)。
Figure 2008199997
本発明品を添加したものは酸味がマスキングされると共に、コク味も付与することが出来た。特に、セロビオース含量85重量%以上の本発明品を添加したものにおいて効果は顕著であった。一方、トレハロースを添加したものは、酸味のマスキングが不十分であり、コク味の付与もあまり感じられなかった。
実施例5
果糖ぶどう糖液糖12重量部、レモン果汁4重量部、クエン酸0.2重量部、レモン香料0.2重量部、水83.6重量部からなるレモン果汁飲料を調製した。
セロオリゴ糖(セロビオース96重量%、グルコース2重量%、セロトリオース2重量%)を有効成分として含有する本発明の酸味マスキング剤をレモン果汁に対し0.5重量%添加し、酸味の低減効果およびコク味の向上効果を評価した。又、セロビオース含量が異なるセロオリゴ糖(セロビオース85重量%、グルコース13重量%、セロトリオース2重量%)、(セロビオース70重量%、グルコース29重量%、セロトリオース1重量%)についても、同様に0.5重量%添加して評価した。
比較対象として、セロオリゴ糖の代わりにトレハロースを、レモン果汁に対し0.5重量%添加し、酸味およびコク味の評価結果を比較した。官能検査の結果を表5に示す。表5の結果をもとに順位法の検定表を用いる方法により検定を行ったところ、危険率5%で有意差が認められた(*印)。
Figure 2008199997
本発明品を添加したものは酸味がマスキングされ、飲みやすくなった。特に、セロビオース含量85重量%以上の本発明品を添加したものにおいてで効果は顕著であった。一方、トレハロースを添加したものは、酸味のマスキングが不十分であった。
実施例6
植物油70重量部、10%加塩卵15重量部、醸造酢9重量部、砂糖2重量部、食塩0.5重量部、グルタミン酸ナトリウム0.4重量部、マスタード0.1重量部、水3重量部からなるマヨネーズを調製した。
セロオリゴ糖(セロビオース96重量%、グルコース2重量%、セロトリオース2重量%)を有効成分として含有する本発明の酸味マスキング剤をマヨネーズに対し0.5重量%添加し、酸味の低減効果およびコク味の向上効果を評価した。又、セロビオース含量が異なるセロオリゴ糖(セロビオース85重量%、グルコース13重量%、セロトリオース2重量%)、(セロビオース70重量%、グルコース29重量%、セロトリオース1重量%)についても、同様に0.5重量%添加して評価した。
比較対象として、セロオリゴ糖の代わりにトレハロースを、マヨネーズに対し0.5重量%添加し、酸味を比較した。官能検査の結果を表6に示す。表6の結果をもとに順位法の検定表を用いる方法により検定を行ったところ、危険率5%で有意差が認められた(*印)。
Figure 2008199997
本発明品を添加したものは酸味がマスキングされると共に、コク味も付与することが出来た。特に、セロビオース含量85重量%以上の本発明品を添加したものにおいて効果は顕著であった。一方、トレハロースを添加したものは、酸味のマスキングが不十分であり、コク味の付与もあまり感じられなかった。

Claims (2)

  1. セロオリゴ糖を有効成分として含有することを特徴とする酸味マスキング剤。
  2. 請求項1に記載の酸味マスキング剤を含む食品。
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